JP3189560U - 上肢動作補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】全体が軽量であるため持ち運びが容易であるとともに、使用時における上肢の自由度が高い上肢動作補助具を提供する。
【解決手段】細長い円筒形状のフレーム部2の上端部には滑車部9が設けられ、その滑車部9の上端部には上肢動作補助具1を吊るすためのフック11が設けられている。また、フレーム部2にはその外周面13上を摺動可能な円筒形状の重り部15が設けられている。そして、フレーム部2の中に挿通されるとともに滑車部9に掛けられたワイヤー6の一方の端部6aには上肢を支持する手掛け部26が連結され、他方の端部6bには重り部15が連結されている。これにより、使用者の上肢に手掛け部26を装着して吊るすことで、重り部15の重さの分だけ上肢が上方へ引っ張り上げられた状態となり、楽な状態で上肢を使った所望の作業を行うことができる。
【選択図】図1
【解決手段】細長い円筒形状のフレーム部2の上端部には滑車部9が設けられ、その滑車部9の上端部には上肢動作補助具1を吊るすためのフック11が設けられている。また、フレーム部2にはその外周面13上を摺動可能な円筒形状の重り部15が設けられている。そして、フレーム部2の中に挿通されるとともに滑車部9に掛けられたワイヤー6の一方の端部6aには上肢を支持する手掛け部26が連結され、他方の端部6bには重り部15が連結されている。これにより、使用者の上肢に手掛け部26を装着して吊るすことで、重り部15の重さの分だけ上肢が上方へ引っ張り上げられた状態となり、楽な状態で上肢を使った所望の作業を行うことができる。
【選択図】図1
Description
本考案は、上肢に運動機能障害を持つ人の日常生活における上肢の動作を補助するための器具に関するものである。
従来、上肢の運動機能の低下や上肢麻痺の障害を持つ人の日常生活における上肢動作の補助に関する装置としては、支柱フレームからばねを吊り下げてその先端に取り付けたバンドによって上肢を支持するいわゆるアームサスペンションや、垂直な支柱によって支えられたアーム等の先端から吊り下げたカフによって上肢を支持する腕保持用装置、更には上肢に装着する装具を複数の糸条で吊り下げてその糸条を上方に位置する転向子を介して巻取り駆動装置に保持させる上肢動作補助機構が開示されている。
しかし、従来の上記装置は全て大がかりであって重量も重いため、上肢に障害を持つ人が所望の場所に自ら設置することが非常に困難であり、気軽に使用することができなかった。また、上記装置は大きな支柱やフレームを有し、更には支柱等からアーム等が伸びているため、上肢に障害を持つ人が上記装置によって上肢を支持した場合には、支柱やフレーム等が邪魔となり、上肢の動作の自由度が制限されていた。
また、従来の上記装置は主に腕部を支持するものであるため、筋力が低下して手指に力が入らない症状を有する障害者にとっては使い勝手が悪いものであった。更に、従来の装置は構造が複雑であるとともに非常に高価であるという問題もあった。
そこで本考案は、構造が簡単で安価であるとともに、上肢に障害を持つ人であっても持ち運びやすく所望の場所で気軽に使用でき、使用時における上肢の動作の自由度が高く、腕部のみならず手首や手指をも支持可能な補助具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願の請求項1に係る考案は、長尺なフレーム部と、該フレーム部の上部に設けられた滑車部と、前記フレーム部の外周面上を摺動可能な重り部と、使用者の上肢を支持する手掛け部と、前記重り部と前記手掛け部が両端に連結されているとともに前記滑車部に掛けられている紐部材と、前記フレーム部から前記重り部が抜け落ちるのを防止するためのストッパー部と、前記フレーム部を吊るすための係止部とを有することを特徴とする。
また、請求項2に係る考案は、前記フレーム部が略筒状体であって、その内部に前記紐部材が挿通されていることを特徴とし、請求項3に係る考案は、天井に固定されたレール上を移動可能な移動子に前記係止部が係止していることを特徴とし、請求項4に係る考案は、請求項1に記載された上肢動作補助具であって、前記係止部の代わりに前記フレーム部を立設させて固定させるための固定部を有することを特徴とし、請求項5に係る考案は、前記手掛け部を下方に静止させるための掛止部を有することを特徴とする。
また、請求項6に係る考案は、前記滑車部が、該滑車部の枠部に形成されたネジ孔を中心として回動可能であることを特徴とし、請求項7に係る考案は、前記滑車部を覆うカバーを有することを特徴とし、請求項8に係る考案は、前記滑車部に掛けられている前記紐部材が脱落するのを防止するための保護部材を有する事を特徴とし、請求項9に係る考案は、前記手掛け部が支持紐によって形成され、1または複数個の輪を有することを特徴とし、請求項10に係る考案は、前記手掛け部を複数有することを特徴とし、請求項11に係る考案は、前記手掛け部が弾性を有することを特徴とし、請求項12に係る考案は、前記手掛け部の大きさを調節可能であることを特徴とする。
また、請求項13に係る考案は、前記紐部材と前記手掛け部とが捻じれを防止するための部材を介して連結されていることを特徴とし、請求項14に係る考案は、前記紐部材と前記手掛け部とが弾性を有する部材を介して連結されていることを特徴とし、請求項15に係る考案は、前記紐部材と前記手掛け部とが分離可能としたことを特徴とし、請求項16に係る考案は、前記重り部の重さが調節可能であることを特徴とする。
また、請求項17に係る考案は、前記紐部材の長さが調節可能であることを特徴とし、請求項18に係る考案は、前記フレーム部の下部に前記重り部の落下の衝撃を吸収するための緩衝部材が設けられていることを特徴とする。
上記構造により、請求項1に係る考案によれば、上肢動作補助具の全体がコンパクトであるとともに軽量であるため、上肢に障害を持つ人であっても持ち運びが容易で、所望の場所において容易に設置できるとともに、簡単な操作により上肢の動作を補助することができる。
また、上肢動作補助具はフレーム部以外には支柱等が存在しないため、上肢の動きを遮るものが殆ど無く、使用時における上肢の自由な動きが可能となる。また、部品数が少なく構造が簡単であるため、製造が容易であるとともに安価で製造が可能である。更に、上肢動作補助具は健常者が長時間のデスクワークに従事する際に上肢の動作を補助する器具としても使用可能であり、その使用により疲労や肩こりを軽減できるなどの効果も有する。
また、請求項2に係る考案によれば、フレーム部の下端部が紐部材の動きに追従するため上肢の動きを遮るものが無く、使用時における上肢の更なる自由な動きが可能となる。
また、請求項3及び請求項4に係る考案によれば、より多くの場面において上肢動作補助具を使用することができる。また、請求項5に係る考案によれば、上肢動作補助具を次回使用する際に手掛け部を手に取り易くなる。また、請求項6ないし請求項8に係る考案によれば、紐部材が滑車部から脱落するのを防止することができる。
また、請求項9に係る考案によれば、手掛け部の上肢への装着が容易であるとともに腕部のみならず手首や手指をも支持することができ、請求項10に係る考案によれば、使用者の病状に合わせて手掛け部を装着して上肢の動作を補助することができる。また、請求項11に係る考案によれば、手掛け部が弾性を有するため手掛け部の上肢への装着が容易になり、請求項12に係る考案によれば、上肢に装着しやすい大きさに手掛け部を調整することができる。
また、請求項13に係る考案によれば、上肢の動きにより手掛け部やワイヤーが捻じれるのを防止できるため上肢動作補助具を快適に使用することができ、請求項14に係る考案によれば、上肢の小さい動きに対しても安定した上肢の支持が可能となる。また、請求項15に係る考案によれば、使用により消耗した手掛け部を交換することができ、請求項16及び請求項17に係る考案によれば、重り部の重さ及び紐部材の長さを調節することができるため、上肢動作補助具を快適に使用することができる。
また、請求項18に係る考案によれば、上肢動作補助具の使用の際に上肢動作補助具を構成する部材の損傷等を防止できるため、上肢動作補助具を安心且つ安全に使用することができる。
以下、本考案の実施例を図1ないし図10に従って説明する。尚、以下本考案に係る実施例について詳細に説明するが、本考案を実施するのに好ましい具体例を説明するものであって、それらの実施例に限定されるものではない。
まず、図1に示す実施例の上肢動作補助具1について説明すると、2は上肢動作補助具1のフレーム部であり、ステンレス合金等の金属で形成されている。また、フレーム部2は長尺な肉薄の略円筒形状に形成されている。
また、フレーム部2の長さは、使用者101が上肢動作補助具1を天井3に吊るすことができる長さであるとともに、また図3に示すように、吊るした上肢動作補助具1のフレーム部2の下端部が座っている使用者101の動作の邪魔にならないように、約80〜90cmぐらいであることが望ましい。
フレーム部2の上部は潰されて傾斜面部4及び平面部5が形成されており、その傾斜面部4には以下で詳述するワイヤー6を通すための貫通孔8が形成されている。また、平面部5には滑車部9の枠部10の下端部が固定されており、その枠部10の上端部には係止部である逆J字状のフック11が固定されている。そのため、所望の作業(パソコンや食事等)を行いたい場所の天井3にあらかじめ固定されているフック12にフック11を引っ掛けることにより、上肢動作補助具1を天井3から吊るすことができる。
フレーム部2の下端部付近には、フレーム部2の外周面13からその径方向に突出するストッパー部である突出部14が設けられている。そのため、以下で詳述する重り部15がフレーム部2の下端部から抜け落ちるのを防止することができる。尚、フレーム部2の下端部には開放された開口部18が形成されている。
また、フレーム部2にはスプリング16が設置されている。このスプリング16は、フレーム部2の外径よりもやや大きめであるとともに突出部14の外径よりも小さい内径を有しており、スプリング16の内部にフレーム部2が挿通され、突出部14の上方に設置されている。
そのため、重り部15が突出部14に向かって落下する場合であっても、突出部14の上方に設置されたスプリング16が重り部15の落下の衝撃を吸収する緩衝部材としての役割を果たし、突出部14と重り部15との衝突による破損を防止することができる。尚、緩衝部材としてスプリング16の代わりに、フレーム部2の外径よりもやや大きめであるとともに突出部14の外径よりも小さい内径を有する円筒形状で樹脂製のチューブ等を設置してもよい。
6は使用者101の上肢102を吊るすための紐部材であるナイロン製のワイヤーであり、フレーム部2の上端部に固定された滑車部9の車輪部20の溝20aに掛けられている。そして、ワイヤー6の一方の端部6bには重り部15が連結されており、もう一方の端部6aには以下で詳述する手掛け部26が連結されている。
また、ワイヤー6は、フレーム部2の上部に形成された貫通孔8及びフレーム部2の下端部の開放された開口部18に通され、ワイヤー6がフレーム部2の内部19に挿通されている。よって、ワイヤー6の端部6aに連結された手掛け部26を前後左右に動かすと、フレーム部2の下端部がその動きに追従する。
また、上記構造により、ワイヤー6の端部6aに連結された手掛け部26を様々な方向に動かした場合であっても、滑車部9の車輪部20の溝20aからはみ出すことがないため、ワイヤー6が滑車部9の車輪部20から脱落することがない。
15は重り部であって、やや肉厚の円筒形状の部材である。そして、重り部15は全体が鉛等の金属で形成されており、その重さは約350g程度である。また、重り部15はフレーム部2の長さよりも短く形成されており、約12〜17cm程度である。
また、重り部15の内径は、フレーム部2の外径よりもほんの少し大きめに形成されている。そのため、図1に示すように、重り部15の内部21にフレーム部2を挿通することができ、重り部15はフレーム部2の外周面13上を摺動可能になっている。尚、重り部15が落下したときに突出部14の上方に設置されたスプリング16と衝突するように、重り部15の内径はスプリング16の外径よりも小さく形成されている。
また、重り部15の外周面22の上部には、上端部に環状部23aを有するワイヤーフック23が固定されている。そして、その環状部23aにワイヤー6の端部6bが結び付けられ、ワイヤー6に重り部15が連結されている。
上記構造により、ワイヤー6の端部6aを下方へ引っ張ることで、滑車部9の車輪部20が回転し、重り部15がフレーム部2の外周面13上をスライドして上方へ持ち上げられる。このとき、重り部15はフレーム部2の外周面13上をスムーズにスライドするため、ワイヤー6の端部6aを容易に引き下げることができる。一方、ワイヤー6の端部6aを離すか上方に持ち上げることにより、重り部15が重力によってフレーム部2の外周面13上をスムーズにスライドして下方へ移動する。
また、ワイヤー6の端部6a付近には、ストッパー部である球状のストッパーボール24が設けられている。具体的には、ストッパーボール24の中央に貫通孔25が形成され、その貫通孔25にワイヤー6が挿通されているため、ワイヤー6上を移動可能になっている。
このストッパーボール24は、フレーム部2の内径よりも大きい外径を有している。そのため、重り部15がフレーム部2の外周面13上を下方へ移動することによりワイヤー6の端部6aが上方へ勢いよく引っ張られた場合であっても、フレーム部2の下端部の開口部18とストッパーボール24が衝突するため、ワイヤー6の端部6aやその端部6aに連結された手掛け部26がフレーム部2の内部19に入り込むのを防止することができる。
また上記衝突により、重り部15がそれ以上下方へ移動するのを制限することができる。そのため、仮にフレーム部2の下端部付近に突出部14が設けられていない場合であっても、ストッパーボール24によって重り部15がフレーム部2の下端部から抜け落ちるのを防止することができる。尚、本実施例に於いては、ストッパー部として突出部14とストッパーボール24の両方が設けられているが、どちらか一方のみであってもよい。
26は手掛け部である。この手掛け部26は、使用者101の上肢102を支えるための部材であり、支持紐である弾性を有するゴム紐28を輪状にすることにより形成されている。そして、輪状のゴム紐28の真ん中には二本のゴム紐28を一つにまとめる支点部29が設けられ、手掛け部26が二つの小さい輪30(30a,30b)に分割されている。尚、手掛け部26の全長は約30cmである。
この支点部29は、上肢102に手掛け部26を装着したときにゴム紐28上での位置が変化しないことが望ましいため、図1に示す実施例では、二本のゴム紐28が金属製のスリーブに通され、そのスリーブを潰すことにより支点部29が形成されている。尚、ゴム紐28を結ぶことによって支点部29を形成してもよい。
また、図1に示す実施例では、支点部29の数は一つだが、使用者101の病状や使用態様に合わせて二つ以上にしてもよいし無くしても良い。また、手掛け部26の全体の長さや支点部29の位置については、使用者101の上肢102や手指の大きさ等に合わせて調節してもよい。
上記構造により、手掛け部26の二つの小さい輪30a,30bにより上肢の複数箇所(例えば腕部と手指)を一度に支持することができるため、使用者101の病状に合わせた色々なバリエーションの手掛け部26の装着が可能となる。
また、手掛け部26は伸縮可能であるため、上肢102への装着が容易であるとともに装着後の手掛け部26と上肢102との密着性が高くなる。そのため、装着後の手掛け部26と上肢102とのずれや手掛け部26からの上肢102の脱落が生じにくくなる。
そして、手掛け部26はワイヤー6の端部6aに設けられた捩じれを防止するための部材であるナスカン31を介してワイヤー6に連結されている。具体的には、図1に示すように、ナスカン31はその上部に地面に対し水平方向に回動可能な環状の回動部31aを有するとともに、その下部には開口可能な環状部31bを有している。そして、回動部31aにワイヤー6の端部6aが結び付けられ、環状部31bに手掛け部26の上方の小さい輪30aが通されて吊り下げられている。
上記構造により、上肢102の動きによって手掛け部26が捩じれた場合であっても、ナスカン31の働きによってその捩じれがワイヤー6に及ばないため、手掛け部26やワイヤー6の絡まりや捩じれを防止することができ、上肢動作補助具1を快適に使用することができる。
また、ナスカン31は開口可能な環状部31bを有するため、手掛け部26をワイヤー6から分離することができる。そのため、使用者101の病状や好みに合わせた手掛け部26に付け替えることが可能である。また、長時間上肢102に接触するため汚れやすく消耗しやすい手掛け部26を新しいものに交換することも可能である。
尚、図1に示す実施例では、ナスカン31の環状部31bから手掛け部26を一つだけ吊り下げているが、複数本の手掛け部26を吊り下げて使用してもよい。また、手掛け部26は伸縮自在の弾性体であるゴム紐で形成されているが、伸縮しない紐等で形成されていてもよい。
上記構造により、上肢動作補助具1は全体が軽量であるため、上肢102に障害を持つ者であってもその持ち運びや天井3への吊り下げ及び取り外しが容易である。また、上肢動作補助具1の全体が比較的コンパクトであるため、取り外したあとの持ち運びも便利である。
また、上肢動作補助具1はフレーム部2以外の支柱等が存在しない構造であるとともにワイヤー6の端部6aに連結された手掛け部26の動きにフレーム部2の下端部が追従する構造であるため、手掛け部26を装着した際の上肢102の動作を遮る障害物が存在せず、上肢102の自由な動作が可能となる。また、全体の部品数が少なくて構造が簡単であるため、製造が容易であるとともに安価に製造が可能である。
次に、上肢動作補助具1の使用方法について説明する。まず、使用者101が所望の作業(本実施例においては椅子201に座りながらのテーブル202上でのパソコン203の使用)を行う場所において、図1及び図3に示すように、事前に天井3に固定されているフック12にフック11を引っ掛けて上肢動作補助具1を吊るす。このとき重り部15は、フレーム部2の突出部14の上方に設置されたスプリング16に支持された状態にある。
次に、椅子201に座りながら手掛け部26を掴み、上肢102に手掛け部26を装着するため、ある程度の高さまで引き下げる。そして、動作を補助したい上肢102に手掛け部26を装着する。具体的には、図2に示すように、手掛け部26の下方の小さな輪30bを広げてその中に手首102aを通して支持させるとともに、上方の小さな輪30aを広げてその中に適当な指102bを通して第二関節付近を掛けて支持させるように装着する。
尚、上肢102への手掛け部26の装着態様は一つの具体例であり、上肢102の障害の程度や好みにより装着態様は異なっていてもよい。つまり、使用者101の上肢102の動作を補助しやすいように手掛け部26を上肢102に装着すればよい。
上肢102への手掛け部26の装着後、図3に示すように、作業を行うのに適した高さ及び方向にワイヤー6を引っ張りながら上肢102を移動させ、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態にして所望の作業を行う。
上記のように上肢102がワイヤー6に吊るされた状態においては、手掛け部26及びワイヤー6の端部6aが下方へ引き下げられた状態であるため、それに伴いワイヤー6の端部6bに連結された重り部15は上方に引き上げられた状態となる。そのため、重り部15の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられ、手指を含めた上肢102が常に手掛け部26によって支えられた状態となり、使用者101自身の上肢102の重量を支える負担が軽減される。また、作業中も常に手掛け部26によって上肢102が支えられ補助された状態となるため、楽な状態で作業を行うことができる。
尚、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態において、上肢102の位置を上方に移動させた場合には、張っていたワイヤー6が緩む。その影響により、ワイヤー6の端部6bに連結された重り部15が自重によりフレーム部2の外周面13上を下方へスライドし、ワイヤー6がフレーム部2の内部19に引き込まれて再び張った状態となる。そのため、移動させたあとの上肢102の高さにおいても、重り部15の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられるため、再び手掛け部26によって上肢102が支えられた状態となる。
逆に、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態において、更に手掛け部26を引き下げて上肢102の位置を下方に移動させた場合には、上記と同様に重り部15がフレーム部2の外周面13上を上方へスライドし、移動させたあとの上肢102の高さにおいても、重り部15の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられるため、再び手掛け部26によって上肢102が支えられた状態となる。
一方、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態において、上肢102の位置を下方に小さく移動させた場合には、重り部15がフレーム部2の外周面13上を上方にスライドせず、手掛け部26(ゴム紐28)がその移動させた分だけ伸びた状態となる。そのため、上肢102の下方への小さな移動については、手掛け部26(ゴム紐28)を伸ばす程度の小さな力で楽に行うことができる。
尚、使用者101の上肢102の重さと重り部15の重さの釣り合いが取れておらず、重り部15が軽すぎて上肢102が上方へあまり引っ張り上げられていない場合、または重り部15が重すぎて上肢102が引っ張り上げられ過ぎているという場合には、重さの重いまたは軽い重り部15と交換する。
上記のようにして上肢102の重さと重り部15の重さとの釣り合いを取ることで、上肢102を所望の高さに安定させておくことができるため、より快適な状態で作業を行うことができる。
尚、所望の作業が終了して上肢動作補助具1を使い終わった場合には、上肢102から手掛け部26を外してそのまま手掛け部26を離せばよい。それにより、重り部15は重力によって突出部14の上方に設置されたスプリング16に向かって落下するが、その落下による衝撃はスプリング16により吸収され、最終的に重り部15はスプリング16の上で停止する。
また、重り部15の落下によりワイヤー6の端部6aが上方へ勢いよく引っ張り上げられるが、フレーム部2の下端部の開口部18とストッパーボール24が衝突するため、ワイヤー6の端部6aやその端部6aに連結された手掛け部26がフレーム部2の内部19に入り込んでしまうことはない。そのため、上肢動作補助具1は使用前の図1に示す状態に戻る。
次に、図4に示す他の実施例の上肢動作補助具32について説明する。図4に示す上肢動作補助具32は、図1に示す上肢動作補助具1と構造が同じ部分が多く使用する部材も同じものが多いため、同じ部材については同じ符号を使って説明する。
上肢動作補助具32は金属製の略円筒形状のフレーム部2を有し、その平面部5に滑車部9の枠部10の下端部が固定され、その枠部10の上端部には係止部であるフック11が固定されている。そして、フレーム部2の下端部付近にはストッパー部である突出部14が設けられ、その上方には緩衝部材としてのスプリング16が設置されている。尚、スプリング16の代わりに円筒形状で樹脂製のチューブ等を設置してもよい。
また、紐部材であるナイロン製のワイヤー6を有し、そのワイヤー6がフレーム部2の下端部の開口部18及びフレーム部2の上部の傾斜面部4に形成された貫通孔8に通され、ワイヤー6がフレーム部2の内部19に挿通されている。また、ワイヤー6は、滑車部9の車輪部20の溝20aに掛けられている。尚、これらの上肢動作補助具32の構造については、上記上肢動作補助具1の構造と同様である。
また、ワイヤー6の一方の端部6a付近にはストッパー部であるストッパーボール24が設けられているとともに、その端部6aには捩じれを防止するための部材であるナスカン31が設けられている。そしてそのナスカン31を介して、支持紐である弾性を有するゴム紐28を輪状にすることにより形成された手掛け部26がワイヤー6に連結されている。これらの上肢動作補助具32の構造についても、上記上肢動作補助具1の構造と同様である。また、ワイヤー6のもう一方の端部6bには、以下に詳述する重り部33が連結されている。
尚、図4に示す実施例では、ナスカン31の環状部31bから手掛け部26を一つだけ吊り下げているが、複数本の手掛け部26を吊り下げて使用してもよい。また、手掛け部26は伸縮自在の弾性体であるゴム紐で形成されているが、伸縮しない紐等で形成されていてもよい。
34は上肢動作補助具32のフック11を引っ掛けて吊り下げるためのフックで、いわゆる角型のレール35上をスライド可能な移動子36に固定されている。このレール35は、所望の作業(パソコンの使用や食事等)を行いたい場所の天井38にネジ39等で事前に設置されており、移動子36はそのレール35上を自由に移動することができる。
そのため、移動子36に固定されたフック34に上肢動作保持具32のフック11を引っ掛けることにより天井38から吊るすことができる。そして、上肢動作補助具32のフレーム部2の下端部付近を所望の方向に引っ張ることにより、移動子36がレール35上を同じ方向へスライドするため、上肢動作補助具32をより使用しやすい位置まで移動させることができる。
33は重り部で、スライド部33aとケース部33bと中間部材33fとからなるプラスチック等の樹脂製の部材である。
スライド部33aは円筒形状の部材であり、全長はフレーム部2よりも短く形成されており約10〜15cm程度である。また、スライド部33aの内径は、フレーム部2の外径よりもほんの少し大きめに形成されている。そのため、図4に示すように、スライド部33aの内部33cにフレーム部2を挿通することができ、スライド部33aはフレーム部2の外周面13上を摺動可能となっている。
尚、重り部33が落下したときに突出部14の上方に設置されたスプリング16と衝突するように、スライド部33aの内径はスプリング16の外径よりも小さく形成されている。
ケース部33bも円筒形状の部材であり、全長はフレーム部2よりも短く形成されており約12〜17cm程度である。また、ケース部33bの上端部は解放されている一方、下端部には底部33dが設けられている。また、中間部材33fは縦長略直方体状であって、対面する二側面において円弧状のへこみを有する。そして、スライド部33aとケース部33bとが中間部材33fを介して接着材により接着されて一体となっている。
また、ケース部33bの内部33eには鉛等の金属で形成された球状の重り玉41を複数個挿入できるようになっている。そのため、重り玉41の出し入れによりその個数を調整することで、重り部33全体の重さを調節することができる。尚、図4に示すように、ケース部33bの内部33eに重り玉41を一杯まで(図4では8つ)挿入すると、重り部33全体の重さが約360gとなる。
また、ケース部33bの外周面であってその上端部には、短い円筒形状のガイド部42が設けられている。そして、ケース部33bの外周面の上方には、L字状の巻き付け部43が上下に二つ設けられている。
そして、ワイヤー6がガイド部42に挿通されて引き込まれ、下方の巻き付け部43にワイヤー6の端部6bが結び付けられてワイヤー6と重り部33が連結されている。また、図4に示すように、上下二つの巻き付け部43を使ってワイヤー6を巻き付けることで、ワイヤー6の長さが調節可能になっている。
上記構造により、ワイヤー6の端部6aを下方へ引っ張ることで滑車部9の車輪部20が回転し、重り部33がフレーム部2の外周面13上をスライドして上方へ持ち上げられる。このとき、重り部33はフレーム部2の外周面13上をスムーズにスライドするため、ワイヤー6の端部6aを容易に引き下げることができる。一方、ワイヤー6の端部6aを離すか上方に持ち上げることにより、重り部33が重力によってフレーム部2の外周面13上をスムーズにスライドして下方へ移動する。
また、上記構造により上肢動作補助具32は全体が軽量であるため、上肢102に障害を持つ人であってもその持ち運びや天井38に設けられたフック34への吊り下げ及び取り外しが容易である。また、上肢動作補助具32の全体が比較的コンパクトであるため、取り外したあとの持ち運びも便利である。
また、上肢動作補助具34はフレーム部2以外の支柱等が存在しない構造であるとともにワイヤー6の端部6aに連結された手掛け部26の動きにフレーム部2の下端部が追従する構造であるため、手掛け部26を装着した際の上肢102の動作を遮る障害物が存在せず、上肢102の自由な動作が可能となる。また、全体の部品数が少なくて構造が簡単であるため、製造が容易であるとともに安価に製造が可能である。
次に、上肢動作補助具32の使用方法について説明する。まず、使用者101が所望の作業(本実施例においては椅子201に座りながらテーブル202上でのパソコン203の使用や食事等)を行う場所において、図4に示すように、事前に天井38に設置されたレール35上をスライド可能な移動子36に固定されているフック34にフック11を引っ掛けて上肢動作補助具32を吊るす。
そして、フレーム部2の下端部付近を引っ張って、上肢動作補助具32をより使用しやすい位置まで移動させる。このとき、重り部33はフレーム部2の突出部14の上方に設置されたスプリング16に支持された状態である。
次に、椅子201に座りながら手掛け部26を掴み、上肢102に手掛け部26を装着するため、ある程度の高さまで引き下げる。そして、上記上肢動作補助具1場合と同様にして、動作を補助したい上肢102を手掛け部26に装着する。
そして、上肢102への手掛け部26の装着後、図3に示す場合と同様に、作業を行うのに適した高さ及び方向にワイヤー6を引っ張りながら上肢102を移動させ、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態にして所望の作業を行う。
上記のように上肢102がワイヤー6に吊るされた状態においては、手掛け部26及びワイヤー6の端部6aが下方へ引き下げられた状態であるため、それに伴いワイヤー6の端部6bに連結された重り部33は上方に引き上げられた状態となる。そのため、重り部33の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられ、手指を含めた上肢102が常に手掛け部26によって支えられた状態となり、使用者101自身の上肢102の重量を支える負担が軽減される。また、作業中も常に手掛け部26によって上肢102が支えられ補助された状態となるため、楽な状態で作業を行うことができる。
尚、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態において、上肢102の位置を上方を移動させた場合には、張っていたワイヤー6が緩む。その影響により、ワイヤー6の端部6bに連結された重り部33が自重によりフレーム部2の外周面13上を下方へスライドし、ワイヤー6がフレーム部2の内部19に引き込まれて再び張った状態となる。そのため、移動させたあとの上肢102の高さにおいても、重り部33の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられるため、再び手掛け部26によって上肢102が支えられた状態となる。
逆に、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態において、更に手掛け部26を引き下げて上肢102の位置を下方に移動させた場合には、上記と同様に重り部33がフレーム部2の外周面13上を上方へスライドし、移動させたあとの上肢102の高さにおいても、重り部33の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられるため、再び手掛け部26によって上肢102が支えられた状態となる。
一方、上肢102がワイヤー6に吊るされた状態において、上肢102の位置を下方に小さく移動させた場合には、重り部33がフレーム部2の外周面13上を上方にスライドせず、手掛け部26(ゴム紐28)がその移動させた分だけ伸びた状態となる。そのため、上肢102の下方への小さな移動については、手掛け部26(ゴム紐28)を伸ばす程度の小さな力で楽に行うことができる。
尚、使用者101の上肢102の重さと重り部33の重さの釣り合いが取れておらず、重り部33が軽すぎて上肢102があまり引っ張り上げられていない場合、または重り部33が重すぎて上肢102が引っ張り上げられ過ぎているという場合には、重り部33の重さを調節する。
具体的には、重り部33が軽すぎる場合には、重り部33のケース部33bの内部33eに重り玉41を挿入して重り部33を重くすることで上肢102との釣り合いを取る。逆に、重り部33が重すぎる場合には、ケース部33bの内部33eから重り玉41を取り出して重り部33を軽くすることで上肢102との釣り合いを取る。
また、天井38の高さ等の関係でワイヤー6の長さを長くしたい場合には、ケース部33bの外周面に設けられた上下二つの巻き付け部43にあらかじめ巻き付けられているワイヤー6をほどくことにより長くする。逆に、ワイヤー6の長さを短くしたい場合には、上下二つの巻き付け部43を使ってワイヤー6を巻き付けることにより短くする。このようにワイヤー6を使用者101が使いやすい長さに調節する。
上記のようにして上肢102の重さと重り部33の重さとの釣り合いを取ることで、上肢102を所望の高さに安定させておくことができるため、より快適な状態で作業を行うことができる。また、上肢動作補助具32を使用する場面に応じてワイヤー6を適度な長さに調節できるため、幅広い場面において上肢動作補助具32を使用することができる。
尚、所望の作業が終了して上肢動作補助具32を使い終わった場合には、上肢102から手掛け部26を外してそのまま手掛け部26を離せばよい。それにより、重り部33は重力によって突出部14の上方に設置されたスプリング16に向かって落下するが、その落下による衝撃はスプリング16により吸収され、最終的に重り部33はスプリング16の上で停止する。
また、重り部33の落下によりワイヤー6の端部6aが上方へ勢いよく引っ張り上げられるが、フレーム部2の下端部の開口部18とストッパーボール24が衝突するため、ワイヤー6の端部6aやその端部6aに連結された手掛け部26がフレーム部2の内部19に入り込んでしまうことはない。そのため、上肢動作補助具32は使用前の図4に示す状態に戻る。
次に、図5に示す他の実施例の上肢動作補助具44について説明すると、45は上肢動作補助具のフレーム部であり、ステンレス合金等の金属で形成されている。また、フレーム部45は長尺な肉薄の略円筒形状に形成されている。
そして、フレーム部45の長さは、持ち運びやすい長さであるとともに、また図10に示すように、上肢動作補助具44をテーブル205に設置したときに使用者101が使用しやすいように、約70〜80cmぐらいであることが望ましい。
また、フレーム部45の上端部には滑車部46が設けられている。具体的には、軸部51aの長いボルト51が滑車部46の枠部48の一端に形成されたネジ孔49に挿通され、更に座金50を介して開放されているフレーム部45の上端部にそのボルト51が挿入されることにより滑車部46が設置されている。
このボルト51の軸部51aの径は、枠部48に設けられたネジ孔49の径及びフレーム部45の内径よりもやや小さく形成されている。そのため、フレーム部45の上端部において、滑車部46の枠部48に形成されたネジ孔49を中心として滑車部46が水平方向に回動可能になっている。また、ボルト51の軸部51aが長いため、滑車部46がフレーム部45の上端部から脱落しづらい構造になっている。
また、フレーム部45の下部は固定部52に支持されている。この固定部52は、やや肉厚でフレーム部45の外径よりもやや大きめの内径を有する円筒形状の支持部53と、肉厚で略長方形状の板状部材が断面略コの字状に折り曲げられたベース部54と、締め付けネジ55と、支持部53をベース部54に固定するネジ58及びナット64とからなる。これらの部材は、ステンレス合金等の金属で形成されている。
そして、支持部53の下部には、支持部53に対してネジ58を垂直に挿通させるためのネジ孔59が上下に二つずつ形成されている。また、ベース部54の側板部54aにもネジ58を挿通するためのネジ孔60が上下に二つ形成されている。
そのため、図5に示すように、断面略コの字状のベース部54の内側から二本のネジ58が側板部54aの上下のネジ孔60に挿通されるとともに支持部53の上下のネジ孔59にも挿通され、ナット64が締結されることにより支持部53がベース部54の側板部54aに固定されている。
そして、支持部53の上端部からその内部61にフレーム部45の下部が挿入されることにより、固定部52にフレーム部45が支持されている。尚、フレーム部45は、その下端部がネジ58に突き当たるまで挿入されている。
また、ベース部54の底板部54bの中央付近にはネジ孔65が形成され、そのネジ孔65には締め付けネジ55が挿通されている。そして、この締め付けネジ55の上端部には皿部55aが設けられ、下端部には締め付けネジ55を回転させるためのレバー55bが設けられており、万力が形成されている。
上記構造により、上肢動作補助具44を使用したい場所にあるテーブルの縁部や車いすの手すり等をベース部54の上板部54cと締め付けネジ55の皿部55aとの間に挿入し、レバー55bを回転させて締め付けネジ55を締めて挟み、固定部52をテーブルの縁部や車いすの手すり等に固定することで、フレーム部45を立設させた状態で上肢動作補助具44を設置することができる。
尚、支持部53の外径はフレーム部45の外径よりも大きいため、支持部53の上端部は以下で詳述する重り部66がフレーム部45から抜け落ちるのを防止するストッパー部としての役割も果たす。
また、フレーム部45にはラバーチューブ68が設置されている。このラバーチューブ68は、フレーム部45の外径よりもやや大きめであるとともに支持部53の上端部の外径よりも小さい内径を有する円筒形状の樹脂製の部材であり、ラバーチューブ68の内部にはフレーム部45が挿通され、支持部53の上方に設置されている。
そのため、以下で詳述する重り部66が支持部53に向かって落下する場合であっても、支持部53の上方に設置されたラバーチューブ68が重り部66の落下の衝撃を吸収する緩衝部材としての役割を果たし、支持部53と重り部66との衝突による破損を防止することができる。
尚、緩衝部材としてラバーチューブ68の代わりに、フレーム部45の外径よりもやや大きめであるとともに支持部53の上端部の外径よりも小さい内径を有するスプリングを設置してもよいし、ラバーチューブ68とスプリングを縦に重ねて設置してもよい。
69は使用者101の上肢102を吊るすための紐部材であるナイロン製のワイヤーで、フレーム部45の上端部に設けられた水平方向に回動可能な滑車部46の車輪部70の溝70aに掛けられている。そして、ワイヤー69の一方の端部69bには重り部66が連結されており、もう一方の端部69aには以下で詳述する手掛け部71が連結されている。
よって、ワイヤー69の端部69aに連結された手掛け部71を前後左右に動かすと、その動きに追従するように滑車部46の向きが変化する。そのため、ワイヤー69の端部69aに連結された手掛け部71を様々な方向に動かした場合であっても、滑車部46の車輪部70の溝70aからワイヤー69がはみ出すことがないため、ワイヤー69が滑車部46の車輪部70から脱落することがない。
66は重り部であって、上記の図4に示す上肢動作補助具32における重り部33と類似する構造であり、スライド部66aと二つのケース部66bと二つの中間部材66fとからなるプラスチック等の樹脂製の部材である。
スライド部66aは円筒形状の部材であり、全長はフレーム部45よりも短く形成されており約10〜15cm程度である。また、スライド部66aの内径は、フレーム部45の外径よりもほんの少し大きめに形成されている。そのため、図5に示すように、スライド部66aの内部66cにフレーム部45を挿通することができ、スライド部66aはフレーム部45の外周面62上を摺動可能となっている。
尚、重り部66が落下したときに支持部53の上方に設置されたラバーチューブ68と衝突するように、スライド部66aの内径はラバーチューブ68の外径よりも小さく形成されている。
ケース部66bも円筒形状の部材であり、全長はフレーム部45よりも短く形成されており約12〜17cm程度である。また、ケース部66bの上端部は解放されているが、下端部には底部66dが設けられている。また、中間部材66fは縦長略直方体状であって、対面する二側面において円弧状のへこみを有する。
そして、スライド部66aの下部と二つのケース部66bの上部とが中間部材66fを介して接着材により接着されて一体となっている。このとき、二つのケース部66bは、スライド部66aの外周面上において180度反対の位置になるように接着されている。
また、そのケース部66bの内部66eには鉛等の金属で形成された球状の重り玉73を複数個挿入できるようになっている。そのため、重り玉73の出し入れによりその個数を調整することで、重り部66全体の重さを調節することができる。尚、図5に示すように、二つのケース部66bのそれぞれの内部66eに重り玉73を一杯まで(図5では6つ)挿入すると、重り部66全体の重さが約520gとなる。
ケース部66bの外周面上であってその中段付近には、縦長略直方体状の巻き付け部75が設けられている。この巻き付け部75は、図8−2に示すように、上端部及び下端部にくぼみ75aが形成されており、また、上端部のくぼみ75aの下方には幅方向に貫通する貫通孔75bが形成されている。
そして、ワイヤー69の端部69bが貫通孔75bに挿通されるとともに巻き付け部75に結び付けられてワイヤー69と重り部66が連結されている。また、図8−1及び図8−2に示すように、巻き付け部75の上端部及び下端部のくぼみ75aを使ってワイヤー69を巻き付けることで、ワイヤー69の長さが調節可能になっている。
上記構造により、ワイヤー69の端部69aを下方へ引っ張ることで滑車部46の車輪部70が回転し、重り部66がフレーム部45の外周面62上をスライドして上方へ持ち上げられる。このとき、重り部66はフレーム部45の外周面62上をスムーズにスライドするため、ワイヤー69の端部69aを容易に引き下げることができる。一方、ワイヤー69の端部69aを離すか上方に持ち上げることにより、重り部66が重力によってフレーム部45の外周面62上をスムーズにスライドして下方へ移動する。
尚、図7−1及び図7−2に示すように、滑車部46のほぼ全体を覆うカバー76を装着してもよい。このカバー76は下方が解放している略直方体状の部材であって、肉薄のプラスチック等の樹脂で形成されており、カバー76の内部の上方にはスポンジ等の柔らかい素材で形成された略直方体状の厚手の保護部材78が設けられている。そして、カバー76の上面の端部付近には、カバー76を上肢動作補助具44に固定するためのネジ孔79が形成されている。
そして、カバー76を上肢動作補助具44に固定する場合には、まず図5に示すフレーム部45の上端部に挿入されているボルト51を抜き取ると同時に滑車部46を外す。次に、ボルト51の軸部51aの径と同じ径であって全体にネジが切られた長いスタッドボルト80を用意し、滑車部46の枠部48の端部付近に形成されたネジ孔49と座金50に挿通する。そして、枠部48と座金50を上下から挟むように二つのナット81bをスタッドボルト80に螺合して、スタッドボルト80の中段よりやや上方寄りの位置に滑車部46を固定する。
次に、スタッドボルトの上部からナット81bを螺号して滑車部46を固定した上側のナット81bの上方に配置し、カバー76の内側からスタッドボルト80の上部をネジ孔79に挿通する。そして、スタッドボルト80の上部から蝶ナット81aを螺合してカバー76を蝶ナット81aとナット81bで上下から挟むことで、滑車部46を固定した位置より上方の位置でカバー76をスタッドボルト80に固定する。
このとき、滑車部46の車輪部70の頂部がカバー76に設けられた保護部材78と接する位置にカバー76を固定する。そして、開放されているパイプ45の上端部に、スタッドボルト80の下部を挿入することで、上肢動作補助具44へのカバー76の装着が完了する。
上記のように滑車部46にカバー76を装着することにより、滑車部46の車輪部70の溝70aに埃等が溜まって上肢動作補助具44の使用時にワイヤー69が車輪部70の溝70aからはみ出て車輪部70から脱落するのを防止することができる。更には、図7−1に示すように、滑車部46の車輪部70の頂部が保護部材78と接しているため、上肢動作補助具44の使用時にワイヤー69が車輪部70の溝70aからはみ出て車輪部70から脱落するのを防止することができる。そして、脱落による不慮の怪我をも防止することができる。尚、上記のようにカバー76を装着した場合であっても、滑車部46はカバー76と一体となってフレーム部45の上端部において水平方向に回動することができる。
ワイヤー69の端部69a付近には、図5に示すように、ストッパー部である球状のストッパーボール82が設けられている。具体的には、ストッパーボール82の中央に貫通孔83が形成され、その貫通孔83にワイヤー69が挿通されているため、ワイヤー69上を移動可能になっている。
そのため、重り部66がフレーム部45の外周面62上を下方へ移動することによりワイヤー69の端部69aが上方へ勢いよく引っ張られた場合であっても、そのストッパーボール82が滑車部46の枠部48に衝突するため、ワイヤー69が車輪部70の溝70aから脱落するのを防止することができる。
また、図9−1及び図9−2に示すように、略長方形状の板状部材が側面視略くの字状に折り曲げられた掛止部84がケース部66bの底部66dに設けられている。この係止部84は、プラスチック等の樹脂製の部材であり、底部66dと接していない部分には正面視逆U字状の切欠き部85が設けられている。
上記構造により、図9−1及び図9−2に示すように、掛止部84の切欠き部85にワイヤー69を通しつつ掛止部84のくの字状の内側にストッパーボール82を掛止させて手を離すと、重り部66が重力により下方へ落下するため、ケース部66bの底部66dに設けられた掛止部84によってストッパーボール82が下方に押し込まれる。
一方、ワイヤー69の端部69bに結び付けられた重り部66が下方へ落下すると、以下で詳述するワイヤー69の他の端部69aに結び付けられているナスカン88によってストッパーボール82は上方へ押し上げられる。よって、ストッパーボール82が掛止部84のくの字状の内側に密着し、ストッパーボール82が掛止部84に掛止したままの状態となるため、ワイヤー69の端部69aに連結されている以下で詳述する手掛け部71を手に取りやすい低い位置に静止させることができる。
71は手掛け部である。この手掛け部71は、使用者101の上肢102を支えるための部材であり、支持紐であるいわゆる面ファスナー86を輪状にすることにより形成されている。具体的には、手掛け部71は細長い帯状の面ファスナー86のフック面とループ面とを接着させて輪状に丸めたものであり、その直径は約10cmである。尚、手掛け部71は面ファスナー86により形成されているため、その直径は接着面をはがすことで簡単に調節することができる。
そして、手掛け部71は捩じれを防止するための部材であるナスカン88,89及び吊り部90を介してワイヤー69に連結されている。具体的には、図5及び図6に示すように、ナスカン88はその上部に地面に対し水平方向に回動可能な環状の回動部88aを有するとともに、その下部には開口可能な環状部88bを有している。そして、回動部88aにはワイヤー69の端部69aが結び付けられている。
一方、ナスカン89は、その下部に地面に対し水平方向に回動可能な略三角形状の回動部89aを有するとともに、その上部には開口可能な環状部89bを有している。そして、回動部89aには輪状の手掛け部71が通されている。
また、吊り部90は弾性を有するゴム紐を輪状にすることにより形成された部材であり、ナスカン88の環状部88bとナスカン89の環状部89bに通されている。そのため、手掛け部71は吊り部90を介してワイヤー69に連結された状態となっている。
上記構造により、上肢102の動きにより手掛け部71が捩じれた場合であっても、ナスカン88,89の働きによりその捩じれがワイヤー69にまで及ばないため、手掛け部71やワイヤー69の絡まりや捩じれを防止することができ、上肢動作補助具44を快適に使用することができる。
また、吊り部90が伸びきってしまった場合であっても、ナスカン88,89の環状部88b,89bを開口させることにより新しいものに交換することも可能である。また、長時間使用者101の上肢102に接触する手掛け部71(面ファスナー86)が汚れてしまった場合であっても、面ファスナー86の接着面をはがすことにより新しいものに交換することが可能である。
尚、図5に示す上肢動作補助具44では、ナスカン88の環状部88bから吊り部90等を介して手掛け部71を一つだけ吊り下げているが、複数本の手掛け部71を吊り下げて使用してもよい。また、手掛け部71は伸縮しない面ファスナーで形成されているが、伸縮自在のゴム紐等で形成されていてもよい。
上記構造により、上肢動作補助具44は全体が軽量であるため、上肢102に障害を持つ人であってもその持ち運びやテーブル205への設置が容易である。また、上肢動作補助具44の全体が比較的コンパクトであるため、取り外したあとの持ち運びも便利である。
また、上肢動作補助具44はフレーム部45以外の支柱等が存在しない構造であるとともに、ワイヤー69の端部69aに連結された手掛け部71の動きに滑車部46が追従する構造であるため、手掛け部71を装着した際の上肢102の動作を遮る障害物が殆ど存在せず、上肢102の自由な動作が可能となる。また、全体の部品数が少なくて構造が簡単であるため、製造が容易であるとともに安価に製造が可能である。
次に、本実施例に係る上肢動作補助具44の使用方法について説明する。まず、図10に示すように、使用者101が所望の作業(本実施例においては椅子204に座りながらテーブル205上でのパソコン206の使用)を行う場所にあるテーブル205に上肢動作補助具44を設置する。
具体的には、テーブル205の縁部205aを上肢動作補助具44の固定部52におけるベース部54の上板部54cと締め付けネジ55の皿部55aとの間に挿入し、レバー55bを回転させて締め付けネジ55を締めてベース部54の上板部54cと締め付けネジ55の皿部55aとで挟み、フレーム部45を立設させた状態のまま上肢動作補助具44を固定する。
次に、椅子204に座りながら手掛け部71を掴み、上肢102に手掛け部71を装着するため、ある程度の高さまで引き下げる。そして、動作を補助したい上肢102に手掛け部71を装着する。具体的には、図6に示すように、手掛け部71が形成する輪に親指以外の四指102bを通し、手のひら102cに手掛け部71を掛けて支持させるように装着する。
尚、上肢102への手掛け部71の装着態様は一つの具体例であり、上肢102の障害の程度により装着態様は異なっていてもよい。つまり、使用者101の上肢102の動作を補助しやすいように手掛け部71を上肢102に装着すればよい。
上肢102への手掛け部71の装着後、図10に示すように、作業を行うのに適した高さ及び方向にワイヤー69を引っ張りながら上肢102を移動させ、上肢102がワイヤー69に吊るされた状態にして所望の作業を行う。
上記のように上肢102がワイヤー69に吊るされた状態においては、手掛け部71及びワイヤー69の端部69aが下方へ引き下げられた状態であるため、それに伴いワイヤー69の端部69bに連結された重り部66は上方に引き上げられた状態となる。そのため、重り部66の重さ分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられ、手指を含めた上肢102が常に手掛け部71によって支えられた状態となり、使用者101自身の上肢102の重量を支える負担が軽減される。また、作業中も常に手掛け部71によって上肢102が支えられ補助された状態となるため、楽な状態で作業を行うことができる。
尚、上肢102がワイヤー69に吊るされた状態において、上肢102の位置を上方に移動させた場合には、張っていたワイヤー69が緩む。その影響により、ワイヤー69の端部69bに連結された重り部66が自重によりフレーム部45の外周面62上を下方へスライドし、ワイヤー69が再び張った状態となる。そのため、移動させたあとの上肢102の高さにおいても、重り部66の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられるため、再び手掛け部71によって上肢102が支えられた状態となる。
逆に、上肢102がワイヤー69に吊るされた状態において、更に手掛け部71を引き下げて上肢102の位置を下方に移動させた場合には、上記と同様に重り部66がフレーム部45の外周面62上を上方へスライドし、移動させたあとの上肢102の高さにおいても、重り部66の重さの分だけ上肢102が上方へ引っ張り上げられるため、再び手掛け部71によって上肢102が支えられた状態となる。
一方、上肢102がワイヤー69に吊るされた状態において、上肢102の位置を下方に小さく移動させた場合には、重り部66がフレーム部45の外周面62上を上方にスライドせず、吊り部90を形成するゴム紐がその移動させた分だけ伸びた状態となる。そのため、上肢102の下方への小さな移動については、吊り部90を形成するゴム紐を伸ばす程度の小さな力で楽に行うことができる。
尚、使用者101の上肢102の重さと重り部66の重さの釣り合いが取れておらず、重り部66が軽すぎて上肢102があまり引っ張り上げられていない場合、または重り部66が重すぎて上肢102が引っ張り上げられ過ぎているという場合には、重り部66の重さを調節する。
具体的には、重り部66が軽すぎる場合には、重り部66のケース部66bの内部66eに重り玉73を挿入して重り部66を重くすることで上肢102との釣り合いを取る。逆に、重り部66が重すぎる場合には、ケース部66bの内部66eから重り玉73を取り出して重り部66を軽くすることで上肢102との釣り合いをとる。
また、テーブル205に設置した上肢動作補助具44と使用者101の座る位置等との関係でワイヤー69の長さを長くしたい場合には、ケース部66の外周面上に設けられた巻き付け部75にあらかじめ巻き付けられているワイヤー69をほどくことにより長くする。逆に、ワイヤー69の長さを短くしたい場合には、巻き付け部75にワイヤー69を巻き付けることにより短くする。このようにワイヤー69を使用者101が使いやすい長さに調節する。
上記のようにして上肢102の重さと重り部66の重さとの釣り合いを取ることで、上肢102を所望の高さに安定させておくことができるため、より快適な状態で作業を行うことができる。また、上肢動作補助具44を使用する場面に応じてワイヤー69を適度な長さに調節できるため、幅広い場面において上肢動作補助具44を使用することができる。
尚、所望の作業が終了して上肢動作補助具44を使い終わった場合には、上肢102から手掛け部71を外してそのまま手掛け部71を離せばよい。それにより、重り部66は重力によって支持部53の上方に設置されたラバーチューブ68に向かって落下するが、その落下による衝撃はラバーチューブ68により吸収され、最終的に重り部66はラバーチューブ68の上で停止する。
また、重り部66の落下によりワイヤー69の端部69aが上方へ勢いよく引っ張り上げられるが、滑車部46の枠部48とストッパーボール82が衝突するため、ワイヤー69の端部69aが滑車部46の車輪部70の溝70aから脱落することはない。そのため、上肢動作補助具44は使用前の状態に戻る。
一方、上肢動作補助具44を使い終わった場合には、図9−1及び図9−2に示すように、掛止部84の切欠き部85にワイヤー69を通しつつ掛止部84にストッパーボール82を掛止させてもよい。こうすることで、手掛け部71を手に取りやすい低い位置に静止させておくことができるため、次回使用する場合に手掛け部71を手に取り易く、上肢102への装着も容易となる。
1 上肢動作補助具 51 ボルト
2 フレーム部 52 固定部
3 天井 53 支持部
6 ワイヤー 54 ベース部
8 貫通孔 55 締め付けネジ
9 滑車部 56 外周面
10 枠部 58 ネジ
11 フック 59 ネジ孔
12 フック 60 ネジ孔
13 外周面 61 内部
14 突出部 62 外周面
15 重り部 64 ナット
16 スプリング 65 ネジ孔
18 開口部 66 重り部
19 内部 68 ラバーチューブ
20 車輪部 69 ワイヤー
21 内部 70 車輪部
22 外周面 71 手掛け部
23 ワイヤーフック 73 重り玉
24 ストッパーボール 75 巻き付け部
25 貫通孔 76 カバー
26 手掛け部 78 保護部材
28 ゴム紐 79 ネジ孔
29 支点部 80 スタッドボルト
30 小さい輪 81 ナット
31 ナスカン 82 ストッパーボール
32 上肢動作補助具 83 貫通孔
33 重り部 84 掛止部
34 フック 85 切欠き部
35 レール 86 面ファスナー
36 移動子 88 ナスカン
38 天井 89 ナスカン
39 ネジ 90 吊り部
41 重り玉 101 使用者
42 ガイド部 102 上肢
43 巻き付け部 201,204 椅子
44 上肢動作補助具 202,205 テーブル
45 フレーム部 203,206 パソコン
46 滑車部
48 枠部
49 ネジ孔
50 座金
2 フレーム部 52 固定部
3 天井 53 支持部
6 ワイヤー 54 ベース部
8 貫通孔 55 締め付けネジ
9 滑車部 56 外周面
10 枠部 58 ネジ
11 フック 59 ネジ孔
12 フック 60 ネジ孔
13 外周面 61 内部
14 突出部 62 外周面
15 重り部 64 ナット
16 スプリング 65 ネジ孔
18 開口部 66 重り部
19 内部 68 ラバーチューブ
20 車輪部 69 ワイヤー
21 内部 70 車輪部
22 外周面 71 手掛け部
23 ワイヤーフック 73 重り玉
24 ストッパーボール 75 巻き付け部
25 貫通孔 76 カバー
26 手掛け部 78 保護部材
28 ゴム紐 79 ネジ孔
29 支点部 80 スタッドボルト
30 小さい輪 81 ナット
31 ナスカン 82 ストッパーボール
32 上肢動作補助具 83 貫通孔
33 重り部 84 掛止部
34 フック 85 切欠き部
35 レール 86 面ファスナー
36 移動子 88 ナスカン
38 天井 89 ナスカン
39 ネジ 90 吊り部
41 重り玉 101 使用者
42 ガイド部 102 上肢
43 巻き付け部 201,204 椅子
44 上肢動作補助具 202,205 テーブル
45 フレーム部 203,206 パソコン
46 滑車部
48 枠部
49 ネジ孔
50 座金
Claims (18)
- 長尺なフレーム部と、該フレーム部の上部に設けられた滑車部と、前記フレーム部の外周面上を摺動可能な重り部と、使用者の上肢を支持する手掛け部と、前記重り部と前記手掛け部が両端に連結されているとともに前記滑車部に掛けられている紐部材と、前記フレーム部から前記重り部が抜け落ちるのを防止するためのストッパー部と、前記フレーム部を吊るすための係止部とを有することを特徴とする上肢動作補助具。
- 前記フレーム部が略筒状体であって、その内部に前記紐部材が挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の上肢動作補助具。
- 天井に固定されたレール上を移動可能な移動子に前記係止部が係止していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の上肢動作補助具。
- 請求項1に記載された上肢動作補助具であって、前記係止部の代わりに前記フレーム部を立設させて固定させるための固定部を有することを特徴とする上肢動作補助具。
- 前記手掛け部を下方に静止させるための掛止部を有することを特徴とする請求項4に記載の上肢動作補助具。
- 前記滑車部が、該滑車部の枠部に形成されたネジ孔を中心として回動可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項5までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記滑車部を覆うカバーを有することを特徴とする請求項1ないし請求項6までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記滑車部に掛けられている前記紐部材が脱落するのを防止するための保護部材を有する事を特徴とする請求項1ないし請求項7までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記手掛け部が支持紐によって形成され、1または複数個の輪を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記手掛け部を複数有することを特徴とする請求項1ないし請求項9までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記手掛け部が弾性を有することを特徴とする請求項1ないし請求項10までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記手掛け部の大きさを調節可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項11までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記紐部材と前記手掛け部とが捻じれを防止するための部材を介して連結されていることを特徴とする請求項1ないし請求項12までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記紐部材と前記手掛け部とが弾性を有する部材を介して連結されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記紐部材と前記手掛け部とが分離可能としたことを特徴とする請求項1ないし請求項14までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記重り部の重さが調節可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項15までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記紐部材の長さが調節可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項16までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
- 前記フレーム部の下部に前記重り部の落下の衝撃を吸収するための緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項17までのいずれか1項に記載の上肢動作補助具。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3189560U true JP3189560U (ja) | 2014-03-20 |
Family
ID=
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015147584A1 (ko) * | 2014-03-27 | 2015-10-01 | 대한민국(국립재활원장) | 상지 재활을 위한 중력이 보상되는 어깨관절 추종 장치 |
KR102556181B1 (ko) * | 2023-06-16 | 2023-07-14 | 이삼용 | 미용실의 헤어 손질 보조장치 |
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---|---|---|---|---|
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