JP3189464U - 柿渋染め被服及び寝装・寝具 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄橙色の柿色に染色した高級感を与え、消臭性、殺菌性、および柔軟な肌触りを持つ被服や寝装・寝具を提供する。【解決手段】渋柿搾汁液から臭成分である低分子成分を除去した精製柿渋液を用いて柿渋染めしたオーガニック綿の繊維から作った糸を用いて製造した布地を加工して柿渋染め被服及び寝装・寝具を製作する。被服は肌着、外衣類を含み、寝装・寝具は布団、マット、枕カバー、シーツなどを含む。【選択図】図1
Description
この考案は、薄褐色の柿渋色に染められ肌触りが良くしかも臭いない消臭性や抗菌性を有する柿渋染めの被服及び寝装・寝具に関する。
柿渋液は、渋みの強い未だ青い渋柿を潰して濾過した搾汁液を発酵・醸造させたものであるが、この柿渋液は、下地剤、防腐剤、染色剤、殺菌剤、消臭剤、硬化剤等の種々の利用用途があることが知られている。そして、被服の染色剤として利用した場合には、見る人をもって薄橙色に近似した柿色特有の高級感を抱かせることが知られている。
しかしながら、現実には、柿渋液は強い独特の臭いがあること、染めた被服を硬化することなどの不適切要因も併せ持つ理由により、特殊な用途以外には使用されていない。例えば、布地又は布製品に柿渋染め工程を経て柿渋染め加工された布地又は布製品を、木材などの硬質部材共々洗いにかけて、布地または布製品の表面に擦れた跡を意図的に付けるあたり付けて、長年使い込んだ質感を表現したものがある。(特許文献1)
このような布地又は布製品は、日常的に広く使用されるものではないので、柿渋色が得られれば、布地や布製品に柿渋特有の臭いが残っていた場合でも、殆ど問題にはならなかった。また、硬質な部分が残っていても肌に直接触れることがないので、この点においても問題はなかった。
しかしながら、日常的に使用する肌着などの衣服や寝装・寝具などに同じ手法で作成すれば、柿渋特有の臭いが残存しているので、使用者が不快感を覚える、柿渋液で染色した布地や布製品は柿渋の有する硬化性により固くなっているので、これを用いた肌着等が皮膚に触れた際には違和感を持つ、などの理由によって、使用されていないのが現状である。
この考案は、上記事情に鑑みなされたものであって、その手段とするところは、請求項1においては、渋柿搾汁液から臭成分である低分子成分を除去した精製渋柿液を用いて柿渋染めしたオーガニック綿の繊維から作った糸を用いて製造した布地を加工して製作した柿渋染め被服としたことにある。
請求項2の考案においては、前記被服が肌着であることにある。
請求項3の考案においては、前記被服が外衣類であることにある。
請求項4の考案においては、渋柿搾汁液から臭成分である低分子成分を除去した精製柿渋液を用いて柿渋染めしたオーガニック綿の繊維から作った糸を用いて製造した布地を加工して製作した柿渋染め寝装・寝具としたことにある。
請求項1に記載の柿渋染めした被服によると、オーガニック綿の状態で臭成分である低分子を除去した精製柿渋液で柿渋染めして、一本一本の細かい繊維にまでも浸み込ませているので、柿渋染をした表面積が大きくなっており、その結果、この綿を原料として作った糸も多くの柿渋液を内部の奥まで染まっている。従ってこの糸を原料にして製造した布地の内部にも全て精製柿渋液が浸み込んでいるために、柿渋液の有するあくのある臭いはなく無臭であるのみならず、高級感をもたらす薄橙色に近似した柿色も細かい繊維まで浸み込んでいるので、洗濯しても色が退化することがなく持続性があるので長く着用できる。更に、柿渋は消臭性、抗菌性を有しているので、体臭や不快感の臭いの吸収効果があり、衛生的でもある。これらの効果も、前記と同じ同じ理由により、大きくしかも永く保持できる効果がある。
請求項2に記載の柿渋染めした被服は肌着であるので、この場合には、柿渋は消臭性、抗菌性を有していることから、体臭や不快感の臭いの吸収効果があり、衛生的でもある。更に、アトピー性皮膚炎などにも有効であるために皮膚の弱い人には最適である。また、柿色に染まっているので、風合いが肌に優しく、柔らかな温もりと優しい手触りを感じさせる効果がある。
請求項3に記載の柿渋染めした被服は、ワイシャツ等の外衣類であるので、この場合には、柿渋液の有する紫外線カット効果により、これを着用していれば人体に紫外線が照射するのを防止できる。
請求項4に記載の柿渋染めした寝装・寝具によると、これら寝装・寝具が前記と同じ理由により、柿渋液の有するあくのある臭いはなく無臭であるのみならず、高級感をもたらす薄橙色に近似した柿色も一本一本の細かい繊維まで浸み込んでいるので、洗濯しても色が退化することがなく持続性があるので長く着用できる。更に、柿渋は消臭性、抗菌性を有しているので、体臭や不快感の臭いの吸収効果があり、衛生的でもある。又、これら効果を永く保持できる。
以下、本考案について説明する。この考案は、渋柿搾汁液から臭成分である低分子成分を除去した精製渋柿液を用いて柿渋染めしたオーガニック綿の繊維から作った糸を用いて製造した布地を加工して製作した柿渋染め被服としたものである。
オーガニック綿は、3年以上農薬や化学肥料を用いない土壌で有機栽培された綿のことであり、収穫したこの綿の繊維を臭成分である低分子成分を除去した精製柿渋液を用いて柿渋染めする。この精製柿渋液は、例えば、特許第3644467号公報に開示されるように、渋柿より搾汁して得られた原料柿渋搾汁液を、分子量が3000より小さい物質を透過させる限外濾過膜を使用して、循環濾過することによって、水と共に低分子成分を除去する工程を含む製造方法によって製造されたものである。この製造方法で製造された精製渋柿液は、柿渋の主成分である柿タンニンとその他の成分(揮発性有機酸等)の特異的な分子量差に着目して、膜分離システムを用いて、無臭の柿タンニンを得ることができる。しかし、被服に対しての柿渋の他の有効成分である染色性、殺菌性、防腐性はそのまま消えることなく保有している。
このような精製柿渋液を用いてオーガニック綿を染めるには、図1に示すように、天然のオーガニック綿繊維から染色の妨げとなる不純物を取り除き、必要に応じて漂白をしてから、精製柿渋液に浸漬し、適度な温度、時間で染めた後に、取り出して水洗い、乾燥させるという染色工程によって行う。
紡績工程、製布工程、裁断工程、縫製工程などは、従来と同様の工程であるので、説明を省略する。しかし、綿の細い天然繊維から柿渋染めしているので、整布は、柿渋染め特有の硬さはなくなっており、柔らかい布地となっている。
このようにして製造された被服は、柿渋色の高級感を有するのみならず、精製渋柿液がオーガニック綿の細い繊維の表面積すべてに浸み込んでいるので、精製柿渋液の繊維への付着表面積は極めて大きく、このような繊維によって作られた糸、布地には多量の精製柿渋液が付着しており、従ってこの精製柿渋液の有している消臭性、殺菌性、抗菌性等が、被服の効能として有効に作用して、好的に使用されることが出来るのである。又、繰返し洗濯してもこれら特性が低下し難く永く持続できるのも綿の細い一本一本の繊維自体に精製柿渋液を浸み込ませているためである。加えて、柿渋液の付着物に対する硬化性もないので、直接に皮膚に付着する肌着、柿渋液の有する紫外線カット効果を活用してワイシャツ、夏服、種々の婦人服などの外衣類に特に好適に使用される。又、カーテン、フキン、テーブル掛けなどにも好適に使用できる。
以上の説明においては、精製柿渋液を用いて被服を作成する場合についてであるが、布団、マットレス及びこれらの付属品、まくら、カバーなどの寝装品や寝具についても、同様に利用でき、同様の効果を得ることができる。
この考案の柿渋染め被服は、肌着、ワイシャツの等の外衣類その他の被服や寝装・寝具に応用できる。また、ウールにも適用可能であるので、利用用途は広い。
Claims (4)
- 渋柿搾汁液から臭成分である低分子成分を除去した精製柿渋液を用いて柿渋染めしたオーガニック綿の繊維から作った糸を用いて製造した布地を加工して製作した柿渋染め被服。
- 前記被服が肌着であることを特徴とする請求項1記載の柿渋染め被服。
- 前記被服が外衣類であることを特徴とする請求項1記載の柿渋染め被服。
- 渋柿搾汁液から臭成分である低分子成分を除去した精製柿渋液を用いて柿渋染めしたオーガニック綿の繊維から作った糸を用いて製造した布地を加工して製作した寝装・寝具。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013007413U JP3189464U (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 柿渋染め被服及び寝装・寝具 |
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JP2013007413U JP3189464U (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 柿渋染め被服及び寝装・寝具 |
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JP3189464U true JP3189464U (ja) | 2014-03-13 |
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JP2013007413U Expired - Fee Related JP3189464U (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 柿渋染め被服及び寝装・寝具 |
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JP (1) | JP3189464U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017014180A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 忠興 矢内 | 痔瘻の治療薬 |
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2013
- 2013-12-27 JP JP2013007413U patent/JP3189464U/ja not_active Expired - Fee Related
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