JP3187707U - 擁壁ブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】完成後も稜近くでの安全な歩行を確保でき、また別途歩行路を設ける場合と比較すると構築コストが安く、さらに製造上の困難性のない擁壁ブロックを提供する。
【解決手段】水平板部3と鉛直板部2とにより構成される土留め用L字形擁壁ブロックであって、該鉛直板部の最上部分には歩行用水平部21が設けられている。また鉛直板部2の表面(露呈面)には凹凸がある。即ち、周縁にリブ構造による厚肉部分23が形成されている。これにより、強度の劣化を余り来さないにもかかわらずコンクリート使用量を削減できるので、コストの軽減・製品の軽量化が図り易くなる。
【選択図】図1

Description

本考案は、擁壁ブロックの構造に関する。
プレキャストコンクリートブロックを連設して段差部分に擁壁を構築する工法は、現場打ち工法に比して工期が短くてすむため、従来より広く行われている。高さ3mに満たないいわゆる中小型擁壁においては主流と言って良い。
擁壁面は、強度的には80度以下の挟角で傾斜していることが望ましいがその反面、土地の有効利用という観点からは鉛直である方が望ましい。その結果、高さ5mを超えるような大型擁壁の場合には傾斜させることが、中小型の場合には鉛直に近づけることが多いと言える。特に、段差を挟んで土地所有者が異なるという場合、土地を有効利用するには境界線の鉛直上方に擁壁面を構成させるのが最適である。
特開2013−072244
鉛直型の擁壁ブロックの場合、標高の高い方の土地の「稜部分」は、直ちに落下の危険がある場所であって、しかも崩落しやすい箇所でもある。
また擁壁ブロックの上端高さに揃えて土砂が込められている(正確に言うと、この土砂を土留めするのが擁壁ブロックである)。従って上記「稜部分」は、自体はコンクリート製であり剛性があるが、これが土砂と高さを揃えて接することになる。
そうすると、雨や風で土砂部分が浸食されブロック上端と土地表面に段差が生じる。これは、極めて危険な状況であり、土地の有効利用という所期の目的が果たせない。
そこで本考案者は上記点に鑑み鋭意研究の結果遂に本考案をなしたものでありその特徴とするところは、水平板部と鉛直板部とにより構成される土留め用L字形擁壁ブロックであって、該鉛直板部の最上部分には歩行用水平部が設けられている点にある。
即ち本考案は、完成後も稜近くでの安全な歩行を約束するために、鉛直板部の最上部分に歩行用水平部を設けたL字形擁壁ブロックであると言える。
ここで「水平板部」「鉛直板部」における「水平」「鉛直」という語句は、厳密な意味での水平や鉛直を意味するものではない。まず、水平板部自体が水平方向に設置されるとは限らない。但し、水平板部が水平方向に設置されない場合でも、鉛直板部に関しては鉛直に近い(鉛直±10度程度)ことが望ましい。従って、「水平板部」と「鉛直板部」の成す角度については、何ら限定しない。
本考案のL字形擁壁ブロックの大きさについても特に限定するものではないが、基本的に中小型擁壁のもの、即ち、概ね擁壁高さが3m程度までのものが好ましい。
本考案のL字形擁壁ブロックの製造方法に関しては、従来例と大きく変わるものではなく、製造型内に配筋を施し、コンクリートを打設、その後養生を経て完成、というものである。
本考案に係るL字形擁壁ブロックは、以下述べる如き効果を有する極めて有用な考案である。
(1) 安全である。
(2) 別途歩行路を設ける場合と比較すると構築コストが安上がりである。
(3) 製造上の困難性がない。
本考案に係る擁壁ブロックの一例を示す概略斜視図である。 本考案に係る擁壁ブロックの施工状態の一例を示す概略断面図である。 本考案に係る擁壁ブロックの施工状態の一例を示す概略斜視図である。 本考案に係る擁壁ブロックの他の例を示すものであり、(a)は部分斜視図、(b)は部分正面図である。
以下図面に基づいて本考案を更に詳細に説明する。
図1は、本考案に係る擁壁ブロック1(以下本考案ブロック1という)の一例を示すものであり図から明らかなように、鉛直板部2と水平板部3とにより構成されるL字形擁壁ブロックの一種である。また本考案ブロック1は、プレキャストコンクリートブロックであって、従来のブロックと同様、配筋されたものである。大きさは本例の場合、高さ1300mm×幅2000mm×奥行1000mmとしたが、これらのサイズ以外であっても良い(図示せず)。
従来の擁壁ブロックと最も異なるのは、本考案ブロック1の鉛直板部2の最上部分に水平方向に延出する部分として、その上面が水平な、歩行用水平部21が設けられている点である。なお本例の歩行用水平部21は、上面は水平であるが下面は強度を持つよう傾斜している。
この歩行用水平部21は奥行300mmであって、その中央に排水用V字形溝211が設けられ、これをグレーチング22で覆うものである。但し、排水溝やそれに伴う溝蓋を省略したものであっても良い。
また、歩行路となる歩行用水平部21の稜側近くに防護柵や支柱を立てるといった安全対策を講じるか否かは、設置者が適宜選択すべき事項であるとして、本考案においては必須要件としていない。
また鉛直板部2の表面(露呈面)には凹凸がある。即ち、周縁にリブ構造による厚肉部分23が形成されている。これにより、強度の劣化を余り来さないにもかかわらずコンクリート使用量を削減できるので、コストの軽減・製品の軽量化が図り易くなる。また、肉厚部分23が表面(露呈面)の周縁にあるということは、ブロック連設時、隣接する本考案ブロック1と接するのは、この肉厚部分23であるということを意味するが、接触面積が大きくなるということであり、連設強度の観点からも、作業性からも好都合である。
またリブ構造を採用しているので、鉛直板部2の露呈側下端に、突条5が形成されることになる。段差の上段と下段で所有者が異なるとき、上段の所有者Aが本発明ブロック1を設置する際、隣接する土地(所有者B)との境界線Lを越えるわけにはゆかないので、図2に示すように突条5や歩行用水平部21の先端が境界線Lぎりぎりの位置に来るようにする。
本考案者が試作したものでは、突条5の突出高さは50mm程であったが、下端がこの程度突出しているだけで、倒れる時の回動の中心位置がブロック重心から離れることになるので擁壁は倒れにくいものとなる。
図3は、図1で示した本考案ブロック1を、予め掘削・整地がなされた設置現場に連設している状態を概略的に示すものである。
隣接する本考案ブロック1との接合は、鉛直板部2の下側両端の切欠部24部分に、コンクリートを流し込み現場打ちすることで行なう。
その際例えば図4(a)(b)のように、配筋された鉄筋4の一部が切欠部24を構成する空間内に露出していると、コンクリート打設後の連結強度が高くなって好ましい。
1 本考案に係る擁壁ブロック
2 鉛直板部
21 歩行用水平部
211 排水用V字形溝
22 グレーチング
23 肉厚部分
24 切欠部
3 水平板部
4 鉄筋
5 突条

Claims (3)

  1. 水平板部と鉛直板部とにより構成される土留め用L字形擁壁ブロックであって、該鉛直板部の最上部分には歩行用水平部が設けられているものであることを特徴とする擁壁ブロック。
  2. 鉛直板部露呈面の下端には、突条が設けられているものである請求項1記載の擁壁ブロック。
  3. 鉛直板部露呈面の周縁には、リブが設けられているものである請求項1又は2記載の擁壁ブロック。
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