JP3187561U - 改修融雪屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設屋根上に短い工期で作製可能、且つ、簡単な構造で融雪効率の良好な改修融雪屋根構造を提供する。
【解決手段】既設屋根20に金属屋根材14を新設した改修融雪屋根構造10であって、既設屋根20上に敷設した断熱材11と、断熱材11上に間隔をあけて配設した複数の野地板12と、断熱材11上、且つ、複数の野地板12間に配設された熱媒体用管13と、野地板12及び熱媒体用管13上に設けられ、且つ、熱媒体用管13に当接する金属屋根材14と、を有する。
【選択図】図2

Description

本考案は、改修融雪屋根構造に関する。
住宅などの屋根の融雪構造としては、屋根材の全面又は軒先に、温水等の熱媒体を流すパイプを配設したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3133468号公報
しかしながら、特許文献1に記載の融雪屋根構造を既設屋根に単純に適用する場合、既設屋根の一部分または全部を取り除いたのち、断熱材やパイプなどを配設するという煩雑な作業を要する。
このため、既設屋根を取り除くことなく、効率よく作製可能な改修融雪屋根構造が望まれている。
本考案は、上述した問題に鑑みてなされたもので、既設屋根上に短い工期で作製可能、且つ、簡単な構造で融雪効率の良好な改修融雪屋根構造を提供すること、などを目的とする。
本考案の改修融雪屋根構造は、既設屋根に金属屋根材を新設した改修融雪屋根構造であって、既設屋根上に敷設した断熱材と、前記断熱材上に間隔をあけて配設した複数の野地板と、前記断熱材上、且つ、前記複数の野地板間に配設された熱媒体用管と、前記野地板及び前記熱媒体用管上に設けられ、且つ、該熱媒体用管に当接する金属屋根材と、を有することを特徴とする。
本考案の改修融雪屋根構造によれば、既設屋根上に短い工期で作製可能、且つ、簡単な構造で融雪効率の良好な改修融雪屋根構造を提供することができる。
本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造を採用した家屋の一例を示す斜視図。 本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造の一例を示す図、(a)は改修融雪屋根構造の上面図、(b)は(a)に示したB−B線に沿った断面図、(c)は(a)に示したC−C線に沿った断面図、(d)は(a)に示したD−D線に沿った断面図。 熱媒体用管としてのパイプの配置状態の一例を示す図。 本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造の製造方法の一例を示す図、(a)は既設屋根の断面図、(b)は(a)に示した既設屋根に断熱材を設けた状態を示す図、(c)は(b)に示した断熱材上に野地板を設けた状態を示す図、(d)は(c)に示した野地板を固定部材で既設屋根に固定した状態を示す図、(e)は(d)に示した野地板間に熱媒体用管(パイプ)を配設した状態を示す図、(f)は(e)に示した野地板と熱媒体用管上に金属屋根材を新設した状態を示す図。 本考案の他の実施形態に係る改修融雪屋根構造の一例を示す断面図。
以下、本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造の一例を、図面を参照しながら説明する。図1は本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10を採用した家屋1の一例を示す斜視図である。
図1に示したように、本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10は、既設屋根20上に、金属屋根材14などで構成された新規の屋根を構築したものである。詳細には、既設屋根20の上に、温水や蒸気などの熱媒体の流路としての熱媒体用管13(パイプ)が設けられている。本実施形態では、金属屋根材14が、熱媒体用管13の上に金属屋根材14の裏面に当接するように配置されている。金属屋根材14が熱媒体用管13からの熱により温められ、金属屋根材14が雪の融点よりも高い温度となり、金属屋根材14上の雪を融かす。
以下、改修融雪屋根構造10の構成を詳細に説明する。
図2は本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10の一例を示す図である。詳細には、図2(a)は改修融雪屋根構造の上面図、図2(b)は図2(a)に示したB−B線に沿った断面図、図2(c)は図2(a)に示したC−C線に沿った断面図、図2(d)は図2(a)に示したD−D線に沿った断面図である。
改修融雪屋根構造10は、上述したように、既設屋根20に金属屋根材14を新設した構造を有し、詳細には、断熱材11と、野地板12と、熱媒体用管13と、金属屋根材14と、などを有する。
<既設屋根20>
既設屋根20は、本実施形態では、例えば、垂木22などの上に直接又は板材などを介して設けられた既設屋根部材21などを有する。この既設屋根部材21は、金属屋根板材などで構成されている。また、既設屋根20としては、ハゼ葺き、一文字葺き、菱葺、波板葺き、瓦棒葺き、などであってもよい。また、既設屋根20は窯業系屋根であってもよい。
<断熱材11>
断熱材11は、図2に示したように、既設屋根20上に敷設される。断熱材11としては、例えば、発泡材、ポリスチレン樹脂、押出発泡ポリスチレンフォーム、などを採用することができる。例えば、矩形状の板材である断熱材11(標準板)を、既設屋根20の全面または一部分に敷設する。
<野地板12>
野地板12は、断熱材11上に間隔をあけて複数配設されている。詳細には、野地板12は、断熱材11上で棟軒方向に沿って間隔をあけて複数配置されている。野地板12の材料としては、木材などの規定材料を採用することができる。野地板12は、金属屋根材14および雪の荷重に絶える材料を採用する。
本実施形態では、野地板12は、略矩形状であり、例えば、厚さ12mm、幅90mm、長さ1800mm程度の大きさに形成されている。尚、熱媒体用管13の配設状態に対応して、野地板12の端部を略半円形状としてもよい。
本実施形態では、図2に示したように、野地板12と野地板12の棟軒方向に沿った間隔は120〜170mm程度である。野地板12と熱媒体用管13との間の間隔は20mm程度である。
<熱媒体用管13>
熱媒体用管13は、温水や蒸気など熱媒体の流路である。この熱媒体用管13は、図2に示したように、断熱材11上、且つ、複数の野地板12間に配設されている。詳細には、熱媒体用管13は、図2、図3に示したように、複数の野地板12間を縫うように配設されている。
熱媒体用管13としては、樹脂などのホース、金属製管などを採用することができる。また、熱媒体用管13の形成材料としては、良好な熱伝導性、曲げやすさ等を考慮すると、ポリブデン樹脂などを採用することが好ましい。本実施形態では、熱媒体用管13は、太さ12mm程度である。
図2(a)に示した例では、配管された熱媒体用管13の軒側が温水入側13aであり、熱媒体用管13の棟側が温水出側13bである。尚、熱媒体の流れる方向は逆であってもよい。
熱媒体としては、水や油などの所定の媒体を採用することができる。本実施形態では、改修融雪屋根構造10は、熱媒体貯留タンク、熱媒体を循環させるポンプ、熱源30(図3参照)などを備え、熱媒体用管13を通じて熱媒体を循環するように構成されている。尚、熱媒体を加熱する方法としては、電熱線による加熱、ボイラーなどの燃料の燃焼による加熱、ヒートポンプ技術を利用した加熱、などの各種方法を採用することができる。
<金属屋根材14>
図2に示したように、金属屋根材14は、野地板12及び熱媒体用管13上に新設した金属屋根材である。上述したように、金属屋根材14の裏面が熱媒体用管13に当接するように、金属屋根材14を新設する。この金属屋根材14の形成材料としては、亜鉛鉄板、ガルバリュー鋼板、ステンレス板などの金属板を採用することができる。本実施形態では、金属屋根材14は、0.3〜1.0mm程度の板厚である。
また、図2(b)に示したように、既設屋根20上の断熱材11、金属屋根材14、野地板12により囲まれる空間に、熱媒体用管13が配置されている。つまり、熱媒体用管13の熱が金属屋根材14に直接熱伝導することにより金属屋根材14を温め、且つ、熱媒体用管13からの熱放射により金属屋根材14を温め、且つ、熱媒体用管13の周囲の空気を温めて間接的に金属屋根材14を温めるように、改修融雪屋根構造10が構成されている。
<改修融雪屋根構造10の施工方法>
図4は、本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10の施工方法の一例を示す図である。図4などを参照しながら、改修融雪屋根構造10の施工方法の一例を説明する。尚、図4(e)、図4(f)においては固定部材15を図示していない。
第1工程において、図4(a)に示したように、垂木22、既設屋根部材21などからなる既設屋根20上の全面または一部分に、図4(b)に示したように、断熱材11を敷設する。本実施形態では、厚さ20mm、幅900mm、長さ1800mm程度の矩形状の複数の断熱材11を既設屋根20上に敷設する。
第2工程において、図4(c)、図2に示したように、断熱材11上に複数の野地板12を、棟軒方向に所定間隔(例えば、120〜170mm程度)で配設する。
第3工程において、図4(d)に示したように、釘などの固定部材15により、野地板12を既設屋根20に固定する。例えば、釘などの固定部材15を、垂木22上の野地板12から断熱材11、既設屋根部材21を介して垂木22に打ち込むことで、野地板12を既設屋根20に固定する。
第4工程において、図4(e)、図2に示したように、断熱材11上、且つ、複数の野地板12間に熱媒体用管13を配設する。この場合、図4(e)に示したように、熱媒体用管13の上端と、野地板12の上端とが略同一平面に位置するように配置する。本実施形態では熱媒体用管13と野地板12との間隔(棟軒方向の間隔)は20mm程度である。
第5工程において、図4(f)、図2に示したように、金属屋根材14を、野地板12及び熱媒体用管13上に設ける。この場合、金属屋根材14の裏面に熱媒体用管13が当接するように配置する。金属屋根材14は、不図示の固定部材(釘など)により、野地板12に固定する。
上述した本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10の施工方法を行うことにより、簡単に既設屋根20に改修融雪屋根構造10を設けることができる。
<動作>
熱源30により熱媒体を加熱し、ポンプによりその熱媒体を熱媒体用管13を通じて循環させる。熱媒体の温度制御は、不図示の制御装置により行う。例えば、制御装置は、金属屋根材14の温度を検知する温度センサからの信号、および、設定温度などに基づいて、熱媒体の温度制御を行う。
そして、熱媒体用管13の熱が金属屋根材14に直接熱伝導することにより金属屋根材14を温め、且つ、熱媒体用管13からの熱放射により金属屋根材14を温め、且つ、熱媒体用管13の周囲の空気を温めて間接的に金属屋根材14を温める。そして、金属屋根材14が雪の融点よりも高い温度となり、金属屋根材14上の雪を融かす。
以上、説明したように、本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10は、既設屋根20上に金属屋根材14を新設した構造であり、詳細には、既設屋根20上に敷設した断熱材11と、断熱材11上で面内に間隔をあけて配設した複数の野地板12と、断熱材11上、且つ、複数の野地板12間に配設された熱媒体用管13と、野地板12及び熱媒体用管13上に設けられ、且つ、熱媒体用管13に当接する金属屋根材14と、を有する。熱媒体用管13からの熱が金属屋根材14を温めることにより、金属屋根材14上の雪を容易に融かすことができる。
すなわち、簡単な構造で融雪効率の良好な改修融雪屋根構造10を提供することができる。また、本考案の実施形態に係る改修融雪屋根構造10は、簡単な構造であるので、既設屋根20上に短い工期で作製可能である。
以下、上述した本考案の実施形態の改修融雪屋根構造10の効果の一例を記載する。
(1)改修融雪屋根構造10は、融雪効率が良好である。詳細には、断熱材11上の熱媒体用管13の熱により金属屋根材14が温められ、金属屋根材14の熱により金属屋根材14上の雪を融かす。また、熱媒体用管13の熱により野地板12間の空気も、野地板12も加熱されるので、融雪効率が良好である。
(2)例えば、もしも熱媒体用管13から水漏れがあった場合であっても、断熱材11や既設屋根20が下地として設けられているので、室内への漏水を防ぐことができる。
(3)本考案の実施形態の改修融雪屋根構造10は、既設屋根20に対して保護層として機能するので、既設屋根20の耐久性が増す。
(4)本考案の実施形態の改修融雪屋根構造10は、既設屋根20へ簡単に施工することができ、施工に熟練技術を必要とせず、誰でも効率よく施工することができる。このため、総合的に安価に、既設屋根20上に改修融雪屋根構造10を作製することができる。
(5)本考案の実施形態の改修融雪屋根構造10を施工する場合、既設屋根20をはぎ取る必要がない。このため、作業効率が大幅にアップする。また、改修融雪屋根構造10の施工と既設屋根20の改修作業を同時に行うことが可能であり、工事日数の短期化、費用の低減などを実現することができる。
以上、本考案の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本考案に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本考案の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
また、上述した実施形態では、既設屋根20として平らな屋根に改修融雪屋根構造10を設けたが、この形態に限られるものではない。例えば、図5に示したように、既設屋根20として瓦棒葺き屋根に、改修融雪屋根構造10を設けてもよい。
詳細には、図5に示したように、既設屋根20として瓦棒葺き屋根を採用した例では、垂木22上に野地板23が設けられ、その野地板23上に防水シート24が設けられ、防水シート24上に金属屋根などの既設屋根部材21が設けられている。この既設屋根部材21には瓦棒部21bが設けられている。
上記瓦棒葺き屋根に改修融雪屋根構造10を設ける場合には、瓦棒部21bと同じ高さの断熱材11cを瓦棒部21b間に敷設した後、上述した実施形態と同様に、断熱材11c、野地板12、熱媒体用管13、金属屋根材14を設置する。
こうすることで、上記瓦棒葺き屋根にも改修融雪屋根構造10を容易に施工することが可能である。
1 家屋
10 改修融雪屋根構造
11 断熱材
12 野地板
13 熱媒体用管(パイプ)
14 金属屋根材(新設の金属屋根材)
15 固定部材
20 既設屋根
21 既設屋根部材
22 垂木
23 野地板
24 防水シート
30 熱源

Claims (1)

  1. 既設屋根に金属屋根材を新設した改修融雪屋根構造であって、
    既設屋根上に敷設した断熱材と、
    前記断熱材上に間隔をあけて配設した複数の野地板と、
    前記断熱材上、且つ、前記複数の野地板間に配設された熱媒体用管と、
    前記野地板及び前記熱媒体用管上に設けられ、且つ、該熱媒体用管に当接する金属屋根材と、を有することを特徴とする
    改修融雪屋根構造。
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