JP3187061B2 - ガス連続分光分析用マイクロ波空洞共振器 - Google Patents
ガス連続分光分析用マイクロ波空洞共振器Info
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Description
のマイクロ波空洞共振器に関する。このような装置にお
いてマイクロ波分光方法によりStark効果を利用してプ
ロセスガスの中の含有ガス成分の濃度を求めることがで
きる。通常は測定は透過光方式が実施され、この場合、
空間的に非常に長い測定セルが使用され(ドイツ特許出
願公開第3645240号公報参照)、これにより高い検出感
度が得られる。
共振器である。できるだけ低いガス濃度を高感度で検出
するために共振器のQ値を非常に高くすることに努力が
払われている。高いQ値により必然的に共振器は高い感
度で周囲の影響に応答する。これらの影響は安定化措置
により補償しなければならない(R.Reinschluessel等著
“高感度空洞...の設計”(AE,第40巻,1986,第5冊,
313〜320頁)参照)。外部の影響の補償には付加的な構
造的コストがかかり、このコストにより装置コストは大
幅に高くなる。
Messen"誌(58(1991)11,433〜438頁)に記載されて
いる。ここに例えば煙道ガスの迅速な分析のためのマイ
クロ波プロセス分析器が記載されている。
めのマイクロ波空洞共振器が記載されている。共振器は
矩形に形成されているが、しかし円筒形であることも可
能である。共振器の共振周波数は、異なる極性分子を個
別に検出できるように変換される。
要求が発生した、すなわち、煙道ガスの中のアンモニア
の濃度を、プロセス条件の下でかつ実時間で、プロセス
ガスのその他の成分に対する影響を与えることなく求め
ることが可能なことである。このためにプロセスに有用
な分析器を排気ガス装置の中に取付け、この分析器は過
酷な環境の中で設置でき、高信頼性で長時間作動におい
て既知のガス割合又はガス成分の濃度を検出することが
可能でなければならない。
するマイクロ波のための空洞共振器として形成されてい
る測定セルにより解決される。基本思想は、低いQ値の
共振(低Q共振器)により測定セル長を短縮することに
ある。この共振器は測定ガスすなわちプロセスガスの中
の調べる成分の吸収周波数に同調調整されている。マイ
クロ波技術的特性がこの共振器のジオメトリを実質的に
定める。共振器の中での多重反射により共振器の中の有
効波長は共振器のジオメトリ的長さに比して大幅に長く
なる。これにより空間的に大幅により小さい構造が可能
となる。
自由端は誘電ウィンドウの直接前に位置し、このウィン
ドウまでの距離は、最大でも、マイクロ波状態の調整及
び微同調調整のための軸線方向のスライドのために必要
な距離である。測定セルの中の内部導体すなわちStark
電極の長さはこの電極の先端が電場のノードの中に位置
するように調整可能でなければならない。
用空間を形成する。実際の測定セルの中に、バイパス導
管から分岐されたプロセスガス体積が連続的に誘電ウィ
ンドウの近傍で流入し、次いでその場所の定置のマイク
ロ波リフレクタの中のガス貫流孔を介してできるかぎり
広い面積で連続的に吸込まれ、これにより測定セルの間
に所与の圧力差が調整設定される。
及び出力結合が行われる。マイクロ波リフレクタはその
場所で最適共振条件と最適入力結合及び出力結合条件を
調整設定するために軸線方向に位置調整可能である。
設けられ、従って共振器ジオメトリはこの測定にのみ同
調されている。しかし共振器を、類似の波長領域の中に
ある吸収線を有する別の種類のガスのためにも設けるこ
とができる。この場合、共振器を過大な寸法に決めると
有利である。この場合には高信頼性の測定のために、所
与の周波数領域内にただ1つの共振周波数(モード)が
存在する動作パラメータが求められる。
避し、外部の温度変動が共振器空間の中に入り込んでも
それが大きい熱容量に起因して無視できる程に些細であ
るように共振器の壁は非常に肉厚に形成されている。
に仕切られ約1000〜2000の共振器Q値を有する測定セル
(低Q共振器)とは過酷なプロセス環境においても有用
であり、検出感度、保守容易性、安定性及び経済的構造
に対する要求を満足する。
又は求めるための低いQ値を有するマイクロ波空洞共振
器の1つの実施の形態が図面に略示され、以下において
詳細に説明される。
る共振器の概略図、図1bは低Q共振器の構造を示す概略
図、図2はNH3線の線幅と共振器半値幅との比較を示す
線図、図3はガス分析器の測定構成を示す概略図であ
る。
つの個々の構成要素から成る(図1b)。
電極6としての内部導体6を有する実際の測定セルとし
ての同軸導波管部分3であり、同軸導波管部分3は、定
置のマイクロ波リフレクタ5の中の内部導体の導入部の
ほかに更に内部導体の尖端の背後でテフロン星状体10に
より同軸位置で保持される。テフロン星状体10はテフロ
ン星状体10が共振器1の中のマイクロ波と連続的測定ガ
ス流を無視できる程度にしか損なわないように形成され
ている。
形空洞導波管部分2はマイクロ波結合ブロックとして用
いられ、入力結合及び出力結合部8と、λ/4変換器とし
て構成されているマイクロ波リフレクタ4とを有し、マ
イクロ波リフレクタ4は軸線方向にスライド可能であ
り、2つの調整機能を可能にする、すなわち一方では、
共振器1の中の共振の同調であり、他方、マイクロ波の
最適な入力結合及び出力結合の調整設定のための調整で
ある。
ロセスガスのための測定ガス入口のための絞り9又は制
限部9と、定置のマイクロ波リフレクタ5とを有する同
軸導波管部分3であり、マイクロ波リフレクタ5はモー
ドフィルタとして構成され、同時に、軸線方向にスライ
ド可能な内部導体6すなわちStark電極6又はStark隔壁
6のための、ホルダ及び導入部材として用いられる。測
定ガスは連続的にマイクロ波リフレクタ5の中の孔を介
して吸込まれ、その際にマイクロ波の反射の影響は無い
か又は無視できる程度である。
ンドウ7であり、カプトンシート7は円形空洞導波管部
分2を共振器1の同軸導波管部分3から分離している。
シート7は機械的に充分に強靱でありかつ化学的に充分
に不活性であり、従って双方の共振器室2と3との間の
圧力差が維持され、化学反応が発生しない。円形空洞導
管部分2の中は一般的に周囲圧力になっており、同軸導
波管部分3の中は負圧になっている。シート7が共振器
1の中のマイクロ波に与える影響は無視できる程に小さ
い。
H波タイプ及びE波タイプのいくつかのモードが観察さ
れる。基本モードは、共振器1の直径に対する遮断波長
の最大比を有するモードである。これは本使用例ではH
11モードである。低Q共振器1の構造のためにH11モー
ドが基礎となっている。この場合にはすべてのその他の
モードは所望の周波数領域より大幅に高い遮断周波数を
有し、従って共振器1の中で伝播できない。
されて(例えばMeinke Grundlach著“Taschenbuch de
r Hf−Technik"等参照)製造技術上の理由から共振器
1の内径はD=10mmに選択される。この場合に小さな構
造的変更によりこの内径は30GHzの近傍の周波数まで使
用されることが可能である、最低有効周波数0はより低
く、H11においては約17.56GHzである。
3.87013GHz)と導波管の遮断波長λcとを有する場合の
空洞導波管内の波長λgは次式により得られる。
の中のH11モードへの整合のために内部導体6又はStark
電極6の直径dは、遮断波長を等しくすること((円形
空洞導波管の中の)λcHL=(同軸空洞導波管の中の)
λcKoak)により整合されなければならない。5より小
さい直径比D/dにおいては次式が成立つ。
3mmが得られる。2mmの市販の棒材料(特殊鋼、真鍮)に
より空洞導波管の中の電磁波を同軸導波管部分3(λ
cKoax=18.34mm)に十分整合することが可能である。こ
の太さの材料はStark電極6のプロセスの間に発生する
機械的振動を減衰する。このような振動は回避されなけ
ればならない、何故ならばこのような振動は望ましくな
いことにStark電圧を変調し、ひいては信号振幅も変調
する。
H11モード(λc=1.706xD)において、共振周波数f0=
23.87013GHz(円形空洞導波管2の中に生ずる波長はλ
0=12.556mm、λgHL=18.54mm)、アンモニア(NH3)
の所望の吸収線とD=10mmにおいて、同軸部分3無しの
共振器2の部分の長さL′(図1a+b)のための次の近
似値が得られる。
同様に得られる。
k電極6の長さLが、共振器1の中の順次の類似の状態
に対して測定された。従って2つの最適な状態の間隔、
すなわち共振器1の中の同軸部分の中の導波管半波長は
約8mmである。18.4mmの同一の遮断波長Lcにおいて円形
空洞導波管の非同軸部分2の中の2つの空洞導波管半波
長間の間隔は9.3mmである。従って共振器1の同軸導波
管部分3は約207mm、円形空洞導波管部分2は約55mmの
長さである。
には約2〜3倍吸収線14の半値幅より大きい。この半値
はNH3において所与の圧力において約7MHzであり(図
2)、より低い圧力においてはより小さく、より高い圧
力に対しては増加する(線幅の広がり)。これらのデー
タによりまず初めに、1000〜2000の共振器1のQが目指
される。前述の観点からの低Q共振器1の構成により最
終的に約1200のQが得られる。
と円形空洞導波管2の壁の中の結合スリットとを介して
行われる。同様に検波器17の取付けも同じように行われ
ている。これらの2つの結合スリットはそれぞれおおよ
そ共振波長の1/2の長さである。幅及び壁厚はこのスリ
ット長に比して小さい。入力結合及び出力結合領域内の
壁厚はマイクロ波技術的視点からは無限に薄肉でなけれ
ばならないが、しかし壁厚は、作動中に充分な機械的安
定性が維持され、マイクロ波への影響が僅かなままであ
るように小さく保持される。
に、通常は加熱されているバイパス導管21を介して行わ
れ、バイパス導管21は、監視するガス流を測定セル3に
バイパスして供給する。絞り9から出る通気突出部はバ
イパス導管21の中の主流の中に突出し、供給される測定
ガス体積を連続的に分岐する。絞り9は別の実施の形態
では弁9としても形成され、一般的には制限装置9とし
て形成され、絞り9は測定セル3の中の圧力を、測定ガ
スを吸込むことにより低下し、これにより絞り9と、測
定セル3の他端に位置するマイクロ波リフレクタ5との
間の圧力勾配が維持される。従ってポンプ20の吸込み性
能は、別の測定するガスにおいては異なることもある圧
力領域に整合される。
いる低Q測定システムは、ガス路の構成においていくつ
かの付加的な措置を必要とする。重要な点はバイパス導
管21を測定セル3のできるだけ近傍に配置し、これによ
り、測定セル3の中の絞り9と測定ガスタップすなわち
バイパス導管21の中の最大ガス流の領域内の通気突出部
との間の不可避なむだ空間が最小にされる。調整可能な
絞り9は、一般的に構造的に複雑な弁に置換される。
圧力に依存することに起因して信号の低下が発生する。
迅速性の面で最適化されている測定システムのために信
号振幅とガス流量とセルの中の圧力との間の妥協点を見
出さなければならない。
第3645240号明細書において用いられているような公知
のスキーマに相当し、図3に略示されている。周波数安
定化マイクロ波送信器15すなわちガンダイオードは低Q
共振器の中に入射する。送信器15は入力結合部からアイ
ソレーター16を介して減結合される。Stark変調された
マイクロ波電磁場は検波器17により検波され、ロックイ
ン増幅器18に供給される。ロックイン増幅器18は受信信
号をStark信号に位相同期して増幅し、この増幅は評価
装置例えばマイクロコンピュータが、処理された信号を
利用できる程度に行われる。図2は、Stark効果により
シフトされた線が充分に変調され、これにより本来の吸
収線14が対称に現れることを示している。
られるこの共振器1における短いガス交換時間すなわち
約100測定セル容積/secに起因して測定ガスの中の変化
への応答時間は大幅に短縮される。外部の付加的な試料
採取導管無しの純粋な測定システムにおいてアンモニア
においても、すなわち強い吸収特性を有する成分におい
ても約30ミリ秒の値が得られた。従って通常の測定作動
においては1秒より大幅に短い応答時間が得られる。こ
れは、ドイツ特許第3645240号明細書に記載の装置に比
して少なくとも200倍の速度上昇を意味し、検出限界内
でこの装置の速度は2倍を上回った。低Q測定セル1を
有する分析器は、20秒のロックイン増幅器の時定数にお
いてアンモニア(NH3)において0.1vppmの検出を行うこ
とができた。この分析器により、分析器の緩慢性に起因
して解決できなかった制御技術的課題が解決可能であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】プロセス媒体流の中のある特定成分の濃度
検出用のガス連続分光分析用マイクロ波空洞共振器にお
いて、 共振器直径に対する遮断波長の最大比を有するモードを
基本モードとして、Qが1000〜2000の間の値をとるとと
もに、共振器特性曲線の半値幅が測定吸収線の半値幅に
比して2〜3倍大きくなるように調整設定して共振器の
諸元が定められており、 前記共振器(1)が、マイクロ波リフレクタ(4,5)に
より制限されている空洞円筒体であり、前記空洞円筒体
は円形空洞導波管部分(2)と同軸導波管部分(3)と
から成り、前記円筒形空洞導波管部分(2)と前記同軸
導波管部分(3)とを互いにガス密かつ圧力密の誘電ウ
ィンドウ(7)を介して分離し、前記同軸導波管部分
(3)の軸線方向にスライド可能な内部導体(6)をSt
ark変調を適用するための電極として用い、マイクロ波
リフレクタ(5)の中で貫通案内して保持し、 2つの空洞導波管(11)すなわち共振器(1)の中への
マイクロ波入力結合のための一方の空洞導波管(11)と
前記共振器(1)からのマイクロ波出力結合のための前
記空洞導波管(11)とを、前記共振器(1)の軸線に対
称に前記共振器に前記円形空洞導波管部分(2)の領域
内でフランジ接続し、 前記マイクロ波リフレクタ(4,5)のうちの一方を固定
配置し、他方を、予定の最大吸収周波数とマイクロ波の
最適な入力結合及び出力結合への調整への同調のために
軸線方向にスライド可能にし、 前記プロセス媒体流から連続的に、分岐されている部分
がガス状で貫流するバイパス導管(21)が、直接的に前
記同軸導波管部分(3)の側を前記誘電ウィンドウ
(7)の領域内で通過し、その場所へ共振器壁の中の絞
りすなわち制限装置(9)を介して前記同軸導波管部分
(3)への短い長さの分岐を有し、これにより連続的で
小さい体積での試料導入が可能となり、前記導入試料を
連続的に、所与の圧力勾配を維持してその場所の前記マ
イクロ波リフレクタ(5)の中の少なくとも1つの開口
を介してポンピングして吸込むことが可能であることを
特徴とするガス連続分光分析用マイクロ波空洞共振器。 - 【請求項2】基本モードがH11モードであることを特徴
とする請求項1に記載のガス連続分光分析用マイクロ波
空洞共振器。 - 【請求項3】共振器(1)が、機械的安定性のために及
び大きな熱容量を形成するために肉厚な構造を有してい
ることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波空洞共
振器。 - 【請求項4】企図するモードの励起が空洞円筒形共振器
体の内半径を定めるようにするか又は内半径を過大寸法
に定めることを特徴とする請求項3に記載のマイクロ波
空洞共振器。 - 【請求項5】同軸導波管部分(3)の中のマイクロ波リ
フレクタ(5)を定置に配置し、前記マイクロ波リフレ
クタ(5)がモードフィルタとして作用し、Stark電極
(6)を導入する導入部材として用いられ、導入した測
定ガスを前記同軸導波管部分(5)を貫通して広面積で
吸込み可能に構成し、 円形空洞導波管部分(2)の中のマイクロ波リフレクタ
(4)を、前記円形空洞導波管部分(2)がλ/4変換器
として作用し、マイクロ波サンプとして用いられる薄肉
誘電空洞円筒(22)を介して共振器壁から導電的に分離
されているように構成することを特徴とする請求項4に
記載のマイクロ波空洞共振器。 - 【請求項6】Stark電極(6)の自由端が尖端(23)を
有し、これにより双方の導波管領域(2,3)の間の移行
がマイクロ波技術的に滑らかに生ずるようにすることが
可能であり、前記Stark電極(6)を、共振器(1)の
中のガス流及びマイクロ波に影響しないか最大でも無視
できる程度にしか影響しない誘電星状体(10)を介して
同軸に保持することを特徴とする請求項5に記載のマイ
クロ波空洞共振器。 - 【請求項7】絞りすなわち制限装置(9)が交換可能で
あり、前記絞り(9)の通気突出部分がバイパス導管
(21)の横断面領域内に突出していることを特徴とする
請求項6に記載のマイクロ波空洞共振器。
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