JP3186332B2 - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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JP3186332B2 JP12337093A JP12337093A JP3186332B2 JP 3186332 B2 JP3186332 B2 JP 3186332B2 JP 12337093 A JP12337093 A JP 12337093A JP 12337093 A JP12337093 A JP 12337093A JP 3186332 B2 JP3186332 B2 JP 3186332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶配向剤に関し、さら
に詳細には、ラビング耐性に優れている液晶配向剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶配向剤は、ラビング処理を施すこと
により液晶を初期的に配向させる機能を有し、TN型液
晶表示素子、STN型液晶表示およびアクティブマトリ
ックス−TN型液晶表示素子に例記される様々な液晶表
示素子に広汎に用いられている。液晶配向剤としては、
一般にテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物
とを反応させて得られる重合体および/またはそのイミ
ド化重合体の極性溶媒溶液を用いることが多く、印刷法
もしくはスピンコート法などの方法で基板上に塗布し、
焼成の後、ラビングを施すことにより配向膜としての機
能を発揮する。液晶配向剤として上記の重合体を用いる
理由として、これらの重合体が有する液晶配向性、電気
特性、耐薬品性、耐熱性、透明性および機械特性が他の
重合体と比較し良好なことが挙げられる。このうち、機
械特性はラビングに耐える十分な機械強度を有するとい
う点で重要であるが、近年、均一で良好な液晶配向性を
得るためにラビングを強める傾向にあり、従来の液晶配
向剤でもラビング時に膜はがれを生じるという問題が出
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な液晶配向剤を提供することにある。本発明の他の目的
は、前記従来の問題点を解決し、液晶配向性、電気特
性、耐薬品性、耐熱性、透明性および機械特性などの諸
特性が良好で、かつラビング耐性が良好なことを特徴と
する液晶配向剤を提供することにある。本発明の、さら
に他の目的および利点は、以下の説明から明らかとなろ
う。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、テトラカルボン酸二無水物お
よびジアミン化合物とを反応させて得られる重合体およ
び/またはそのイミド化重合体を含有する液晶配向剤
に、重合体固形分100部に対し、0.1〜20重量部
分子鎖中にポリアルキレンオキシドを有するポリオル
ガノシロキサン誘導体を含有させることを特徴としたラ
ビング耐性に優れた液晶配向剤および当該液晶配向剤か
ら得られる液晶配向膜を具備してなることを特徴とする
液晶表示素子によって達成される。本発明で用いられる
重合体は、テトラカルボン酸二無水物(以下、「化合物
I」という。)およびジアミン化合物(以下、「化合物
II」という。)とを反応させて得られる重合体(以
下、「特定重合体I」という。)および/またはそのイ
ミド化重合体(以下、「特定重合体II」という。)で
ある。
【0005】本発明において用いられる化合物Iとして
は、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸
二無水物、テトラシクロ[6,2,1,1,02.7 ]ド
デカ−4,5,9,10−テトラカルボン酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二
無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラ
ル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−
7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物
などの脂肪族および脂環族テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジ
フェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無
水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水
物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,
4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二
無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオ
キサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニ
ルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフ
ェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタ
ン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙
げることができる。
【0006】これらのうちでは、ブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペ
ンチル酢酸二無水物、テトラシクロ[6,2,1,1,
2.7 ]ドデカ−4,5,9,10−テトラカルボン酸
二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラ
ル)−3−メチル−シクロヘキセン−1,2−ジカルボ
ン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒ
ドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′
4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、3,3′4,4′−パーフルオロイソプロピリテン
ジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに好ましく
は、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物である。
【0007】本発明において用いられる化合物IIとし
ては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノ
ベンズアニリド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジ
アミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェ
ノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4′−(p−フェニレンジイソプロ
ピリデン)ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレン
ジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,3−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノ
フェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−メチレ
ン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2′5,5′−
テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,
2′−ジクロロ−4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメ
トキシビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−
ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミン;ジアミノテ
トラフェニルチオフェンなどのヘテロ原子を有する芳香
族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,2
−エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメ
チレンジアミン、ノナメチレンジアミン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒド
ロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−
4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリ
シクロ[6,2,1,02.7 ]−ウンテシレンジメチル
ジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルア
ミン)などの脂肪族または脂環族ジアミン;
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 はメチル基、エチル基、プロ
ピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基またはフェニル基などのアリール基のよう
な炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜3、q
は1〜20のそれぞれ整数を示す。)
【0010】などで表されるジアミノオルガノシロキサ
ンが挙げられる。これらのうち、p−フェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンが好ましい。これらは単独で、ま
たは2種以上を組み合わせて使用できる。また、これら
ジアミンは市販品をそのまま使用しても、再還元して使
用してもよい。
【0011】本発明に用いられる特定重合体Iは、化合
物Iと化合物IIを反応させて得られる。かかる反応は
有機溶媒中で、通常0〜150℃、好ましくは0〜10
0℃の温度で行なわれる。反応に用いられる上記有機溶
媒としては、反応で生成する特定重合体Iを溶解しうる
ものであれば特に制限はない。例えば、γ−ブチロラク
トン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホス
ホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレ
ゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノ
ールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。有
機溶媒の使用量は、通常、化合物Iおよび全アミン化合
物の総量が反応溶媒の全量に対して、0.1〜30重量
%になるようにするのが好ましい。テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物
中のアミノ基1等量に対して、テトラカルボン酸二無水
物の酸無水物基を0.2〜2等量とするのが好ましく、
より好ましくは0.3〜1.4等量である。
【0012】本発明に用いられる特定重合体IIは、上
記した特定重合体Iを加熱して、または脱水剤およびイ
ミド化触媒の存在下でイミド化することにより得られ
る。加熱によりイミド化する場合の反応温度は、通常6
0〜200℃、好ましくは100〜170℃である。反
応温度が60℃未満では反応の進行が遅れ、また200
℃を超えると可溶性ポリイミドの分子量が大きく低下す
ることがある。また、脱水剤およびイミド化触媒の存在
下でイミド化する場合の反応は、前記した有機溶媒中で
行なうことができる。反応温度は、通常0〜180℃、
好ましくは60〜150℃である。脱水剤としては、無
水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸など
の酸無水物を用いることができる。また、イミド化触媒
としては、例えば、ピリジン、コリジン、ルチジン、ト
リエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる
が、これらに限定されるものではない。脱水剤の使用量
は、特定重合体Iの繰り返し単位1モルに対して1.6
〜20モルとするのが好ましい。また、イミド化触媒の
使用量は、使用する脱水剤1モルに対し0.5〜10モ
ルとするのが好ましい。このようにして得られる特定重
合体Iおよび/または特定重合体IIの固有粘度[η
inh =(1n ηrel/C、C=0.5g/dl、3
0℃、N−メチル−2−ピロリドン中、以下同条件にて
固有粘度を測定]は、通常0.05〜010dl/g、
好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0013】なお、前記有機溶媒には、貧溶媒であるア
ルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロ
ゲン化炭化水素類、炭化水素類を生成する重合体が析出
しない程度に併用することができる。かかる貧溶媒とし
ては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、トリエチレングリコール、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸
ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール
−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プ
ロピルエーテル、ブチルセロソルブ、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエ
タン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどを挙げることができる。
【0014】本発明に用いられるポリオルガノシロキサ
ン誘導体は、いわゆるシリコーンオイルとして一般に用
いられる有機ケイ素系ポリマーであり、例えば、ジメチ
ルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリジオ
ルガノシロキサンジオール、クロロフェニルシリコーン
オイル、フロロシリコーンオイル、シリコーンポリアル
キレンオキシド共重合体、アルキル変性シリコーンオイ
ル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、アミノ変性シリ
コーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどのシ
リコーンオイルおよび変性シリコーンオイルが挙げられ
る。さらに、これらのポリオルガノシロキサンを詳細に
例記するならば、化2〜化に示されるポリオルガノシ
ロキサンが挙げられる。
【0015】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】ここで、R2 は水素原子、メチル基、エチ
ル基およびプロピル基などのアルキル基、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリー
ル基、フッ化アルキルおよびクロロアルキルなどのハロ
ゲン化アルキル基およびビニル基含有アルキル基のよう
な炭化水素基を示し、R3 はメチレン基または炭素数2
以上のアルキレン基を示し、Aはポリエチレンオキシド
およびポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオ
キシド基を示し、xおよびyは1以上の整数を示す。
【0020】
【0021】本発明の液晶配向剤は、特定重合体Iおよ
び/または特定重合体IIを含有する溶液に、重合体固
形分に対し特定量の前記ポリオルガノシロキサン誘導体
を添加することにより得られ、溶媒としては前述の溶剤
を挙げることができる。ポリオルガノシロキサン誘導体
の添加量は、重合体固形分100部に対して0.1〜2
0重量部、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ま
しくは1〜5重量部である。添加量が0.1重量部未満
の場合は、ラビング耐性の改良効果が見られず好ましく
なく、また20重量部を超える場合は、添加後の溶液の
均一性が不良となり好ましくない。
【0022】本発明の液晶配向剤は、通常、ラビング耐
性を向上させる目的で使用される密着助剤、例えば、官
能性シラン含有化合物、硬化性重合体を併用することも
可能である。官能性シラン含有化合物としては、例え
ば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルト
リメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイド
プロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニ
ル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリ
エトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−
トリメトケシシリルプロピルトリエチレントリアミン、
10−トリメトキシイシリル−1,4,7−トリアザデ
カン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリア
ザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノ
ニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジ
アザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチ
レン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエト
キシシランなどが挙げられる。
【0023】硬化性重合体としては、例えば、多官能ア
クリル系硬化剤、エポキシ系硬化剤、ビスマレイミド系
硬化剤、カルボジイミド系硬化剤およびテトラカルボン
酸二無水物とアミノ基含有シラン化合物とを反応させて
得られる硬化剤などが挙げられる。
【0024】本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶
表示素子は、例えば次の方法によって製造することがで
きる。まず、透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜
側に、本発明の液晶配向剤を印刷により塗布し、80〜
200℃、好ましくは120〜200℃の温度で加熱し
て塗膜を形成させる。この塗膜は、通常0.001〜1
μm、好ましくは0.005〜0.5μmである。上記
のように形成された塗膜は、ナイロンなどの合成繊維か
らなる布を巻き付けたロールでラビング処理を行なうこ
とにより、液晶配向膜とされる。上記基板としては、例
えば、フロートガラス、ソーダガラスなどのガラス、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプ
ラスチックフィルムなどからなる透明基板を用いること
ができる。上記透明導電幕としては、SnO2 からなる
NESA膜、In2 3 −SnO2 からなるITO膜な
どを用いることができ、これらの透明導電膜のバターニ
ングには、フォト・エッチング法、あらかじめマスクを
用いる方法などが用いられる。
【0025】液晶配向剤の塗布に際しては、基板および
透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするため
に、基板および透明導電膜上に、あらかじめ官能性シラ
ン含有化合物、チタネートなどを塗布することもでき
る。液晶配向膜が形成された基板は、その2枚を液晶配
向膜をラビング方向が直交または逆平行となるよう対向
させ、基板の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を
充填し、充填孔を封止して液晶セルとし、その両面に偏
光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜のラビング方向と一
致または直交するように張り合わせることにより液晶表
示素子とされる。
【0026】上記シール剤としては、例えば硬化剤およ
びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。上記液晶として
は、ネマティック型液晶、スメクティック型液晶、その
中でもネマティック型液晶を形成させるものが好まし
く、例えば、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビ
フェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エス
テル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘ
キサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、
ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いら
れる。また、これらの液晶に、例えば、コレスチルクロ
ライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボ
ネートなどのコレステリック液晶や商品名C−15,C
B−15(Merck Ltd.)として販売されてい
るようなカイラル剤などを添加して使用することもでき
る。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ
−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も
使用することができる。液晶セルの外側に使用される偏
光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させな
がら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸
セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのもの
からなる偏光板などを挙げることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。
【0028】合成例1 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物44.8gおよびp−フェニレンジアミン21.6g
をN−メチル−2−ピロリドン988gに溶解させ、室
温で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰の
メタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、
メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させ
て、固有粘度1.44dl/gのポリアミック酸Ia6
0.2gを得た。
【0029】合成例2 合成例1で得られたポリアミック酸Ia30.0gを5
70gのγ−ブチロラクトンに溶解し、21.6gのピ
リジンと16.74gの無水酢酸を添加し、120℃で
3時間イミド化反応をさせた。次いで、反応生成液を合
成例1と同様に沈澱させ、固有粘度1.35dl/gの
ポリイミドIIa24.0gを得た。
【0030】合成例3 合成例1において、ジアミンを4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン39.6gとした以外は、合成例1と同様
にしてポリアミック酸Ibを得、さらにこのポリアミッ
ク酸Ibを用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を
行ない、固有粘度1.16dl/gのポリイミドIIb
22.2gを得た。
【0031】合成例4 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物をシクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物39.22gとした以
外は、合成例1と同様にして固有粘度1.26dl/g
ポリアミック酸Ic50.5gを得た。
【0032】合成例5 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]フラン−1,3−ジオン60.0gとし
た以外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸Idを
得、さらにこのポリアミック酸Idを用いて合成例2と
同様にしてイミド化反応を行ない、固有粘度1.16d
l/gのポリイミドIId22.2gを得た。
【0033】合成例6 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物をピロメ
リット酸二無水物43.6gとした以外は、合成例1と
同様にして固有粘度1.66dl/gポリアミック酸I
e60.5gを得た。
【0034】ポリオルガノシロキサン誘導体 以下に示す特徴を有するシリコーンオイルを用いた。 シリコーン1;分子側鎖にポリアルキレンオキシド基を
有する粘度1300CP(センチボイズ)の変性シリコ
ーン。 シリコーン2;分子両末端にポリアルキレンオキシド基
を有する粘度180CPの変性シリコーン。
【0035】実施例1〜 合成例1〜6で得られた特定重合体とシリコーン1〜
を表1に示す割合でN−メチル−2−ピロリドンに溶解
させて、固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶液を孔
径1μmのフィルターでろ過し、液晶配向剤を調製し
た。この溶液を、液晶配向膜塗布用印刷機を用いて、I
TOの一定のストライプ状パターンを有する透明電極付
きガラス基板に塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥
膜圧0.05μmの塗膜を形成した。この塗膜にレーヨ
ン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーン
(飯沼ゲイジ社製)により、ロールの回転数400rp
m、ステージの移動速度0.3cm/秒、毛足し押し込
み長0.8m/mでラビング処理した。ラビング耐性の
評価は、ラビング処理後の塗膜のはがれ具合を光学顕微
鏡観察して行ない、はがれが認められない場合を良好と
した。次に、一対のラビング処理された基板の液晶配向
膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの酸化アル
ミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗
布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するよう
に、しかもラビング方向が直交するように重ね合わせて
圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より
一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、Z
LI−1565)を充填した後、エポキシ系接着剤で液
晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を、偏光
板の偏光方向がそれぞれの基板の液晶配向膜のラビング
方向と一致するように張り合わせ、液晶表示素子を作製
し、液晶の配向性を顕微鏡観察し、配向乱れがない場合
を良好とした。実施例1〜より明らかなように、本発
明による液晶配向剤はラビング耐性に優れ、かつ液晶の
配向性も良好である。
【0036】
【表1】 1)特定重合体固形分100重量部に対するシリコーン
の重量部
【0037】比較例1 実施例2において、シリコーン1の混合割合を0.05
PHRとした以外、実施例2と同様の実験を行なった
が、ラビング処理後に部分的に膜はがれが見られ、ラビ
ング耐性に劣るものであった。
【0038】比較例2 実施例において、シリコーン1の混合割合を25PH
Rとした場合、溶液ににごりが生じ、均一な溶液が得ら
れなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤によれば、ラビング
耐性に優れている液晶配向剤が得られる。また、本発明
の液晶配向剤は、液晶配向性などの諸特性も良好で、T
N型液晶表示素子、STN型液晶表示素子およびアクテ
ィブマトリックス−TN型液晶表示素子に例記される様
々な液晶表示素子に広汎に用いられる。さらに、本発明
の液晶配向剤を用いて形成した配向膜を有する液晶表示
素子は、液晶の配向性および信頼性に優れ、様々の装置
に有効に使用でき、例えば、卓上計算機、腕時計、置時
計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピ
ューター、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸二無水物およびジアミ
    ン化合物とを反応させて得られる重合体および/または
    そのイミド化重合体を含有する液晶配向剤に、重合体固
    形分100重量部に対し、0.1〜20重量部の分子鎖
    中にポリアルキレンオキシドを有するポリオルガノシロ
    キサン誘導体を含有させることを特徴とするラビング耐
    性に優れた液晶配向剤。
  2. 【請求項2】 テトラカルボン酸二無水物が2,3,5
    −トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物である
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液晶配向剤から得られ
    る液晶配向膜を具備してなることを特徴とする液晶表示
    素子。
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