JP3185927U - 上衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】白衣等の上衣について、風合いや着心地を考慮しつつ、防しわ性に優れ、かつ、パッカリングを防止するために、衿部や縫製部等に好ましい厚みや幅の接着芯地を施した上衣を提供する。
【解決手段】セルロース繊維を50質量%以上含み、英式綿番手が10〜30番手であるセルロース系繊維を製織した織地からなる上衣100であって、織地の目付量が110〜310g/mであり、経密度が30〜140本/2.54cmであり、緯密度が30〜90本/2.54cmであり、上衣の上衿10、下衿20の縫製部に、厚さ0.4〜0.8mmの接着芯地を10mm以上の幅で備える上衣とする。さらに、上前身頃のボタンホール部30、下前身頃端部40、バックシーム部50、袖シーム部60及び肩縫製部70に接着芯地を備えてもよい。
【選択図】図1

Description

本考案は、衿部や縫製部等に接着芯地を備える上衣に関するものである。
白衣のように頻繁に洗濯をする厚地織物からなる上衣は、しわやパッカリングが発生し易いという問題がある。したがって、白衣のような上衣については、ウォッシュアンドウェアー性(以下、「W&W性」と略称する。)を高めるため、特に防しわ性やパッカリング防止について留意する必要がある。
一般的にパッカリングの発生を抑制するために、接着芯地が用いられている。例えば、特許文献1には、ドレスシャツの上衿に接着芯地を用いることが開示されている。
特許文献1で開示されたドレスシャツでは、ソフトな風合いを有し、型崩れやパッカリングの発生を抑制するために、接着芯地として衿羽根台芯及び衿羽根増芯という2枚の芯地を積層して接着している。しかし、2枚の芯地を用意して積層するのは煩雑であるし、また、一般的に接着芯地は風合いが硬くなることから、ドレスシャツの上衿には適しても、白衣のような上衣の全体に使用するにはあまり適さないと考えられる。
特開平9−87910
これらの実情に鑑み、本考案は、白衣等の上衣について、風合いや着心地を考慮しつつ、防しわ性に優れ、かつ、パッカリングを防止するために、衿部や縫製部等に好ましい厚みや幅の接着芯地を備える上衣を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本考案に係る上衣は、セルロース繊維を50質量%以上含み、英式綿番手が10〜30番手であるセルロース系繊維を製織した織地からなる上衣であって、前記織地の目付量が110〜310g/mであり、経密度が30〜140本/2.54cmであり、緯密度が30〜90本/2.54cmであり、前記上衣の上衿、下衿の縫製部に、厚さ0.4〜0.8mmの接着芯地を10mm以上の幅で備えることを特徴とするものである。
ここで、上衿及び下衿の全域に接着芯地を備えることにしてもよい。さらに、前記上衣の上前身頃のボタンホール部に上前身頃フロントラインから10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備え、下前身頃端部に下前身頃フロントラインから10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備え、袖シーム部に10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備えることにしてもよい。さらに、前記上衣の後身頃のバックシーム部に10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備えることにしてもよく、肩縫製部に10〜50cmの範囲の幅で接着芯地を備えることにしてもよい。
また、接着芯地が織地からなることにしたり、上衣に用いる織地はセルロース架橋剤による化学架橋結合を2〜10質量%含むことにしてもよい。
本考案の上衣によれば、W&W性に優れ、かつ、パッカリングを防止することができるという効果を奏する。また、上衣の種類や必要性に応じて、必要な箇所に接着芯地を備えることで、より効率的にパッカリングを防止することができる。
接着芯地を備えた上衣であり、(a)は前側から、(b)は後側から見た図である。 接着芯地部分の断面図であり、(a)は前身頃等の例、(b)は袖シーム等の例を示す。
まず、本考案に係る上衣に用いる織地について、綿の混率、英国式綿番手、セルロース架橋剤による化学架橋結合、織地の目付量及び織地の密度の観点から好ましい値の範囲を説明する。なお、これらの値は、上衣として白衣を想定したものである。
綿の混率は、50〜100質量%とするのがよい。これは、綿の混率が50質量%未満の場合、風合いが硬くなり過ぎたり、吸水性が低下することがあり、好ましくないからである。なお、綿に混用するものとしては、ポリエステル等が考えられる。
英国式綿番手は、10〜30番手とするのがよい。これは、英国式綿番手が10番手未満の糸を使用すると、上衣が重たくなるなど着心地が悪くなり得るからである。また、英国式綿番手が30番手を超える糸を使用した場合は、上衣は軽くなるが、透けやすくなったり、織地が摩耗して繰り返し使用に不適合となり得る。
上衣に用いる織地のセルロース架橋剤による化学架橋結合は、2〜10質量%とするのがよい。これは、セルロース架橋剤による化学架橋結合が2質量%未満とすると、パッカリングは生じ難くなるが、身生地のW&W性が低下して、洗濯の都度アイロン掛けが必要になり得るからである。また、セルロース架橋剤による化学架橋結合が10質量%を超えると、織地の強度や耐摩耗性の低下が大きくなり、繰り返し使用に耐え難くなる。
織地の目付量は、110〜310g/mとするのがよい。これは、織地の目付量が110g/m未満のときは、上衣が透けやすくなったり、織地が摩耗して繰り返し使用に不適合になるからである。また、織地の目付量が310g/mを超えると、上衣が重たくなるなど着心地が悪くなり得る。
織地の経密度は30〜140本/2.54cmとし、緯密度は30〜90本/2.54cmとするのがよい。これは、織地の経密度が30本/2.54cm未満であったり、緯密度が30本/2.54cm未満であったりすると、上衣が透けやすくなったり、使用中に白衣が破れやすくなるなどの問題が生じ得るからである。また、織地の経密度が140本/2.54cmを超えたり、緯密度が90本/2.54cmを超えたりすると、上衣が重たくなったり、蒸れ易くなったり、引裂強力が低下するなどの問題が生じ得る。
以下、上記のような織地を用いた本考案に係る上衣について、接着芯地の形態等を添付図面を参照して説明する。
図1は、接着芯地を備えた上衣であり、(a)は前側から、(b)は後側から見た図である。上衣100の接着芯地を施した位置を破線で囲んで示している。具体的には、上衿10、下衿20、上前身頃のボタンホール部30、下前身頃端部40、バックシーム部50、袖シーム部60および肩縫製部70である。なお、上前身頃のボタンホール部30及び下前身頃端部40の上端は、いずれも下衿20の下端までとする。
ここで、上衿10及び下衿20については、それぞれ全面に接着芯地を備えた図にしているが、上衿10及び下衿20の外周の縫製部に沿って、接着芯地を設けることとしてもよい。また、図1に示した全ての箇所に接着芯地を設けなければならないということではなく、必要な箇所に接着芯地を設ければよい。例えば、肩縫製部70については、接着芯地を設けない場合もある。
ここで接着芯地とは、仮接着芯又は永久接着芯のことであり、目的に応じて適切に選択すればよいが、基本的には永久接着芯の方が好ましく用いられる。また、接着芯地の材質としては、織地や不織布などが用いられるが、中でも織地からなる接着芯地を使用すると、パッカンリング防止の効果が顕著であり特に好ましい。
次に、本考案に係る上衣に用いる接着芯地について、厚みや幅の好ましい値の範囲を説明する。図2は、接着芯地部分の断面図であり、(a)は前身頃等の例、(b)は袖シーム等の例を示す。接着芯地85の幅をL,厚みをTとし、接着芯地85は表生地80に接着されている。
上前身頃のボタンホール部30や下前身頃端部40、さらに上衿10や下衿20の端部では、図2(a)のような断面になり、接着芯地85の幅Lは、端部(フロントライン)からの長さになる。
また、表生地80,81同士の縫製部となるバックシーム部50、袖シーム部60および肩縫製部70については、図2(b)のような断面になる。なお、図2(a)のような場合もある。
接着芯地の厚みTは0.4〜0.8mmとするのがよい。接着芯地の厚みが0.4mm未満であると、縫製部のパッカリングが防げない場合があり、0.8mmを超えるとパッカリング防止は良好であるが、縫製部が窮屈になり着心地が低下したり、洗濯によって縫製部の白化や傷みが起こりやすくなるなどの問題が生じるからである。
縫製部に使用する接着芯地の幅Lは、10mm以上とするのがよい。特に上衿10及び下衿20については、全域に接着芯地を施すことで、より一層パッカリング防止やしわ防止の効果を高めることができる。
上前身頃のボタンホール部30、下前身頃端部40、バックシーム部50、袖シーム部60、肩縫製部70に使用する場合の幅Lは、10〜50mmの範囲とするのがよい。接着芯地の幅Lを10mm未満とすると、パッカリング防止効果が弱くなる場合があり、50mmを超えると、縫製部が窮屈になり着心地が低下する場合があるからである。なお、前述したとおり、上前身頃のボタンホール部30や下前身頃端部40の場合の接着芯地の幅Lは、フロントラインから10〜50mmである。
[実施例]
経糸と緯糸が英国式綿番手30番手の綿糸からなり、経密度が133本/2.54cm、緯密度が72本/2.54cmであり、グリコール変性ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素が2質量%結合した織地を使用した上衣であって、上衿、下衿の全域に接着芯地(厚さ0.5mm)を備え、上衣前身頃のボタンホール部において、該前身頃フロントカットラインから30mmの幅で接着芯地(厚さ0.5mm)を備え、下前身頃端部において、該前身頃フロントカットラインから30mmの幅で接着芯地(厚さ0.5mm)を備え、後身頃のバックシーム部、肩縫製部、袖シーム部にそれぞれ30mmの範囲の幅で接着芯地(厚さ0.5mm)を備え、各縫製部を運針数15/30mm、ステッチ幅5mmで本縫いした白衣1を作製した。
そして、該白衣1をJIS L―1096 A法に準じ洗濯を実施したところ、縫製部のパッカリングも無くアイロン掛けをしなくとも着用できるレベルであったことから、接着芯地の幅及び厚みは、好ましい範囲であったといえる。
さらに、接着芯地の幅を6.4mm(厚み0.5mm)としたこと以外は該白衣1と同様にした白衣2を作製し、洗濯したところ、縫製部のパッカリングが激しくアイロン掛けを要した。これにより、接着芯地の幅を10mm以下にするのは、好ましくないことがわかった。
10 上衿
20 下衿
30 上前身頃のボタンホール部
40 下前身頃端部
50 バックシーム部
60 袖シーム部
70 肩縫製部
80,81 生地
85 接着芯地
100 上衣(白衣)
T 接着芯地の厚み
L 接着芯地の幅

Claims (7)

  1. セルロース繊維を50質量%以上含み、英式綿番手が10〜30番手であるセルロース系繊維を製織した織地からなる上衣であって、
    前記織地の目付量が110〜310g/mであり、経密度が30〜140本/2.54cmであり、緯密度が30〜90本/2.54cmであり、
    前記上衣の上衿、下衿の縫製部に、厚さ0.4〜0.8mmの接着芯地を10mm以上の幅で備えることを特徴とする上衣。
  2. 前記上衿及び下衿の全域に接着芯地を備えることを特徴とする請求項1に記載の上衣。
  3. 前記上衣の前身頃のボタンホール部に上前身頃フロントラインから10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備え、下前身頃端部に下前身頃フロントラインから10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備え、袖シーム部に10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の上衣。
  4. 前記上衣の後身頃のバックシーム部に10〜50mmの範囲の幅で接着芯地を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の上衣。
  5. 前記上衣の肩縫製部に10〜50cmの範囲の幅で接着芯地を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の上衣。
  6. 前記接着芯地が、織地からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の上衣。
  7. セルロース架橋剤による化学架橋結合を2〜10質量%含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の上衣。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112075678A (zh) * 2020-10-16 2020-12-15 江苏阳光集团有限公司 一种免裁剪针织西服的生产工艺

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