JP3224014U - 耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性に優れた吸汗速乾上着を提供する。【解決手段】ナイロン系またはポリエステル系の高対摩耗性素材を含有した吸汗速乾生地にて上着本体が構成され、前記上着本体における任意の要部に、前記上着本体よりも前記ナイロン系またはポリエステル系の高対摩耗性素材の含有率が高い耐摩耗性生地14が取り付けられている。【選択図】図1
Description
本考案は、耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着に関する。
この種の上着として作業服が知られている。市場における公知の作業服として、主に2種類が流通している。その一つは、作業服を構成する上着本体の全体に、摩耗に弱い部分を含めて同じ生地を用いたものである。このような作業服は、摩耗に対する措置が施されていないために、服の肩、肘、ポケットなどの部分が破れやすく、したがって服の寿命が短く、資源の無駄になりやすい。もう一つは、摩耗に弱い部分に、ポリエステルやナイロンなどの少しの耐摩耗性を有した普通の化学繊維素材を用いたものである。このような作業服は、一定時間内の耐摩耗効果を果たすことはできるが、長時間にわたる強い摩擦には耐えられない。つまり、時間を経ると破れてしまうので、十分な耐摩耗性を有するとはいえない。
特許文献1には、上着を含む上下続きの構造となった作業服であって、上着本体と、肩や肘の部分などとを同じ生地で構成したものが記載されている。
そこで本考案は、このような問題点を解決して、耐摩耗性に優れた吸汗速乾上着を得ることを目的とする。
この目的を達成するため本考案の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着は、コーデュラ(登録商標)素材を含有した吸汗速乾生地にて上着本体が構成され、前記上着本体における任意の要部に、前記上着本体よりもコーデュラ素材の含有率が高い耐摩耗性生地が取り付けられていることを特徴とする。
このような構成であると、高強度で優れた耐久性を有するコーデュラ素材を高率で含有する耐摩耗性生地が上着本体における要部に取付けられているため、公知の作業服における摩耗に弱く破れやすいという欠点を大幅に改善することができる。また、上着本体も、耐摩耗性生地ほどではないが適量のコーデュラ素材を含有しているため、公知の作業服に比べて耐摩耗性を向上させることができる。さらに、上着は吸汗速乾生地にて構成されているため、良好な着心地を達成することができる。
本考案によれば、上記の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着において、上着本体は、綿素材20〜60質量%、コーデュラ素材80〜40質量、合計100質量%の混紡糸にて構成され、耐摩耗性生地はコーデュラ素材100質量%の糸にて構成されていることが好適である。
このような構成であると、耐摩耗性生地はコーデュラ素材100質量%の糸にて構成されているため、十分な耐摩耗性を発現することができ、上着本体も、コーデュラ素材80〜40質量%の混紡糸にて構成されていることから、所要の耐摩耗性を発揮することができる。しかも上着本体は綿素材20〜60質量%の混紡糸にて構成されているため、それに応じた吸汗性を有するとともに、天然繊維であることによる着心地の良さを発揮することもできる。
本考案によれば、上記の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着において、吸汗速乾生地は、メッシュ生地、天竺生地、鹿の子生地、ワッフル生地のいずれかにて構成されていることが好適である。
このような構成であると、上着を構成する生地の構造自体が吸汗速乾性を発揮するものであるため、良好な吸汗速乾性を発揮することができる。
本考案によれば、上記の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着において、耐摩耗性生地は、平織生地、綾織生地、ニット生地のいずれかにて構成されていることが好適である。
このような構成であると、耐摩耗性生地の構造自体が高強度化に寄与するものであるため、良好な耐摩耗性を発揮することができる。
本考案によれば、上記の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着において、上着本体を構成する吸汗速乾生地は、生地を吸汗速乾仕上げしたものと、吸汗速乾用の異形断面糸で構成された生地にて構成されたものとのいずれかであることが好適である。
このような構成であると、生地自体の構造にもとづいて、良好な吸汗速乾性能を発揮することができる。
本考案によれば、上記の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着において、上着本体における襟、前立て、袖口、肘、肩、ポケット、裾の少なくともいずれかに耐摩耗性生地が取り付けられていることが好適である。
このような構成であると、上着本体における特に摩耗しやすい箇所に耐摩耗性生地が取り付けられているため、良好な耐摩耗性能を発揮することができる。
本考案によれば、上記の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着において、上着本体へ耐摩耗性生地が縫製または接着によって取り付けられていることが好適である。
このような構成であると、耐摩耗性生地を確実に上着本体に取り付けることができる。
本考案によると、高強度で優れた耐久性を有するコーデュラ素材を高率で含有する耐摩耗性生地が上着本体における要部に取付けられているため、公知の作業服における摩耗に弱く破れやすいという欠点を大幅に改善することができる。
図1および図2において、10は吸汗速乾上着である。この吸汗速乾上着10は、上着本体12と、この上着本体12における要部すなわち摩耗しやすい箇所に取り付けられた耐摩耗性生地14とを有した構造である。図示の例では、耐摩耗性生地14は、上着本体12における、肩の部分16と、肘の部分18と、左側のポケットの部分20とに取り付けられている。図3は肩用耐摩耗性生地14Aを示し、図4は肘用耐摩耗性生地14Aを示し、図5はポケット用耐摩耗性生地14Cを示す。
図示は省略するが、このほかにも、上着本体12における襟の部分22や、袖口の部分24や、裾の部分26や、その他の摩耗しやすい部分にも、必要に応じて耐摩耗性生地を取り付けることができる。このうち、袖口の部分24に用いる場合は、ポリウレタン入りの横編みリブ仕様であるところのテレコニット生地として用いたり、アウトゴム付け仕様として用いたり、身生地を後ろに折り返して縫製を施した折り返し仕様として用いたりすることができる。裾の部分26に用いる場合は、生地の切りっ放しであるところのフリーカット仕様として用いたり、上記と同様の折り返し仕様として用いたりすることができる。
上着本体12は、ニット生地などの吸汗速乾生地にて構成されている。この吸汗速乾生地は、綿素材とコーデュラ(登録商標)素材とを混紡した糸にて構成されていることが、吸汗性と耐摩耗性すなわち破れにくさとの観点から好適である。
綿素材としては、一般的に知られているものを好適に用いることができる。コーデュラ素材は、耐久性に特に優れた素材であり、詳細には、ナイロン系の材料やポリエステル系の材料などにて構成されている。
そして上着本体12は、綿素材20〜60質量%、コーデュラ素材80〜40質量%、合計100質量%の混紡糸にて構成されていることが、吸汗性と耐摩耗性との両者をバランスよく発揮できることから好適である。綿素材の含有率が高くなるほど吸汗性が向上し、コーデュラ素材の含有率が高くなるほど耐摩耗性が向上する。この点で、綿素材60質量%、コーデュラ素材40質量%の混紡糸にて構成されていることが特に好ましい。
上着本体12を構成する生地は、吸汗速乾性能を良好に発揮するために、それに適した構造であることが好適である。このような構造としては、メッシュ生地、天竺生地、鹿の子生地、ワッフル生地などを挙げることができる。他のニット生地として、フライス、ベア天竺、リブなどを挙げることができる。このようなものであると、良好な通気性を発揮することもできる。
上着本体12を構成する生地は、吸汗速乾性能を特に良好に発揮するために、吸汗速乾仕上げが施されていることが好ましい。この吸汗速乾仕上げは、たとえば、染色工程において生地をセットする前に、吸汗速乾のための助剤を入れた槽に生地を通すことによって、行うことができる。あるいは、上着本体12を構成する生地に綿素材を用いない場合において、この生地がポリエステル系などの異型断面合繊糸にて構成されているときにも、吸汗速乾性能を特に良好に発揮することができる。すなわち、着用者からの汗を迅速に拡散させて乾かせることができる。この異型断面糸の繊度は、50〜400デシテックスであることが好ましい。
上着本体12を構成する生地の目付は、上着を構成する目的から、160〜260g/m2であることが好適である。これにより、軽量性と着心地の良好性とを両立させることができる。
耐摩耗性生地14(14A、14B、14C)は、上着本体12を構成する生地よりもコーデュラ素材の含有率が高い生地である。なかでも、コーデュラ素材100質量%の糸にて構成されていることが好ましい。ナイロンコーデュラに代表されるコーデュラ素材は、耐摩耗性が特に優れており、耐破裂性にも優れ、しかも軽量かつ柔軟である。そして、耐摩耗性生地14は、このようなコーデュラ素材を用いて、平織り、綾織り(ツイル)、ニット生地などにより生地を構成することによっても、耐摩耗性を良好に発揮することができる。
耐摩耗性生地14の目付や、耐摩耗性生地14を構成する糸の繊度などは、必要に応じて適宜に設定することができる。
上着本体12への耐摩耗性生地14の取付けは、適宜の手法によって行うことができる。なかでも、縫製による取付けや、接着による取付けが好ましい。縫製の場合は、本縫い、2本針、キルティングなどを使用することができる。接着の場合は、PVC接着剤などを用いることができる。
上着本体12および耐摩耗性生地14を構成するコーデュラ素材は、任意に着色することができる。たとえば、上着本体12は黒、白、ブルーなどに着色することができ、そのときに耐摩耗性生地14は黒などに着色することができる。耐摩耗性生地14の色を上着本体12の色と相違させることで、吸汗速乾上着10の装飾性や美観性を向上させることができる。
吸汗速乾上着10の形態としては、図1および図2に示したものを、代表例として挙げることができる。このほかにも、ポロシャツの形態や、Tシャツの形態などとすることもできる。
吸汗速乾上着10は、たとえば、生地を裁断したうえで縫製することによって、得ることができる。上着本体12を構成する生地は、通常通りに裁断すれば良い。耐摩耗性生地14を構成する生地は、図3〜図5に例示するように、上着本体12における使用する部位に応じた形に裁断する。また各部位に使用する耐摩耗性生地14は、図3〜図5において示すように、その周囲をステッチを使って縫い合わせる。図5に示されるポケット用耐摩耗性生地14Cの場合は、そのポケット口のところに「カン止め」処理を施す。図1および図2に例示する吸汗速乾上着10の場合は、左側の胸のポケット用耐摩耗性生地14Cと、肩用耐摩耗性生地14Aと肘用耐摩耗性生地14Bは、それぞれ、前身、袖に縫い合わせる。前身は、図示のように襟の部分22を縫い合わせ、前側において丸型のボタン取付ける。次に本体とアームホールと襟とを縫い合わせる。裾の部分26は、まず2本針で錠をかけ、2本針を折り返す。その幅はたとえば2.5cmである。袖口の部分24は、相応のテレコを付けて引き締める。最後に、アイロンを使って服の形を仕上げる。
12 上着本体
14 耐摩耗性生地
14A 肩用耐摩耗性生地
14B 肘用耐摩耗性生地
14C ポケット用耐摩耗性生地
14 耐摩耗性生地
14A 肩用耐摩耗性生地
14B 肘用耐摩耗性生地
14C ポケット用耐摩耗性生地
Claims (7)
- コーデュラ(登録商標)素材を含有した吸汗速乾生地にて上着本体が構成され、前記上着本体における任意の要部に、前記上着本体よりもコーデュラ素材の含有率が高い耐摩耗性生地が取り付けられていることを特徴とする耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
- 上着本体は、綿素材20〜60質量%、コーデュラ素材80〜40質量%、合計100質量%の混紡糸にて構成され、耐摩耗性生地はコーデュラ素材100質量%の糸にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
- 上着本体を構成する吸汗速乾生地は、メッシュ生地、天竺生地、鹿の子生地、ワッフル生地のいずれかにて構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
- 耐摩耗性生地は、平織生地、綾織生地、ニット生地のいずれかにて構成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
- 上着本体を構成する吸汗速乾生地は、生地を吸汗速乾仕上げしたものと、吸汗速乾用の異形断面糸で構成された生地にて構成されたものとのいずれかであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
- 上着本体における襟、前立て、袖口、肘、肩、ポケット、裾の少なくともいずれかに耐摩耗性生地が取り付けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
- 上着本体へ耐摩耗性生地が縫製または接着によって取り付けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着。
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JP2019002339U JP3224014U (ja) | 2019-06-27 | 2019-06-27 | 耐摩耗性を向上させた吸汗速乾上着 |
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CN111588106A (zh) * | 2020-05-18 | 2020-08-28 | 宁波艾利特控股集团有限公司 | 一种衬衫袖口警用毛衣 |
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2019
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