JP3185603B2 - シミュレータ - Google Patents

シミュレータ

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JP3185603B2
JP3185603B2 JP11954895A JP11954895A JP3185603B2 JP 3185603 B2 JP3185603 B2 JP 3185603B2 JP 11954895 A JP11954895 A JP 11954895A JP 11954895 A JP11954895 A JP 11954895A JP 3185603 B2 JP3185603 B2 JP 3185603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シミュレータに係り、
詳しくは、例えば航空機搭載用の光波型ミサイル警戒装
置のような目標検出装置を評価する場合に、目標検出装
置の感度波長域における上空での場景(目標物及び背
景)を地上で再現させるための、シミュレータに適用す
ることができ、特に、新たにリレーレンズ等を追加する
ことなく、広視野角の目標検出装置に対応することがで
きるとともに、スクリーンから試験対象システム間で大
気透過率が変化しても正しい場景を再現することができ
るシミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば航空機搭載用の光波型ミサ
イル警戒装置のような目標検出装置を評価する場合に、
目標検出装置の感度波長域における上空での場景を地上
で再現させるためのシミュレータには、二通りの考え方
があった。一つは、所望の波長帯の二次元画像を発光さ
せる画像発生装置により場景を再現する方法であり、も
う一つは、所望の波長帯で発光しその光量を制御できる
光源を駆動制御して目標物及び背景を形成することによ
り場景を再現する方法である。以下、具体的に従来のシ
ミュレータについて図面を用いて説明する。まず、前者
の画像発生装置により場景を再現する従来のシミュレー
タについて説明する。
【0003】図21は画像発生装置により場景を再現す
る従来のシミュレータの構成を示すブロック図である。
図21において、1001〜1003は各々シミュレー
ション設定部、データベース部、試験対象システムであ
り、1004〜1006は各々目標検出装置、画像生成
部、画像発生部である。
【0004】まず、図21を用いて従来のシミュレータ
の動作について説明する。シミュレーション設定部10
01では、まず目標物及び背景を選択し、データベース
部1002から選択された目標物及び背景に該当するデ
ータを読み出す。この時、目標物の放射光量のデータ
は、目標物の分光放射輝度NT (λ)または分光放射強
度JT (λ)であり、この目標物の分光放射輝度NT
(λ)と目標物の分光放射強度JT (λ)は、目標検出
装置1004側から見た物体の断面積Sにより次の
(1)式で示される関係がある。
【0005】
【数1】
【0006】データベース部1002から読み出された
目標物の放射光量のデータが放射強度JT (λ)である
場合、画像生成部1005で(1)式により分光放射輝
度NT (λ)に変換され、別途データベース部1002
から読み出される目標検出装置1004の感度特性R
(λ)や模擬を行う上空での大気透過率τa (λ)か
ら、画像発生部1006で発生すべき放射光量を算出す
る。ここで、画像発生部1006は、一般に黒体放射す
る光源の集合体と考えて良く、その画像発生部1006
の放射光量の制御は、温度Tを基に行われる。波長λに
おける温度Tの黒体の放射輝度NBB(λ,T)は、プラ
ンクの式を使って次の(2)式により算出することがで
きる。
【0007】
【数2】
【0008】但し、(2)式において、第1放射常数C
1 は、3.7415×104 [W・cm-2・μm4 ]と
し、第2放射常数C2 は、1.43879×104 [μ
m・K]とする。
【0009】従って、画像発生部1006で一つの光源
が発生すべき温度Tは、次の(3)式により算出するこ
とができる。
【0010】
【数3】
【0011】また、シミュレーション設定部1001
は、試験対象システム1003を搭載した航空機(以
後、自機と記す)と目標とする物体(以後、目標と記
す)の動きが設定されれば、目標の自機に対する相対運
動を計算して、そのデータを送出する。以上のように、
画像生成部1005で強度を算出し、相対運動を加味し
て時間変化する二次元の画像データが画像発生部100
6に送られる。従って、図22に示すように、目標検出
装置1004は、画像発生部1006のスクリーンを撮
像することにより、上空における場景を地上で再現する
ことができる。
【0012】次に、図23は各種光源を制御することに
より場景を再現する従来のシミュレータの構成を示すブ
ロック図である。図23において、図21と同一符号は
同一または相当部分を示し、2001〜2004はシミ
ュレーション設定部、目標光源制御部、目標疑似発光
部、運動模擬制御部であり、2005〜2008は光源
移動レール、背景パネル制御部、背景パネル、模擬環境
である。
【0013】図23を用いて従来のシミュレータの動作
について説明する。まず、シミュレーション設定部20
01により目標及び背景の各種データをデータベース部
1002より読み出す。次いで、この読み出したデータ
を基に目標光源制御部2002で目標疑似発光部200
3を制御して、上空での目標放射光を模擬させるととも
に、背景パネル制御部2006で背景パネル2007を
制御することにより、上空での背景放射光を模擬させ
る。背景パネルは、それ自身が発光するものと、例えば
特開平5−250035号公報で報告されている飛しょ
う体試験装置のように、光源の光を鏡に反射させて作る
ものがある。目標疑似発光部2003及び背景パネル2
007は、温度で制御するため、目標光源制御部200
2及び背景パネル制御部2006では、前述した図21
の画像発生装置を用いたシミュレータと同様、(2)式
に示した式により制御する温度Tを算出する。更に、図
24に示すように、目標疑似発光部2003は、光源移
動レール2005上を自由に動くことができ、その動き
は、運動模擬制御部2004で制御される。運動模擬制
御部2004は、シミュレーション設定部2001で設
定した目標の動きに合わせて、自機と目標との相対運動
を計算して目標疑似発光部2003を移動させることが
できる。そして、光源移動レール2005上を移動する
目標疑似発光部2003及び背景パネル2007で構成
された模擬環境2008を目標検出装置1004により
撮像することにより、上空における場景を地上で再現す
ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のシミュ
レータでは、画像発生部1006が画像を写し出すスク
リーンの大きさや背景パネル2007の大きさにより目
標検出装置1004の視野角が限定されてしまうという
問題があった。このため、目標検出装置1004がミサ
イル警戒装置のような広視野角が必要な監視装置である
場合、視野角を小さくするために、新たにリレーレンズ
等を追加して構成しなければならなかった。また、上記
した従来のシミュレータでは、試験を行う室内の環境を
監視していないため、試験する度にスクリーン、あるい
は目標及び背景パネル2007から試験対象システム1
003の間の大気透過率が変化して、正しい場景を再現
することができない場合が生じるという問題があった。
また、上記した背景パネル2007を使用する従来のシ
ミュレータでは、自機の移動に伴う背景の変化が制限さ
れ、光源移動レール2005を使用するために目標の動
きも大きく制限されるため、航空機搭載用の装置のシミ
ュレータとしては適さなかった。
【0015】そこで、本発明は、新たにリレーレンズ等
を追加することなく、広視野角の目標検出装置に対応す
ることができるとともに、スクリーンから試験対象シス
テム間で大気透過率の変化が生じても正しい場景を再現
することができるシミュレータを提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、模擬する
目標物及び背景の場景を再現するのに必要なデータを蓄
積するデータベース部と、場景を再現するシミュレーシ
ョンを行うための各種条件を設定し、設定した条件に該
当する場景のデータを、前記データベース部から読み出
して各制御部に供給するシミュレーション設定部と、目
標物を模擬する光源を有する目標疑似発光部と、前記デ
ータベース部から読み出したデータに基づいて、該目標
模擬発光部の動作を制御する目標光源制御部と、内部に
前記目標疑似発光部を配置し、かつ目標物としての必要
な機能を有する目標模擬ユニットと、該目標模擬ユニッ
トを恰も実際の目標物の如く動かす運動模擬駆動部と、
前記データベース部から読み出したデータに基づいて、
該運動模擬駆動部の動作を制御する運動模擬制御部と、
内部に前記目標模擬ユニット及び前記運動模擬駆動部を
配置し、かつ内壁に背景を模擬するとともに、前記目標
模擬ユニットを内壁に沿って移動させることにより目標
物を模擬するドームと、該ドームの内壁に模擬した場景
を検出する目標検出装置と、前記ドーム内に配置される
とともに、内部に該目標検出装置を配置し、かつ検出し
た場景に基づいて評価を行う試験対象システムと、前記
ドーム内に配置するとともに、黒体炉と分光計測装置を
有し、かつ該分光計測装置により、大気を通した黒体炉
の分光輝度を計測するドーム内大気透過率計測部と、計
測した分光輝度データに基づいてドーム内の大気透過率
を算出して、前記シミュレーション設定部に供給する補
正データ処理部とを有し、算出した大気透過率に基づい
て、前記目標光源制御部により前記目標疑似発光部の前
記光源の光量を制御することを特徴とするものである。
【0017】第2の発明は、模擬する目標物及び背景の
場景を再現するのに必要なデータが蓄積されているデー
タベース部と、場景を再現するシミュレーションを行う
ための各種条件を設定し、設定した条件に該当する場景
のデータを前記データベース部から読み出して各制御部
に供給するシミュレーション設定部と、目標物を模擬す
る光源を有する目標疑似発光部と、前記データベース部
から読み出したデータに基づいて、該目標模擬発光部の
動作を制御する目標光源制御部と、内部に前記目標疑似
発光部を配置し、かつ目標物としての必要な機能を有す
る目標模擬ユニットと、該目標模擬ユニットを恰も実際
の目標物の如く動かす運動模擬駆動部と、前記データベ
ース部から読み出したデータに基づいて、該運動模擬駆
動部の動作を制御する運動模擬制御部と、内部に前記目
標模擬ユニット及び前記運動模擬駆動部を配置し、かつ
内壁に背景を模擬するとともに、前記目標模擬ユニット
を内壁に沿って移動させることにより目標物を模擬する
ドームと、該ドームの内壁に模擬した場景を検出する目
標検出装置と、検出した場景に基づいて評価を行う試験
対象システムと、前記ドーム内の光の減衰が発生する要
因となる環境条件を計測するドーム内の大気透過率計測
部と、計測した環境条件の各種データに基づいて大気透
過率を推定して前記シミュレーション設定部に供給する
補正データ処理部とを有し、推定した大気透過率に基づ
いて、前記目標光源制御部により前記目標疑似発光部の
前記光源の光量を制御することを特徴とするものであ
る。
【0018】第3の発明は、前記ドーム内の空気を循環
させる空調部を有することを特徴とするものである。
【0019】第4の発明は、前記空調部の設定温度及び
風量を制御する空調制御部を有することを特徴とするも
のである。
【0020】第5の発明は、前記ドームの内壁に設置し
た前記ドームの内壁を加熱または冷却する内壁温度発生
部と、該内壁温度発生部の温度を制御する内壁温度制御
部とを有することを特徴とするものである。
【0021】第6の発明は、表面に凹凸面が形成される
とともに、ヒータが貼り付けられた断熱材を有し、かつ
背景を模擬する前記ドームに貼り付けた背景模擬ユニッ
トと、該背景模擬ユニットの温度を制御する背景光源制
御部とを有することを特徴とするものである。
【0022】第7の発明は、前記ドーム内に光の減衰の
影響を受け難い気体を封入する気体封入部を有すること
を特徴とするものである。
【0023】第8の発明は、前記ドーム内の空気を排出
する真空ポンプ部を有することを特徴とするものであ
る。
【0024】第9の発明は、前記試験対象システムに固
定するとともに、前記試験対象システムを搭載する航空
機の振動を模擬する振動発生部を有することを特徴とす
るものである。
【0025】第10の発明は、前記試験対象システムを
搭載する航空機の操縦を模擬する操縦シミュレータを有
することを特徴とするものである。
【0026】第11の発明は、前記試験対象システムに
搭載する航空機の姿勢データを前記試験対象システムに
供給する機体データ模擬部を有することを特徴とするも
のである。
【0027】第12の発明は、前記試験対象システム内
に配置するとともに、目標物に対して妨害光を発生する
目標妨害装置と、目標物とする光波ミサイルのシーカと
同じ機能を有するシーカ模擬部と、シーカ用の画像を生
成するシーカ画像生成部と、生成した画像を赤外の二次
元画像として投影する赤外画像発生部と、妨害光と生成
した二次元画像の投影光とを合成するハーフミラーと、
妨害光を最適な光量に減衰させる減衰器と、前記赤外画
像発生部と前記ハーフミラーと前記シーカ模擬部と前記
減衰器とを一体化した妨害模擬部と、前記シーカ模擬部
の制御信号に基づいて妨害の効果を判定する妨害効果判
定部とを有することを特徴とするものである。
【0028】第13の発明は、前記目標疑似発光部は、
前記光源の出力部に設置した数個の減衰率の異なる減衰
フィルタを保持するフィルタホイルと、該フィルタホイ
ルを制御する制御モータとを有することを特徴とするも
のである。
【0029】第14の発明は、前記目標疑似発光部は、
前記光源の出力部に設置した回転角度とともに減衰率の
異なる回転型減衰フィルタと、該回転型減衰フィルタを
制御する制御モータとを有することを特徴とするもので
ある。
【0030】第15の発明は、前記目標疑似発光部は、
前記光源の出力部に設置した可変開口絞りと、該可変開
口絞りの開口を制御する制御モータとを有することを特
徴とするものである。
【0031】第16の発明は、前記目標疑似発光部は、
前記光源の出力部に設置したコリメータを有することを
特徴とするものである。
【0032】
【作用】第1の発明では、ドームの内壁に場景を模擬す
る際、ドーム内に配置したドーム内大気透過率計測部で
計測した黒体炉の分光輝度データを基にドーム内の大気
透過率を補正データ処理部により算出してシミュレーシ
ョン設定部に供給し、算出したドーム内の大気透過率を
基に目標光源制御部によりに目標疑似発光部の光源の光
量を制御するように構成するため、算出したドーム内の
大気透過率に相当する大気による光量の減衰分を目標疑
似発光部の光源に加算することができる。このため、ド
ーム内の大気透過率、即ち場景を模擬するドームの内壁
から試験対象システムの間の大気透過率が変化しても、
この大気透過率の変化に応じて光源の発光量を制御する
ことができるので、正しい場景を再現することができ
る。また、第1の発明では、ドームの内壁に場景を模擬
する際、目標疑似発光部をドームの内壁の曲率に沿って
移動するように構成するため、広視野角の目標検出装置
に対応することができる。
【0033】第2の発明では、ドームの内壁に場景を模
擬する際、ドーム内に配置したドーム内大気透過率計測
部で計測したドーム内の光の減衰が発生する要因となる
環境条件のデータを基にドーム内の大気透過率を補正デ
ータ処理部により推定してシミュレーション設定部に供
給し、推定したドーム内の大気透過率を基に目標光源制
御部によりに目標疑似発光部の光源の光量を制御するよ
うに構成するため、推定したドーム内の大気透過率に相
当する大気による光量の減衰分を目標疑似発光部の光源
に加算することができる。このため、ドーム内の大気透
過率、即ち場景を模擬するドームの内壁から試験対象シ
ステムの間の大気透過率が変化しても、この大気透過率
の変化に応じて光源の発光量を制御することができるの
で、正しい場景を再現することができる。また、第2の
発明では、ドームの内壁に場景を模擬する際、目標疑似
発光部をドームの内壁の曲率に沿って移動するように構
成するため、広視野角の目標検出装置に対応することが
できる。
【0034】第3の発明では、ドーム内の空気を空調部
により循環するように構成するため、ドーム内の空気を
循環させない場合に較べて、ドーム内の空気を均一にす
ることができる。このため、ドーム内の大気透過率を均
一にすることができるので、ドーム内の大気透過率の測
定精度を上げることができる。
【0035】第4の発明では、空調部の設定温度及び風
量を空調制御部により制御するように構成するため、ド
ーム内の温度と風量を適宜調整することにより、広範な
条件の下でドーム内の空気を均一にすることができる。
このため、広範な条件の下でドーム内の大気透過率の測
定精度を上げることができる。
【0036】第5の発明では、ドームの内壁に設置した
ドームの内壁を加熱または冷却する内壁温度発生部の温
度を、内壁温度制御部により制御するように構成するた
め、ドーム内壁の温度を直接制御することができる。こ
のため、ドーム内の雰囲気の温度ではなく、ドーム内壁
の温度により背景温度を可変することができる。
【0037】第6の発明では、断熱材表面にヒータを貼
り付けるとともに、断熱材表面に凹凸を形成した背景模
擬ユニットの温度を背景光源制御部により制御するよう
に構成するため、複雑な背景下での模擬を実現すること
ができる。
【0038】第7の発明では、ドーム内に光の減衰の影
響を受け難い気体を気体封入部により封入するように構
成するため、ドーム内に入っている光の減衰の影響を受
け易いCO2 、H2 O(水分)等を含む空気を抜いて、
光の減衰の影響を受難い気体をドーム内に満たすことが
できる。このため、ドーム内での大気透過率を1に近づ
けることができるので、光の減衰の影響を受け難くする
ことができる。
【0039】第8の発明では、ドーム内の空気を真空ポ
ンプ部により排出するように構成するため、ドーム内の
光の減衰の影響を受け易いCO2 、H2 O(水分)等を
含む空気を排出してドーム内を真空に近い状態にするこ
とができる。このため、ドーム内での大気透過率を1に
近づけることができるので、光の減衰の影響を受け難く
することができる。
【0040】第9の発明では、試験対象システムに固定
した振動発生部により、試験対象システムを搭載する航
空機の振動を模擬するように構成するため、実際の使用
環境下での航空機の動揺を模擬することができる。
【0041】第10の発明では、操縦シミュレータによ
り試験対象システムを搭載する航空機の操縦を模擬する
ように構成するため、航空機の操縦を模擬することがで
きるので、機体の操縦者及び試験対象システムの使用者
の養成を行うことができる。
【0042】第11の発明では、試験対象システムに搭
載する航空機の姿勢データを機体データ模擬部により試
験対象システムに供給するように構成するため、目標物
を目標物と誤り易い誤目標物と容易に区別することがで
きる。
【0043】第12の発明では、目標物に対して妨害光
を発生する目標妨害装置が試験対象システムに加わった
場合に、目標物とする光波ミサイルのシーカと同じ機能
を有するシーカ模擬部に入力する画像を、シーカ画像生
成部で生成し、赤外画像発生部で赤外線画像として出力
し、目標検出装置で目標物を検出した場合、目標妨害装
置にて妨害光を発生し、妨害光を、減衰器で実際に受光
する光量に減衰し、ハーフミラーを通して赤外画像発生
部の赤外線画像と重畳してシーカ模擬部に入力し、シー
カ模擬部からの出力信号を、ミサイルの制御信号とし
て、この信号を妨害効果判定部に入力するように構成す
るため、ミサイルの制御状態の異常を検出することがで
き、目標妨害装置の妨害効果を判定することができる。
【0044】第13の発明では、目標疑似発光部を、光
源の出力部に設置した数個の減衰率と異なる減衰フィル
タをフィルタホイルにより保持し、該フィルタホイルを
制御モータで制御するように構成するため、目標疑似発
光部の光源の出力光を段階的に変化させることができ
る。このため、実際の目標物の強度変化を模擬すること
ができる。
【0045】第14の発明では、目標疑似発光部を、光
源出力部に設置した回転角度とともに減衰率の異なる回
転型減衰フィルタを制御モータで制御するように構成す
るため、回転型減衰フィルタの回転角を制御することに
より、無段階で目標物の強度変化を模擬することができ
る。
【0046】第15の発明では、目標疑似発光部を、光
源の出力部に設置した可変開口絞りの開口の大きさを制
御モータで制御するように構成するため、無段階で目標
物の面積の変化を模擬することができる。
【0047】第16の発明では、目標疑似発光部を、光
源の出力部に設置したコリメータを有するように構成す
るため、光源の出力光を平行光(無限遠光)にすること
ができる。このため、目標検出装置と目標疑似発光部と
の間の距離が変動しても、目標検出装置のピントを十分
に合わすことができるので、目標検出装置の性能を十分
に発揮することができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 実施例1.図1は本発明に係る実施例1の赤外線領域の
シミュレータの構成を示すブロック図、図2は模擬環境
を作り出す図1に示す球形ドームの内部を示す図、図3
は図1に示すドーム内大気透過率計測部と補正データ処
理部の構成と動作の流れを示すブロック図である。図1
〜3において、1〜4は各々シミュレーション設定部、
データベース部、目標光源制御部、目標疑似発光部であ
り、5〜9は各々運動模擬制御部、運動模擬駆動部、目
標模擬ユニット、大気透過率算出手段8a等から構成さ
れる補正データ処理部、黒体炉9aと分光計測装置9b
等から構成されるドーム内大気透過率計測部であり、1
0a〜13は、各々空調部、球形ドーム、試験対象シス
テム、目標検出装置である。なお、データベース部2、
目標光源制御部3、目標疑似発光部4、運動模擬制御部
5、試験対象システム12及び目標検出装置13は、前
述した図21のシミュレータと同一のものである。
【0049】本実施例のシミュレータは、模擬する目標
物及び背景の場景を再現するのに必要なデータが蓄積さ
れているデータベース部2と、場景を再現するシミュレ
ーションを行うための各種条件を設定し、データベース
部2から設定した条件に該当する場景のデータを読み出
して各制御部に供給するシミュレーション設定部1と、
目標物を模擬する光源からなる目標疑似発光部4と、デ
ータベース部2から読み出したデータに基づいて、目標
疑似発光部4の動作を制御する目標光源制御部3と、内
部に目標疑似発光部4を配置し、かつ目標物としての必
要な機能を有する目標模擬ユニット7と、目標模擬ユニ
ット7を恰も実際の目標物の如く動かす運動模擬駆動部
6と、データベース部2から読み出したデータに基づい
て、運動模擬駆動部6の動作を制御する運動模擬制御部
5と、内部に目標模擬ユニット7及び運動模擬駆動部6
を配置し、かつ内壁に背景を模擬するとともに、目標模
擬ユニット7を内壁に沿って移動させることにより目標
物を模擬する球形ドーム11と、球形ドーム11の内壁
に模擬した場景を検出する赤外線カメラ等の目標検出装
置13と、ドーム11内に配置するとともに、内部に目
標検出装置13を配置し、かつ検出した場景に基づいて
評価を行う試験対象システム12と、黒体炉9aと分光
計測装置9bから構成し、かつ分光計測装置9bにより
大気を通した黒体炉9aの分光輝度を計測するドーム内
大気透過率計測部9と、球形ドーム11内に配置すると
ともに、計測した分光輝度データに基づいて球形ドーム
11内の大気透過率を算出して、シミュレーション設定
部1に供給する補正データ処理部8とから構成される。
【0050】次に、本実施例のシミュレータの動作につ
いて説明する。まず、模擬環境を作り出す球形ドーム1
1について図2を用いて説明する。球形ドーム11の内
壁は、ドーム11外部の温度変化を受けないように断熱
性の高い素材で構成し、球形ドーム11の内面は、反射
率の極めて低い艶消し黒色で塗装したもので構成する。
また、球形ドーム11内に有する全てのものは、目標検
出装置13に認識されないように、球形ドーム11の内
壁と同様、その表面が艶消し黒色の断熱材を貼り付け外
部に熱が洩れないように構成する。これにより、球形ド
ーム11の内壁は、赤外領域において均一な背景を得る
ことができる。目標物を模擬する目標疑似発光部4は、
温度制御可能な黒体炉からなり、運動模擬駆動部6によ
り球形ドーム11の内壁を曲率に沿って移動することが
できる。試験対象システム12内に配置した赤外線カメ
ラ等の目標検出装置13は、球形ドーム11の中心に設
置する。なお、球形ドーム11は、全方向性の目標検出
装置13に対応することができるように考慮すると、全
球形であることが望ましいが、要は目標検出装置13の
視野角或いは走査範囲を十分カバーすることができる形
状であればよいので、全球形ではなく球形の一部を使用
したものでもよい。
【0051】まず、模擬する目標物及び背景の場景を再
現するのに必要なデータ(目標検出装置13の感度波長
帯における目標及び背景の分光放射強度または分光放射
輝度)をデータベース部2に予め蓄積しておき、シミュ
レーション設定部1で模擬する目標物及び背景の場景を
再現するシミュレーションを行うための各種条件を設定
し、データベース部2から設定した条件に該当する場景
のデータを読み出す。従来の装置と同様、目標光源制御
部3は、模擬する上空での大気透過率及び目標検出装置
13の分光感度特性から、目標疑似発光部4を制御する
ために必要な制御温度Tを算出し、目標疑似発光部4
は、算出した制御温度Tにより制御される。しかし、従
来装置と同様、(3)式により温度Tを算出した場合で
は、試験を行う光路の大気透過率を考慮していないた
め、精度の高い模擬を行うことができない。そこで、本
実施例では、試験を行う光路の大気透過率τs (λ)を
計測し、次の(4)式が成立する温度Tを算出する。
【0052】
【数4】
【0053】(4)式において、NBB(λ,T)は、波
長λにおける温度Tの黒体の放射輝度とし、R(λ)
は、目標検出装置13の感度特性とし、NT (λ)は、
目標物の分光放射輝度とし、τa (λ)は、模擬を行う
上空での大気透過率とし、τs(λ)は、試験を行う光
路の黒体炉9aと分光計測装置9b間距離rでの大気透
過率とする。
【0054】大気透過率τs (λ)の計測は、ドーム内
大気透過率計測部9で行う。ドーム内大気透過率計測部
9は、図3に示すように、分光計測装置9aと温度Ts
に設定した黒体炉9bから構成されており、この黒体炉
9aと分光計測装置9bを目標模擬光源及び背景ユニッ
トから試験対象システム12までの距離(球形ドーム1
1の半径)rと同じ距離に設定する。但し、黒体炉9b
の開口は、目標検出装置13から見えないように設置す
る。分光計測装置9aにより、大気を通した黒体炉9b
の分光輝度Ns が測定される。従って、試験を行う光路
の黒体炉9aと分光計測装置9b間の距離rでの大気透
過率τs (λ)は、分光計測装置9bで計測した分光輝
度Ns (λ)及び黒体炉9aの設定温度Ts (プランク
の式:(2)式)より次の(5)式で算出することがで
きる。
【0055】
【数5】
【0056】(5)式において、NBB(λ,Ts )は、
波長λにおける温度Ts の黒体炉9aの放射輝度とす
る。
【0057】補正データ処理部8は、上記のように、
(5)式により、大気透過率の補正値を算出する。ま
た、この時、空調部10aは、球形ドーム11内の空気
を均一にするために空気を循環させている。そして、補
正データ処理部8により算出した球形ドーム11内の大
気透過率をシミュレーション設定部1に供給し、算出し
た球形ドーム11の大気透過率を基に目標光源制御部3
により目標疑似発光部4の光源の光量を制御する。この
時、算出した球形ドーム11内の大気透過率に相当する
大気による光量の減衰分を目標疑似発光部4の光源に加
算する。具体的には、模擬する実際の場景を目標検出装
置により撮像した時の画像出力の予測値と同じ出力値と
なるように、目標疑似発光部4の光源を構成する黒体炉
の温度を調整する。そして、赤外線カメラ等の目標検出
装置13により球形ドーム11の内壁に模擬した場景を
検出し、検出した場景を基に試験対象システム12によ
り目標物の角度精度、トラッキング精度等の評価を行
う。
【0058】このように、本実施例では、球形ドーム1
1の内壁に場景を模擬する際、球形ドーム11内に配置
したドーム内大気透過率計測部9で計測した黒体炉9a
の分光輝度データを基に球形ドーム11内の大気透過率
を補正データ処理部により算出してシミュレーション設
定部1に供給し、算出した球形ドーム11内の大気透過
率を基に目標光源制御部3により目標疑似発光部4の光
源の光量を制御するように構成しているため、算出した
球形ドーム11内の大気透過率に相当する大気による光
量の減衰分を目標疑似発光部4の光源に加算することが
できる。このため、球形ドーム11内の大気透過率、即
ち場景を模擬する球形ドーム11の内壁から試験対象シ
ステム12の間の大気透過率が変化しても、この大気透
過率の変化に応じて光源の発光量を制御することができ
るので、正しい場景を再現することができる。また、本
実施例では、球形ドーム11の内壁に場景を模擬する
際、目標疑似発光部4を球形ドーム11の内壁の曲率に
沿って移動するように構成しているため、広視野角の目
標検出装置に対応することができる。
【0059】本実施例では、球形ドーム11内の空気を
空調部10aにより循環させるように構成しているた
め、球形ドーム11内の空気を循環させない場合に較べ
て、球形ドーム11内の空気を均一にすることができ
る。このため、球形ドーム11内の大気透過率を均一に
することができるので、球形ドーム11内の大気透過率
の測定精度を上げることができる。従って、場景の再現
精度を向上させることができる。なお、上記実施例1で
は、球形ドーム11内の空気を空調部10aにより循環
させるように構成して大気透過率の変化を小さくする好
ましい態様の場合について説明したが、本発明はこれの
みに限定されるものではなく、空調部10aをなくして
構成してもよく、この場合、ドーム内大気透過率計測部
9により大気透過率を測定する際、大気透過率の変動を
受け難くするために、ドーム内大気透過率計測部9によ
る大気透過率の計測レートを上記実施例1の場合よりも
適宜短縮して測定するとよい。
【0060】実施例2.次に、図4は本発明に係る実施
例2のシミュレータの構成を示すブロック図である。図
4において、10bは空調部であり、14は空調部10
bの設定温度及び風量を制御する空調制御部である。そ
の他の構成は、実施例1と同様であるので、その同一符
号部分の説明は、省略する。
【0061】ここで、本実施例におけるシミュレータの
動作について説明する。実施例1では、球形ドーム11
内の大気透過率を均一にするように空調部10aにより
球形ドーム11内の空気を循環させるように構成した
が、本実施例では、空気を循環させるだけではなく、空
調部10bの設定温度及び風景を空調制御部14により
制御するように構成することにより、球形ドーム11内
の温度及び風景を空調部10bの調整範囲で変化させる
ことができる。このため、シミュレーション設定部1で
模擬する背景物の放射率εB (λ)及び温度TB 設定
し、空調制御部14で次の(6)式が成立するように、
空調部10bの設定温度(球形ドーム室内温度)Tb
定める。
【0062】
【数6】
【0063】このように、本実施例では、空調部10b
の設定温度及び風量を空調制御部14により制御するよ
うに構成するため、球形ドーム11内の温度と風量を適
宜調整することにより、広範な条件の下で球形ドーム1
1内の空気を均一にすることができる。このため、広範
な条件の下で球形ドーム11内の大気透過率の測定精度
を上げることができる。従って、場景の再現精度を向上
させることができる。
【0064】実施例3.次に、図5は本発明に係る実施
例3のシミュレータの構成を示すブロック図である。図
5において、15は内壁温度制御部であり、16は球形
ドーム11の内壁に設けたヒーター及びクーラー等から
なる内壁温度発生部である。その他の構成は、実施例1
と同様であるので、その同一符号部分の説明は、省略す
る。上記実施例1,2では、背景温度は、球形ドーム1
1内の雰囲気の温度に依存していたが、本実施例では、
球形ドーム11の内壁に直接ヒータやクーラ等を埋め込
んで内壁温度発生部16を形成し、球形ドーム11の内
壁の温度を内壁温度制御部15により直接制御するよう
に構成する。球形ドーム11の設定温度は、実施例2と
同様、(6)式に従い、内壁温度制御部15で算出して
制御する。なお、本実施例は、実施例1,2にも適用す
ることができる。
【0065】このように、本実施例では、球形ドーム1
1の内壁に設置した球形ドーム11の内壁を加熱または
冷却するヒータ及びクーラー等からなる内壁温度発生部
16の温度を、内壁温度制御部15により制御するよう
に構成しているため、球形ドーム11内壁の温度を直接
制御することができる。このため、球形ドーム11内の
雰囲気の温度ではなく、球形ドーム11内壁の温度によ
り背景温度を可変することができる。
【0066】実施例4.次に、図6は本発明に係る実施
例4のシミュレータの構成を示すブロック図である。図
6において、17は背景光源制御部であり、18は背景
模擬ユニットである。その他の構成は、実施例1と同様
であるので、その同一符号部分の説明は、省略する。上
記実施例1では、背景は均一としているが、実際は、様
々な温度の物体が背景の要素としてあり、背景が全周囲
に渡って均一となることはほとんどない。そこで、本実
施例では、例えば図7に示すように、断熱材18aの片
面にヒータ18bを貼り付け、断熱材18aに穴を開け
て凹凸18cを形成することにより、背景物を模擬でき
るような背景模擬ユニット18を球形ドーム11の内壁
に貼り付け、その温度を背景光源制御部17で制御す
る。なお、本実施例は、実施例1〜3にも適用すること
ができる。
【0067】このように、本実施例では、断熱材18a
にヒータ18bを貼り付け、断熱材18aに凹凸18c
を形成した背景模擬ユニット18の温度を背景光源制御
部17により制御するように構成しているため、複雑な
背景下での模擬を実現することができる。
【0068】実施例5.次に、図8は本発明に係る実施
例5のシミュレータの構成を示すブロック図である。図
8において、19は気体封入部である。その他の構成
は、実施例1と同様であるので、その同一符号部分の説
明は、省略する。実施例1においては、特定波長域(例
えば4.2μm付近)では、球形ドーム11内に含まれ
る特定の気体(例えば二酸化炭素)により減衰を受易
い。この影響を排除するためには、使用波長帯域におい
て、球形ドーム11内を減衰を受難い例えばヘリウムガ
ス、窒素ガス、アルゴンガス等で充満することが好まし
い。そこで、本実施例では、気体封入部19で減衰を受
け難いヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等の気体
を球形ドーム11内に満たし、球形ドーム11内に入っ
ている光の減衰の影響を受け易い二酸化炭素ガスや水分
等を含む空気を抜くように構成することにより、球形ド
ーム11内での大気透過率を限りなく1に近づけること
ができる。なお、本実施例は、実施例1〜4にも適用す
ることができる。
【0069】このように、本実施例では、球形ドーム1
1内に光の減衰の影響を受け難い気体を気体封入部19
により封入するように構成しているため、球形ドーム1
1内に入っている光の減衰の影響を受け易いCO2 、H
2 O(水分)を含む空気を抜いて光の減衰の影響を受け
難いヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等の気体を
球形ドーム11内に満たすことができる。このため、球
形ドーム11内での大気透過率を1に近づけることがで
きるので、光の減衰の影響を受け難くすることができ
る。
【0070】実施例6.次に、図9は本発明に係る実施
例6のシミュレータの構成を示すブロック図である。図
9において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示
し、20は球形ドーム11内の空気を排出する真空ポン
プ部である。その他の構成は、実施例1と同様であるの
で、その同一符号部分の説明は、省略する。本実施例で
は、球形ドーム11内の光の減衰の影響を受け易い二酸
化炭素や水分等を含む空気を真空ポンプ部20により排
出する。これにより、球形ドーム11内は、真空に近い
状態となり、大気透過率が限りなく1に近づく。なお、
本実施例は、実施例1〜4にも適用することができる。
【0071】このように、本実施例では、球形ドーム1
1内の光の減衰の影響を受け易いCO2 、H2 O(水
分)を含む空気を真空ポンプ部20により排出するよう
に構成しているため、球形ドーム11内の光の減衰の影
響を受け易い二酸化炭素や水分等を含む空気を排除して
球形ドーム11内を真空に近い状態にすることができ
る。このため、球形ドーム11内での大気透過率を1に
近づけることができるので、光の減衰の影響を受け難く
することができる。
【0072】実施例7.次に、図10は本発明に係る実
施例7のシミュレータの構成を示すブロック図である。
図10において、21は試験対象システム12を搭載す
る航空機の振動を模擬する振動発生部である。その他の
構成は、実施例1と同様であるので、その同一符号部分
の説明は、省略する。本実施例では、振動発生部21を
試験対象システム12に固定し、この振動発生部21に
より試験対象システム12を搭載する航空機の振動を模
擬させることにより、実際の使用環境下での航空機の動
揺を模擬する。なお、本実施例は、実施例1〜6にも適
用することができる。
【0073】このように、本実施例では、試験対象シス
テム12を振動発生部21に固定することにより、試験
対象システム12を搭載する航空機の振動を模擬するよ
うに構成しているため、実際の使用環境下での航空機の
動揺を模擬することができる。
【0074】実施例8.次に、図11は本発明に係る実
施例8のシミュレータの構成を示すブロック図である。
図11において、図1と同一符号は、同一又は相当部分
を示す。ここでは、図11の補正データ処理部8とドー
ム内大気透過率計測部9を中心に説明する。本実施例に
おけるドーム内大気透過率計測部9では、球形ドーム1
1内の環境において所望の波長域における減衰が発生す
る要因となる例えば、温度、湿度、CO2 濃度等を計測
し、計測したデータを基に大気透過率算出手段8a、即
ち、大気透過率を計算する大気透過率計算用ソフトウェ
アにより大気の分光透過率τs を算出するように構成す
る。なお、本実施例は、実施例1〜7に適用することが
できる。
【0075】このように、本実施例では、球形ドーム1
1の内壁に場景を模擬する際、球形ドーム11内に配置
したドーム内大気透過率計測部9で計測した球形ドーム
11内の光の減衰が発生する要因となる温度、湿度、気
圧、CO2 濃度等の環境条件のデータを基に球形ドーム
11内の大気透過率を補正データ処理部8により推定し
てシミュレーション設定部1に供給し、目標光源制御部
3により推定した球形ドーム11内の大気透過率を基に
目標疑似発光部4の光源の光量を制御するように構成し
ているため、推定した球形ドーム11内の大気透過率に
相当する大気による光量の減衰分を目標疑似発光部4の
光源に加算することができる。このため、球形ドーム1
1内の大気透過率、即ち場景を模擬する球形ドーム11
の内壁から試験対象システムの間の大気透過率が変化し
ても、この大気透過率の変化に応じて光源の発光を制御
することができるので、正しい場景を再現することがで
きる。
【0076】実施例9.次に、図12は本発明に係る実
施例9のシミュレータの構成を示すブロック図である。
図12において、22は試験対象システム12を搭載す
る航空機の操縦を模擬する操縦シミュレータである。そ
の他の構成は、実施例1と同様であるので、その同一符
号部分の説明は、省略する。操縦シミュレータ22は、
試験対象システム12を搭載する航空機の操縦を模擬で
きるものであり、この操縦シミュレータ22の出力であ
る自機の姿勢等のデータをシミュレーション設定部1に
入力し、場景の情報を操縦シミュレータ22に出力する
ように構成する。なお、本実施例は、実施例1〜8に適
用することができる。
【0077】このように、本実施例では、操縦シミュレ
ータ22により試験対象システム12を搭載する航空機
の操縦を模擬するように構成しているため、航空機の操
縦を模擬することができるので、機体の操縦者及び試験
対象システムの使用者の養成を行うことができる。
【0078】実施例10.次に、図13は本発明に係る
実施例10のシミュレータの構成を示すブロック図であ
る。図13において、23は試験対象システム12に搭
載する航空機の姿勢データを試験対象システム12に供
給する機体データ模擬部である。その他の構成は、実施
例1と同様であるので、その同一符号部分の説明は、省
略する。試験対象システム12は、自機の姿勢データを
取り込み、目標と誤目標を区別する場合がある。機体デ
ータ模擬部23は、そのような試験対象システムに対応
するために、運動模擬制御部5や実施例9における操縦
シミュレータ22と一致した自機の姿勢データを試験対
象システム12に送出するものである。なお、本実施例
は、実施例1〜9に適用することができる。
【0079】このように、本実施例では、試験対象シス
テム12に搭載する航空機の姿勢データを機体データ模
擬部23により試験対象システム12に供給するように
構成しているため、処理の段階で機体データの必要な試
験対象システムに対応することができる。
【0080】実施例11.次に、図14は本発明に係る
実施例11のシミュレータの構成を示すブロック図であ
る。図14において、24はシーカ用の画像を生成する
シーカ画像生成部であり、25は生成した画像を赤外の
二次元画像として投影する赤外画像発生部であり、26
は妨害光を生成した二次元画像の投影光とを合成するハ
ーフミラーであり、27は目標物に対して妨害光を発光
する目標妨害装置が試験対象システムに加わった場合
に、目標物とする光波ミサイルのシーカと同じ性能を有
するシーカ模擬部である。28はシーカ模擬部27の制
御信号から妨害効果を判定する妨害効果判定部であり、
29は目標妨害装置であり、30は妨害光を最適な光量
に減衰させる減衰器であり、31は赤外画像発生部2
5、ハーフミラー26、シーカ模擬部27及び減衰器3
0を一体化した妨害模擬部である。その他の構成は、実
施例1と同様であるので、その同一符号部分の説明は、
省略する。
【0081】次に、本実施例におけるシミュレータの動
作について説明する。シーカ模擬部27は、試験対象シ
ステム12が対象とする光波ミサイルのシーカと同じも
のとする。シーカ模擬部27に入力する画像は、シーカ
画像生成部24で生成し、赤外画像発生部25で赤外線
画像として出力する。一方、試験対象システム12は、
目標検出装置13で目標を検出した場合、目標妨害装置
29にて妨害光を発生する。妨害光は、減衰器(NDフ
ィルタ)30で実際に受光する光量に減衰され、ハーフ
ミラー26を通して赤外画像発生部25の赤外線画像と
重畳されてシーカ模擬部27に入力される。シーカ模擬
部27からの出力信号は、ミサイルの制御信号であり、
この信号を妨害効果判定部28に入力することで、ミサ
イルの制御状態の異常を検出し、目標妨害装置29の妨
害効果を判定する。なお、本実施例は、実施例1〜10
に適用することができる。
【0082】このように、本実施例では、目標物に対し
て妨害光を発生する目標妨害装置19が試験対象システ
ム12に加わった場合に、目標物とする光波ミサイルの
シーカと同じ機能を有するシーカ模擬部27に入力する
画像を、シーカ画像生成部24で生成し、赤外画像発生
部25で赤外線画像として出力し、目標検出装置13で
目標物を検出した場合、目標妨害装置29にて妨害光を
発生し、妨害光を、減衰器30で実際に受光する光量に
減衰し、ハーフミラー26を通して赤外画像発生部25
の赤外線画像と重畳してシーカ模擬部27に入力し、シ
ーカ模擬部27からの出力信号を、ミサイルの制御信号
として、この信号を妨害効果判定部28に入力するよう
に構成しているため、ミサイルの制御状態の異常を検出
することができ、目標妨害装置の妨害効果を判定するこ
とができる。
【0083】実施例12.次に、図15は本発明に係る
実施例12のシミュレータの目標疑似発光部の構成を示
すブロック図、図16は図15に示すフィルタホイルと
減衰フィルタの構造を示す平面図である。図15,16
において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示
し、41は目標疑似発光部4の光源であり、42は温度
制御信号を基に出力する光源41の出力部に設置した数
個の減衰率の異なる減衰フィルタ43を保持するフィル
タホイルであり、44は強度の時間、変化制御信号を基
にフィルタホイル42を制御する制御モータである。こ
こでは、図15の目標疑似発光部4を中心に説明する。
図1における目標疑似発光部4は、光源41のみで構成
していたため、目標光の強度を変化させることができな
かった。そこで、本実施例では、光源41の出力部に数
種類の異なる減衰率を有する減衰フィルタ(NDフィル
タ)43を設置したフィルタホイル42を設け、このフ
ィルタホイル42を強度の時間、変化制御信号を基に制
御モータ44で制御することにより、光源41の出力光
を段階的に変化させる。これにより、目標光の強度変化
をデータベース部2から読み出し、実際の目標物の強度
変化を模擬することができる。なお、本実施例は、実施
例1〜11にも適用することができる。
【0084】このように、本実施例では、温度制御信号
を基に出力する光源41の出力部に設置した数個の減衰
率の異なる減衰フィルタ45をフィルタホイル42によ
り保持し、強度の時間、変化制御信号を基に、フィルタ
ホイル42を制御モータ44で制御するように構成して
いるため、目標疑似発光部4の光源41の出力光を段階
的に変化することができる。このため、実際の目標物の
強度変化を模擬することができる。
【0085】実施例13.次に、図17は本発明に係る
実施例13のシミュレータの目標疑似発光部の構成を示
すブロック図、図18は図17に示す回転型減衰フィル
タの構造を示す平面図である。図17,18において、
図1,15と同一符号は、同一又は相当部分を示し、5
1は温度制御信号を基に出力する光源41の出力部に設
置した回転角度とともに減衰率の異なる回転型減衰フィ
ルタであり、52は強度の時間、変化制御信号を基に回
転型減衰フィルタ51を制御する制御モータである。こ
こでは、図17の目標疑似発光部4を中心に説明する。
実施例12における目標疑似発光部4は、数個の減衰フ
ィルタを使用して段階的に変化させるように構成した
が、本実施例では、光源41の出力部に回転角とともに
減衰量が変化する回転型減衰フィルタ51を設置し、こ
の回転型減衰フィルタ51回転角を制御モータ52で制
御することにより無段階で目標の強度変化を模擬する。
なお、本実施例は、実施例1〜11にも適用することが
できる。
【0086】このように、本実施例では、光源41出力
部に設置した回転角度とともに減衰率の異なる回転型減
衰フィルタ51の回転角を制御モータ52で制御するよ
うに構成しているため、無段階で目標物の強度変化を模
擬することができる。
【0087】実施例14.次に、図19は本発明に係る
実施例14のシミュレータの目標疑似発光部の構成を示
すブロック図である。図19において、図1,15,1
7と同一符号は、同一又は相当部分を示し、61は温度
制御信号を出力する光源41の出力部に設置した可変開
口絞りであり、62は大きさの時間、変化制御信号を基
に可変開口絞り61の開口の大きさを制御する制御モー
タである。ここでは、図19の目標疑似発光部4を中心
に明する。実施例1における目標疑似発光部4は、目標
の面積の変化を模擬することができなかったが、本実施
例では、光源41の出力部に可変開口絞り61を設け、
大きさの時間、変化制御信号を基に制御モータ62で可
変開口絞り61の開口の大きさを制御することにより、
無段階で目標物の面積の変化を模擬する。なお、本実施
例は、実施例1〜13にも適用することができる。
【0088】このように、本実施例では、光源41の出
力部に設置した可変開口絞り61の開口の大きさを制御
モータで制御するように構成しているため、無段階で目
標物の面積の変化を模擬することができる。
【0089】実施例15.次に、図20は本発明に係る
実施例15のシミュレータの目標疑似発光部の構成を示
すブロック図である。図20において、図1,15と同
一符号は、同一又は相当部分を示し、71は温度制御信
号を基に出力する光源41の出力部に設置したコリメー
タである。ここでは、図20の目標疑似発光部4を中心
に説明する。評価対象の目標検出装置13の焦点が無限
遠固定であり、目標検出装置13の目標疑似発光部4と
の間の距離では、目標検出装置13のピントが十分合わ
ない場合、目標検出装置13の性能が十分に発揮できな
いという不都合が生じる。そこで、本実施例では、光源
41の出力側にコリメータ71を設け、出力光を平行光
(無限遠光)にするように構成する。なお、本実施例
は、実施例1〜14にも適用することができる。但し、
実施例14の可変開口絞り61を設ける場合、可変開口
絞り61は、コリメータ71の焦点位置に設置し、実施
例12,13の減衰フィルタ43,51は、コリメータ
71と光源の間に設置するとよい。
【0090】このように、本実施例では、光源41の出
力部にコリメータ71を設置して構成しているため、光
源41の出力光を平行光(無限遠光)にすることができ
る。このため、目標検出装置13と目標疑似発光部4と
の間の距離が変動しても、目標検出装置13のピントを
十分に合わすことができるので、目標検出装置13の性
能を十分に発揮することができる。
【0091】
【発明の効果】第1の発明によれば、ドームの内壁に場
景を模擬する際、ドーム内に配置したドーム内大気透過
率計測部で計測した黒体炉の分光輝度データを基にドー
ム内の大気透過率を補正データ処理部により算出してシ
ミュレーション設定部に供給し、シミュレーション設定
部を通して目標光源制御部により算出したドーム内の大
気透過率を基に目標疑似発光部の光源の光量を制御する
ように構成したため、算出したドーム内の大気透過率に
相当する大気による光量の減衰分を目標疑似発光部の光
源に加算することができる。このため、ドーム内の大気
透過率、即ち場景を模擬するドームの内壁から試験対象
システムの間の大気透過率が変化しても、この大気透過
率の変化に応じて光源の発光量を制御することができる
ので、正しい場景を再現することができるという効果が
ある。また、第1の発明によれば、ドームの内壁に場景
を模擬する際、目標疑似発光部をドームの内壁の曲率に
沿って移動するように構成したため、広視野角の目標検
出装置に対応することができるという効果がある。
【0092】第2の発明によれば、ドームの内壁に場景
を模擬する際、ドーム内に配置したドーム内大気透過率
計測部で計測したドーム内の光の減衰が発生する要因と
なる温度、湿度、気圧、CO2 濃度等の環境条件のデー
タを基にドーム内の大気透過率を補正データ処理部によ
り推定してシミュレーション設定部に供給し、シミュレ
ーション設定部を通して目標光源制御部により推定した
ドーム内の大気透過率を基に目標疑似発光部の光源の光
量を制御するように構成するため、推定したドーム内の
大気透過率に相当する大気による光量の減衰分を目標疑
似発光部の光源に加算することができる。このため、ド
ーム内の大気透過率、即ち場景を模擬するドームの内壁
から試験対象システムの間の大気透過率が変化しても、
この大気透過率の変化に応じて光源の発光量を制御する
ことができるので、正しい場景を再現することができる
という効果がある。また、第2の発明によれば、ドーム
の内壁に場景を模擬する際、目標疑似発光部をドームの
内壁の曲率に沿って移動するように構成したため、広視
野角の目標検出装置に対応することができるという効果
がある。
【0093】第3の発明によれば、ドーム内の空気を空
調部により循環するように構成したため、ドーム内の空
気を循環させない場合に較べて、ドーム内の空気を均一
にすることができる。このため、ドーム内の大気透過率
を均一にすることができるので、ドーム内の大気透過率
の測定精度を上げることができ、場景の再現精度を向上
させることができるという効果がある。
【0094】第4の発明によれば、空調部の設定温度及
び風量を空調制御部により制御するように構成したた
め、ドーム内の温度と風量を適宜調整することにより、
広範な条件の下でドーム内の空気を均一にすることがで
きる。このため、広範な条件の下でドーム内の大気透過
率の測定精度を上げることができ、場景の再現精度を向
上させることができるという効果がある。
【0095】第5の発明によれば、ドームの内壁に設置
したドームの内壁を加熱または冷却するヒータ及びクー
ラー等からなる内壁温度発生部の温度を、内壁温度制御
部により制御するように構成したため、ドーム内壁の温
度を直接制御することができる。このため、ドーム内の
雰囲気の温度ではなく、ドーム内壁の温度により背景温
度を可変することができるという効果がある。
【0096】第6の発明によれば、断熱材表面にヒータ
を貼り付け、断熱材表面に凹凸を形成した背景模擬ユニ
ットの温度を背景光源制御部により制御するように構成
したため、複雑な背景下での模擬を実現することができ
るという効果がある。
【0097】第7の発明によれば、ドーム内に光の減衰
の影響を受け難い気体を気体封入部により封入するよう
に構成したため、ドーム内に入っている光の減衰の影響
を受け易いCO2 、H2 O(水分)等を含む空気を抜い
て光の減衰の影響を受け難い気体をドーム内に満たすこ
とができる。このため、ドーム内での大気透過率を1に
近づけることができるので、光の減衰の影響を受け難く
することができるという効果がある。
【0098】第8の発明によれば、ドーム内の光の減衰
の影響を受け易いCO2 、H2 O(水分)等を含む空気
を真空ポンプ部により排出するように構成したため、ド
ーム内を真空に近い状態にすることができる。このた
め、ドーム内の光の減衰の影響を受け易いCO2 、H2
O(水分)等を含む空気を排出して、ドーム内での大気
透過率を1に近づけることができるので、光の減衰の影
響を受け難くすることができるという効果がある。
【0099】第9の発明によれば、試験対象システムに
固定した振動発生部により、試験対象システムを搭載す
る航空機の振動を模擬するように構成したため、実際の
使用環境下での航空機の動揺を模擬することができると
いう効果がある。
【0100】第10の発明によれば、操縦シミュレータ
により試験対象システムを搭載する航空機の操縦を模擬
するように構成したため、航空機の操縦を模擬すること
ができるので、機体の操縦者及び試験対象システムの使
用者の養成を行うことができるという効果がある。
【0101】第11の発明によれば、試験対象システム
に搭載する航空機の姿勢データを機体データ模擬部によ
り試験対象システムに供給するように構成したため、処
理の段階で機体データの必要な試験対象システムに対応
することができるという効果がある。
【0102】第12の発明によれば、目標物に対して妨
害光を発生する目標妨害装置が試験対象システムに加わ
った場合に、目標物とする光波ミサイルのシーカと同じ
機能を有するシーカ模擬部に入力する画像を、シーカ画
像生成部で生成し、赤外画像発生部で赤外線画像として
出力し、目標検出装置で目標物を検出した場合、目標妨
害装置にて妨害光を発生し、妨害光を、減衰器で実際に
受光する光量に減衰し、ハーフミラーを通して赤外画像
発生部の赤外線画像と重畳してシーカ模擬部に入力し、
シーカ模擬部からの出力信号を、ミサイルの制御信号と
して、この信号を妨害効果判定部に入力するように構成
したため、ミサイルの制御状態の異常を検出することが
でき、目標妨害装置の妨害効果を判定することができる
という効果がある。
【0103】第13の発明によれば、目標疑似発光部
を、光源の出力部に設置した数個の減衰率と異なる減衰
フィルタをフィルタホイルにより保持し、フィルタホイ
ルを制御モータで制御するように構成したため、目標疑
似発光部の光源の出力光を段階的に変化することができ
る。このため、実際の目標物の強度変化を模擬すること
ができるという効果がある。
【0104】第14の発明によれば、目標疑似発光部
を、光源出力部に設置した回転角度とともに減衰率の異
なる回転型減衰フィルタを制御モータで制御するように
構成したため、回転型減衰フィルタの回転角を制御する
ことにより、無段階で目標物の強度変化を模擬すること
ができるという効果がある。
【0105】第15の発明によれば、目標疑似発光部
を、光源の出力部に設置した可変開口絞りの開口の大き
さを制御モータで制御するように構成したため、無段階
で目標物の面積の変化を模擬することができるという効
果がある。
【0106】第16の発明によれば、目標疑似発光部
を、光源の出力部に設置したコリメータを有するように
構成したため、光源の出力光を平行光(無限遠光)にす
ることができる。このため、目標検出装置と目標疑似発
光部との間の距離が変動しても、目標検出装置のピント
を十分に合わすことができるので、目標検出装置の性能
を十分に発揮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施例1のシミュレータの構成
を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す球形ドームの内部を示す図であ
る。
【図3】 図1に示すドーム内大気透過率計測部と補正
データ処理部の構成と動作の流れを示すブロック図であ
る。
【図4】 本発明に係る実施例2のシミュレータの構成
を示すブロック図である。
【図5】 本発明に係る実施例3のシミュレータの構成
を示すブロック図である。
【図6】 本発明に係る実施例4のシミュレータの構成
を示すブロック図である。
【図7】 図6に示す背景模擬ユニットの構造の一例を
示す斜視図である。
【図8】 本発明に係る実施例5のシミュレータの構成
を示すブロック図である。
【図9】 本発明に係る実施例6のシミュレータの構成
を示すブロック図である。
【図10】 本発明に係る実施例7のシミュレータの構
成を示すブロック図である。
【図11】 本発明に係る実施例8のシミュレータの構
成を示すブロック図である。
【図12】 本発明に係る実施例9のシミュレータの構
成を示すブロック図である。
【図13】 本発明に係る実施例10のシミュレータの
構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明に係る実施例11のシミュレータの
構成を示すブロック図である。
【図15】 本発明に係る実施例12のシミュレータの
目標疑似発光部の構成を示すブロック図である。
【図16】 図15に示すフィルタホイルと減衰フィル
タの構造を示す平面図である。
【図17】 本発明に係る実施例13のシミュレータの
目標疑似発光部の構成を示すブロック図である。
【図18】 図17に示す回転型減衰フィルタの構造を
示す平面図である。
【図19】 本発明に係る実施例14のシミュレータの
目標疑似発光部の構成を示すブロック図である。
【図20】 本発明に係る実施例15のシミュレータの
目標疑似発光部の構成を示すブロック図である。
【図21】 画像発生装置により場景を再現する従来の
シミュレータの構成を示すブロック図である。
【図22】 図21に示す従来のシミュレータによりシ
ミュレーションを実施する状況を示す図である。
【図23】 各種光源を制御して場景を再現する従来の
シミュレータの構成を示すブロック図である。
【図24】 図23に示す従来のシミュレータによりシ
ミュレーションを実施する状況を示す図である。
【符号の説明】
1 シミュレーション設定部、2 データベース部、3
目標光源制御部、4目標疑似発光部、5 運動模擬制
御部、6 運動模擬駆動部、7 目標模擬ユニット、8
補正データ処理部、8a 大気透過率算出手段、9
ドーム内大気透過率計測部、9a 黒体炉、9b 分光
計測装置、10a,10b 空調部、11 球形ドー
ム、12 試験対象システム、13 目標検出装置、1
4 空調制御部、15 内壁温度制御部、16 内壁温
度発生部、17 背景光源制御部、18 背景模擬ユニ
ット、18a 断熱材、18b ヒータ、18c 凹
凸、19 気体封入部、20 真空ポンプ部、21 振
動発生部、22 操縦シミュレータ、23 機体データ
模擬部、24 シーカ画像生成部、25 赤外画像発生
部、26 ハーフミラー、27 シーカ模擬部、28
妨害効果判定部、29目標妨害装置、30 減衰器、3
1 妨害模擬部、41 光源、42 フィルタホイル、
43 減衰フィルタ、44 制御モータ、51 回転型
減衰フィルタ、52 制御モータ、61 可変開口絞
り、62 制御モータ、71 コリメータ。

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模擬する目標物及び背景の場景を再現す
    るのに必要なデータを蓄積するデータベース部と、 場景を再現するシミュレーションを行うための各種条件
    を設定し、設定した条件に該当する場景のデータを前記
    データベース部から読み出して各制御部に供給するシミ
    ュレーション設定部と、 目標物を模擬する光源を有する目標疑似発光部と、 前記データベース部から読み出したデータに基づいて、
    該目標模擬発光部の動作を制御する目標光源制御部と、 内部に前記目標疑似発光部を配置し、かつ目標物として
    の必要な機能を有する目標模擬ユニットと、 該目標模擬ユニットを恰も実際の目標物の如く動かす運
    動模擬駆動部と、 前記データベース部から読み出したデータに基づいて、
    該運動模擬駆動部の動作を制御する運動模擬制御部と、 内部に前記目標模擬ユニット及び前記運動模擬駆動部を
    配置し、かつ内壁に背景を模擬するとともに、前記目標
    模擬ユニットを内壁に沿って移動させることにより目標
    物を模擬するドームと、 該ドームの内壁に模擬した場景を検出する目標検出装置
    と、 前記ドーム内に配置されるとともに、内部に該目標検出
    装置を配置し、かつ検出した場景に基づいて評価を行う
    試験対象システムと、 前記ドーム内に配置するとともに、黒体炉と分光計測装
    置を有し、かつ該分光計測装置により、大気を通した黒
    体炉の分光輝度を計測するドーム内大気透過率計測部
    と、 計測した分光輝度データに基づいてドーム内の大気透過
    率を算出して、前記シミュレーション設定部に供給する
    補正データ処理部とを有し、 算出した大気透過率に基づいて、前記目標光源制御部に
    より前記目標疑似発光部の前記光源の光量を制御するこ
    とを特徴とするシミュレータ。
  2. 【請求項2】 模擬する目標物及び背景の場景を再現す
    るのに必要なデータが蓄積されているデータベース部
    と、 場景を再現するシミュレーションを行うための各種条件
    を設定し、設定した条件に該当する場景のデータを前記
    データベース部から読み出して各制御部に供給するシミ
    ュレーション設定部と、 目標物を模擬する光源を有する目標疑似発光部と、 前記データベース部から読み出したデータに基づいて、
    該目標模擬発光部の動作を制御する目標光源制御部と、 内部に前記目標疑似発光部を配置し、かつ目標物として
    の必要な機能を有する目標模擬ユニットと、 該目標模擬ユニットを恰も実際の目標物の如く動かす運
    動模擬駆動部と、 前記データベース部から読み出したデータに基づいて、
    該運動模擬駆動部の動作を制御する運動模擬制御部と、 内部に前記目標模擬ユニット及び前記運動模擬駆動部を
    配置し、かつ内壁に背景を模擬するとともに、前記目標
    模擬ユニットを内壁に沿って移動させることにより目標
    物を模擬するドームと、 該ドームの内壁に模擬した場景を検出する目標検出装置
    と、 検出した場景に基づいて評価を行う試験対象システム
    と、 前記ドーム内の光の減衰が発生する要因となる環境条件
    を計測するドーム内の大気透過率計測部と、 計測した環境条件の各種データに基づいて大気透過率を
    推定して前記シミュレーション設定部に供給する補正デ
    ータ処理部とを有し、 推定した大気透過率に基づいて、前記目標光源制御部に
    より前記目標疑似発光部の前記光源の光量を制御するこ
    とを特徴とするシミュレータ。
  3. 【請求項3】 前記ドーム内の空気を循環させる空調部
    を有することを特徴とする請求項1,2のいずれかに記
    載のシミュレータ。
  4. 【請求項4】 前記空調部の設定温度及び風量を制御す
    る空調制御部を有することを特徴とする請求項3記載の
    シミュレータ。
  5. 【請求項5】 前記ドームの内壁に設置した前記ドーム
    の内壁を加熱または冷却する内壁温度発生部と、 該内壁温度発生部の温度を制御する内壁温度制御部とを
    有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のシミュレータ。
  6. 【請求項6】 表面に凹凸面が形成されるとともに、ヒ
    ータが貼り付けられた断熱材を有し、かつ背景を模擬す
    る前記ドームに貼り付けた背景模擬ユニットと、 該背景模擬ユニットの温度を制御する背景光源制御部と
    を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のシミュレータ。
  7. 【請求項7】 前記ドーム内に光の減衰の影響を受け難
    い気体を封入する気体封入部を有することを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載のシミュレータ。
  8. 【請求項8】 前記ドーム内の空気を排出する真空ポン
    プ部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のシミュレータ。
  9. 【請求項9】 前記試験対象システムに固定するととも
    に、前記試験対象システムを搭載する航空機の振動を模
    擬する振動発生部を有することを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載のシミュレータ。
  10. 【請求項10】 前記試験対象システムを搭載する航空
    機の操縦を模擬する操縦シミュレータを有することを特
    徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のシミュレー
    タ。
  11. 【請求項11】 前記試験対象システムに搭載する航空
    機の姿勢データを前記試験対象システムに供給する機体
    データ模擬部を有することを特徴とする請求項1〜10
    のいずれかに記載のシミュレータ。
  12. 【請求項12】 前記試験対象システム内に配置すると
    ともに、目標物に対して妨害光を発生する目標妨害装置
    と、 目標物とする光波ミサイルのシーカと同じ機能を有する
    シーカ模擬部と、 シーカ用の画像を生成するシーカ画像生成部と、 生成した画像を赤外の二次元画像として投影する赤外画
    像発生部と、 妨害光と生成した二次元画像の投影光とを合成するハー
    フミラーと、 妨害光を最適な光量に減衰させる減衰器と、 前記赤外画像発生部と前記ハーフミラーと前記シーカ模
    擬部と前記減衰器とを一体化した妨害模擬部と、 前記シーカ模擬部の制御信号に基づいて妨害の効果を判
    定する妨害効果判定部とを有することを特徴とする請求
    項1〜11のいずれかに記載のシミュレータ。
  13. 【請求項13】 前記目標疑似発光部は、前記光源の出
    力部に設置した数個の減衰率の異なる減衰フィルタを保
    持するフィルタホイルと、 該フィルタホイルを制御する制御モータとを有すること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のシミュ
    レータ。
  14. 【請求項14】 前記目標疑似発光部は、前記光源の出
    力部に設置した回転角度とともに減衰率の異なる回転型
    減衰フィルタと、 該回転型減衰フィルタを制御する制御モータとを有する
    ことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のシ
    ミュレータ。
  15. 【請求項15】 前記目標疑似発光部は、前記光源の出
    力部に設置した可変開口絞りと、 該可変開口絞りの開口を制御する制御モータとを有する
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のシ
    ミュレータ。
  16. 【請求項16】 前記目標疑似発光部は、前記光源の出
    力部に設置したコリメータを有することを特徴とする請
    求項1〜15のいずれかに記載のシミュレータ。
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