JP3185560B2 - 分散性の評価方法 - Google Patents

分散性の評価方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、印刷インキ等の
分散性を評価する方法に関する。さらに詳しくは、試料
を透過する全ての光と透過散乱する光を受光器により検
知し、その比にて分散性を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分散性の評価方法としては、分散粒子の
大きさを光学顕微鏡,電子顕微鏡等にて直接観察する方
法、レーザーによる光の散乱を利用する方法、ガラス電
極に設けた孔を粒子が通過する時の電流の変化を検知す
る方法等が知られている。しかしながら、これらの方法
では、塗料あるいは印刷インキとなった状態においての
分散性を直接評価することはできなかった。例えば、分
散粒子はサブミクロンのオーダーであり、光学顕微鏡の
倍率では充分な粒子の確認が困難である。また、電子顕
微鏡では、真空系に試料をおけるような状態にしなけれ
ばならず溶液状態での観察は困難である。
【0003】また、レーザーによる散乱を利用する方法
では、試料をレーザーの光散乱測定に適した濃度に調整
する必要があるため、濃度調整前の分散性をそのまま測
定できない。あるいは、濃度調整により分散状態が変化
してしまうおそれがある。さらに、ガラス電極の孔の電
流変化にて粒度分布をみる方法も、電解質の水溶液にて
粒子の大きさをみるものであり、塗料ないし印刷インキ
のような顔料の分散体の分散性を評価するには充分でな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗
料、印刷インキ等の分散体の分散性を評価する際に分散
体の濃度調整を必要としない分散性の評価方法および装
置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、異な
る試料の全光線透過率を一致させ、その時のそれぞれの
試料についての全光線透過強度と拡散透過強度の比を
較することにより分散性を評価する方法に関する。更に
本発明は、連続的に厚みが変化するセルにそれぞれの試
料を入れ、全光線透過率が一致するように光路長を選択
する上記の分散性を評価する方法に関する。 更に本発明
は、同じ試料について異なる光路長にて複数個の光線透
過率を測定し、それぞれの試料の全光線透過率を一致さ
せるように補外する上記の分散性を評価する方法に関す
る。
【0006】粒子濃度の同じ試料を分散機で微粒子化す
る時間を変えると、時間と共に粒径が小さくなり、その
結果、分散液の透明性が向上することは良く知られてい
る。そこで本発明者は粒子濃度が同じで分散時間を変え
た試料(分散液)を作製し、ある一定の光路長を有する
セルに試料を満たし、その試料に光を当て通過する光の
成分として直進光と散乱光の両成分に着目し、受光器に
て検知することにより分散性評価できることを見いだし
た。これは、粒子が小さくなると、分散液を通過する光
のうち散乱成分の割合が少なくなるからである。また、
ある一定の光路長を有するセルで直進透過強度と散乱透
強度の和である全光線透過強度を測定した結果、光が
透過する割合が高い時、粒子濃度が同じであれば、分散
状態に関わらず全光線透過強度はほぼ同程度であること
が観察された。
【0007】、分散性が異なっても、分散液の粒子濃
度が全光線透過率と相関するので、一定の光路長のセル
を使用する代わりに、一定の全光線透過率に固定するこ
とでその光路長を有したセルを用いた場合の分散性を比
較できる。上記の知見に基づき、粒子濃度の異なる試料
においても、拡散透過強度と全光線透過強度の比を比較
すれば、異なる光路長のセルを用意しなくても、同粒子
濃度の試料として、分散性を比較可能と推測された。そ
こで、異なる粒子濃度かつ異なる分散性の試料を作製
し、本発明の方法に従い、ある一定の全光線透過率と
し、見かけの粒子濃度を等しくした状態で分散性の評価
を行ったところ、分散性を比較可能であることがわかっ
た。
【0008】本発明者は、上記の諸点から、分散体の希
釈なしに、用いるセルの光路長を変えつつ、その全光線
透過率を測定し、その測定点の相関に添った回帰線にお
いて、ある一定の全光線透過率における拡散透過強度
全光線透過強度との比を求めることで試料の分散性を評
価する方法を見出した。本発明の分散性の評価方法によ
れば、光路長を高精度に制御したセルを用いたり、高濃
度の試料を希釈することなしに分散性を評価することが
できる。すなわち、高濃度の試料であってもセルの光路
長を薄くすることで光透過させ、分散粒子に光が到達し
た際に、その大きさによって光散乱する度合いが変化す
ることを利用し、分散性の評価を行う。
【0009】つまり、特定の光路長を有するセルを用い
て光透過させて分散性の評価を行う場合、粒子濃度の高
い試料では、希釈して粒子濃度を低くし、光透過させる
必要がある。しかし、希釈により分散粒子の状態が凝集
等の変化を生じる場合があった。これは同目的で使用さ
れる粒度分布計等の評価測定器と同様な現象である。一
方、高濃度の試料をセルに納め、試料の濃度調整をしな
いで光透過させるためには、光透過可能な光路長を有す
るセルが必要である。濃度希釈が不要となる光路長とし
ては試料濃度にもよるが通常1mmから数μm以下であ
る。事実上、そのようなセルを精度よく作製することは
困難であり、たとえ作製できたとしても高価であった
り、測定後の洗浄に手間がかかる。
【0010】本発明では、セルの光路長を1mm以下で
高精度に制御する換わりに、全光線透過率で制御するこ
とにより、非常に薄い光路長のセルで測定したことと同
じ結果を得ることができる。本発明において使用するセ
ルは、この様な観点から組立セルが好ましい。組立セル
は2枚の平行な透明ガラス板からなり、2枚の透明ガラ
ス板の間に試料を挟み込む。試料の濃度が高い場合、ガ
ラス板を挟み込んで光路長を狭くし、光透過できる状態
から全光線透過強度と拡散透過強度との比を測定する。
この場合、セルの光路長を変えつつ、透過強度の比を測
定するが、ガラス板を挟み込んで光路長を変えることが
面倒となる。
【0011】そこで、より好ましくは、図3に示すよう
に連続的あるいは図4に示すように段階的に光路長が変
化するセルが使用される。光路長が連続あるいは段階的
に変化するセルを用い、試料部に備えたセル装着部をス
ライドすることにより、測定を中断することなく連続あ
るいは段階的に厚みが変化する試料に光を透過させるこ
とができ、ある全光線透過率を探索し、透過強度の比を
測定することができる。そのため、ある全光線透過率に
おける透過強度の比を回帰により理論的に求めなくて
も、比較的精度良く所望の全光線透過率での全光線透過
強度と拡散透過強度の比を測定することが可能となる。
粘性の低い試料ではセルより垂れたり、毛細管現象でセ
ル中を流動し、光路長が安定しないことがあるが、この
場合は図5に示すように試料を貯める部分を有するセル
を用いると安定して透過強度を測定できる。
【0012】本発明において全光線透過率とは、ブラン
クの透過光の強度を100とした時の、試料を透過した
光の強度をいう。また、全光線透過強度とは試料を透過
した全ての光線の強度をいい、拡散透過強度とは試料を
透過した全ての光線成分から直進成分を除いた光線の強
度をいう。
【0013】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の分散性を評価する装置の原
理を示す図である。本発明の装置は、光源1を試料部2
の前方に配置し、試料部2の後方に受光部3、積分球
4、標準反射板5、ライトトラップ部6を配置してな
る。該装置を用い、試料部2を透過してきた光を標準反
射板5に導いたとき(図1)の全光線透過光を受光部3
にて受光し、標準反射板5を移動させ試料部2を透過し
てきた光をライトトラップ部6に導いたとき(図2)の
拡散透過光を受光部3にて受光し、それぞれの全光線透
強度と拡散透過強度を求め、両者の比により分散性の
評価値を得る。
【0014】光源1は、ハロゲンランプ、タングステン
ランプ、蛍光ランプ、白色ランプ等の中から選択して用
いることができる。試料を透過する光源であればいずれ
も用いることができるが、ハロゲンランプが透過光の強
度の点から好ましい。本発明の装置の光源1と試料部2
の間には、光線調整用光学系を設けても良い。光線調整
用光学系では、例えば、複数枚のレンズを組み合わせて
平行光を調整し、絞りにて光量の調整を行う。場合によ
ってはフィルターによって波長のカットを行っても良
い。試料部2には、塗料、印刷インキ等の分散体をその
ままの状態にてセルに収容し、あるいは、透明基材に薄
膜塗工して作製した試料が使用できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。例
中、部とは重量部を表す。 〔実施例1〕70mlのマヨネーズ瓶に下記の原料を入
れ、レッドデビル分散機により分散時間をかえて分散
し、分散状態の異なる分散液を作製した。 フタロシアニンブルー(東洋インキ製造製「MR−3」) 5.0部 アクリル樹脂水性分散体(東洋インキ製造社製、不揮発分20%)5.0部 水 10.0部 アルミナビーズ2mmφ 50.0部
【0016】得られた分散液を図3のセルに挟み込み、
図1に示す本発明の分散性評価装置で全光線透過率
(T)を10%とし、その時の全光線透過強度と拡散透
強度の比(R)を測定した。全光線透過率および
値から、分散性の評価値DI を下記の計算式で求めた。 DI (Dispersion Index)=100−×100 =直進透過率×100(但し、R=拡散透過強度/全光線透過強度)
【0017】結果を表1および図6に示す。分散時間と
本発明により求めた分散性評価値(DI )との一次回帰
による相関係数は0.96であった。 表1 分散時間(Hr) 1 2 3 4 5 6 7 8 全光線透過率 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 21.3 19.5 17.9 15.9 14.2 13.5 12.4 12.1 DI (T=10%) 78.7 80.5 82.1 84.2 85.8 86.5 87.6 87.9
【0018】また、分散時間3Hrの分散液を図4のセ
ルに挟み込み、図1に示す本発明の分散性評価装置にて
全光線透過率およびを測定し、分散性を評価した結果
を表2に示す。
【0019】さらに、得られた分散液の粒度分布をレー
ザー回折方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD
−1100」)で測定し、平均粒径を求めた。図7に、
分散時間とレーザー回折方式で測定した平均粒径の相関
を示す。一次回帰による相関係数は0.80であった。
分散時間との相関性は、本発明により求めた分散性評価
値(DI )の方が高かった。おそらく、レーザー回折方
式の粒度分布計での測定の場合、希釈により、顔料分散
状態に変化が生じ、測定の誤差が生じているものと考え
られる。本発明により求めた分散性評価値(DI )は、
分散液を基材に塗工して目視で評価した透明性の傾向と
も一致していた。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、分散体の分散性を評価
する際に、希釈剤による濃度の調節を行う必要がないた
め、分散液そのものの分散性が観察でき、濃度調整によ
る分散性の変化を取り除くことができる。また、本発明
のの方法により、非常に簡便に分散性の比較ができるよ
うになった。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散性評価装置の原理図。
【図2】本発明の分散性評価装置の原理図。
【図3】光路長が連続的に変化するセルの断面図。
【図4】光路長が段階的に変化するセルの断面図。
【図5】分散液を貯める部分を有するセルの断面図。
【図6】分散液の分散時間と本発明により求めた分散性
評価値との関係を示したグラフ。
【図7】分散液の分散時間とレーザー回折方式の粒度分
布計で測定した平均粒径との関係を示したグラフ。
【符号の説明】
1 光源 2 試料部 3 受光部 4 積分球 5 標準反射板 6 ライトトラップ部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる試料の全光線透過率を一致させ、
    その時のそれぞれの試料についての全光線透過強度と拡
    散透過強度の比を比較することにより分散性を評価する
    方法。
  2. 【請求項2】 連続的に厚みが変化するセルにそれぞれ
    の試料を入れ、全光線透過率が一致するように光路長を
    選択する請求項1記載の分散性を評価する方法。
  3. 【請求項3】 同じ試料について異なる光路長にて複数
    個の光線透過率を測定し、それぞれの試料の全光線透過
    率を一致させるように補外する請求項1記載の分散性を
    評価する方法。
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KR101146562B1 (ko) * 2010-07-05 2012-05-25 국방과학연구소 나노재료 분산도 측정장치 및 측정방법
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DE102011077290A1 (de) * 2011-06-09 2012-12-13 Carl Zeiss Microimaging Gmbh Messverfahren und Messvorrichtung zur Ermittlung von Transmissions- und/oder Reflektionseigenschaften

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