JP3185316U - 作業用手袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィット性、柔軟性、作業性を有しながら、耐油性を向上させた作業用手袋を提供する。
【解決手段】布製の原手2と、該原手2の表面21に、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが少なくとも一体配合された第一複合配合液を用いて、成膜形成されてなる第一被膜3と、を具備する。第一被膜3は、コーティング処理により成膜形成される。さらに第一被膜3の表面31上に第二被膜4を具備する。第二被膜4は、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが少なくとも一体配合された第二複合配合液へ、粗粒子を混合分散させた粗粒子入り複合配合液で、該粗粒子による凸状部分46を有して積層成膜形成される。
【選択図】図1

Description

本考案は、原手にコーティング被膜が形成された作業用手袋に関する。
原手にコーティング被膜が形成された作業用手袋が汎用されている。素材別に分けてゴム製とビニル製が存在し、さらにゴム製手袋は天然ゴム製とニトリルゴム製とに分かれる。
そして、これらの素材をベースに種々の改良発明が提案されている(例えば特許文献1,2等)。
特開2012−144817号公報 特開平5−51804号公報
しかるに、天然ゴム製,ニトリルゴム製,ビニル製の各作業用手袋は、それぞれ優れた特長を有しながら、その素材がもつ欠点を抱える。天然ゴム手袋は柔軟性があり、手にフィットするが、油や溶剤に弱く、濡れると滑りやすい問題がある。ニトリルゴム製手袋は天然ゴム製,ビニル製のものに比べ耐油性,耐薬品性に優れるものの、柔軟性に欠ける問題がある。ビニル製手袋は耐油性,耐薬品性に比較的優れるが、引き裂きに弱い欠点を抱える。ここで、従来、ビニル製手袋の製造時には、可塑剤に塩化ビニル樹脂粉末を溶かした油性ペーストが用いられてきた。一方、天然ゴム製,ニトリルゴム製の作業用手袋の製造時に用いられるラテックスエマルジョンは水性である。水性のものと油性のものはブレンドし難いとされ、従来、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが配合された作業用手袋は存在しなかった。
ところで、最近は、女性作業者が増えたこともあって作業用手袋のソフト化が進んでいる。細かな作業も増え、手袋を装着していても素手感覚のものが求められるようになっている。フィット性,柔軟性、作業性を重視するのであれば、天然ゴム製手袋を使用するのが望ましいのであるが、上述のごとく耐油性に劣る問題があった。
本考案は上記問題点を解決するもので、フィット性、柔軟性、作業性を有しながら、耐油性を向上させた作業用手袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の考案の要旨は、布製の原手(2)と、該原手の表面(21)に、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが少なくとも一体配合された第一複合配合液(3a)を用いて、成膜形成されてなる第一被膜(3)と、を具備することを特徴とする作業用手袋にある。請求項2の考案たる作業用手袋は、請求項1で、記第一被膜(3)が、コーティング処理により成膜形成されるコーティング膜であることを特徴とする。請求項3の考案たる作業用手袋は、請求項1又は2で、原手(2)が、天然繊維、化学繊維、又はレーヨン繊維を用いて、メリヤス編み又はニット編みの編布で形成されたことを特徴とする。請求項4の考案たる作業用手袋は、請求項3で、第一被膜(3)の表面(31)上に、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが少なくとも一体配合された第二複合配合液(4a1)へ、粗粒子(45)を混合分散させた粗粒子入り複合配合液(4a)で、該粗粒子(45)による凸状部分(46)を有して積層成膜形成された第二被膜(4)を、さらに具備することを特徴とする。請求項5の考案たる作業用手袋は、請求項4で、粗粒子(45)が球相当径0.05mmφ〜3mmφの範囲にあるニトリルゴム材からなり、且つ前記第二被膜がディッピング処理により積層成膜形成されたディッピング膜で形成されることを特徴とする。
本考案の作業用手袋は、柔軟性に優れるとされてきた天然ゴム被膜と同等またはこれに近い柔軟性を有し、手にフィットする感覚を伴いながら、天然ゴムのもつ油に弱い問題を克服し、耐油性を良好にすることで、幅広い作業分野で作業性向上を図る手袋を提供することができるようになり、優れた効果を発揮する。
本考案に係る作業用手袋の概略全体斜視図である。 図1のII-II線矢視図である。 図1のIII-III線矢視図である。 作業用手袋の概略製造工程図である。 図4に代わる他態様の作業用手袋の概略製造工程図である。
以下、本考案に係る作業用手袋について詳述する。
図1〜図5は本考案の作業用手袋の一形態で、図1はその概略全体斜視図、図2は図1のII-II線矢視図、図3は図1のIII-III線矢視図、図4,図5は作業用手袋の概略製造工程図を示す。尚、各図で第一被膜,第二被膜の厚みを強調して大きく描き、原手,粗粒子を単純化図示する。
作業用手袋1は、原手2と第一被膜3と第二被膜4とを備える(図1)。
原手2は、布製で、指一本ずつを覆うグラブ形状品である。原手2は、その開口20から手を入れ、親指部,人差し指部,中指部,薬指部,小指部に、五本の指をそれぞれ挿入すると、手に装着できる手袋形状になっている(図3)。
布製の布とは、多数の繊維を薄くて板状に加工したもので、作製方法によって織物,編み物,不織布等に分けられる。織物よりも編み物の方がしなやかになる傾向があり、本実施形態の原手2は、天然繊維、化学繊維、又はレーヨン繊維を用いて、メリヤス編み又はニット編みの編布で形成される。具体的には、綿糸のニット編み原手2とするが、他に例えばアクリル樹脂繊維をニット編みし、内面22側に起毛を施した冬期用原手2等を用いることができる。原手2は種々のサイズのものが用意される。
第一被膜3は、前記原手2の表面21に、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとが少なくとも一体配合された第一複合配合液3aを用い、防水の他、耐薬品加工,耐油加工等の目的で被覆加工が行なわれて、被膜形成されてなる成膜である。ここでは、図1〜図3のごとく第一被膜3が原手表面21の全域にフルコートされている。
前記第一複合配合液3aは、DOP等の可塑剤γに、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとを配合させてペースト状の液状体にしたものである(図4)。塩化ビニル樹脂α(ポリ塩化ビニル,PVC)は比重約1.4の白色粉末で、耐水性,耐薬品性が良く、可塑剤γの選択で軟質のものから硬質のものまで種々造ることができる。ニトリルゴムβ(NBR)は、柔軟性に欠けるが、ゴム材のなかで耐油性,耐溶剤性に優れ、これが大きな特長になっている。
前記第一被膜3は、コーティング処理により成膜形成されるコーティング膜である。例えば第一複合配合液3aをノズルNから原手2に向けてシャワーコーティング法による図4のコーティング処理や、第一複合配合液3aを入れた液糟中に所定時間浸漬させる図5の浸漬法によるコーティング処理等を経て、原手表面21上に第一被膜3が成膜形成される。本実施形態は、シャワーコーティング処理を二回施して形成された第一被膜3になっている。本考案でいうコーティング処理は、原手表面21に第一被膜3を成膜形成できればよく、上記シャワーコーティング法によるコーティング処理,浸漬法によるコーティング処理に加え、刷毛塗りや、後述するディッピング処理法等によるものを含む。
第二被膜4は、前記第一被膜3の表面31上に、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとが少なくとも一体配合された第二複合配合液4a1に、粗粒子45を混合させた粗粒子入り複合配合液4aを用いて、被膜形成されてなる被膜である。
DOP等の可塑剤γに、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとを少なくとも一体配合させてペースト状体の第二複合配合液4a1にすると共に、これに粗粒子45を添加し混合分散させて粗粒子入り複合配合液4aにしている。第二被膜4が、該粗粒子45による凸状部分46を有して、第一被膜3上に積層成膜形成されて、滑り止め機能を発揮する。作業者が作業対象物を把持した際、手袋表面11に在る凸状部分46が適度に弾性変形して係止する状態になり、滑り止め作用,効果が働く。
第二複合配合液4a1は、可塑剤γに、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとを少なくとも一体配合させたペースト状体にしており、第一複合配合液3aと同じ配合成分,配合量のものを用いることができる。ここでは、第一複合配合液3aと第二複合配合液4a1は同じ配合成分,配合量のものを用い、この第二複合配合液4a1にニトリルゴム材からなる粗粒子45を所定量加えて、粗粒子入り複合配合液4aとする。
前記粗粒子45をニトリルゴム材の粗粒子45とするのは、ゴムの有する弾性力に加え、第二被膜4の一構成材料のニトリルゴムβと同じにして第二被膜4の成膜本体40との一体性を高めるためである。ニトリルゴム材とはニトリルゴムを含んで、粗粒子45の粒状体大きさに粒状加工した固体である。粗粒子45の大きさは、滑り止め作用が働く大きさであれば足り、具体的には球相当径が0.05mmφ〜3mmφの範囲にある。ここで、球相当径Dは、不規則な形状をした粗粒子45を、その体積が等しい直径の球のものと等しい場合の該直径をいう。
ここでの第二被膜4は、ディッピング処理により積層成膜形成されたディッピング膜になっている。粗粒子入り複合配合液4aの粗粒子分散液を満たした液糟7b内へ、図4,図5のごとく成形型61に嵌めた第一被膜3付き原手2を、指先から沈め開口20に近い手首部23の位置まで浸漬させた後、図5(ロ)の浸漬法とは異なり、短時間で速やかに液槽7(詳しくは第二液槽7b)内から引き上げるディッピング処理法によって、第二被膜4が第一被膜3上に形成される。ディッピング処理法を採用することで、粗粒子入り複合配合液4a中へ第一被膜3付き原手2を沈める度合いが調整可能になり、原手表面21、詳しくは第一被膜表面31の必要な領域にのみ、滑り止め用粗粒子45による凸状部分46を形成できる。
かくのごとくして、原手表面21に、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβが一体配合された第一複合配合液3aで第一被膜3が形成され、且つ該第一被膜3上に塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβと粗粒子45が一体配合された第二複合配合液4a1で第二被膜4が積層形成され、さらに、その第二被膜表面41(手袋表面11)に粗粒子45による凸状部分46を有する所望の作業用手袋1が得られる。
尚、図1〜図3に示すように、第一被膜3に比べ第二被膜4は膜厚が小さい。実際、第二被膜4の端縁44は、第二被膜表面41に粗粒子45による凸状部分46が形成されることもあって、視認容易であるが、端縁44における第一被膜3との段差は視認困難で、図1,図3は強調図示する。
次に、図4で、前記作業用手袋1の一製造方法について説明する。本製法に先立ち、製品資材たる原手2を準備する。製造ラインに、図4(イ)〜(ホ)の各工程地点を循環するサークル状のチェーン62が水平配設され、該チェーン62が間欠移動する。チェーン62に吊設される原手2装着用の成形型61と、第一複合配合液3aを溜めた液糟7a(7)と、粗粒子入り複合配合液4aを溜めた液糟7b(7)と、加熱乾燥炉91,92とを備える。
本実施形態では、綿糸のニット編み原手2に、第一被膜3、第二被膜4を形成するが、その被膜形成用製造ラインは、水平にしてサークル状に張り巡らされたチェーン62が間欠周回移動できるようになっている。該チェーン62の移動方向に、所定間隔をおいて線材63が垂れ下がり、各線材63,63,…の下端にそれぞれ原手2装着用成形型61が指先部分を下にして吊設される。各成形型61は原手2を嵌めた時にフィットする大きさで、図示のごとく五本の各指部24を開かせる姿態にある。
第一被膜3,第二被膜4の形成は、まず原手装着工程で、原手2を一枚ずつそれぞれの成形型61に嵌める(図4のイ)。チェーン62が図示しない伝動機構,アクチュエータによって間欠移動しており、その後、成形型61に嵌めた原手2は次のシャワーコーティング工程地点へと移動する(図4のロ)。
シャワーコーティング工程では、原手2をシャワーコーティング処理によってコーティング被膜形成する(図4のロ)。塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとが一体配合したペースト状の第一複合配合液3aが入った液糟から、配管91〜93,ポンプPで配管先端にあるノズルNへと該第一複合配合液3aが導かれる。ポンプPが作動しその圧によって、ノズルNから第一複合配合液3aが原手2に向けてシャワーされ、原手表面21にコーティング被膜たる第一被膜3が形成される。尚、ポンプPを用いるが、第一複合配合液3aはできるだけ無圧シャワーに近い状態で、原手表面21に向け首振りシャワーさせるのが好ましい。
第一被膜3の形成は、図4(ロ)のシャワーコーティング法に代えて、図5(ロ)の浸漬法を採用することもできる。原手2をコーティング被膜形成用の第一複合配合液3aに浸漬させる。該配合液71に原手22の手首部23を含めすっぽりと浸漬させることによって、原手2の表面21が第一複合配合液3aで濡れる。
所定時間のシャワーや浸漬を済ませ、第一被膜用配合液3aを原手表面21に付着させた後、次の加熱乾燥工程地点に向かう。
図4(ロ)で、各原手2は必要なシャワーを受け終えたら、ノズルNの地点から移動し離れる。また、図5(ロ)の浸漬工程を終えたら、第一複合配合液3aが入った液糟7から第一複合配合液3aで濡れた原手2を引き上げる。
その後、図4(ハ)(又は図5のハ)の加熱乾燥工程で、これを加熱,乾燥させて、原手2の表面21に付着した第一複合配合液3aが該表面21に成膜一体化してなる第一被膜3を形成する。加熱乾燥工程の加熱乾燥炉91内で、第一複合配合液3aに濡れた原手2に第一複合配合液3aが接着力を伴って固化する。原手表面21に付着した第一複合配合液3aは、加熱,乾燥されて、原手表面21に接着固化し第一被膜3となる。加熱乾燥炉91内で加熱,乾燥されて、原手2に接合一体化する第一被膜3が出来る。
しかるに、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとが一体配合された第一複合配合液3aにおいては、一回のシャワーコーティング工程や浸漬工程だけでは、コーティング被膜の十分な膜厚を得るのが難しい。そこで、図示を省略するが、本実施形態のシャワーコーティング工程には、その設備が二箇所用意され、第一被膜3を二回繰返し形成する。図5(ロ)の浸漬工程には第一複合配合液3aを溜めた液糟7aが二つ用意され、第一被膜3を二回繰返し形成する。
続いて、前記加熱乾燥工程を終えた第一被膜3付き原手2を、図4(ニ)(又は図5のニ)のディッピング工程、さらに図4(ホ)(又は図5のホ)の二次加熱乾燥工程へ送る。
前記加熱乾燥工程を終えた第一被膜3形成後の第一被膜3付き原手2を、図5(ロ)の浸漬工程の液糟7aよりも小さな液糟7bを使用する図4(ニ)のディッピング工程(ディッピング処理工程)へ送る。ディッピング工程では、液糟7b内に、第二複合配合液4a1へ粗粒子45を混ぜ合せた粗粒子入り複合配合液4aを満たす。滑り止め防止用を兼ねて、第一被膜3付き原手2をディッピングさせるため、ディッピング工程は、該第一被膜3付き原手2の粗粒子入り複合配合液4aへの浸漬を、手首部23のレベルまでにとどめる(図4のニ)。ディッピングを終えたら、原手表面21に付着した粗粒子入り複合配合液4aは、加熱,乾燥されて、第一被膜表面に接着固化し第二被膜4となる。加熱乾燥炉92内で加熱,乾燥されて、第一被膜3上に接合一体化する第二被膜4が、粗粒子45による凸状部分46を有して積層成膜形成される。
かくして、図1〜図3ごとくの所望の作業用手袋1が造られる。尚、図5の製造方法は、既述のごとく図5(ロ)の浸漬工程による第一被膜3形成が図4(ロ)のシャワーコーティング工程と違うだけで、他は図4のものと同じであるので、詳細説明を省く。
次に、前記作業用手袋1と市販手袋との比較試験を行った結果を示す。表1は作業用手袋1の「やわらかさ」比較試験結果である。作業用手袋1の「やわらかさ」を数値化できないかと考え、三重県工業研究所の純曲げ試験機を用いて試験片を測定した。試験方法は、各作業用手袋1の滑り止め部分を5cm×18cmに切り取り試験片とし、各試験片を純曲げ試験機に順次装着し、曲げたときの数値を測定した。その比較試験結果を表1に示す。数値の単位は、曲げ硬さが[gf・cm/cm]で、反発力が[gf・cm/cm]である。
Figure 0003185316
本考案品及び比較品1〜4は同じ仕様の原手2が用いられている。本考案品は原手表面21に第一複合配合液3aを用いた第一被膜3、さらに該第一被膜3上に粗粒子入り複合配合液4aを用いた第二被膜が成膜形成された作業用手袋1である。比較品1は「耐油配合手袋」で、コーティング膜がPVC製自社製品、比較品2は「やわらか配合手袋」で、コーティング膜がPVC製自社製品、比較品3は「天然ゴム手袋」で、コーティング膜がNR製のもの、比較品4は「ニトリルゴム手袋」で、コーティング膜がNBR製のものである。各作業用手袋1について曲げ硬さについて測定した。曲げ硬さは曲げた際の数値を調べるもので、数値が大きいほど硬く、小さいほど柔らかくなる。また、反発力についても調べた。反発力は生地(試験片)が戻る際にかかる負荷(生地の反発力)の数値で、数値が小さいほど負荷が小さく、柔らかいといえる。
試験結果によれば、本考案品はPVC製の「耐油配合手袋」,「やわらか配合手袋」よりも柔らかく、さらに「天然ゴム手袋」や「ニトリルゴム手袋」よりも柔らかかった。作業する際、手に負荷がかかり難い作業用手袋になっている。
また、耐油比較試験を実施した。試験片(50mm×50mm角)を白灯油からなる試験油に22時間浸漬し、面積の変化率を算出した。結果、出願人が製造する従来の耐油手袋と同等の耐油性をもたせることができた。
このように構成した作業用手袋1は、表1の比較試験結果からも明らかなように、柔軟性があるとされる天然ゴム製のもの(比較品3)よりも柔軟性を有し、ソフト化が求められている作業用手袋1に打ってつけとなっている。実際、この作業用手袋1を装着していても、素手感覚に近いものがあるので、細かい作業向けや女性作業者用向け手袋として、優れた効果を発揮する。
本考案は、とりわけ、塩化ビニル樹脂αに、天然ゴムをブレンドせずに、該天然ゴムに比べて柔軟性に欠けるとされてきたニトリルゴムβをブレンドしてなる第一複合配合液3a,第二複合配合液4a1を用いて形成された作業用手袋1が、PVC製,NBR製のみならず天然ゴム製のものと比較しても柔軟性があることを見出した点に意義がある。従来にない柔軟性に加え、且つ手の動きにフィットするなど、創作困難性を伴い且つ多大な効を奏する。
しかも、本作業用手袋1は、PVC製品に匹敵する耐油性がある作業用手袋1になっている。第一複合配合液3a,第二複合配合液4a1にニトリルゴムβが配合されることで、ニトリルゴムの柔軟性に欠く欠点が塩化ビニル樹脂を加えることによって消失する一方、「油や薬品への耐性が天然ゴム製や塩化ビニル製に比べ優れているとされる」ニトリルゴム製の優れた特性がうまく生かされていると考えられる。耐油性が備わったことにより、柔軟性があっても油や溶剤に弱い天然ゴム製品と違って、使用できる適用作業範囲が広く、幅広く有効活用できる優れた作業用手袋1になっている。
天然ゴムを配合せずとも、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβを一体配合した第一複合配合液3a,第二複合配合液4a1を用いることによって、天然ゴムに劣らない柔軟性を生み出し、さらに耐油性についてはPVCと同等の優れた品質を維持できるなど画期的な作業用手袋1になっている。
そして、本作業用手袋1は、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβを一体配合した第一複合配合液3a,第二複合配合液4a1を用いて、第一被膜3,第二被膜4を形成できるので、その製造も容易で、低コスト化できる。第一被膜3がコーティング処理により成膜形成されるコーティング膜であると、従来のコーティング処理法で簡単に第一被膜3を作製できる。原手2が、天然繊維、化学繊維、又はレーヨン繊維を用いて、メリヤス編み又はニット編みの編布で形成されると、編布であるため織物に比べ柔軟になるので、作業用手袋1の柔軟性に貢献できる。
さらに、第一被膜3の表面31上に、塩化ビニル樹脂αとニトリルゴムβとが少なくとも一体配合された第二複合配合液4a1へ、粗粒子45を混合分散させた粗粒子入り複合配合液4aで、該粗粒子45による凸状部分46が在る第二被膜4を積層成膜形成すると、該凸状部分46によって滑り止め効果を発揮できる作業用手袋1にもなる。
加えて、粗粒子45が球相当径0.05mmφ〜3mmφの範囲にあるニトリルゴム材からなると、第一複合配合液3a,第二複合配合液4a1にニトリルゴムβが配合されているので、粗粒子45と第一被膜3,第二被膜との一体性が高まる。第二被膜4が第一被膜3上にディッピング処理により積層成膜形成されたディッピング膜で形成されると、作業用手袋1の必要な部分にのみ簡便に滑り止め効果がある凸状部分46を付与できる。
このように、本作業用手袋1は数々の優れた効果を発揮し極めて有益である。
尚、本考案においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本考案の範囲で種々変更できる。原手2,第一被膜3,第二被膜4等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
1 作業用手袋
2 原手
3 第一被膜
3a 第一複合配合液
4 第二被膜
4a1 第二複合配合液
4a 粗粒子入り複合配合液
45 粗粒子
46 凸状部分

Claims (5)

  1. 布製の原手(2)と、該原手の表面(21)に、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが少なくとも一体配合された第一複合配合液(3a)を用いて、成膜形成されてなる第一被膜(3)と、を具備することを特徴とする作業用手袋。
  2. 前記第一被膜(3)が、コーティング処理により成膜形成されるコーティング膜である請求項1記載の作業用手袋。
  3. 前記原手(2)が、天然繊維、化学繊維、又はレーヨン繊維を用いて、メリヤス編み又はニット編みの編布で形成された請求項1又は2に記載の作業用手袋。
  4. 前記第一被膜(3)の表面(31)上に、塩化ビニル樹脂とニトリルゴムとが少なくとも一体配合された第二複合配合液(4a1)へ、粗粒子(45)を混合分散させた粗粒子入り複合配合液(4a)で、該粗粒子(45)による凸状部分(46)を有して積層成膜形成された第二被膜(4)を、さらに具備する請求項3記載の作業用手袋。
  5. 前記粗粒子(45)が球相当径0.05mmφ〜3mmφの範囲にあるニトリルゴム材からなり、且つ前記第二被膜がディッピング処理により積層成膜形成されたディッピング膜で形成される請求項4記載の作業用手袋。
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WO2015159925A1 (ja) * 2014-04-15 2015-10-22 オカモト株式会社 ポリ塩化ビニル製手袋及びその製造方法
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