JP3184417B2 - 広帯域コンバータ回路 - Google Patents

広帯域コンバータ回路

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JP3184417B2
JP3184417B2 JP31833994A JP31833994A JP3184417B2 JP 3184417 B2 JP3184417 B2 JP 3184417B2 JP 31833994 A JP31833994 A JP 31833994A JP 31833994 A JP31833994 A JP 31833994A JP 3184417 B2 JP3184417 B2 JP 3184417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衛星放送受信機に関し、
特に、LNB(ロー・ノイズ・ブロックダウン・コンバ
ータ)に使用される衛星放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】図9を参照して、代表的な衛星放送受信
システムは、アウトドアユニットとインドアユニットと
に分けることができる。
【0003】図9を参照して、アウトドアユニットはア
ンテナ220とLNB222とを含む。LNB222の
出力は同軸ケーブル224によりインドアユニットのイ
ンドアレシーバ226に与えられる。
【0004】インドアレシーバ226は、DBSチュー
ナ228と、FMデモジュレータ230と、映像および
音声回路232と、RFモジュレータ234とを含み、
同軸ケーブル224から与えられる信号はこれら回路に
よって処理されてテレビジョン236に与えられる。
【0005】図10に、従来のLNBの一例を示す。図
10に示されるものは欧州のアストラ衛星や米国のKu
バンド衛星からの放送を受信するLNBの一般的な回路
である。このLNBは、アストラ衛星の場合には入力周
波数が10.7GHz〜11.8GHz(エンハンス仕
様)の水平偏波信号と垂直偏波信号とをそれぞれ識別し
て低雑音増幅し、かつIF周波数(950MHz〜20
50MHz)に変換する。
【0006】たとえば図10を参照して、入力端子10
1から与えられる水平偏波信号は、HEMT素子102
の2段構成のLNA(低雑音増幅器)で増幅される。H
EMT素子102には、バイアス回路118からバイア
スが与えられる。LNAの出力はバンドパスフィルタ1
03を通し、HEMTミキサ104およびローカルオシ
レータ106によりIF周波数に変換され、IF出力端
子107から出力される。このIF出力は、IF出力端
子107に接続される次のIFアンプによって適切なレ
ベルの信号に増幅される。
【0007】入力端子108から与えられる垂直偏波信
号は、HEMT素子109の2段構成のLNAで増幅さ
れる。LNAには、バイアス回路119からバイアスが
与えられる。LNAの出力はバンドパスフィルタ110
を通してHEMTミキサ111とローカルオシレータ1
06とによってIF周波数に変換され、IF出力端子1
13に出力される。このIF出力は出力端子113に接
続される次のIFアンプによって適切なレベルの信号に
増幅される。
【0008】なお図10においてローカルオシレータ1
06の出力パワーは、出力端子116を介してY型分配
回路114によりHEMTミキサ104と111とに、
それぞれ結合コンデンサ127および128を通して供
給される。なおローカルオシレータ106にはローカル
オシレータ用供給電源端子117を介して電源が供給さ
れる。またミキサ104および111には、それぞれゲ
ートバイアス供給端子120および121によりバイア
スが供給される。
【0009】図11に、従来技術の他の例のLNBを示
す。図11に示されるLNBが図10に示されるLNB
と異なるのは、LNAのHEMT素子102および10
9の構成が2段ではなくそれぞれ3段であることと、ミ
キサがHEMTミキサではなくダイオードミキサ129
および130であることと、これらミキサ129および
130にローカルオシレータのパワーを供給するための
結合コンデンサ127および128に代えて、リングフ
ィルタ105および112を使用していることとであ
る。なおミキサ129および130には、バイアス供給
端子131および132を介してそれぞれバイアスが供
給される。
【0010】図11において図10と同一の部品には同
一の参照符号および名称が与えられている。それらの機
能も同一である。したがってここではそれらについての
詳しい説明は繰り返さない。
【0011】図10および図11に示した例は欧州のア
ストラ衛星による衛星放送を受信するためのLNBであ
る。米国のKuバンド衛星の場合には、入力周波数が1
1.7GHz〜12.2GHzに、出力周波数が950
MHz〜1450MHzに変わることを除き、基本的に
動作原理は同一である。
【0012】図12は、上述した従来技術の回路がその
上に配置される回路基板構成の一例を示す。図12を参
照して、この回路基板140は、3層の銅箔141、1
43、145と、テフロン(ポリテトラフルオロエチレ
ンの米国デュポン社の商品名)層142およびガラスエ
ポキシ層144との2層の誘電体層からなる多層基板で
構成されている。
【0013】テフロン層142の銅箔141側の表面に
はいわゆるRF回路部が配置される。RF回路部とは、
扱う周波数が9から13GHzの回路部分のことを指
す。より具体的には低雑音アンプ(LNA1、2)、イ
メージ信号除去用バンドパスフィルタBPF1および2
と、ローカルオシレータL01と、ミキサMIX1およ
び2とをいう。
【0014】ガラスエポキシ層144の銅箔145側表
面にはIF回路部が配置される。IF回路部とは、扱う
周波数が直流から2.15GHzまでの回路部分を指
す。すなわちIFアンプIF AMP1,2と、電源回
路POWERと、IFスイッチ回路SWITCHと、L
NAのバイアス供給回路BIAS1および2とを指す。
【0015】このように各回路部分が扱う周波数によっ
て、その回路部分が配置される基板表面側の誘電体の材
質を変えるのは、各材料の扱う周波数において保証でき
る電気的仕様が異なることと、その費用対効果とによ
る。なお電気的仕様とは、誘電体の誘電率とその安定
度、高周波信号に対する誘電体損失や導体損失の程度等
の性質を指す。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
入力周波数が10.7GHzから11.8GHzまでで
あれば有効に動作できる。しかし、たとえば入力周波数
が10.7GHzから12.75GHzという広帯域周
波数の場合、出力周波数が950MHzから3000M
Hzとなるため、既存のインドアレシーバではこの出力
を受信できない。上述の広帯域周波数は、アストラ衛星
が計画しているユニバーサル仕様であり、今後この仕様
に対処するLNBが求められることは確実である。しか
し従来の技術では、上述のように技術的な問題点があ
り、仮に対処が可能であるとしてもシステムとして高価
となることが予想され、実現性は乏しいと考えられる。
【0017】さらに従来の図3および図4に示される回
路では、10.7GHzから11.8GHzのRF信号
のアイソレーションに対しては、必要とされる25dB
以上の実力が実現可能である。しかし、10.7GHz
から12.75GHzの広帯域周波数に対しては、ミキ
サ回路に使用されるHEMT素子やダイオードの逆方向
のアイソレーション特性に限界があり、広帯域周波数に
従来の回路を適用したLNBを実現することは困難であ
ると考えられる。
【0018】さらに、ミキサ回路として10.7GHz
から12.75GHzの2GHz以上の広帯域動作を、
わずか1段のHEMT素子やダイオード素子で実現する
ことは困難である。仮に実現できたとしても、素子数を
増やすか特別に高周波特性の良い素子を使用する必要が
ある。たとえば民生レベルではなくミリタリーレベルの
技術を適用した素子を使用する必要がある。その結果仮
にそうしたLNBが実現できたとしても、非常に高価な
ものとなると予想される。
【0019】一方従来の回路では、ローカルオシレータ
が1個ですんでいる。そのため図12に示されるような
Cu(銅箔)3層基板を使用して、コンパクトな回路構
成が実現できるためこうした3層基板を使用することが
現在主流となっている。
【0020】しかし、上述したように10.7GHzか
ら12.75GHzの入力周波数を実現するためには、
後述するようにたとえばローカルオシレータを2個、ミ
キサ回路を4個必要とするような回路を使用しなければ
ならない。これらはいずれもRF回路部である。RF回
路部が大規模となるため、こうした回路を図12に示さ
れるようなCu(銅箔)3層基板で実現しようとする
と、テフロン基板上に配置しなければならない回路が大
幅に増加する。そのため必然的に基板面積を大きくしな
ければならない。
【0021】結局、ユニバーサル仕様の入力周波数を実
現しようとすると、図12に示されるような基板構造で
コンパクトなLNBを構成することが困難となる。LN
Bの形状が大きくなりコストが増加すること、美観の点
でも不利となることなどが予想される。
【0022】一方、入力周波数が10.7GHzから1
2.75GHzのアストラ衛星のユニバーサル仕様は、
将来の主流になると予想される。したがってこのユニッ
ト仕様を満足するLNBをコンパクトなサイズで、かつ
美観を損わない形状で実現できれば望ましい。またその
場合も費用対効果の優れたLNBであればより好まし
い。さらに製造面において組立が容易であること、作業
性がよいこと、調整・検査が簡便に行なえること、量産
に向きかつ信頼性の高いLNBを提供できればより好ま
しい。
【0023】それゆえに請求項1に記載の発明の目的
は、より小型の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理
を行なうことができる、製造の簡単な広帯域コンバータ
回路を提供することである。
【0024】請求項2の記載の目的は、より小型の、よ
り広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうことができ
る、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供すること
である。
【0025】請求項3に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうこと
ができる、製造が簡単でかつ安価な広帯域コンバータ回
路を提供することである。
【0026】請求項4に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうこと
ができる、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供す
ることである。
【0027】請求項5に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうこと
ができる、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供す
ることである。
【0028】請求項6に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうこと
ができる、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供す
ることである。
【0029】
【0030】請求項に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を低雑音に行
なうことができる、製造の簡単な広帯域コンバータ回路
を提供することである。
【0031】請求項に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうこと
ができる、製造の簡単で信頼性も高い広帯域コンバータ
回路を提供することである。
【0032】請求項に記載の発明の目的は、より小型
の、より広帯域の衛星放送電波の信号処理を行なうこと
ができる、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供す
ることである。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の広帯域
コンバータ回路は、放送電波の水平偏波信号が入力され
る第1の入力端子と、前記放送電波の垂直偏波信号が入
力される第2の入力端子とを有し、入力される第1の信
号および第2の信号に所定のコンバート処理を行なう広
帯域コンバータ回路である。この広帯域コンバータ回路
は、主表面および裏面を有する、処理するRF信号の周
波数に応じて定められる第1の種類の誘電体材料の2つ
の誘電体層と、前記第1の種類の誘電体材料の2つの誘
電体層の各々の前記主表面上および前記裏面上にそれぞ
れ形成された4つの薄膜導電体層と、前記2つの誘電体
層の前記裏面の間に挟まれた、前記第1の種類とは異な
る第2の種類の誘電体材料の誘電体層とから構成される
多層回路基板と、この多層回路基板の、前記2つの誘電
体層の前記主表面側の前記薄膜導電体層上に配置されて
いる、前記所定のコンバート処理を行なうためのRF処
理回路とを含み、前記RF処理回路は、それぞれ前記第
1の入力端子および前記第2の入力端子から水平偏波信
号と垂直偏波信号とを受け、低雑音増幅する第1および
第2の半導体増幅素子と、それぞれ前記第1の半導体増
幅素子および前記第2の半導体増幅素子の出力を受け、
各々入力信号を第1および第2の2つのバンドに分離す
るための第1および第2の分離手段と、前記第1の分離
手段の2つの出力を受け、相互に周波数の異なる第1お
よび第2のオシレータ信号とそれぞれミキシングして中
間周波数に変換するための第1のミキサと、前記第2の
分離手段の2つの出力を受け、前記第1および第2のオ
シレータ信号とそれぞれミキシングして中間周波数に変
換するための第2のミキサーと、それぞれ前記第1のオ
シレータ信号および前記第2のオシレータ信号を出力す
るための第1および第2のローカルオシレータとを含
み、前記第1および第2のローカルオシレータは、前記
多層基板回路の、互いに異なる主表面上にそれぞれ配置
されていることを特徴とする。
【0034】請求項2に記載の発明に係る広帯域コンバ
ータ回路は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路で
あって、前記第1の種類の誘電体材料はテフロンであ
る。
【0035】請求項3に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路であって、
前記第2の種類の誘電体材料は、ガラスエポキシであ
る。
【0036】請求項4に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路であって、
前記第2の種類の誘電体材料は、導電性の接着剤または
導電性の塗料である。
【0037】請求項5に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路であって、
前記第2の種類の誘電体材料は金属材料である。
【0038】請求項6に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路であって、
前記薄膜導電体層は銅箔で形成される。
【0039】
【0040】請求項に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項に記載の広帯域コンバータ回路であって、
前記第1および第2の半導体増幅素子がHEMT素子を
含む。
【0041】請求項に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項に記載の広帯域コンバータ回路であって、
前記広帯域コンバータ回路の少なくとも一部が、前記多
層回路基板上に配置された半導体集積回路として実現さ
れていることを特徴とする。
【0042】請求項に記載の広帯域コンバータ回路
は、放送電波の水平偏波信号が入力される第1の入力端
子と、前記放送電波の垂直偏波信号が入力される第2の
入力端子とを有し、入力される第1の信号および第2の
信号に所定のコンバート処理を行なう広帯域コンバータ
回路である。この広帯域コンバータ回路は、主表面およ
び裏面を有する、処理するRF信号の周波数に応じて定
められる第1の種類の誘電体材料の2つの誘電体層と、
前記第1の種類の誘電体材料の2つの誘電体層の各々の
前記主表面上にそれぞれ形成された2つの薄膜導電体層
とから構成される多層回路基板と、この多層回路基板上
の、前記2つの誘電体層上の前記主表面側の前記薄膜導
電体層上に配置されている、所定のコンバート処理を行
なうRF処理回路とを含む。前記2つの誘電体層は、そ
の裏面側において、薄膜導電体層を介して相互に接着さ
れている。前記RF処理回路は、それぞれ前記第1の入
力端子および前記第2の入力端子から水平偏波信号と垂
直偏波信号とを受け、低雑音増幅する第1および第2の
半導体増幅素子と、それぞれ前記第1の半導体増幅素子
および前記第2の半導体増幅素子の出力を受け、各々入
力信号を第1および第2の2つのバンドに分離するため
の第1および第2の分離手段と、前記第1の分離手段の
2つの出力を受け、相互に周波数の異なる第1および第
2のオシレータ信号とそれぞれミキシングして中間周波
数に変換するための第1のミキサと、前記第2の分離手
段の2つの出力を受け、前記第1および第2のオシレー
タ信号とそれぞれミキシングして中間周波数に変換する
ための第2のミキサーと、それぞれ前記第1のオシレー
タ信号および前記第2のオシレータ信号を出力するため
の第1および第2のローカルオシレータとを含み、前記
第1および第2のローカルオシレータは、前記多層基板
回路の、互いに異なる主表面上にそれぞれ配置されてい
る。
【0043】
【作用】請求項1に記載の発明に係る広帯域コンバータ
回路においては、広帯域コンバータ回路のRF処理回路
は、多層回路基板の2つの誘電体層の主表面側の薄膜導
電体層上に配置される。また、二つのローカルオシレー
タが、多層カイロ基板の二つの表面の異なる面にそれぞ
れ配置される。回路基板の一面のみにRF処理回路を配
置する場合と比較して、同じ面積により多くのRF処理
回路要素を配置でき、回路面積をむやみに増大させる必
要がない。またスルーホールで回路要素を接続できるの
で、回路の製造も容易である。さらに、二つのローカル
信号の干渉を防止することができ、広帯域コンバータ回
路を小型化することが可能となる。
【0044】請求項2に記載の広帯域コンバータ回路に
おいては、請求項1に記載の発明の作用に加え、第1の
種類の誘電体材料がテフロンであるので、広帯域周波数
の信号に適した電気的仕様を持っており、かつ容易に入
手可能である。
【0045】請求項3に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路の作用に加
え、第2の種類の誘電体材料は、ガラスエポキシである
ので、基板上の回路のアースをとるのに適した電気的仕
様を持っており、また適度の強度を持っているので、2
つの誘電体層を支持するのに適している。
【0046】請求項4に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路の作用に加
え、第2の種類の誘電体材料は、導電性の接着剤または
導電性の塗料であるので、基板上の回路のアースをとる
のに適した電気的仕様を持っており、また2つの誘電体
層を容易に接着できるので、多層回路基板を作製するの
に適している。
【0047】請求項5に記載の広帯域コンバータ回路
は、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路の作用に加
え、第2の種類の誘電体材料は金属材料である。金属材
料は基板上の回路のアースをとるのに適した電気的仕様
を持っており、また適度の強度を持っているので、2つ
の誘電体層を支持するのに適している。
【0048】請求項6に記載の発明に係る広帯域コンバ
ータ回路は、請求項1に記載の発明の作用に加え、薄膜
導電体層が銅箔で形成されるので、多層基板を形成する
のに適した電気的特性を持っており、また加工が容易で
ある。
【0049】
【0050】請求項に記載の発明に係る広帯域コンバ
ータ回路は、請求項に記載の発明の作用に加え、第1
および第2の半導体増幅素子がHEMT素子を含むの
で、低雑音な動作が実現できる。
【0051】請求項に記載の発明に係る広帯域コンバ
ータ回路は、請求項に記載の発明の作用に加え、広帯
域コンバータ回路の少なくとも一部が、多層回路基板上
に配置された半導体集積回路として実現されているの
で、回路全体の構造および組立が容易で、かつ信頼性も
高くなる。
【0052】請求項に記載の発明に係る広帯域コンバ
ータ回路のRF処理回路は、多層回路基板の、2つの誘
電体層の主表面側の薄膜導電体層上に配置されている。
また、二つのローカルオシレータが、多層回路基板の二
つの表面の異なる面にそれぞれ配置される。回路基板の
一面のみにRF処理回路を配置する場合と比較して、同
じ面積により多くのRF処理回路要素を配置でき、回路
面積をむやみに増大させる必要がない。さらに2つの誘
電体層は、その裏面側において薄膜導電体層を介して相
互に接着されているので間に誘電体層を挟む場合と比較
して材料がより少なくすみ、かつ組立の工程数も減少す
る。さらに、二つのローカル信号の干渉を防止すること
ができ、広帯域コンバータ回路を小型化することが可能
となる。
【0053】
【実施例】図1に、本発明を実施する回路構成の一例の
LNBの回路ブロック図を示す。このLNBは、今後欧
州の衛星放送市場にて主流となると考えられるアストラ
衛星の広帯域化(ユニバーサル仕様)に対応できる。な
おユニバーサル仕様とは、前述したように入力周波数が
10.7GHzから12.75GHzであるような仕様
をいう。
【0054】図1に示される回路において、水平偏波2
01はLNA1で低雑音増幅され、BPF1およびBP
F2で10.70〜11.80GHzのバンド1と、1
1.70〜12.75GHzのバンド2とに分離され
る。このように2分配された広帯域の入力信号を、2つ
のローカルオシレータLO1(9.75GHz)とLO
2(10.6GHz)とを用いて、ミキサMIX1およ
びMIX2によってそれぞれ異なった2つのIFバンド
に周波数変換する。ミキサMIX1およびMIX2はそ
れぞれIFプリアンプによって増幅されスイッチ1およ
びスイッチ2に与えられる。
【0055】一方垂直偏波も同様にLNA2により低雑
音増幅され、バンドパスフィルタBPF3およびBPF
4によってそれぞれバンド1およびバンド2に分配され
る。このように分配された入力信号を、ミキサMIX3
およびMIX4でローカルオシレータLO1およびLO
2を用いてIFバンドに周波数変換する。ミキサMIX
3およびMIX4の出力はIFプリアンプ202によっ
て増幅され、高周波スイッチ203および204に与え
られる。
【0056】なお、LNA1およびLNA2には、電源
回路(POWER)205からそれぞれバイアス1およ
びバイアス2が与えられている。
【0057】高周波スイッチ203および204をコン
パレータ206により発生される2つの制御信号によっ
て切換えることにより、4種類の信号(水平・バンド
1、水平・バンド2、垂直・バンド1、垂直・バンド
2)を選択できる。高周波スイッチ203および204
で選択されたIF周波数信号はそれぞれIFアンプ1お
よびIFアンプ2によって増幅されて出力1および出力
2から出力される。
【0058】なお制御信号は、各出力端子に供給される
電圧の値と基準値とを比較してその比較結果により、ま
たは該電圧に低周波のパルスが重畳されているか否かを
検出することにより発生される。後者の場合はディテク
タ207を使用する。
【0059】このような回路により、LNB側のIF周
波数信号帯域は950から2150MHzまでとなる。
この周波数帯域は既存のインドアレシーバが扱う周波数
帯域であり、既存のインドアシステムで対応できる。
【0060】図2は、図1に示した回路構成のうち、I
Fプリアンプ202より前の回路をより具体的に示した
回路図である。
【0061】図2を参照してこの回路は、水平偏波信号
が入力される入力端子1と、水平偏波信号を低雑音増幅
するための、HEMT素子2の3段構成からなるLNA
と、このLNAのバイアス回路18と、LNAの出力信
号を2つのバンドに分配するためのY型分配回路43
と、分配されたバンド1およびバンド2におけるイメー
ジ除去のためのバンドパスフィルタ3および33と、そ
れぞれバンドパスフィルタ3および33の出力に、ロー
カルオシレータ6および46からのローカルオシレータ
信号をミキシングするためのダイオードミキサ29およ
び39とを含む。
【0062】またこの回路は、垂直偏波信号が入力され
る入力端子8と、垂直偏波信号を低雑音増幅するため
の、HEMT素子9の3段構成からなるLNAと、LN
Aのバイアス回路19と、LNAの出力信号をバンド1
およびバンド2の2つのバンドに分配するためのY型分
配回路44と、このように分配された各バンドにおける
イメージ除去のためのバンドパスフィルタ34および1
0と、バンドパスフィルタ34および10の出力に、そ
れぞれローカルオシレータ46および6からのローカル
オシレータ信号をミキシングするめたのダイオードミキ
サ40および30とを含む。
【0063】ローカルオシレータ6の出力端子16から
のオシレータパワーはY型分配回路14によって2つの
ミキサ29および30に均等に配分される。Y型分配回
路14はそれとともに、2つのミキサ29および30と
の整合をとる働きも持つ。またY型分配回路14により
分配されたローカルオシレータ信号は、ミキサ29およ
び30にそれぞれローカルオシレータ信号を注入するた
めのフィルタとしての方向性結合器5および12を介し
て各ミキサに注入される。なおローカルオシレータ6に
は、電源供給端子17を介して電源が供給される。
【0064】ローカルオシレータ46の出力端子48か
らのオシレータパワーは、Y型分配回路45によって2
つのミキサ39および40に均等に分配される。Y型分
配回路45はまた、これら2つのミキサ39および40
との整合をとる働きも持つ。
【0065】Y型分配回路45により分配されたローカ
ルオシレータ信号は、フィルタとしての方向性結合器3
5および36を介してそれぞれダイオードミキサ39お
よび40に注入される。なおローカルオシレータ46に
は電源供給端子47を介して電源が与えられる。
【0066】なお図2にはさらに、IF出力端子7およ
び13と、方向性フィルタの終端抵抗24および25
と、ダイオードミキサ29および30のバイアス供給端
子31および32と、方向性フィルタ35および36の
終端抵抗37および38と、ダイオードミキサ40およ
び39のバイアス供給端子42および71と、IF出力
端子51および52とも図示されている。
【0067】図2に示す広帯域コンバータ回路は次のよ
うに動作する。入力端子1に水平偏波信号が入力され、
HEMT素子2の3段構成からなるLNAによって30
〜36dB低雑音増幅される。この出力はY型分配回路
43によってバンド1(10.7〜11.8GHz)と
バンド2(11.7〜12.75GHz)の2つのバン
ドに分配され、それぞれのバンドにおけるイメージ除去
フィルタであるバンドパスフィルタ3および33によっ
てイメージ除去される。イメージ除去された信号はそれ
ぞれダイオードミキサ29および39によってIF信号
に変換される。変換されたIF信号はそれぞれIF出力
端子7および51から出力される。このIF信号は出力
端子7および51から、次段に接続されるIFプリアン
プに与えられる。
【0068】このとき変換に必要なオシレータパワー
は、ローカルオシレータ6および46からそれぞれY型
分配回路14および方向性フィルタ5と、Y型分配回路
45および方向性フィルタ35とを介してそれぞれダイ
オードミキサ29および39に加えられる。一方、入力
端子8から入力された垂直偏波信号は、HEMT素子9
の3段構成からなるLNAによって30〜36dB低雑
音される。増幅された信号はY型分配回路44によっ
て、バンド1(10.7〜11.8GHz)とバンド2
(11.7〜12.75GHz)の2つのバンドに分配
され、それぞれのイメージ除去フィルタであるバンドパ
スフィルタ34および10によってイメージ除去され
る。イメージ除去された信号はそれぞれダイオードミキ
サ40および30によってIF信号に変換される。変換
されたIF信号は出力端子52および13から出力さ
れ、次段に接続されるIFプリアンプに与えられる。
【0069】このとき変換に必要なオシレータパワー
は、ローカルオシレータ6および46からそれぞれY型
分配回路14および方向性フィルタ12と、Y型分配回
路45および方向性フィルタ36とを介してダイオード
ミキサ30および40に加えられる。
【0070】こうした回路構成により、10.7GHz
から12.75GHzという、LNBとしては最も広帯
域なコンバータ回路を実現できる。しかも出力されるI
F信号を既存のインドアシステムが処理することがで
き、既存のインドアシステムをそのまま使用できるのて
市場に受入れられやすいという利点がある。
【0071】なお、図2に示される回路構成の変形を図
3に示す。図3に示される回路が図2に示される回路と
異なるのは、図2におけるダイオードミキサ29、3
9、40および30が、HEMTミキサ4、53、5
4、11に置換えられていることと、図2の方向性フィ
ルタ5および12に代えてそれぞれ方向性フィルタ55
および56を使用していることとである。また図3の回
路は、図2に示される回路に加えてさらに、HEMTミ
キサ4、53、54および11のためのゲートバイアス
供給端子20、49、50および21を含む。図3に示
される回路も図2に示される回路と同様に動作する。し
たがってここではその動作の詳細は繰り返さない。
【0072】図4は、図3に示される回路をさらに変形
したものである。図4に示される回路が図3に示される
回路と異なるのは、図3の方向性結合器35、36、5
5および56をそれぞれ結合コンデンサ57、58、2
7および28に置換えている点のみである。図4に示さ
れる回路の動作も図2に示される回路および図3に示さ
れる回路のそれと同じであるので、ここではその詳細は
繰り返さない。
【0073】図5に図2〜図4に示される回路構成を回
路基板上に配置する際の回路基板60の構成と、その上
の回路配置を模式的に示している。
【0074】図5を参照して、回路基板60は、表面に
銅箔層61が、裏面に銅箔層63が設けられた第1の種
類の誘電体材料としてのテフロン層62と、表面に銅箔
層67が、裏面に銅箔層65がそれぞれ形成されたテフ
ロン層66と、テフロン層62および66の間に挟まれ
た第2の種類の誘電体材料としてのガラスエポキシ層6
4とを含む。各誘電体層の厚みは、代表的にはテフロン
が約0.8mm、ガラスエポキシ層は約0.4mmであ
る。銅箔は導電性材料の一例である。導電性材料として
は他のもの、たとえば他の導電性金属またはめっきを使
用しても良い。しかし、銅箔が加工もしやすく好まし
い。
【0075】図5に示される例では、ローカルオシレー
タLO2以外のRF回路部分(9から13GHz周波数
を扱う部分)はテフロン層62の表面上に配置してあ
り、ローカルオシレータLO2と、他のRF回路部分以
外の回路、すなわちIF回路と、電源回路と、LNAの
バイアス回路(BIAS1、BIAS2)と、スイッチ
回路とはテフロン層66側の表面に配置している。多層
基板の表面と裏面側とがともにテフロン層であるため、
上述の例のようにローカルオシレータ2を基板の裏面側
に配置することが可能となった。そのためRF回路部分
がさらに増大したとしても、それら増大した部分を裏面
側に効率よく配置することにより、一面のみにRF回路
部分を配置する場合と比較して回路の面積をより少なく
することができる。またそうすることで美観上も優れた
LNBを得ることができる。
【0076】図6に、多層回路基板60の表面および裏
面への回路配置の他の例を示す。この例では、図5に示
される配置において、裏面の電源回路POWERと表面
のローカルオシレータLO1とを入換えている。この基
板が搭載されるシャーシ設計によっては、図5または図
6のいずれか一方の配置を行なう必要が生ずることもあ
る。そうした場合でもこのように回路配置を表面と裏面
との間で交代することができ、より効率的な回路配置を
行なうことができる。またガラスエポキシ層64は適度
な強度を持ち、テフロン層の支持に適している。また製
造・検査時の作業性も良い。
【0077】図7に、多層回路基板の他の例80を示
す。この多層回路基板80は、表面および裏面にそれぞ
れ銅箔層61および63を有するテフロン層62と、表
面および裏面にそれぞれ銅箔層67および65を有する
テフロン層66とを含み、これら2つのテフロン層66
および62を導電性の接着剤または塗料81で接着した
ことを特徴としている。こうした構成とすることによ
り、ガラスエポキシ層を使用した場合と比較して、テフ
ロン層を支持する働きはやや弱くなるが、製造が容易に
行なえるという効果がある。また材料も少なくてすむの
で、コスト的にも有利である。
【0078】回路基板のさらに他の例を図8に示す。こ
の回路基板82は、表面に銅箔層61を有するテフロン
層62と、表面に銅箔層67を有するテフロン層66と
を、間に導電体層83を挟んで熱圧着などにより接着し
たものである。熱圧着するにあたっては、たとえばテフ
ロン層62および66の双方の裏面に銅箔層を作製して
おき、これを熱圧着により接着することが考えられる。
図8に示される構成では回路をより薄くすることがで
き、コンパクトにできる。またその製造も容易である。
【0079】なお図5および6に示される例において、
たとえばミキサやIFアンプ、さらにはローカルオシレ
ータやスイッチなどを集積化した半導体ICを使用する
こともできる。半導体ICにどのような回路部分を含ま
せるかは設計者の任意な選択による。電源回路を半導体
ICに含ませるようにしてもよい。そのように半導体I
Cを多層回路基板の表面および裏面のどちらにも配置す
ることができるため、用途に応じた最適な回路配置を得
ることができる。また半導体ICを使用することによ
り、組立が容易でかつ信頼性も向上するという効果があ
る。
【0080】以上のように多層回路基板を構成すること
により、その表面および裏面のいずれにもRF回路部分
を配置することができる。そのため広帯域入力信号を処
理するためにRF回路部分が増大したしても、効率的な
回路配置を行なうことができ、回路面積をそれほど増大
させる必要がない。費用的な増大も小さく抑えられる。
したがって費用対効果に優れ、かつコンパクトなLNB
を実現することができる。
【0081】また多層回路基板を使用するため、基板の
表面および裏面に配置された各回路の接続は、回路基板
に形成したスルーホールを用いて簡単に行なうことがで
きる。またそのための工数も少なくてすむ。したがって
組立が容易であり、作業性に優れた、製造の容易なLN
Bを実現できる。またスルーホールにより接続するため
に信頼性という面でも有利である。
【0082】また上述のような1つの多層回路基板上に
広帯域コンバータ回路を構成する全回路を配置すること
ができる。各回路の調整や検査における製品の取扱いも
簡便となり、量産を行なう場合にも容易に対応できると
考えられる。また半導体集積回路を使用すればより量産
に適し、信頼性も向上した、組立の簡単なLNBを得る
ことができる。
【0083】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明によ
れば、広帯域コンバータ回路は、同じ面積に従来より多
くのRF回路要素を効率的に配置でき、基板面積をむや
みに増大させる必要がない。またスルーホールで回路要
素を接続できるので、回路の製造も容易でかつ信頼性に
も優れている。その上、二つのローカル信号の干渉を防
止することができる。その結果、より小型の、より広帯
域の衛星放送電波のRF信号処理を行なうことができ
る、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供できる。
【0084】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、第1の種類の誘電体材料が
テフロンであるので、広帯域周波数の信号に適した電気
的仕様を持っており、かつ容易に入手可能である。その
結果、より小型の、より広帯域のRF信号処理を行なう
ことができる、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提
供できる。
【0085】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、第2の種類の誘電体材料
は、ガラスエポキシであるので、安価でかつ容易に入手
可能である。また基板上の回路のアースをとるのに適し
た電気的仕様をっている。適度の強度を持っているの
で、2つの誘電体層を支持するのに適しており、回路基
板を作製する上でも、またその上に回路要素を配置する
上でも作業が容易になり、また検査も容易に行なえる。
その結果、より小型の、より広帯域のRF信号処理を行
なうことができる、製造が簡単で、かつ安価な広帯域コ
ンバータ回路を提供できる。
【0086】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、第2の種類の誘電体材料
は、導電性の接着剤または導電性の塗料であるので、基
板上の回路のアースをとるのに適した電気的仕様を持っ
ており、また2つの誘電体層を容易に接着できるので多
層回路基板を作製するのに適している。回路基板を作製
する上でも、またその上にRF処理回路要素を配置する
上でも作業が容易になる。その結果、より小型の、より
広帯域のRF信号処理を行なうことができる、製造の簡
単な広帯域コンバータ回路を提供できる。
【0087】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、第2の種類の誘電体材料は
金属材料であるので、基板上の回路のアースをとるのに
適した電気的仕様を持っており、また適度の強度を持っ
ているので、2つの誘電体層を支持するのに適してい
る。回路基板を作製する上でも、またその上に回路要素
を配置する上でも作業が容易になる。その結果、より小
型の、より広帯域のRF信号処理を行なうことができ
る、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供できる。
【0088】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、薄膜導電体層は銅箔で形成
されるので、多層基板を形成するのに適した電気的特性
を持っており、また加工が容易である。その結果、より
小型の、より広帯域のRF信号処理を行なうことができ
る、製造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供できる
【0089】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の発明の効果に加え、第1および第2の半導体増
幅素子がHEMT素子を含むので、低雑音な動作が実現
できる。その結果、より小型の、より広帯域の衛星放送
電波のRF信号処理を低雑音に行なうことができる、製
造の簡単な広帯域コンバータ回路を提供できる。
【0090】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の発明の効果に加え、広帯域コンバータ回路の少
なくとも一部が、多層回路基板上に配置された半導体集
積回路として実現されているので、回路全体の構造およ
び組立が容易で、かつ信頼性も高くなる。その結果、よ
り小型の、より広帯域の衛星放送電波のRF信号処理を
低雑音に行なうことができる、製造が簡単で信頼性も高
い広帯域コンバータ回路を提供できる。
【0091】請求項に記載の発明によれば、広帯域コ
ンバータ回路は、同じ基板面積に従来より多くのRF回
路要素を効率的に配置でき、基板面積をむやみに増大さ
せる必要がない。さらに2つの誘電体層は、その裏面側
において、薄膜導電体層を介して相互に接着されている
ので、間に誘電体層を含む場合と比較して材料がより少
なくすみ、かつ組立の工程数も減少する。さらに、二つ
のローカル信号の干渉を防止することができる。その結
果、より小型の、より広帯域の衛星放送電波のRF信号
処理を行なうことができる、製造の簡単な広帯域コンバ
ータ回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の広帯域コンバータ回路の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す広帯域コンバータ回路の、RF回路
部の具体的な構成を示す回路図である。
【図3】図2に示される回路の変形例を示す回路図であ
る。
【図4】図3に示される回路の変形例を示す回路図であ
る。
【図5】本発明の実施例で使用される多層回路基板およ
びその上の回路配置を模式的に示す図である。
【図6】図5とは異なる回路配置を示す、本発明の実施
例で使用される多層回路基板の模式図である。
【図7】本発明に係る多層回路基板の他の例の断面図で
ある。
【図8】本発明で使用される多層回路基板のさらに他の
例の断面図である。
【図9】代表的な衛星放送受信システムの概略を示す模
式図である。
【図10】従来のLNBの一例を示す回路図である。
【図11】従来のLNBの他の一例を示す回路図であ
る。
【図12】従来のLNBに使用される回路基板およびそ
の上の回路配置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
4、11、53、54、104、111 HEMTミキ
サ 2、9、102、109 LNA 14、43、44、45、114 Y型分配回路 64、144 ガラスエポキシ層 29、30、39、40、129、130 ダイオード
ミキサ 62、66、142 テフロン層 3、10、33、34、103、110 バンドパスフ
ィルタ 6、46、106 ローカルオシレータ 81 接着剤層 60、80、82 多層回路基板 61、63、65、67、83、141、143、14
5 銅箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−53713(JP,A) 特開 昭63−176006(JP,A) 特開 平5−22248(JP,A) 特開 昭61−101133(JP,A) 特開 平5−327544(JP,A) 特開 平7−183732(JP,A) 特開 平5−14899(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03D 7/00 - 9/06 H04B 1/18 - 1/26

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放送電波の水平偏波信号が入力される第
    1の入力端子と、前記放送電波の垂直偏波信号が入力さ
    れる第2の入力端子とを有し、入力される第1の信号お
    よび第2の信号に所定のコンバート処理を行なう広帯域
    コンバータ回路であって、 主表面および裏面を有する、処理するRF信号の周波数
    に応じて定められる第1の種類の誘電体材料の2つの誘
    電体層と、前記第1の種類の誘電体材料の2つの誘電体
    層の各々の前記主表面上および前記裏面上にそれぞれ形
    成された4つの薄膜導電体層と、前記2つの誘電体層の
    前記裏面の間に挟まれた、前記第1の種類とは異なる第
    2の種類の誘電体材料の誘電体層とから構成される多層
    回路基板と、 前記多層回路基板の、前記2つの誘電体層の前記主表面
    側の前記薄膜導電体層上に配置されている、前記所定の
    コンバート処理を行なうためのRF処理回路とを含前記RF処理回路は、 それぞれ前記第1の入力端子および前記第2の入力端子
    から水平偏波信号と垂直偏波信号とを受け、低雑音増幅
    する第1および第2の半導体増幅素子と、 それぞれ前記第1の半導体増幅素子および前記第2の半
    導体増幅素子の出力を受け、各々入力信号を第1および
    第2の2つのバンドに分離するための第1および第2の
    分離手段と、 前記第1の分離手段の2つの出力を受け、相互に周波数
    の異なる第1および第2のオシレータ信号とそれぞれミ
    キシングして中間周波数に変換するための第1のミキサ
    と、 前記第2の分離手段の2つの出力を受け、前記第1およ
    び第2のオシレータ信号とそれぞれミキシングして中間
    周波数に変換するための第2のミキサーと、 それぞれ前記第1のオシレータ信号および前記第2のオ
    シレータ信号を出力するための第1および第2のローカ
    ルオシレータとを含み、 前記第1および第2のローカルオシレータは、前記多層
    基板回路の、互いに異なる主表面上にそれぞれ配置され
    ている、 広帯域コンバータ回路。
  2. 【請求項2】 前記第1の種類の誘電体材料はテフロン
    である、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路。
  3. 【請求項3】 前記第2の種類の誘電体材料は、ガラス
    エポキシである、請求項1に記載の広帯域コンバータ回
    路。
  4. 【請求項4】 前記第2の種類の誘電体材料は、導電性
    の接着剤または導電性の塗料である、請求項1に記載の
    広帯域コンバータ回路。
  5. 【請求項5】 前記第2の種類の誘電体材料は、金属材
    料である、請求項1に記載の広帯域コンバータ回路。
  6. 【請求項6】 前記薄膜導電体層は銅箔で形成される、
    請求項1に記載の広帯域コンバータ回路。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の半導体増幅素子が
    HEMT素子を含む、請求項に記載の広帯域コンバー
    タ回路。
  8. 【請求項8】 前記広帯域コンバータ回路の少なくとも
    一部が、前記多層回路基板上に配置された半導体集積回
    路として実現されていることを特徴とする、請求項
    記載の広帯域コンバータ回路。
  9. 【請求項9】 放送電波の水平偏波信号が入力される第
    1の入力端子と、前記放送電波の垂直偏波信号が入力さ
    れる第2の入力端子とを有し、入力される第1の信号お
    よび第2の信号に所定のコンバート処理を行なう広帯域
    コンバータ回路であって、 主表面および裏面を有する、処理するRF信号の周波数
    に応じて定められる第1の種類の誘電体材料の2つの誘
    電体層と、前記第1の種類の誘電体材料の2つの誘電体
    層の各々の前記主表面上にそれぞれ形成された2つの薄
    膜導電体層とから構成される多層回路基板と、 前記多層回路基板上の、前記2つの誘電体層上の前記主
    表面側の前記薄膜導電体層上に配置され、前記所定のコ
    ンバート処理を行なうRF処理回路とを含み、 前記2つの誘電体層は、その裏面側において、薄膜導電
    体層を介して相互に接着されており、 前記RF処理回路は、 それぞれ前記第1の入力端子および前記第2の入力端子
    から水平偏波信号と垂 直偏波信号とを受け、低雑音増幅
    する第1および第2の半導体増幅素子と、 それぞれ前記第1の半導体増幅素子および前記第2の半
    導体増幅素子の出力を受け、各々入力信号を第1および
    第2の2つのバンドに分離するための第1および第2の
    分離手段と、 前記第1の分離手段の2つの出力を受け、相互に周波数
    の異なる第1および第2のオシレータ信号とそれぞれミ
    キシングして中間周波数に変換するための第1のミキサ
    と、 前記第2の分離手段の2つの出力を受け、前記第1およ
    び第2のオシレータ信号とそれぞれミキシングして中間
    周波数に変換するための第2のミキサーと、 それぞれ前記第1のオシレータ信号および前記第2のオ
    シレータ信号を出力するための第1および第2のローカ
    ルオシレータとを含み、 前記第1および第2のローカルオシレータは、前記多層
    基板回路の、互いに異なる主表面上にそれぞれ配置され
    いることを特徴とする、広帯域コンバータ回路。
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