JP3184281B2 - アルミニウム板のレーザー溶接方法 - Google Patents

アルミニウム板のレーザー溶接方法

Info

Publication number
JP3184281B2
JP3184281B2 JP02395892A JP2395892A JP3184281B2 JP 3184281 B2 JP3184281 B2 JP 3184281B2 JP 02395892 A JP02395892 A JP 02395892A JP 2395892 A JP2395892 A JP 2395892A JP 3184281 B2 JP3184281 B2 JP 3184281B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum plate
laser welding
composite
welding
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02395892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05228662A (ja
Inventor
正敏 榎本
Original Assignee
昭和アルミニウム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和アルミニウム株式会社 filed Critical 昭和アルミニウム株式会社
Priority to JP02395892A priority Critical patent/JP3184281B2/ja
Publication of JPH05228662A publication Critical patent/JPH05228662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3184281B2 publication Critical patent/JP3184281B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム板の溶
接方法、即ち溶接すべき少なくともいずれか一方のアル
ミニウム材がアルミニウム板である場合のレーザー溶接
方法に関する。
【0002】なお、本明細書において、「アルミニウ
ム」の語はその合金を含む意味において使用している。
【0003】
【従来の技術】レーザー溶接は、高速溶接を実現しうる
ことをメリットとして有し、各種製造分野において、そ
の実用化が進められ、また実用に供されるに至ってい
る。
【0004】ところで、特にアルミニウム板のレーザー
溶接では、溶接凝固割れや、溶接部の凹み等を発生する
のを防止する目的において、溶加材を使用するのが一般
的である。
【0005】従来、この溶加材使用によるアルミニウム
板のレーザー溶接は、第2図に示されるように、ワイヤ
ー状の溶加材(51)を用い、該溶加材ワイヤー(51)を
レーザービームの照射部分に供給していくという方法に
より行われていた。なお、(52)はレーザートーチ、
(53)(54)はアルミニウム板である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなワイヤー供給式のレーザー溶接では、溶接すべき
継手部分の存在する位置によっては、溶加材ワイヤー
(51)の供給が困難ないし不可能な場合があり、そのた
め、そのような部位に対して溶接欠陥なく適正にレーザ
ー溶接することが困難であるという問題があった。
【0007】また、溶加材をワイヤー(51)の供給によ
って付与するレーザー溶接では、ワイヤー(51)の供給
速度がその径にみあう速度に制限されること、ワイヤー
(51)では外部からの供給となる性質から溶加材の溶込
み速度等に一定の限界があること、などの理由により、
レーザービームの移行速度、即ち、溶接速度に制限を生
じ、レーザー溶接の有する高速溶接というメリットを必
ずしも生かせない場合を生じるという欠点があった。
【0008】この発明は、上記のような従来の欠点を解
消し、従来では施工が困難ないし不可能であった部位の
溶加材使用によるレーザー溶接を実現することができ、
しかも、溶加材使用によるレーザー溶接の高速化を実現
することができるアルミニウム板のレーザー溶接方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、溶接すべきアルミニウム板として、JIS40
00系アルミニウム合金からなる溶加材を複合押出によ
り表面に複合一体化した複合材を製作したのち、該複合
押出材に熱間圧延を施してこれを溶加材層を表面に有す
る板材に成形したものを用意し、この溶加材複合アルミ
ニウム板を用いてレーザー溶接を遂行することを特徴と
するアルミニウム板のレーザー溶接方法を要旨とする。
【0010】上記複合押出は、溶加材を皮材とした複合
ビレットを用いることなどにより、行うことができる。
複合材は、板状、条、スラブ状等に成形すればよい。
【0011】複合押出の押出条件は、溶加材の複合一体
化を十分なものにするため、押出比を4.0〜16.0
とすると共に、ビレット温度、コンテナ温度等を400
〜450℃の範囲に設定し、かつラム速度を0.5〜5
mm/secの範囲に設定するこが推奨される。
【0012】また、熱間圧延は、溶加材と芯材との接合
を更に一層十分なものにするため、350〜450℃の
温度範囲に設定して行うことが推奨される。
【0013】そしてまた、圧延方向は、アルミニウム板
が金属組織的に機械的性質の方向性にかたよりを生じな
いように、押出方向と直交する方向において行うことが
推奨される。
【0014】なお、レーザー溶接用の溶加材を被覆した
アルミニウム板は、例えば、自動車の外板、鉄道車両の
外板、船舶の外板、航空機等の高速飛翔体の外板、リニ
アモーターカー等の陸上高速輸送機関の外板などとして
用いられうる。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、溶接すべきアルミニウム板として、JIS40
00系アルミニウム合金からなる溶加材を複合押出によ
り表面に複合一体化した複合材を製作したのち、該複合
押出材に熱間圧延を施してこれを溶加材層を表面に有す
る板材に成形したものを用意し、この溶加材複合アルミ
ニウム板を用いてレーザー溶接を遂行することを特徴と
するアルミニウム板のレーザー溶接方法を要旨とする。
【0016】しかも、溶加材が予めアルミニウム板に被
覆されていることにより、溶接速度を高くしても、溶込
み不良等の不具合を生じにくく、そのため、溶接の高速
化が達せられる。
【0017】加えて、溶加材が被覆されたアルミニウム
板は、溶加材を複合押出により表面に複合一体化した複
合材を製作したのち、該複合押出材に熱間圧延を施して
これを溶加材層を表面に有する板材に成形することによ
り製作したものとなされていることにより、アルミニウ
ム板における溶加材の被覆状態が安定かつ強固なものに
なる。
【0018】
【実施例】次に、本発明方法を、第1図(ニ)に示され
るようなアルミニウム板(1)(1)同士の突き合わせ
溶接の場合に適用した実施例について説明する。
【0019】本実施例におけるアルミニウム板(1)
は、A5052アルミニウム合金製の本体板(1a)の表
面全体にA4045アルミニウム合金製溶加材層(1b)
を被覆したものである。
【0020】このアルミニウム板(1)の製造は、次の
ようにして行った。
【0021】即ち、まず、皮材を溶加材としてのA40
45アルミニウム合金とした中空ビレット(2b)と、芯
材をA5052アルミニウム合金とした中実ビレット
(2a)とを製造して、これらを組み合わせ、第1図
(イ)に示されるように、ビレット径Dが17インチの
複合ビレット(2)を製作し、この複合ビレット(2)
を用いて、ビレット温度、コンテナ温度等を420℃と
し、第1図(ロ)に示されるように、幅Bが12イン
チ、厚さTが2インチの方形断面の複合押出材(3)を
押出成形し、これを1m長さLに切断した。(3a)は芯
材、(3b)は溶加材層である。
【0022】次いで、この複合押出材に、加熱温度39
0〜450℃の下で押出方向と直交する方向に圧延を施
し、第1図(ハ)に示されるように、厚さtが2mmの
アルミニウム板(1)に成形した。このアルミニウム板
(1)における溶加材層(1b)の厚さt1は0.5mm
であった。
【0023】そして、このようにして製造されたアルミ
ニウム板(1)を2枚用意し、第1図(ニ)に示される
ように、突き合わせ状態に位置し、CO2レーザーを用
いて、突き合わせ溶接を遂行した。(4)はレーザート
ーチである。溶接は、レーザー出力を5KWとし、アシ
ストガスとしてArガスを使用してこれを25リットル
/分の流量で供給し、光学系には10インチ放物鏡を使
用し、溶接速度を種々異ならせて行った。その結果を第
1表に示す。
【0024】一方、比較例として、第2図に示されるよ
うに、溶加材が被覆されていない点を除いて上記と同様
なアルミニウム材(53)(54)を用意し、直径1.6m
mのA5356アルミニウム合金製溶加材ワイヤー(5
1)を2m/分の速度で供給しつつ、上記実施例と同じ
溶接条件で、溶接速度を種々異ならせて溶接を行った。
その結果を上記実施例と併せて第1表に示す。
【0025】
【表1】
【0026】以上の実施例、比較例の結果から、JIS
4000系アルミニウム合金からなる溶加材を被覆し
たアルミニウム板を用いてレーザー溶接を行うことで、
アルミニウム材に対し溶接欠陥なく高速にてレーザー溶
接を遂行しうることを確認し得た。
【0027】なお、本発明では、上記のような突き合わ
せ溶接の場合に限定されるものではなく、第1図(ホ)
に示されるように、重ね状態に配置した状態での溶接な
ど、各種の態様の溶接に適用しうるものであることはい
うまでもない。また、溶加材を被覆したアルミニウム板
を使用する溶接であれば、第1図(ホ)に示されるよう
に、このような溶加材被覆アルミニウム板(1)と溶加
材を被覆しないアルミニウム板(5)との溶接や、ある
いは、溶加材被覆アルミニウム板(1)と押出材等の各
種形状のアルミニウム材との溶接などにも適用されてよ
い。
【0028】
【発明の効果】上述の次第で、この発明のアルミニウム
板のレーザー溶接方法は、溶接すべきアルミニウム板と
してJIS 4000系アルミニウム合金からなる溶加
材が予め被覆されたものを用いてレーザー溶接を遂行す
るものであるから、溶加材ワイヤーでは外部からの供給
が困難ないし不可能な溶接予定部位にも、溶加材を容易
に存在させることができ、そのような部位への溶加材使
用によるレーザー溶接をも適正に遂行することができ
る。
【0029】しかも、溶加材が予めアルミニウム板に被
覆されていることにより、溶接速度を速くしても、溶込
み不良等の不具合を生じにくく、レーザー溶接の本来有
する高速溶接のメリットを生かして高能率な溶接作業を
実現することができる。
【0030】加えて、溶加材が被覆されたアルミニウム
板は、溶加材を複合押出により表面に複合一体化した複
合材を製作したのち、該複合押出材に熱間圧延を施して
これを溶加材層を表面に有する板材に成形することによ
り製作したものとなされているから、アルミニウム板に
おける溶加材の被覆状態が安定かつ強固なものになり、
レーザー溶接を信頼性高く遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(イ)は複合ビレットの斜視図、図(ロ)は
複合押出材の斜視図、図(ハ)は複合押出材に圧延を施
して成形されたアルミニウム板の斜視図、図(ニ)はこ
のアルミニウム板を用いて突き合わせ状態でレーザー溶
接を遂行している状態を示す断面斜視図、図(ホ)は重
ね状態でレーザー溶接を遂行している状態を示す断面斜
視図である。
【図2】アルミニウム板の従来のレーザー溶接法を示す
断面斜視図である。
【符号の説明】
1…アルミニウム板 1b…溶加材層 1a…本体板 2…複合ビレット 3…複合押出材 4…レーザートーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/00 310

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接すべきアルミニウム板として、JI
    S 4000系アルミニウム合金からなる溶加材を複合
    押出により表面に複合一体化した複合材を製作したの
    ち、該複合押出材に熱間圧延を施してこれを溶加材層を
    表面に有する板材に成形したものを用意し、この溶加材
    複合アルミニウム板を用いてレーザー溶接を遂行するこ
    とを特徴とするアルミニウム板のレーザー溶接方法。
JP02395892A 1992-02-10 1992-02-10 アルミニウム板のレーザー溶接方法 Expired - Fee Related JP3184281B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02395892A JP3184281B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 アルミニウム板のレーザー溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02395892A JP3184281B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 アルミニウム板のレーザー溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05228662A JPH05228662A (ja) 1993-09-07
JP3184281B2 true JP3184281B2 (ja) 2001-07-09

Family

ID=12125059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02395892A Expired - Fee Related JP3184281B2 (ja) 1992-02-10 1992-02-10 アルミニウム板のレーザー溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3184281B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016009708A1 (de) * 2016-08-10 2017-08-03 Daimler Ag Verfahren zum Herstellen einer Fügeverbindung und Fügeverbindung

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05228662A (ja) 1993-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0814936B1 (en) Method of high energy density radiation beam lap welding
US10272524B2 (en) Laser conduction mode welding of aluminum alloys with cross dual laser beams
CN110914014B (zh) 用于使用焊接路径的组合激光焊接金属工件的方法
US6060682A (en) Overlapping joint for laser welding of tailored blanks
DE102018120523A1 (de) Laserstrahllöten von metallischen Werkstücken mit einer Relativbewegung zwischen Laserstrahl und Fülldraht
EP0213217A1 (en) Laser welding of sandwich structures
DE19502140C1 (de) Verfahren zum laserunterstützten Plattieren von Band und dessen Anwendung
JP3262533B2 (ja) アルミニウム合金の接合材
DE112017006780T5 (de) VERFAHREN ZUM GLÄTTEN DER FLÄCHE EINER LASERSCHWEIßFÜGESTELLE
JP3184281B2 (ja) アルミニウム板のレーザー溶接方法
JPH07132389A (ja) 複層鋼板のレーザ溶接方法
JP3333394B2 (ja) パネルの製作方法及びパネル
JPH0224197B2 (ja)
JPH10328856A (ja) 摩擦溶接方法および溶接継手構造
Vaamonde Couso et al. Laser beam welding and automotive engineering
JPH05228661A (ja) アルミニウム材のレーザー溶接方法
JPH07266068A (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金部材のレーザ溶接方法
JP3378056B2 (ja) レーザ溶接によるアルミニウム部材の接合方法
JP2867708B2 (ja) 消耗電極式溶接による管の溶接方法
JPH07251282A (ja) アルミニウム合金ストリップのレーザ接合方法
EP4282571A1 (en) Laser brazing joining method
JPS6156792A (ja) 極薄肉溶接管の製造方法
JP3229110B2 (ja) アルミニウム合金の接合方法
JPS5813241B2 (ja) 複合金属棒の製造法
JPS6351795B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees