JP3184118U - 車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械 - Google Patents

車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械 Download PDF

Info

Publication number
JP3184118U
JP3184118U JP2013001849U JP2013001849U JP3184118U JP 3184118 U JP3184118 U JP 3184118U JP 2013001849 U JP2013001849 U JP 2013001849U JP 2013001849 U JP2013001849 U JP 2013001849U JP 3184118 U JP3184118 U JP 3184118U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traveling
traveling device
protection
vehicle
protection frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2013001849U
Other languages
English (en)
Inventor
藤 完 司 後
Original Assignee
山形建設株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 山形建設株式会社 filed Critical 山形建設株式会社
Priority to JP2013001849U priority Critical patent/JP3184118U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3184118U publication Critical patent/JP3184118U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Road Repair (AREA)

Abstract

【課題】経済的負担を増大することなく低廉にて対策可能とし、より確実に周囲の安全性を高めることができる車両走行装置用防護装置を提供する。
【解決手段】車両7走行装置71の不動適所73に固定可能な取付部30を有し、同走行装置71の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置71接地面幅Wを包囲可能とする天面防護枠2、および、該天面防護枠2の同走行装置71の前後少なくとも何れか一方端がわに屈伸機構4を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置71の前後相対面を、同接地面幅Wに渡って同接地面上所定高さ位置Hまで包囲可能な進行面防護枠6を設けてなるものとした。
【選択図】図3

Description

この考案は、車両の走行装置に関連するものであり、特に、走行装置の安全性を高める防護装置、およびそれを組み込んだ車両を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立てに必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
舗装路面の補修工事は、一般に交通障害を最小限に留めるよう、一車線のみを交通規制によって占有し、出来るだけ短時間の中に完了するようにしなければならず、前後車輪間にカッタードラムなどの路面切削装置を装備するロードカッター(以降自走型路面切削機械と記す)を、凡そ0ないし85m/minの作業速度で走行させながら、一車線分のアスファルト舗装やコンクリート舗装の表層または全断面を切削・除去すると同時に、その切削廃材を、同自走型路面切削機械に装備し、展開させた折畳み収納型のベルトコンベアを通じ、徐行および停止しながら適宜車間距離を維持するダンプトラックに搬送・供給しながら、工事対象区間に渡って連続的に作業を進めるものとなっている。
こうした自走型路面切削機械は、補修工事中に渡り、作業員(オペレーター)が、全後輪間の路面切削装置付近となる車体側部に外装する走行レバーを車外路上から操作するものとなっており、路面の切削状況を確認しながら、交通規制されていない隣接車線を通行する一般車両との接触を回避するよう注意すると共に、ゆっくり移動する自走型路面切削機械の路面切削装置履帯軌道周辺の障害物に注意を払わなければならず、また、自走型路面切削機械の前後に配置する作業員も、周囲の交通に気を取られたりすると、近づく自走型路面切削機械の、転動する装置前後履帯に気付かないで巻き込まれてしまう虞もあって、常に危険を伴う作業となっていた。
自走型路面切削機械には、走行装置がタイヤ式の装輪車両と、クローラー式の装軌車両とが存在し、これら自走型の舗装路盤補修用機械を利用する工事は、細心の注意を払って作業を進めているにも拘わらず、オペレーターや交通誘導員などが気づかないうちに、走行装置に接近し過ぎてしまう虞があり、これまでにも偶発的に巻き込まれてしまう事故が実際に発生しており、特に、クローラー式の走行装置は、履帯の回転面積がタイヤ式のそれに比べて広く、接触すると巻き込まれてしまう危険性が高く、本願出願人は、こうした災害を未然に防止する手立てを講じる必要があると考えた。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)や同特許文献1(2)に提案されているものに代表されるように、クローラー起動輪または遊動輪と、それに巻き付く履帯裏面との間に泥よけカバーを組み込んだり、起動輪または遊動輪の周縁に沿って、履帯左右縁裏面に対峙するよう、ガイドスカートを設けたりすることにより、起動輪または遊動輪と履帯裏面との間に異物などが浸入するのを防止可能としたものや、同特許文献2(1)に示されているもののように、クローラーの左右外がわ直上付近から、同クローラー前後に渡る適宜高さ位置に達するよう平行リンク状の分草杆を前後揺動自在に吊下装着し、圃場走行中に農作物をクローラーに巻き込んでしまうのを防止可能とするもの、同特許文献1(3)に見られるような、貨物車両の荷台左右下端より、後輪軸心付近の左右外側位置まで垂下したサイドスカートを配し、該サイドスカートの左右後輪対応範囲に開口部を設けると共に、該開口部にスライド開閉可能なスライド板を設け、メンテナンス性を損ねることなく、巻き込み事故を防止可能としたもの、同特許文献1(4)のように、車両左右前後輪の各前方を夫々監視する前輪用および後輪用カメラを設け、異物の接近を検知したときに巻込み防止装置を自動的に動作可能とするようにしたものなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)および同特許文献1(2)に示されているような、起動輪または遊動輪と、履帯裏面との間に異物が進入するのを防止する技術や、特許文献2(1)のように、走行装置の左右外がわに平行リンク状の分草杆を装備したものなどは、何れも履帯の進行方向面が異物を巻き込むのを防止できないという欠点があり、特許文献1(3)のサイドスカートにスライド板を組み込み、車輪への巻き込みを防止するものは、自走型路面切削機械に組み込んだ場合、工事中に舗装路面の切削状態を目視確認する際の妨げとなってしまう虞があり、特許文献1(4)に見られるように、前後左右全ての走行装置に監視カメラを設けたものは、自動的に画像を認識し、危険を判断し、巻込み防止装置を瞬時に作動する電子制御装置および各種アクチュエータなどが不可欠となり、経済的負担が大きいという欠点があった。
(1)特開平8−193341号公報 (2)特開2004−1720号公報 (3)特開2000−318569号公報 (4)特開2009−234452号公報 (1)実開平5−63228号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある走行装置への各種巻き込み防止装置類などは、その殆どが車輪やクローラーの側面外がわからの巻き込みを阻止するものであり、走行装置の進行方向の巻き込みを防止するものは、監視カメラや各種センサーを設け、自動的に異物を検知して巻き込み防止装置を瞬時に起動させるようにしたものなどとしなければならず、信頼性を得る確実な動作を得るには、相当の経費負担が必要となってしまうという欠点があり、また、監視カメラや各種センサー類のみを設けたものの場合には、操縦作業員が、工事作業を進めながら、全ての監視カメラやセンサー類を確認し続けなければならず、作業負担が大きく、作業ミスを招き易くなる虞がある外、各種センサーを設けたものは、警報音や警報ランプなどが警報を発し、それに気づいた操縦作業員が即座に緊急停止操作を行ったとしても、危険を回避できる可能性は低いというのが現状であり、こうした状況のなか本願出願人は、永年に渡り、舗装路盤補修用機械を取り扱ってきた経験や、そこから得た様々な知見、およびユーザーからの情報などに基づき、経済的負担を増大することなく低廉にて対策を講じることができ、より確実に安全性を高められる走行装置技術の開発の必要性を痛感するに至ったものである。
(考案の目的)
そこで、この考案は、経済的負担を増大することなく低廉にて対策可能とし、より確実に周囲の安全性を高めることができる車両走行装置技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の車両走行装置用防護装置、それを利用した新規な構造の自走型建設機械およびに自走型路面切削機械を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の車両走行装置用防護装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、車両走行装置の不動適所に固定可能な取付部を有し、同走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとした構成を要旨とする車両走行装置用防護装置である。
この基本的な構成からなる車両走行装置用防護装置は、その表現を変えて示すならば、車両走行装置の不動適所に固定可能な取付部を有し、同走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設け、走行装置に接近し過ぎた人、動物、物品などの巻き込みを防止可能としてなるものとした構成からなる車両走行装置用防護装置となる。
より具体的には、車両走行装置の走行方向左右がわ側面の少なくとも外がわに露出する側面適宜範囲を包囲可能とし、同走行装置の不動適所への取付部を兼ねた側面防護板、該側面防護板に一体化し、当該走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとした構成からなる車両走行装置用防護装置となる。
さらに具体的なものとして示すと、車両走行装置の走行方向左右両側面適宜範囲を包囲可能とし、同走行装置の不動適所への取付部を兼ねた左右側面防護板、同左右側面防護板間に、複数本の保護棒を横架・一体化し、当該走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、掬い上げ湾曲形とした左右腕間に複数本の保護棒を横架・一体化してなり、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとした構成からなる車両走行装置用防護装置となる。
(関連する考案1)
上記した車両走行装置用防護装置に関連し、この考案には、それを装着した自走型建設機械も包含している。
即ち、タイヤ装輪または無限軌道装軌何れか一方の走行装置を有する自走型建設機械であって、その走行装置に、この考案の基本をなす前記車両走行装置用防護装置を装着してなる自走型建設機械である。
(関連する考案2)
上記した車両走行装置用防護装置に関連し、この考案には、それを装着した自走型路面切削機械も包含している。
即ち、タイヤ装輪または無限軌道装軌何れか一方の走行装置を前後左右に有し、それら前後走行装置間に、路面切削装置を装備した自走型路面切削機械であって、前後左右各走行装置の全部か、または必要箇所かの何れか一方に、この考案の基本をなす前記車両走行装置用防護装置を装着してなる自走型路面切削機械である。
以上のとおり、この考案の車両走行装置用防護装置によれば、従前までの接触防止対策として監視カメラや各種センサーなどを車体各所に設置してなるものとは異なり、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、走行装置の前後要所に的確に装着するだけで、経済的負担を増大することなく低廉にて安全策を講ずることができ、警報を受けてから車両ドライバーやオペレーターなどが、反応して緊急停止操作を行うよりも遙かに早く、しかもより確実に、各走行装置に接近し過ぎた人や他物を走行装置の進行方向直前の路面上から安全に排除可能なものとし、その安全性を格段に高めたものとすることがでるから、特に、重厚長大な機械を自走させる上、それら自走する大型機械に作業員が接近して作業を行わなければならない自走型建設機械や、さらに、工事中も交通網を維持するため、道路の一部車線を一時的に閉鎖し、周囲を一般自動車や歩行者が行き交うような、煩雑な路上での作業が必須となる自走型路面切削機械などに組み込むことにより、建設や補修工事の安全性を格段に高めることができ、自走型路面切削機械が極低速走行しながら路面切削する工事中に、その走行装置の接近に気づかずに接近し過ぎた作業員などの脚部に、この考案の防護装置が最初に接触するものとなり、接触に気づいた作業員が直ちに退避行動を取ることによって、極低速走行中の走行装置との接触を回避し、重大な災害の発生を安全且つ未然に防止することができるという秀れた特徴が得られるものである。
加えて、この考案の車両走行装置用防護装置は、車両走行装置の走行方向前後がわ要所のみに、透視可能な天面防護枠および進行面防護枠を有して装着するものとしてあるから、小型軽量でありながら、作業員が走行装置および走行装置下付近の路面状態などを、走行装置に近づいたり、潜り込んだりせずとも、安全な距離を確保したまま、つぶさに目視確認することができるという秀れた特徴を有しており、さらに、天面防護枠の先端がわに屈伸機構を介させ、進行面防護枠が連結したものとしてあるから、車両走行装置前後に装着状態のまま、天面防護枠に対し、進行面防護枠を折り畳みおよび/または伸縮収納可能となり、車両走行装置が段差を乗り越えたり、傾斜面を登坂し始めたりするとき、または、輸送車両に搭載する場合など、進行面防護枠を収納状態として走行や搭載作業に支障を来さないよう操作することができる上、建設や補修作業に際しては、天面防護枠に対して進行面防護枠を展開させて高い安全性を確保することができるという効果を発揮するものとなる。
そして、屈伸機構が、進行面防護枠を跳ね上げるよう折り畳み可能とする水平軸を有すると共に、姿勢仮固定器を、該水平軸および/または天面防護枠と進行面防護枠との間の適所に配してなるものは、天面防護枠に対する進行面防護枠の支持角度を、最低垂下状支持姿勢から跳ね上げ状折り畳み収納姿勢間の、複数角度姿勢に段階的または無段階的に変更・仮固定可能なものとし、必要に応じた支持角度に任意且つ即座に調節できるから、車両が段差を乗り越える場合や、傾斜面を登坂し始める場合、傾斜面から平坦面に移動する場合など、様々な場面にも進行面防護枠が周囲や他物に緩衝するのを防止しながら、走行装置前後の所望範囲を的確に包囲して、一段と確実に安全を確保しつつ、折り畳み作業性を格段に高めたものとすることができる。
また、車両走行装置の走行方向左右がわ側面の少なくとも外がわに露出する側面適宜範囲を包囲可能とする側面防護板を有するものは、例えば、走行装置無限軌道装軌の、起動輪や遊動輪などと履帯との間に、他物が進入するのをより確実に阻止するものとなり、一段と災害を防止してより安全性を高めたものとすることができる上、外側面防護板の一部が走行装置不動適所への取付部を兼ねるものとなるから、構造の一層の簡素化と軽量化とを達成可能とするものになる。
進行面防護枠が、最下に垂下支持した場合、走行装置接地面から同進行面防護枠先端までの高さ寸法を50mm以上200mm以下に設定し、且つ、走行装置の前後相対面から100mmないし300mmの間隔を隔てるよう設定してなるものは、充分な走破性能を確保すると共に、進行方向の人や他物などを一段と確実且つ安全に排除可能とし、さらに、掬い上げ湾曲形とした左右腕間に複数本の保護棒を横架・一体化してなるものは、進行方向の人や他物が接触した直後、円滑に上方へ誘導して一層安全に強制排除できるものとなる上、走行装置と進行面防護枠との間に、必要最小限且つ充分な空間を確保し、不要な大型化を避け、誤って進入した異物などを容易且つ安全に撤去可能なものとすることができる。
そして、この考案の車両走行装置用防護装置を装着してなる自走型建設機械は、建設工事中や走行中における走行装置周辺の安全を、従来品よりも遙かに経済的且つより確実に安全確保できるものとすることができ、特に、走行装置近傍に路面切削装置を装備し、その路面切削装置にオペレーターが接近して操作しなければならない自走型路面切削機械の走行装置に組み込むことにより、舗装路面の補修工事を格段に安全なものとすることができるという大きな効果を奏することになる。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
車両走行装置用防護装置の天面防護枠は、車両走行装置の上部適所を、同走行装置との間に適宜間隙を確保し、同走行装置の円滑駆動の妨げとならないよう包囲すると共に、走行装置や近傍の路面状態などを目視確認出来る程度に透視可能な視野を確保できるようにする機能を分担し、車両走行装置の不動適所に固定可能な取付部を有し、同走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能なものとしなければならず、より具体的には、後述する実施例に示すように、走行装置の走行方向左右両側面適宜範囲を包囲可能とし、同走行装置の不動適所への取付部を兼ねた左右側面防護板を設け、同左右側面防護板間に、複数本の保護棒を横架・一体化し、当該走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能としたものとすることができる外、複数本の保護棒を格子状に組み合わせたものや、鋼板に多数のパンチング孔を穿孔し、透視可能な枠状としたものなどとすることが可能である。
天面防護枠の取付部は、この考案の車両走行装置用防護装置を、車両走行装置に安全確実に固定可能とする機能を分担し、車両走行装置の車体および/または車体に一体的に固定した不動適所に固定可能なものとしなければならず、車体および/または車体に一体的に固定した不動適所に始めから一体化したものや、熔接や接着などによって一体化したものとすることができる外、嵌合、ボルト・ナット、その他の着脱機能をもって装着したものとすることができ、後述する実施例に示すように、走行装置に既存のネジ孔などを利用してボルト結合可能なものとすることができ、走行装置用の側面防護板に一体化したものとすることが可能であり、前記保護棒は、人や他物などが走行装置の上部包囲範囲に近づきすぎるのを阻止可能とする機能を分担し、人が乗っても容易には変形しない程度に、充分な強度を確保したものとしなければならず、金属製、ガラス繊維強化樹脂製、炭素繊維強化樹脂製などの棒状またはパイプ状のものとするのが望ましく、後述する実施例に示すように、左右側面防護板間に、複数本の保護棒を横架・一体化したものとするのがよい。
側面防護板は、走行装置の左右がわ側面の少なくとも外がわ配置となる側面適所を包囲し、人や他物が近づき過ぎるのを阻止可能とする機能を担い、走行装置の周囲に接近した作業員などの接触によって容易に変形や破損しない程度に充分な強度を有するものとしなければならず、金属製、ガラス繊維強化樹脂製、炭素繊維強化樹脂製などとし、必要に応じて取付部を兼ねたものとすることができ、後述する実施例に示すように、車両走行装置の走行方向左右両側面適宜範囲を包囲可能とし、同走行装置の不動適所への取付部を兼ねた左右側面防護板とし、同左右側面防護板間に、複数本の保護棒を横架・一体化し、当該走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠を設けたものとすることが可能である。
進行面防護枠は、天面防護枠よりも走行装置の前後がわとなる面との間に適宜間隙を確保し、同走行装置の円滑駆動の妨げとならないよう、同走行装置の前後がわとなる面の適宜範囲を包囲すると共に、同走行装置周囲や近傍の路面状態などを目視確認出来る程度に透視可能な視野を確保できるようにする機能を分担し、天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能なものとし、同走行装置の前後がわに接近し過ぎた人や物などが、走行装置に接触するのを阻止可能なものとしなければならず、金属製、ガラス繊維強化樹脂製、炭素繊維強化樹脂製などとすることができ、後述する実施例に示すように、前後端の少なくとも何れか一方に、掬い上げ湾曲形とした左右腕間に複数本の保護棒を横架・一体化してなり、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとすることができる外、複数本の保護棒を格子状に組み合わせたものや、鋼板に多数のパンチング孔を穿孔し、透視可能な枠状のものとすることができ、各保護棒は、天面防護枠に設けるものと同様の素材製とすることができ、一部を屈伸機構の水平軸を兼ねるものとすることが可能である。
屈伸機構は、天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに対し、進行面防護枠を折り畳みおよび/または伸縮可能に連結する機能を分担し、表現を変えると、走行装置が段差を乗り越える場合や、傾斜面を登坂する場合、輸送車両に搭載する場合など、進行面防護枠が障害となる場合などに、伸縮および/または折り畳み可能とする機能を担うものということができ、天面防護枠の走行装置前後少なくとも何れか一方端がわに対し、進行面防護枠をスライドやテレスコープ型に組み込み可能とした伸縮機構とすることができる外、後述する実施例に示すよう、天面防護枠の走行装置前後少なくとも何れか一方端がわに対し、進行面防護枠を跳ね上げるよう折り畳み可能とする水平軸を有すると共に、進行面防護枠の支持角度を、最下垂下状支持姿勢から跳ね上げ状折り畳み収納姿勢間の、複数角度姿勢に段階的または無段階的に変更・仮固定可能な姿勢仮固定器を、該水平軸および/または天面防護枠と進行面防護枠との間の適所に配してなるものとすることができる外、天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに対し、進行面防護枠を脱着自在に連結可能とする脱着機構に置き換えることができ、さらに、それらの構造を適宜組み合わせて伸縮、折り畳みおよび脱着可能なものとすることなどが可能である。
姿勢仮固定器は、進行面防護枠基端の水平軸周囲に同心状の従動歯車を設け、これに対応する天面防護枠(または側面防護板)の前後少なくとも何れか一方端がわに、該従動歯車に噛合する調節歯車を設け、該調節歯車を外部から回転操作して進行面防護枠の折り畳みまたは展開角度を適宜調節し、該調節歯車をボルトで締め付けるなどして、進行面防護枠の支持姿勢を仮固定可能としたものとすることができる、また、油圧や空気圧用の各種ポンプやコンプレッサー、それに接続した流体回路、制御弁および流体シリンダーなどにより、進行面防護枠の支持姿勢を遠隔操作可能なものとしたり、天面防護枠(または側面防護板)の前後少なくとも何れか一方端がわに設けた水平軸の周囲に、水平貫通孔を周回り点在状に複数個穿設し、進行面防護枠基端の水平軸の周囲に、周回り点在状に配した複数個の水平ネジ孔を穿孔し、天面防護枠(または側面防護板)に対して進行面防護枠を所望の角度姿勢に折り畳みまたは展開し、所望の角度姿勢にて同心上に一致させた水平貫通孔および水平ネジ孔に固定ボルトを螺合して仮固定可能なものとしたりすることができる。
また、姿勢仮固定器は、後述する実施例に示すように、進行面防護枠左右各腕基端の軸孔(水平軸)周囲に、周回り所定角度置き毎点在するよう複数個の水平貫通孔を穿設したフランジ部を夫々一体に設ける一方、それに対応する天面防護枠内外がわ側面防護板先端の水平軸近傍適所に水平孔を穿孔し、各左右外壁面に、各水平孔に同心状となるようナット(水平ネジ孔)を夫々設けた上、左右腕基端間がわからか、内外がわ側面防護板の左右外がわからかの何れか一方から固定ボルトを夫々螺着し、当該天面防護枠先端に対する、進行面防護枠の支持姿勢を任意角度姿勢に仮固定可能なものとすることができる。
進行面防護枠が、最下に垂下支持した場合、走行装置接地面から同進行面防護枠先端までの高さ寸法を50mm未満にすると、自走型路面切削機械の場合などに、荒れた路面の起伏に接触してしまい安全な自走を妨げてしまう虞があり、また、200mmを超えると、人や他物の接近を阻止できなくなる虞があるから、50mm以上200mm以下に設定するのが望ましく、また、走行装置の前後相対面から進行面防護枠先端までの間隔を100mm未満にすると、回転する走行装置自体や、走行装置表面の付着物(アスファルト片や砕石、土、泥など)に接触してしまう可能性があり、300mmを超えると、進行面防護枠の前後方法への張り出しが大き過ぎて、反って作業の邪魔になる可能性があるため、100mmないし300mmの間隔を隔てるよう設定してなるものとするのが望ましい。
この考案の車両走行装置用防護装置は、タイヤ装輪または無限軌道装軌何れか一方の走行装置を有する自走型建設機械の走行装置に装着することが可能であり、タイヤ装輪は、金属製車輪や、その外の装輪車両に置き換え可能であり、自走型建設機械は、例えば、各種ブルドーザ、モータスクレーパ、被牽引式スクレーパ、モータグレーダ、クローラー式油圧ショベル、トラクタショベル、各種掘削機械、ダンプトラック、各種運搬機械、油圧式トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、クローラークレーン、路盤工事機械、舗装路盤補修用機械、ロードスタビライザー、締め固め用機械、ロードローラー、タイヤローラー、自走式タンピングローラー、振動ローラー、法面固め機、ハンドガイドローラー、クローラードリル、ドリルジャンボ、自在断面掘削機、パイルドライバー、低騒音・低振動建設機械、アースオーガ、穿孔機、アースドリル、ポータブルクラッシングプラント、トラックミキサー、コンクリートポンプ車、コンクリート吹付機、バイブロリーチ、振動目地切機、アスファルトフィニッシャ、アスファルトデストリビューター、ロードスイーバー、ロータリー除雪機、スノーローダー、トラック式高所作業車、チッパー、ポータブルコンプレッサー、その他の自走型建設機械の走行装置とすることができる。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この考案の車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械およびに自走型路面切削機械の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
この考案の車両走行装置前方用防護装置を示す斜視図である。 分解した車両走行装置前方用防護装置を示す斜視図である。 走行装置前後に装着した前後防護装置を示す側面図である。 前方外がわの側面防護板を示す側面図である。 前方用天面防護枠を示す平面図である。 内がわの前方用側面防護板を示す三面図である。 進行面防護枠を示す正面図および側面図である。 走行装置に装着した前方用防護装置を示す正面図である。 走行装置後方用天面防護枠を示す平面図である。 内がわの後方用側面防護板を示す側面図である。 走行装置に装着した後方用防護装置を示す正面図である。 走行装置の周囲に接近する作業員を示す側面図である。 屈伸機構の動作を示す側面図である。 屈伸機構の動作を示す側面図である。
図1ないし図14に示す事例は、車両7走行装置71の不動適所73に固定可能な取付部30を有し、同走行装置71の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置71接地面幅Wを包囲可能とする天面防護枠2、および、該天面防護枠2の同走行装置71の前後少なくとも何れか一方端がわに屈伸機構4を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置71の前後相対面を、同接地面幅Wに渡って同接地面上所定高さ位置Hまで包囲可能な進行面防護枠6を設けてなるものとした、この考案の車両走行装置用防護装置、および該防護装置を装着してなる自走型路面切削機械における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この考案の車両走行装置用防護装置1は、自走型建設機械である自走型路面切削機械7の無限軌道型の前後左右の各走行装置71,71,……の最前部と最後部とに装着するようにした事例(図示していないが、走行装置71毎の前後装着事例を除外するものではない。)のもので、個々の走行装置71の前部には前部用の防護装置1、後部には後部用の防護装置1を夫々、取付けの向きや取付け位置に応じて装着可能なものとしてあり、図3に示すように、各無限軌道型走行装置71は概略、車体70走行装置71クローラーフレーム72の脚部73後端に起動輪74およびその駆動源75、同前端に遊動輪76を設け、起動輪74および遊動輪76の周囲に、複数枚の履板を無端状に連ねた所定接地面幅Wの履帯77を巻掛け、該駆動源75が起動輪74およびそれに巻き付く履帯77を回転駆動させて前進および後進に切り換え走行可能なものとしてある。
図1ないし図8に示すように、前部用の防護装置1は、各走行装置71の左右上がわ内外側面に対峙するよう配置可能な厚さ9mmの左右側面防護板3,3を有し、図4に示すように、左右方向(履帯77接地面幅W方向)外がわ配置となる側面防護板3は、遊動輪76およびそれに巻き付く履帯77の周囲対応範囲を覆い隠すよう、先端がわ上縁を下向きに湾曲させた曲線輪郭形とした鋼板製であって、左右方向外がわ配置となる側面防護板3の後端下部付近の内側面に、鋼板製の取付部30を兼ねた所定厚さのスペーサー30を、同図4中に破線で示すよう、重ね合わせ状に挟み込み、走行装置71脚部73左右方向外壁面に複数個有る既存のネジ孔78,78,……に一致する取付孔31,31,31を穿設し、着脱自在にボルト結合可能なものとし、且つ、同外がわ側面防護板3の上端縁に沿う前後に渡り、前後端間に適宜等間隔を隔てた合計4箇所夫々に貫通孔32,32,……を穿設したものである。
図6に示すように、左右方向(履帯77接地面幅W方向)内がわ配置となる側面防護板3は、遊動輪76およびそれに巻き付く履帯77の周囲対応範囲を覆い隠すよう、先端がわ上縁を下向きに湾曲させた曲線輪郭形とした鋼板製であって、左右方向内がわ配置とする側面防護板3の後端および前後中途適所に、鋼板製の取付部30となるブラケット30,30を夫々垂下状一体化したものとし、走行装置71脚部73左右方向内壁面に複数個有る既存のネジ孔78,78,……に一致する取付孔31,31,……を穿設し、着脱自在にボルト結合可能なものとし、且つ、同内がわ側面防護板3の上端縁に沿う前後端間に渡り、前記外がわ側面防護板3の各貫通孔32,32,……に対峙し、互いに同心状配置となる合計4箇所に貫通孔32,32,……を穿設し、それら内外がわ側面防護板3,3の対峙させた各貫通孔32,32,……間に、当該走行装置71履帯77の接地面幅Wを上回る長さ寸法とした、合計4本の配管用炭素鋼鋼管(SGPΦ27.2mm)製保護棒20,20,……の端部を夫々貫通状に嵌合させて横架し、図2および図5に示すように、平面視梯子状の天面防護枠2とし、後方配置の3本の保護棒20,20,29を内外がわ側面防護板3,3に熔接一体化し、最先端に位置する1本の保護棒20のみ、屈伸機構4の水平軸40を兼ねるものとして、熔接せず、脱抜自在に仮固定したものとする。
図1、図2および図7に示すように、進行面防護枠6は、円弧状掬い上げ湾曲形とした厚さ9mmの鋼板製、左右腕60,60の各基端に、屈伸機構4の水平軸40に回転自在に装着可能な軸孔41を穿設し、各同先端に、互いに同心状配置となる貫通孔61,61を穿設し、それら左右腕60,60の対峙させた貫通孔61,61間に、接地面幅Wを僅かに上回る長さ寸法とした配管用炭素鋼鋼管(SGPΦ27.2mm)製保護棒20の端部を夫々貫通状に嵌合・熔接し、同左右腕60,60の左右方向外壁間寸法を、前記内外がわ側面防護板3,3対峙壁面間距離より僅かに狭く設定した平面視凹字形のものとし、当該天面防護枠2先端の屈伸機構4の水平軸40に、該進行面防護枠6左右腕60,60各基端の軸孔41,41を回転自在に装着し、天面防護枠2先端に対し、進行面防護枠6を跳ね上げ状に折り畳み可能、且つ、垂下状に展開可能に連結したものとしてある。
図1ないし図8に示すように、屈伸機構4には姿勢仮固定器5が一体化しており、該姿勢仮固定器5は、進行面防護枠6左右腕60,60基端に、その軸孔41(水平軸40)周囲に、周回り所定角度置き毎点在するよう複数個の水平貫通孔50,50,……を穿設したフランジ部62,62を夫々一体に設ける一方、それに対応する天面防護枠2内外がわ側面防護板3,3先端の水平軸40の前後何れか一方がわに、水平に並ぶ近傍適所には、水平孔を穿孔し、各左右外壁面に、各水平孔に同心状となるようナット(水平ネジ孔)51,51を夫々熔接、一体化した上、左右腕60,60基端間がわからか、内外がわ側面防護板3,3の左右外がわからかの何れか一方から図示しない固定ボルトを夫々螺着し、当該天面防護枠2先端に対する、進行面防護枠6の支持姿勢を任意選択した角度姿勢に仮固定可能なものとし、図3に示すように、進行面防護枠6が、最下に垂下支持した場合、走行装置71履帯77接地面から同進行面防護枠6先端までの高さ寸法Hを50mm以上200mm以下である165mmに設定し、且つ、走行装置71履帯77の相対面から100mmないし300mmである200mmの前後間隔Dを隔てるよう設定してなるものとした。
図9ないし図11に示すように、後部用の防護装置1は、基本的に前述した前部用防護装置1と前後対称形状のものとしてあり、車体(図3中の70)走行装置(図3中の71)の取付け部分となる既存ネジ孔78,78,……位置などに応じて、図10に示すよう、側面防護板3の先端部分などを適宜対応する形状のものとしたり、適宜厚さ寸法のスペーサー30を組み合わせたりした上、対応箇所夫々に取付孔31,31,……を穿設したものとする。
図3、図8、図11ないし図14に示すように、以上のような前後左右用各防護装置1,1,……は、自走型建設機械7である自走型路面切削機械7車体70の前後左右の各走行装置71,71,……に対し、各前後に着脱自在に装着し、図12中に示すように、自走型路面切削機械7車体70の前後や、前部走行装置71と路面切削装置79との間、および、路面切削装置79と後部走行装置71との間などに接近するオペレーターや交通誘導員などの作業員Pと、前後各走行装置71,71前後間との間に介在するよう組み込むものとしてある。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの考案の車両走行装置用防護装置1は、図1ないし図11に示すように、天面防護枠2左右内外がわ側面防護板3,3の上がわ縁部の輪郭形状を、車両7無限軌道装軌走行装置71の前後端上部輪郭形状に沿って湾曲した形状のものとしてあるから、不要に大型化することなく、一段と軽量コンパクトなものとすることができる上、図1および図3に示すように、進行面防護枠6の左右腕60,60を側面視、掬い上げ湾曲形としたことによって走行装置71が、例えば同図3中の白抜き矢印方向に低速走行し、進行方向直前に立つ作業員(図示せず)が誤って進行面防護枠6に接触した場合に、同作業員が速やかに回避することにより、危険を回避することができ、さらに、作業員が即座に退避できなかった場合にも、先端を所定高さ位置Hに垂れ下げ姿勢とした進行面防護枠6が、路面との高低差を165mmに確保し、進行面防護枠6および天面防護枠2が履帯77接地面幅Wに渡って包囲してあるから、人などを巻き込むのを確実に阻止し、進行面防護枠6左右腕60,60およびその間に横架した保護棒20,20(40)上に作業員を掬い上げるようにして上方または車両7の左右外がわに排除するものとなり、特に、路面切削作業中は極低速走行となる自走型路面切削機械などにおいて非常に有効な安全性を発揮するものとなる。
加えて、図3に示すように、先端を垂れ下げ姿勢とした進行面防護枠6先端と、走行装置71履帯77前端との前後間隔Dを200mmとしてあるから、進行方向直前に立つ作業員(図示せず)が、その脚部に該進行面防護枠6先端が触れたことに気づいてから、走行装置71履帯77前端が作業員の立ち位置まで到達するのに充分な回避時間を確保でき、安全に避難することができ、図12に示すように、自走型路面切削機械7の全ての無限軌道装軌走行装置71,71,……の前後夫々に、この考案の車両走行装置用防護装置1を組み込むことにより、各走行装置71,71,……の前後、および、前後走行装置7171,71,……と路面切削装置79との間などに進入して操作する作業員P,P,……を、格段に安全に保護することができるという秀れた効果を奏するものとなる。
そして、同図3の円弧状実線矢印に示すように、車両走行装置用防護装置1は、屈伸機構4によって天面防護枠2に対して進行面防護枠6を、水平軸40回りに折り畳みおよび展開操作可能となり、しかも姿勢仮固定器5固定ボルト(図示せず)の螺解により、進行面防護枠6を任意の角度姿勢に変更することができ、同固定ボルト(図示せず)を螺合するだけで、所望する角度姿勢に仮固定することができるから、図13に示すように、切削撤去した舗装版厚さ寸法hが、砕石路盤面から200mmの厚さとなり、自走型路面切削機械7がその段差を乗り越えようとする場合、進行面防護枠6を上向き円弧上矢印方向に跳ね上げて折り畳み仮固定し、段差を乗り越えた後に、進行面防護枠6を下向き円弧上矢印方向に垂れ下げ状に展開して仮固定支持するようにして、支障なく走行させることができ、また、図14の円弧状実線矢印に示すように、自走型路面切削機械7を、輸送車両8乗降用道板80を登坂したり、降ろしたりする場合にも、進行面防護枠6を折りたたみ、安全かつ支障なく昇降させることができる。
(結 び)
叙述の如く、この考案の車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械およびに自走型路面切削機械は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの監視カメラや各種センサーなどを組み込む技術などに比較して遥かに低廉化して経済的なものとすることができる上、車両走行装置の必要にして最低限の範囲に、充分な強度をもって装着可能とし、軽量且つ小型にして、より確実な安全性を確保できるものとし、高い耐久強度をもって破損し難く、信頼性に富み、建設機械のような大型車両の走行装置に近づき、危険な作業を日々行わなければならない、作業員や誘導員などの作業安全性を大幅に改善し得るものとなることから、従前から安全意識を高めたり、集中力を高く維持したりといった地道な努力によって工事作業中の安全を確保しなければならない作業員はもとより、安全性と作業効率とを両立したいと考える建設業界や建築業界、および、建設機械を製造・提供する建設機械業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 車両走行装置用防護装置(前部用防護装置、後部用防護装置)
2 天面防護枠
20 同 保護棒
3 側面防護板
30 同 取付部(スペーサー、ブラケット)
31 同 取付孔
32 同 貫通孔
4 屈伸機構
40 同 水平軸
41 同 軸孔
5 姿勢仮固定器
50 同 水平貫通孔
51 同 ナット(水平ネジ孔)
6 進行面防護枠
60 同 腕
61 同 貫通孔
62 同 フランジ部
H 所定高さ位置
D 前後間隔
7 車両(自走型建設機械、自走型路面切削機械)
70 同 車体
71 同 走行装置
72 同 クローラーフレーム
73 同 脚部(不動適所)
74 同 起動輪
75 同 駆動源
76 同 遊動輪
77 同 履帯
78 同 ネジ孔
79 同 路面切削装置
W 接地面幅
P 作業員
h 舗装版厚さ
8 輸送車両
80 同 乗降用道板

Claims (8)

  1. 車両走行装置の不動適所に固定可能な取付部を有し、同走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとしたことを特徴とする車両走行装置用防護装置。
  2. 車両走行装置の不動適所に固定可能な取付部を有し、同走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設け、走行装置に接近し過ぎた人、動物、物品などの巻き込みを防止可能としてなるものとしたことを特徴とする車両走行装置用防護装置。
  3. 車両走行装置の走行方向左右がわ側面の少なくとも外がわに露出する側面適宜範囲を包囲可能とし、同走行装置の不動適所への取付部を兼ねた側面防護板、該側面防護板に一体化し、当該走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとしたことを特徴とする車両走行装置用防護装置。
  4. 車両走行装置の走行方向左右両側面適宜範囲を包囲可能とし、同走行装置の不動適所への取付部を兼ねた左右側面防護板、同左右側面防護板間に、複数本の保護棒を横架・一体化し、当該走行装置の上部適所から、走行方向の前後少なくとも何れか一方端寄りに至る、同走行装置接地面幅を包囲可能とする天面防護枠、および、該天面防護枠の同走行装置の前後少なくとも何れか一方端がわに、折り畳みおよび/または伸縮可能な屈伸機構を介して連結し、同前後端の少なくとも何れか一方に、掬い上げ湾曲形とした左右腕間に複数本の保護棒を横架・一体化してなり、同走行装置の前後相対面を、同接地面幅に渡って同接地面上所定高さ位置まで包囲可能な進行面防護枠を設けてなるものとしたことを特徴とする車両走行装置用防護装置。
  5. 屈伸機構が、天面防護枠の走行装置前後少なくとも何れか一方端がわに対し、進行面防護枠を跳ね上げるよう折り畳み可能とする水平軸を有すると共に、進行面防護枠の支持角度を、最下垂下状支持姿勢から跳ね上げ状折り畳み収納姿勢間の、複数角度姿勢に段階的または無段階的に変更・仮固定可能な姿勢仮固定器を、該水平軸および/または天面防護枠と進行面防護枠との間の適所に配してなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の車両走行装置用防護装置。
  6. 進行面防護枠が、最下に垂下支持した場合、走行装置接地面から同進行面防護枠先端までの高さ寸法を50mm以上200mm以下に設定し、且つ、走行装置の前後相対面から100mmないし300mmの間隔を隔てるよう設定してなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の車両走行装置用防護装置。
  7. タイヤ装輪または無限軌道装軌何れか一方の走行装置を有する自走型建設機械であって、その走行装置に、請求項1ないし6何れか一項記載の車両走行装置用防護装置を装着してなる自走型建設機械。
  8. タイヤ装輪または無限軌道装軌何れか一方の走行装置を前後左右に有し、それら前後走行装置間に、路面切削装置を装備した自走型路面切削機械であって、前後左右各走行装置の全部か、または必要箇所かの何れか一方に、請求項1ないし6何れか一項記載の車両走行装置用防護装置を装着してなる自走型路面切削機械。
JP2013001849U 2013-04-02 2013-04-02 車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械 Expired - Lifetime JP3184118U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001849U JP3184118U (ja) 2013-04-02 2013-04-02 車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013001849U JP3184118U (ja) 2013-04-02 2013-04-02 車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3184118U true JP3184118U (ja) 2013-06-13

Family

ID=50428017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013001849U Expired - Lifetime JP3184118U (ja) 2013-04-02 2013-04-02 車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3184118U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114808710A (zh) * 2022-04-11 2022-07-29 钟敬凤 一种桥梁施工用混凝土快速灌注装置及其使用方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114808710A (zh) * 2022-04-11 2022-07-29 钟敬凤 一种桥梁施工用混凝土快速灌注装置及其使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8579363B2 (en) Rollover protection cab
US7125198B2 (en) Mobile work zone protection device
WO1997044233A1 (en) Access platform system for earth-moving machinery
US8109692B2 (en) Barrier transfer device, system and method for the use thereof
US8784007B2 (en) Apparatus for covering a land area with a heavy wide width flexible sheeting
US5054958A (en) Apparatus to prepare a road surface
US20150136523A1 (en) Torsion plate for ladder
WO2015175191A1 (en) Deployable safety apparatus
JP3184118U (ja) 車両走行装置用防護装置、それを利用した自走型建設機械および自走型路面切削機械
Tanaka et al. A mobile jack robot for rescue operation
US20090243383A1 (en) Conversion kit for a tracked vehicle to ride on tires
JP6214992B2 (ja) 飛散防止装置およびこれを備えた作業車両ならびに飛散防止方法
JP2022085194A (ja) 作業機械
RU73323U1 (ru) Аварийно-ремонтное средство для работы на слабонесущих грунтах
EP3401446B1 (en) Multi-purpose work machine
CN214524141U (zh) 一种小型履带设备移动装置
JP3499779B2 (ja) トンネル工事用プロテクタおよび設備
KR100713864B1 (ko) 이동중인 무한궤도상의 이물질 제거장치
JP6465531B1 (ja) 落下防止柵およびそれを用いた開削工事方法
JPH06254429A (ja) 路上走行可能な破砕プラント車
JP3136769U (ja) 自走式散水装置
RU2325576C2 (ru) Способ выполнения строительных работ при сооружении трубопроводов на продольных уклонах и платформа для этих целей
AU718425B2 (en) Access platform system for earth-moving machinery
JP3153704U (ja) 重機類の巻込み事故防止用保護バンパー
KR20120014620A (ko) 휠 타입 굴삭기용 타이어의 이물질 끼임 방지장치

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3184118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term