JP3183887U - 電磁波シールドの貼り付けシート - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯電話機のような小型電子機器の筐体表面などに貼着すると、該機器から発生する電磁波を低減し且つマイナスイオンを発生して健康増進および消臭にも寄与する電磁波シールドの貼り付けシートを提供する。
【解決手段】貼り付けシートは、適宜の着色や模様付けが可能である表面樹脂層と、鉱石・金属粉末を樹脂に練り込んでいる粉体含有層と、電磁波を遮蔽する薄金属層と、感圧系接着剤からなる粘着層とからなり、該粉体含有層には少なくとも放射性の鉱物粉末を含んでいる。
【選択図】図1
【解決手段】貼り付けシートは、適宜の着色や模様付けが可能である表面樹脂層と、鉱石・金属粉末を樹脂に練り込んでいる粉体含有層と、電磁波を遮蔽する薄金属層と、感圧系接着剤からなる粘着層とからなり、該粉体含有層には少なくとも放射性の鉱物粉末を含んでいる。
【選択図】図1
Description
本考案は、携帯電話機のような小型電子機器の筐体表面などに貼着すると、該機器から発生する電磁波を低減し且つマイナスイオンを発生して健康増進および消臭にも寄与する電磁波シールドの貼り付けシートに関する。
電磁波は、身近にある携帯電話機、家電製品、OA機器、送電線などから日々大量に放射され、この電磁波が人体に有害であることが永年研究されている。この研究の報告例では、脳腫瘍、白血病、小児癌、肺がん、乳がん、睾丸腫瘍のような悪性腫瘍や流産、早産、子宮筋腫、精子減少、白内障、痴呆症、アルツハイマーの遠因となり、さらに慢性疲労、ストレス、吐き気、不眠、頭痛、生理不順などの電磁波障害症候群を誘発するという研究報告も公表されている。
携帯電話機などの小型電子機器から放射される電磁波をシールドするには、その機器本体または機器ケースに電磁波防止シートを貼着することが多く、この種のシートまたはフィルムが数多く提案されている。一例として、特開2007−13068号は、リーダ(読み込み機)からICカードの情報を搾取するスキミングという違法行為の防止対策に使用する電磁波防止シートを提案しており、該電磁波防止シートでは、プラスチック基材の上にカーボンフライト層を設け、さらにアルミニウム層を積層する。
特開2008−219308号では、表示画面部を設けた側の筐体表面に貼り付ける携帯端末貼付シートを提案し、該貼付シートは、表示画面部に重ね合わせる覗き見防止部と、該覗き見防止シートの周囲を囲繞する電磁波防止部とを備えている。この貼付シートは、基材シートに、電磁波防止フィルムと覗き見防止フィルムと粘着層とを順に積層・接着して一体化されている。電磁波防止フィルムは、電磁波を遮蔽する通信波遮蔽部材で形成され、具体的には、アルミニウム、銅、銀などの金属または炭素やケイ素などの吸収剤を樹脂に混入した部材で形成している。
また、繊維製品用の特開2005−304859号は、電磁波のシールドを目的としないけれども、マイナスイオンを発生する多層不織布の機能シートに関し、モナザイト(モナズ石)などの天然放射性物質を含む放射性粉末を光触媒粉末とともに複数枚の不織布間で挟持する。特開2005−304859号で得た機能シートは、マイナスイオンを発生するとともに、優れた血行促進に加えて有害物質の分解などの効果があり、マイナスイオンを生成することで電磁波を吸着・阻止することが可能ではあっても、そのシールド作用は小さいものと推定できる。
前記の電磁波防止シート類は、携帯電話機などの小型電子機器から放射される電磁波を遮蔽できるとしても、いずれの製品も電磁波を遮蔽できる値が十分でなく、シート購入金額を支払ってまで携帯電話機に貼着する価値が殆どない。この種の電磁波防止シート類は、容易に確認できる程度の電磁波を遮蔽することを要するうえに、多機能でしかも装飾性を兼ね備えていなければ購入者を獲得することが難しい。
多機能の点に関し、特開2005−304859号の機能性シールは、添加の放射性物質がモナザイトであれば、該モナザイトが放射線(γ線)を放出し、γ線が空気中の分子と衝突してマイナスイオンを生成するので、プラスイオンを発生する電磁波を吸着する可能性がある。さらに、低レベルの放射線照射およびマイナスイオンの発生により、機能性シートを身体に貼着して使用する場合には肩こりや冷え性などを改善でき、健康促進効果、リラクゼーション効果および抗菌・防臭効果などを得る。
特開2005−304859号に関して、放射性物質であるモナザイト粉末は、マイナスイオンを生成して多少の電磁波を吸着することが可能ではあっても、電磁波のシールド作用自体は小さく、それ単独または光触媒粉末と併用しても電磁波防止シートとしては役に立たない。また、特開2005−304859号の機能性シートは、放射性粉末および光触媒粉末を複数枚の不織布間で挟持するため、持ち運びの多い電子機器の表面に貼着すれば、永年の間に放射性粉末が不織布の絡合繊維間から脱離するおそれがあるため、電磁波防止シートとして使用することはなく、該シートを布状のまま所定の形状に裁断して縫製や接着することにより、繊維製品として用いるのが一般的である。
本考案は、従来の電磁波防止シート類に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、小型電子機器の筐体表面などに貼着することにより、該機器からの発生電磁波および空中に飛散する電磁波を効果的に遮蔽する貼り付けシートを提供することを目的としている。本考案の他の目的は、同時にマイナスイオンを効果的に発生することで健康増進に寄与する電磁波シールドの貼り付けシートを提供することである。本考案の別の目的は、同時に消臭効果を有することにより、夏季に携帯電話機などを長時間握っていても汗臭くなることを防ぐ電磁波シールドの貼り付けシートを提供することである。
本考案に係る貼り付けシートは、小型電子機器の筐体表面などに貼着すると発生電磁波を遮蔽するとともにマイナスイオンを放出する。この貼り付けシートは、適宜の着色や模様付けが可能である表面樹脂層と、鉱石・金属粉末を樹脂に練り込んでいる粉体含有層と、電磁波を遮蔽する薄金属層と、感圧系接着剤からなる粘着層とからなり、該粉体含有層は少なくとも放射性の鉱物粉末を含んでいる。放射性の鉱物粉末は、モナザイト、ラジウム鉱石、ウラン鉱石、ジルコン鉱石、タングステン鉱石または重晶石の粉末であると好ましい。
本考案に係る貼り付けシートにおいて、粉体含有層における鉱石・金属粉末として、モナザイト粉末を含み、さらに遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末のうちの1種または2種を含んでいる。この鉱石・金属粉末として、モナザイト粉末60〜75%、遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末うちの1種または2種を25〜40%有すると好ましい。
本考案の貼り付けシートでは、モナザイト粉末などの放射性の鉱物粉末を粉体含有層に添加する。放射性の鉱物粉末において、天然放射性物質であるトリウムの含有量を貼り付けシートの総重量に対して2.0重量%以下とすることにより、その放射線量を放射線障害防止法の適用範囲外である固体中濃度370Bq/g以下とすることを要する。
本考案に係る貼り付けシートは、電磁波を遮蔽する薄金属層の上に粉体含有層が存在し、該粉体含有層にはモナザイトなどの放射性の鉱物粉末に加え、遠赤外線発生のケイ石粉末などを樹脂に練り込む。本考案の貼り付けシートは、薄金属層で電磁波を遮蔽するとともに、粉体含有層において、遠赤外線発生のケイ石粉末などが放射性の鉱物粉末からの微弱放射線を受けることにより、本来から発生するマイナスイオンがいっそう強まり、放射性鉱物自体から発生するマイナスイオンとともに、薄金属層で遮蔽された電磁波を効果的に吸着する。本考案の貼り付けシートにおいて、放射性の鉱物粉末および遠赤外線発生のケイ石粉末などは樹脂に練り込まれて積層されるので、永年貼着されていてもシートから脱離することはない。
本考案の貼り付けシートは、小型電子機器の筐体表面に貼着するだけでなく、空中飛散の電磁波を阻止するために、適宜の大きさに裁断して帽子内側や衣類前面に貼り付けてもよい。本考案の貼り付けシートは、被貼着物の模様や形状に対応させて表面樹脂層に適宜の着色や模様付けを施して美観を高めている。本考案の貼り付けシートは、液晶表示部を避けて小型電子機器の表面または裏面に貼着し、発生電磁波および空中飛散の電磁波を効果的にシールドする。本考案の貼り付けシートは、マイナスイオンや遠赤外線を発生することで健康増進に寄与する。また、本考案の貼り付けシートは、同時に消臭効果を有することにより、夏季に携帯電話機などを長時間握っていても汗臭くなることを防ぐ。
本考案に係る貼り付けシート1は、図1に示すように、適宜の着色や模様付けを施した表面樹脂層2を有し、該樹脂層の下に、鉱石・金属粉末を樹脂に練り込んでいる粉体含有層3と、薄金属層4と、粘着層5とを順次積層する。実際には、薄金属層4の上に粉体含有層3を積層し、該粉体含有層と表面樹脂層2とを接着剤で接着するとともに、薄金属層4の裏面に粘着層5を有する離型フィルム6を貼着する。貼り付けシート1は、小型電子機器などの用途に応じて大きさや平面形状を定める。
貼り付けシート1において、表面樹脂層2は、用途に応じて厚さが30〜200μm程度の市販のポリエステル、アクリル、ポリオレフィン樹脂などである。この際に、表面樹脂層2の厚さが30μm未満であると、シート全体の強度が低下し且つシート全重量に対してトリウムとウランの含有量が2.0重量%を超えやすく、一方、厚さが200μmを超えると筐体表面に凹凸や曲げがある場合に剥がれやすくなる。表面樹脂層2は、携帯電話機7(図2)、スマートフォン、ノート型パソコンなどの筐体表面の形状や図柄に対応させて白色、黒色または有彩色の適宜の着色や模様付けを施し、小型電子機器例えば携帯電話機7(図2)の筐体表面に貼着すると美観を高める。
粉体含有層3には、放射性の天然鉱物粉末に加えて、遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末のうちの少なくともいずれかを樹脂に練り込むと好ましい。放射性の天然鉱物粉末としては、モナザイト、ラジウム鉱石、ウラン鉱石、ジルコン鉱石、タングステン鉱石または重晶石などが例示でき、一般的には生産量やコストの点でモナザイト粉末であると好ましい。
粉体含有層3において、鉱石・金属粉末を練り込む樹脂はアクリル、ポリエステル、ポリオレフィン樹脂などであり、厚さは50〜120μm程度である。この際に、粉体含有層3の厚さが50μm未満であると、所定量の鉱石・金属粉末の含有比率が高くなってシート全体の強度が低下し、一方、厚さが120μmを超えるとシート全重量についてトリウムとウランの含有量を2.0重量%以下にしにくい。
粉体含有層3に含まれる放射性の鉱物は、代表的にはモナザイトである。この鉱石・金属粉末として、例えば、モナザイト粉末以外に、遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末のうちの1種または2種を添加するならば、全粉末量に対してモナザイト粉末60〜75%と、ゲルマニウム粉末、遠赤外線発生のケイ石粉末および/またはブラックシリカ粉末25〜40%とを含有すると好ましい。モナザイト粉末の量が粉末全量の60%未満であると、微弱放射線がゲルマニウム粉末、ブラックシリカ粉末またはケイ石粉末のマイナスイオン発生に影響を及ぼしにくく、一方、75%を超えると、放射線障害防止法を適用される可能性が大きくなる。
また、粉体含有層3には、モナザイト粉末以外に、遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末をすべて添加してもよい。この場合には、鉱石・金属粉末として、放射性の鉱物粉末50〜75%、ゲルマニウム粉末7〜20%、遠赤外線発生のケイ石粉末10〜25%、ブラックシリカ粉末3〜10%を含有する。この際に、モナザイト粉末の量が粉末全量の50%未満であると、微弱放射線が他の鉱石・金属粉末のマイナスイオン発生に影響を及ぼしにくく、一方、粉末全量の75%を超えると、放射線障害防止法を適用される可能性が高くなる。例えば、ゲルマニウム粉末の量が全粉末の7〜20%であり、ブラックシリカ粉末の量が3〜10%であると、微弱放射線を受けた際に適量のマイナスイオンを放出する。
放射性鉱物であるモナザイトは、モナズ石とも称し、通常、希土類元素のうちでセリウムを最も多く含むので、英名はmonazite−(Ce)であり、化学組成はCePO4と表記する。ペグマタイト、放射性鉱物は、リン酸塩鉱物の一種であって、通常、小さな孤立した結晶として発生し、しばしば砂鉱床で見つかり、花崗岩、片麻岩、砂岩などに含まれる。放射性鉱物の成分分析値は、例えば、セリウム(Ce)51.00%、ランタン(La)26.00%、ネオジム(Nd)15.00%、プラセオジム(Pr)4.00%、サマリウム(Sm)1.8%、ガドリニウム(Gd)1.00%、ユウロピウム(Eu)0.4%、ジスプロシウム(Dy)0.20%、エルビウム(Er)0.20%、テルビウム(Tb)0.10%、イッテルビウム(Yb)0.10%、ホリミウム(Ho)0.10%、トリウム(Th)0.069%、ウラン(U)0.004%、ツリウム(Tm)とルテチウム(Lu)とイットリウム(Y)痕跡からなる。
モナザイトは、トリウムやウランのような放射性物質を含み、放射線(γ線)を放出する。γ線は空気中の分子と衝突してマイナスイオンを生成する。放射性鉱物のマイナスイオン生成は、結晶のねじれに起因する圧電効果あるいは焦電効果によるトルマリンのマイナスイオン生成と異なる。また、ネオジムを最も多く含むネオジムモナザイトは、英名がmonazite−(Nd)、化学組成は(Nd,La,Ce)PO4 と表記する。モナザイトは、スコール(NaFe3B3Al3(AlSi2O9)3(O,OH,F)4)という黒い鉄電気石に入った褐色の結晶であり、トリウムやウランを少量含むために弱い放射能を持ち、モナザイト粉末を詰めた袋に湯を流してラドン温泉を作るのに利用する。ラジウム鉱石、ウラン鉱石、ジルコン鉱石、タングステン鉱石および重晶石についても、モナザイトとほぼ同様の物性を有する。
モナザイト粉末は、天然放射性物質を含むCePO4鉱石を粉砕して得ることができる。放射性の鉱物粉末は、アクリル、ポリエステル、ポリオレフィン樹脂などに練り込んで使用するため、その粒径は、遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末と同様に30〜500μmであると好ましく、粒径が500μmを超えるとマイナスイオンの発生が低下する。ラジウム鉱石、ウラン鉱石、ジルコン鉱石、タングステン鉱石および重晶石についても、モナザイトとほぼ同様に処理する。
モナザイトなどの放射性の鉱物粉末は、γ線を放出してマイナスイオンを生成し、さらに鉄電気石による圧電効果あるいは焦電効果でマイナスイオンの生成も加わる。モナザイトなどの放射性の鉱物粉末は、マイナスイオンの生成によって、プラスイオンを発生する電磁波を単独でもある程度吸着できるけれども、その吸着は携帯電話機用などの電磁波防止シートとしては十分ではない。また、放射性の鉱物粉末を使用する際には、発生する微弱な放射線を確実に捕捉・抑制することも必要であり、このために遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末やブラックシリカ粉末と併用すると好ましい。
モナザイト、ラジウム鉱石、ウラン鉱石、ジルコン鉱石、タングステン鉱石、重晶石は、放射性の鉱物つまり核原料物質であるので、日本での使用にあたっては基本的に「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」による規制を受ける。この核原料物質とは、原子力基本法第3条において、ウラン鉱、トリウム鉱その他の核燃料物質の原料となる物質であって、政令で定めるものをいう。放射性鉱物は、炉規制法第61条の2に基づいて、原則として使用の届出が必要である。ただし、使用の届出を要しないのは、放射能濃度または含有するウランまたはトリウムの数量が所定の限度を超えない核原料物質を使用する場合であり、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令第19条法第61条の2第1項第3号に規定する政令で定める限度は、放射能濃度については74Bq/g(固体状の核原料物質にあっては、370Bq/g)とし、ウランまたはトリウムの数量については、ウラン量に3を乗じて得られる数量あるいはトリウムの量またはこれらを合計した数量で900gと規定する。
前記の放射性の鉱物粉末を粉体含有層3に添加する場合には、貼り付けシート1の全重量についてトリウムとウランの含有量が2.0重量%以下となるように、粉体含有層3中の放射性鉱物含有量および全シート厚を調整する。トリウムとウランの含有量を2.0重量%以下にすれば、得た貼り付けシート1中の放射性物質の濃度を固体で370Bq/g以下に抑えることができる。この結果、本考案の貼り付けシート1は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する政令で定める放射能濃度以下になり、放射線障害防止法の適用範囲外となって取り扱いの際の制約が緩和されて使用の届出を要せず、放射線障害が発生するおそれも生じない。
粉体含有層3は、放射性の鉱物粉末のほかに、遠赤外線発生のケイ石粉末を含んでいると好ましい。例えば、市販のケイ石粉末(円岩盤石開発センター製)は、成分がSiO2(二酸化ケイ素)50.2%、Al2O3(酸化アルミニウム)11.6%、Fe2O3(酸化鉄)6.7%、TiO2(酸化チタン)0.7%、CaO(酸化カルシウム)19.9%、MgO(酸化マグネシウム)7.4%、Na2O(酸化ナトリウム)2.8%、K2O(酸化カリウム)0.3%、MnO(酸化マンガン)0.2%、P2O5(酸化リン)0.1%、Cr2O3(酸化クロム)0.1%、ZrO2(酸化ジルコニウム)痕跡である。このケイ石粉末は、岩盤浴ベッドなどに用いられ、モナザイトなどからの微弱放射線を受けると、遠赤外線およびマイナスイオンを高レベルで発生する。遠赤外線発生のケイ石粉末は、前記のもの以外にも、岩盤浴などで使用される各種の天然鉱石または合成物質が存在する。
また、粉体含有層3は、ゲルマニウム粉末を含んでいてもよい。ゲルマニウム(Ge)は、ゲルマン鉱やレニエ鉱などとして産出し、硫化物鉱石や石炭中に濃縮している場合もある。ゲルマニウムは、鉱石から四塩化物GeCl4として取り出し、蒸留によって精製した後に加水分解する。生成した二酸化物GeO2を水素で還元し、これを帯域溶融法によって精製すると、灰白色でダイヤモンド構造をとる高純度の単体を得る。ゲルマニウムは、空気中では変化せず、高温で二酸化物となり、ダイオードやトランジスターなどの半導体素子としての用途が重要である。
ゲルマニウムは、電子をもつ真性半導体であって電子移動度3900cm2/V・s、正孔移動度1900cm2/V・sであり、環境温度が32℃を超えるとマイナスイオンを放出し、このマイナスイオンが乱れた生体の電子バランスを整えると説明されている。ゲルマニウムは、モナザイトなどからの微弱放射線を受けると、環境温度が32℃以下でもマイナスイオンを放出する。また、ゲルマニウムは、100μm程度の波長の遠赤外線も放出し、最近の研究からゲルマニウム自体が電磁波を熱エネルギーに変換する力もあることなどが明らかになっている。使用するゲルマニウムは、N型ゲルマニウム粉末で純度が99.999以上であることが好ましい。
粉体含有層3には、さらにブラックシリカ粉末を含んでいてもよい。ブラックシリカ粉末(黒鉛ケイ石)とは、北海道などに分布する「泥質頁岩」が地殻変動などによりほどよく粉砕されたものであり、簡単に粉砕して粉末化できるので、以前は近辺の農家が融雪剤として使用していた。ブラックシリカは、ほとんどが石英粒からなる細粒の砂に、少量の非晶質の細粒カーボン(炭粉)を混ぜたものに相当する。
ブラックシリカの成分は、例えば、SiO2(二酸化ケイ素)84.0%、Al(アルミニウム)6.0%、C(炭素)5.8%、TiO2(酸化チタン)1.6%、K2O(酸化カリウム)1.2%、Fe2O3(酸化鉄)0.7%、MgO(酸化マグネシウム)0.6%、SO2(酸化イオウ)0.2%である。ブラックシリカ粉末とは、北海道上ノ国町神明地区に流れる天の川上流の山中から産出される黒鉛ケイ石を意味し、多くの天然ミネラルを含み、遠赤外線およびマイナスイオンを高レベルで放射・発生する。黒鉛ケイ石から放出する遠赤外線により、身体を芯まで温めることが期待され、温泉旅館などでは浴場の壁やタイルの下地、湯の湧出口に使われたりする。ブラックシリカ粉末は、モナザイトなどからの微弱放射線を受けると、遠赤外線およびマイナスイオンをいっそう高レベルで発生する。
貼り付けシート1において、粉体含有層3の下に薄金属層4が存在する。薄金属層4は、アルミニウム層が一般的であるが、銀、鉄または銅層であってもよい。薄金属層4の厚みは10〜200μmであり、厚みが10μm未満であると電磁波のシールド機能が小さく、厚さが200μmを超えるとシート1が硬くなるうえにコスト的に不利である。
貼り付けシート1を製造するには、鉱石・金属粉末を樹脂に練り込んだ粉体含有層3を薄金属層4の上に積層してから乾燥し、該粉体含有層の上に適宜の着色や模様付けを施した表面樹脂層2を接着し、その後に両面粘着テープを貼り付けて粘着層5および離型フィルム6を形成する(図1参照)。貼り付けシート1は、帽子内側や衣類前面への貼り付けなどの用途に応じて、各購入者が自由に裁断できるように大きめの方形で販売しても、または個々の携帯電話機7(図2)やスマートフォン専用に面取りの矩形状に裁断して販売してもよい。汎用の矩形平面である場合には、個々の携帯電話機やスマートフォンの貼り付けに適した裁断用線を離型フィルム6に印刷すると好ましい。
貼り付けシート1は、図2に示すように、離型フィルム6を剥がして携帯電話機7の筐体裏面を覆うように貼着し、可能ならば筐体表面にも貼着することが望ましい。携帯電話機7のカメラ機能やフェリカ(登録商標)機能を使用するならば、その機能を阻害しない大きさのものを貼着するかまたは該当個所を切り抜いて貼着してもよい。
次に、本考案を実施例に基づいて説明するが、本考案は実施例によって限定されるものではない。図1には貼り付けシート1の一例を示し、該シートにおいて表面樹脂層2は、グロスないしマット加工の白色、黒色またはカーボン印画製版の厚さ188μmのポリエステルシートである。粉体含有層は厚さ100μmのアクリル樹脂からなり、全粉末量に対してモナザイト粉末70%と、遠赤外線発生のケイ石粉末30%とを含有する。モナザイト粉末の添加量は、貼り付けシート1の総重量に対して天然放射性物質のトリウムの含有量が2.0重量%以下になるように定める。
得た粉体含有層3を厚さ50μmのアルミニウム層4の上に積層してから、該粉体含有層の上に表面樹脂層2を接着し、さらに両面粘着テープを貼り付けて粘着層5および離型フィルム6を形成する。感圧系接着剤からなる粘着層5は、厚さ100μmである。この積層体を所定の矩形状に裁断すると、貼り付けシート1を得る。粘着層5には、剥がした際に、糊残りの少ない粘着剤を使用する。
得た貼り付けシート1について、電磁波シールド、マイナスイオンおよび遠赤外線の生成および消臭効果についてそれぞれ試験を行い、その試験法について下記で説明する。
1.電磁波シールド試験
大阪府立産業技術総合研究所において、100kHz〜1GHzの周波数についてKEC法(電界)で電磁波シールド効果を測定する(平成25年03−00333)。KEC法は、関西電子工業振興センターが開発した電磁波シールド効果の測定装置を用い、シート状の材料であれば比較的容易にその電磁波シールド効果を測定評価できる。この測定装置には、電界シールド効果評価用と磁界シールド効果評価用との2種がある。電界シールド評価用装置は、TEMセルの寸法配分を取り入れ、その伝送軸方向に垂直な面内で左右対称に分割した構造になっている。但し、測定試料の挿入によって短絡回路が形成されることを防止するために、中心導体の軸方向長さは切断面より2mmだけ短くする。
大阪府立産業技術総合研究所において、100kHz〜1GHzの周波数についてKEC法(電界)で電磁波シールド効果を測定する(平成25年03−00333)。KEC法は、関西電子工業振興センターが開発した電磁波シールド効果の測定装置を用い、シート状の材料であれば比較的容易にその電磁波シールド効果を測定評価できる。この測定装置には、電界シールド効果評価用と磁界シールド効果評価用との2種がある。電界シールド評価用装置は、TEMセルの寸法配分を取り入れ、その伝送軸方向に垂直な面内で左右対称に分割した構造になっている。但し、測定試料の挿入によって短絡回路が形成されることを防止するために、中心導体の軸方向長さは切断面より2mmだけ短くする。
測定結果を図3に示す。この測定結果から判断すると、貼り付けシート1は、電磁波を1GHzにおいて1/1000までシールド可能である。
2.マイナスイオン発生試験
マイナスイオン測定機器として、イオンカウンターEB−12A(エコ・ホリスティック)を用い、測定環境が天候:曇、室温:22℃、湿度41%である室内において貼り付けシート1のマイナスイオンの発生数を測定する。測定時において、この室内のマイナスイオン数は、平均43個/ccであった。測定結果を下記の表1に示す。
マイナスイオン測定機器として、イオンカウンターEB−12A(エコ・ホリスティック)を用い、測定環境が天候:曇、室温:22℃、湿度41%である室内において貼り付けシート1のマイナスイオンの発生数を測定する。測定時において、この室内のマイナスイオン数は、平均43個/ccであった。測定結果を下記の表1に示す。
図4に示すマイナスイオン発生の推移グラフは前記の表1に対応する。前記の表1および図4から、貼り付けシート1において、多量のマイナスイオンを発生することが判明した。この結果、貼り付けシート1を携帯電話機などに長期間貼着すると、プラスイオンを発生する電磁波を吸着・阻止することができ、さらに健康促進効果、リラクゼーション効果および抗菌・防臭効果などを得る可能性がある。
3.消臭能力試験
1枚の貼り付けシート1を9×5.5cmに裁断し、5リットルテドラーバッグに入れ、試験ガスを3リットル注入する。注入後に検知管によって経時的に試験ガスの濃度を測定する。試験ガスは、初期濃度100ppmのアンモニアガスである。その測定結果を下記の表2に示す。
1枚の貼り付けシート1を9×5.5cmに裁断し、5リットルテドラーバッグに入れ、試験ガスを3リットル注入する。注入後に検知管によって経時的に試験ガスの濃度を測定する。試験ガスは、初期濃度100ppmのアンモニアガスである。その測定結果を下記の表2に示す。
図5に示す残留ガス濃度の経時変化グラフは前記の表2に対応する。前記の表2および図5から、貼り付けシート1は、アンモニアガスを多量に吸着することが判明した。この結果、貼り付けシート1を携帯電話機などに長期間貼着すると、夏季に携帯電話機を長時間握っていても汗臭くなることを防止できる可能性がある。
粉体含有層が厚さ100μmのアクリル樹脂からなり、全粉末量に対してモナザイト粉末70%と、ゲルマニウム粉末10%と、遠赤外線発生のケイ石粉末15%と、ブラックシリカ粉末5%とを含有する以外は、実施例1と同様に貼り付けシートを製造する。得た貼り付けシートについて、電磁波吸収に関する下記の試験を行い、その試験法を下記で説明する。
1.電磁波吸収試験
電磁波測定機器として、トリフィールドメーター100XE型(アルファラボ製)を用い、シートを貼り付けていないパソコンの液晶画面側10cmの位置で磁場、電場、マイクロ波を測定する。次に、電磁波の吸収率を測定するため、貼り付けシート1を液晶画面側10cmの位置に立て、その後側において発生する電磁波を測定することにより、その吸収率を計測する。この電磁波吸収の測定結果を下記の表3に示す。
電磁波測定機器として、トリフィールドメーター100XE型(アルファラボ製)を用い、シートを貼り付けていないパソコンの液晶画面側10cmの位置で磁場、電場、マイクロ波を測定する。次に、電磁波の吸収率を測定するため、貼り付けシート1を液晶画面側10cmの位置に立て、その後側において発生する電磁波を測定することにより、その吸収率を計測する。この電磁波吸収の測定結果を下記の表3に示す。
測定範囲 磁場:超低周波(60Hz) 0〜3mG
電場:超低周波(60Hz) 0〜1000V/m
マイクロ波:超低周波(60Hz) 0.01〜1mW/cm2
電場:超低周波(60Hz) 0〜1000V/m
マイクロ波:超低周波(60Hz) 0.01〜1mW/cm2
前記の表3の測定結果から、貼り付けシート1は、電磁波の中でマイクロ波の収率が最も高く、20%を超えることが判明した。この結果、貼り付けシート1を携帯電話機などに長期間貼着すると、生体への電磁波の影響を低減できる。
2.遠赤外線発生試験
遠赤外線については、粉体含有層に添加したモナザイト粉末、ゲルマニウム粉末、遠赤外線発生のケイ石粉末、ブラックシリカ粉末のいずれからも発生する。したがって、遠赤外線の発生は、マイナスイオン発生とほぼ同様に加算されるものと推定できる。
遠赤外線については、粉体含有層に添加したモナザイト粉末、ゲルマニウム粉末、遠赤外線発生のケイ石粉末、ブラックシリカ粉末のいずれからも発生する。したがって、遠赤外線の発生は、マイナスイオン発生とほぼ同様に加算されるものと推定できる。
1 貼り付けシート
2 表面樹脂層
3 粉体含有層
4 薄金属層
5 粘着層
6 離型フィルム
2 表面樹脂層
3 粉体含有層
4 薄金属層
5 粘着層
6 離型フィルム
Claims (5)
- 小型電子機器のような筐体表面などに貼着すると発生電磁波を低減するとともにマイナスイオンを放出する貼り付けシートであって、適宜の着色や模様付けが可能である表面樹脂層と、鉱石・金属粉末を樹脂に練り込んでいる粉体含有層と、電磁波を遮蔽する薄金属層と、感圧系接着剤からなる粘着層とからなり、該粉体含有層には少なくとも放射性の鉱物粉末を含んでいる電磁波シールドの貼り付けシート。
- 放射性の鉱物粉末が、モナザイト、ラジウム鉱石、ウラン鉱石、ジルコン鉱石、タングステン鉱石または重晶石の粉末である請求項1記載の貼り付けシート。
- 前記粉体含有層における鉱石・金属粉末として、モナザイト粉末を含み、さらに遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末のうちの1種または2種を含む請求項1記載の貼り付けシート。
- 鉱石・金属粉末として、モナザイト粉末60〜75%、遠赤外線発生のケイ石粉末、ゲルマニウム粉末およびブラックシリカ粉末うちの1種または2種を25〜40%有する請求項3記載の貼り付けシート。
- 放射性の鉱物粉末において、天然放射性物質であるトリウムの含有量を貼り付けシートの総重量に対して2.0重量%以下とすることにより、その放射線量を放射線障害防止法の適用範囲外である固体中濃度370Bq/g以下とする請求項1記載の貼り付けシート。
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KR101658159B1 (ko) * | 2015-05-28 | 2016-09-21 | (주)인성다이아몬드 | 원적외선 방출 시트 및 그 제조방법 |
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