JP3182655B2 - 回転円筒槽中の液流および温度分布の立体的観測装置 - Google Patents

回転円筒槽中の液流および温度分布の立体的観測装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転円筒槽中の液流およ
び温度分布の立体的観測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球の大気、特に対流圏においては、太
陽エネルギーの照射、地球の自転、赤道と極との温度差
等の要因によって大気の循環が生じている。大気の循環
のうち地球全体に及ぶ大きな規模ものは大循環と呼ば
れ、その一例として地球の中緯度において高さほぼ10
kmにおいて吹いている極めて強い偏西風(いわゆるジ
ェット気流)がある。
【0003】このような地球大気の大循環を実験室内で
再現するために、従来より回転円筒水槽が使用されてい
る。回転円筒水槽は、周知のように同心円筒状の内槽、
中槽、外槽の三重槽からなり、内槽に氷水、中槽に水道
水、外槽に熱水をいれると、中槽内の水は半径方向に温
度差が与えられて対流する。この状態で水槽を回転させ
回転速度を徐々に上げてゆくと、中槽内の水は回転方向
に波長をもち半径方向内外へと波打ち、ジェット気流に
類似した流れを起す。観測流体を観測する代表的な方法
としては、観測する流体の表面にアルミ粉を浮かべその
動きを追って流体の流れを観測するものである。この方
法では、流体の表面上の流れしか見ることができない。
流体内の流れの模様を見るには、染料を注入して観測し
たり、ポリスチレンの微粒子を流体中に浮遊させて観測
する方法等がある。この方法では、立体的に詳細に流れ
を観測することが困難である。一方、温度については、
サーミスタ等の温度プローブを流体中に適当に配置して
直接測定するという方法が取られている。この方法は、
定量的に精度の良いデータが得られ、また計算機による
解析もできる利点がある反面、たくさんの温度プローブ
を挿入すると流れを乱してしまうおそれがある。これら
従来の方法では、流体内部の流速と温度分布を同時に観
測できないばかりか、観測点でしか温度の測定ができな
いため詳細な対流運動を全体的に観測できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】地球上の大気の大循環
は、高度による温度変化などの種々の要因によって、地
衡風、ジェット気流などいろいろと特徴のある流れを示
す。これらの流れを実験室で再現し、流体力学的に研究
されてきたが、従来においては、流体内部の対流を直接
詳細に動的に観測することができず、理論的計算との比
較が十分にできなかった。また、特に、流体下層部分に
ついては推論しかなされていない。こうして、回転円筒
水槽全体の対流を立体的に詳細に動的に観測することが
できなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために提案されたもので、透光性材料で作られ
た同心円筒状の内槽、中槽、外槽からなり、内槽および
外槽には予め定めた温度差の流体を収容するとともに、
中槽には温度によって定まった色の光を反射する所定量
の液晶を注入した所定量の水を収容する三重槽と、この
三重槽を支持して回転させるターンテーブルとからなる
回転水槽機構と、この回転水槽機構の側方近傍に配置さ
れ前記三重槽の回転軸に対して垂直方向の光軸と前記中
槽の直径に少なくとも等しい横幅とを有するスリット光
を前記三重槽に向けてその軸方向に照射位置(高さ)を
可変に照射するスリット光照射機構とから構成される。
スリット光の三重槽に対する軸方向の照射位置(高さ)
の可変範囲は三重槽の軸方向の長さ(深さ)とすれば充
分である。回転水槽機構は、ターンテーブル上に枠体を
設け、この枠体に三重槽を見下してカラーテレビカメラ
をその光軸を三重槽の回転軸に一致させて設置する構成
とすることができる。
【0006】
【作用】回転水槽機構の透明三重槽の中槽(観測槽)に
観測したい水深の水を入れ、そこに液晶を注入する。地
球の高緯度と低緯度の気温に対応させるべく内槽と外槽
の収容液をそれぞれ氷水と熱水にし、ターンテーブルを
回転させると、ターンテーブルに相対的に運動する対流
が生じる。装置が設置された部屋を暗くして、水平スリ
ット光を透明三重槽の横から観測槽の観測したい高さの
断面を照射するようにし、ターンテーブル上に設けた枠
体に三重槽を見下して観測槽を上から設営するカラーテ
レビカメラで撮影すると、観測流体中の液晶は、スリッ
ト光から流体の温度分布に応じた色の光を反射し、それ
をとらえることができる。水平断面の高さをいろいろと
取ることにより、観測流体全体を立体的に観測すること
ができる。ビデオテープをテレビで再生し、液晶粒子の
動きから流速を、また、色から温度を読むことができ
る。
【0007】
【実施例】以下実施例を詳細に説明する。Aは回転水槽
機構で、図1の実施例では次の構成要素からなる。すな
わち、1は基台、2は基台1上に固定されたモータ、3
は基台1に軸承された鉛直回転軸、4はモータ2の出力
軸5と回転軸3とを連結するエンドレスベルト、6は回
転軸3の上端に固定され回転軸3と共に回転する水平タ
ーンテーブル、7はテーブル6上に固定された枠体、8
は同心の内槽8a、中槽8b、外槽8cからなる三重槽
で、透光性材料で作られる。この三重槽8は枠体7内で
テーブル6の上面に固定されこのテーブルとともに回転
すべく、その回転中心をテーブル6の回転中心、すなわ
ち、回転軸3と一致させてある。中槽8bには温度によ
って定まった色の光を反射する液晶を注入した水を、内
槽8aには液晶注入水よりも低温の水を、また外槽8c
には液晶注入水よりも高温の水を、それぞれ所要量(深
さ)だけ収容する。液晶としては、例えばカイラルネマ
チック液晶を使用できる。光を充分に反射し、粒子の識
別を容易にするには、直径が30μm以上のこの液晶を
用い、実施例では平均粒径30〜50μmであった。こ
の実施例の液晶の感温変色範囲は19.5〜32.0℃
であり、19.5℃以下では無色、19.5〜20.5
℃で赤色、20.5〜22.0℃で緑色、22.0〜3
2.0℃で青色、32.0℃以上では無色となる。例え
ば、水1000ccに対して市販の水に混入された液晶
約1〜2ccの割合で注入攪拌したものを中槽8bに入
れ、内槽8aには臭化リチウムまたは塩化ナトリウムを
混入攪拌した氷水を入れ、外槽8cには熱水を入れる。
9は枠体7の上端中心部に設置されたカラーテレビカメ
ラで、その光軸を回転軸3と一致させて水槽8内を上方
から撮影できるようになっている。
【0008】Bはスリット光照射機構で、回転水槽機構
Aの近傍に配置され図1の実施例では次の構成要素から
なる。すなわち、10は基板、11はスリット光源筒、
12はスリット光源筒11の一端から張出した支持板、
13はスリット光源筒11を基板10の上方で水平に支
持するとともに水平状態のままで昇降可能に支持するア
ーム、14はアーム13を基板10並びにスリット光源
筒11および支持板12に連結する丁番、15は基板1
0とスリット光源筒11の間に介設されスリット光源筒
11を昇降させるジャッキで、その下端は基板10に固
定され、スリット光源筒11はジャッキ15の上端に水
平方向にスライド可能に固定されている。16は水平に
配置されたスリット光源筒11の一端部に設置されたハ
ロゲンランプ、17はハロゲンランプ支持アームで、ス
リット光源筒11の支持板12に設置されている。18
はスリット光源筒11の水槽8に対向する他端に設けた
水平スリットで、その長さ(水平方向の横幅)はスリッ
ト18からの出射光Lが三重槽8の中槽8bの直径の全
部に照射される寸法に選定される。スリット光源筒11
の昇降高さ範囲は水平スリット18が三重槽8の底面か
ら上端までの間を昇降できる範囲に設定される。
【0009】以上の構成において、中槽8b内の液晶混
入水はこれに内接および外接する内槽8aおよび外槽8
c内の液の温度差により、対流を生じる。モータ2を付
勢してターンテーブル6を介して三重槽8を回転させ、
制御盤(図示しない)のタコメータを見ながら測定した
い回転数まで回転を徐々に上げてゆき、部屋を暗くして
ハロゲンランプ16を点灯して、ジャッキ15によって
スリット光源筒11の高さをスリット18からの出射光
Lが中槽8bの所望の高さに入射するように調節してタ
ーンテーブル上に設けたカラーテレビカメラ9で撮影し
観測する。ビデオテープをテレビで再生し、中槽8b内
の測定高さの水平断面における液晶注入水の流れは液晶
粒子をテレビ画面上で追跡して測定することができ、ま
た、温度分布は温度によって定まった色の光を反射する
液晶の色から識別することができる。また鉛直方向の温
度分布は、スリット光を三重槽8の底面から液晶混入水
の水面まで(またはその逆に)鉛直方向に上昇または下
降させることによっていろいろな水平断面のビデオ映像
を断層写真をとるように取り、得られた断面図を立体的
に構成しなおすことにより得ることができる。
【0010】図4(a)から(e)は中槽8b内の液流
と温度分布の測定例を示す。(a)(b)(c)は中槽
8bの液晶混入水の水深10cm、回転数10rpmで
それぞれ高さ4cm,6cm,8cmの水平断面におけ
る液流および温度分布を示し、(d)(e)は中槽8b
のそれぞれA−A、B−B断面における温度分布を示
す。図4(a)(b)(c)において、細長く蛇行して
比較的に大きい速さで一周流れるのが大気大循環のジェ
ット気流にあたるジェット流であり、その内側の低温部
に低気圧にあたる4個の渦、その外側の高温部に高気圧
にあたる4個の渦ができている。これらの図では、安定
した状態を描いているが、ビデオテープを再生したテレ
ビ画面ではジェット流や高気圧、低気圧の渦が内槽、外
槽の温度変化にともなって変化する様子が観測できる
し、鉛直断面の温度分布図から、大気大循環での大気の
温度分布の様子が分かる。
【0011】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、回転円
筒槽内の液流および温度分布を所望の水平断面および鉛
直断面において立体的に観測測定することができ、大気
の大循環の動的メカニズムを示すことができる。また、
本発明は、大気の大循環を実験室で視覚的に再現するほ
か、異種の液体を混合攪拌するとき、その混合の動態の
立体的観測測定にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の立面図。
【図2】図1における三重槽の平面図。
【図3】図2の三重槽の縦断面図。
【図4】図1における三重槽の中槽の液流および温度分
布を示し、(a)(b)(c)はそれぞれ異なる高さの
水平断面図、(d)(e)はそれぞれ異なる角度位置に
おける鉛直断面図。
【符号の説明】
1 基台 2 モータ 3 回転軸 4 エンドレスベルト 5 モータ出力軸 7 枠体 8 三重槽 9 カラーテレビカメラ 10 基板 11 スリット光源灯 12 支持板 13 アーム 14 丁番 15 ジャッキ 16 ハロゲンランプ 17 支持アーム 18 スリット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−97376(JP,A) 実開 昭52−11448(JP,U) 実開 昭57−103464(JP,U) 1990年度秋季大会大阪管区気象研究会 講演予稿集、1990年10月、日本気象学会 発行、P.161 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09B 23/12 G09B 23/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性材料で作られた同心円筒状の内
    槽、中槽、外槽からなり、内槽および外槽には予め定め
    た温度差の所定量の流体を収容するとともに、中槽には
    温度によって定まった色の光を反射する所定量の液晶を
    注入した所定量の水を収容してなる三重槽と、この三重
    槽を支持して回転させるターンテーブルとからなる回転
    水槽機構と、この回転水槽機構の側方近傍に配置され前
    記三重槽の回転軸に対して垂直方向の光軸と前記中槽の
    直径に少なくとも等しい横幅とを有するスリット光を前
    記三重槽に向けてその軸方向の照射位置を可変に照射す
    るスリット光照射機構とからなることを特徴とする回転
    円筒槽中の液流および温度分布の立体的観測装置。
  2. 【請求項2】 回転水槽機構が、ターンテーブル上に設
    けた枠体と、この枠体に三重槽を見下して光軸を三重槽
    の回転軸に一致させて設置したカラーテレビカメラとを
    備えた請求項1の回転円筒槽中の液流および温度分布の
    立体的観測装置。
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CN111508317A (zh) * 2019-01-30 2020-08-07 广州市赛恩斯教育科技有限公司 水密度实验演示方法

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