JP3181914U - クリックばね付シート及びスイッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができるクリックばね付シート及びスイッチ装置を提供する。
【解決手段】ドーム形状のクリックばね5と、クリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2とを有するクリックばね付シート1において、クリックばね5の頂部5aの上方側からの押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aが下方に反転可能であって、シート2は、可撓性を有するとともに、平面視でクリックばね5の外周部5bより外側の位置からクリックばね5の頂部5aに向かって渦状になるように形成された複数のスリット20が設けられている。
【選択図】図1

Description

本考案は、操作感触を良好にするクリックばね付シート及びスイッチ装置に関する。
携帯電話等の種々の電子機器における入力キースイッチ等として使用されるクリックばね付シートの構造としては、可撓性のフィルムの裏側にドーム状のクリックばねを貼着したものが知られている。このクリックばね(反転板とも言う)の頂部が押圧されたときに、押圧された頂部が反転し、この反転動作をスイッチの接点を導通させるために機能させると同時に、反転動作に伴う操作感触(クリック感)を好ましいものとすることができる。
例えば、特許文献1には、反転板が反転動作するときの良好なクリック感を得るために必要になる反転動作時の反転板の周囲での空気の流通を良好に確保することができるものでありながら、反転板の配備箇所への塵埃の侵入を防止して、反転板の良好な動作信頼性や接触安定性を確保することのできるスイッチが開示されている。
図12は、特許文献1に記載のスイッチシート110のスイッチ要素を説明する平面図である。スイッチシート110は、一枚のカバーフィルム120の裏側に、粘着層を介し、多数の円形ドーム状の反転板130の膨らみ面が貼着されており、それぞれの反転板130は所定の状態に配列されている。反転板130は金属板などの導体でなる。カバーフィルム120における反転板130の外周輪郭線130aの外側位置に、反転板130と同心でかつ開いて空気流通口を形成する円弧形状の切り目150が形成されている。
特許第3766768号公報
しかしながら、カバーフィルム120は、反転板130の膨らみ面に貼着されており、膨らみ面に倣って伸長された状態にある。反転板130の反転動作における上下方向の移動量である操作量は、カバーフィルム120の張力によって制限されてしまう。このため、操作量を大きくしたい場合には、反転板(クリックばね)の動作に追従できず、操作感触を低下させる原因となっていた。
本考案は、上述した課題を解決するもので、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができるクリックばね付シート及びスイッチ装置を提供することを目的とする。
本考案は、ドーム形状のクリックばねと、前記クリックばねが一面側に貼り付けられたシートとを有するクリックばね付シートにおいて、前記クリックばねの頂部の上方側からの押圧操作によって、前記クリックばねの前記頂部が下方に反転可能であって、前記シートは、可撓性を有するとともに、平面視で前記クリックばねの外周部より外側の位置から前記クリックばねの前記頂部に向かって渦状になるように形成された複数のスリットが設けられていることを特徴とする。
この態様によれば、クリックばねが一面側に貼り付けられたシートを上方側から押圧し、前記クリックばねの前記頂部を下方に反転させる操作において、渦状のスリットが設けられていることで、伸長されたシートの張力を小さくすることができるので、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。
本考案のクリックばね付シートにおいて、前記クリックばねの前記頂部を中心とする放射状の仮想線上において、前記複数のスリットの少なくとも1つが形成されていることを特徴とする。
この態様によれば、複数のスリットが満遍なく配置されているので、クリックばねの動作に対しての追従性が良いものとなっている。
本考案のクリックばね付シートにおいて、前記複数のスリットは、前記クリックばねと間隙を有して配置されていることを特徴とする。
この態様によれば、クリックばねに貼りつかない部分により反転動作への追従性がよく、操作感触を良好にすることができる。
本考案のクリックばね付シートにおいて、前記シートはカバーシートとスペーサシートとからなり、前記スペーサシートは、前記一面側に配置されるとともに、前記クリックばねを収容する収容部が設けられており、前記クリックばねは、平面視で、前記外周部が前記収容部の内壁より内側に位置し、かつ、前記頂部が前記カバーシートに貼り付けられるように前記収容部の略中央に配置され、前記複数のスリットは、前記カバーシートに、平面視で前記収容部の前記内壁の位置から内側に向かって形成されていることを特徴とする。
この態様によれば、クリックばねの形状とスペーサシートの厚さとによって、クリックばねの頂部の反転動作における移動量を設定可能であり、移動量を大きく設定したときにも、カバーシートに渦状のスリットが設けられていることで、伸長されたカバーシートの張力を小さくすることができるので、操作感触を良好にすることができる。
本考案のクリックばね付シートにおいて、前記クリックばねが複数あり、各クリックばねに対して前記複数のスリットが形成されていることを特徴とする。
この態様によれば、複数のクリックばねを有しているので、キーボードなどの複数の操作部分があるものに対応できる。
本考案のクリックばね付シートにおいて、前記クリックばねが複数あり、近接した状態で配置された前記クリックばねに対応する前記複数のスリットにおいて、近接する側に配置される前記複数のスリットのひとつが他に比べて短く形成されていることを特徴とする。
この態様によれば、複数のクリックばねのうち、近接した状態で配置されたクリックばねに対応する複数のスリットのひとつが他に比べて短く形成されている。これにより、近接した状態のクリックばねにおいても、短いスリットを含む複数のスリットが設けられていることで、伸長されたカバーシートの張力を小さくすることができるので、他のクリックばね部分に比較して操作感触をほとんど低下させることがないものにできる。
本考案のクリックばね付シートにおいて、前記カバーシートは粘着層を有し、前記スリットは短手方向の幅が0.2mmであることを特徴とする。
この態様によれば、カバーシートは粘着層を有しているので、粘着層を介してクリックばねの頂部を貼り付けることができる。また、スリットの短手方向の幅が0.2mmであるので、スリットをレーザで加工することが容易であるとともに、粘着層がスリットの短手方向に再溶着してしまう心配がない。
本考案のスイッチ装置は、上記いずれかのクリックばね付シートを有し、前記クリックばねを可動接点とするとともに、前記クリックばねに対応する位置の下方側に固定接点が配置されていることを特徴とする。
この態様によれば、渦状のスリットが形成されたクリックばね付シートによって、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有するスイッチ装置とすることができる。
本考案のスイッチ装置は、上記いずれかのクリックばね付シートを有し、前記クリックばねに対応する位置の下方側に、固定接点と可動接点とを備えるスイッチ部が配置されていることを特徴とする。
この態様によれば、渦状のスリットが形成されたクリックばね付シートによって、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有するスイッチ装置とすることができる。
本考案のクリックばね付シートは、クリックばねが一面側に貼り付けられたシートを上方側から押圧し、前記クリックばねの前記頂部を下方に反転させる操作において、渦状のスリットとすることで、操作感触を保ったまま、シートが追従して操作量を増加させることができる。
本考案のスイッチ装置は、渦状のスリットが形成されたクリックばね付シートによって、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
したがって、本考案によれば、操作感触を保ったまま、シートが追従して操作量を増加させることができるクリックばね付シート及びスイッチ装置を提供できる。
本考案の第1実施形態のクリックばね付シート及びこれを用いたスイッチ装置を示す外観図で、(a)は模式平面図、(b)は模式正面図、(c)は(a)のIII−III線で切断した模式断面図である。 第1実施形態のスイッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 図1のIII−III線で切断したスイッチ装置の模式断面図であり、(a)は初期状態の模式断面図であり、(b)は操作状態での模式断面図であり、(c)は(a)に示すA部の拡大説明図である。 第1実施形態のクリックばね付シート及びスイッチ装置の第1変形例を示す外観図で、(a)は模式平面図、(b)は(a)のIV−IV線で切断した模式断面図である。 第1実施形態のスイッチ装置の第2変形例を示す外観図で、(a)は模式平面図、(b)は(a)のV−V線で切断した模式断面図である。 本考案の第2実施形態のクリックばね付シート及びこれを用いたスイッチ装置を示す外観図で、(a)は模式平面図、(b)は模式正面図である。 図6のVII−VII線で切断したスイッチ装置の模式断面図であり、(a)は初期状態の断面図であり、(b)は操作状態での模式断面図であり、(c)は(a)に示すC部の拡大説明図である。 第2実施形態のクリックばね付シート及びこれを用いたスイッチ装置の第1変形例を示す外観図で、(a)は模式平面図、(b)は(a)のVIII−VIII線で切断した模式断面図である。 本考案の第6実施形態のクリックばね付シート及びこれを用いたスイッチ装置の外観図で、(a)は模式平面図、(b)は(a)のIX−IX線で切断した模式断面図である。 スリットの形状を説明する模式図である。 スリットの形状の変形例を説明する模式図である。 従来のスイッチシートを説明する平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、分かりやすいように、図面は寸法を適宜変更している。
[第1実施形態]
以下に第1実施形態におけるクリックばね付シート1及びスイッチ装置30について図1〜図3、及び図10を参照して説明する。図1は、第1実施形態のクリックばね付シート1及びこれを用いたスイッチ装置30を示す外観図で、図1(a)は模式平面図、図1(b)は模式正面図、図1(c)は図1(a)のIII−III線で切断した模式断面図である。図2は、第1実施形態のスイッチ装置30の構成を示す分解斜視図である。図3は、図1のIII−III線で切断したスイッチ装置30の模式断面図であり、図3(a)は初期状態の模式断面図であり、図3(b)は操作状態での模式断面図であり、図3(c)は図3(a)に示すA部の拡大説明図である。図10は、スリット20の形状を説明する模式図である。
図1及び図2に示すように、スイッチ装置30は、クリックばね5を有するクリックばね付シート1と、固定接点66及び接点部材67が配置されたベース3と、を組み立てたものである。クリックばね付シート1は、図2に示すように、クリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。
クリックばね5は、導電性の金属板、例えば、りん青銅によりドーム状の膨出部を有する略円形の外形に加工されたものである。クリックばね5は、図1(c)に示すように、頂部5aと、外周部5bと、を有している。クリックばね5の外周部5bが固定された状態で、クリックばね5の頂部5aの上方側からの押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aが下方に反転可能である。
カバーシート21は、可撓性を有するフィルム材、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を加工したものである。カバーシート21には、渦状のスリット20が形成されている。このようなスリット20は、カバーシート21をレーザによって加工することにより形成される。カバーシート21には、透明なフィルム材の他、例えば、白色顔料が混合されて白色に着色されたフィルム材や、黒色顔料が混合されて黒色に着色されたフィルム材を使用することができる。
スペーサシート22は、可撓性を有するフィルム材、例えば、PETを加工したものである。スペーサシート22は、図2に示すように、クリックばね5を収容する開口が形成され、該開口を除く全面がカバーシート21の一面側に貼着される。カバーシート21にスペーサシート22が貼着されることによって、スペーサシート22の開口をカバーシート21が覆うことによって、収容部4の空間が形成されている。
図3(a)に示すように、収容部4の中央部分にクリックばね5が収容され、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出する。クリックばね5と接する側のカバーシート21の一面には、図3(c)に拡大して示すように、粘着層21aが形成されている。これにより、カバーシート21は、粘着層21aを介して、クリックばね5の頂部5aと貼着されている。このように、クリックばね付シート1は、クリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。なお、図3(c)に示すように、クリックばね5の外周部5bと、収容部4の内壁4aと、が所定の寸法だけ離れており、外周部5bにはカバーシート21の粘着層21aが接していない。スリット20は、クリックばね5に貼着されない位置に形成されて、クリックばね5と隙間を有している。
ベース3は、絶縁性の樹脂材、例えば、フェノール樹脂を成形したものであり、ベース3の表面には、導電性の金属板からなる固定接点66及び接点部材67が配設されている。固定接点66及び接点部材67は、それぞれ、ベース3に埋設された接続部(図示しない)を有しており、互いに電気的に絶縁された状態で外部の配線に接続可能に設けられている。
接点部材67は、図3(a)に示すように、クリックばね付シート1とベース3とが組み立てられたときにクリックばね5の外周部5bに当接する位置に配置されている。スペーサシート22がベース3に粘着層(図示しない)を介して貼着されることによって、接点部材67とクリックばね5とが電気接続される。
固定接点66は、クリックばね付シート1とベース3とが組み立てられたときに、クリックばね5に対応する平面位置の下方側に配置されている。固定接点66は、接点部材67とは電気的に絶縁された状態で配置されており、かつ、クリックばね5がドーム状であるため、図3(a)に示すように、初期状態では、クリックばね5の頂部5aと固定接点66とは接していない。
スイッチ装置30は、可動接点となるクリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2を、上方側(他面側)から押圧する押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aを下方に反転可能な構成になっている。すなわち、図3(b)に示すように、クリックばね5の頂部5aを覆うシート2を上方側から押圧操作することによって、クリックばね5の頂部5aが下方に反転する。これにより、クリックばね5が固定接点66に当接して、クリックばね5を介して固定接点66と接点部材67とが電気接続される。また、このとき、シート2は、クリックばね5の頂部5aが下方に反転する状態に追従して、図3(b)に示すように変形する。押圧操作が開放されると、クリックばね5の復元力によって、図3(a)に示す初期状態に戻り、固定接点66と接点部材67とは電気的に絶縁された状態に復帰する。
なお、このときのクリックばね5の頂部5aが上下方向に移動する移動量を、操作量と称する。また、クリックばね5の頂部5aの反転動作に伴って操作荷重が非線形に変化する感触を、操作感触(クリック感)と称する。
操作量を大きくしたい場合、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を大きくするように、クリックばね5のドーム形状の高さを高くする。
次に、本実施形態のクリックばね付シート1及びこれを用いたスイッチ装置30におけるスリット20の形状を説明する。
図1に示すように、複数のスリット20が、平面視でクリックばね5の外周部5bより外側の位置からクリックばね5の頂部5aに向かって渦状になるように形成されている。図10に示すように、クリックばね5の頂部5aを中心とする放射状の仮想線(直線)RLを引くと、スリット20は、平面視で収容部4の内壁4a近傍の位置を長手方向の一端、中心に向かって形成された中心側を長手方向の他端とする細長い開口形状である。スリット20の短手方向の幅は、例えば、0.2mmに形成されている。このようなスリット20は、レーザによって加工することが容易である。レーザ加工は、カッター等で切れ目を入れた場合と異なり、0.02mm以上の加工幅(開口幅)を有しているので、図3(c)に示す粘着層21aが再溶着してスリット20を閉塞してしまう心配がない。
図10に示すように、スリット20の長手方向の一端の仮想円C1と他端の仮想円C2とを引いたとき、その2つの仮想円C1、C2が離間する径方向寸法をL1とする。スリット20の長手方向の他端は、平面視でクリックばね5の外周部5bの上方に位置し、図3(c)に示すように、クリックばね5とは間隙を有している。
図10に示すように、クリックばね5の頂部5aを中心とする放射状の仮想線RLがスリット20を横切るように、複数のスリット20が配置されている。このため、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出するときには、径方向でなく、複数のスリット20間の渦状の方向にカバーシート21が伸長される。すなわち、径方向寸法L1の範囲において、カバーシート21が渦状の方向に沿って、より伸長しやすくなっている。このとき、カバーシート21が伸長されて発生する張力はクリックばね5の膨出を抑制する方向に作用しているが、複数のスリット20が渦状に設けられていることにより張力を小さくすることができる。また、クリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2を、その他面側である上方側から押圧する押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aを下方に反転させる際には、カバーシート21の張力が小さく、且つ、スリット20が幅方向にも変位可能なので、シート2は、クリックばね5の頂部5aが下方に反転する状態に追従して、変形することが容易になっている。このように、シート2は複数のスリット20が渦状になるように形成されているので、クリックばね5の反転操作量を大きくしてもシート2が追従することが可能であり、このため、操作量を大きく設定しても、クリックばね付シート1の操作感触が損なわれることがない。
以上に説明したように、本実施形態の接点ばね付シート1では、シート2に、平面視でクリックばね5の外周部5bより外側の位置からクリックばね5の頂部5aに向かって渦状になるように形成された複数のスリット20が設けられている。この態様によれば、クリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2を上方側から押圧し、クリックばね5の頂部5aを下方に反転させる操作において、渦状のスリット20が設けられていることで、伸長されたシート2の張力を小さくすることができるので、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。
本実施形態のスイッチ装置30は、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート1を有し、クリックばね5を可動接点とするとともに、クリックばね5に対応する位置の下方側に固定接点66が配置されている。この態様によれば、スイッチ装置30は、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート1によって、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。したがって、スイッチ装置30は、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
本実施形態では、クリックばね5の頂部5aを中心とする放射状の仮想線RL上において、複数のスリット20の少なくとも1つが形成されている。この態様によれば、複数のスリット20が満遍なく配置されているので、クリックばね5の動作に対しての追従性が良いものとなっている。
本実施形態において、複数のスリット20は、クリックばね5と間隙を有して配置されている。この態様によれば、クリックばね5に貼りつかない部分により反転動作への追従性がよく、操作感触を良好にすることができる。
本実施形態において、スペーサシート22は、カバーシート21の一面側に配置されるとともに、クリックばね5を収容する収容部4が設けられており、クリックばね5は、平面視で、外周部5bが収容部4の内壁4aより内側に位置し、かつ、頂部5aがカバーシート21に貼り付けられるように収容部4の略中央に配置され、複数のスリット20は、カバーシート21に、平面視で収容部4の内壁4aの位置から内側に向かって形成されている。この態様によれば、クリックばね5の形状によって、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を設定可能であり、移動量を大きく設定したときにも、カバーシート21に渦状のスリット20が設けられていることで、伸長されたカバーシート21の張力を小さくすることができるので、操作感触を良好にすることができる。
本実施形態において、カバーシート21は粘着層21aを有し、スリット20は短手方向の幅が0.2mmである。この態様によれば、カバーシート21は粘着層21aを有しているので、粘着層21aを介してクリックばね5の頂部5aを貼り付けることができる。また、スリット20の短手方向の幅が0.2mmであるので、このようなスリット20は、レーザによって加工することが容易である。レーザ加工は、カッター等で切れ目を入れた場合と異なり、0.02mm以上の加工幅を有しているので、粘着層21aがスリット20の短手方向に再溶着してスリット20を閉塞してしまう心配がない。
もし、本実施形態の接点ばね付シート1とは異なり、スリットが形成されていない構成等で、クリックばねに追従しにくいシートであれば、例えば、クリックばねに貼着させた状態では、クリックばねの膨出量が抑えられて操作量が減少してしまう。あるいは、クリックばねとシートとが貼着されている領域が剥れて、再貼着と剥れを繰り返すような不安定な貼着状態になって、操作感触に影響してしまう。
また、本実施形態の接点ばね付シート1は、スペーサシート22を厚くせずに、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を大きく設定したいときに、とくに効果的なものである。スペーサシート22を厚くせずに、クリックばね5のドーム状の高さを高くするためには、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出する高さが高くなければならない。カバーシート21には渦状のスリット20が設けられていることで、ドーム状に膨出する高さを高くしても伸長されたシート2の張力が小さいので、クリックばね5の膨出量が抑えられてしまうことがない。よって、クリックばね5のスペーサシート22を厚くしなくても、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を大きくできるとともに、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出する高さを、周囲に対して高くすることができる。このため、上方側から押圧操作する操作位置がより明確になり、誤操作が少なくできるとともに、反転動作への追従性がよく、操作感触を良好にすることができる。
(スリットの形状の変形例)
クリックばね5の平面サイズや操作量に応じて、スリット20の本数や長さを、適宜、最適化することが好ましい。さらに、スリットの形状は、図10に示すもの以外に種々に変更可能である。図11は、スリットの形状の変形例を説明する模式図である。図11(a)は、平面視で収容部4の内壁4a近傍に位置する一端側が直線からなる渦状に形成されたスリット25としたものである。なお、スリット25は6本配置されている。図11(b)は、平面視で収容部4の内壁4a近傍に位置する一端側から中心側に位置する他端側までを直線からなる渦状に形成されたスリット26としたものである。なお、スリット26は10本配置されている。図11(c)は、横長のクリックばね51に対して適用可能なものであり、クリックばね51の長手方向に沿った直線状のスリット27を渦状に形成されたスリット20に組み合せたものである。いずれの変形例であっても、本実施形態に説明した効果を奏するように、スリットの長さや本数を最適化することが可能である。なお、スリットの長さが短くてもよい場合には、図10に示した他端の仮想円C2がクリックばね5の外周部5bより内壁4a側に位置する形態であってもよい。
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例について、図4を参照して説明する。図4は、第1実施形態の第1変形例のクリックばね付シート11及びスイッチ装置31を示す外観図で、図4(a)は模式平面図、図4(b)は図4(a)のVI−VI線で切断した模式断面図である。なお、第1実施形態の部材と同材料の部材は、符号を同じにして、各部材の説明は割愛する。
図4に示すように、第1変形例におけるシート2は複数のクリックばね5を平面配置可能な収容部4を有している。クリックばね付シート11は、複数のクリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。スイッチ装置31は、クリックばね付シート11に貼着されるベース3の表面に、固定接点66及び接点部材67が各クリックばね5に対応する位置に配置されている。
複数のクリックばね5の配置されているピッチが十分な距離であれば、第1実施形態のクリックばね付シート1及びスイッチ装置30を複数配列したものと実質同一である。本変形例では、複数のクリックばね5の配置されているピッチは一定でなく、図4に示すように、一部のクリックばね5が隣り合うクリックばね5に近接配置されている。近接するクリックばね5に対応する平面位置において、カバーシート21は、スリット20に比べて、長手方向の長さが短く形成されたスリット28が形成されていることを特徴とする。
本変形例では、クリックばね5が複数あり、各クリックばね5に対して複数のスリット20が形成されている。この態様によれば、クリックばね付シート11及びスイッチ装置31は、複数のクリックばね5を有しているので、キーボードなどの複数の操作部分があるものに1セットで対応できる。
本変形例では、クリックばね5が複数あり、近接した状態で配置されたクリックばね5に対応する複数のスリットにおいて、近接する側に配置されるスリット28がスリット20に比べて短く形成されている。この態様によれば、近接した状態のクリックばね5においても、短いスリット28を含む複数のスリットが設けられていることで、伸長されたカバーシート21の張力を小さくすることができるので、クリックばね5が近接していても他のクリックばね5の部分に比較して操作感触をほとんど低下させることがないものにできる。したがって、クリックばね付シート11は、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。さらに、スイッチ装置31は、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
(第1実施形態の第2変形例)
以下に第1実施形態の第2変形例におけるスイッチ装置32について、図5を参照して説明する。図5は、第1実施形態の第2変形例のスイッチ装置32を示す外観図で、図5(a)は模式平面図、図5(b)は図5(a)のV−V線で切断した模式断面図である。なお、第1実施形態の部材と同材料の部材は、符号を同じにして、各部材の説明は割愛する。
本変形例のスイッチ装置32は、図5に示すように、ケース68及び操作部材69を備え、ケース68内にクリックばね付シート1と、固定接点66及び接点部材67が配置されたベース3と、が配設されている。クリックばね付シート1は、クリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。操作部材69はケース68の開口から突出するとともに、カバーシート21を介してクリックばね5の頂部5aを押圧可能な形状に構成されている。なお、ケース68を絶縁性の樹脂材とし、固定接点66及び接点部材67をケース68に配置する構成としてもよい。
スイッチ装置32は、操作部材69を上方側から押圧操作することによって、カバーシート21を介してクリックばね5の頂部5aが下方に反転する。これにより、クリックばね5が固定接点66に当接して、クリックばね5を介して固定接点66と接点部材67とが電気接続される。
本変形例において、スイッチ装置32は、ケース68及び操作部材69を備え、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート1を有し、クリックばね5を可動接点とするとともに、クリックばね5に対応する位置の下方側に固定接点66が配置されている。この態様によれば、スイッチ装置30は、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート1によって、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
なお、本変形例のスイッチ装置32と同様にして、複数の操作部材69を備えたスイッチ装置を構成してもよい。例えば、第1実施形態の第1変形例のクリックばね付シート11を配設可能なケースにして、複数の開口から複数の操作部材69を突出させるとともに、それぞれの操作部材69がカバーシート21を介してクリックばね5の頂部5aを押圧可能に構成すればよい。この態様によれば、複数のクリックばね5を有しているので、キーボードなどの複数の操作部分があるものに1セットで対応できる。
[第2実施形態]
以下に第2実施形態におけるクリックばね付シート13及びスイッチ装置33について図6、図7、及び図10を参照して説明する。図6は、第2実施形態のクリックばね付シート13及びこれを用いたスイッチ装置33を示す外観図で、図6(a)は模式平面図、図6(b)は模式正面図である。図7は、図6のVII−VII線で切断したスイッチ装置の模式断面図であり、図7(a)は初期状態の断面図であり、図7(b)は操作状態での模式断面図であり、図7(c)は図7(a)に示すB部の拡大説明図である。なお、第1実施形態の部材と同材料の部材は、符号を同じにして、各部材の説明は割愛する。
図6及び図7に示すように、スイッチ装置33は、クリックばね5を有するクリックばね付シート13と、固定接点66及び可動接点65が配置されたスイッチ部60と、を組み立てたものである。クリックばね付シート13は、図7に示すように、クリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。
クリックばね5は、導電性の金属板、例えば、りん青銅によりドーム状の膨出部を有する略円形の外形に加工されたものである。クリックばね5は、図7(a)に示すように、頂部5aと、外周部5bと、を有している。クリックばね5の外周部5bが固定された状態で、クリックばね5の頂部5aの上方側からの押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aが下方に反転可能である。
カバーシート21は、可撓性を有するフィルム材、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を加工したものである。カバーシート21には、渦状のスリット20が形成されている。このようなスリット20は、カバーシート21をレーザによって加工することにより形成される。カバーシート21には、透明なフィルム材の他、例えば、白色顔料が混合されて白色に着色されたフィルム材や、黒色顔料が混合されて黒色に着色されたフィルム材を使用することができる。
スペーサシート22は、可撓性を有するフィルム材、例えば、PETを加工したものである。スペーサシート22は、クリックばね5を収容する開口が形成され、該開口を除く全面がカバーシート21の一面側に貼着されている。カバーシート21にスペーサシート22が貼着されることによって、スペーサシート22の開口をカバーシート21が覆うことによって、収容部4の空間が形成されている。
図7(a)に示すように、収容部4の中央部分にクリックばね5が収容され、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出する。クリックばね5と接する側のカバーシート21の一面には、図7(c)に拡大して示すように、粘着層21aが形成されている。これにより、カバーシート21は、粘着層21aを介して、クリックばね5の頂部5aと貼着されている。このように、クリックばね付シート1は、クリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。なお、図3(c)に示すように、クリックばね5の外周部5bと、収容部4の内壁4aと、が所定の寸法だけ離れており、外周部5bにはカバーシート21の粘着層21aが接していない。スリット20は、クリックばね5に貼着されない位置に形成されて、クリックばね5と隙間を有している。
スイッチ部60は、可動接点65が配置されたメンブレンシート61、スペーサシート62、及び、可動接点65に対向するように固定接点66が配置されたベース63と、を組み立てたものである。
メンブレンシート61は、絶縁性及び可撓性を有するフィルム材、例えば、PETを加工したものである。メンブレンシート61の一面には、導電パターンが形成されており、その導電パターンの一部が可動接点65になっている。
ベース63は、絶縁性を有するフィルム材、例えば、PETを加工したものである。ベース63のメンブレンシート61と対向する面には、導電パターンが形成されており、その導電パターンの一部が固定接点66になっている。なお、ベース63には、メンブレンシート61と同様に、可撓性を有するフィルム材を用いることもできる。
スペーサシート62は、フィルム材、例えば、PETを加工したものである。スペーサシート62は、図7(a)に示すように、クリックばね付シート1とスイッチ部60とが組み立てられたときにクリックばね5の外周部5bに、メンブレンシート61を介して重畳する位置に少なくとも配置されている。
可動接点65及び固定接点66は、クリックばね付シート13とスイッチ部60とが組み立てられたときに、クリックばね5に対応する平面位置の下方側に配置されている。固定接点66は、可動接点65とは電気的に絶縁された状態で配置されており、かつ、クリックばね5がドーム状であるため、図7(a)に示すように、初期状態では、クリックばね5の頂部5aと可動接点65とは接していない。
スイッチ装置33は、クリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2を、上方側(他面側)から押圧する押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aを下方に反転可能な構成になっている。すなわち、図7(b)に示すように、クリックばね5の頂部5aを覆うシート2を上方側から押圧操作することによって、クリックばね5の頂部5aが下方に反転する。これにより、クリックばね5がメンブレンシート61に当接して、メンブレンシート61を押圧してメンブレンシート61を介して可動接点65と固定接点66とが電気接続される。また、このとき、シート2は、クリックばね5の頂部5aが下方に反転する状態に追従して、図7(b)に示すように変形する。押圧操作が開放されると、クリックばね5の復元力によって、図7(a)に示す初期状態に戻り、可動接点65と固定接点66とは電気的に絶縁された状態に復帰する。
なお、このときのクリックばね5の頂部5aが上下方向に移動する移動量を、操作量と称する。また、クリックばね5の頂部5aの反転動作に伴って操作荷重が非線形に変化する感触を、操作感触(クリック感)と称する。
操作量を大きくしたい場合、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を大きくするように、クリックばね5のドーム形状の高さを高くする。
次に、本実施形態のクリックばね付シート13及びこれを用いたスイッチ装置33におけるスリット20の形状を説明する。
図6に示すように、複数のスリット20が、平面視でクリックばね5の外周部5bより外側の位置からクリックばね5の頂部5aに向かって渦状になるように形成されている。図10に示すように、クリックばね5の頂部5aを中心とする放射状の仮想線(直線)RLを引くと、スリット20は、平面視で収容部4の内壁4a近傍の位置を長手方向の一端、中心に向かって形成された中心側を長手方向の他端とする細長い開口形状である。スリット20の短手方向の幅は、例えば、0.2mmに形成されている。このようなスリット20は、レーザによって加工することが容易である。レーザ加工は、カッター等で切れ目を入れた場合と異なり、加工幅(開口幅)を有しているので、図7(c)に示す粘着層21aが再溶着してスリット20を閉塞してしまう心配がない。
図10に示すように、この一端の仮想円C1と他端の仮想円C2とを引いたとき、その2つの仮想円C1、C2が離間する径方向寸法をL1とする。スリット20の長手方向の他端は、平面視でクリックばね5の外周部5bの上方に位置し、図7(c)に示すように、クリックばね5とは間隙を有している。
図10に示すように、クリックばね5の頂部5aを中心とする放射状の仮想線RLがスリット20を横切るように、複数のスリット20が配置されている。このため、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出するときには、径方向でなく、複数のスリット20間の渦状の方向にカバーシート21が伸長される。すなわち、径方向寸法L1の範囲において、カバーシート21が渦状の方向に沿って、より伸長しやすくなっている。このとき、カバーシート21が伸長されて発生する張力はクリックばね5の膨出を抑制する方向に作用しているが、複数のスリット20が渦状に設けられていることにより張力を小さくすることができる。また、クリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2を、その他面側である上方側から押圧する押圧操作によって、クリックばね5の頂部5aを下方に反転させる際には、カバーシート21の張力が小さく、且つ、スリット20が幅方向にも変位可能なので、シート2は、クリックばね5の頂部5aが下方に反転する状態に追従して、変形することが容易になっている。このように、シート2は複数のスリット20が渦状になるように形成されているので、クリックばね5の反転操作量を大きくしてもシート2が追従することが可能であり、このため、操作量を大きく設定しても、クリックばね付シート13の操作感触が損なわれることがない。
以上に説明したように、本実施形態の接点ばね付シート13では、シート2に、平面視で前記クリックばねの外周部5bより外側の位置からクリックばね5の頂部5aに向かって渦状になるように形成された複数のスリット20が設けられている。この態様によれば、クリックばね5が一面側に貼り付けられたシート2を上方側から押圧し、クリックばね5の頂部5aを下方に反転させる操作において、渦状のスリット20が設けられていることで、伸長されたシート2の張力を小さくすることができるので、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。
本実施形態のスイッチ装置33は、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート13を有し、クリックばね5に対応する位置の下方側に、固定接点66と可動接点65とを備えるスイッチ部60が配置されている。この態様によれば、スイッチ装置33は、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート13によって、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。したがって、スイッチ装置33は、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
本実施形態では、クリックばね5の頂部5aを中心とする放射状の仮想線RL上において、複数のスリット20の少なくとも1つが形成されている。この態様によれば、複数のスリット20が満遍なく配置されているので、クリックばね5の動作に対しての追従性が良いものになっている。
本実施形態において、複数のスリット20は、クリックばね5と間隙を有して配置されている。この態様によれば、クリックばね5に貼りつかない部分により反転動作への追従性がよく、操作感触を良好にすることができる。
本実施形態において、スペーサシート22は、カバーシート21の一面側に配置されるとともに、クリックばね5を収容する収容部4が設けられており、クリックばね5は、平面視で、外周部5bが収容部4の内壁4aより内側に位置し、かつ、頂部5aがカバーシート21に貼り付けられるように収容部4の略中央に配置され、複数のスリット20は、カバーシート21に、平面視で収容部4の内壁4aの位置から内側に向かって形成されている。この態様によれば、クリックばね5の形状によって、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を設定可能であり、移動量を大きく設定したときにも、カバーシート21に渦状のスリット20が設けられていることで、伸長されたカバーシート21の張力を小さくすることができるので、操作感触を良好にすることができる。
本実施形態において、カバーシート21は粘着層21aを有し、スリット20の短手方向の幅が0.2mmである。この態様によれば、カバーシート21は粘着層21aを有しているので、粘着層21aを介してクリックばね5の頂部5aを貼り付けることができる。また、スリット20の短手方向の幅が0.2mmであるので、このようなスリット20は、レーザによって加工することが容易である。レーザ加工は、カッター等で切れ目を入れた場合と異なり、0.02mm以上の加工幅を有しているので、粘着層21aがスリット20の短手方向に再溶着してスリット20を閉塞してしまう心配がない。
もし、本実施形態の接点ばね付シート13とは異なり、スリットが形成されていない構成等で、クリックばねに追従しにくいシートであれば、例えば、クリックばねに貼着させた状態ではクリックばねの膨出量が抑えられて操作量が減少してしまう。あるいは、クリックばねとシートとが貼着されている領域が剥れて、再貼着と剥れを繰り返すような不安定な貼着状態になって、操作感触に影響してしまう。
また、本実施形態の接点ばね付シート13は、スペーサシート22を厚くせずに、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を大きく設定したいときに、とくに効果的なものである。スペーサシート22を厚くせずに、クリックばね5のドーム状の高さを高くするためには、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出する高さが高くなければならない。カバーシート21には渦状のスリット20が設けられていることで、ドーム状に膨出する高さを高くしても伸長されたシート2の張力が小さいので、クリックばね5の膨出量が抑えられてしまうことがない。よって、クリックばね5のスペーサシート22を厚くしなくても、クリックばね5の頂部5aの反転動作における移動量を大きくできるとともに、カバーシート21がクリックばね5の形状に倣ってドーム状に膨出する高さを、周囲に対して高くすることができる。このため、上方側から押圧操作する操作位置がより明確になり、誤操作が少なくできるとともに、反転動作への追従性がよく、操作感触を良好にすることができる。
(スリットの形状の変形例)
クリックばね5の平面サイズや操作量に応じて、スリット20の本数や長さを、適宜、最適化することが好ましい。さらに、スリットの形状は、図10に示すもの以外に種々に変更可能である。図11は、スリットの形状の変形例を説明する模式図である。図11(a)は、平面視で収容部4の内壁4a近傍に位置する一端側が直線からなる渦状に形成されたスリット25としたものである。なお、スリット25は6本配置されている。図11(b)は、平面視で収容部4の内壁4a近傍に位置する一端側から中心側に位置する他端側までを直線からなる渦状に形成されたスリット26としたものである。なお、スリット26は10本配置されている。図11(c)は、横長のクリックばね51に対して適用可能なものであり、クリックばね51の長手方向に沿った直線状のスリット27を渦状に形成されたスリット20に組み合せたものである。いずれの変形例であっても、本実施形態に説明した効果を奏するように、スリットの長さや本数を最適化することが可能である。なお、スリットの長さが短くてもよい場合には、図10に示した他端の仮想円C2がクリックばね5の外周部5bより内壁4a側に位置する形態であってもよい。
(第2実施形態の第1変形例)
第2実施形態の第1変形例について、図8を参照して説明する。図8は、第2実施形態の第1変形例のクリックばね付シート14及びスイッチ装置34を示す外観図で、図8(a)は模式平面図、図8(b)は図8(a)のVIII−VIII線で切断した模式断面図である。なお、第1実施形態及び第2実施形態の部材と同材料の部材は、符号を同じにして、各部材の説明は割愛する。
図8に示すように、第1変形例におけるシート2は複数のクリックばね5を平面配置可能な収容部4を有している。クリックばね付シート14は、複数のクリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。スイッチ装置34は、クリックばね付シート14に貼着されるベース3の表面に、固定接点66及び接点部材67が各クリックばね5に対応する位置に配置されている。
複数のクリックばね5の配置されているピッチが十分な距離であれば、第1実施形態のクリックばね付シート1及びスイッチ装置30を複数配列したものと実質同一である。本変形例では、複数のクリックばね5の配置されているピッチは一定でなく、図8に示すように、一部のクリックばね5が隣り合うクリックばね5に近接配置されている。近接するクリックばね5に対応する平面位置において、カバーシート21は、スリット20に比べて、長手方向の長さが短く形成されたスリット28が形成されていることを特徴とする。
本変形例では、クリックばね5が複数あり、各クリックばね5に対して複数のスリット20が形成されている。この態様によれば、クリックばね付シート14及びスイッチ装置34は、複数のクリックばね5を有しているので、キーボードなどの複数の操作部分があるものに1セットで対応できる。
本変形例では、クリックばね5が複数あり、近接した状態で配置されたクリックばね5に対応する複数のスリットにおいて、近接する側に配置されるスリット28がスリット20に比べて短く形成されている。この態様によれば、近接した状態のクリックばね5においても、短いスリット28を含む複数のスリットが設けられていることで、伸長されたカバーシート21の張力を小さくすることができるので、クリックばね5が近接していても他のクリックばね5の部分に比較して操作感触をほとんど低下させることがないものとできる。したがって、クリックばね付シート14は、操作量を大きく設定しても、操作感触を良好にすることができる。さらに、スイッチ装置34は、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
(第2実施形態の第2変形例)
以下に第2実施形態の第2変形例におけるスイッチ装置35について、図9を参照して説明する。図9は、第2実施形態の第2変形例のスイッチ装置35を示す外観図で、図9(a)は模式平面図、図9(b)は図9(a)のIX−IX線で切断した模式断面図である。なお、第1実施形態及び第2実施形態の部材と同材料の部材は、符号を同じにして、各部材の説明は割愛する。
本変形例のスイッチ装置35は、図9に示すように、ケース68及び操作部材69を備え、ケース68内にクリックばね付シート13と、固定接点66及び可動接点65が配置されたスイッチ部60と、を組み立てたものである。クリックばね付シート13は、クリックばね5と、カバーシート21とスペーサシート22とが積層されたシート2と、で構成されている。スイッチ部60は、可動接点65が配置されたメンブレンシート61、スペーサシート62、及び、可動接点65に対向するように固定接点66が配置されたベース63と、を組み立てたものである。操作部材69はケース68の開口から突出するとともに、カバーシート21を介してクリックばね5の頂部5aを押圧可能な形状に構成されている。なお、ケース68を絶縁性の樹脂材とし、固定接点66及び可動接点65をケース68に配置する構成としてもよい。
スイッチ装置35は、操作部材69を上方側から押圧操作することによって、カバーシート21を介してクリックばね5の頂部5aが下方に反転する。これにより、クリックばね5がメンブレンシート61に当接して、メンブレンシート61を押圧してメンブレンシート61を介して可動接点65と固定接点66とが電気接続される。
本変形例のスイッチ装置35は、ケース68及び操作部材69を備え、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート13を有し、クリックばね5に対応する位置の下方側に、固定接点66と可動接点65とを備えるスイッチ部60が配置されている。この態様によれば、スイッチ装置35は、渦状のスリット20が形成されたクリックばね付シート13によって、操作量を増加させることができるとともに、良好な操作感触を有する。
なお、本変形例のスイッチ装置34と同様にして、複数の操作部材69を備えたスイッチ装置を構成してもよい。例えば、第2実施形態の第1変形例のクリックばね付シート14を配設可能なケースにして、複数の開口から複数の操作部材69を突出させるとともに、それぞれの操作部材69がカバーシート21を介してクリックばね5の頂部5aを押圧可能に構成すればよい。この態様によれば、複数のクリックばね5を有しているので、キーボードなどの複数の操作部分があるものに1セットで対応できる。
1、11、13、14 クリックばね付シート
2 シート
3 ベース
4 収容部
4a 内壁
5a 頂部
5b 外周部
20 スリット
21 カバーシート
21a 粘着層
22 スペーサシート
25、26、27、28 スリット
30、31、32、33、34、35 スイッチ装置
60 スイッチ部
61 メンブレンシート
62 スペーサシート
63 ベース
65 可動接点
66 固定接点
67 接点部材
68 ケース
69 操作部材
RL 仮想線

Claims (9)

  1. ドーム形状のクリックばねと、前記クリックばねが一面側に貼り付けられたシートとを有するクリックばね付シートにおいて、
    前記クリックばねの頂部の上方側からの押圧操作によって、前記クリックばねの前記頂部が下方に反転可能であって、
    前記シートは、可撓性を有するとともに、平面視で前記クリックばねの外周部より外側の位置から前記クリックばねの前記頂部に向かって渦状になるように形成された複数のスリットが設けられていることを特徴とするクリックばね付シート。
  2. 前記クリックばねの前記頂部を中心とする放射状の仮想線上において、前記複数のスリットの少なくとも1つが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリックばね付シート。
  3. 前記複数のスリットは、前記クリックばねと間隙を有して配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクリックばね付シート。
  4. 前記シートはカバーシートとスペーサシートとからなり、
    前記スペーサシートは、前記一面側に配置されるとともに、前記クリックばねを収容する収容部が設けられており、
    前記クリックばねは、平面視で、前記外周部が前記収容部の内壁より内側に位置し、かつ、前記頂部が前記カバーシートに貼り付けられるように前記収容部の略中央に配置され、
    前記複数のスリットは、前記カバーシートに、平面視で前記収容部の前記内壁の位置から内側に向かって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のクリックばね付シート。
  5. 前記クリックばねが複数あり、各クリックばねに対して前記複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のクリックばね付シート。
  6. 前記クリックばねが複数あり、近接した状態で配置された前記クリックばねに対応する前記複数のスリットにおいて、近接する側に配置される前記複数のスリットのひとつが他に比べて短く形成されていることを特徴とする請求項5に記載のクリックばね付シート。
  7. 前記カバーシートは粘着層を有し、前記スリットは短手方向の幅が0.2mmであることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のクリックばね付シート。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のクリックばね付シートを有し、
    前記クリックばねを可動接点とするとともに、前記クリックばねに対応する位置の下方側に固定接点が配置されていることを特徴とするスイッチ装置。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のクリックばね付シートを有し、
    前記クリックばねに対応する位置の下方側に、固定接点と可動接点とを備えるスイッチ部が配置されていることを特徴とするスイッチ装置。
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