JP3181789U - 熱線流速計検定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易に検定を行うことができる新規な熱線流速計検定装置を提供する。
【解決手段】熱線プローブ60をセットするため風洞ユニット10と、風洞部内の流速を測定するためのマノメータ・ユニット20と、風洞部内に気流を発生させるための気流発生手段30と、風洞部内の流速を可変制御するための流速制御手段とを含む熱線流速計検定装置100が提供される。マノメータ・ユニット20が備える透明パイプ(マノメータとして機能する)の外周面には、風洞部内に流速Vの気流が発生したときの該パイプの液面高さの理論値に匹敵する高さに流速Vを示す目盛りが刻まれている。
【選択図】図1

Description

本考案は、熱線流速計を検定するための装置に関する。
実験流体力学の研究現場では、流れ場の計測手段として熱線流速計が多く使用されている(例えば、特許文献1)。熱線流速計の原理は、電流で加熱した細い金属線(熱線)を流れの中に置いたときの熱線の温度変化(すなわち、電気抵抗の変化)と流速の相関関係を利用して、出力電圧を流速に換算するものである。
ただし、熱線流速計の機構それ自体は、流体力学の原理(ベルヌーイの定理など)を直接的に利用するものではないので、その使用に際し、計器が正常に機能するどうかを事前に検定しておく必要がある。このような検定は、一般に、検定用風洞を用いて行われる。具体的には、検定用風洞内に熱線プローブをセットした上で、熱線流速計の出力値(流速)が風洞内の実際の流速に対応しているかどうかを調べる。
ここで、検定風洞内の実際の流速は、流体力学の原理を利用した計測器で求める必要があり、多くの場合、マノメータが使用される。しかしながら、従来の方法では、マノメータの水位を読み取った後に、その水位から計算によって流速を求めなければならず、そのことが検定作業を煩雑なものにしていた。
特開2000−2713号公報
本考案は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本考案は、簡易に検定を行うことができる新規な熱線流速計検定装置を提供することを目的とする。
本考案者は、簡易に検定を行うことができる新規な熱線流速計検定装置につき鋭意検討した結果、以下の構成に想到し、本考案に至ったのである。
すなわち、本考案によれば、熱線流速計の検定を行うための装置であって、熱線プローブをセットするための風洞部とベンチュリー管として機能する貫通中空部が形成された圧力検出部とを備えた風洞ユニットと、前記風洞部内に気流を発生させるための気流発生手段と、前記風洞部内の流速を測定するためのマノメータ・ユニットと、前記風洞部内の流速を可変制御するための流速制御手段とを含み、前記マノメータ・ユニットは、液体容器に接続されるパイプであって、前記ベンチュリー管のスロート部に配管を介して接続されたときにマノメータとして機能する、少なくとも1本の透明なパイプを備え、前記パイプの外周面に、前記風洞部内に流速Vの気流が発生したときの該パイプの液面高さの理論値に匹敵する高さに流速Vを示す目盛りが刻まれていることを特徴とする、熱線流速計検定装置が提供される。
本実施形態の熱線流速計検定装置を示す図。 本実施形態における風洞ユニットを説明するための概念図。 本実施形態におけるマノメータ・ユニットを説明するための概念図。 パイプの目盛りの設定方法を説明するための概念図。 パイプの目盛りの設定方法を説明するための概念図。 本実施形態における風洞ユニットを説明するための概念図。 本実施形態の熱線流速計検定装置を示す図。 評価実験の結果を示す図。 補正係数を示す図。
以下、本考案を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本考案は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜、その説明を省略するものとする。
図1は、本考案の実施形態である熱線流速計検定装置100を示す。熱線流速計検定装置100は、風洞ユニット10と、配管50を介して風洞ユニット10に接続されるマノメータ・ユニット20と、風洞ユニット10内に気流を発生させるための気流発生手段30と、気流発生手段30に供給する電源の電圧を変更するための電源変圧器40を含んで構成されている。
ここで、図1は、気流発生手段30として市販の業務用掃除機を流用した実施態様を例示的に示す。この例では、風洞ユニット10を吸込口42に取りつけた状態で、掃除機を稼働させると、風洞ユニット10内に気流が生じるようになっており、電源変圧器40を操作して掃除機の電源電圧を増減することによって、風洞ユニット10内の流速を増減させることができるように構成されている(すなわち、電源変圧器40は、流速制御手段として機能する)。
続いて、風洞ユニット10の構成を図2に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図1を参照するものとする。
本実施形態における風洞ユニット10は、図2(a)に示すように、風洞部12と圧力検出部14からなる。風洞部12は、両端が開放された円筒部材として構成されており、その外周壁には、検定の対象となる熱線プローブ60をセット(挿入)するための挿入孔13が形成されている。なお、本実施形態における風洞部12は、風洞内部の様子が視認できるように透明材料で形成することが好ましい。
一方、圧力検出部14は、風洞部12の内径とほぼ等しい外径を持つ円柱状部材として構成されており、その外周には、マノメータ・ユニット20に至る配管50を接続するための配管接続部15が形成されている。本実施形態における風洞ユニット10は、風洞部12の下流側に圧力検出部14を嵌合することによって完成し、また、両者は、随時分解することができるように構成されている。
図2(b)は、風洞ユニット10の断面図を示す。図2(b)に示すように、圧力検出部14は、円柱の外周縁と一致する開口縁を持った開口部16を端として軸方向に貫通する中空部を備えている。ここで、圧力検出部14の中空部は、ベンチュリー管として機能するように形成されており、開口部16を端として気流の流下方向に向かって徐々に先すぼみになっている。
ここで、圧力検出部14の中空断面積が最小になるスロート部(★で示す)には、配管接続部15まで貫通する流路17が形成されており、スロート部とマノメータ・ユニット20のパイプ(後述する)が配管50を介して連通するよう構成されている。
続いて、マノメータ・ユニット20の構成を図3に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図1を参照するものとする。
本実施形態におけるマノメータ・ユニット20は、液体を張るための円筒状のタンク22と、等しい内径を有する細長の中空パイプ24a、24b、24cと、ドーナツ状の梁部26を含んで構成されている。
タンク22および各パイプ24は、いずれも円盤状の土台23に埋め込まれる形で立設され、タンク22と各パイプ24は、土台23内で配管25を介して接続されている。各パイプ24は、土台23の水平な上面に対して垂直方向に立設されており、各パイプ24の上端は、梁部26に支持されている。梁部26の外周面には、配管接続部27a、27b、27cが形成されおり、各パイプ24は、梁部26内で各配管接続部27に接続されている。
タンク22は、液体を入れることができるように上部が開放されており、外周には、基準水位を示す基準線が描かれている。なお、タンク22および各パイプ24は、液面が確認できるように透明材料で形成されている。
ここで、3本のパイプ24a、24b、24cは、それぞれ、低速用、中速用、高速用のマノメータとして機能するものであり、本実施形態においては、各パイプ24の外周面には、流速を示す目盛りが刻まれている。すなわち、パイプ24aの外周面には、0〜1.8[m/s]の測定範囲について10個の目盛りが描かれ、パイプ24cの外周面には、0〜9[m/s]の範囲の測定範囲について10個の目盛りが描かれ、パイプ24bの外周面には、0〜18[m/s] の測定範囲について10個の目盛りが描かれている。
以上、熱線流速計検定装置100の構成を説明してきたが、続いて、熱線流速計検定装置100を使用した熱線流速計の検定方法を説明する。なお、以下の説明においては、図1〜図3を適宜参照するものとする。
まずはじめに、マノメータ・ユニット20を水平な場所に静置し、水面が基準線に一致するまでタンク22に適切な液体(以下、水として参照する)を張る。次に、3本のパイプ24a、24b、24cの中から、検定したい測定範囲(速度範囲)に応じたパイプ24を選択し、対応する配管接続部27に配管50を接続する。このとき、その余の配管接続部27は開放しておく。図3は、低速用のパイプ24aが選択された様子を示す。
次に、風洞ユニット10の風洞部12の挿入孔13に検定の対象となる熱線プローブ60をセット(挿入)する。この状態で、気流発生手段30を稼働させると、風洞ユニット10内に気流が発生し、これに伴って、流速出力部62が熱線プローブ60の出力電圧を流速に換算して出力する。このとき、同時に、圧力検出部14のスロート部(★)の気圧が低下してスロート部(★)に連通したパイプ24の水面が上昇する。
この状態で、電源変圧器40を操作して気流発生手段30の電源電圧を増減すると、風洞ユニット10内を流下する気流の流速が増減し、これに応答して、パイプ24の水面の高さが上下する。すなわち、本実施形態においては、電源変圧器40を操作することによって、パイプ24の水面高さを自在に制御することができるように構成されているので、パイプ24を見ながら電源変圧器40を操作して、風洞部12内に設定したい流速V[m/s]を示す目盛りにパイプ24の水面を一致させる。
このとき、本実施形態においては、パイプ24の水面が流速V[m/s]を示す目盛りに一致した時点で、風洞ユニット10の風洞部12を流下する気流の流速がV[m/s]であることが保証されるようになっている。これは、風洞部12内に流速V[m/s]の気流が発生したときのパイプ24の水面高さの理論値を予め計算によって求めておき、パイプ24の外周面の当該理論値に匹敵する高さに流速V[m/s]を示す目盛りを刻んでいることによる。
続いて、パイプ24の目盛りを設定する方法について説明する。図4および図5は、パイプ24の目盛りの設定方法を説明するための概念図である。ここで、図4は、検定開始前の熱線流速計検定装置100の状態を示し、図5は、検定中の熱線流速計検定装置100の状態を示す。検定開始前においては、図4に示すように、気流発生手段30は停止した状態にあり、タンク22の水面およびパイプ24の水面は、いずれも基準水位に一致している。
ここで、図4における英字は、以下の内容を意味する(図5において同様)。

:風洞部12の中空断面積
:圧力検出部14のスロート部の中空断面積
:パイプ24の中空断面積
:タンク22の中空断面積
:土台23の上面から基準水位までの高さ
一方、検定中においては、図5に示すように、気流発生手段30が稼働して風洞ユニット10内に気流が発生することに伴って、パイプ24の水面が上昇する一方で、タンク22の水面および(配管50が接続されていない)その余のパイプ24の水面が降下する。
ここで、図5に示す英字は、以下の内容を意味する。

X:タンク22の土台23の上面からタンク22の水面までの高さ
ΔH:タンク22の水面からパイプ24の水面までの高さ
ΔY:タンク22の土台23の上面からパイプ24の水面までの高さ
:風洞部12内の流速
:圧力検出部14のスロート部の流速
ここで、大気中の空気密度、音速、絶対圧力を、それぞれ、ρ[kg/m3]、a[m/s]、p[hPa]とし、圧力検出部14のスロート部の空気密度、流速、絶対圧力を、それぞれ、ρ[kg/m3]、u[m/s]、p[hPa]とすると、圧縮性流体としての取り扱いとして、等エントロピーの仮定から、下記式(1)が成り立つ(コロナ社,流体力学(2)白倉,大橋著,17版,175ページ,(3・40)式)。
(上記式(1)において、κは、空気の比熱比=1.4を示す)
上記式(1)において、温度T℃のときの大気中の空気密度ρ[kg/m3]および音速a[m/s]は、それぞれ、下記式(2)および(3)で与えられる。
ここで、風洞部12内の空気密度は、大気の空気密度ρ[kg/m3]に近似することができるので、風洞部12内の空気密度、流速、中空断面積を、それぞれ、ρ[kg/m3]、u[m/s]、A[m2]とし、圧力検出部14のスロート部の空気密度、流速、中空断面積を、それぞれ、ρ[kg/m3]、u[m/s]、A[m2]とすると、連続の式から、下記式(4)が成り立つ。
そして、上記式(1)および上記式(4)より、下記式(5)が導出される。
気温を20℃としてaを定め、u1の値を与えると、上記式(5)からp/p0の値を求めることができる(p2/p0の値を1から少しずつ小さくして、上記式(5)が成り立つp/p0の値をコンピュータで求める)。ここで、求めたp/p0の値を下記式(6)に代入して、p0を標準気圧1013hPaとすると、ΔHを求めることができる。
(上記式(6)において、ρwaterは、水の密度[kg/m3]を示し、ΔHは、タンク22の水面からパイプ24の水面までの高さを示す)
ここで、図5に示した、S、S、H、Xについて、下記式(7)が成り立つ。
上記式(7)をXについて整理すると、下記式(8)が導出される。
したがって、図5におけるΔY(=土台23の上面からパイプ24の水面までの高さ)は、下記式(9)により求まる。
以上をまとめると、上記式(5)のuに対して、所望の流速V[m/s]を与えれば、pが求まり、求めたpを上記式(6)に代入することによって、ΔHが求まる。最後に、求めたΔHと他の定数(S、S、H)を上記式(9)に代入することによって、ΔYが導出される。ここで、ΔYは、風洞部12内に流速V[m/s]の気流が発生したときのパイプ24の水面高さの理論値に相当する。
本実施形態においては、上述した手順で求めたΔYに基づいてパイプ24に目盛りを設定する。具体的には、パイプ24の外周面において、土台23の上面から見て高さΔYの位置に流速V[m/s]を示す目盛りを刻めばよい。
以上、パイプ24の目盛りの設定方法について説明してきたが、本実施形態では、上述したように、マノメータ・ユニット20の3本のパイプ24a、24b、24cが担当する測定範囲の最大値(目盛りの最大値)がそれぞれ異なるので、検定に使用するパイプ24に応じて、固有の風洞ユニット10を用意する必要がある。以下、その理由について説明する。
本実施形態の熱線流速計検定装置100において、設定可能な風洞部12内の最大流速をu maxとし、そのときの圧力検出部14のスロート部の流速(最大)をu maxとすると、下記式(10)が近似的に成り立ち、これをu maxについて整理すると、下記式(11)が求まる。
ここで、上記式(11)におけるu maxは、使用するパイプ24の長さ(すなわち、取り得るΔYの最大値)に応じて許容される値が自ずと決まる(仮に、パイプ24の長さ=1mとした場合、u maxは≒125[m/s]となる)。そこで、上記式(11)において、u maxを定数と見れば、u maxは、A(風洞部12の中空断面積)とA(圧力検出部14のスロート部の中空断面積)の比によって一義的に決まることになり、裏を返せば、u maxに与える値(設定する速度範囲の最大値)に応じて、断面積比[A/A]を変えなければならないことになる。
この点につき、実施形態においては、検定に使用するパイプ24の種類(速度範囲)に応じて異なる風洞ユニット10を用意する。図6(a)〜(c)は、速度範囲ごとに用意された3種類の風洞ユニット10を例示する。図6に示す例では、風洞部12のAは、全て等しく設計されており、圧力検出部14a、14b、14cは、A(スロート部の中空断面積)が異なっている。
ここで、図6(a)〜(c)におけるA(小)、A(中)、A(大)は、上記式(11)を満たすように設計されており、その結果、これらの大きさの関係は、A(小)<A(中)<A(大)となっている。つまり、図6に示す例では、風洞部12の中空断面積Aを固定し、圧力検出部14の中空断面積Aだけを速度範囲に応じて異ならしめる構成を採用している。この場合、風洞部12を共用することができ、検定範囲に応じて圧力検出部14だけを取り替えればよい。
以上、説明したように、本実施形態の熱線流速計検定装置100によれば、検定において、パイプ24の水面に一致した目盛り(流速)と流速出力部62に出力される流速値を比較するだけでよく、現場で煩雑な計算を行う必要がない。また、異なる速度範囲に対応した複数のパイプ24(マノメータ)が用意されているので、広い速度範囲にわたって精度の高い検定が可能なる。なお、本実施形態においては、風洞部12内の気流の一様性を確保するために、必要に応じて(特に、測定範囲が低速の場合)、風洞部12の上流側にハニカム板などの適切な整流手段を設けることが好ましい(以下において、同様)。
続いて、本考案の別の実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、本考案の別の実施形態である熱線流速計検定装置200を示す。
本実施形態の熱線流速計検定装置200における風洞ユニット10sは、圧力検出部14と風洞部12sからなる。ここで、風洞部12sは、その中空断面積が圧力検出部14から上流側に向かって3回にわたり段階的に大きくなる多段形状を有している。すなわち、風洞部12sの中空部は、中空断面積A(大)を持つ第1の中空部と、中空断面積A(中)を持つ第2の中空部と、中空断面積A(小)を持つ第3の中空部を備え、各中空部に対して、検定の対象となる熱線プローブ60をセット(挿入)するための挿入孔13が形成されている。ここで、本実施形態においては、第1の中空部に形成された挿入孔13aが低速用として用意され、第2の中空部に形成された挿入孔13cが中速用として用意され、第3の中空部に形成された挿入孔13bが高速用として用意される。
本実施形態では、検定に際し、マノメータ・ユニット20の3本のパイプ24a、24b、24cの全てを共通の配管50を介して圧力検出部14に接続した上で、測定範囲(低速・中速・高速)に応じた挿入孔13を選択し、そこに検定の対象となる熱線プローブ60をセット(挿入)して、その余の挿入孔13を封止する。
ただし、本実施形態の場合、マノメータ・ユニット20の3本のパイプ24が全て圧力検出部14に接続されるので、パイプ24の水面高さの理論値ΔYは、上記式(9)に代えて、下記式(12)を使用して求める必要がある。
以上、説明したように、本実施形態の熱線流速計検定装置200によれば、測定範囲を変更する際に、配管50をつなぎ直したり、風洞ユニット10を付け替えたりする必要が無いので、検定作業がさらに簡略化される。
以上、本考案について実施形態をもって説明してきたが、本考案は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、風洞部と圧力検出部が分解可能に構成された風洞ユニットを例示したが、本考案においては、風洞部と圧力検出部を一体化してもよい。また、上述した実施形態では、3本のパイプを備えるマノメータ・ユニットを例示したが、本考案は、パイプの数を3本に限定するものではなく、任意の数のパイプを設けることができる。
なお、上述した実施形態では、気温を20℃、気圧を標準気圧1013hPaとして理論値ΔYを算出しているが、室温、気圧によらず、パイプの刻んだ目盛りの値を速度値として問題ない。図9(a)は、流速範囲1m/s〜9m/sの場合の気圧による補正係数を示す。図9(a)に示すように、ほとんど1に近く、圧力に関する補正は必要ないことがわかる。一方、図9(b)は、室温による補正係数を示す。図9(b)に示すように、10℃〜30℃の温度範囲では±2%以内の誤差が生じる。したがって、より高い検定精度が要求される場合は、パイプの液面と一致した目盛りの値に対して、測定環境の温度に対応した補正係数を掛けることによって正確な流速を求めることができる。
その他、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本考案の作用・効果を奏する限り、本考案の範囲に含まれるものである。
以下、本考案の熱線流速計検定装置について、実施例を用いてより具体的に説明を行なうが、本考案は、後述する実施例に限定されるものではない。
(熱線流速計検定装置の作製)
図1で説明したのと同様の熱線流速計検定装置を作製した。本実施例では、速度範囲(低速・中速・高速)ごとに3種類の風洞ユニットを用意した。なお、各部の寸法条件を下記表1にまとめて示す。
なお、各パイプの目盛りは、先に説明した式(5)、式(6)、式(9)に対して、上記表1に示す寸法および下記表2に示す値を代入してΔYを導出し、ΔYに基づいて設定した。
(評価試験)
タンクに基準水位まで水を入れた後、業務用掃除機に低速用の風洞ユニットをセットし、当該風洞の圧力検出部とマノメータ・ユニットの低速用パイプを接続した。次に、正常に動作することが保証された熱線流速計(カノマックス株式会社製)の熱線プローブを低速用風洞の風洞部にセットし、業務用掃除機を駆動させた。その後、電源変圧器を操作して水面をパイプに刻まれた目盛りに合わせ、当該目盛りの値とその時点の熱線計測計の計測値を対応付けて記録するといった作業を目盛りの数(9回)だけ繰り返し行った。
その後、業務用掃除機に中速用の風洞をセットし直し、当該中速用風洞の圧力検出部とマノメータの中速用パイプを接続して、上述したのと同様の作業を行った。さらに、その後、業務用掃除機に高速用の風洞をセットし直し、当該高速用風洞の圧力検出部とマノメータの高速用パイプを接続して、上述したのと同様の作業を行った。
図8は、パイプに刻んだ目盛りの値、当該目盛りに対応するΔYの値、および熱線計測計の測定値と目盛りの値の比(測定値/目盛りの値)の関係を検定範囲(低速・中速・高速)ごとにまとめて示す。図8に示すように、パイプ内の水面を目盛りに合わせた時点の熱線計測計の測定値は、当該目盛りの値と概ね一致する結果となった。
10…風洞ユニット
12…風洞部
13…挿入孔
14…圧力検出部
15…配管接続部
16…開口部
17…流路
20…マノメータ・ユニット
22…タンク
23…土台
24…中空パイプ
25…配管
26…梁部
27…配管接続部
30…気流発生手段
40…電源変圧器
42…吸込口
50…配管
60…熱線プローブ
62…流速出力部
100,200…熱線流速計検定装置

Claims (6)

  1. 熱線流速計の検定を行うための装置であって、
    熱線プローブをセットするための風洞部とベンチュリー管として機能する貫通中空部が形成された圧力検出部とを備えた風洞ユニットと、
    前記風洞部内に気流を発生させるための気流発生手段と、
    前記風洞部内の流速を測定するためのマノメータ・ユニットと、
    前記風洞部内の流速を可変制御するための流速制御手段と
    を含み、
    前記マノメータ・ユニットは、
    液体容器に接続されるパイプであって、前記ベンチュリー管のスロート部に配管を介して接続されたときにマノメータとして機能する、少なくとも1本の透明なパイプを備え、
    前記パイプの外周面に、前記風洞部内に流速Vの気流が発生したときの該パイプの液面高さの理論値に匹敵する高さに流速Vを示す目盛りが刻まれていることを特徴とする、
    熱線流速計検定装置。
  2. 前記マノメータ・ユニットは、N本(Nは2以上の整数)の前記パイプを備え、各前記パイプには、測定範囲の最大値が異なるように前記目盛りが刻まれている、
    請求項1に記載の熱線流速計検定装置。
  3. 前記パイプには固有の前記風洞ユニットが用意され、
    N個の各前記風洞ユニットは、対応する前記パイプに刻まれた測定範囲の最大値が大きくなるほど、前記風洞部の中空断面積Aと前記スロート部の中空断面積Aの比(A/A)が大きくなるように構成されている、
    請求項2に記載の熱線流速計検定装置。
  4. 各前記風洞ユニットは、円筒部材として構成される前記風洞部と円柱状部材として構成される前記圧力検出部とからなり、該風洞部と該圧力検出部が取り外し可能に嵌合されてなる、
    請求項3に記載の熱線流速計検定装置。
  5. 各前記風洞ユニットは、前記中空断面積Aが等しく、対応する前記パイプに刻まれた測定範囲の最大値が大きくなるほど前記中空断面積Aが大きくなるように構成されている、
    請求項4に記載の熱線流速計検定装置。
  6. N本の前記パイプの全てが配管を介して前記ベンチュリー管のスロート部に接続され、
    前記風洞部は、その中空断面積が前記圧力検出部から上流側に向かってN回にわたり段階的に大きくなる多段形状を有し、中空断面積が異なるN個の中空部のそれぞれに前記熱線プローブをセットするための挿入孔が形成される、
    請求項2記載の熱線流速計検定装置。
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CN110618293A (zh) * 2019-06-28 2019-12-27 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 一种十字型热线风速仪的校准方法
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