JP3180121B2 - クロレラ細胞壁の磨砕機 - Google Patents

クロレラ細胞壁の磨砕機

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JP3180121B2 JP18221995A JP18221995A JP3180121B2 JP 3180121 B2 JP3180121 B2 JP 3180121B2 JP 18221995 A JP18221995 A JP 18221995A JP 18221995 A JP18221995 A JP 18221995A JP 3180121 B2 JP3180121 B2 JP 3180121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロレラ細胞壁の磨砕
機に関し、特に、乾燥状態のクロレラ粉末を磨砕するこ
とにより細胞壁を破砕するものである。
【0002】
【従来の技術】クロレラは、人間の完全栄養には欠くこ
とのできない全ての必須アミノ酸のほかにビタミン、ミ
ネラル等を豊富に含んでおり、栄養補給および健康維持
には非常に役立つ食品である。しかし、クロレラは表面
が非常に硬い細胞壁で覆われており、その内部に各種の
栄養素が詰め込まれているので、そのまま食しても消化
吸収せずに排泄されてしまう。このため、細胞壁を破砕
する必要がある。
【0003】従来、細胞壁を破砕する技術としては、代
表例として湿式破砕法や乾式破砕法がある。湿式破砕法
は、例えば特公昭55−32351号や特開平5−68
536号に開示されるように、所定量のクロレラ懸濁液
と非常に小さな粒状のガラスビーズとを密閉した容器内
に入れ、混和、回転することにより液体中の物質を破砕
するものである。また、乾式破砕法は、クロレラ粉末を
音速またはそれに近い速度を有するジェット気流によっ
て衝突板に衝突させ、その際の衝撃で細胞壁を破砕する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】湿式破砕法による場合
には、懸濁液中に含まれるクロレラ粉末とガラスビーズ
とが混練されて高温化するために容器は冷却しなければ
ならず、装置が大がかりなものとなり、破砕後には粉末
を乾燥しなければならいものであった。更に、乾式破砕
法では、破砕されたクロレラ粉末は超微粒で粉末として
の扱いが困難であるため、水と混合してスラリー化し、
これを乾燥させて造粒しなければならなかった。湿式破
砕法、乾式破砕法いずれも破砕のためには複数の工程が
必要であるが、しかし、その結果は充分な破砕効果が得
られないものであった。
【0005】本発明は、上記する従来のクロレラ細胞壁
の破砕技術に鑑み、乾燥化したクロレラ粉末を磨砕する
ことにより細胞壁を完全に破砕することの可能な磨砕機
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明磨砕機は、表面をローレット加工し、平行状
に配設した一対の磨砕ローラ2、3を同期して回転する
ことができるように軸支するとともに一方の磨砕ローラ
2は磨砕ローラ3に対して高速で回転可能とし、磨砕ロ
ーラ3は、磨砕ローラ2に対して相対位置を変えること
ができるように水平移動可能とするとともに磨砕ローラ
2に圧接可能としてある。また、本発明磨砕機は、矩形
体とした基台1内に、表面をローレット加工し、平行状
に配設した一対の磨砕ローラ2、3を回転可能に軸支す
るとともにモータ8によって回転駆動可能な磨砕ローラ
2は磨砕ローラ3に対して高速で回転可能とし、磨砕ロ
ーラ3両端の軸受7は、基台1の側面に固定した上下一
対の固定部材21間に案内部材20を介して水平方向へ
移動可能とし、この軸受7と、基台1の側面に固定した
摺動部材13の両端に設けた伸縮可能な弾性を有する押
圧体17とを摺動用バー19で連結することにより摺動
部材13に設けた調整ネジ18によって磨砕ローラ3を
磨砕ローラ2に対して相対位置を変えることができるよ
うにし、かつ、磨砕ローラ3を磨砕ローラ2に対して圧
接することができるようにしてある。
【0007】
【実施例】以下、図面に従って、本発明の一実施例を詳
細に説明する。図1、図2および図3は本発明磨砕機の
全体を示すものであり、上下を開口して矩形体とした基
台1内には平行状に配設した一対の磨砕ローラ2、3が
周方向にそって同期して回転するように軸支してある。
そして、一方の磨砕ローラ、例えば、磨砕ローラ2は磨
砕ローラ3よりも回転速度を早くするとともに磨砕ロー
ラ2に対して磨砕ローラ3は相対位置を変えて圧接する
ことができるように水平方向へ摺動可能であり、かつ、
磨砕ローラ3は磨砕ローラ2に対して圧接可能となって
いる。
【0008】以下、両磨砕ローラ2、3とその駆動機構
について詳細に説明する。両磨砕ローラ2、3の表面
は、網目状にローレット加工してあり、各磨砕ローラ
2、3の軸心方向にそって両側に突設した回転軸4、5
は、基台1から外部に突出させて軸受6、7内に嵌挿さ
せてある。そして、一方の磨砕ローラ、例えば、磨砕ロ
ーラ2はギヤードモータ8によって強制的に回転駆動可
能となっている。このため、磨砕ローラ2の片側の回転
軸4を軸受6から突出させ、その先端にスプロケット9
を固定し、このスプロケット9と、基台1に付設したギ
ヤードモータ8の回転軸に固定したスプロケット10と
を図示しないチェーンを介して連結してある。
【0009】また、両磨砕ローラ2、3は回転軸4、5
に固定したギヤー11、12によって回転可能に連結し
てある。即ち、磨砕ローラ2のスプロケット9を取り付
けた軸端とは反対側において軸受6、7から突出したそ
れぞれの回転軸4、5の先端にギヤー11、12を固定
する。両ギヤー11、12は噛み合っているので、磨砕
ローラ2をギヤードモータ8によって回転させることに
より磨砕ローラ3も回転することになる。尚、両磨砕ロ
ーラ2、3の回転方向は、図1、図6において上方から
相対する内側方向へ回転するようになっている。
【0010】両磨砕ローラ2、3の回転数(回転速度)
は異なったものとなっており、片側の磨砕ローラ、例え
ば、磨砕ローラ2は磨砕ローラ3に対して高速で回転す
るようになっている。即ち、図1に示すように、磨砕ロ
ーラ2のギヤー11の直径を他方の磨砕ローラ3のギヤ
ー12の直径よりも半分の大きさの径とすることによ
り、磨砕ローラ2は磨砕ローラ3よりも二倍速の高速で
回転することになる。
【0011】駆動側の磨砕ローラ2は、回転軸4と基台
1間にオイルシールを介挿し、かつ、軸受6を基台1に
固定することにより、軸心を中心にして周方向に回転す
るが、図1、図2において軸心と直交する左右方向に移
動することはない。一方、磨砕ローラ3は、回転軸5と
基台1間に圧縮可能なVリングあるいはOリングを介挿
し、かつ、両側の軸受7は基台1に直接に固定すること
なく磨砕ローラ3の軸心とは直交する左右方向へ水平移
動可能となっている。このため、磨砕ローラ3は、磨砕
ローラ2との相対位置を変えることができるように水平
状態で摺動し、かつ、磨砕ローラに対して圧接すること
ができるようになっている。
【0012】軸受7の移動、即ち、磨砕ローラ3の水平
移動は、軸受7と摺動部材13とを連結することによっ
てなされる。図1および図4に詳細を示すように、磨砕
ローラ3の軸心にそって基台1の側面に固定した摺動部
材13の両端部には、軸受7方向に向いた面を開放した
空間14が形成してあり、この空間14内には座金1
5、16間に挟持した伸縮弾性を有する押圧体17が設
置してある。図示において複数枚を積層した板バネから
なる押圧体17は、摺動部材13の側面から水平方向に
ネジ込んだ調整ネジ18によって空間14内を移動可能
であり、調整ネジ18の反対側において座金16に連結
した摺動用バー19の先端が軸受7の側面に連結してあ
る。
【0013】摺動用バー19を介して摺動部材13の押
圧体17に連結する軸受7は、前記のように基台1に直
接に固定することなく案内部材20を介して基台1に連
結可能となっている。このため、図3、図5に示すよう
に、摺動用バー19の延長線上にそって軸受7の上下面
中央部には断面方形状の長形な案内部材20が摺動可能
に嵌め込んであり、両案内部材20は、L字形の固定部
材21を介して基台1の側面に固定することにより軸受
7は上下の案内部材20間に安定して保持されることに
なる。
【0014】図1、図4において、調整ネジ18を回転
させて座金15、16とともに押圧体17を左方向に押
し出すようにして移動させれば摺動用バー19に連結す
る軸受7も案内部材20にそって移動し、同時に磨砕ロ
ーラ3は磨砕ローラ2側に移動することになる。磨砕ロ
ーラ3が磨砕ローラ2に当接した状態で調整ネジ18を
更に回転すれば、押圧体17は座金15、16間で圧縮
され、押圧体17には拡開すべき反発弾性力が働くの
で、その結果、磨砕ローラ3は磨砕ローラ2に強く押し
当てられることになる。押圧体17に対する圧縮力、即
ち、磨砕ローラ3の磨砕ローラ2に対する圧接力は調整
ネジ18によって調整可能であり、その調整結果は調整
ネジ18に付設した公知の指針リングによって目盛り板
に表示可能である。尚、本発明においては磨砕ローラ3
は磨砕ローラ2に対して2〜10トンの圧接力が与えら
れている。
【0015】本発明磨砕機は上記の構成であり、次にク
ロレラ粉末の磨砕について説明する。クロレラ粉末は、
乾燥状態では7〜8μm単位の粉粒体が複数個結合した
状態となっており、全体では40〜60μmの大きさと
なっている。この大きさのクロレラ粉末を磨砕ローラ
2、3の上方から所定量を投入する。粉末の投入案内の
ために、図6に示すように、両磨砕ローラ2、3の上方
には傾斜状態でガイド板22を設けておく。あるいは、
ガイド板22に変えてクロレラ粉末を収容可能なホッパ
ーを設置するようにしてもよい。
【0016】ギヤードモータ8によって磨砕ローラ2を
回転駆動し、ギヤー11、12を介して磨砕ローラ3を
回転させれば、磨砕ローラ2は磨砕ローラ3の二倍の速
度で回転し、かつ、磨砕ローラ3は磨砕ローラ2に対し
て圧接するとともに表面をローレット加工してあるの
で、両磨砕ローラ2、3間には単なる転圧力のほかに剪
断応力が働くことになる。従って、投入されたクロレラ
粉末は剪断されつつ押しつぶされ、両磨砕ローラ2、3
間から下方に排出されることになる。クロレラ粉末の細
胞壁は非常に硬いものであるため、一回の磨砕では充分
な破砕効果が得られない場合には、循環して磨砕すれば
よく、最終的に破砕された粉末は、約2〜3μmの微粉
末となって両磨砕ローラ2、3の下方へ排出される。
【0017】磨砕ローラ2、3の表面には転圧によって
微粉末が付着した状態となるが、両磨砕ローラ2、3の
下面にはそれぞれスクレーパー23が接しているので、
付着した粉末は掻き取られ、下方へと排出される。従っ
て、磨砕ローラ2、3の排出口に面して下方に方形状の
容器やタンク等を設置しておけば破砕されたクロレラ粉
末の収容が可能である。
【0018】尚、上記の説明において磨砕ローラ2に対
する磨砕ローラ3の圧接力は、摺動部材13に内蔵する
押圧体17である板バネの弾性押圧力による場合である
が、これに限定されるものではなく、スプリングコイル
を使用してもよく、また、油圧あるいは空圧シリンダー
を使用して押圧力を付与するようにしてもよい。この場
合には、摺動部材13の両端部にシリンダーを設置し、
シリンダーロッドの先端を軸受7の側面に連結して圧接
すればよい。
【0019】
【発明の効果】以上、説明した本発明によれば、表面を
ローレット加工した一対の磨砕ローラ2、3を上方から
相対する内側方向へ回転可能に設置し、一方の磨砕ロー
ラ2は磨砕ローラ3に対して二倍速で回転させるととも
に磨砕ローラ3は磨砕ローラ2に対して相対位置を変え
ることができるようにし、かつ、圧接するようにしたの
で、両磨砕ローラ2、3間には転圧応力のほかに剪断応
力が働くことになる。従って、両磨砕ローラ2、3間に
投入されたクロレラ粉末は、剪断されつつ押し潰される
ので、クロレラ粉末の硬い表面の細胞壁も完全に破砕さ
れることになる。クロレラ粉末の細胞壁は非常に硬いも
のであるため、磨砕ローラ2、3の剪断や転圧によって
も簡単に破砕せず、磨砕ローラ3が磨砕ローラ2から離
間する現象を生ずるが、押圧体17がこれを吸収する機
能を有するので両磨砕ローラ2、3の表面が傷ついたり
変形するようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明磨砕機の一部を断面とした平面図であ
る。
【図2】本発明磨砕機の正面図である。
【図3】本発明磨砕機の側面図である。
【図4】本発明装置の要部を示す平面から見た断面図で
ある。
【図5】摺動可能な軸受の斜視図である。
【図6】図1のA−A線から見た概略の断面図である。
【符号の説明】
1 基台 2 磨砕ローラ 3 磨砕ローラ 4 回転軸 5 回転軸 6 軸受 7 軸受 8 ギヤードモータ 9 スプロケット 10 スプロケット 11 ギヤー 12 ギヤー 13 摺動部材 14 空間 15 座金 16 座金 17 押圧体 18 調整ネジ 19 摺動用バー 20 案内部材 21 固定部材 22 ガイド板 23 スクレーパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 4/00 - 4/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面をローレット加工し、平行状に配設
    した一対の磨砕ローラ2、3を同期して回転することが
    できるように軸支するとともに一方の磨砕ローラ2は磨
    砕ローラ3に対して高速で回転可能とし、磨砕ローラ3
    は、磨砕ローラ2に対して相対位置を変えることができ
    るように水平移動可能とするとともに磨砕ローラ2に圧
    接可能として成ることを特徴とするクロレラ細胞壁の磨
    砕機。
  2. 【請求項2】 矩形体とした基台1内に、表面をローレ
    ット加工し、平行状に配設した一対の磨砕ローラ2、3
    を回転可能に軸支するとともにモータ8によって回転駆
    動可能な磨砕ローラ2は磨砕ローラ3に対して高速で回
    転可能とし、磨砕ローラ3両端の軸受7は、基台1の側
    面に固定した上下一対の固定部材21間に案内部材20
    を介して水平方向へ移動可能とし、この軸受7と、基台
    1の側面に固定した摺動部材13の両端に設けた伸縮可
    能な弾性を有する押圧体17とを摺動用バー19で連結
    することにより摺動部材13に設けた調整ネジ18によ
    って磨砕ローラ3を磨砕ローラ2に対して相対位置を変
    えることができるようにし、かつ、磨砕ローラ3を磨砕
    ローラ2に対して圧接することができるようにしたこと
    を特徴とするクロレラ細胞壁の磨砕機。
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