JP3180107B2 - 活魚運搬具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は活魚を水とともに運搬
する際に使用する、活魚運搬具の改良に係わる。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の運搬具において、活魚運
搬具は単純な箱型をしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】釣行時に釣人が水中を
歩きながら、運搬具に紐をつけて浮かべながら歩いて行
くので、釣人の歩行に際して運搬具が動揺し、単純な箱
型の運搬具ではそれに伴って内部の水が移動するので、
囮の活魚が驚いて騒ぎ鼻などをケーシングなどに打当て
衰弱することが多く、鮎の共釣りなどで釣人の大きな悩
みとなっている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、次の様な手段
により問題を解決している。短形の箱状をしたケーシン
グと、そのケージングの上端開放部の閉鎖可能な嵌脱型
ないし枢着型の上蓋と、適数のヒンジによりケーシング
の中位の高さに枢着された中蓋とより主として構成さ
れ、中蓋よりも上部の内部スペースは空気室を構成し、
中蓋よりも下部の内部スペースは水室を構成し、中蓋に
適数の小孔を設けて上記の水室内の水が一部、装置の運
搬時に動揺によって空気室内へ若干上方ヘ流出しても、
再びそれらの小孔を介して元の水室に戻るように構成さ
れ、中蓋により水室内の水の移動を抑え、運搬中の水室
内の活魚がケーシングなどに鼻などを打ちつけて弱る作
用を借小にして、活魚の元気な状態を可及的に持続する
ようにする。

【０００５】

【作用】ケーシングの上部に水位が届かずに空気室が空
いているとき、全体が傾くと下部の水室の水は中蓋の小
孔を介して上部の空気室に移動する。全体が水平に復帰
したとき、上部に移動した水は中蓋の小孔を介して下部
の水室に戻る。この様な水の移動は中蓋が存在しない装
置と較べるときわめて緩慢になり、短期間の動揺に伴う
水室の水の移動は大きく制限される。上部の空気室の中
にまで水位が届いているとき、上部の空気室の水は傾い
た方向に急瞬に移動するが、その水の移動が下部の水室
に影響することが中蓋によりほぼ遮断され、短期間の動
揺に伴う水室の水の移動は中蓋により大きく制限され
る。

【０００６】

【実施例】図１は本器の長手方向縦断面図、図２は上蓋
２を取除いた状態における水平断面図、図３は中蓋３を
水平の定位置に保持した状態における垂直横断面図であ
る。また、図４は中蓋３を枢着点を中心として、水平位
置より上方に９０°廻動させて跳ね上げた状態における
垂直横断面図である。これらの図において水や魚は図示
していない。これらの図において、ケーシング１は図２
に明示されているように、なるべくは横長に選定された
箱状であって、その材料としてはプラスチック、木材、
ファイバーなど、任意適宣の硬質あるいは反硬質の材料
からなる。２はケージング１の上端開放の上蓋で、上蓋
２はスノコ状で透水性とし、水中に本器を置いたときに
は、ケーシング１の内部に外部の水が自由に流入できる
ようにする。３は中蓋で、その一方の端部はケーシング
１の内壁にヒンジ５を介して廻動可能に枢着され、他方
の端部は休止時においてケーシング１の内壁面の中央部
の肩部１０に衝合して保持される。中蓋３を上に跳ね上
げたときには、ケーシング１の横にストッパー１１を設
け中蓋３を保持する。４は中蓋３に開けた小孔である。
６はケーシング１に設けた魚の挿入口で、ネジ蓋７で通
常は挿入口６を塞ぐ。

【０００７】

【発明の効果】この発明の活魚運搬具の水室９に入れた
活魚は、運搬具の動揺による水の移動が著しく減少する
ので、水の移動に驚いて鼻先などをケーシング１に打ち
つけたりすることが少なく、従来の運搬具のように短期
間に衰弱することはなくなる。中蓋３の小孔４により、
空気室８と水室９との水や空気の交換が可能となり、装
置全体を川などに浸けた時に、川の水が流れに従って透
水性の上蓋２を通過して空気室８に入り、その一部が水
室９に小孔４を介して入り、水室９の水が徐々に交換さ
れる。活魚運搬具内の水位が低くても活魚が弱らないの
で、内部の水の量が削減でき運搬時の重量が従来の運搬
具より軽くなり運搬が容易になる。また同様に、車両等
で活魚を運搬する際に使用する活魚運搬具で、中央に中
蓋３を設け車両の動揺にともなう水の移動を抑制し、運
搬時の活魚の衰弱を軽減できる。ネジ蓋７を取外し指先
で中蓋３を上にあげるか、箱全体を傾けて中蓋３を倒せ
ば、釣り上げた魚等を挿入口６から下部の水室９に入れ
られ、上蓋２を取外すことなく、魚を内部に挿入するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の活魚運搬具の長手方向縦断面図。

【図２】本発明の活魚運搬具の水平方向断面図。

【図３】本発明の活魚運搬具の短形方向横断面図。

【図４】本発明の活魚運搬具の中蓋を跳ね上げた状態の
短形方向横断面図。

【符号の説明】

１ ケーシング、 ２ 上蓋、 ３ 中蓋、 ４ 小孔、 ５ ヒンジ、 ６ 挿入口、 ７ ネジ蓋、 ８ 空気室、 ９ 水室、 １０ 肩部、 １１ ストッパー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 短形の箱状をしたケーシングと、そのケ
   ージングの上端開放部の閉鎖可能な嵌脱型ないし枢着型
   の上蓋と、適数のヒンジによりケーシングの中位の高さ
   に枢着された中蓋とより主として構成され、中蓋よりも
   上部の内部スペースは空気室を構成し、中蓋よりも下部
   の内部スペースは水室を構成し、中蓋に適数の小孔を設
   けて上記の水室内の水が一部、装置の運搬時に動揺によ
   って空気室内へ若干上方へ流出しても、再びそれらの小
   孔を介して元の水室に戻るように構成され、中蓋により
   水室内の水の移動を抑え、運搬中の水室内の活魚がケー
   シングなどに鼻などを打ちつけて弱る作用を借小にし
   て、活魚の元気な状態を可及的に持続するようにしたこ
   とを特徴とする活魚運搬具。