JP3179721U - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】理想的なビーム分岐ができ、かつビーム間ピッチを任意に調整することができるレーザー加工装置の提供。
【解決手段】レーザービーム分岐手段21と集光レンズ22、23とイメージローテーター24とからなり、レーザービーム発振器20から発振される単一のレーザービームを複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームを被加工物26表面に照射して、被加工物表面でライン状の加工を行うレーザー加工装置であって、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整によりイメージローテーターから射出されるビームのピッチ間隔を調整するように構成してなるレーザー加工装置。この加工装置によるレーザービームのピッチ調整、及びこの加工装置を用いて被加工物表面をレーザー加工する。
【選択図】図2

Description

本考案は、レーザー加工装置に関し、特にイメージローテーターを備えたレーザー加工装置に関する。
従来、レーザービームにより被加工物表面にライン状加工を行う工程として、例えば、薄膜太陽電池パネル作製に当たり、電極膜形成のためにITO膜、アモルファスシリコン膜等にスクライビング(切り込み)加工を行う加工工程や、アモルファスシリコンをポリシリコンに改質するためにシリコン膜にレーザービームをライン状に施すレーザーアニール工程や、チップ抵抗のセラミック基板に対して、個別チップに分割するためのスクライビングラインを施すスクライビング工程等が知られている。
例えば、薄膜太陽電池パネルは、CVD法やスパッタ法で下地層を成膜したガラス基板上に、透明電極膜、シリコン膜、及びメタル膜等を形成してなる積層膜からなる。これらの積層膜が光に対して応答し、電池作用を引き起こす。この電池パネルの生産工程では、レーザービームにより膜面をスクライビングして、電池を直列に接続する工程が必要になる。この工程で使われるレーザー装置を、通常、レーザースクライバーと称している。このスクライビング工程では、通常、波長1μm近傍や0.5μm近傍のレーザービーム発振器が多く使われている。他の波長でもスクライビングは可能であるが、装置のコストや入手難や安定性等に鑑みて、上記した波長のレーザービーム発振器が多く使われているのが現状である。
近年、上記スクライビング工程等において、単一のレーザービームを複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームを用いてライン状の加工を行うことが提案されている。例えば、回折格子を用いて単一のレーザービームを分岐することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
スクライビング工程では、通常、レーザービームを分岐するだけではなく、分岐後のビーム間のピッチが可変であると共に、被加工物の加工目的に応じてピッチ間隔を調整できなければならない。しかし、回折格子により分岐されたビームは照射レンズへと向かい、照射レンズでは被加工物に対してなるべく垂直な方向からビームが到達するように設計されるが、外側のビームほど、斜めに照射されるという問題がある。そのため、ビームエネルギーの利用効率は低く、60%程度である。また、回折格子では、理想的なビーム分岐はできず、必ず回折条件の成立しない副次光が発生するという問題もあり、汎用的ではない。
図1に回折格子を用いたビーム分岐の一例を示す。レーザービーム発振器1から発振される単一レーザービームは、エキスパンダー2を透過し、反射ミラー3で反射された後に回折格子4を透過して分岐される。この分岐されたビームは、0次から高次までの回折光となり、広がりながら照射レンズ5へと向かう。照射レンズ5を透過したビームは、遮光マスク6を経て被加工物7に対してなるべく垂直な方向から到達するように設計されているが、全てのビームを垂直方向から被加工物7へ照射することはできないという問題がある。回折格子4を使用する場合、ビーム間のピッチは、ビームの光軸を中心にして、回折格子4、照射レンズ5及び遮光マスク6を回転することにより達成可能ではあるが、上記したような問題がある。
特開2004−268144号公報(特許請求の範囲等)
本考案の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、理想的なビーム分岐ができ、被加工物に対してビームを垂直に照射でき、かつビーム間ピッチを任意に調整することができるレーザー加工装置を提供することにある。
本考案のレーザー加工装置は、レーザービーム分岐手段と集光レンズとイメージローテーターとイメージローテーター回転手段とを有し、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、レーザービーム分岐手段により複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームを被加工物表面に照射して、被加工物表面でライン状の加工を行うレーザー加工装置であって、イメージローテーター回転手段により、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整によりイメージローテーターから射出される複数のビームのピッチ間隔を調整するように構成したことを特徴とする。
前記レーザービーム分岐手段が、分岐したいビームの数だけプリズムを組み合わせてなる偏光ビームスプリッターであって、分岐したいビームの数より1つ少ない数のプリズムのそれぞれに、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成された光半透膜が設けられており、残りの1つのプリズムには全反射の膜が設けられている偏向ビームスプリッターであることが好ましい。
前記レーザービーム分岐手段はまた、分岐したいビームの数より少なくとも一つ少ない部分反射ミラーと、少なくとも一つの全反射ミラーとを組み合わせて構成され、この部分反射ミラーが、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成されているビームスプリッターであっても良い。
前記集光レンズは、レーザービームの光路上で、イメージローテーターの上流側又は下流側に設置されていればよい。
前記のように構成したレーザー加工装置によれば、理想的なビーム分岐ができ、被加工物に対してビームを垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整することができるようになる。
本考案のレーザー加工装置によれば、レーザービームの理想的な分岐ができ、加工物に対してビームを垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整することができ、被加工物を目的に応じて任意にライン状に加工できるという効果を奏する。
回折格子を用いた従来技術のビーム分岐を説明するための模式的説明図。 本考案のレーザー加工装置におけるビームの光路を説明するための模式的説明図。 本考案で用いるビームスプリッターの一実施の形態を示す模式的構成図。 本考案で用いるビームスプリッターの別の実施の形態を示す模式的構成図。 本考案におけるレーザービームのスポット位置について説明するための模式的説明図。
本考案に係るレーザー加工装置の好ましい実施の形態によれば、レーザービーム分岐手段と集光レンズと回転自在に構成されたイメージローテーターとイメージローテーター回転手段とを有し、このレーザービーム分岐手段が、分岐したいビームの数だけプリズムを組み合わせてなる偏光ビームスプリッターであって、分岐したいビームの数より1つ少ない数のプリズムのそれぞれに、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成された光半透膜が設けられており、残りの1つのプリズムには全反射の膜が設けられている偏向ビームスプリッターであるか、又は分岐したいビームの数より少なくとも一つ少ない部分反射ミラーと、少なくとも一つの全反射ミラーとを組み合わせて構成され、この部分反射ミラーが、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成されているビームスプリッターであり、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、レーザービーム分岐手段により複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームをイメージローテーターに入射せしめ、イメージローテーター回転手段により、イメージローテーターをビームの光軸の周りに所定の角度回転せしめ、ピッチ間隔の調整されたビームをイメージローテーターから射出せしめ、このピッチの調整されたビームを被加工物表面に垂直に照射して、被加工物表面でライン状の加工を行うことができるレーザー加工装置が提供される。
上記集光レンズが、レーザービームの光路上で、イメージローテーターの上流側であってレーザービーム分岐手段の下流側に設置されている場合には、ビーム分岐手段により分岐された複数のビームを集光レンズを透過せしめてイメージローテーターへ入射させ、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを所望の角度だけ回転させ、その回転角度の調整によりイメージローテーターから射出されるビームのピッチ間隔を調整するように構成れている。
また、上記集光レンズが、レーザービームの光路上で、イメージローテーターの下流側であって被加工物の前に設置されている場合には、レーザービーム分岐手段により分岐された複数のビームをイメージローテーターへ入射させ、イメージローテーター回転手段により、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを所望の角度だけ回転させ、その回転角度の調整によりイメージローテーターから射出されるビームのピッチ間隔を調整し、このピッチ間隔の調整されたビームが集光レンズを透過するように構成されている。
上記のように構成したレーザー加工装置によれば、理想的なビーム分岐ができ、被加工物に対して垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整することができるようになる。
レーザービーム分岐手段としては、特に制限はなく、以下詳細に説明するプリズムを用いた偏光ビームスプリッター又は全反射ミラーと部分反射ミラーとを組み合わせてなるビームスプリッターを用いることができる。
例えば、偏光ビームスプリッターとしては、上記したように、分岐したいビームの数より1つ少ない数のプリズムのそれぞれに、同じ強度のビームを反射せしめるような反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成された光半透膜が設けられており、残りの1つのプリズムには全反射の膜が設けられているビームスプリッターを用いることができる。
すなわち、図2(a)に示すように、レーザービーム発振器20から発振された単一のビームに対して、所望の寸法を有するプリズムをビーム分岐したい数だけ組み合わせた偏向ビームスプリッターであるレーザービーム分岐手段21を用いてビーム分岐することができる。この場合、各プリズムとしては、所望の割合の反射率及び透過率を有する光半透膜を備えたものを使用すればよい。図2(a)に示すように、第1のプリズムPで部分反射させてラインAを形成し、第1のプリズムPを透過したビームを第2のプリズムPで部分反射させてラインBを形成し、第2のプリズムPを透過したビームを第3のプリズムPで部分反射させてラインCを形成し、第3のプリズムPを透過したビームを第4のプリズムPで部分反射させてラインDを形成し、第4のプリズムPを透過したビームを第5のプリズムPで部分反射させてラインEを形成し、そして第5のプリズムPを透過したビームを第6のプリズムPで全反射させてラインFを形成するというように、所望の数だけ分岐せしめることができる。図2(a)では、6本に分岐する場合について例示してあるが、プリズムの寸法や、レンズの径を適宜選択することにより、目的とする本数に分岐することができる。各プリズムの反射率及び透過率に関しては、分岐されて形成される各ビームの強度が等しくなるように、適宜設計すればよい。
本考案ではまた、レーザービーム分岐手段として、上記したように、分岐したいビームの数より少なくとも一つ少ない部分反射ミラーと、少なくとも一つの全反射ミラーとを組み合わせて構成され、この部分反射ミラーが同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成されている分岐手段を使用することができる。例えば、図3(a)及び図4(a)に示すように、所定の数の全反射ミラーと部分反射ミラーとを、所定の順番で、等間隔に、所定の角度で配置したビームスプリッターを用いて、ビームを分岐しても良い。
図3(a)に示すように、レーザービーム発振器から発振された単一のビームを、レーザービームの光路に沿って配置した第1の部分反射ミラーMで部分透過させてラインAを形成し、部分反射ミラーMで反射したビームを第2の部分反射ミラーMで部分反射させてラインBを形成し、第2の部分反射ミラーMを透過させたビームを部分反射ミラーMで部分反射させてラインCを形成し、第3の部分反射ミラーMを透過させたビームを第4の部分反射ミラーMで部分反射させてラインDを形成し、第4の部分反射ミラーMを透過させたビームを全反射ミラーMで反射させてラインEを形成するというようにして、所望の数だけ分岐せしめることができる。図3(a)では、5本に分岐する場合について例示してあるが、部分反射ミラーの寸法や数、配置の角度を適宜選択することにより、目的とする加工ビームの本数に分岐できる。各反射ミラーの反射率及び透過率に関しては、分岐されて形成される各ビームの強度が等しくなるように、適宜設計すればよい。
また、図4(a)に示すように、所定の数の全反射ミラーと部分反射ミラーとを、所定の順番で、等間隔に、所定の角度で配置したものを1セットとし、これをレーザービームの光軸に対して軸対称に離隔して配置したビームスプリッターを用いて、ビームを分岐しても良い。
図4(a)に示すように、まず、レーザービーム発振器から発振された単一のビームを、レーザービームの光路に沿って配置した第1の部分反射ミラーRで部分反射させると共に部分透過させる。次いで、透過させたビームを第2の部分反射ミラーRを部分透過させてラインAを形成し、第2の部分反射ミラーRで反射させたビームを第3の部分反射ミラーRで部分反射させてラインBを形成し、第3の部分反射ミラーRを透過させたビームを第4の部分反射ミラーRで部分反射させてラインCを形成し、第4の部分反射ミラーRを透過させたビームを第5の全反射ミラーRで反射させてラインDを形成するというように、所望の数だけ分岐せしめることができる。また、第1の部分反射ミラーRで部分反射させたビームを第6の部分反射ミラーRで部分反射させてラインEを形成し、第6の部分反射ミラーRを透過させたビームを第7の部分反射ミラーRで部分反射させてラインFを形成し、第7の部分反射ミラーRを透過させたビームを第8の全反射ミラーRで反射させてラインGを形成するというように、所望の数だけ分岐せしめることができる。
図4(a)では、合計7本に分岐する場合について例示してあるが、全反射ミラー及び部分反射ミラーの寸法や数、配置の角度や、セットの数を適宜選択することにより、目的とする加工ビームの本数に分岐できる。各反射ミラーの反射率及び透過率に関しては、分岐されて形成される各ビームの強度が等しくなるように、適宜設計すればよい。
図3(a)及び図4(a)では、ビームスプリッターを構成する全反射ミラー及び部分反射ミラーの好ましい配置を例示したが、レーザービームを均等に分岐するという目的に沿っていれば、他の配置でも良いのは当然である。
集光レンズは、レーザービームの光路に沿って、以下に述べるイメージローテーターの上流側(図2(a))又は下流側に配置され、前記したように分岐されたビームの各ビームを集光してイメージローテーターに入射せしめるか、又は分岐されたビームの各ビームをイメージローテーターに入射した後、イメージローテーターから射出したピッチ間隔の調整された各ビームを集光して被加工物表面上にビームスポットを所定の形状に形成するように構成されている。イメージローテーターから射出されるビームは、照射レンズバーを透過して被加工物表面上に到達し、表面をライン状に加工する。
イメージローテーター(像回転器)としては、本考案ではポロ式及びダハ式の正立プリズムを使用することができ、ダハ式プリズムが好ましい。このダハ式プリズムは、呼び面角90度で交わる一対の反射面を有するプリズムであり、像を逆転できる。このイメージローテーターをレーザービームの光軸の周りでφ度だけ回転すると、イメージローテーターから射出されるビームは2φ度だけ回転する。これに対して回折格子は、光の回折と干渉により分光して干渉縞を形成するものであり、格子とスクリーンとの間の距離を変えることにより、干渉縞のパターンを変化させることができる。
被加工物としては、特に制限されず、例えば、薄膜太陽電池パネルを作製する場合のITO膜等の透明電極膜、シリコン膜、メタル膜等や、レーザーアニールによりアモルファスシリコンをポリシリコンに改質する場合のシリコン薄膜や、個別チップに分割する場合のチップ抵抗のセラミック基板等を用いることができる。これらの被加工物に対して、ピッチ間隔の調整されたレーザービームを照射して、スクライビング処理を行い、ライン状の加工を行う。
上記集光レンズを、イメージローテーターの上流側であって、レーザービーム分岐手段の下流側に設置した場合のレーザービーム発振器から被加工物までのレーザービームの光路ついて、図2(a)〜(d)を参照して説明する。
図2(a)に示したように、レーザービーム発振器20から発振された単一のレーザーームは、上記したようにレーザービーム分岐手段21により目的とする本数のビームに分岐され(図2(a)では、6本を例示してある)、次いでレンズ22及びレンズ23を透過してイメージローテーター24としてのダハ式プリズムへ入射される。
上記のようにして分岐されたビームをイメージローテーター24に入射せしめると共に、イメージローテーター回転手段により、イメージローテーター24をビームの光軸の周りに所望の角度φ度だけ回転させると、イメージローテーター24から2φ度だけ回転されたイメージ(ビーム)が射出される。この回転角度の調整により、後述するように、ビームのピッチ間隔を変えることができる。イメージローテーター24から射出されるビームは、互いに平行な状態を保ちつつ、照射レンズバー25を透過し、そのまま被加工物26の加工面へ到達する(図2(a)及び(b))。照射レンズバー25をスクライビング方向に対して垂直に配置すれば、一つのビームの中心から隣接するビームの中心までの距離であるビーム中心間ピッチは最大となり(図2(c))、また、照射レンズバー25をスクライビング方向に対して所定の傾きをもって配置すれば、ビーム中心間ピッチは変化する(図2(d))。ビーム中心間ピッチはθ=60度で最小ピッチになる。この場合、イメージローテーター24の回転角度φは30度でよい。
上記のようにして被加工物の加工面へ到達したレーザービームのスポット位置について、図3(a)に示すビームスプリッターについては図3(b)に示し、図4(a)に示すビームスプリッターについては図4(b)に示す。また、一般的なレーザービームのスポット位置について、図5(a)〜(c)に示す。各図において横軸はX軸であり、縦軸はY軸(長手スクライビング方向)である。
図3(b)及び図4(b)において、○は加工面におけるレーザービームのスポット位置(θ度回転後)を表し、仮想線の○は回転前のスポット位置を表し、D’はビーム間ピッチを表し、Oは回転中心を表す。回転前のスポット位置を示す図5(a)において、Oは回転中心を表し、○は回転前の加工面におけるレーザービームのスポット位置を表し、Dはビーム間ピッチを表す。回転後のスポット位置を示す図5(b)において、Oは回転中心を表し、○はθ回転後の加工面におけるレーザービームのスポット位置を表し、仮想線の○は回転前のスポット位置を表し、Dはビーム間ピッチを表し、D’はθ回転後のビームスポット位置を表し、D’=Dcosθなる関係が成り立つ。そして、回転後のスポット位置を示す図5(c)において、Oは回転中心を表し、○はほぼ90度回転後のスポット位置を表す。
図3(b)は、図3(a)の光学系において、イメージローテーターをθ度回転させた場合、加工面での隣接するビームスポット間の距離が、回転前の距離と比べて可変していることを示している。また、図4(b)の場合も、図4(a)の光学系において、イメージローテーターをθ度回転させた場合、加工面での隣接するビームスポット間の距離が、回転前の距離と比べて可変していることを示している。
図5(a)は、予め光学的に分岐された多数本のビームがイメージローテーター及び照射レンズを介してスポット状に集光されて、直列状に配列している様子を模式的に表している。図5(a)から明らかなように、X軸方向に等間隔でビームスポットが並んでいる状態で、Y軸方向に平行移動すれば、等間隔のケガキ線をY軸に平行に描くことができる。次に、X軸方向の各ビーム間ピッチを可変したい場合、図5(a)に示す回転中心Oにおいてビームの光軸の周りに所定の角度だけ回転操作をすると、図5(b)に模式的に示す状態になる。図5(b)に示すように、θ度だけ回転させて固定し、その回転角度を保持して、Y軸方向に平行移動すれば、ビームスポット間の距離(D’)とビーム間距離(D)とは、上記したように、次式を満足する関係にある。
D’=D・cosθ
上式において、Dはθ=0度の時のビーム間ピッチ(最大ピッチ)であり、θは回転角度である(回転方向は、左回りでも右回りのいずれでも良い)。図5(c)から明らかなように、ビームピッチは、θ=〜90度の時に最小になる。
また、分岐されたビームの本数は、偶数本でも奇数本でも良く、回転対象を軸とすればよい。
本考案のレーザー加工装置を用いるレーザービームのピッチ可変法の好ましい実施に形態によれば、レーザービーム分岐手段と集光レンズとイメージローテーターとイメージローテーター回転手段とを有するレーザー加工装置を用い、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、レーザービーム分岐手段により、複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームを、イメージローテーターに入射せしめ、イメージローテーター回転手段により、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、この回転角度の調整により、イメージローテーターから射出される複数のビームのピッチ間隔を調整するピッチ可変法が提供され、この場合、レーザービーム分岐手段として、上記したような偏光ビームスプリッターや、全反射ミラーと部分反射ミラーとを任意に組み合わせてなるビームスプリッターを用いて所望の数のビームに分岐した後に、分岐された複数のビームを、集光レンズを透過させてイメージローテーターに入射せしめるか、又は分岐された複数のビームをイメージローテーターへ入射せしめ、このイメージローテーターから射出される複数のビームを、集光レンズを透過させればよい。
かくして、イメージローテーターを所定の角度回転することにより、被加工物に照射するビームを理想的な分岐ビームとすることでき、分岐ビームを被加工物に対して垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整し、可変することができる。
このレーザービームのピッチ可変法におけるレーザービーム分岐手段、集光レンズ、イメージローテーター等については、上記したレーザー加工装置で説明した通りである。
本考案のレーザー加工装置を用いるレーザー加工方法の好ましい実施の形態によれば、レーザービームを用いて被加工物の表面をライン状に加工する方法において、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、レーザービーム分岐手段として上記したような偏光ビームスプリッターや、全反射ミラーと部分反射ミラーとを任意に組み合わせてなるビームスプリッターを用いて、複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームをイメージローテーターに入射せしめ、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整により、イメージローテーターからピッチ間隔が調整された複数のビームを射出させ、かくして得られたピッチ間隔の調整された複数のビームを被加工物表面に照射してライン状に加工する方法が提供され、この場合、分岐された複数のビームを、集光レンズを透過させてイメージローテーターに入射せしめ、次いでイメージローテーターから射出されるピッチ間隔が調整されたビームを被加工物表面に照射してライン状に加工するか、又は分岐された複数のビームをイメージローテーターへ入射させ、イメージローテーターから射出されるビームを、集光レンズを透過させた後に被加工物表面に照射すればよい。
かくして、イメージローテーターを所定の角度回転することにより、被加工物に照射するビームを理想的な分岐ビームとすることでき、分岐ビームを被加工物に対して垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整し、可変することができるので、被加工物を目的に応じて任意にライン状に加工することができる。
このレーザー加工方法におけるレーザービーム分岐手段、集光レンズ、イメージローテーター等については、上記したレーザー加工装置で説明した通りである。
上記したレーザー加工装置をレーザービーム発振器の先端側に設置して、レーザー加工を行う。
本考案では、イメージローテーター回転手段によりビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整によりイメージローテーターから射出される複数のビームのピッチ間隔を調整するように構成したが、照射レンズバーやレーザービーム分岐手段等のレーザー加工装置の構成要素を回転させ、回転角度の調整によっても、同じように複数のビームのピッチ間隔を調整することができる。レーザービーム分岐手段の回転の場合には、イメージローテーターなしでよい。
本考案のレーザー加工装置を用いるレーザービームのピッチ可変法は、レーザービーム分岐手段と集光レンズとイメージローテーターとイメージローテーター回転手段とを有するレーザー加工装置を用い、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、レーザービーム分岐手段により、複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームをイメージローテーターに入射せしめ、イメージローテーター回転手段により、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整により、イメージローテーターから射出される複数のビームのピッチ間隔を調整することを特徴とする。
前記レーザービームのピッチ可変法において、レーザービームの分岐が、分岐したいビームの数だけプリズムを組み合わせてなる偏光ビームスプリッターであって、分岐したいビームの数より1つ少ない数のプリズムのそれぞれに、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成された光半透膜が設けられており、残りの1つのプリズムには全反射の膜が設けられている偏光ビームスプリッターであるレーザービーム分岐手段を用いて、又は分岐したいビームの数より少なくとも一つ少ない部分反射ミラーと、少なくとも一つの全反射ミラーとを組み合わせて構成され、この部分反射ミラーが同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成されているレーザービーム分岐手段を用いて行われることが好ましい。
前記レーザービームのピッチ可変法において、分岐された複数のビームを、集光レンズを透過させてイメージローテーターに入射せしめても、あるいはまた、イメージローテーターから射出されるビームを、集光レンズを透過させても良い。
このピッチ可変法においては、ビームを分岐した後、イメージローテーターを所定の角度回転することにより、被加工物に照射するビームを理想的な分岐ビームとすることできると共に、ビーム間ピッチを任意に調整し、可変することができる。また、理想的なビーム分岐ができ、被加工物に対してビームを垂直に照射できる。
本考案のレーザー加工装置を用いるレーザー加工方法は、レーザービームを用いて被加工物の表面をライン状に加工する方法において、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、レーザービーム分岐手段により複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームをイメージローテーターに入射せしめ、イメージローテーター回転手段により、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整により、イメージローテーターから、ピッチ間隔が調整された複数のビームを射出させ、かくして得られたピッチ間隔の調整されたビームを被加工物表面に照射してライン状に加工することを特徴とする。
上記レーザー加工方法において、レーザービームの分岐が、分岐したいビームの数だけプリズムを組み合わせてなる偏光ビームスプリッターであって、分岐したいビームの数より1つ少ない数のプリズムのそれぞれに、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成された光半透膜が設けられており、残りの1つのプリズムには全反射の膜が設けられている偏光ビームスプリッターであるレーザービーム分岐手段を用いて、又は分岐したいビームの数より少なくとも一つ少ない部分反射ミラーと、少なくとも一つの全反射ミラーとを組み合わせて構成され、この部分反射ミラーが同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成されているレーザービーム分岐手段を用いて行われることが好ましい。
上記レーザー加工方法において、分岐された複数のレーザービームを、集光レンズを透過させた後にイメージローテーターに入射せしめるか、又はイメージローテーターから射出されるビームを、集光レンズを透過させた後に被加工物表面に照射すればよい。
上記のように構成したプロセスにより、イメージローテーターを所定の角度回転することにより、被加工物に照射するビームを理想的な分岐ビームとして、被加工物に対して垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整し、可変することができるので、被加工物を目的に応じて任意にライン状に加工することができる。
本考案によれば、理想的なビーム分岐ができ、分岐ビームを被加工物に対して垂直に照射できると共に、ビーム間ピッチを任意に調整することができるので、例えば、薄膜太陽電池パネル作製に当たり、電極膜形成のためのスクライビング工程、アモルファスシリコンをポリシリコンに改質するためにシリコン膜にレーザービームをライン状に施すレーザーアニール工程や、チップ抵抗のセラミック基板に対して、個別チップに分割するためのスクライビングラインを施すスクライビング工程等を初めとして、レーザービームによる加工を行う技術分野で利用可能である。
1 レーザービーム発振器 2 エキスパンダー
3 反射ミラー 4 回折格子
5 照射レンズ 6 遮光マスク
7 被加工物
20 レーザービーム発振器 21 レーザービーム分岐手段
22、23 集光レンズ 24 イメージローテーター
25 照射レンズバー 26 被加工物
〜P 第1〜6のプリズム A〜F ライン
〜M 第1〜4の部分反射ミラー M 全反射ミラー
〜E ライン A〜G ライン
〜R、R、R 部分反射ミラー R、R 全反射ミラー

Claims (4)

  1. レーザービーム分岐手段と集光レンズとイメージローテーターとイメージローテーター回転手段とを有し、レーザービーム発振器から発振される単一のレーザービームを、該レーザービーム分岐手段により複数のビームに分岐し、この分岐された複数のビームを被加工物表面に照射して、該被加工物表面でライン状の加工を行うレーザー加工装置であって、該イメージローテーター回転手段により、ビームの光軸を中心にイメージローテーターを回転させ、回転角度の調整により該イメージローテーターから射出される複数のビームのピッチ間隔を調整するように構成したことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 前記レーザービーム分岐手段が、分岐したいビームの数だけプリズムを組み合わせてなる偏光ビームスプリッターであって、分岐したいビームの数より1つ少ない数のプリズムのそれぞれに、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成された光半透膜が設けられており、残りの1つのプリズムには全反射の膜が設けられている偏向ビームスプリッターであることを特徴とする請求項1記載のレーザー加工装置。
  3. 前記レーザービーム分岐手段が、分岐したいビームの数より少なくとも一つ少ない部分反射ミラーと、少なくとも一つの全反射ミラーとを組み合わせて構成され、この部分反射ミラーが、同じ強度のビームを反射せしめる反射率を有し、かつ残りのビームを透過せしめる透過率を有するように構成されているビームスプリッターであることを特徴とする請求項1記載のレーザー加工装置。
  4. 前記集光レンズが、レーザービームの光路上で、該イメージローテーターの上流側又は下
    流側に設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー加
    工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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