JP3179523B2 - 集積化光電論理演算システム及び並列型集積化光電論理演算システム - Google Patents

集積化光電論理演算システム及び並列型集積化光電論理演算システム

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JP3179523B2 JP19331391A JP19331391A JP3179523B2 JP 3179523 B2 JP3179523 B2 JP 3179523B2 JP 19331391 A JP19331391 A JP 19331391A JP 19331391 A JP19331391 A JP 19331391A JP 3179523 B2 JP3179523 B2 JP 3179523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光信号による論理演算
システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から主に研究されてきた光コンピュ
ータ、及び光信号による論理演算システムは、図15に
示されるように、空間フィルタとして空間光変調素子1
5を用いたものであり、発光素子アレイ16、受光素子
アレイ17と組み合わせて構成され、光の持つ並列性を
活かした大規模な2次元マトリクス演算が、一度に行え
ることを特徴としている。またこれに用いられるメモリ
としては、LiNbO3 等の強誘電性結晶や、半導体p
npn構造の光スイッチ、さらに半導体レーザの非線形
性を利用したものがある。これらを組み合わせて真空管
型に構成された空間光変調管や、半導体技術を用いてモ
ジュール化された、光コンピュータ素子や光ニューロ素
子が研究開発されており、その詳細については下記に示
す1989年秋期、第50回応用物理学会学術講演会
シンポジウムダイジェスト、「光コンピューティング」
(JSA cat−no: AP891232)に述べ
られている。
【0003】これに対し、本発明者等は以前に図16及
び図17に示される回路を構成し、光信号を用いた半加
算等の論理演算が、数個の半導体受光素子8、81 、8
2 を用いて行うことができることを示した。これによれ
ば、バイアス電源181 〜183 、補助抵抗およびコン
デンサ191 〜194 、負荷抵抗201 、202 と共に
光電半加算演算回路を組むことによってその演算速度や
構成の簡潔さにおける優位性を見出すことができる。図
18及び19は、上述の図16及び17に示した光電半
加算演算回路をそれぞれ、同一の半導体基板4に集積し
た集積回路例である。図16及び17と同一箇所には同
一番号を付して示した。なお、これらの光電半加算演算
回路とそれを用いた集積回路については、本発明者らに
よる下記の文献、 “IEEE J.Qantum electron., vol.26, pp.619-621, 199
0 ” や、特願平1−077332号公報、もしくは特願平2
−103410号公報に詳しく記載されている。さらに
図20に示されるように、上述の光電半加算演算回路を
光メモリ26と接続して一論理演算単位とし、これらを
お互いに光ファイバや光導波路を用いた光配線部分27
を介して光学的に結合することによって、高速の光電全
加算演算が行えることを提案した。この詳細について
は、特願平1−161913号公報に述べられている。
【0004】また、このような受光素子からなる光電排
他的論理和(XOR)演算ゲートアレイ28、及び光電
論理積(AND)演算ゲートアレイ29を、発光素子と
共に平面上に配置し、反射鏡やコーナーキューブ等によ
って、集積回路基板間における光信号の帰還を行い、信
号ループを構成することによって、複数ビット(4ビッ
ト)の並列演算方式の光電全加算演算システムが考案さ
れた(図21図示)。この詳細については、H.Kamiyama
らによる下記の文献、 “Japan J.Appl.Phys., pt.2, vol.29, pp.1248-1251,
1990” に示されている。また本発明者等は、信号ループ中に、
1クロック分のメモリループを組み込むことによって構
成される、直列演算方式の光電全加算演算システムを提
案している。このメモリループは、この光電演算システ
ムが、反射鏡を用いた光信号の帰還ループにより構成さ
れていることを利用して、信号を演算システム内で循環
させるための発光素子、受光素子の組を設けることによ
り、簡単に導入されたものである。図22はその具体例
を示したものであり、半導体受光素子からなる光電排他
的論理和(XOR)演算ゲートアレイ28、及び光電論
理積(AND)演算ゲートアレイ29を半導体発光素子
211 〜213 と共に平面上に配置し、コーナーキュー
ブ10を用いて光信号の帰還を行うように構成すること
によってメモリ機能を含んで実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】まず、空間光変調素子
を用いた場合、この材料としては液晶や強誘電性結晶、
また半導体多重量子井戸(MQW)等が用いられる。こ
のうち、液晶は応答時間が数msecと非常に遅く、高
速演算には不向きである。強誘電性結晶は応答時間は1
00μs程度で、液晶よりは速いが充分ではない。ま
た、光の透過率が低く、コントラストが高くとれない。
このため、空間光変調管では、内部にマイクロチャネル
プレートを組み込んであるが、これによって構成される
光コンピュータは、システム全体が大きくなってしまう
欠点がある。さらに、現在のところ、安定な結晶を作製
することは非常に困難であり、工業化の目途はたってい
ない。MQWは最近の半導体結晶技術の向上により、注
目を集めている材料であり、応答速度は1ns以下と非
常に速いが、オンオフ比が悪く、低コントラストである
のが欠点である。また、高度な結晶成長技術を必要とす
るため、非常に高価なものとなってしまう。
【0006】一方、半導体受光素子を組み合わせた光電
論理演算ゲートと発光素子からなる光電論理演算単位
を、光配線によって結合する方法は、高速性と構成の簡
潔さが特徴である。さらに、反射鏡等を用いて光信号の
帰還ループ中にこれを組み込むことにより、システム全
体がコンパクトになり、またメモリ機能も簡単に取り入
れられるので、これらの特徴をさらに活かすことができ
る。しかし、ここでは光信号の入力と出力、さらに帰還
機能を、1つの反射鏡もしくはコーナーキューブでまか
なっているため、これら行く先の異なる光信号の仕分け
が面倒であり、また外部制御により偏光状態が変化でき
る、電気光学素子等の偏光板を挿入するなどして、これ
らの光信号をクロック毎に制御する必要があった。例え
ば、図21に示されるような演算システムにおいては、
まず反射鏡であるハーフミラーは、入射光の偏光状態に
応じて透過率が異なる偏光ミラーとし、また上述のよう
な偏光板をミラーの前後に挿入して、外部から光信号が
入力、もしくは光信号を外部に出力する際には、偏光ミ
ラーを光が透過できるようにし、内部において光信号を
帰還させる際には、偏光ミラーを光が反射するようにす
るというように、非常に面倒な制御を必要とする。この
ため光学系やタイミングクロック系統が複雑になり、先
の特徴を活かしきれていなかった。
【0007】本発明は、半導体受光素子からなる光電論
理演算ゲートの高速性と簡潔さ、およびこれを光信号の
帰還ループ中に組み込むことによる、システム全体のコ
ンパクトさを活かし、加えて光信号の入出力系統を簡素
化することによって、より実用的な集積化光電論理演算
システム及び並列型集積化光電論理演算システムを提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の集積化光電論理
演算システムは、半導体受光素子を入力光電変換ゲート
とし、このゲートの複数個を半導体基板上に配置し、こ
れらゲート間の配線、もしくは個々のゲートに与えられ
るバイアス電源の極性や大きさによって、あらかじめ決
められた論理演算を、前記ゲートへの光信号の入力によ
り行う光電論理演算回路が、複数組集積された集積化光
電論理演算基板と、電気配線により前記集積化光電論理
演算基板に電気的に接続され、前記集積化光電論理演算
基板による演算結果を光信号に変換して出力するため複
数個の半導体発光素子を半導体基板上に集積してなる1
個以上の集積化光信号出力基板とを備え、前記発光素子
の一部と前記ゲートの一部とが幾何光学的結合関係を有
するように、前記集積化光信号出力基板と前記集積化光
電論理演算基板と配置することにより、前記光信号の一
部を前記集積化光信号出力基板に帰還する手段を備えた
ことを特徴とする。また必要に応じて、それぞれの光出
力信号の一部を縦続入力するように、単位演算ブロック
間を光学的に結合することによって、複数ビットの光信
号の同時入力により、論理演算を同時に並列に行うよう
になされた並列型集積化光電論理演算システムであるこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】前述の単位演算ブロック内において、光信号を
帰還するために設けられた集積化光信号出力基板を、集
積化光電論理演算基板と対向配置するように構成され、
あるいは前述の単位演算ブロック内において、集積化光
信号出力基板の内の一部を、2組に分岐して出力する手
段を設け、一方は、演算結果を単位演算ブロックの外部
に出力するためだけのものとし、もう一方は、演算結果
を単位演算ブロック内で帰還するためだけのものである
といった構成をとることができる。
【0010】さらに、前述の半導体受光素子が、半導体
基板上にショットキー接合を対向配置して構成した、実
質的に左右対称な電極構造を有するものであり、さらに
は半導体発光素子が、面発光レーザである集積化光電論
理演算システムであることが望ましい。
【0011】前述の集積化光電論理演算システムは、集
積化光電論理演算基板と、集積化光信号出力基板の一部
あるいは全部を、これらを電気的に接続する電気配線を
含めて、同一半導体基板上にモノリシックに集積した構
成において、半導体基板の一方の面に光信号が入力さ
れ、もう一方の面から光信号が出力されるものであり、
さらに、これに信号を集積回路基板間において帰還する
ための、別の集積化光信号出力基板を、お互いに対応す
る光結合関係を満足するように向かい合わせて重ね合わ
せ、固定した構成をとることが、伝搬遅廷時間の短縮、
クロストークの抑制、システムの小型化という点におい
て望ましい。
【0012】なお、半導体基板として半絶縁性GaAs
基板、半絶縁性InP基板、もしくはGaP基板を用い
ることが望ましい。
【0013】また、本発明の集積化光電論理演算システ
ムは、複数ビット構成の光入力信号を並列に受光し、論
理回路内でビット信号を並列的に配列処理する手段と、
複数ビット構成の出力のために、光出力信号を並列的に
配列処理する手段とを含むものであってもよい。
【0014】さらに、前述の集積化光電論理演算システ
ムの具体的実施例として、全加算演算システムを構成す
ることができる。これは、集積化光電論理演算基板内に
半加算演算を行うようになされた回路を設け、この演算
結果として出力され、集積化光信号出力基板で変換され
たCARRY光信号が、集積回路基板間の帰還による信
号循環機能によって一時記憶され、再び集積化光電論理
演算基板内の半加算演算回路部分に入力されるようにな
された構成によって、全加算演算を直列に行う方式、あ
るいは、集積化光電論理演算基板内に、半加算演算を行
うようになされた回路を設け、この演算結果として出力
され、集積化光信号出力基板で変換されたCARRY光
信号を、並列に配置され光学的に縦続結合された、1ビ
ット上位の単位演算ブロック内の光電半加算演算回路部
分に入力するようになされた構成によって、全体とし
て、全加算演算を並列に行う方式が共に実現可能であ
る。
【0015】前述の並列光信号入力による演算結果のう
ちのCARRY電気信号を、光信号に変換することなく
1ビット上位の演算ゲートの電気信号入力として利用す
るようになされたものであってもよい。
【0016】本発明によれば、半導体受光素子と半導体
発光素子を、それぞれ集積した半導体基板を、信号ルー
プを構成するために、お互いに光学的に結合されるよう
に空間的に配置することができる。とくに、光信号の入
出力系統を空間的に振り分けて、その経路を簡素化する
ことができる。これにより、演算速度はなお一層速くな
り、また演算システム内での光信号の減衰が大幅に小さ
くなる。
【0017】本発明では、このためにまず光信号の入出
力系統を振り分け、光信号の経路を簡素化する。具体的
には、外部に出力される光信号と、ループ内を循環する
光信号の出力部分を空間的に分離し、外部への出力信号
はループ内を通過しないようにすればよい。
【0018】
【実施例】図1は、本発明における集積化光電論理演算
システムの一実施例を示したものである。ここで、複数
個の半導体受光素子を半導体基板上に集積して配置した
集積化光電論理演算基板1には、演算回路部分11が設
けられ、それぞれに含まれる半導体受光素子、およびこ
れらの素子間の配線と、素子に与えられるバイアスの極
性に応じて、予め決められた論理演算を行うようになさ
れてある。集積化光信号出力基板21 及び22 には、複
数個の半導体発光素子211 〜21n 及び221 〜22
n が集積して配置されている。このうち集積化光信号出
力基板21 は、演算結果を外部に出力するための基板で
あり、集積化光信号出力基板22 は、演算結果を一時記
憶、あるいは再び集積化光電論理演算基板1に入力する
ために、光信号を帰還ループ内に導入するための基板で
ある。これらには、必要に応じて、半導体発光素子21
1 〜21n 及び221 〜22n に入力される電気信号を
増幅するための、電子増幅回路が付加、集積される。こ
の信号ループは、集積化光信号出力基板22 と集積化光
電論理演算基板1とが、幾何光学的な結合関係にあるよ
うに配置することによって実現される。簡単には図1に
示すように、集積化光信号出力基板22 を集積化光電論
理演算基板1と向かい合わせて配置することにより構成
でき、これにより、集積化光信号出力基板22 からの光
信号を集積化光電論理演算基板1に再入力することがで
きる。このためには、集積化光信号出力基板22 上の半
導体発光素子221 〜22n と、これから出力される光
信号が入力される相手の、集積化光電論理演算基板1上
の受光素子とが、お互いに向き合って、同じ位置に組み
込まれ集積されていることが必要である。特に、これら
2枚の集積回路基板を向かい合わせて、光軸を合わせな
がら接着、固定して、この部分をモジュール化すること
により、信号ループが簡単に構成できる。この場合、レ
ンズ等の光学部品を用いる必要がないため、システム全
体がコンパクトに構成できる。集積化光電論理演算基板
1から出力される電気信号は、それぞれ、電気配線
1 、32 を介して集積化光信号出力基板21 、22
入力される。システム全体をこのように構成することに
より、外部に出力される光信号はループ内を通過しない
ですみ、光信号の経路が簡素化されるのでクロック毎の
複雑な制御が不要になる。また、四則演算等の複雑な演
算にしばしば必要となる、シフトレジスタ等の信号遅延
回路は、この信号ループを利用することによって、本光
電論理演算システムに簡単に組み込むことができる。
【0019】さらに、このように光信号を用いて論理演
算が行われるように構成されるならば、複数個の信号を
光多重方式によって合成し、同時に、複数個の論理演算
を行わせることも可能である。レーナ構造のものが望ま
しい。この構造は、一般にMSM(金属−半導体−金
属)構造とよばれ、この構造の受光素子、MSM−PD
は、高速特性に優れた素子として本発明者らによって研
究がなされている。詳細は、下記の文献 “IEEE Trans. Electoron Devices, vol.37, pp.31-35,
1990 ” に示されているが、図2に、その代表的な素子構造を示
す。ここでは、半導体基板(活性層を含む)4上にショ
ットキー電極51 、52 がお互いに向かい合って構成さ
れており、さらに受光部以外の部分には絶縁体薄膜6が
形成されている。受光部分は有効受光面積をかせぐた
め、くし型電極構造であるのが望ましい。この受光素子
を用いることの利点として、複数個を同一半導体基板内
に集積することが容易であること、対称な電極構造が論
理演算に最適であること、接合型なので、暗電流が小さ
いこと、さらに、高速応答特性に優れていることの4点
が挙げられる。
【0020】発光素子としては、LEDや半導体レーザ
が挙げられるが、高速性、高コヒーレント性(集光性)
の点から、半導体レーザが適している。このうち、近年
において注目を集めるようになった面発光レーザは、光
ビームを半導体基板に対して垂直に出射するため、平面
上に配列して集積することができ、ここで用いられる発
光素子として最適である。この詳細については、K.I
gaらによる下記の文献、 “J.Vac.Sci.Technol.A, vol.7, pp.842-846, 1989” に記載されている。図3にその代表的な素子構造を示
す。半導体基板41 の活性領域42 の上部には多層膜反
射鏡71 が設けられ、さらにその基板の一方の面にはオ
ーミック電極51 が形成されている。その基板のもう一
方の面には絶縁体薄膜6を介してオーミック電極52
形成され、さらに反射鏡72 で覆われている。
【0021】図4は、MSM−PDを用いた集積化光電
論理演算基板1の概念図である。半導体基板4上にはM
SM−PDを用いた受光素子81 〜8n が配置され、受
光部以外の部分には絶縁体薄膜6が形成されている。受
光素子81 〜8n 間は、導電体薄膜電極9によって配線
されている。図5は、面発光レーザを用いた集積化光信
号出力基板21 ,22 の概念図であり、半導体基板4上
に面発光レーザを用いた発光素子211 〜21n が形成
され、それ以外の部分は絶縁体薄膜6で覆われている。
発光素子211 〜21n 間は、導電体薄膜電極9によっ
て配線されている。ここに示したように、本発明におい
ては、集積化光電論理演算基板1及び集積化光信号出力
基板21 ,22 は、それぞれ半導体基板4上に集積され
ているため、高密度、高効率の演算システムを構成する
ことができる。またこの集積化により、各素子の位置が
明確に定まるため、本発明において、不可欠な、空間的
な光結合のための光軸合わせが容易になる。
【0022】さらに、同一半導体基板に、光電論理演算
回路部分と光信号出力部分とを共に集積し、一方の面に
光信号が入力され、もう一方の面から光信号が出力され
るように構成することも可能である。図6は、この集積
回路の概念図を示したものであり、半導体基板4上にM
SM−PDを用いた受光素子81 〜8n 、面発光レーザ
を用いた発光素子211 〜21n が配置され、それ以外
の部分には絶縁体薄膜6が形成されている。発光素子2
1 〜21n 間は、導電体薄膜電極9によって配線され
ている。これにより、これら2つの部分を接続する電気
配線部分での遅延時間が短くなると共に、電気波形の伝
播歪を最小限に抑えることができる。この構成では、こ
の基板に、光信号の帰還のための集積化光信号出力基板
1 を向かい合わせて合計2枚の基板のみによって、演
算システム全体が構成できる。また前述のように、これ
に光信号の帰還のための集積化光信号出力基板21 を重
ね合わせて、接着、固定することにより、演算システム
がわずか1個のモジュールだけにまとまった、一層コン
パクトな形になる。この具体例を図7に示す。なお、図
6と同一箇所については同一番号を付して示す。
【0023】これら、集積回路に用いられる半導体基板
4としては、光電素子、特に半導体レーザを形成するた
め、III −V化合物半導体のGaAs、もしくはInP
基板が一般的である。特に、素子間分離が容易で、しか
も高速特性に優れた高抵抗、低容量の半絶縁性基板が適
している。このうち、半絶縁性GaAs基板は、波長
0.8μm程度の短波長用に、半絶縁性InP基板は、
波長1.3μm、1.55μm程度の長波長用に用いら
れる。また最近では、GaP基板を用いるケースも見ら
れる。
【0024】次に、図1におけるシステム構成図、特に
光信号の帰還方法を変形した実施例を示す。図8は、集
積化光信号出力基板22 を集積化光電論理演算基板1と
垂直な平面内に配置し、反射鏡72 を用いて光結合部分
を構成したものである。図9は、集積化光信号出力基板
2 を集積化光電論理演算基板1と同一平面内に配置
し、コーナーキューブ10を用いて、光結合部分を構成
したものである。この構成では、集積化光電論理演算基
板1の光電論理演算部分と2つの集積化光信号出力基板
1 及び22の光信号の出力部分を、全て同一半導体基
板上に集積することが可能である。実際に集積した場
合、伝播される電気信号は全て半導体基板内で処理され
るため、伝播遅延時間、波形歪とも最小になり、本シス
テムの構成上最も高速性に優れたものとなる。ここに示
したような、反射鏡72 やコーナーキューブ10等を用
いて光結合部分を構成する方式では、これらにビームス
プリッタ等の半透明な材質のものを用いることにより、
光信号の一部を外部に取り出してモニターしたり、別の
機能を付け加えたりすることが可能である。この他には
各基板を光ファイバで配線する方法もある。ただしこれ
らの方法においては、光信号の帰還のための光学的結合
手段として、レンズや光ファイバ等の光学部品を必要と
するため、システム全体が必ずしもコンパクトにはなら
ない。
【0025】次に、具体的な論理演算として、全加算演
算を例にとる。全加算演算はコンピュータにおける演算
のなかで最も基本的なものであり、光コンピュータを実
現する場合において、最も重要な演算である。半導体発
光素子と受光素子を、コーナーキューブ等を用いて、空
間的に光結合することによって、全加算演算を行わせる
ことについては、既に提案がなされているが、本発明に
よれば、これをより簡単な構成および方式で実現するこ
とができる。
【0026】図10は、図1において示した集積化光電
論理演算システムとして、全加算演算を直列方式で行う
場合について、その実施例を示したものである。ここ
で、集積化光電論理演算基板1では、光信号の入力によ
り半加算演算を行い、その結果を電気信号として出力す
る。ここには、実際に演算を行うための2組の回路11
及び12と、これらにそれぞれ2個ずつ含まれる光電変
換ゲート111 及び112 、121 及び122 、及び信
号ループを構成して、演算結果を一時記憶するための光
電変換ゲート13が組み込まれている。演算回路例とし
ては、既に述べたように従来技術として図16、図17
に示されており、また、その集積回路例としては、それ
ぞれ対応する集積回路図が、従来技術として図18、図
19に示されている。これらの回路において、光電変換
ゲートとして用いられる半導体受光素子には、前述のよ
うにMSM−PDが適している。さらに、この基板に
は、演算結果を光信号に変換して外部に出力するための
半導体発光素子24も共に集積されており、図6に示さ
れた構成の、実施具体例に相当する。
【0027】集積化光信号出力基板2では、集積化光電
論理演算基板1から電気信号が入力され、これを光信号
に変換して出力し、再び集積化光電論理演算基板1に入
力する。この集積化光信号出力基板2は、集積化光電論
理演算基板1と向かい合わせて配置されることによっ
て、信号ループを構成している。ここには、集積化光電
論理演算基板1に組み込まれた、演算回路部分の光電変
換ゲート121 、122 に入力するための光信号を出力
する、半導体発光素子21、22、および演算結果を一
時記憶するために、光電変換ゲート13に入力するため
の光信号を出力する、半導体発光素子23が組み込まれ
ている。また、これらの半導体発光素子には、必要に応
じて、入力前の電気信号を増幅するための、電子増幅回
路が付加、集積される。ここで用いられる半導体発光素
子としては、前述のように面発光レーザが適している。
【0028】集積化光電論理演算基板1から出力される
電気信号は、電気配線31 を介して集積化光信号出力基
板2に入力される。また、演算結果電気信号は、集積化
光電論理演算基板1内において、電気配線32 を介して
半導体発光素子25に入力される。
【0029】次に、本例の作用を、図11に示したフロ
ーチャートを用いて説明する。加算される2組の入力デ
ータをX、Yとすると、これらは、下位のビット(桁)
から上位のビットに向かって、それぞれX(x0
1 ,・・・,xn )、 Y(y0 ,y1 ,・・・,y
n )の各n個の2進データからなっている。いま、k番
目のビットxk 、yk の光信号が、集積化光電論理演算
基板1に組み込まれた演算回路部分11の、光電変換ゲ
ート111 及び112 に入力されると、ここで半加算演
算処理され、SUM、CARRYに対応する演算結果s
k 、ck が、それぞれ電気信号として出力される。同時
に、演算回路部分12の、光電変換ゲート121 及び1
2 には、1ビット前の(k−1)番目の演算結果であ
るSUM信号sk-1 および2ビット前の(k−2)番目
の桁上げ信号であるCARRY”光信号c”k-2 が入力
され、ここで半加算演算処理され、SUM、CARRY
に対応する演算結果s’k-1 、c’k-1 が、それぞれ電
気信号として出力される。さらに、光電変換ゲート13
には、集積化光信号出力基板2内の半導体発光素子23
から、1ビット前の(k−1)番目の演算結果として、
信号ループにより一時記憶されていたCARRY光信号
k-1 が入力され、同様に電気信号として出力される。
これらの電気信号は、電気配線31 を通じて集積化光信
号出力基板2へ入力されるが、このうちsk は半導体発
光素子21に、ck は半導体発光素子23に、またc
k-1 とc’k-1 は、電気配線3-1内で合成され(ワイヤ
ードOR)、c”k-1として22に入力される。
【0030】これらは、ここで光信号変換されて、再び
集積化光電論理演算基板1に入力されるが、あらかじめ
決められているように、半導体発光素子21から出力さ
れる光信号sk は、演算回路部分12の光電変換ゲート
121 に、半導体発光素子22から出力される光信号c
k-1 は、122 に、また半導体発光素子23から出力さ
れる光信号ckは、光電変換ゲート13に入力され、信
号ループによって一時記憶される。これと同時に次のビ
ットxk+1 、yk+1 の光信号が、光電変換ゲート1
1 、112 に入力される。
【0031】ここで、集積化光電論理演算基板1に組み
込まれた2組の演算回路部分11と12で、同時に半加
算演算が行われ、このうち、演算回路部分12からは、
それぞれSUM、CARRYに対応する演算結果
s’k 、c’k が、電気信号として出力される。同時
に、光電変換ゲート13からは一時記憶されているCA
RRY信号ck が、同様に電気信号として出力される。
【0032】これらの電気信号のうち、s’k は、電気
配線32を通じて、集積化光電論理演算基板1に共に集
積された、半導体発光素子24に入力される。また、c
k とc’k は、電気配線31 内で合成され、c”k とし
て集積化光信号出力基板2内の半導体発光素子22に入
力される。また演算回路部分11に入力された(k+
1)番目の光信号xk+1 、yk+1 は、前述のk番目の光
信号と同様の処理がなされる。
【0033】半導体発光素子24に入力された電気信号
s’k は、ここで光信号に変換されて、k番目のビット
の全加算演算結果として外部に出力される。このように
して2組の2進データが下位のビットから順に光信号と
して入力され、全加算演算がn回繰り返されることによ
り、その演算結果として下位のビットから順に、光信号
として外部に出力される。
【0034】ここに述べた直列型全加算演算方式では、
その中心となる半加算演算回路として、高速特性に優れ
たものを用いており、その演算速度は実質的にこれに用
いてある半導体受光素子の応答速度に等しいので、その
受光素子として高速応答のMSM−PDを用いることに
より1回の半加算演算時間は0.1ns程度となる。1
ビットの直列型全加算演算は、2回の半加算演算時間
と、これに電気信号の伝播遅延時間、半導体発光素子の
応答時間、光信号の伝播遅延時間が付け加わるだけであ
り、発光素子に面発光レーザ等の半導体レーザを用い、
また全体をモジュール化して信号伝播時間を最小限に抑
えることにより、1ビット分の全加算演算時間が0.3
〜0.5ns程度と非常に高速の演算システムが実現で
きる。
【0035】次に、並列型の集積化光電論理演算システ
ムについて述べる。図12は、図1に示したような、集
積化光電論理演算システムを一単位とし、これを並列に
配置して構成することにより、複数の入力データ、もし
くは入力データの全ビットや複数のビットを同時に演算
処理できるようになされたものである。2次元画像演算
処理等、非常に膨大な数のデータを短時間で演算処理す
る必要がある場合や、入力データの形が空間的な広がり
をもつ場合には、このような並列演算方式が有効であ
る。ここで、・・・,(k−1),k,(k+1),・
・・は、その1つずつが、図1に示されるような集積化
光電論理演算システムの一単位である。各単位演算ブロ
ックは、それぞれが独立に作用する場合もあり、また隣
の演算システムどうしが、お互いにデータを光信号の形
でやり取りしながら、全体としてまとまった作用をする
場合もある。この場合、各単位演算ブロックが、図のよ
うにお互いに幾何学的に重なり合うように配置されるこ
とによって、レンズや光ファイバ等の光学部品を用いず
に、光学的に結合することも可能である。
【0036】並列型集積化光電論理演算システムの具体
例として、全加算演算を並列方式で行う場合について述
べる。図13は、図10に示したような、全加算演算を
行う集積化光電論理演算システムを一単位とし、これを
空間的に並列に展開して集積した、リップルキャリー方
式の並列型全加算演算システムである。
【0037】集積化光電論理演算基板1には、光信号の
入力によって半加算演算を行い、その結果を電気信号と
して出力するために、1ビットにつき2組の半加算演算
回路11、12と、これらにそれぞれ2個ずつ含まれる
光電変換ゲート111 、112 、121 、122 、及び
信号ループを構成して演算結果を一時記憶するための光
電変換ゲート13が組み込まれ、これらがビット数分だ
け並列に集積化されている。この半加算演算回路は、図
10において用いられているものと同じものである。光
電変換ゲートとして用いられる半導体受光素子には、前
述のようにMSM−PDが適してている。さらに、この
基板には、演算結果を光信号に変換して外部に出力する
ための半導体発光素子24も、1ビットにつき1個ずつ
共に集積されており、図6に示された構成の、実施具体
例に相当する。
【0038】集積化光信号出力基板2は、集積化光電論
理演算基板1から電気信号が入力され、これを光信号に
変換して、再び集積化光電論理演算基板1に入力するた
めのものであり、集積化光電論理演算基板1と向かい合
わせて配置されることによって、信号ループを構成して
いる。ここには、集積化光電論理演算基板1に組み込ま
れた、演算回路部分12の光電変換ゲート122 に入力
するための光信号を出力する、半導体発光素子21、及
び1ビット上位の演算回路部分12の光電変換ゲート1
1 に入力するための光信号を出力する、半導体発光素
子22、さらに演算結果を一時記憶するために、光電変
換ゲート13に入力するための光信号を出力する、半導
体発光素子23が組み込まれている。また、これら半導
体発光素子には、必要に応じて入力前の電気信号を増幅
するための電子増幅回路が付加、集積される。ここで用
いられる半導体受光素子としては、前述のように面発光
レーザが適している。
【0039】集積化光電論理演算基板1から出力される
電気信号は、電気配線31 を介して集積化光信号出力基
板2に入力される。また、集積化光電論理演算基板1内
においては、電気配線32 を介して演算結果電気信号が
半導体発光素子24に入力される。このように、ここに
示した並列型の全加算演算システムは、図10において
示した直列型の全加算演算システムを、単に空間的に展
開したものであり、その作用は全く同一である。このた
め、演算速度は直列型のものに等しいが、画像データ
等、光入力信号が空間的に展開されている場合には、こ
の方式が有効となる。
【0040】次に本例の作用を、図14に示したフロー
チャートを用いて説明する。先ほどと同様に、加算演算
される2組の入力データをX(・・・,xk-1 ,xk
k+1 ,・・・)、Y(・・・,yk-1 ,yk
k+1 ,・・・)とする。これら各2進データは、各ビ
ット毎、すなわち、・・・、(xk-1 ,yk-1 )、(x
k ,yk )、(xk+1 ,yk+1 )、・・・のように空間
的に分配され、集積化光電論理演算基板1に組み込まれ
た、それぞれのビットに対応する単位演算ブロック内
の、演算回路部分11の光電変換ゲート111 、112
に、最下位ビットから順に入力される。いま、k番目の
ビットの光入力信号xk 、yk が、集積化光電論理演算
基板1に組み込まれた演算回路部分11の光電変換ゲー
ト111 及び112 に入力されると、ここで半加算演算
処理され、SUM、CARRYに対応する演算結果
k 、ck が、それぞれ電気信号として出力される。こ
れらの電気信号は、電気配線31 を通じて、集積化光信
号出力基板2内の、同じ単位演算ブロック内の半導体発
光素子へ入力されるが、このうちskは半導体発光素子
21に、ck は半導体発光素子23に入力される。
【0041】これらは、ここで光信号に変換されて、再
び集積化光電論理演算基板1に入力されるが、ここでは
あらかじめ決められているように、半導体発光素子21
から出力される光信号sk は、同じ単位演算ブロック内
の、もう一方の演算回路部分12の光電変換ゲート12
2 に、また半導体発光素子23から出力される光信号c
k は、光電変換ゲート13に入力され、信号ループによ
って一時記憶される。またこれと同時に、集積化光信号
出力基板2内に並べて集積された、1ビット下位の単位
演算ブロック内の半導体発光素子22からは、CARR
Y”光信号c”k-1 が、演算回路部分12の光電変換ゲ
ート121 に入力される。さらにこれらと同時に、(k
+1)番目の光入力信号xk+1 、yk+1 が、1ビット上
位の単位演算ブロックの演算回路部分11の光電変換ゲ
ート111 、112 に、それぞれ入力される。
【0042】ここで、集積化光電論理演算基板1におい
て、k番目の単位演算ブロック内の演算回路部分12、
及び(k+1)番目の単位演算ブロック内の演算回路部
分11で、それぞれ同時に半加算演算が行われ、その演
算結果として、前者からは、SUM’信号s’k 、及び
CARRY’信号c’k が、後者からは、SUM信号s
k+1 及びCARRY信号ck+1 が、それぞれ電気信号と
して出力される。また一時記憶のために、光電変換ゲー
ト13に入力されたCARRY信号ck は、ここで電気
信号に変換され、出力される。
【0043】これら電気信号のうち、s’k は、電気配
線32 を通じて、集積化光電論理演算基板1に共に組み
込まれた、同じ単位演算ブロック内の半導体発光素子2
4に入力し、光信号に変換されて、kビット目の加算演
算結果として、外部に出力される。同時にc’k は、c
k と共に電気配線31 内で合成され、c”k として集積
化光信号出力基板2内の半導体発光素子23に入力さ
れ、ここで光信号に変換されて、集積化光電論理演算基
板1に組み込まれた、1ビット上位の単位演算ブロック
内の、演算回路部分12の光電変換ゲート121 に入力
される。このようにして、2組の2進データが、1ビッ
ト毎に光信号として入力され、下位ビットから順に全加
算演算が行われることにより、その演算結果として、光
信号として外部に出力される。
【0044】ここに述べた並列型全加算演算方式におい
ても、その中心となる半加算演算回路として、高速特性
に優れたものを用いており、その演算速度は実質的にこ
れに用いてある半導体受光素子の応答速度に等しいの
で、その受光素子として高速応答のMSM−PDを用い
ることにより、1回の半加算演算時間は0.1ns程度
となる。並列型全加算演算は、ビット数分の半加算演算
時間と、これに電気信号の伝播遅延時間、半導体発光素
子の応答時間、光信号の伝播遅延時間が付け加わるだけ
であり、発光素子に面発光レーザ等の半導体レーザを用
い、また全体をモジュール化して信号伝播時間を最小限
に抑えることにより、1ビット分の全加算演算時間が、
0.3〜0.5ns程度と、非常に高速の演算システム
が実現できる。
【0045】ここに述べた、並列型の全加算光電論理演
算システムは、先に述べたいわゆる直列型のシステムに
比べて、半導体基板の大きさがビット数だけ大きくな
り、その分システム全体が大きくなってしまうものの、
2次元画像処理等の空間的な広がりを持つ光入力データ
処理を必要とする場合には、この並列演算方式が適して
いる。また、このシステムでは、ここに用いられている
光電半加算論理演算回路が、その演算結果であるSUM
とCARRYの電気信号を、全く同時に出力できること
が特徴であるため、このシステムをキャリーセーブ方式
の並列型全加算光電論理演算システムとして用いること
は、非常に有効である。この演算方式は、乗算回路にお
いて多く用いられるが、一般に電子回路、すなわちトラ
ンジスタのみで構成した場合、SUMとCARRYの出
力は同時に発生しないため、複雑なタイミング回路を組
み込む必要があった。ここでは、前述のようにこの必要
が無いため、非常に簡単に乗算回路を構成することがで
き、またこの分、演算速度を高めることができる。また
一般に、四則演算等の複雑な演算を行う場合にしばしば
必要となる、シフトレジスタ等の信号遅延回路は、各単
位演算ブロック内の信号ループを利用して本光電論理演
算システムに簡単に導入することができる。
【0046】さらに、このような並列型の全加算回路に
おいては、各ビットの桁上げ(CARRY)信号は隣接
された上位ビットの入力ゲートに転送されるため、演算
の結果、電気信号として出力される桁上げ信号は、その
まま隣接上位ビットに電気的に接続されて入力され、必
ずしも光信号に変換される必要はない。すなわち、本特
許で取り扱う光出力信号の利点とは、ある単位演算ブロ
ックから、次段の別の光電論理演算基板内の単位演算ブ
ロックへ転送する場合に、光信号の方が多くの点におい
て優れているということであって、同一論理演算基板の
内部における信号転送、すなわち、内部桁上げ信号等は
光信号に変換しなくても差し支えない。本特許において
は、光信号入出力の概念は、次段光電論理演算基板への
光配線を兼ねることも目的としているので、この場合の
ように、桁上げ信号を光信号に変換しないで転送する場
合も、SUM電気信号が光信号に変換され、次段に光信
号として入力されるならば、本発明に含まれるものであ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明により、半導体受光素子と半導体
発光素子を、それぞれ集積した半導体基板を、信号ルー
プを構成するために、お互いに光学的に結合されるよう
に空間的に配置することにより、光信号を用いた全加算
演算等の複雑な論理演算が、簡単な構成で実現できる。
特に、本発明では光信号の入出力系統を空間的に振り分
け、その経路を簡素化したことにより、複雑な光学系、
及びそのクロック毎の複雑な制御が不要になったことが
大きな特徴である。これにより、演算速度はなお一層速
くなり、また演算システム内での光信号の減衰が大幅に
小さくなることが期待される。このため、演算システム
を空間的に配列することによる、大規模な並列演算シス
テムが実質的に可能になり、特に画像演算処理等におい
て、その効果を最大限に発揮するであろうことが期待さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における集積化光電論理演算システムの
基本的な構成を示したものである。
【図2】本発明において集積化光電論理演算基板に用い
られる半導体受光素子として最適な、MSM−PDの代
表的な素子構造を示したものである。
【図3】本発明において集積化光信号出力基板に用いら
れる半導体発光素子として最適な、面発光レーザの代表
的な素子構造を示したものである。
【図4】本発明における集積化光電論理演算システムに
おいて、集積化光電論理演算基板を、MSM−PDを半
導体基板上に集積して構成する場合の、集積回路の概念
図を示したものである。
【図5】本発明における集積化光電論理演算システムに
おいて、集積化光信号出力基板を、面発光レーザを半導
体基板上に集積して構成する場合の、集積回路の概念図
を示したものである。
【図6】本発明における集積化光電論理演算システムに
おいて、半導体基板にMSM−PDと面発光レーザとを
用いて、光電論理演算基板と光信号出力基板とを共に集
積する場合の、集積回路の概念図を示したものである。
【図7】本発明における集積化光電論理演算システムに
おいて、半導体基板に、MSM−PDと面発光レーザと
を用いて、光電論理演算基板と光信号出力基板とを共に
集積し、これに信号の帰還のための、別の集積化光信号
出力基板を、お互いに対応する光結合関係を満足するよ
うに向かい合わせて重ね合わせ、接着して固定する場合
の概念図を示したものである。
【図8】本発明における集積化光電論理演算システムの
構成例を示したものである。
【図9】本発明における集積化光電論理演算システムの
構成例を示したものである。
【図10】本発明における集積化光電論理演算システム
として、全加算演算を行う場合の実施例を示したもので
ある。
【図11】図10に示した全加算演算システムのフロー
チャートを示したものである。
【図12】本発明における集積化光電論理演算システム
として、図1に示したような演算システムを一単位と
し、これを空間的に複数個配列し、集積することによっ
て構成された、並列型の集積化光電論理演算システムの
基本的な構成を示したものである。
【図13】本発明における並列型の集積化光電論理演算
システムとして、全加算演算を行う場合の実施例を示し
たものである。
【図14】図13に示した全加算演算システムのフロー
チャートを示したものである。
【図15】空間光変調素子を発光素子アレイ、および受
光素子アレイと組み合わせて構成される、光演算システ
ムである。
【図16】半導体受光素子を用いて構成された光電半加
算演算回路である。
【図17】同じく半導体受光素子を用いて構成された、
光電半加算演算回路である。
【図18】図16に示した光電半加算演算回路を、半導
体基板上に集積した場合の集積回路例である。
【図19】図17に示した光電半加算演算回路を、半導
体基板上に集積した場合の集積回路例である。
【図20】図16や図17に示した光電半加算演算回路
と、ラッチメモリとを用いて構成される光電全加算演算
システムのブロック図である。
【図21】半導体受光素子からなる光電排他的論理和
(XOR)演算ゲートアレイ、および光電論理積(AN
D)演算ゲートアレイを、平面上に配置し、もう一方の
平面上には半導体レーザアレイを配置し、これらをハー
フミラーを用いて光結合し、光信号の帰還を行うように
構成することによって実現される、光電全加算演算シス
テムを示したものである。
【図22】半導体受光素子からなる光電排他的論理和
(XOR)演算ゲート、および光電論理積(AND)演
算ゲートを、半導体発光素子と共に平面上に配置し、コ
ーナーキューブを用いて光信号の帰還を行うように構成
することによってメモリ機能を含んで実現される、光電
全加算演算システムを示したものである。
【符号の簡単な説明】
1…集積化光電論理演算基板 11、12…演算回路部分 111 〜11n 、121 〜122 、13、14…光電変
換ゲート 2、21 、22 …集積化光信号出力基板 21、211 〜21n 、22、221 〜22n 、23、
24、25…半導体発光素子 31 、32 …電気配線 4、41 …半導体基板 42 …活性領域 51 、52 …ショットキー電極 6…絶縁体薄膜 71 …多層膜反射鏡 72 …反射鏡 8、81 〜8n …半導体受光素子 9…導電体薄膜電極 10…コーナーキューブ
フロントページの続き (72)発明者 飯田 孝 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 藁科 禎久 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 杉本 賢一 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 鈴木 智子 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 菅 博文 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 19/14

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体受光素子を入力光電変換ゲートと
    し、このゲートの複数個を半導体基板上に配置し、これ
    らゲート間の配線、もしくは個々のゲートに与えられる
    バイアス電源の極性や大きさによって、あらかじめ決め
    られた論理演算を、前記ゲートへの光信号の入力により
    行う光電論理演算回路が、複数組集積された集積化光電
    論理演算基板と、 電気配線により前記集積化光電論理演算基板に電気的に
    接続され、前記集積化光電論理演算基板による演算結果
    を光信号に変換して出力するため複数個の半導体発光素
    子を半導体基板上に集積してなる1個以上の集積化光信
    号出力基板とを備え、 前記発光素子の一部と前記ゲートの一部とが幾何光学的
    結合関係を有するように、前記集積化光信号出力基板と
    前記集積化光電論理演算基板と配置することにより、前
    記光信号の一部を前記集積化光信号出力基板に帰還する
    手段を備えたことを特徴とする集積化光電論理演算シス
    テム。
  2. 【請求項2】 単位演算ブロック内において、前記集積
    化光信号出力基板と前記集積化光電論理演算基板とを対
    向配置したことを特徴とする請求項1記載の集積化光電
    論理演算システム。
  3. 【請求項3】 単位演算ブロック内において、前記集積
    化光信号出力基板を2個備え、その一方は前記集積化光
    電論理演算基板の演算結果を前記単位演算ブロックの外
    部に出力し、他方は前記光電論理演算基板の演算結果を
    前記単位演算ブロック内で帰還することを特徴とする請
    求項1記載の集積化光電論理演算システム。
  4. 【請求項4】 前記集積化光電論理演算基板と、前記集
    積化光信号出力基板の一部あるいは全部を、これらを電
    気的に接続する電気配線を含めて、同一半導体基板上に
    モノリシックに集積し、この半導体基板の一方の面に光
    信号が入力され、もう一方の面から光信号が出力される
    ことを特徴とする請求項1記載の集積化光電論理演算シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記集積化光電論理演算基板と、前記集
    積化光信号出力基板を、これらを電気的に接続する電気
    配線を含めて、同一半導体基板上にモノリシックに集積
    し、この半導体基板に信号帰還のための別の集積化光信
    号出力基板をお互いに対応する光結合関係を満足するよ
    うに向かい合わせて重ね合わせ、固定したことを特徴と
    する請求項1記載の集積化光電論理演算システム。
  6. 【請求項6】 前記集積化光電論理演算基板内に半加算
    演算を行うようになされた半加算演算回路を設け、この
    演算結果として出力され前記集積化光信号出力基板で光
    に変換されたCARRY光信号を、前記集積化光電論理
    演算基板と前記集積化光信号出力基板との間の帰還によ
    る信号循環機能によって一時的に記憶し、再び集積化光
    電論理演算基板内の前記半加算演算回路に入力すること
    によって全加算演算を行うことを特徴とする請求項1記
    載の集積化光電論理演算システム。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の集積化光電論理演算シ
    ステムを単位演算ブロックとして複数個並列に配置し、
    それぞれの光出力信号の一部を縦続入力するように、前
    記単位演算ブロック間を光学的に結合してなり、複数ビ
    ットの光信号を前記集積化光電論理演算システムのそれ
    ぞれに同時に入力することにより論理演算を同時に並列
    に行うようしたことを特徴とする並列型集積化光電論理
    演算システム。
  8. 【請求項8】 複数ビット構成の光入力信号を並列に受
    光し、受光に対応して得られる信号を論理回路内で並列
    的に配列処理する手段と、複数ビット構成の出力のため
    に光出力信号を並列的に配列処理する手段とを含むこと
    を特徴とする請求項7記載の並列型集積化光電論理演算
    システム。
  9. 【請求項9】 集積化光電論理演算基板内に、半加算演
    算を行う半加算演算回路を設け、この演算結果として集
    積化光信号出力基板で変換されたCARRY光信号を、
    並列に配置され光学的に縦続結合された、1ビット上位
    の単位演算ブロック内の半加算演算回路部分に入力する
    ことにより全体として全加算演算を並列に行うことを特
    徴とする請求項7記載の並列型集積化光電論理演算シス
    テム。
  10. 【請求項10】 並列光信号入力による演算結果として
    前記集積化光電論理演算基板から出力されるCARRY
    電気信号を、光信号に変換することなく1ビット上位の
    演算ゲートの電気信号入力として利用することを特徴と
    する請求項7記載の並列型集積化光電論理演算システ
    ム。
  11. 【請求項11】 前記半導体受光素子は、前記半導体基
    板に実質的に対称な一対のショットキー電極を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の集積化光電論理演算シス
    テム。
  12. 【請求項12】 前記半導体発光素子が、面発光レーザ
    であることを特徴とする請求項1記載の集積化光電論理
    演算システム。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板として半絶縁性GaA
    s基板、半絶縁性InP基板、もしくはGaP基板が用
    いられたことを特徴とする請求項1記載の集積化光電論
    理演算システム。
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