JP3178147U - 磁気共鳴装置における磁石の温度調節システム - Google Patents

磁気共鳴装置における磁石の温度調節システム Download PDF

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Abstract

【課題】ケージ内に収容された磁石と、磁石を室温T±ΔTに温度調節するように構成された温度調節システムとを備えた磁気共鳴装置を提供する。
【解決手段】温度調節システムは、前記ケージ内及び/又は前記磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、前記磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように開いたボアチャネルの前記配列に流体を強制的に通す手段と、を備えて磁気共鳴装置を形成する。さらに、前記温度調節システムは、前記磁石の表面及び/又は内部に配置された複数の温度センサと、前記センサに連結されており、流体流の速度を増大又は減少させる要素、流体流の流量を増大又は減少させる要素、及び流体の温度を増大又は減少させる要素からなる群のうちの少なくとも1つを備えるように構成された複数のフィードバック温度調整機構とをさらに備えても良い。
【選択図】図1

Description

本考案は、概して、磁気共鳴電磁石から温度を取り除き、さらに、磁気共鳴装置の磁気アセンブリにおける温度を調節する手段及び方法に関する。
磁気共鳴像装置は、その分子構造に基づいて、サンプルの測定を行う。サンプルは、そのサンプルの全原子核のスピンを整列させる効果を有する分極された磁場を受ける。原子核のラーモア周波数近傍の周波数の電波が原子核を励起し磁気整列を反転するために使用される。励起が終了すると、原子核は固有の電波信号を放出することによりその初期状態に戻る。これら電波信号はサンプルの像を取得するために使用可能である。
正確なラーモア周波数は、正確な磁場に依存する。サンプルのキャビティ内に磁場勾配を作り出すことにより、サンプルの全体像が形成されるようにこれら信号の発生源を配置させることができる。
この方法の効率は、サンプルのキャビティ内における磁場強度の整合性に依存する。この磁場は、典型的には、百万分の5以内に制御される。磁場の均一度によって、ラーモア歳差運動周波数を測定できる精度が定まる。これは、より小さな化学シフトの解像を可能にしている。
磁場は、磁気アセンブリを構成する材料の強磁性特性に大きく依存する。これら強磁性特性は、多くの場合、温度依存性があり、従って、磁気アセンブリを温度調節することが重要となる。これは、特に像となるサンプルの温度自体が変動している際に問題となる。このような場合、磁気アセンブリをサンプルから断熱する手段の導入が必要となる。
常にここに包含される、ラパポートによる特許文献1は、磁気共鳴装置の磁気アセンブリの温度を一定に保つ手段及び方法を提案している。しかしながら、この装置では、外装材、高い熱容量の流体、ポンプ、ヒートポンプ及びヒータを使用する必要があり、これは、受動的な断熱手段のみを用いたシステムに比して、この種のシステムのコスト及び不便性を増大させる。
しかしながら、高感度の温度係数がシステムの磁場を許容できる範囲を超えて変動させるため、受動的な断熱は、高感度の永久磁石を備えた磁気共鳴装置又は検査対象物を安定させるためには不充分である。
同様に、臼井による特許文献2は、能動的なペルチェ電子冷却装置を使用することにより超伝導MRIマグネットにおける冷却の問題を解決したMRI装置を提案している。しかしながら、これら装置が低い電子効率を有し高価であることは周知であり、このような装置に基づいてシステムを構成することは経済的に問題がある。
米国特許第7297907号明細書 特開平01−121044号公報
従って、この分野において、費用効果の高い、磁気共鳴装置における磁石の温度調節手段及び方法が、長年にわたって切望されていた。
本考案の一態様によれば、ケージ内に収容された磁石と、磁石を室温T±ΔTに温度調節するように構成された温度調節システム(TRS)とを備えた磁気共鳴装置(MRD)が提供される。上述したTRSは、(i)ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、(ii)磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの配列に流体を強制的に通す手段とを備えている。
本考案の一態様によれば、上述したTRSが、磁石の表面及び/又は内部に配置された複数の温度センサと、これらセンサに連結されており、(i)流体流の速度を増大又は減少させる要素、(ii)流体流の流量を増大又は減少させる要素、及び(iii)流体の温度を増大又は減少させる要素からなる群のうちの少なくとも1つを備えるように構成された複数のフィードバック温度調整機構(TRFM)とをさらに備えている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、温度センサが、磁石の共振周波数である前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、垂直又は平行な一部の上述したチャネルに流体を強制的に入力し、このチャネル内で乱流又は層流のどちらかを得るように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、1つ又はそれ以上の上述したチャネルが、可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した流れのパターンが、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したΔTが、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲にある前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが、導電材料で構成された壁を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に有しており、このメッシュスクリーンが電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの長さがこのMRDから外部へ突出しており、その長さがチャネルの径より約5倍大きい前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの各々が、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した温度センサが、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したフィードバック手段が、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁気共鳴装置(MRD)内の磁石を室温T±ΔTに温度調節する方法が提供される。この方法は、ケージ内に収容された磁石からなる上述した磁気共鳴装置を取得するステップと、ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通す手段とを有する温度調節システム(TRS)を取得するステップと、磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通すステップとを備えている。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁石の表面及び/又は内部に複数の温度センサを配置するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、温度センサに従って前述した配列にFFFを強制的に通す上述した手段の出力に関連したパラメータをフィードバック調整するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、垂直又は平行な一部の上述したチャネル(110)に流体を導入することを介して、このチャネル内に層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される流れのパターンを提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した流れのパターンを、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したΔTを、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲となるように選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電材料で構成された壁を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに、電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルの各々を、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した温度センサを、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したフィードバック手段を、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段を、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供することにより、電磁放射のチャネル内への伝搬を遮蔽するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
磁気共鳴装置を概略的に表す斜視図であり、サンプル導入装置及び側方シャフト(side shafts)を示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す斜視図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す透視図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す側面図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す拡大側面図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す説明図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。
本考案を理解し、実際にどのように実施されるかを知るために、少数の好ましい実施形態について、非限定的な例のみを用い添付の図面を参照して以下説明する。
本考案の全章と以下の記載は、全ての当業者が本考案を使用できるようにすると共に、本考案を実施する考案者によって考えられた最良の形態を提示するものである。しかしながら、本考案の一般的な原理が、磁気共鳴装置の磁気アセンブリの温度が内部のいかなる熱源からも影響を受けないようにこの磁気アセンブリにおける温度を調節する手段及び方法を提供することと特に規定されているので、当業者は種々の変更態様を容易に想到することが可能である。
用語「約」及び「およそ」は、±20%以内の量にほぼ等価な関係を置き換え可能に以下示している。
用語「正確に」は、±2%以内の量にほぼ等価な関係を以下示している。
用語「近傍」は、約1nmと1mとの間、特に約1mmと10mmとの間の距離の関係を以下示している。
用語「大部分」は、一般的には全体の少なくとも80%を参照するほとんどの部分に対して以下適用するか、又は「およそ」を意味するように使用可能である。
用語「磁気共鳴装置(MRD)」は、原子核が電磁放射によって励起された際にサンプル内の原子の原子核から放射される無線信号を測定するように構成された、NMR、ESR、NQR又はMRI装置のような装置に対して以下適用する。
用語「能動温度調節」は、1つ又はそれ以上の地点における温度(内部熱源がその温度に影響を与えていない状態で)を温度調節する任意の能動手段に対して以下適用する。これは、例えば、ブロワ、高圧ライン、低圧ライン、遮蔽流体、ペルチェ装置、加熱材料層、冷却装置、ヒートポンプ、又は当業者に自明な他の任意の手段によって実施されるであろう。
用語「熱遮蔽」は、一方の側から他方の側への熱移動を防ぐために、2つ又はそれ以上の他の物体間に導入される物体に対して以下適用する。
用語「ボア(bore)」又は「チャネル(channel)」は、これを通って空気が導入される空間を以下参照する。この用語は、剛性か若しくは可撓性であり任意の関連する材料で形成された、任意の寸法、断面又は形状のパイプ、ダクト、チャネル、管腔、毛細管、チューブ等からなる群から非限定的に選択される。「ボア」及び「チャネル」は、弁、調整器、ピストン、制御器、オリフィス及びノズル、内部若しくは外部被覆、構造要素、化学的若しくは物理的添加物等を備えているかも知れない。
用語「対象物導入チャネル」は、磁気共鳴装置において対象物(即ち検査すべき対象)が導入されるチャネルを以下参照する。
用語「サンプル保持チャンバ」は、MRI装置のボアに導入されるであろう可動容器を以下参照する。このチャンバは、内部に特別のガス成分を維持可能とするために、周囲雰囲気に対して閉鎖されている可能性がある。
用語「流体を押し進める手段」は、流体の促進された流れの提供に有用な任意の機構を以下参照する。この流体を押し進める手段は、ファン、ピストン、遠心力ポンプ、ロータリーポンプ若しくは他の任意のポンプ、ロータ、ベント、モータ等からなる群から非限定的に選択される。
用語「複数」は、1、2又は10のような正の整数を以下参照する。
本考案は、磁気共鳴装置(MRD)における磁石を室温T±ΔTに温度調節する温度調節システム(TRS)を提供する。このTRSは、(i)前述のケージ内及び/又は前述の磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開口されたボアチャネルのプリセット配列と、(ii)前述の磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔT内に調節されるように、上述のボアチャネルの配列を通して流体を押し進める手段とを備えている。
磁気共鳴装置の磁石(永久磁石又は電磁石)の温度変動を防止する動的な温度調節方法は本考案に関連する1つの方法である。この方法は、1つの態様として、冷却されているか又は室温の複数の空気流源を装置のボア内に設ける。1つ又はそれ以上のフィードバックループにより、装置内の1つ又はそれ以上の温度が独立して温度調節されるであろう。特に、MRI装置内に収容された磁石の温度が(内部熱源が磁石の温度を最終的に変化させないように)温度調節される。
図1は磁気共鳴装置100の一部を概略的に表している。図1において、この装置は、磁気アセンブリ全体に代えて、例えば傾斜磁場コイルがその下に設けられている上部磁極部101のみを表すことによって示されている。サンプルは、サンプル収容チャンバ102内に挿入され、1つ又はそれ以上の側方ボア103が付加的に設けられている。哺乳類の生体サンプルの場合、サンプルの温度は、一般的に、85〜120℃の間で変動する。傾斜磁場コイルを一定温度に維持するために、このコイルは受動的遮蔽層によって、可能な限りサンプルから熱的に遮蔽される。しかしながら、磁気共鳴測定に高い精度が要求され、そのためには非常に均一かつ一定の磁場、従って非常に均一かつ一定の温度が要求されるため、受動的な遮蔽では、磁石の温度を、実行される測定に有効なレベルに安定させるのに不充分である。このため、以下に述べる方法による、いくつかの能動手段が必要となる。
図2a〜図2eは本考案の磁気共鳴装置の実施形態を簡略化した斜視図、透視図、側面図、拡大側面図及び説明図で表している。サンプル104(図2b)は、格納式のサンプル収容チャンバ105内に横たわっている。このチャンバ、これを収容している対応するボア102、及び側方ボア103は、全て、独立した空気流システムを備えている。小さな空隙106(図2c)が、サンプル収容チャンバ105とこれを収容しているボア102との間に形成されている。この空隙は、サンプル収容チャンバの回りに、ベルヌーイ効果を実施するベンチュリ管のように、圧縮された流れのライン107(図2e)の領域を発生させる。空隙106の形状が、サンプル収容チャンバ105及びその回りの空隙106を垣間見ることができる、ボア103内の図である図2dに示されている。
これら図面が上部磁極部101と同一平面内において側方ボア103が上部磁極部101に入り出て行く1つの実施形態を表しており、他の実施形態ではこれとは垂直の平面内においてボア103が上部磁極部101に入力し出力していくことに注意すべきである。
他の実施形態においては、水平及び垂直の側方ボア103の任意の組合わせを利用可能である。
ボア102、103の両端に独立してアクセスするブロワ106が表されている独立した空気流システムが図3a〜図3fに概略的に示されている。複数の強制空気源により、システムを通り及び種々の磁石の表面を覆う流れを、層流又は乱流等の任意の所望の流れ形式に固定することができる。例えば、一般に、乱流は層流よりも効率的な温度相互作用(より大きい熱伝導作用)を呈する。3つの側方からシステム内に空気を強制的に入力し、4つ目の側方からこれを排気することによって乱流が得られる。4つの独立した強制空気源の組について多数の置換が可能であり、これら構成間の循環を、得られる流れの時間変動及び乱流特性に追加することが可能であることは言うまでもない。例えば、5秒間、両方の収容ボアポートに空気が吹き込まれ、側方ボアポートには空気が吹き込まれない。次いで、両方の側方ボアポートに空気が吹き込まれ、収容ボアポートには空気が吹き込まれない。使用される空気流装置が正圧を供給することに限定されず、当業者であれば明らかのように、逆ブロワ、低圧ライン等を使用することによって負圧であるかも知れないことは、本考案の範囲内である。さらに、各ブロワ又は空気供給/抽出手段は、一般に、導入流のある動作範囲内の速度又は圧力において動作可能である。またさらに、システムに導入された空気は、冷却及び/又は加湿のような種々の方法で処理されるであろう。本考案の一実施形態においては、システムから熱を最大に抽出できる構成を決定するために、所与の幾何学的システムについて多種多様の構成をあらかじめ試験可能であり、この最適な構成は最大効率の熱抽出を行えるフィードバックループ内で使用可能である。
図3aは本考案の空気流システムを概略的に示す図である。ここでは、4つのブロワ106が示されており、その2つが収容ボア102及び側方ボア103の各端にある。格納式のサンプル収容チャンバ105が、任意に、それ自体の空気又はガス供給装置と共に設けられているかもしれない。クローズドループフィードバックがサーモスタット又は温度制御器として用いることができるように、サンプル収容チャンバ105内と傾斜地場磁石上又はその近傍との両方に温度センサが好ましくは設けられている。例えば、電磁石の表面の温度が上昇した際に、側方ボア及び収容ボアを通る空気流が増加する。本考案の他の実施形態においては、システム内に強制的に入力される空気がシステムの外部から与えられる(即ち、周囲の空気である)。
周囲空気は、所定の条件に従って、冷却、加湿、除湿、濾過又はその他によって、前処理されているかも知れない。しかしながら、本考案によって提供されるシステムが強制される空気を冷却、加湿、除湿、濾過等せず、システムに入る空気を単に強制的に入力するものであることに注意すべきである。この強制的入力により、磁石の温度が内部のいかなる熱源にも影響されないように、磁石の温度調整が行われる。
図3b〜図3fはブロワ106の数を変更した異なる実施形態を示している。図3bに示すように、ブロワ106の最小数は1である。ブロワの任意の組み合わせが有効である。
図4a及び図4bは考えられる空気の流れを概略的に示している。図4aにおいては、流れは方向108の向きで入力され、方向109の向きで出力される。図4bにおいては、流れは逆方向となる。このような方向の切換えにより、流れのパターンを例えば流れに高度の乱れを導入するようにうまく制御することができる。図4c及び図4dにおいては、同じ概念が使用されているが、空気をシステム内に強制的に入力するために垂直となるチャネル(向い合うチャネルの代わりに)が同時に用いられている。図4cにおいては、ボア103内に空気を強制的に入力するために垂直となるチャネル110が用いられている。これにより、空気は残りのチャネル111を通って装置から出力される。この構成は、例えば図4a及び図4bに示す空気流とは全く異なる空気流を可能とし、異なる流れ形式を得ることを可能にする。図4dはこの概念を極端に取り入れたものであり、空気を、3つのチャネル112を介して装置内に強制的に入力し、かつチャネル103及びサンプル保持チャンバ105間に得られる小さな流れ領域を有する小さなチャネル113を介して出力できるようにする。この小さな流れ領域は、安定した状態の大量の流れを維持してこれによりチャネル103及びサンプル保持チャンバ105間の領域からより多くの熱を運ぶために、速度を増大させる。
図4eはこの概念を最大に取り入れたものであり、空気を4つのチャネル112を介して装置内に強制的に入力させる。
磁気共鳴測定の熟練者には良く知られているように、迷走電磁放射の存在がこれら測定のノイズ源としてふるまい、解像度を低下させかつ必要なサンプリング時間を増大させる。従って、多くの場合に、ファラディケージとして作動する高電導材料の固体容器によって、測定領域を迷電磁放射から遮蔽することが一般に行われる。しかしながら、例えば冷却目的で充分な空気流を維持させるために、最近の装置は、大量の環境空気をシステム内に入力させるべく測定装置側に大きなボアを必要としている。この問題を解消するために、最近の装置は以下の解決法を採用している。無線周波数の電磁波伝搬の大部分を防ぐために、ボア102及び103の端部に、充分な密度を有すると共に、このメッシュを通って保護されるサンプルチャンバ内に検知可能な空気流が入ることを実質的に邪魔しないように充分な空隙を有する金属メッシュを配置する。このようなメッシュは、格納可能なサンプル導入チャンバの長さ方向に沿って及び/又はその端部と共に、ボアの長さ方向に沿った数カ所に配置されるかも知れない。
本考案によれば、さらに、放射の干渉に対して防護するために、磁気共鳴装置のボアを装置の外部へある距離まで延長することが提供される。ボアの壁は、好ましくは、金属のような導電材料で構成されているか、又は金属スリーブを備えている。ボアの壁が導電材料で形成され、かつこれら壁に電気的に接触している導電メッシュが端部に被着されていることにより、いわゆるファラディケージが得られる。このような導電ケージは、いかなる大きさの迷放射もケージ内に通り抜けることができないという良く知られた特性を有している。この通り抜けの深さは、特に、放射の周波数、メッシュの孔の寸法、及び使用されている金属の導電率に依存する。例えば、ボアの長さがボアの各端の径の5倍を超えると、非常に少量の放射が測定領域まで通り抜ける。このような実施形態が図2a〜図2eに示されており、ここではボアの出口103がある距離だけ装置本体の外部に延長されていることが分かる。このある距離は、迷放射の装置の測定領域への通り抜け量を低減させるために、増大化される。
本考案によれば、重要領域、即ち傾斜磁場コイル及びサンプルチャンバの温度を制御するためのフィードバックを使用することが提供される。一例として、当業者に良く知られているように、熱電対、温度依存抵抗、又は他の温度感知装置が使用される。これら装置は、温度が安定していることが要求される重要領域に配置される。独立した制御ループ、例えば組み込まれたフィードバック制御は、当業者に良く知られているように、これら温度センサの各々を用いかつPID等の技術を用いて実施される。例えば、あるセンサの温度が所定の設定点を越えて上昇し始めるとき、そのセンサを越える空気流の速度が増大されるか、付加的なブロワが作動するか、又は入ってくる空気の温度が低下される。制御アルゴリズムの一部として、流れの乱れ特性を増大させるために、複数のブロワが、可変の流れ速度でそれぞれ別の時間に、作動及び非作動となる。
本考案の好ましい実施形態において、互いにほぼ垂直であり流体連結された1対のチャネルが磁気共鳴装置の本体内に設けられる。この方法で空気の流れが1つのチャネルを通って強制的に入力された場合、互いに垂直方向に配置されたチャネルから空気が入力される傾向にあるベンチュリ効果が生まれる。これは、流れる空気とチャネルの表面との間の熱伝導の速度を増大させる限りにおいて有益であることが分かる乱流を引き起こす。
上述したシステムの実施形態の実際のテストにおいては、非常に正確に温度を安定させることが達成された。これは、時間毎の最大温度ドリフト等の測定によって定量化できる。実施されたテストにおいて、温度ドリフトは0.2℃/時間未満に維持された。この極めて低いドリフトは、背景技術において述べたように、非常に安定したMT測定を可能とする。
上述したように、本考案の一態様によれば、ケージ内に収容された磁石と、磁石を室温T±ΔTに温度調節するように構成された温度調節システム(TRS)とを備えた磁気共鳴装置(MRD)が提供される。上述したTRSは、(i)ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、(ii)磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの配列に流体を強制的に通す手段とを備えている。
本考案の一態様によれば、上述したTRSが、磁石の表面及び/又は内部に配置された複数の温度センサと、これらセンサに連結されており、(i)流体流の速度を増大又は減少させる要素、(ii)流体流の流量を増大又は減少させる要素、及び(iii)流体の温度を増大又は減少させる要素からなる群のうちの少なくとも1つを備えるように構成された複数のフィードバック温度調整機構(TRFM)とをさらに備えている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、温度センサが、磁石の共振周波数である前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、垂直又は平行な一部の上述したチャネルに流体を強制的に入力し、このチャネル内で乱流又は層流のどちらかを得るように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、1つ又はそれ以上の上述したチャネルが、可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した流れのパターンが、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したΔTが、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲にある前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが、導電材料で構成された壁を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に有しており、このメッシュスクリーンが電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの長さがこのMRDから外部へ突出しており、その長さがチャネルの径より約5倍大きい前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの各々が、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した温度センサが、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したフィードバック手段が、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁気共鳴装置(MRD)内の磁石を室温T±ΔTに温度調節する方法が提供される。この方法は、ケージ内に収容された磁石からなる上述した磁気共鳴装置を取得するステップと、ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通す手段とを有する温度調節システム(TRS)を取得するステップと、磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通すステップとを備えている。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁石の表面及び/又は内部に複数の温度センサを配置するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、温度センサに従って前述した配列にFFFを強制的に通す上述した手段の出力に関連したパラメータをフィードバック調整するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、垂直又は平行な一部の上述したチャネル(110)に流体を導入することを介して、このチャネル内に層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される流れのパターンを提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した流れのパターンを、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したΔTを、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲となるように選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電材料で構成された壁を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに、電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルの各々を、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した温度センサを、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したフィードバック手段を、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段を、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供することにより、電磁放射のチャネル内への伝搬を遮蔽するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
100 磁気共鳴装置
101 上部磁極部
102 サンプル収容チャンバ
106 空隙
103 側方ボア
104 サンプル
105 サンプル収容チャンバ
106 ブロワ
107 ライン
108、109 方向
110、111、112、113 チャネル
本考案は、概して、磁気共鳴電磁石から温度を取り除き、さらに、磁気共鳴装置の磁気アセンブリにおける温度を調節するシステムに関する。
磁気共鳴像装置は、その分子構造に基づいて、サンプルの測定を行う。サンプルは、そのサンプルの全原子核のスピンを整列させる効果を有する分極された磁場を受ける。原子核のラーモア周波数近傍の周波数の電波が原子核を励起し磁気整列を反転するために使用される。励起が終了すると、原子核は固有の電波信号を放出することによりその初期状態に戻る。これら電波信号はサンプルの像を取得するために使用可能である。
正確なラーモア周波数は、正確な磁場に依存する。サンプルのキャビティ内に磁場勾配を作り出すことにより、サンプルの全体像が形成されるようにこれら信号の発生源を配置させることができる。
この方法の効率は、サンプルのキャビティ内における磁場強度の整合性に依存する。この磁場は、典型的には、百万分の5以内に制御される。磁場の均一度によって、ラーモア歳差運動周波数を測定できる精度が定まる。これは、より小さな化学シフトの解像を可能にしている。
磁場は、磁気アセンブリを構成する材料の強磁性特性に大きく依存する。これら強磁性特性は、多くの場合、温度依存性があり、従って、磁気アセンブリを温度調節することが重要となる。これは、特に像となるサンプルの温度自体が変動している際に問題となる。このような場合、磁気アセンブリをサンプルから断熱する手段の導入が必要となる。
常にここに包含される、ラパポートによる特許文献1は、磁気共鳴装置の磁気アセンブリの温度を一定に保つ手段及び方法を提案している。しかしながら、この装置では、外装材、高い熱容量の流体、ポンプ、ヒートポンプ及びヒータを使用する必要があり、これは、受動的な断熱手段のみを用いたシステムに比して、この種のシステムのコスト及び不便性を増大させる。
しかしながら、高感度の温度係数がシステムの磁場を許容できる範囲を超えて変動させるため、受動的な断熱は、高感度の永久磁石を備えた磁気共鳴装置又は検査対象物を安定させるためには不充分である。
同様に、臼井による特許文献2は、能動的なペルチェ電子冷却装置を使用することにより超伝導MRIマグネットにおける冷却の問題を解決したMRI装置を提案している。しかしながら、これら装置が低い電子効率を有し高価であることは周知であり、このような装置に基づいてシステムを構成することは経済的に問題がある。
米国特許第7297907号明細書 特開平01−121044号公報
従って、この分野において、費用効果の高い、磁気共鳴装置における磁石の温度調節システムが、長年にわたって切望されていた。
本考案の一態様によれば、ケージ内に収容された磁石と、磁石を室温T±ΔTに温度調節するように構成された温度調節システム(TRS)とを備えた磁気共鳴装置(MRD)が提供される。上述したTRSは、(i)ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、(ii)磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの配列に流体を強制的に通す手段とを備えている。
本考案の一態様によれば、上述したTRSが、磁石の表面及び/又は内部に配置された複数の温度センサと、これらセンサに連結されており、(i)流体流の速度を増大又は減少させる要素、(ii)流体流の流量を増大又は減少させる要素、及び(iii)流体の温度を増大又は減少させる要素からなる群のうちの少なくとも1つを備えるように構成された複数のフィードバック温度調整機構(TRFM)とをさらに備えている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、温度センサが、磁石の共振周波数である前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、垂直又は平行な一部の上述したチャネルに流体を強制的に入力し、このチャネル内で乱流又は層流のどちらかを得るように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、1つ又はそれ以上の上述したチャネルが、可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した流れのパターンが、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したΔTが、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲にある前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが、導電材料で構成された壁を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に有しており、このメッシュスクリーンが電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの長さがこのMRDから外部へ突出しており、その長さがチャネルの径より約5倍大きい前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの各々が、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した温度センサが、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したフィードバック手段が、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁気共鳴装置(MRD)内の磁石を室温T±ΔTに温度調節する方法が提供される。この方法は、ケージ内に収容された磁石からなる上述した磁気共鳴装置を取得するステップと、ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通す手段とを有する温度調節システム(TRS)を取得するステップと、磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通すステップとを備えている。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁石の表面及び/又は内部に複数の温度センサを配置するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、温度センサに従って前述した配列にFFFを強制的に通す上述した手段の出力に関連したパラメータをフィードバック調整するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、垂直又は平行な一部の上述したチャネル(110)に流体を導入することを介して、このチャネル内に層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される流れのパターンを提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した流れのパターンを、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したΔTを、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲となるように選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電材料で構成された壁を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに、電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルの各々を、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した温度センサを、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したフィードバック手段を、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段を、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供することにより、電磁放射のチャネル内への伝搬を遮蔽するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
磁気共鳴装置を概略的に表す斜視図であり、サンプル導入装置及び側方シャフト(side shafts)を示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す斜視図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す透視図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す側面図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す拡大側面図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 磁気共鳴装置の他の実施形態を概略的に表す説明図であり、サンプル導入装置及び側方シャフトを示している。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。 装置の種々のボアを通る空気流の考えられるいくつかの構成を概略的に表す説明図である。
本考案を理解し、実際にどのように実施されるかを知るために、少数の好ましい実施形態について、非限定的な例のみを用い添付の図面を参照して以下説明する。
本考案の全章と以下の記載は、全ての当業者が本考案を使用できるようにすると共に、本考案を実施する考案者によって考えられた最良の形態を提示するものである。しかしながら、本考案の一般的な原理が、磁気共鳴装置の磁気アセンブリの温度が内部のいかなる熱源からも影響を受けないようにこの磁気アセンブリにおける温度を調節する手段及び方法を提供することと特に規定されているので、当業者は種々の変更態様を容易に想到することが可能である。
用語「約」及び「およそ」は、±20%以内の量にほぼ等価な関係を置き換え可能に以下示している。
用語「正確に」は、±2%以内の量にほぼ等価な関係を以下示している。
用語「近傍」は、約1nmと1mとの間、特に約1mmと10mmとの間の距離の関係を以下示している。
用語「大部分」は、一般的には全体の少なくとも80%を参照するほとんどの部分に対して以下適用するか、又は「およそ」を意味するように使用可能である。
用語「磁気共鳴装置(MRD)」は、原子核が電磁放射によって励起された際にサンプル内の原子の原子核から放射される無線信号を測定するように構成された、NMR、ESR、NQR又はMRI装置のような装置に対して以下適用する。
用語「能動温度調節」は、1つ又はそれ以上の地点における温度(内部熱源がその温度に影響を与えていない状態で)を温度調節する任意の能動手段に対して以下適用する。これは、例えば、ブロワ、高圧ライン、低圧ライン、遮蔽流体、ペルチェ装置、加熱材料層、冷却装置、ヒートポンプ、又は当業者に自明な他の任意の手段によって実施されるであろう。
用語「熱遮蔽」は、一方の側から他方の側への熱移動を防ぐために、2つ又はそれ以上の他の物体間に導入される物体に対して以下適用する。
用語「ボア(bore)」又は「チャネル(channel)」は、これを通って空気が導入される空間を以下参照する。この用語は、剛性か若しくは可撓性であり任意の関連する材料で形成された、任意の寸法、断面又は形状のパイプ、ダクト、チャネル、管腔、毛細管、チューブ等からなる群から非限定的に選択される。「ボア」及び「チャネル」は、弁、調整器、ピストン、制御器、オリフィス及びノズル、内部若しくは外部被覆、構造要素、化学的若しくは物理的添加物等を備えているかも知れない。
用語「対象物導入チャネル」は、磁気共鳴装置において対象物(即ち検査すべき対象)が導入されるチャネルを以下参照する。
用語「サンプル保持チャンバ」は、MRI装置のボアに導入されるであろう可動容器を以下参照する。このチャンバは、内部に特別のガス成分を維持可能とするために、周囲雰囲気に対して閉鎖されている可能性がある。
用語「流体を押し進める手段」は、流体の促進された流れの提供に有用な任意の機構を以下参照する。この流体を押し進める手段は、ファン、ピストン、遠心力ポンプ、ロータリーポンプ若しくは他の任意のポンプ、ロータ、ベント、モータ等からなる群から非限定的に選択される。
用語「複数」は、1、2又は10のような正の整数を以下参照する。
本考案は、磁気共鳴装置(MRD)における磁石を室温T±ΔTに温度調節する温度調節システム(TRS)を提供する。このTRSは、(i)前述のケージ内及び/又は前述の磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開口されたボアチャネルのプリセット配列と、(ii)前述の磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔT内に調節されるように、上述のボアチャネルの配列を通して流体を押し進める手段とを備えている。
磁気共鳴装置の磁石(永久磁石又は電磁石)の温度変動を防止する動的な温度調節方法は本考案に関連する1つの方法である。この方法は、1つの態様として、冷却されているか又は室温の複数の空気流源を装置のボア内に設ける。1つ又はそれ以上のフィードバックループにより、装置内の1つ又はそれ以上の温度が独立して温度調節されるであろう。特に、MRI装置内に収容された磁石の温度が(内部熱源が磁石の温度を最終的に変化させないように)温度調節される。
図1は磁気共鳴装置100の一部を概略的に表している。図1において、この装置は、磁気アセンブリ全体に代えて、例えば傾斜磁場コイルがその下に設けられている上部磁極部101のみを表すことによって示されている。サンプルは、サンプル収容チャンバ102内に挿入され、1つ又はそれ以上の側方ボア103が付加的に設けられている。哺乳類の生体サンプルの場合、サンプルの温度は、一般的に、85〜120℃の間で変動する。傾斜磁場コイルを一定温度に維持するために、このコイルは受動的遮蔽層によって、可能な限りサンプルから熱的に遮蔽される。しかしながら、磁気共鳴測定に高い精度が要求され、そのためには非常に均一かつ一定の磁場、従って非常に均一かつ一定の温度が要求されるため、受動的な遮蔽では、磁石の温度を、実行される測定に有効なレベルに安定させるのに不充分である。このため、以下に述べる方法による、いくつかの能動手段が必要となる。
図2a〜図2eは本考案の磁気共鳴装置の実施形態を簡略化した斜視図、透視図、側面図、拡大側面図及び説明図で表している。サンプル104(図2b)は、格納式のサンプル収容チャンバ105内に横たわっている。このチャンバ、これを収容している対応するボア102、及び側方ボア103は、全て、独立した空気流システムを備えている。小さな空隙102a(図2c)が、サンプル収容チャンバ105とこれを収容しているボア102との間に形成されている。この空隙は、サンプル収容チャンバの回りに、ベルヌーイ効果を実施するベンチュリ管のように、圧縮された流れのライン107(図2e)の領域を発生させる。空隙102aの形状が、サンプル収容チャンバ105及びその回りの空隙102aを垣間見ることができる、ボア103内の図である図2dに示されている。
これら図面が上部磁極部101と同一平面内において側方ボア103が上部磁極部101に入り出て行く1つの実施形態を表しており、他の実施形態ではこれとは垂直の平面内においてボア103が上部磁極部101に入力し出力していくことに注意すべきである。
他の実施形態においては、水平及び垂直の側方ボア103の任意の組合わせを利用可能である。
ボア102、103の両端に独立してアクセスするブロワ106が表されている独立した空気流システムが図3a〜図3fに概略的に示されている。複数の強制空気源により、システムを通り及び種々の磁石の表面を覆う流れを、層流又は乱流等の任意の所望の流れ形式に固定することができる。例えば、一般に、乱流は層流よりも効率的な温度相互作用(より大きい熱伝導作用)を呈する。3つの側方からシステム内に空気を強制的に入力し、4つ目の側方からこれを排気することによって乱流が得られる。4つの独立した強制空気源の組について多数の置換が可能であり、これら構成間の循環を、得られる流れの時間変動及び乱流特性に追加することが可能であることは言うまでもない。例えば、5秒間、両方の収容ボアポートに空気が吹き込まれ、側方ボアポートには空気が吹き込まれない。次いで、両方の側方ボアポートに空気が吹き込まれ、収容ボアポートには空気が吹き込まれない。使用される空気流装置が正圧を供給することに限定されず、当業者であれば明らかのように、逆ブロワ、低圧ライン等を使用することによって負圧であるかも知れないことは、本考案の範囲内である。さらに、各ブロワ又は空気供給/抽出手段は、一般に、導入流のある動作範囲内の速度又は圧力において動作可能である。またさらに、システムに導入された空気は、冷却及び/又は加湿のような種々の方法で処理されるであろう。本考案の一実施形態においては、システムから熱を最大に抽出できる構成を決定するために、所与の幾何学的システムについて多種多様の構成をあらかじめ試験可能であり、この最適な構成は最大効率の熱抽出を行えるフィードバックループ内で使用可能である。
図3aは本考案の空気流システムを概略的に示す図である。ここでは、4つのブロワ106が示されており、その2つが収容ボア102及び側方ボア103の各端にある。格納式のサンプル収容チャンバ105が、任意に、それ自体の空気又はガス供給装置と共に設けられているかもしれない。クローズドループフィードバックがサーモスタット又は温度制御器として用いることができるように、サンプル収容チャンバ105内と傾斜地場磁石上又はその近傍との両方に温度センサが好ましくは設けられている。例えば、電磁石の表面の温度が上昇した際に、側方ボア及び収容ボアを通る空気流が増加する。本考案の他の実施形態においては、システム内に強制的に入力される空気がシステムの外部から与えられる(即ち、周囲の空気である)。
周囲空気は、所定の条件に従って、冷却、加湿、除湿、濾過又はその他によって、前処理されているかも知れない。しかしながら、本考案によって提供されるシステムが強制される空気を冷却、加湿、除湿、濾過等せず、システムに入る空気を単に強制的に入力するものであることに注意すべきである。この強制的入力により、磁石の温度が内部のいかなる熱源にも影響されないように、磁石の温度調整が行われる。
図3b〜図3fはブロワ106の数を変更した異なる実施形態を示している。図3bに示すように、ブロワ106の最小数は1である。ブロワの任意の組み合わせが有効である。
図4a及び図4bは考えられる空気の流れを概略的に示している。図4aにおいては、流れは方向108の向きで入力され、方向109の向きで出力される。図4bにおいては、流れは逆方向となる。このような方向の切換えにより、流れのパターンを例えば流れに高度の乱れを導入するようにうまく制御することができる。図4c及び図4dにおいては、同じ概念が使用されているが、空気をシステム内に強制的に入力するために垂直となるチャネル(向い合うチャネルの代わりに)が同時に用いられている。図4cにおいては、ボア103内に空気を強制的に入力するために垂直となるチャネル110が用いられている。これにより、空気は残りのチャネル111を通って装置から出力される。この構成は、例えば図4a及び図4bに示す空気流とは全く異なる空気流を可能とし、異なる流れ形式を得ることを可能にする。図4dはこの概念を極端に取り入れたものであり、空気を、3つのチャネル112を介して装置内に強制的に入力し、かつチャネル103及びサンプル保持チャンバ105間に得られる小さな流れ領域を有する小さなチャネル113を介して出力できるようにする。この小さな流れ領域は、安定した状態の大量の流れを維持してこれによりチャネル103及びサンプル保持チャンバ105間の領域からより多くの熱を運ぶために、速度を増大させる。
図4eはこの概念を最大に取り入れたものであり、空気を4つのチャネル112を介して装置内に強制的に入力させる。
磁気共鳴測定の熟練者には良く知られているように、迷走電磁放射の存在がこれら測定のノイズ源としてふるまい、解像度を低下させかつ必要なサンプリング時間を増大させる。従って、多くの場合に、ファラディケージとして作動する高電導材料の固体容器によって、測定領域を迷電磁放射から遮蔽することが一般に行われる。しかしながら、例えば冷却目的で充分な空気流を維持させるために、最近の装置は、大量の環境空気をシステム内に入力させるべく測定装置側に大きなボアを必要としている。この問題を解消するために、最近の装置は以下の解決法を採用している。無線周波数の電磁波伝搬の大部分を防ぐために、ボア102及び103の端部に、充分な密度を有すると共に、このメッシュを通って保護されるサンプルチャンバ内に検知可能な空気流が入ることを実質的に邪魔しないように充分な空隙を有する金属メッシュを配置する。このようなメッシュは、格納可能なサンプル導入チャンバの長さ方向に沿って及び/又はその端部と共に、ボアの長さ方向に沿った数カ所に配置されるかも知れない。
本考案によれば、さらに、放射の干渉に対して防護するために、磁気共鳴装置のボアを装置の外部へある距離まで延長することが提供される。ボアの壁は、好ましくは、金属のような導電材料で構成されているか、又は金属スリーブを備えている。ボアの壁が導電材料で形成され、かつこれら壁に電気的に接触している導電メッシュが端部に被着されていることにより、いわゆるファラディケージが得られる。このような導電ケージは、いかなる大きさの迷放射もケージ内に通り抜けることができないという良く知られた特性を有している。この通り抜けの深さは、特に、放射の周波数、メッシュの孔の寸法、及び使用されている金属の導電率に依存する。例えば、ボアの長さがボアの各端の径の5倍を超えると、非常に少量の放射が測定領域まで通り抜ける。このような実施形態が図2a〜図2eに示されており、ここではボアの出口103がある距離だけ装置本体の外部に延長されていることが分かる。このある距離は、迷放射の装置の測定領域への通り抜け量を低減させるために、増大化される。
本考案によれば、重要領域、即ち傾斜磁場コイル及びサンプルチャンバの温度を制御するためのフィードバックを使用することが提供される。一例として、当業者に良く知られているように、熱電対、温度依存抵抗、又は他の温度感知装置が使用される。これら装置は、温度が安定していることが要求される重要領域に配置される。独立した制御ループ、例えば組み込まれたフィードバック制御は、当業者に良く知られているように、これら温度センサの各々を用いかつPID等の技術を用いて実施される。例えば、あるセンサの温度が所定の設定点を越えて上昇し始めるとき、そのセンサを越える空気流の速度が増大されるか、付加的なブロワが作動するか、又は入ってくる空気の温度が低下される。制御アルゴリズムの一部として、流れの乱れ特性を増大させるために、複数のブロワが、可変の流れ速度でそれぞれ別の時間に、作動及び非作動となる。
本考案の好ましい実施形態において、互いにほぼ垂直であり流体連結された1対のチャネルが磁気共鳴装置の本体内に設けられる。この方法で空気の流れが1つのチャネルを通って強制的に入力された場合、互いに垂直方向に配置されたチャネルから空気が入力される傾向にあるベンチュリ効果が生まれる。これは、流れる空気とチャネルの表面との間の熱伝導の速度を増大させる限りにおいて有益であることが分かる乱流を引き起こす。
上述したシステムの実施形態の実際のテストにおいては、非常に正確に温度を安定させることが達成された。これは、時間毎の最大温度ドリフト等の測定によって定量化できる。実施されたテストにおいて、温度ドリフトは0.2℃/時間未満に維持された。この極めて低いドリフトは、背景技術において述べたように、非常に安定したMT測定を可能とする。
上述したように、本考案の一態様によれば、ケージ内に収容された磁石と、磁石を室温T±ΔTに温度調節するように構成された温度調節システム(TRS)とを備えた磁気共鳴装置(MRD)が提供される。上述したTRSは、(i)ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、(ii)磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの配列に流体を強制的に通す手段とを備えている。
本考案の一態様によれば、上述したTRSが、磁石の表面及び/又は内部に配置された複数の温度センサと、これらセンサに連結されており、(i)流体流の速度を増大又は減少させる要素、(ii)流体流の流量を増大又は減少させる要素、及び(iii)流体の温度を増大又は減少させる要素からなる群のうちの少なくとも1つを備えるように構成された複数のフィードバック温度調整機構(TRFM)とをさらに備えている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、温度センサが、磁石の共振周波数である前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、垂直又は平行な一部の上述したチャネルに流体を強制的に入力し、このチャネル内で乱流又は層流のどちらかを得るように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、1つ又はそれ以上の上述したチャネルが、可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した流れのパターンが、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したΔTが、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲にある前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが、導電材料で構成された壁を有している前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルが導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に有しており、このメッシュスクリーンが電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの長さがこのMRDから外部へ突出しており、その長さがチャネルの径より約5倍大きい前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したチャネルの各々が、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成されている前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述した温度センサが、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、上述したフィードバック手段が、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段が、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から選択される前述したMRDが提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁気共鳴装置(MRD)内の磁石を室温T±ΔTに温度調節する方法が提供される。この方法は、ケージ内に収容された磁石からなる上述した磁気共鳴装置を取得するステップと、ケージ内及び/又は磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通す手段とを有する温度調節システム(TRS)を取得するステップと、磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの上述した配列に流体を強制的に通すステップとを備えている。
本考案に関連する方法の一態様によれば、磁石の表面及び/又は内部に複数の温度センサを配置するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、温度センサに従って前述した配列にFFFを強制的に通す上述した手段の出力に関連したパラメータをフィードバック調整するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、垂直又は平行な一部の上述したチャネル(110)に流体を導入することを介して、このチャネル内に層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される流れのパターンを提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した流れのパターンを、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したΔTを、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲となるように選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電材料で構成された壁を提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに、電磁放射のチャネル内への伝搬を阻止するように構成されている導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルの各々を、対のチャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述した温度センサを、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したフィードバック手段を、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、流体を強制的に通す上述した手段を、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
本考案に関連する方法の一態様によれば、上述したチャネルに導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供することにより、電磁放射のチャネル内への伝搬を遮蔽するステップをさらに備えている前述した方法が提供される。
100 磁気共鳴装置
101 上部磁極部
102 サンプル収容チャンバ
102a 空隙
103 側方ボア
104 サンプル
105 サンプル収容チャンバ
106 ブロワ
107 ライン
108、109 方向
110、111、112、113 チャネル

Claims (28)

  1. ケージ内に収容された磁石と、前記磁石を室温T±ΔTに温度調節するように構成された温度調節システム(TRS)とを備えた磁気共鳴装置(MRD)において、前記温度調節システムは、(i)前記ケージ内及び/又は前記磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、(ii)前記磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの前記配列に流体を強制的に通す手段と
    を備えていることを特徴とする磁気共鳴装置。
  2. 前記温度調節システムは、(a)前記磁石の表面及び/又は内部に配置された複数の温度センサと、(b)前記センサに連結されており、(i)流体流の速度を増大又は減少させる要素、(ii)流体流の流量を増大又は減少させる要素、及び(iii)流体の温度を増大又は減少させる要素からなる群のうちの少なくとも1つを備えるように構成された複数のフィードバック温度調整機構(TRFM)とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  3. 前記温度センサは、前記磁石の共振周波数であることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴装置。
  4. 流体を強制的に通す前記手段は、垂直又は平行な一部の前記チャネルに流体を強制的に入力し、該チャネル内で乱流又は層流のどちらかを得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  5. 1つ又はそれ以上の前記チャネルは、可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記流れのパターンは、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記範囲ΔTは、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記チャネルは、導電材料で構成された壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記チャネルは導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に有しており、該メッシュスクリーンは電磁放射の前記チャネル内への伝搬を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記チャネルの長さは当該磁気共鳴装置から外部へ突出しており、該長さは該チャネルの径より約5倍大きいことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  11. 前記チャネルの各々は、対の該チャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  12. 前記温度センサは、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴装置。
  13. 前記フィードバック手段は、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴装置。
  14. 流体を強制的に通す前記手段は、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  15. 磁気共鳴装置(MRD)内の磁石を室温T±ΔTに温度調節する方法であって、
    ケージ内に収容された磁石からなる前記磁気共鳴装置を取得するステップと、
    前記ケージ内及び/又は前記磁石内に設けられた1つ又はそれ以上の開いたボアチャネルのプリセットされた配列と、開いたボアチャネルの前記配列に流体を強制的に通す手段とを有する温度調節システム(TRS)を取得するステップと、
    前記磁石の温度Tがプリセットされた範囲ΔTに調整されるように、開いたボアチャネルの前記配列に流体を強制的に通すステップと
    を備えていることを特徴とする方法。
  16. 前記磁石の表面及び/又は内部に複数の温度センサを配置するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記温度センサに従って前記配列に前記FFFを強制的に通す前記手段の出力に関連したパラメータをフィードバック調整するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 垂直又は平行な一部の前記チャネル(110)に前記流体を導入することを介して、該チャネル内に層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択される流れのパターンを提供するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  19. 前記チャネルに可変の径によって特徴付けられる少なくとも部分的に円筒状の外形を提供するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  20. 前記流れのパターンを、層流、乱流、超音速流、及び亜音速流からなる群から選択するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  21. 前記ΔTを、時間当たり約0℃から約0.2℃の範囲となるように選択するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  22. 前記チャネルに導電材料で構成された壁を提供するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  23. 前記チャネルに、電磁放射の前記チャネル内への伝搬を阻止するように構成されている導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  24. 前記チャネルの各々を、対の該チャネル間の角度が約20°から約90°の範囲となるように構成するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  25. 前記温度センサを、熱電対、温度依存抵抗、光電手段、光手段、サーミスタ、バイメタル手段、ダイオード、半導体、接触手段及び非接触手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  26. 前記フィードバック手段を、クローズドループフィードバック、PID制御、電子制御、マイクロプロセッサ手段及び適応手段からなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  27. 流体を強制的に通す前記手段を、高圧ライン、低圧ライン、ブロワ、ファン及びポンプからなる群から、又はこれらの任意の組み合わせから選択するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  28. 前記チャネルに導電性のメッシュスクリーンを少なくとも部分的に提供することにより、電磁放射の前記チャネル内への伝搬を遮蔽するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
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