JP3177014B2 - 放射線発生装置 - Google Patents

放射線発生装置

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JP3177014B2
JP3177014B2 JP27057192A JP27057192A JP3177014B2 JP 3177014 B2 JP3177014 B2 JP 3177014B2 JP 27057192 A JP27057192 A JP 27057192A JP 27057192 A JP27057192 A JP 27057192A JP 3177014 B2 JP3177014 B2 JP 3177014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子等の荷電ビームを加
速して蓄積し、荷電ビームの偏向部から発生するシンク
ロトロン放射光を導出する放射光発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の放射光発生装置としては、図9
に示すような構成のものがある。図9において、1は所
定のエネルギーを有する荷電ビームを発生する例えば線
形加速器からなる荷電ビーム入射器、3はこの荷電ビー
ム入射器1より発生する荷電ビームが低エネルギー輸送
系2を通して入射される加速リング3で、この加速リン
グ3の内部にはビーム周回軌道に沿わせて複数個の偏向
電磁石11A、高周波空洞12Aおよび電流モニタ13
Aが配設されている。偏向電磁石11Aは、荷電ビーム
入射器1から入射した荷電ビームを偏向させ、図示ビー
ム周回軌道内に納まるように制御する。高周波空洞12
Aは、内部に高周波電場が形成されており、この高周波
電場により荷電ビームをバンチと呼ばれる密度変調して
周回軌道を回るときにシンクロトロン放射光として失わ
れるエネルギー以上の運動エネルギーを与え、荷電ビー
ムを徐々に加速させる。電流モニタ13Aは、ビーム周
回軌道を回る荷電ビーム電流を検出するためものであ
る。
【0003】また、5は加速リング3で加速され、所定
のエネルギーに到達した時点で出射される荷電ビームが
高エネルギー輸送系4およびその中途に配設された偏向
電磁石11Tを通して入射される蓄積リングで、この蓄
積リング5の内部には加速リング3と同様にビーム周回
軌道に沿わせて複数個の偏向電磁石11S、高周波空洞
12Sおよび電流モニタ13Sが配設されている。この
蓄積リング5は、偏向電磁石11Sにより入射した荷電
ビームのエネルギー相当の磁場で周回軌道内に納まるよ
うに制御すると共に、偏向時にシンクロトロン放射光と
して失われるエネルギーと同等の運動エネルギーを高調
波空洞12Sにより供給し、荷電ビームを一定の運動エ
ネルギーで長時間周回するように制御する。そして、荷
電ビームが偏向するときに発生するシンクロトロン放射
光は、放射光ビームライン6を通してリング外に導出さ
れ、実験等に利用される。また、この放射光ビームライ
ン6の中途には放射光の光量を検出する光量モニタ7が
設けられている。
【0004】なお、図示はしていないが、これら加速リ
ング3および蓄積リング5の真空容器およびこの真空容
器内を高真空に保つ各種ポンプや、ビーム入出射時に動
作させるパルス電磁石、軌道調整用の4極−6極の電磁
石が設置されている。
【0005】次にこのような構成の放射光発生装置にお
いて、放射光を所定光量に長時間保つための従来方式に
ついて説明する。前述した通り蓄積リング5の真空容器
内を周回する荷電ビームは、同容器内に残留する分子と
衝突して散乱を受け、時間と共に減少していく。この減
少していく割合は、一般的に荷電ビーム中に含まれる荷
電粒子数が元の粒子数の1/e(36.8%)に減少す
るまでの時間として定義され、これをビーム寿命と呼
ぶ。そして、このビーム寿命は蓄積リングが複数ある場
合にはそのリング間で異なるものとなる。この理由は同
一に設計、製作した蓄積リングでも素材段階での脱ガス
処理や組立時のばらつき等により、同一真空排気設備を
施しても、最終真空到達度が異なることによる。ここ
で、上記蓄積中の荷電ビーム電流Isと放射光パワー
(光量)Pの関係について(1)式を用いて説明する。 P=ρ・E4・FR・e・N …… (1) P:放射光全パワー ρ:蓄積リングの形状(主に偏向半径)で決まる定数 E:蓄積荷電ビームを周回する回転周波数 e:荷電粒子の荷電量 N:蓄積リング内の荷電粒子数 (1)式に示した右辺のFR・e・N項は、通常荷電ビ
ーム電流Isと呼んでいる。
【0006】上記(1)式からも分かるように、放射光
パワーPと荷電ビーム電流IS は比例関係にあり、さら
に前述した通りIS はビーム寿命によって徐々に減少し
てしまい、これにより放射光パワーも減少する。そこ
で、従来では上記放射光の減少を次のような手段により
防止するようにしていた。以下この防止手段について図
10を用いて説明する。
【0007】図10において、横軸は時間、縦軸は図9
に示した電流モニタ13Sで検出した蓄積リング5の荷
電ビーム電流IS である。時刻t0 で加速リング3より
蓄積リング5へ荷電ビームが入射され、荷電ビーム電流
S として蓄積された状態である。これ以降荷電ビーム
電流IS は徐々に減少し、これに比例して放射光パワー
Pも減少する。そして、電流モニタ13Sで検出したビ
ーム電流IS が事前に設定した設定値I0 に到達した時
刻t1 でビーム入射器1および加速リング3に対して荷
電ビームの追加入射指令を出力することにより、蓄積リ
ング5へ荷電ビームが追入射され、その結果ビーム電流
がI1 となる。
【0008】次に時刻t2 で荷電ビーム電流IS が設定
値I0 に到達し、同様に蓄積リング5へ荷電ビームを追
入射することにより、荷電ビーム電流IS は設定値I0
以下になることはなく、従って放射光パワーPも設定値
0 で決まるパワー以下に減少することはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の放射
光発生装置では、複数の蓄積リングのビーム電流がそれ
ぞれ下限値に到達した時刻を検出して荷電ビームを追加
入射することにより、減少したビーム電流を復元させる
ようにしていた。しかし、荷電ビーム入射器および加速
リングは通常1セットしか設置されていないため、複数
の蓄積リングのビーム電流がほぼ同時刻に設定下限値に
到達した場合には1台は荷電ビームの追加入射により復
元することはできるが、他の蓄積リングに対しては荷電
ビームの追加入射ができないため、この間に他の蓄積リ
ングの荷電ビーム電流が設定下限値よりさらに低いビー
ム電流となってしまう。このような問題が発生する確率
は1セットの荷電ビーム入射器および加速リングに対し
て蓄積リングの数が多くなればなるほど高くなる。
【0010】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、蓄積リングの荷電ビームが設定下
限値を下回ることなく、長時間安定な荷電ビーム電流を
維持できると共に、一定の放射光パワーを供給できる合
理的且つ経済的な放射光発生装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段により放射光発生装置を構
成したものである。
【0012】請求項1に対応する発明は、荷電ビームを
出力する荷電ビーム入射器と、この荷電ビーム入射器よ
り入射される荷電ビームを所定のエネルギーに達するま
で加速する加速リングと、この加速リングより分岐手段
を通してそれぞれ入射される所定のエネルギーの荷電ビ
ームを蓄積電流として蓄積し偏向時に発生する放射光を
出力する複数の蓄積リングを備えた放射光発生装置にお
いて、前記各蓄積リングの蓄積電流を検出する電流検出
手段と、この電流検出手段により検出された蓄積電流が
入力されると共に、その上、下限値がそれぞれ与えら
れ、且つ事前の測定データから求められた各蓄積リング
の蓄積電流の減少関数を用いて追加入射すべき目標電流
値とその入射タイミングを予測し、この予測に従って所
定のビーム電流値を各蓄積リングに時系列的に入射させ
る蓄積電流制御手段を設ける。
【0013】請求項2に対応する発明は、上記請求項1
に対応する発明の構成の電流検出手段に代えて、各蓄積
リングより発生する放射光の光量を検出する光量検出手
段を用いる。
【0014】請求項3に対応する発明は、荷電ビームを
出力する荷電ビーム入射器と、この荷電ビーム入射器よ
り入射される荷電ビームを所定のエネルギーに達するま
で加速する加速リングと、この加速リングより分岐手段
を通して入射される所定のエネルギーの荷電ビームを蓄
積電流として蓄積し偏向時に発生する放射光を出力する
蓄積リングを備えた放射光発生装置において、前記蓄積
リングの蓄積電流を検出する第1の電流検出手段と、前
記加速リングの荷電ビーム電流を検出する第2の電流検
出手段と、前記第1の電流検出手段により検出された蓄
積電流値が入力されると共に、その上、下限値がそれぞ
れ与えられ、且つこれら蓄積電流値およびその上、下限
値から追加入射すべき目標電流値および蓄積リング固有
の減少カーブを用いて前記荷電ビーム入射器と加速リン
グの動作タイミングを演算する蓄積電流制御手段と、こ
の蓄積電流制御手段より入力される目標電流値および動
作タイミング信号と前記第2の電流検出手段より入力さ
れる前記加速リングの電流検出値とから入射電流値が目
標電流値に到達した時点を求め、この時点で前記荷電ビ
ーム入射器の動作を停止させると共に、所定のエネルギ
ーに達するまで加速させ、且つ蓄積リングに対しては所
定の荷電ビームを出射させる入射電流制御手段とを設け
る。
【0015】
【0016】
【作用】上記請求項1に対応する発明の放射光発生装置
にあっては、各蓄積電流が下限設定値に到達する時刻を
各蓄積リング毎に事前に測定したデータから求められた
減少関数を用いて予測する。そして、複数の蓄積リング
の蓄積電流がほぼ同時刻に下限値と判定された場合には
早く下限値に到達する蓄積リングに対してはこの下限値
に到達する時刻に荷電ビーム入射器と加速リングを動作
させ、且つ所定のビームエネルギーが得られるまでの時
間を減算した時刻を求めると共に、合せてこの時刻にお
ける蓄積ビーム電流値を前記減少関数を用いて求めて目
標電流値を得、この目標電流値を前述した時刻に入射す
る。他方、遅く到達する蓄積リングはこの入射時刻にお
いては下限設定値までビーム電流が減少していないの
で、その後再度ビーム入射器と加速リングを動作させる
ことにより、必要とする荷電ビームを追加入射すること
ができる。従って、荷電ビーム入射器と加速リングの1
セットに対して複数の蓄積リング全部が設定下限値を下
回ることなく、長時間安定したビーム電流が得られるこ
とになる。請求項2に対応する発明の放射光発生装置に
あっても、検出対象が異なるだけで上記と同様の作用と
なる。
【0017】上記請求項3に対応する発明の放射光発生
装置にあっては、蓄積電流値の上、下限値が任意に設定
でき、且つこの設定値と蓄積電流値から追加すべき目標
電流値を求め、この目標電流値になるように加速リング
の入射電流値を制御し、蓄積リングに入射されるので、
蓄積電流を高精度で一定強度に長時間安定に維持するこ
とが可能となり、放射光パワーとして高精度で安定にな
る。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0019】図1は本発明による放射光発生装置の第1
の実施例を示すブロック回路図で、荷電ビーム入射器と
加速リングの1セットに対して2台の蓄積リングを分岐
手段を介して接続した構成を対象にしている。図1にお
いて、13S1 は第1の蓄積リングの蓄積荷電ビーム電
流(蓄積電流)を検出する第1の電流モニタであり、1
3S2 は第2の蓄積リングの蓄積荷電ビーム電流(蓄積
電流)を検出する第2の電流モニタで、これらの電流モ
ニタ13S1 ,13S2 として一般的に直流変流器が用
いられている。
【0020】また、20は第1の電流モニタ13S1
よび第2の電流モニタ13S2 で検出された蓄積電流I
S1およびIS2が入力され、且つ蓄積電流IS1およびIS2
をそれぞれ所定値にするための下限設定値I01とI02
よび上限設定値I11とI12がそれぞれ与えられる蓄積電
流制御部である。
【0021】この蓄積電流制御部20には、事前の測定
データから算出された各蓄積電流IS1およびIS2の減少
関数f1 およびf2 と所定エネルギーの荷電ビームを各
蓄積リングに入射するまでのビーム入射器1と加速リン
グ3の動作時間αとが設定され、これら減少関数f1
2 と動作時間αとを用いて追加入射すべき目標電流値
とその入射タイミングを予測演算して荷電ビーム入射器
1より加速リング3を通して各蓄積リングに所定ビーム
電流値を時系列的に入射するものである。この場合、減
少関数f1 とf2 は前述したように蓄積リング毎に相違
しており、当然この減少関数で決定するビーム寿命も異
なっている。
【0022】次に上記のように構成された第1の実施例
による放射光発生装置の作用を図2乃至図4に示すタイ
ムチャートおよび図5に示すフローチャートを用いて説
明する。図2乃至図4は横軸に時間、縦軸に第1および
第2の蓄積電流IS1とIS2の同時間軸での変化を示して
いる。
【0023】時刻t01にて第1の蓄積リングに対して所
定エネルギーの荷電ビームが入射され、蓄積電流IS1
上限設定値IU1になると(ステップS1)と、この時点
で第1の蓄積リング固有の減少関数f1 と上限設定値I
U1から、蓄積電流IS1が下限設定値ID1に到達する時間
1 を求める(ステップS2)。
【0024】一方、第2の蓄積リングに対しても同様に
時刻t02にて荷電ビームが入射され、蓄積電流IS2が上
限設定値IU2になると(ステップS3)、この時点で第
2の蓄積リング固有の減少関数f2 と上限設定値IU2
ら、蓄積電流IS2が下限設定値ID2に到達する時間t2
を求める(ステップS4)。
【0025】これら両蓄積電流IS1およびIS2の到達時
間t1 およびt2 が求められると、この時点でt1 とt
2 の時間差t12を計算し(ステップS5)、この時間差
12がビーム入射器1と加速リング3の運転周期で決ま
る動作時間αより大きいか否かを判定し(ステップS
6)、図2に示すようにt12がαより大きければ第1の
蓄積リングに対して蓄積電流IS1が下限設定値ID1に到
達した時点で(IU1−ID1)分の荷電ビームの追加入射
を行い(ステップS7)、ステップS2に戻る。また、
第2の蓄積リングに対しても蓄積電流IS2が下限設定値
D2に到達した時点で追加電流(I12−ID2)分の追加
入射を行い(ステップS8)、ステップS4に戻る。
【0026】また、ステップS6にてt12より小さいと
判定されると、上記時間t1 がt2より大きいか否かを
判定し(ステップS9)、図3に示すようにt1 がt2
より大きいと判定されると、時間t2 と動作時間αとの
差Tを計算し、この時間差Tでの蓄積電流IS =IT
求める(ステップS10)。そして、蓄積電流IS がI
T になるとこの時点で(IU1−IT )分の追加入射を行
い(ステップS11)、ステップS2に戻る。
【0027】上記ステップS9にて、図4に示すように
時間t1 がt2 より小さいと判定されると、時間t1
動作時間αとの差Tを計算し、この時間差Tでの蓄積電
流IS =IT を求める(ステップS12)。そして、蓄
積電流IS がIT になるとこの時点で(IU1−IT )分
の追加入射を行い(ステップS13)、ステップS2に
戻る。
【0028】以上のような処理動作を繰返し実行するこ
とによってそれぞれ異なるビーム電流の減少関数を持っ
た蓄積リングを所定ビーム電流範囲に長時間安定に保つ
ことができる。従って、第1の蓄積リングおよび第2の
蓄積リングから所定の放射光が長時間供給することがで
きる。
【0029】このように第1の実施例によれば、1セッ
トのビーム入射器1および加速リングに対して複数の蓄
積リングの減少値を減少関数を用いて下限値に到達する
時間を予測し、同一追加入射タイミングが発生した場合
でも事前に追加入射を実行するようにしたので、全部の
蓄積リングが設定下限値を下回ることなく、長時間安定
して荷電ビームを供給することができ、各蓄積リングの
放射光パワーを所定量に制御することができる。
【0030】なお、上記第1の実施例では、電流モニタ
を用いて蓄積電流が所定量になるように制御したが、放
射光の光量を測定する光量モニタを使用しても同様に実
施できる。この場合、光量モニタとしてフォトダイオー
ド等で構成でき、光量の相対値が測定できるようにすれ
ばよい。また、第1の実施例では2台の蓄積リングを用
いる場合について述べたが、3台以上の蓄積リングを用
いる場合においても前述と全く同様に制御することがで
きる。
【0031】さらに、上記第1の実施例では、蓄積電流
制御部20により蓄積電流IS1およびIS2の減少関数f
1 およびf2 と所定エネルギーの荷電ビームを各蓄積リ
ングに入射するまでのビーム入射器1と加速リング3の
動作時間αから、追加入射すべき目標電流値とその入射
タイミングを予測演算するようにしたが、これらのこと
をファジー制御を用いて行うようにしても前述と同様の
効果を得ることができる。
【0032】図6は本発明による放射光発生装置の第2
の実施例を示すブロック図で、図9に示す荷電ビーム入
射器1と加速リング3の1セットに対して1台の蓄積リ
ング5を分岐手段を介して接続した構成を対象にしてい
る。図6において、13Sは蓄積リングの荷電ビーム電
流(蓄積電流)を検出する電流モニタ、13Aは加速リ
ングの電流を検出する電流モニタである。
【0033】また、30は電流モニタ13Sにより検出
された蓄積電流IS が入力されると共に、この蓄積電流
S を所定値にするための下限設定値I0 と上限設定値
1が入力される蓄積電流制御部で、この蓄積電流制御
部30はこれら蓄積電流IS、下限および上限設定値I
0 およびI1 をもとに追加すべき目標電流IR と荷電ビ
ーム入射器1および加速リング3の動作タイミング信号
0 を演算するものである。
【0034】さらに、31は電流モニタ13Aにより検
出された加速リング3の電流Ia が入力されると共に、
蓄積電流制御部30により求められた目標電流IR およ
び動作タイミング信号T0 が入力される入射電流制御部
で、この入射電流制御部31は入射電流値が所定の目標
電流値に到達するまでの時間を求め、その時点で荷電ビ
ーム入射器に動作停止指令を与えると共に、荷電ビーム
の加速により所定エネルギーになると加速リングに荷電
ビームを蓄積リングに対して出射させせる指令を与える
ものである。
【0035】次に上記のように構成された第2の実施例
による放射光発生装置の作用を説明する。いま、図7に
示すように時刻t0 で加速リング3より蓄積リング5へ
ビームが入射され、電流IS が蓄積された状態にあるも
のとする。このとき蓄積電流制御部30では、電流モニ
タ13Sにより検出された蓄積電流IS とその下限およ
び上限設定値I0 およびI1 をもとに追加すべき目標電
流IR と入射電流値が所定の目標電流値に到達するまで
の時間T0 を求める。
【0036】これは図7に示すように蓄積リング5に入
射された蓄積電流Isは蓄積リング固有の減少カーブに
従って減少するので、蓄積電流Isが事前に設定した下
限値I0に到達する時刻を求めることにより得られる。
この時刻T0が蓄積リング5へ追加すべき動作タイミン
グ信号となる。また、追加すべき目標電流値IRは上限
設定値I1と下限設定値I0との差として求められる。
【0037】この蓄積電流制御部30で求められた動作
タイミング信号T0 と目標電流値IR が入射電流制御部
31に入力されると、入射電流制御部31では時刻T0
で荷電ビーム入射器1および加速リング3の動作を開始
させ、電流モニタ13Aより龍力される加速リング3の
入射電流Ia が目標電流値IR に到達したことを検出す
ると荷電ビーム入射器1の動作を停止させると共に、加
速リング3を再加速させ、所定のエネルギーになるまで
加速されると蓄積リング5へ追加入射の指令を与える。
ここで、入射電流制御部31の動作の詳細を図8を参照
して説明する。
【0038】時刻T0 で加速リング3を動作させ、荷電
ビーム入射器1が出射するエネルギーE0 に達すた後、
荷電ビーム入射器1を動作させ、加速リング3へ荷電ビ
ームを入射する。これを図8に示すように繰返し行い、
入射電流Ia が目標電流IR以上に一旦立上がった後
に、再度Ia =IR となるタイミングT1 を検出して荷
電ビーム入射器1を停止させると共に、加速リング3を
再加速し、所定エネルギーE1 に到達した後、加速リン
グ3から蓄積リング5へ荷電ビームを出射する。ここ
で、出射した荷電ビーム値は、蓄積リング5内で減少
し、追加入射を必要とする目標電流であるため、蓄積リ
ング5内の電流IS は上限設定値I1 に復帰する。
【0039】以上の動作を繰返して行うことにより、蓄
積ビーム電流IS は下限設定値I0と上限設定値との間
に制御することができ、蓄積電流は一定強度に長時間安
定に維持することができる。
【0040】なお、蓄積電流IS の寿命に対して、図8
に示したT0 から出射までの時間、すなわち蓄積電流が
下限値に到達した後、追加入射するまでの時間が無視で
きない程度に長い場合には、このT0 から出射までの時
間を蓄積電流IS の減少量に換算してI1 を調整するこ
とにより、蓄積電流IS の精度劣化を防止することがで
きる。
【0041】また、加速電流Ia が目標電流IR に到達
した後、所定エネルギーE1 の加速中および加速リング
3から蓄積リング5へ入射完了するまでの間に当然荷電
ビームは減少するが、これはほぼ一定値であり、しかも
測定できるので、この減少値を目標電流IR で調整する
ことにより蓄積電流IS の精度劣化を防止することがで
きる。
【0042】上記第2の実施例では、蓄積電流値の上、
下限値が任意に設定でき、かつこの設定値と蓄積電流値
から追加すべき目標電流値を算出してこの目標電流値に
なるように加速リングの入射電流値を制御し、蓄積リン
グに出射するようにしたので、蓄積電流が高精度で一定
強度に長時間安定に維持することができ、従って放射光
の光量を高精度で安定に長時間供給することができる。
【0043】なお、上記第2の実施例では、電流モニタ
を用いて蓄積電流が所定量になるように制御したが、放
射光の光量を測定する光量モニタを使用しても同様に実
施できる。この場合、光量モニタとしてフォトダイオー
ド等で構成でき、光量の相対値が測定できるようにすれ
ばよい。また、第2の実施例では1台の蓄積リングを用
いる場合について述べたが、複数台の蓄積リングを用い
る場合においても前述と全く同様に制御することができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、蓄積
リングの荷電ビームが設定下限値を下回ることなく、長
時間安定な荷電ビーム電流を維持できると共に、一定の
放射光パワーを供給できる合理的且つ経済的な放射光発
生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射光発生装置の第1の実施例を
示すブロック図。
【図2】同実施例における蓄積電流制御部の作用を説明
するためのもので、|t12|>αのときの蓄積電流の変
化曲線図。
【図3】同じく|t12|>αではなく、t1 > t2
ときの蓄積電流の変化曲線図。
【図4】同じく|t12|>αではなく、t1 > t2
ないときの蓄積電流の変化曲線図。
【図5】同実施例における蓄積電流制御部の作用を説明
するためのフローチャートを示す図。
【図6】本発明による放射光発生装置の第2の実施例を
示すブロック図。
【図7】同実施例における蓄積電流制御部の作用を説明
するための蓄積電流の変化曲線図。
【図8】同実施例における入射電流制御部の作用を説明
するための荷電ビームエネルギーと入射荷電ビーム電流
の変化曲線図。
【図9】従来の放射光発生装置の概略的な構成例を示す
平面図。
【図10】従来の放射光発生装置において、ビーム電流
を一定にするための作用を説明するための曲線図。
【符号の説明】
1……荷電ビーム入射器、2……低エネルギー輸送系、
3……加速リング、4……高エネルギー輸送系、5……
蓄積リング、6……放射光ビームライン、7……放射光
光量モニタ、11A,11S……偏向電磁石、12A,
12S……高周波空洞、13A,13S,13S1 ,1
3S2 ……電流モニタ、20,30……蓄積電流制御
部、31……入射電流制御部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電ビームを出力する荷電ビーム入射器
    と、この荷電ビーム入射器より入射される荷電ビームを
    所定のエネルギーに達するまで加速する加速リングと、
    この加速リングより分岐手段を通してそれぞれ入射され
    る所定のエネルギーの荷電ビームを蓄積電流として蓄積
    し偏向時に発生する放射光を出力する複数の蓄積リング
    を備えた放射光発生装置において、前記各蓄積リングの
    蓄積電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段
    により検出された蓄積電流が入力されると共に、その
    上、下限値がそれぞれ与えられ、且つ事前の測定データ
    から求められた各蓄積電流の減少関数を用いて追加入射
    すべき目標電流値とその入射タイミングを予測し、この
    予測に従って所定のビーム電流値を各蓄積リングに時系
    列的に入射させる蓄積電流制御手段を設けたことを特徴
    とする放射光発生装置。
  2. 【請求項2】 荷電ビームを出力する荷電ビーム入射器
    と、この荷電ビーム入射器より入射される荷電ビームを
    所定のエネルギーに達するまで加速する加速リングと、
    この加速リングより分岐手段を通してそれぞれ入射され
    る所定のエネルギーの荷電ビームを蓄積電流として蓄積
    し偏向時に発生する放射光を出力する複数の蓄積リング
    を備えた放射光発生装置において、前記各蓄積リングよ
    り発生する放射光の光量を検出する光量検出手段と、こ
    の光量検出手段により検出された放射光の光量が入力さ
    れると共に、その上、下限値がそれぞれ与えられ、且つ
    事前の測定データから求められた各蓄積リングより出力
    される放射光の光量の減少関数を用いて追加入射すべき
    目標電流値とその入射タイミングを予測し、この予測に
    従って所定のビーム電流値を各蓄積リングに時系列的に
    入射させる蓄積電流制御手段を設けたことを特徴とする
    放射光発生装置。
  3. 【請求項3】 荷電ビームを出力する荷電ビーム入射器
    と、この荷電ビーム入射器より入射される荷電ビームを
    所定のエネルギーに達するまで加速する加速リングと、
    この加速リングより分岐手段を通して入射される所定の
    エネルギーの荷電ビームを蓄積電流として蓄積し偏向時
    に発生する放射光を出力する蓄積リングを備えた放射光
    発生装置において、前記蓄積リングの蓄積電流を検出す
    る第1の電流検出手段と、前記加速リングの荷電ビーム
    電流を検出する第2の電流検出手段と、前記第1の電流
    検出手段により検出された蓄積電流値が入力されると共
    に、その上、下限値がそれぞれ与えられ、且つこれら蓄
    積電流値およびその上、下限値から追加入射すべき目標
    電流値および蓄積リング固有の減少カーブを用いて前記
    荷電ビーム入射器と加速リングの動作タイミングを演算
    する蓄積電流制御手段と、この蓄積電流制御手段より入
    力される目標電流値および動作タイミング信号と前記第
    2の電流検出手段より入力される前記加速リングの電流
    検出値とから入射電流値が目標電流値に到達した時点を
    求め、この時点で前記荷電ビーム入射器の動作を停止さ
    せると共に、所定のエネルギーに達するまで加速させ、
    且つ蓄積リングに対しては所定の荷電ビームを出射させ
    る入射電流制御手段とを設けたことを特徴とする放射光
    発生装置。
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