JP3175661B2 - アーク溶接ロボットの制御装置と制御方法 - Google Patents

アーク溶接ロボットの制御装置と制御方法

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JP3175661B2
JP3175661B2 JP26848597A JP26848597A JP3175661B2 JP 3175661 B2 JP3175661 B2 JP 3175661B2 JP 26848597 A JP26848597 A JP 26848597A JP 26848597 A JP26848597 A JP 26848597A JP 3175661 B2 JP3175661 B2 JP 3175661B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ティーチングプレ
イバック式の産業用ロボットと溶接電源とを組合わせた
アーク溶接ロボットの溶接作業の動作に係わり、溶接終
了時のクレータ処理作業を良好に行い、ワイヤスティッ
クを防止するアーク溶接ロボットの制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術は特開平8−39241号公
報に記載のように、ティーチングプレイバック式のロボ
ット制御装置はオペレータにより予め教示さているアー
ク溶接動作を実施させるシーケンスをロボットで実行す
るようになっている。ここで、溶接終了点で直ちにアー
クオフすると一般的に、溶着金属が薄くなり、ビード外
観にクレータが発生し外観が悪くなるとともに溶接強度
が低下してしまう。このため、オペレータは溶接終了点
で溶接金属を盛り上げる処理、即ち、クレータ処理を実
施するようロボットへ教示していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶接電源は消耗性電極
(以下、ワイヤと略す)を送給するワイヤ送給装置へ溶
接電流指令値に比例したワイヤ送給速度となるように指
令制御する。しかしながら、ワイヤ送給装置が溶接電源
から指令されたワイヤ送給速度へワイヤの送り速度を到
達させるには数百ミリ秒の応答遅れを要する。このた
め、ワイヤ送り速度を変化させるのに必要な応答遅れ時
間が不明のままではクレータ溶接条件指令が実際のクレ
ータ溶接処理時に実施されているのか否か解らず、溶接
条件出しに多大の時間を要するという問題があった。こ
こで、溶接終了点において、ロボット制御装置が溶接電
源に対してクレータ溶接条件指令とアークオフ指令とを
指令する時間差が前記のワイヤ送給装置の応答遅れ分の
遅延時間よりもはるかに小さな値となっている場合、ワ
イヤの送り速度は本溶接条件指令値のままでかつ溶接条
件指令値としては本溶接条件指令値よりもはるかに低い
クレータ溶接条件指令値で溶接してしまう結果となるた
め溶接終了時にワイヤがワークに融着するワイヤスティ
ック(ワイヤの被溶接物への溶着)が発生していた。こ
のために、ワイヤスティック発生時にはオペレータが介
在してスティックしたワイヤをニッパー等で切断しその
ビード表面を磨くという後処理が必要になり、ロボット
による無人化運転を妨げ、またタクトタイムを悪化させ
るという問題があった。
【0004】このワイヤスティックさせないためには、
クレータ処理においてワイヤ送給量がワイヤの溶け込み
許容量以下となればよく、溶接条件指令値が変更された
場合でもその変化分に応じた分だけのワイヤ送給装置の
応答遅れ時間が確保されていればワイヤスティックしな
いことが解っている。
【0005】本発明は上記従来の問題点に鑑み、ロボッ
トを使用した自動溶接ラインにおいて、クレータ処理が
適切に実施されるように、クレータ溶接条件指令(溶接
電流値・溶接電圧値、溶接終了指令(アークオフ・溶接
用シールドガスオフ等))が溶接電源へ伝達されワイヤ
が指令された送給速度になるまでに必要な時間が確保さ
れているかどうかを判定して、確保されている場合はク
レータ溶接条件指令値を実施し、確保されていない場合
はクレータ溶接条件指令値を無視し本溶接条件指令値の
ままで、ワイヤの送り速度を変化させることなくクレー
タ処理を実施することにより、ワイヤスティックの防止
を行い、ロボットを用いた自動溶接ラインのタクトタイ
ム向上と自動化の推進を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1手段は、予め教示されているクレータ
溶接条件指令を溶接電源へ指令するアーク溶接ロボット
の制御方法であって、ロボットアーム(溶接トーチ)が
溶接終了点に到達した時のクレータ処理手順として、
め教示されているデータからクレータ溶接条件指令を溶
接電源へ出力してからアークオフするまでの時間Tと、
予め教示されている本溶接条件指令値クレータ溶接条
件指令値のそれぞれにおける予め記憶されたワイヤ送給
モータの立ち下がり時間の差として求められるワイヤ送
給装置の応答遅れ時間t求めるステップIと、時間t
が正の値を持つか判定し、0または正の値の場合に後述
するステップIIIへ進め、負の値の場合に後述するステ
ップVIへ進めるステップIIと、前記時間Tとtの大小を
判定し、T≧tの場合に後述するステップIVへ進め、T
<tの場合に後述するステップVへ進めるステップIII
と、クレータ溶接条件指令を溶接電源へ指令するステッ
プIVと、アークオンのまま一時停止で待機し時間Tだけ
経過するのを待つステップVIと、クレータ溶接条件指令
を溶接電源へ指令するステップVと、アークオンのまま
一時停止で待機し時間tだけ経過するのを待つステップ
VIIと、前記ステップVIまたはステップVIIの後、クレー
タ処理手順の最後にアークオフを溶接電源へ指令するス
テップVIIIを有する第1のクレータ処理手順を実行する
ので、ワイヤステックを防止するとともに美しいビード
外観が得られる。また、本発明の第2手段は、予め教示
されているクレータ溶接条件指令を溶接電源へ指令する
アーク溶接ロボットの制御方法であって、ロボットアー
ム(溶接トーチ)が溶接終了点に到達した時のクレータ
処理手順として、予め教示されているデータからクレー
タ溶接条件指令を溶接電源へ出力してからアークオフす
るまでの時間Tと、予め教示されている本溶接条件指令
クレータ溶接条件指令値のそれぞれにおける予め記
憶されたワイヤ送給モータの立ち下がり時間の差として
求められるワイヤ送給装置の応答遅れ時間t求めるス
テップIと、時間tが正の値を持つか判定し、0または
正の値の場合に後述するステップIIIへ進め、負の値の
場合に後述するステップVIへ進めるステップIIと、時間
Tとtの大小を判定し、T≧tの場合に後述するステッ
プIVへ進め、T<tの場合に後述するステップVIへ進め
るステップIIIと、クレータ溶接条件指令を溶接電源へ
指令するステップIVと、溶接条件指令は本溶接指令のま
まとし、アークオンのまま一時停止で待機し時間Tだけ
経過するのを待つステップVIと、アークオフ溶接電源へ
指令するステップVIIIを有する第2のクレータ処理手順
を実行するので、ワイヤステックを防止するとともに最
短時間で溶接工程を終了できる。
【0007】また、本発明の第3手段は、ワイヤ送給装
置の機種変更等によりワイヤ送給特性が変更になった場
合、特性変更ができるようにマイクロコンピュータとそ
の制御プログラムが格納され第1または第2のクレータ
処理手順を実行するCPU部と、特性データ保持用のR
AM(メモリ)と、そのデータバックアップ用の電池
と、マンマシンインターフェイスとして使用するパーソ
ナルコンピュータ(以下、パソコンと略す)との通信を
行うパソコン用通信制御部とをロボット制御装置本体に
備えたものである。
【0008】また、本発明の第4手段は、第3手段に加
え、第1または第2のクレータ処理手順のいずれかを選
択するマンマシンインターフェイスであるティーチペン
ダントを接続するためのティーチペンダント用インター
フェイスをロボット制御装置本体に備えたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以上の構成により、本発明の第1
手段のアーク溶接ロボットの制御装置では、クレータ処
理時にワイヤスティック防止は当然であるが溶接ビード
外観を重視する場合は第1のクレータ処理手順で必ずク
レータ溶接条件指令値で溶接終了処理を実施する。ま
た、本発明の第2手段は、タクトタイムを重視する場合
は第2のクレータ処理手順で必ず設定時間Tで溶接終了
処理を実施する。また、本発明の第3手段は、ワイヤ送
給装置の機種変更等によりワイヤ送給特性(ワイヤ送給
の応答遅れ時間)が変更になった場合は、特性変更が外
部のパソコンで簡単に変更できるものである。また、本
発明の第4手段は、第1または第2のクレータ処理手順
のいずれかをマンマシンインターフェイスであるティー
チペンダント(以下、TPと略す)で選択できるもので
ある。
【0010】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。図1において、ロボット制御装置本体
1は教示用のTP2を備え通信制御線L1で、溶接機3
とは通信制御線L2でつながっている。オペレータはT
P2を操作しながら、産業用ロボットの制御基準点に配
置されている溶接トーチ4を直接見ながら、ロボット本
体5を微細に動かし、ロボットにさせたい仕事の順に順
序よく教示していく。オペレータは被溶接物であるワー
ク6を母材7へ固定しておき、TP2を操作し溶接トー
チ4を溶接開始点図2のa点まで移動させ、教示位置デ
ータとその点が溶接開始点であること、また本溶接条件
指令(溶接電流値・溶接電圧値、溶接開始指令(アーク
オン処理シーケンス))を図示しないTP2上の溶接登
録キー2aにてワンキー登録する。つぎに、溶接終了点
である図2のb点へ溶接トーチ4をロボット本体5によ
り移動させて、教示位置データとその点が溶接終了点で
あることまた、クレータ溶接条件指令(溶接電流値・溶
接電圧値、溶接終了指令(アークオフ処理シーケン
ス))をTP2上の溶接終了キー2bにてワンキー登録
する。この教示されたプログラムにより、図1の溶接シ
ステムが自動運転される。溶接運転の内容としては、ロ
ボット本体5がトーチ4をワーク6の所定溶接開始位置
へ運んだらロボット制御装置本体1は溶接機3へ通信制
御線L2を介して、予め記憶してある溶接電流指令値・
溶接電圧指令値(以下、本溶接条件指令値と略す。)を
送信した後に溶接開始指令を実行しアークアンサが溶接
電源3から返信された後、溶接トーチ4をワーク6の所
定溶接経路、図2の場合a点とb点を結ぶ直線経路に従
って、予め記憶してある溶接速度でアーク溶接を実施し
ていく。その後、溶接トーチ4が溶接終了点に到達する
と、予め記憶してあるクレータ溶接条件指令(溶接電流
値・溶接電圧値)を送信しロボットを一時停止させて、
クレータ処理を実施後、溶接終了指令を実行させ、その
後、公知のスティックチェックを実施する。この時、ワ
イヤ8のワーク6への融着がなければ次教示点へ移動す
る。
【0011】ここで、図3に示すTP液晶表示画面につ
いて説明する。TP2のカーソル移動用キー2cで第1
のクレータ処理(図4の処理)を実施する場合は「YE
S」を、また第2のクレータ処理(図5の処理)を実施
する場合は「NO」を選択し記憶キー2dを押すことに
より設定できる。この選択された内容は図6のTP2か
ら通信線L1を通じ、ティーチペンダント用インターフ
ェイス9を介しCPU部10がどちらが選択されたかを
認識処理し選択された内容をRAM11に格納しかつ、
全ての制御電源が遮断された後も電池12でバックアッ
プされる。ここで、図7について説明する。図7はワイ
ヤ送給装置が等速度で安定して回転している時に停止指
令をロボット制御装置本体1から溶接電源3へ指令した
時にワイヤ送給装置が停止するまでに要した時間を実験
にて求めたものである。ワイヤ送給装置13は図示しな
い溶接電源3内にあるガバナ回路で駆動されておりこの
ガバナ回路はCPU部14によって制御されている。図
7のグラフ上の印「□」と「+」は同一の実験溶接機イ
においてガバナ回路とワイヤ送給装置までのケーブル長
がそれぞれ7メートルと25メートルとの場合のデータ
である。また、「◇」は異なるガバナ回路と「□」また
は「+」印と同一のワイヤ送給装置でかつその装置まで
のケーブル長が7メートルの場合の実験の溶接機ロのデ
ータである。これらの実験結果よりワイヤ送給装置の応
答遅れはロボットと溶接電源との通信平均所要時間1ミ
リ秒よりはるかに大きいことが解る。また、ガバナ回路
のばらつきによる影響よりもガバナ回路とワイヤ送給装
置とを接続するケーブル長による影響の方が大きい。ま
た、ケーブル長が長い方が短い方よりも百ミリ秒程度、
応答遅れが大きくなっている。図7より、ワイヤ送給装
置が約130rpmの等速回転速度から0rpmへ到達
するのに350〜400ミリ秒を要することが解る。本
実施例では、図示しないが、ワイヤ送給装置の回転数が
溶接電流指令と正比例するために横軸に溶接電流指令を
とり、縦軸にワイヤ送給装置が停止するまでの所要時間
をとるグラフ(データ)としてRAM11へ登録した。
即ち、図7の横軸である回転数rpmをそのまま比例対
応する溶接電流指令値A(アンペア)に単に置き換えた
グラフである。ここで、本実施例においては、パソコン
22よりこのグラフを作成するための基礎データを図8
のパソコン入力両面で数値入力する。図8の最左列は溶
接電流指令値を示し、それぞれの溶接電流指令値に対す
るワイヤ送給装置の特性を示す回転数(rpm)の列と
実回転数立下がり時間(msec)の列へパソコン22
のテンキーにて特性値を入力したのちパソコンの「リタ
ーン」キーが押されると図6のパソコン用通信制御部1
5を介して入力データがロボット制御装置本体1へ送信
されCPU部10が処理しロボット制御装置本体1のR
AM11へ登録できるようになっている。そして、図7
のワイヤ送給モータ過渡状態立ち下がり時間のグラフに
より、クレータ処理時に溶接電流指令値が仮にPからQ
に変化した時、それぞれの溶接電流指令値に応じた回転
等速度からワイヤ送給装置が停止(0rpm)状態に至
るまでの時間が求められるがその時間値をそれぞれp、
qとする。そこで、クレータ処理時に溶接電流指令値が
PからQに変化した時のワイヤ送給装置の応答遅れ時間
は(p−q)ミリ秒として求められる。この(p−q)
が図4または図5に示すワイヤ送給装置の応答遅れ時間
「t」である。
【0012】つぎに、図6を用いて動作説明を加える。
まず、外部より運転が起動されると、RAM11に記憶
されて既にティーチングされたプログラムに従って、ロ
ボット本体5が溶接トーチ4をワーク6の所定溶接開始
位置へ運ぶ。そして、溶接トーチ4が溶接開始点図2の
a点に到達したらまず、本溶接条件指令を溶接電源3と
の通信制御部16から通信制御線L2を介して通信制御
部17へ伝送することで、CPU部14が本溶接条件指
令を受取る。通信プロトコルやデータフォーマットの仕
様については割愛する。つぎに、溶接電源3において、
CPU部14が制御回路(図示せず)によりドライバ1
8を駆動し溶接電流指令値に対応した溶接エネルギーが
生成され、溶接機3の+出力L3より溶接ワイヤ8に伝
えられる。また、それに対応させてCPU部14はガバ
ナ回路(図示せず)によって図1のワイヤ送給装置13
を駆動して溶接電流指令値に比例したワイヤ送り量でワ
イヤをワーク6へ送給する。ワーク6は溶接電源3の−
出力L4と接続されていてワイヤ8がワーク6と接触す
ると数百アンペア、20ボルト程度の電気エネルギーが
ワイヤ先端からワークへ流れることによりワイヤ8とワ
ーク6の一部の金属を溶かし始める。これがアーク溶接
開始である。アークがスタートすると溶接電源3は通信
制御部17により通信制御線L2を介してロボット制御
装置本体1へアークアンサを返信する。このアークアン
サを受取ると、ロボット制御装置本体1はロボット本体
5を移動させることでトーチ4をワーク6の所定溶接経
路に沿って、予め記憶されている溶接速度にしたがって
移動させる。溶接中、溶接電源3は溶接制御を行うべく
DCCT(ホール素子)19とA/Dコンバータ20に
より実溶接電流値をまた、ブリーダ抵抗21の両端の電
圧をA/Dコンバータ23を介し実溶接電圧値を入手し
ている。つぎに、溶接トーチ4が溶接終了点図2のb点
に到達するとロボット制御装置本体1はアーク溶接終了
を予め設定されているクレータ溶接処理手順で実行す
る。
【0013】まず、溶接ビード外観を重視しかつスティ
ック防止をする場合について、すなわち、図3のTP2
の液晶画面表示で「YES]を選択設定した場合を図4
のアルゴリズムを参照しながら説明する。予め、ステッ
プIにて教示されているティーチングプレイバックデー
タからロボット制御装置本体1が溶接電源3へクレータ
溶接条件指令を出力するタイミングとアークオフするま
での時間差Tを求めておく。つぎに、同様に、予め教示
されているティーチングプレイバックデータの本溶接条
件指令内の溶接電流指令値とクレータ溶接条件指令内の
溶接電流指令値のそれぞれに対する予めRAM11に記
憶されている図7のワイヤ送給モータ過渡状態立ち下が
り時間を示すグラフよりワイヤ送給装置の停止するのに
要する時間を求める。つぎに、求めた2つの時間を本溶
接条件指令に対応する所要時間からクレータ溶接条件指
令に対応する所要時間を引いたものをワイヤ送給装置の
応答遅れ時間「t」として求めておく。ここで、ステッ
プIIでは本来ありえないが、この「t」がt<0の場
合、すなわちクレータ溶接条件指令値が本溶接条件指令
値よりも高い値になっている場合は既指令済の本溶接条
件指令値のままで設定されている設定時間「T」だけ、
ロボットを一時停止状態で待機させてクレータ処理を実
施し美しい溶接ビード外観を形成するようになってい
る。つぎに、ステップIIIではT≧t(かつt≧0)を
判定し、判定結果がT≧t(かつt≧0)の場合は、ワ
イヤ送給装置の応答遅れ時間が確保されているのでステ
ップIVでクレータ溶接条件指令を指令して、ステップVI
で設定時間「T」だけロボットを一時停止状態で待機さ
せてクレータ処理を実施する。ステップIIIでの判定結
果がT<t(かつt≧0)の場合は、ワイヤ送給装置の
応答遅れ時間が確保されていないので、ステップVでク
レータ溶接条件指令を出力しステップVIIでワイヤ送給
装置の応答に必要な遅れ時間「t」だけロボットを一時
停止状態で待機させてクレータ処理を実施し、いずれに
しても最後に、ステップVIIIにてアークオフを溶接電源
3へ指令して溶接を終了する。
【0014】つぎに、タクトタイムを重視しかつスティ
ック防止をする場合について、すなわち、図3のTP2
の液晶画面表示で[NO]を選択設定した場合を図5の
アルゴリズムを参照しながら説明する。前述の通りにし
て、ステップIでクレータ溶接条件指令を出力するタイ
ミングとアークオフするまでの時間差Tを求めておく。
また、予めRAM11に記憶されている図7のワイヤ送
給モータ過渡状態立ち下がり時間よりワイヤ送給装置の
応答遅れ時間「t」も同様にして、それぞれの溶接電流
指令値を用いて求めておく。ここで、ステップIIではこ
の「t」がt<0の場合、クレータ溶接条件指令値が本
溶接条件指令値よりも高い値になっているので既指令済
の本溶接条件指令値のままで設定時間「T」だけ、ロボ
ットを一時停止状態で待機させてクレータ処理を実施す
る。つぎに、ステップIIIaではT≧t(かつt≧0)
を判定し、判定結果がT≧t(かつt≧0)の場合は、
ワイヤ送給装置の応答遅れ時間が確保されているのでス
テップIVでクレータ溶接条件指令を出力してステップVI
で設定時間「T」だけロボットを一時停止状態で待機さ
せてクレータ処理を実施する。一方、ステップIIIaで
の判定結果がT<t(かつt≧0)の場合は、ワイヤ送
給装置の応答遅れ時間が確保されていないので、クレー
タ溶接条件指令を無視して既指令済の本溶接条件指令値
のままでステップVIにて設定時間「T」だけロボットを
一時停止状態で待機させてクレータ処理を実施する。い
ずれにしても、最後に、ステップVIIIにてアークオフ
溶接電源3へ指令してクレータ溶接処理を実施終了す
る。
【0015】
【発明の効果】この様に、本発明のアーク溶接ロボット
制御装置は、第1手段または第2手段に示すアルゴリズ
ムにしたがったクレータ溶接処理を行うのでワイヤの送
給量がワイヤの溶け込み許容量以下となりワイヤスティ
ックを発生させない効果がある。また、加えて、第1手
段に示すアルゴリズムによればクレータ溶接条件指令に
てかつ、最低限ワイヤ送給装置の応答遅れ時間を確保し
たクレータ溶接処理を実施するので被溶接物のクレータ
溶接処理部での美しい溶接ビード外観を得ることができ
る。また、第2手段に示すアルゴリズムによれば、ステ
ィック防止を実施しつつ必ず、ティーチングされた設定
時間「T」にてクレータ溶接処理を実施するのでティー
チング通りのタクトタイムの確保ができる。
【0016】さらに、本発明の第3手段はロボット制御
装置本体に、RAMデータのバックアップ用の電池12
とデータ保持用のRAM11とワイヤスティック防止に
機能処理をするCPU部10とマンマシンインターフェ
イスとして使用するパソコンとの通信を可能とするパソ
コン用通信制御部15とを備えているので、パソコン画
面にてワイヤ送給装置のケーブル長違いや機種変更によ
る特性(ワイヤ送給装置の応答遅れ時間)変更が発生し
ても即座にデータ(特性)変更ができるので生産現場で
の利便性は大なるものがある。
【0017】また、本発明の第4手段はTPにてクレー
タ処理方法としての第1のアルゴリズムか第2のアルゴ
リズムかのいずれかひとつを簡単に選択できるので生産
現場での利便性は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるアーク溶接ロボッ
トの制御装置のシステム構成図
【図2】アーク溶接の開始と終了を示す溶接経路図
【図3】液晶表示画面を備えたティーチペンダント(T
P)の平面図
【図4】本発明の第1手段のクレータ溶接処理フロー図
【図5】本発明の第2手段のクレータ溶接処理フロー図
【図6】本発明の実施の形態におけるアーク溶接ロボッ
トの制御装置の回路構成図
【図7】ワイヤ送給モータ過渡状態立ち下がり時間を調
査した実験グラフ
【図8】パソコン画面でワイヤ送給装置に関する時間と
回転数のデータを入力する画面図
【符号の説明】
1 ロボット制御装置本体 2 ティーチペンダント 3 溶接電源 4 トーチ 5 ロボット本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/00 B23K 9/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め教示されているクレータ溶接条件指令
    を溶接電源へ指令するアーク溶接ロボットの制御方法で
    あって、ロボットアーム(溶接トーチ)が溶接終了点に
    到達した時のクレータ処理手順として、予め教示されて
    いるデータからクレータ溶接条件指令を溶接電源へ出力
    してからアークオフするまでの時間Tと、予め教示され
    ている本溶接条件指令値クレータ溶接条件指令値のそ
    れぞれにおける予め記憶されたワイヤ送給モータの立ち
    下がり時間の差として求められるワイヤ送給装置の応答
    遅れ時間t求めるステップIと、時間tが正の値を持
    つか判定し、0または正の値の場合に後述するステップ
    IIIへ進め、負の値の場合に後述するステップVIへ進め
    るステップIIと、前記時間Tとtの大小を判定し、T≧
    tの場合に後述するステップIVへ進め、T<tの場合に
    後述するステップVへ進めるステップIIIと、クレータ
    溶接条件指令を溶接電源へ指令するステップIVと、アー
    クオンのまま一時停止で待機し時間Tだけ経過するのを
    待つステップVIと、クレータ溶接条件指令を溶接電源へ
    指令するステップVと、アークオンのまま一時停止で待
    機し時間tだけ経過するのを待つステップVIIと、前記
    ステップVIまたはステップVIIの後、クレータ処理手順
    の最後にアークオフを溶接電源へ指令するステップVIII
    を有する第1のクレータ処理手順を実行するアーク溶接
    ロボットの制御方法。
  2. 【請求項2】予め教示されているクレータ溶接条件指令
    を溶接電源へ指令するアーク溶接ロボットの制御方法で
    あって、ロボットアーム(溶接トーチ)が溶接終了点に
    到達した時のクレータ処理手順として、予め教示されて
    いるデータからクレータ溶接条件指令を溶接電源へ出力
    してからアークオフするまでの時間Tと、予め教示され
    ている本溶接条件指令値クレータ溶接条件指令値のそ
    れぞれにおける予め記憶されたワイヤ送給モータの立ち
    下がり時間の差として求められるワイヤ送給装置の応答
    遅れ時間t求めるステップIと、時間tが正の値を持
    つか判定し、0または正の値の場合に後述するステップ
    IIIへ進め、負の値の場合に後述するステップVIへ進め
    るステップIIと、時間Tとtの大小を判定し、T≧tの
    場合に後述するステップIVへ進め、T<tの場合に後述
    するステップVIへ進めるステップIIIと、クレータ溶接
    条件指令を溶接電源へ指令するステップIVと、溶接条件
    指令は本溶接指令のままとし、アークオンのまま一時停
    止で待機し時間Tだけ経過するのを待つステップVIと、
    アークオフ溶接電源へ指令するステップVIIIを有する第
    2のクレータ処理手順を実行するアーク溶接ロボットの
    制御方法。
  3. 【請求項3】ワイヤ送給装置の機種変更等によりワイヤ
    送給特性が変更になった場合、特性変更ができるように
    マイクロコンピュータとその制御プログラムが格納さ
    れ、請求項1記載の第1のクレータ処理手順と請求項2
    記載の第2のクレータ処理手順のいずれかを実行するC
    PU部と、特性データ保持用のRAM(メモリ)と、そ
    のバックアップ用の電池と、マンマシンインターフェイ
    スとして使用するパーソナルコンピュータとの通信を可
    能とするパソコン用通信制御部とをロボット制御装置本
    体に備えたアーク溶接ロボットの制御装置。
  4. 【請求項4】第1または第2のクレータ処理手順のいず
    れかを選択するマンマシンインターフェイスであるティ
    チーペンダントを接続するためのティーチペンダント用
    インターフェイスをロボット制御装置本体に備えた請求
    項3記載のアーク溶接ロボットの制御装置。
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