JP3175361U - 山岳用ナビゲーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】登山ルートの現状を常に新しいものに更新することができ、登山者のそれぞれが、自己の力量に合わせて適切な登山ルートを選択することのできる山岳用ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】山岳用ナビゲーションシステムにおいて、サーバ2は、複数のクライアント1から受信した、クライアントの位置情報と当該位置情報を取得した時刻情報に基づいて、ある位置から他の位置まで移動するのに要する所要時間を算出し、算出した所要時間をクライントに送信して、クライアントの表示画面に表示させる。
【選択図】図1

Description

本考案は,登山を行うユーザに対して登山ルートや所要時間などの適切な情報を提供することができる山岳用ナビゲーションシステムに関するものである。
近年,レクリエーションとしての登山の魅力が注目を集めており,登山を趣味とする者が増えている。登山の魅力は,例えば,緩やかな傾斜を登る有酸素運動による健康増進効果や,自然の風景を楽しみながら森林浴を行うことによるリラクゼーション効果にある。また,その他にも,共に登山をするコミュニティにおける交流や,季節に応じた木々や花々の変化を楽しむなど,その目的は人により千差万別であり,人それぞれに登山の魅力があるといえる。
また,以前は登山というと厳しく辛いものであると思われがちであったが,近年,登山ルートの開拓と整備が進んできたことや,登山靴などの登山用具の発達によって,若者から中高年世代に至るまで登山が身近なものとなりつつある。また,日本には大小数万を超える山が存在し,散歩の感覚で登ることができる山から,山頂までの踏破に数日かかるものまである。さらに,ひとつの山をとっても,初心者でも容易に歩くことのできる簡単なルートや,事前の準備と専門的な装備が必要な難所のルートがあり,登山者それぞれの力量に合せてルートを選択する必要がある。
このため,登山者が,登山をする前に山の状況や山頂からの眺望を下調べすることのできる技術が提案されている(特許文献1)。例えば,特許文献1には,任意の場所の任意の方向の景色を作り出す景色表示装置であって,地図データと,地図データ内の高度情報を用いて任意の位置から,山岳形状を作成して景色画面に表示することのできる景色表示装置が開示されている。
特開平8−201076号公報
上述したように,ひとつの山には難易度の異なる様々なルートがあるため,自己の力量にあった登山ルートを選択することは極めて重要である。しかしながら,登山ルートは,季節や時期に応じて常に変化している。例えば,以前は3時間で踏破できたルートであっても,その途中に大木が倒れ一部が通行不能になっていて迂回する必要がある場合など,現在では,同じルート踏破するまでの所要時間が倍以上となることもある。このような場合に,旧い地図データや高度情報を参酌して登山ルートを決定してしまうと,その登山ルートの現状を把握することができないことから,自分の力量に合わないルートを誤って選択してしまう恐れがあった。
このため,現在は,登山ルートの現状を常に新しいものに更新することができ,登山者のそれぞれが,自己の力量に合わせて適切な登山ルートを選択することのできる山岳用のナビゲーションシステムが求められている。
そこで,本考案の考案者は,上記の従来技術の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,例えば,複数の登山者をパートナーとして様々な山を登山してもらい,パートナーが保有するクライアントから位置情報を随時取得し,取得した位置情報に基づいて登山ルート各所における所要時間の情報を更新することにより,登山ルートの最新の状況を常に把握することができるという知見を得た。そして,本考案者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本考案を完成させた。
具体的に本考案は,以下の構成を有する。
本考案は,複数のクライアントと,複数のクライアントと情報通信回線を通じて接続されたサーバと備える山岳用ナビゲーションシステムに関する。
複数のクライアントは,
自己が位置する緯度と経度を含む位置情報を定期的に取得するための位置情報取得手段と,
位置情報取得手段によって取得した位置情報を,当該位置情報を取得した時刻情報と共に,サーバに対して送信可能なクライアントの送信手段を有する。
サーバは,
前ライアントの送信手段から送信された位置情報を受信可能なサーバの受信手段と,
サーバの受信手段によって受信した位置情報を,当該位置情報を取得した時刻情報に関連付けて記憶する位置情報記憶手段と,
位置情報記憶手段に記憶されている位置情報と時刻情報に基づいて,ある位置から他の位置まで移動するのに要する所要時間を算出する所要時間計算手段と,
所要時間計算手段により算出された所要時間に関する情報を,クライアントに対して送信するサーバの送信手段を有する。
また,クライアントは,
サーバの送信手段から送信された所要時間に関する情報を受信可能なクライアントの受信手段と,
クライアントの受信手段によって受信した所要時間に関する情報を,表示可能な表示手段をさらに備える。
本考案によれば,複数のユーザ間において,登山に要する所要時間関する最新の情報を共有することができる。つまり,あるユーザが登山を行うと,そのユーザの保有するクライアントによって自動的に位置情報がサーバへ送信され,サーバに記憶されている情報が随時アップデートされる。従って,登山者は,ある登山ルートで山を登ることを希望する場合に,事前にサーバにアクセスしてその登山ルートを踏破するのにかかる所要時間を調べることができる。このため,登山者は,自己の力量に合わせて登山ルートを適切に選択することができる。
本考案の好ましい形態において,
サーバは,
地図,地形,及び地名を含む土地情報を記憶した土地情報記憶手段を,さらに有し,
サーバの送信手段を介して,土地情報記憶手段から読み出した土地情報を,所要時間に関する情報とともに,クライアントに送信する。
上記構成のように,地図,地形,及び地名を含む土地情報と共に,登山ルートの所要時間に関する情報をクライアントに送信することにより,ユーザは,より具体的に登山ルートをイメージすることができる。
本考案の好ましい形態において,
クライアントの前記位置情報取得手段が取得する位置情報は,標高に関する情報をさらに含み,
サーバは,
クライアントから定期的に送信される緯度,経度,及び標高を含む位置情報に基づいて,山岳の地形を示す地形画像を生成する地形画像生成手段を,さらに有し,
サーバの送信手段を介して,地形画像生成手段により生成された地形画像を,所要時間に関する情報とともに,クライアントに送信する。
上記構成のように,登山ルートの所要時間に関する情報とともに,山岳の地形を示す地形画像をクライアントに送信することにより,ユーザは,登山ルートの高低差を適切に把握することができる。
本考案の好ましい形態において,
クライアントは,
撮影手段を,さらに有し,
クライアントの送信手段を介して,撮影手段により取得された写真データを,当該写真データを取得した位置情報とともに,サーバに送信し,
サーバは,
クライアントから受信した写真データを,当該写真データを取得した位置情報に関連付けて,写真データ記憶手段をさらに有し,
サーバの送信手段を介して,写真データ記憶手段から読み出した写真データを,所要時間に関する情報とともに,クライアントに送信する。
上記構成のように,登山ルートの所要時間に関する情報とともに,登山ルートの写真データをクライアントに送信することにより,ユーザは,登山ルートの実際の状況や,登山ルートの沿道に咲く花々,倒木,崩壊,積雪,案内用看板,目印,携帯電話の電波状況の情報を得ることができる。
本考案によれば,ユーザが登山を行うと,そのユーザの保有するクライアントによって自動的に位置情報がサーバへ送信され,サーバに記憶されている情報が随時アップデートされる。このため,登山者は,ある登山ルートで山を登ることを希望する場合に,事前にサーバにアクセスしてその登山ルートを踏破するのにかかる所要時間やルート状況を調べることができる。従って,本考案を利用することにより,登山者は,自己の力量に合わせて登山ルートを適切に選択することができる。
図1は,本考案に係る山岳用ナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。 図2は,本考案に係る山岳用ナビゲーションシステムの機能構成を示すブロック図である。 図3は,本考案によるナビゲーション画面の一例を示している。 図4は,本考案によるナビゲーション画面の一例を示している。 図5は,本考案によるナビゲーション画面の一例を示している。
以下,図面を用いて本考案を実施するための形態について説明する。本考案は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
図1は,本考案に係る山岳用ナビゲーションシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
まず,クライアント1のハードウェア構成について説明する。クライアント1は,例えば,クライアント1は,本考案の山岳用ナビゲーションシステムに最適化されたアプリケーションプログラムを有しており,そのプログラムに従って,各種機能を実行するものであることが好ましい。
図1に示されるように,クライアント1は,通信部11,GPSセンサ12,高度センサ13,ディスプレイ14,操作部15,カメラ16,音声入出力部17,メモリ18,及びCPU19を備えていることが好ましい。クライアント1には,例えば,公知の携帯型情報通信端末を用いることができる。
通信部11は,例えば公知のCDMA方式(Code Division Multiple Access)で無線通信を行うための機能を有する。通信部11は,CDMA方式で無線通信を行うための搬送波を送受信するアンテナを有しており,例えば,GPS測位に係る時刻情報や位置情報の送受信処理,カメラ16を介して写真データの送信処理,IPアドレスの送受信処理,及び操作部15を介して入力された入力情報の送信処理を行うことができる。
GPS(Global Positioning System)センサ12は,GPS測位を行う機能を持つ。具体的に説明すると,GPSセンサ12は,複数のGPS衛星から送られた電波に含まれる電波送信時間の情報に基づき,それぞれの電波を受信するのに要した時間を測定し,その時間を示す時間情報をCPU19に送出する。CPU19は,取得した時間情報に基づいて,クライアント端末2の所在位置の緯度経度に関する情報を算出することができる。GPSセンサ12は,定期的に自動的に位置情報を取得し,取得した位置情報をその取得時刻ともにCPU19に送出する。
高度センサ13は,クライント1の現在位置の標高を取得する。例えば,高度センサ13には,例えば気圧計を用いてもよいし,高度測定可能なGPSセンサを用いてもよい。高度センサ13は,取得した標高情報とともに,標高情報を取得した時刻の情報をCPU19に送出する。
ディスプレイ14は,例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)やOELD(Organic Electro Luminescence Display;有機ELディスプレイ)のような表示装置である。ディスプレイ14は,CPU19からの入力信号に応じて,ユーザがクライアント端末を使用するにあたって必要となる各種情報を出力表示する。
また,操作部15は,ユーザが入力した操作を受け付けて,その入力信号をCPU19に送出する機能を有する。操作部15の例は,キーボード,マウス,及びテンキーである。
また,上記ディスプレイ14と操作部15が一体となったタッチパネルディスプレイを採用することとしても良い。タッチパネルディスプレイには,静電容量方式,電磁誘導方式,赤外線方式,表面弾性波方式,又は抵抗膜方式などの公知の方式のものを採用できる。
カメラ16は,例えば,モータによって撮影光軸方向で移動される撮影レンズと,この撮影レンズによって結像された画像を撮像するCCDと,このCCDから出力されたアナログの撮像信号に各種処理を施してデジタルの画像データに変換する撮像信号処理回路を有する。カメラ16は,によって取得された画像データは,一時的にメモリ18に記憶される。
音声入出力部17は,例えばスピーカやマイクロフォンにより構成される。スピーカは,
音声データを再生し,放音する機能を有する。マイクロフォンは,音声を録音するために集音する機能を有する。これらのスピーカやマイクロフォンは,公知のものを採用できる。
メモリ18は,RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや,ROM(Read
Only Memory)等の不揮発性メモリから構成される記憶装置である。例えば,揮発性メモリの記憶領域には,ネットワーク上の識別情報であるIPアドレスが記憶される。一方,例えば,不揮発性メモリの記憶領域には,ユーザ情報,クライアント1の電話番号等のデータが記憶される。
CPU(Central Processing Unit)19は,クライアント1に備わる上記各種装置11〜18と接続されており,各種装置11〜18を制御する機能を有する。
続いて,図1を参照して,サーバ2のハードウェア構成について説明する。
図1に示されるように,サーバ2は,ネットワーク通信部21,位置情報計算部22,メモリ23,及びCPU24を備えている。サーバ2は,一のコンピュータによりその機能を全て有するものに限定されず,複数のコンピュータにその機能を分担させて構築されたものであってもよい。
ネットワーク通信部21は,インターネットのようなネットワークを介して移動体通信網や一般電話回線網との間でデータの送受信を行う機能を有する。具体的に説明すると,ネットワーク通信部21は,GPS測位をされた位置情報やIPアドレス等のデータを送出したり,ネットワークから受信した信号を復調してGPS測位に係る時間情報やIPアドレス等のデータを取得したりといったデータ送受信に係る処理を行うことができる。
位置情報計算部22は,ネットワーク通信部21を介してクライアント1から受信した時間情報及び,サーバ2のメモリ23に記憶されているGPS衛星の位置を用いたGPS測位を行い,クライアント1の所在が所在する緯度,経度,及び標高を算出することができる。
メモリ23は,RAMのような揮発性メモリや,ROMのような不揮発性メモリを有する記憶装置である。例えば,揮発性メモリの記憶領域には,GPS測位を行った結果であるクライアント1の位置情報や,ネットワーク通信部21で受信したクライアント1のIPアドレスや,クライント1を利用するユーザのユーザ情報,及びクライント1から受信した写真データ等がリスト化されて記憶される。また,不揮発性メモリの記憶領域に記憶されたデータは,揮発性メモリの記憶領域に記憶されるものであってもよい,また,例えば,メモリ23は,GPS衛星それぞれの位置を示す位置情報を記憶していることが好ましい。
CPU24は,サーバ2に備わる上記各種装置21〜24と相互に接続されており,各種装置を制御する機能を有する。例えば,CPU24は,ネットワーク通信部21で受信した時間情報を位置情報計算部22に送出し,複数のクライント1の位置関係を把握することもできる。
続いて,図2を参酌して,本考案の山岳用ナビゲーションシステムの機能構成について説明する。本考案に係るボイスコミュニケーションシステムを構築する複数のクライント1とサーバ2は,上記したハードウェア構成を有している。クライント1及びサーバ2は,CPUにより,メモリに格納されているプログラムを読み出して,所定の演算を行い,当該プログラムに従って各種装置を種々の機能を実行させる。すなわち,以下に説明する機能的手段は,プログラムに従って,上記ハードウェア構成により実行されるものである。
図2に示されるように,クライアント1は,位置情報取得手段31と,送信手段32と,受信手段33と,表示手段34と,撮影手段35を含む。
また,サーバ2は,受信手段41と,位置情報記憶手段42と,所要時間計算手段43と,送信手段44と,土地情報記憶手段45と,地形画像生成手段46と,写真データ記憶手段47と,ユーザ情報記憶手段48を含む。
クライアント1の位置情報取得手段31は,自己が位置する緯度と経度を含む位置情報を定期的に取得するため手段である。位置情報取得手段31により取得される位置情報には,自己が位置する標高に関する情報が含まれるものであってもよい。例えば,クライアント1は,位置情報取得手段31によって,5分〜30分程度の時間毎に,緯度,経度,及び標高を含む位置情報を取得する。
クライアント1の送信手段32は,位置情報取得手段31によって取得された位置情報を,当該位置情報を取得した時刻情報と共に,サーバ2に対して送信する。この時刻情報には,位置情報取得手段31が位置情報を取得した日付,時分秒,及び前回位置情報を送信した時刻との差分に関する情報が含まれるものであってもよい。また,送信手段32は,位置情報及び時刻情報の他,例えば,クライアント1を使用するユーザに関するユーザ情報や,撮影手段35により取得された写真データの情報といった種々の情報を,サーバ2に対して送信することが可能である。
サーバ2の受信手段41は,クライアント1の送信手段32によって送信された位置情報を受信する。サーバ2の受信手段4は,位置情報だけでなく,クライアント1から送信されたユーザ情報や,写真データといった種々の情報を受信可能である。
サーバ2の位置情報記憶手段42は,サーバ2の受信手段41によって受信された位置情報を記憶される。位置情報記憶手段42は,サーバの受信手段41によって受信した位置情報を,当該位置情報を取得した時刻情報に関連付けて記憶する。
サーバ2の所要時間計算手段43は,位置情報記憶手段41に記憶されている位置情報と時刻情報を読み出し,これらの位置情報と時刻情報に基づいて,ある位置から他の位置まで移動するのに要する所要時間を算出する処理を行う。例えば,位置情報記憶手段41には,あるユーザのクライアント1から送信された位置情報が,時刻情報と共に,経時的に記憶されている。このため,例えば,あるユーザのクライアント1により取得された登山ルートの出発位置における時刻と,登山ルートの終着位置における時刻を参酌すれば,出発位置から到着位置まで道程を移動するのに要した所要時間を算出できる。また,所要時間を算出する道程は,出発位置から到着位置までの道程でなく,その他,登山ルートに存在する特定スポット(例えば,駐車場,分岐点,峠,尾根,バス停,休憩所,景色の良い場所,難所,及び危険地域等)までの所要時間であってもよい。これらの,出発位置及び到着地点を含む特定スポットの緯度,経度,及び標高の位置情報は,サーバ2の土地情報記憶手段45に記憶されている。このため,所要時間計算手段43は,位置情報記憶手段41に記憶されているクライアント1の位置情報と,土地情報記憶手段45の特定スポットの位置情報を照合すれば,特定スポット間の所要時間をも算出できる。所要時間計算手段43により算出された所要時間に関する情報は,サーバ2のデータベースに記憶される。また,このサーバ2のデータベースは,所要時間計算手段43が演算処理を行う度に更新されるものであってもよい。
また,サーバ2の所要時間計算手段43は,複数のクライアント1から送信された位置情報及び時刻情報を参照して,ある位置から他の位置まで移動するのに要する平均時間を平均所要時間として算出するものであってもよい。上述の通り,例えば,第1のユーザの第1のクライアント1により取得された登山ルートの出発位置における時刻と,登山ルートの終着位置における時刻を参酌すれば,出発位置から到着位置まで道程を移動するのに要した第1の所要時間を算出できる。また,その他の第2の第2のユーザの第2のクライアント1により取得された登山ルートの出発位置における時刻と,登山ルートの終着位置における時刻を参酌すれば,出発位置から到着位置まで道程を移動するのに要した第2の所要時間を算出できる。このように,同一地点間の所要時間を,複数のクライアント1から送信された位置情報及び時刻情報に基づいて算出する。そして,同一地点間の所要時間が,多数算出された段階で,その所定時間を平均化することにより,平均所要時間を算出できる。所要時間計算手段43により算出された平均所要時間に関する情報は,サーバ2のデータベースに記憶される。このサーバ2のデータベースは,所要時間計算手段43が演算処理を行う度に更新されるものであってもよい。
このように,平均所要時間を算出することにより,よりユーザに対して適切な情報を手供できる。すなわち,同一の道程を移動したとしても,ユーザの移動速度(歩行速度)は,ユーザの登山経験や,年齢,性別,又は登山した季節,天候によって異なる。そこで,ある道程を移動するのに要した所要時間を平均化することにより,登山者をより適切にナビゲーション可能である。
サーバ2の送信手段44は,所要時間計算手段43により算出された所要時間に関する情報を,クライアント1に対して送信する。このとき,サーバ2は,ある地点から他の地点までの所要時間に関する情報とともに,ある地点から他の地点までの道程に存在する特定スポットの土地情報や,写真データ,地形画像などの種々の情報をクライアント1に対してすることとしてもよい。また,サーバ2の送信手段44は,位置情報が送信されたクライアント1だけでなく,その他複数のクライアント1に対して,所要時間に関する情報を送信可能である。
クライアント1の受信手段33は,サーバ2の送信手段44により送信された所要時間に関する情報を受信する。クライアント1の受信手段33は,所要時間に関する情報だけでなく,サーバ2から送信された土地情報や,写真データといった種々の情報を受信可能である。
クライアント1の表示手段34は,クライアント1の受信手段33によって受信した所要時間に関する情報を,ユーザが視認できるように表示画面に表示する。その他,クライアント1の表示手段34は,サーバ2から送信された土地情報や,写真データといった種々の情報を表示可能である。
以上のように,サーバ2は,複数のクライアント1から受信した位置情報及び時刻情報に基づいて,登山ルートにおける各地点の所要時間を算出できる。このクライアント1から送信される位置情報及び時刻情報はリアルタイム性が高いため,サーバ2は,適宜データベースの情報を更新することにより,常に最新の情報を把握できる。従って,本考案の山岳用ナビゲーションシステムは,登山者に対して,より有益性の高い情報を提供できる。
また,サーバ2は,土地情報記憶手段45を有するものであることが好ましい。土地情報記憶手段45は,特定スポット(例えば,駐車場,分岐点,峠,尾根,バス停,休憩所,景色の良い場所,難所,及び危険地域等)の地図,地形,及び地名を含む土地情報を記憶している。この土地情報には,特定スポットの緯度,経度,標高といった位置情報が含まれることが好ましい。土地情報記憶手段45に記憶されている土地情報は,サーバ2によって,所要時間に関する情報と共に,クライアント1に送信される。例えば,サーバ2は,ある位置から他の位置まで移動するのに要する所要時間を送信する際に,土地情報記憶手段45に記憶されている特定スポットの位置情報を参照して,ある位置から他の位置までの道程に存在する特定スポットの地図,地形,及び地名に関する情報を,クライアント1に送信することが好ましい。これにより,クライアント1には,所要時間に関する情報だけでなく,特定スポットの地図,地形,及び地名が表示される。従って,ユーザは,より登山ルートを把握しやすくなる。
また,サーバ2は,地形画像生成手段46を有するものであることが好ましい。地形画像生成手段46は,クライアント1から定期的に送信される緯度,経度,及び標高を含む位置情報に基づいて,山岳の地形を示す地形画像を生成する。例えば,地形画像生成手段46は,X座標軸,Y座標軸,及びX座標軸からなるワールド座標系に,クライアント1から定期的に送信される緯度(X座標),経度(Y座標),及び標高(Z座標)からなる座標点を適宜プロットする。そして,ワールド座標系にプロットされた複数の座標点を結ぶことで,山岳の地形を示す3次元の地形画像を生成できる。また,地形画像生成手段46により生成される地形画像は,緯度及び経度から求まる位置(X座標)と標高(Y座標)からなる座標点を結ぶことにより,2次元の地形画像を生成するものであってもよい。地形画像生成手段46により生成された地形画像は,土地情報として,土地情報記憶手段45に記憶される。また,地形画像生成手段46により生成された地形画像は,サーバ2によって,所要時間に関する情報と共に,クライアント1に送信される。これにより,クライアント1の表示画面には,所要時間に関する情報と併せて,地形画像生成手段46により生成された地形画像が表示される。従って,ユーザは,特に登山ルートの高低差を把握し易くなる。
また,サーバ2は,写真データ記憶手段47を有するものであることが好ましい。写真データ記憶手段47には,クライアント1の撮影手段35により取得された写真データが,その写真データを取得した位置情報に関連付けて記憶されている。また,写真データ記憶手段47は,写真データと,その位置情報と関連付けて,写真データを撮影した日付を記憶することが好ましい。写真データ記憶手段47は,クライアント1からアップロードされた写真データを記憶しておくものであり,クライアント1からのアップロード要求に応じて随時更新される。例えば,サーバ2は,ある位置から他の位置まで移動するのに要する所要時間を送信する際に,写真データ記憶手段47に記憶されている各種写真データの位置情報を参照して,ある位置から他の位置までの道程に存在する写真データ読み出し,クライアント1に送信する。これにより,クライアント1の表示画面には,所要時間に関する情報と併せて,サーバ2写真データ記憶手段47から読み出された写真データが,表示される。また,サーバ2は,クライアント1に対し所要時間を送信する日付と,写真データ記憶手段47に記憶された写真データの日付を照合し,クライアント1に対し所要時間を送信する季節にあった写真データを,クライアント1に送信することが好ましい。このように,クライアント1に対して,道程の所要時間に関する情報とあわせて写真データを送信することにより,クライアント1の表示画面には,道程の所要時間とともに写真画像が表示される。従って,クライアント1のユーザに対し,実際の登山ルートの写真を手供することができるため,ユーザは,より適切に自己の力量や好みに応じて登山ルートを選択できるようになる。
また,サーバ2は,ユーザ情報記憶手段48を有するものであることが好ましい。ユーザ情報記憶手段48には,各ユーザの登山履歴,年齢,性別,職業などのユーザ情報が記憶されている。また,例えば,サーバ2は,各ユーザの登山履歴,年齢,及び性別に基づいて,ユーザの登山ペースを算出し,ユーザ情報記憶手段48に算出した登山ペースをユーザ情報として記憶していても良い。登山ペースとは,各ユーザが,登山において,一定時間あたりに進むことのできる距離を意味する。例えば,登山ペースは,登山履歴,年齢,性別に応じた所定の演算式によって求めればよい。例えば登山履歴を参照して多くの登山経験がある者ほど登山ペースを速く設定し,例えば年齢が一定の基準値(例えば25歳)に近い者ほど登山ペースを速く設定し,例えば性別が男性である者は登山ペース速くするといったように,登山ペースの演算式は適宜設定可能である。ユーザ情報記憶手段48が,ユーザごとに登山ペースを記憶するものである場合,サーバ2の所要時間計算手段43は,ユーザごとの登山ペースに基づいて,ある地点から他の地点までの所要時間を自動計算するものであることが好ましい。これにより,ユーザの力量に応じて適切な所要時間を算出でき,ユーザの能力にあったナビゲーションを提供できる。
続いて,図3〜5を参酌して,本考案によって提供されるナビゲーション情報の実施例について説明する。図3〜5は,クライアント1の表示される表示画像の例を示している。
図3に示されるように,クライアント1の表示画面には,ある地点から他の地点までの道程の所要時間51と,その道程を示す地図画像52が表示される。例えば,図3に示された例において,「駐車場」から「大畠山 東肩」までの第1ルートは,所要時間が「30分」であることが表示されている。また,「大畠山 東肩」から「蛾ヶ岳」までの第2ルートにおいては,第2ルートにおける各特定スポット間の所要時間が示されている。例えば,第2ルートにおいて,「大畠山 東肩」から「痩せ尾根」までの所要時間は「20分」であり,「痩せ尾根」から「西肩峠」までの所要時間は「25分」であり,「西肩峠」から「蛾ヶ岳」までの所要時間は「15分」であることが表示されている。このように,各特定スポット間の移動にかかる所要時間を示すものであってもよい。また,「蛾ヶ岳」から「大畠山 分岐」までの第3ルート,及び「大畠山 分岐」から「駐車場」までの第4ルートについても同様に所要時間が表示されている。これらの所要時間は,サーバ2の所要時間計算手段43によって算出されたものであり,例えば,あるユーザが実際に移動するのに要した時間であってもよいし,複数のユーザが実際に移動するのに要した時間の平均であってもよいし,ユーザ個人の登山ペースに応じて算出した時間であってもよい。また,図3の例では,各ルートの所要時間と併せて,各ルートの道程が,地図画像52上に表示されている。例えば,図3の例では,クライアント1により取得された位置情報(緯度・経度)に基づいて,地図画像52上に座標情報をプロットすることにより,登山ルートが示されている。このように,クライアント1により取得された位置情報に基づいて,地図画像52上に登山ルートを表示することが好ましい。
図4は,図3とは異なるナビゲーション画面を示している。図4のナビゲーション画面では,第1〜第4ルートにおける所要時間51と共に,登山ルートの高低差を示すための地形画像53が表示されている。地形画像53は,サーバ2の地形画像生成手段46により生成されたものであり,図4の例では,第1〜第4ルートに沿って移動した場合に通過する各地点における位置と標高を2次元画像として示したものである。すなわち,位置情報記憶手段42には,第1〜第4ルートを踏破したユーザが保有するクライアント1により,所定時間ごとに取得された複数の位置情報が記憶されている。この複数の位置情報は,緯度,経度,及び標高の情報を含む。ここで,サーバ2の地形画像生成手段46は,位置情報が取得された各地点における位置情報を参照して,緯度及び経度から求まるX座標と標高から求まるY座標を抽出する。そして,位置情報が取得された各地点におけるX座標とY座標を直交座標系にプロットする。そして,地形画像生成手段46は,この各座標点に基づいて,地形画像53を生成する。図4に示されるように,この地形画像53は,各座標点間における距離と標高差を忠実に示すものとなっている。また,ナビゲーション画面には,所要時間51,地形画像53の他,位置情報が取得された各地点間の距離(空間距離),沿面距離,標高,標高差,傾斜,及び沈み量を示すものであってもよい。さらに,第1〜第4ルートの全区間における距離(空間距離),沿面距離,標高差,方位,俯瞰,沈み量,推定時間,累積標高(+),累積標高(−),及び見通しに関する情報を示すものであってもよい。
図5は,図3及び図4とは異なるナビゲーション画面を示している。図5のナビゲーション画面では,地図画像52,地形画像53とともに,第1〜第4ルートの各地点における複数の写真画像54が表示さている。写真画像54のデータは,サーバ1の写真データ記憶手段47に記憶されているものであり,複数のユーザによってクライアント1を介してアップロードされたものである。サーバ2は,クライアント1に対して,第1〜第4ルートにおける所要時間に関する情報を送信するとともに,第1〜第4ルートの各地店における写真データを送信している。図5に示されるように,駐車場の周囲の風景や,山道への入り口の案内板,山道への分岐点の風景,登山ルートの存在する案内板を写真画像54としてユーザに提供することにより,ユーザにとって初めての登山ルートであっても,適切にナビゲーションすることができる。
このように,本考案の山岳用ナビゲーションシステムでは,ユーザが登山を行うと,そのユーザの保有するクライアントによって自動的に位置情報がサーバへ送信され,サーバに記憶されている情報が随時アップデートされる。このため,登山者は,ある登山ルートで山を登ることを希望する場合に,事前にサーバにアクセスしてその登山ルートを踏破するのにかかる所要時間を調べることができる。従って,登山者は,自己の力量に合わせて登山ルートを適切に選択することができるようになる。
1 クライアント
2 サーバ
11 通信部
12 GPSセンサ
13 高度センサ
14 ディスプレイ
15 操作部
16 カメラ
17 音声入出力部
18 メモリ
19 CPU
21 ネットワーク通信部
22 位置情報計算部
23 メモリ
24 CPU
31 位置情報取得手段
32 クライアントの送信手段
33 クライアントの受信手段
34 表示手段
35 撮影手段
41 サーバの受信手段
42 位置情報記憶手段
43 所要時間計算手段
44 サーバの送信手段
45 土地情報記憶手段
46 地形画像生成手段
47 写真データ記憶手段
48 ユーザ情報記憶手段
51 所要時間
52 地図画像
53 地形画像
54 写真画像

Claims (4)

  1. 複数のクライアントと,前記複数のクライアントと情報通信回線を通じて接続されたサーバと備える山岳用ナビゲーションシステムであって,
    前記複数のクライアントは,
    自己が位置する緯度と経度を含む位置情報を定期的に取得するための位置情報取得手段と,
    前記位置情報取得手段によって取得した前記位置情報を,当該位置情報を取得した時刻情報と共に,前記サーバに対して送信可能なクライアントの送信手段を有し,
    前記サーバは,
    前記クライアントの送信手段から送信された位置情報を受信可能なサーバの受信手段と,
    前記サーバの受信手段によって受信した位置情報を,当該位置情報を取得した時刻情報に関連付けて記憶する位置情報記憶手段と,
    前記位置情報記憶手段に記憶されている前記位置情報と前記時刻情報に基づいて,ある位置から他の位置まで移動するのに要する所要時間を算出する所要時間計算手段と,
    前記所要時間計算手段により算出された所要時間に関する情報を,前記クライアントに対して送信するサーバの送信手段を有し,
    前記クライアントは,
    前記サーバの送信手段から送信された所要時間に関する情報を受信可能なクライアントの受信手段と,
    前記クライアントの受信手段によって受信した所要時間に関する情報を,表示可能な表示手段をさらに備える
    山岳用ナビゲーションシステム。
  2. 前記サーバは,
    地図,地形,及び地名を含む土地情報を記憶した土地情報記憶手段を,さらに有し,
    前記サーバの送信手段を介して,前記土地情報記憶手段から読み出した土地情報を,前記所要時間に関する情報とともに,前記クライアントに送信する
    請求項1に記載の山岳用ナビゲーションシステム。
  3. 前記クライアントの前記位置情報取得手段が取得する位置情報は,標高に関する情報をさらに含み,
    前記サーバは,
    前記クライアントから定期的に送信される緯度,経度,及び標高を含む位置情報に基づいて,山岳の地形を示す地形画像を生成する地形画像生成手段を,さらに有し,
    前記サーバの送信手段を介して,前記地形画像生成手段により生成された地形画像を,前記所要時間に関する情報とともに,前記クライアントに送信する
    請求項1に記載の山岳用ナビゲーションシステム。
  4. 前記クライアントは,
    撮影手段を,さらに有し,
    前記クライアントの送信手段を介して,前記撮影手段により取得された写真データを,当該写真データを取得した位置情報とともに,前記サーバに送信し,
    前記サーバは,
    前記クライアントから受信した写真データを,当該写真データを取得した位置情報に関連付けて,写真データ記憶手段をさらに有し,
    前記サーバの送信手段を介して,前記写真データ記憶手段から読み出した写真データを,前記所要時間に関する情報とともに,前記クライアントに送信する
    請求項1に記載の山岳用ナビゲーションシステム。
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