JP3174789B2 - 鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッド溶接装置 - Google Patents
鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッド溶接装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄製及びアルミニウム
製スタッド兼用スタッド溶接装置に関するものである。
製スタッド兼用スタッド溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスタッド溶接装置として
は、実用新案登録第1498967 号(実公昭57−54930 号公
報)に記載されたものを挙げることができ、前者の特許
には溶接ガンを用いて母材にスタッドを溶接する溶接部
と電源との間に供給される溶接エネルギを蓄えるコンデ
ンサを複数のコンデンサで構成し、これらのコンデンサ
を互いに並列または直列に選択的に接続する切換装置を
設け、この切換装置を用いて溶接すべきスタッドの溶接
特性に応じて複数のコンデンサを並列または直列に接続
して溶接すべきスタッドの溶接特性に最適の溶接エネル
ギを得るように構成したコンデンサ放電型スタッド溶接
装置が開示されている。
は、実用新案登録第1498967 号(実公昭57−54930 号公
報)に記載されたものを挙げることができ、前者の特許
には溶接ガンを用いて母材にスタッドを溶接する溶接部
と電源との間に供給される溶接エネルギを蓄えるコンデ
ンサを複数のコンデンサで構成し、これらのコンデンサ
を互いに並列または直列に選択的に接続する切換装置を
設け、この切換装置を用いて溶接すべきスタッドの溶接
特性に応じて複数のコンデンサを並列または直列に接続
して溶接すべきスタッドの溶接特性に最適の溶接エネル
ギを得るように構成したコンデンサ放電型スタッド溶接
装置が開示されている。
【0003】そしてこのような従来公知のスタッド溶接
装置は、軟鋼やステンレス鋼等の鉄製のスタッドは勿論
のこと、黄銅、銅、アルミニウム製のスタッドの溶接に
も多くの分野で広く利用されている。その一例として自
動車産業の分野における利用を挙げることができる。自
動車はその燃費や性能の向上の一つの手段として、エン
ジンや車体の軽量化が計られており、車体にアルミニウ
ムまたはそれの合金を使用する例が増えてきている。こ
れは材質の再加工性に優れている点からも今後益々利用
されようになるものと考えられている。そして自動車産
業におけるスタッド溶接の利用の一例として自動車の車
体の凹み直しがあり、これは従来の鉄製車体ではその裏
側から叩き出すのが一般的であったが、軽量化のため板
厚を薄くしてしかも必要な剛性を確保するために最近で
は車体の材質に関係なく袋状や箱状構造のものが多く用
いられるようになってきており、裏側から叩き出すこと
ができず、そのため凹んだ部位にスタッドを溶接しそれ
をプーラーと呼ばれる治具で引張り、ある程度引張った
らスタッドを元から切り取りその上にパテを施して元の
面状に直し、その上から塗装して補修が行われている。
装置は、軟鋼やステンレス鋼等の鉄製のスタッドは勿論
のこと、黄銅、銅、アルミニウム製のスタッドの溶接に
も多くの分野で広く利用されている。その一例として自
動車産業の分野における利用を挙げることができる。自
動車はその燃費や性能の向上の一つの手段として、エン
ジンや車体の軽量化が計られており、車体にアルミニウ
ムまたはそれの合金を使用する例が増えてきている。こ
れは材質の再加工性に優れている点からも今後益々利用
されようになるものと考えられている。そして自動車産
業におけるスタッド溶接の利用の一例として自動車の車
体の凹み直しがあり、これは従来の鉄製車体ではその裏
側から叩き出すのが一般的であったが、軽量化のため板
厚を薄くしてしかも必要な剛性を確保するために最近で
は車体の材質に関係なく袋状や箱状構造のものが多く用
いられるようになってきており、裏側から叩き出すこと
ができず、そのため凹んだ部位にスタッドを溶接しそれ
をプーラーと呼ばれる治具で引張り、ある程度引張った
らスタッドを元から切り取りその上にパテを施して元の
面状に直し、その上から塗装して補修が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来公知のスタッド溶接装置でスタッドを溶接する場合
にはスタッドの寸法、材質に応じて必要とされる溶接エ
ネルギが異なり、例えば鉄製や黄銅、銅等のスタッドで
はスタッドを母材に圧接した状態で放電させて溶接が行
われ、一方、アルミニウムやチタン製の場合にはスタッ
ドを母材から離した状態で放電させ同時にスタッドを母
材に圧接させることにより溶接が行われ得る。そのた
め、鉄製、ステンレス、黄銅等のスタッドでは瞬時的に
高いレベルよりむしろ必要なレベルの放電が長く続くよ
うな放電特性が要求され、一方アルミニウムやチタン製
のスタッドを溶接する場合には瞬時的に高いレベルをも
つ放電特性が要求される。上記実用新案登録に開示され
ているような従来公知のスタッド溶接装置では、コンデ
ンサ容量を溶接すべきスタッドの材質に応じて変化させ
ているが、そのためコンデンサへの充電回路に切換装置
を設ける必要があり、回路が複雑となり、装置がコスト
高となっていた。
従来公知のスタッド溶接装置でスタッドを溶接する場合
にはスタッドの寸法、材質に応じて必要とされる溶接エ
ネルギが異なり、例えば鉄製や黄銅、銅等のスタッドで
はスタッドを母材に圧接した状態で放電させて溶接が行
われ、一方、アルミニウムやチタン製の場合にはスタッ
ドを母材から離した状態で放電させ同時にスタッドを母
材に圧接させることにより溶接が行われ得る。そのた
め、鉄製、ステンレス、黄銅等のスタッドでは瞬時的に
高いレベルよりむしろ必要なレベルの放電が長く続くよ
うな放電特性が要求され、一方アルミニウムやチタン製
のスタッドを溶接する場合には瞬時的に高いレベルをも
つ放電特性が要求される。上記実用新案登録に開示され
ているような従来公知のスタッド溶接装置では、コンデ
ンサ容量を溶接すべきスタッドの材質に応じて変化させ
ているが、そのためコンデンサへの充電回路に切換装置
を設ける必要があり、回路が複雑となり、装置がコスト
高となっていた。
【0005】そこで、本発明は、上記のような従来のス
タッド溶接装置に伴う問題点を解決して、軟鋼やステン
レス鋼等の鉄製のスタッドの溶接は勿論のこと抵抗溶接
(圧接溶接)では溶接でないアルミニウム製のスタッド
の溶接にも使用できる兼用型のスタッド溶接装置を提供
することを目的としている。
タッド溶接装置に伴う問題点を解決して、軟鋼やステン
レス鋼等の鉄製のスタッドの溶接は勿論のこと抵抗溶接
(圧接溶接)では溶接でないアルミニウム製のスタッド
の溶接にも使用できる兼用型のスタッド溶接装置を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、溶接ガンを用いて母材に鉄製スタ
ッドまたはアルミニウム製スタッドを溶接するのに必要
な溶接エネルギを蓄積するコンデンサと、コンデンサの
放電回路に挿入されたスイッチング素子と、コンデンサ
が設定値まで充電した後、溶接ガンからのトリガ信号に
応じてスイッチング要素に点弧信号を供給する制御回路
とを有するスタッド溶接装置において、スイッチング素
子に直列にインダクタンス素子を接続し、このインダク
タンス素子に並列にアルミニウム製スタッド溶接時の切
替えスイッチを設けたことを特徴としている。
に、本発明によれば、溶接ガンを用いて母材に鉄製スタ
ッドまたはアルミニウム製スタッドを溶接するのに必要
な溶接エネルギを蓄積するコンデンサと、コンデンサの
放電回路に挿入されたスイッチング素子と、コンデンサ
が設定値まで充電した後、溶接ガンからのトリガ信号に
応じてスイッチング要素に点弧信号を供給する制御回路
とを有するスタッド溶接装置において、スイッチング素
子に直列にインダクタンス素子を接続し、このインダク
タンス素子に並列にアルミニウム製スタッド溶接時の切
替えスイッチを設けたことを特徴としている。
【0007】
【作用】このように構成した本発明によるスタッド溶接
装置においては、切替えスイッチを入れたり切ったりす
ることによって鉄製スタッドとアルミニウム製スタッド
とにそれぞれ適した放電特性をもってコンデンサは母材
とスタッドとの間に溶接エネルギを供給することができ
る。すなわち、切替えスイッチを入れてアルミニウム製
スタッド溶接に切り替えた場合には、コンデンサに蓄え
られている溶接エネルギは、制御回路からの点弧信号で
スイッチング素子が導通するとこのスイッチング素子を
介して直接母材とスタッドとの間に供給され、コンデン
サの放電特性に応じたエネルギ分布特性が得られる。一
方、切替えスイッチを切って鉄製スタッド溶接に切り替
えた場合には、コンデンサに蓄えられている溶接エネル
ギはインダクタンス及びスイッチング素子を介して母材
とスタッドとに供給され、従ってインダクタンスの作用
で、放電瞬時レベルの高い放電特性が得られる。
装置においては、切替えスイッチを入れたり切ったりす
ることによって鉄製スタッドとアルミニウム製スタッド
とにそれぞれ適した放電特性をもってコンデンサは母材
とスタッドとの間に溶接エネルギを供給することができ
る。すなわち、切替えスイッチを入れてアルミニウム製
スタッド溶接に切り替えた場合には、コンデンサに蓄え
られている溶接エネルギは、制御回路からの点弧信号で
スイッチング素子が導通するとこのスイッチング素子を
介して直接母材とスタッドとの間に供給され、コンデン
サの放電特性に応じたエネルギ分布特性が得られる。一
方、切替えスイッチを切って鉄製スタッド溶接に切り替
えた場合には、コンデンサに蓄えられている溶接エネル
ギはインダクタンス及びスイッチング素子を介して母材
とスタッドとに供給され、従ってインダクタンスの作用
で、放電瞬時レベルの高い放電特性が得られる。
【0008】
【実施例】以下、図1を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明によるアークスタッド溶接装
置の要部を成す充放電回路及びそれの制御回路を概略的
に示している。図1において、1は電源端子で、電源ス
イッチ2を介して電源変圧器3の一次側に接続されてい
る。この電源変圧器3の二次側には整流器ブリッジ4が
接続され、この整流器ブリッジ4は二つのシリコン制御
整流器4a、4bと二つのダイオード4c、4dとから成ってい
る。整流器ブリッジ4の出力側には溶接エネルギを蓄え
るコンデンサ5が接続され、このコンデンサ5の充電回
路にはこのコンデンサ5の充電電圧を設定する充電電圧
設定回路6がコンデンサ5と並列に接続されており、こ
の充電電圧設定回路6は図示実施例では抵抗6a、可変抵
抗6b、6cの直列回路から成っている。7はコンデンサ5
の放電回路に設けられたスイッチング素子で、インダク
タンス8を介してコンデンサ5の一端に接続されてい
る。このインダクタンス8に並列にアルミニウム製スタ
ッド溶接時の切替えスイッチ9が接続されている。10は
溶接部で、母材10a とスタッド10b で概略的に示されて
いる。
て説明する。図1は本発明によるアークスタッド溶接装
置の要部を成す充放電回路及びそれの制御回路を概略的
に示している。図1において、1は電源端子で、電源ス
イッチ2を介して電源変圧器3の一次側に接続されてい
る。この電源変圧器3の二次側には整流器ブリッジ4が
接続され、この整流器ブリッジ4は二つのシリコン制御
整流器4a、4bと二つのダイオード4c、4dとから成ってい
る。整流器ブリッジ4の出力側には溶接エネルギを蓄え
るコンデンサ5が接続され、このコンデンサ5の充電回
路にはこのコンデンサ5の充電電圧を設定する充電電圧
設定回路6がコンデンサ5と並列に接続されており、こ
の充電電圧設定回路6は図示実施例では抵抗6a、可変抵
抗6b、6cの直列回路から成っている。7はコンデンサ5
の放電回路に設けられたスイッチング素子で、インダク
タンス8を介してコンデンサ5の一端に接続されてい
る。このインダクタンス8に並列にアルミニウム製スタ
ッド溶接時の切替えスイッチ9が接続されている。10は
溶接部で、母材10a とスタッド10b で概略的に示されて
いる。
【0009】また、11はコンデンサ5の充放電制御回路
で、トランジスタ12を有し、このトランジスタ12のベー
スは抵抗13及びツエナーダイオード14を介して充電電圧
設定回路6の可変抵抗6bのタップに接続されている。ト
ランジスタ12のエミッタは一方では抵抗15を介して電源
変圧器3の二次側に接続された第2の整流器ブリッジ16
の出力端子の一方に接続され、また他方ではダイオード
17を介してシリコン制御整流器18のゲート端子に接続さ
れている。さらに、トランジスタ12のコレクタは、第2
の整流器ブリッジ16の出力端子間に接続された抵抗19と
コンデンサ20との直列回路の中間点に接続されている。
シリコン制御整流器18のアノードはリレー21の常閉接点
21a を介して第2の整流器ブリッジ16の他方の出力端子
に接続され、またシリコン制御整流器18のカソードは抵
抗22及びコンデンサ23を介して第2の整流器ブリッジ16
の一方の出力端子に接続されている。さらに、シリコン
制御整流器18と抵抗22との接続点はリレー21の常開接点
21b を介してスイッチング素子7のゲートに接続されて
いる。コンデンサ5の充放電制御回路11はまたコンデン
サ5の充電回路の動作を制御するトリガ発振回路を成す
単接合トランジスタ24を有しており、この単接合トラン
ジスタ24のエミッタは抵抗19とコンデンサ20との中間点
に接続され、その第1ベースは抵抗25及びリレー21の常
閉接点21a を介して第2の整流器ブリッジ16の他方の出
力端子に接続され、また第2のベースは一方ではダイオ
ード26を介して第2の整流器ブリッジ16の一方の出力端
子に接続され、他方では、パルス変成器27介して第1の
整流器ブリッジ4のシリコン制御整流器4a、4bのゲート
に接続されている。
で、トランジスタ12を有し、このトランジスタ12のベー
スは抵抗13及びツエナーダイオード14を介して充電電圧
設定回路6の可変抵抗6bのタップに接続されている。ト
ランジスタ12のエミッタは一方では抵抗15を介して電源
変圧器3の二次側に接続された第2の整流器ブリッジ16
の出力端子の一方に接続され、また他方ではダイオード
17を介してシリコン制御整流器18のゲート端子に接続さ
れている。さらに、トランジスタ12のコレクタは、第2
の整流器ブリッジ16の出力端子間に接続された抵抗19と
コンデンサ20との直列回路の中間点に接続されている。
シリコン制御整流器18のアノードはリレー21の常閉接点
21a を介して第2の整流器ブリッジ16の他方の出力端子
に接続され、またシリコン制御整流器18のカソードは抵
抗22及びコンデンサ23を介して第2の整流器ブリッジ16
の一方の出力端子に接続されている。さらに、シリコン
制御整流器18と抵抗22との接続点はリレー21の常開接点
21b を介してスイッチング素子7のゲートに接続されて
いる。コンデンサ5の充放電制御回路11はまたコンデン
サ5の充電回路の動作を制御するトリガ発振回路を成す
単接合トランジスタ24を有しており、この単接合トラン
ジスタ24のエミッタは抵抗19とコンデンサ20との中間点
に接続され、その第1ベースは抵抗25及びリレー21の常
閉接点21a を介して第2の整流器ブリッジ16の他方の出
力端子に接続され、また第2のベースは一方ではダイオ
ード26を介して第2の整流器ブリッジ16の一方の出力端
子に接続され、他方では、パルス変成器27介して第1の
整流器ブリッジ4のシリコン制御整流器4a、4bのゲート
に接続されている。
【0010】このように構成した図示装置の動作につい
て説明する。まず、溶接しようとするスタッドが鉄製で
あるかアルミニウム製であるかにより切替えスイッチ9
を入りか切りの位置に設定する。今、コンデンサ5は放
電した状態にあるとすると、このコンデンサ5の両端子
間の電圧はゼロであり、従って、充電電圧設定回路6の
端子間の電圧もゼロである。この状態で、リレー21に直
列に接続された溶接ガン(図示してない)のトリガスイ
ッチ28が開放されると、コンデンサ20は、抵抗19及び常
閉接点21a を介して第2の整流器ブリッジ16からの出力
電圧により充電される。こうしてコンデンサ20の充電電
圧が所定の値に達すると、トリガ発振回路を成す単接合
トランジスタ24が導通し、パルス変成器27を介して第1
の整流器ブリッジ4のシリコン制御整流器4a、4bのゲー
トに点弧信号を供給する。それにより、第1の整流器ブ
リッジ4の出力電圧でコンデンサ5は充電し始め、コン
デンサ5の充電電圧の上昇につれて充電電圧設定回路6
における電圧も上昇する。ツエナーダイオード14に印加
される電圧がそのツエナー電圧以下の場合には、このツ
エナーダイオード14は高インピーダンスであるので、抵
抗13を介してトランジスタ12のベースに流れる電流は極
めて小さく、従ってこのトランジスタ12は遮断状態にあ
る。その後、ツエナーダイオード14に印加される電圧が
そのツエナー電圧に達すると、ツエナーダイオード14は
低インピーダンスとなるので、このツエナーダイオード
14及び抵抗13を介してトランジスタ12のベースに電流が
流れ、従ってトランジスタ12は導通する。言い換えれ
ば、トランジスタ12は、コンデンサ5が予定の値まで充
電すると導通することになる。その結果、このトランジ
スタ12のコレクタ・エミッタ回路を通る側路ができ、従
ってコンデンサ20の電圧は降下し、トリガ発振回路を成
す単接合トランジスタ24の発振は止まる。それにより第
1の整流器ブリッジ4は遮断され、従ってコンデンサ5
の充電は停止する。すなわち、コンデンサ5の充電は、
充電電圧設定回路6における可変抵抗6b、6cによって設
定された電圧の値に関係して制御されることになる。
て説明する。まず、溶接しようとするスタッドが鉄製で
あるかアルミニウム製であるかにより切替えスイッチ9
を入りか切りの位置に設定する。今、コンデンサ5は放
電した状態にあるとすると、このコンデンサ5の両端子
間の電圧はゼロであり、従って、充電電圧設定回路6の
端子間の電圧もゼロである。この状態で、リレー21に直
列に接続された溶接ガン(図示してない)のトリガスイ
ッチ28が開放されると、コンデンサ20は、抵抗19及び常
閉接点21a を介して第2の整流器ブリッジ16からの出力
電圧により充電される。こうしてコンデンサ20の充電電
圧が所定の値に達すると、トリガ発振回路を成す単接合
トランジスタ24が導通し、パルス変成器27を介して第1
の整流器ブリッジ4のシリコン制御整流器4a、4bのゲー
トに点弧信号を供給する。それにより、第1の整流器ブ
リッジ4の出力電圧でコンデンサ5は充電し始め、コン
デンサ5の充電電圧の上昇につれて充電電圧設定回路6
における電圧も上昇する。ツエナーダイオード14に印加
される電圧がそのツエナー電圧以下の場合には、このツ
エナーダイオード14は高インピーダンスであるので、抵
抗13を介してトランジスタ12のベースに流れる電流は極
めて小さく、従ってこのトランジスタ12は遮断状態にあ
る。その後、ツエナーダイオード14に印加される電圧が
そのツエナー電圧に達すると、ツエナーダイオード14は
低インピーダンスとなるので、このツエナーダイオード
14及び抵抗13を介してトランジスタ12のベースに電流が
流れ、従ってトランジスタ12は導通する。言い換えれ
ば、トランジスタ12は、コンデンサ5が予定の値まで充
電すると導通することになる。その結果、このトランジ
スタ12のコレクタ・エミッタ回路を通る側路ができ、従
ってコンデンサ20の電圧は降下し、トリガ発振回路を成
す単接合トランジスタ24の発振は止まる。それにより第
1の整流器ブリッジ4は遮断され、従ってコンデンサ5
の充電は停止する。すなわち、コンデンサ5の充電は、
充電電圧設定回路6における可変抵抗6b、6cによって設
定された電圧の値に関係して制御されることになる。
【0011】一方、トランジスタ12が導通すると、それ
のコレクタ・エミッタ回路を通つて電流が流れ、抵抗15
の両端間に電圧降下が生じる。その結果ダイオード17を
介してシリコン制御整流器18のゲートに点弧信号が供給
され、このシリコン制御整流器18を導通させる。それに
よりコンデンサ23は充電する。この状態で溶接ガンのト
リガを引くと、トリガスイッチ28が閉じられ、リレー21
は付勢され、それの常閉接点21a は開き、常開接点21b
は閉じる。その結果、コンデンサ23は放電し、スイッチ
ング素子7のゲートに点弧信号を供給して、このスイッ
チング素子7を導通させる。これにより溶接用コンデン
サ5は、切替えスイッチ9及び導通したスイッチング素
子7を介して溶接部10に放電し、アルミニウムスタッド
の溶接が行われる。尚、鉄製のスタッドを溶接する場合
には単に切替えスイッチ9を切っておけば、溶接用コン
デンサ5はインダクタンス8を介して放電されることに
なるので、その放電特性が変わり、鉄製スタッドに適し
た溶接エネルギとなる。なお、この一連の動作におい
て、図示構成では、仮に溶接用コンデンサ5が設定レベ
ルまで充電していない状態で溶接ガンのトリガを引いた
とすると、リレー21の常開接点21b は閉じるが、トラン
ジスタ12は不導通であるので、コンデンサ23は充電され
てなく、スイッチング素子7には点弧信号が供給されな
いので、溶接動作は行われない。これと同時に、常閉接
点21a は開放されるので、単接合トランジスタ24の発振
は止まり、従って、第1の整流器ブリッジ4が遮断さ
れ、コンデンサ5への充電も停止される。
のコレクタ・エミッタ回路を通つて電流が流れ、抵抗15
の両端間に電圧降下が生じる。その結果ダイオード17を
介してシリコン制御整流器18のゲートに点弧信号が供給
され、このシリコン制御整流器18を導通させる。それに
よりコンデンサ23は充電する。この状態で溶接ガンのト
リガを引くと、トリガスイッチ28が閉じられ、リレー21
は付勢され、それの常閉接点21a は開き、常開接点21b
は閉じる。その結果、コンデンサ23は放電し、スイッチ
ング素子7のゲートに点弧信号を供給して、このスイッ
チング素子7を導通させる。これにより溶接用コンデン
サ5は、切替えスイッチ9及び導通したスイッチング素
子7を介して溶接部10に放電し、アルミニウムスタッド
の溶接が行われる。尚、鉄製のスタッドを溶接する場合
には単に切替えスイッチ9を切っておけば、溶接用コン
デンサ5はインダクタンス8を介して放電されることに
なるので、その放電特性が変わり、鉄製スタッドに適し
た溶接エネルギとなる。なお、この一連の動作におい
て、図示構成では、仮に溶接用コンデンサ5が設定レベ
ルまで充電していない状態で溶接ガンのトリガを引いた
とすると、リレー21の常開接点21b は閉じるが、トラン
ジスタ12は不導通であるので、コンデンサ23は充電され
てなく、スイッチング素子7には点弧信号が供給されな
いので、溶接動作は行われない。これと同時に、常閉接
点21a は開放されるので、単接合トランジスタ24の発振
は止まり、従って、第1の整流器ブリッジ4が遮断さ
れ、コンデンサ5への充電も停止される。
【0012】ところで図示実施例において、溶接用コン
デンサの充放電制御回路は本発明の装置の作用を説明す
るための一例に過ぎず、特許第1299763 号に開示された
ような回路構成のものを使用することができる。また、
溶接用コンデンサは図示実施例では複数のコンデンサを
並列に接続した構成を成しているが、当然単一のコンデ
ンサを用いることもできる。
デンサの充放電制御回路は本発明の装置の作用を説明す
るための一例に過ぎず、特許第1299763 号に開示された
ような回路構成のものを使用することができる。また、
溶接用コンデンサは図示実施例では複数のコンデンサを
並列に接続した構成を成しているが、当然単一のコンデ
ンサを用いることもできる。
【0013】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
アークスタッド溶接装置においては、溶接エネルギを蓄
えるコンデンサの放電回路に、インダクタンスを介して
スイッチング素子を接続し、インダクタンスと並列にア
ルミニウム製スタッドの溶接時の切替えスイッチを設け
ているので、装置の回路構成が簡単となり、その結果、
低コストの鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッ
ド溶接装置を提供することができるようになる。
アークスタッド溶接装置においては、溶接エネルギを蓄
えるコンデンサの放電回路に、インダクタンスを介して
スイッチング素子を接続し、インダクタンスと並列にア
ルミニウム製スタッドの溶接時の切替えスイッチを設け
ているので、装置の回路構成が簡単となり、その結果、
低コストの鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッ
ド溶接装置を提供することができるようになる。
【図1】 本発明の一実施例によるアークスタッド溶接
装置の回路構成の要部を概略的に示す線図。
装置の回路構成の要部を概略的に示す線図。
4:第1の整流器ブリッジ 5:溶接用コンデンサ 6:充電電圧設定回路 7:スイッチング素子 8:インダクタンス 9:切替えスイッチ 10:溶接部 11:コンデンサ5の充放電制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/20 B23K 9/073
Claims (1)
- 【請求項1】 溶接ガンを用いて母材に鉄製スタッドま
たはアルミニウム製スタッドを溶接するのに必要な溶接
エネルギを蓄積するコンデンサと、このコンデンサの放
電回路に挿入されたスイッチング素子と、コンデンサが
設定値まで充電した後、溶接ガンからのトリガ信号に応
じてスイッチング要素に点弧信号を供給する制御回路と
を有するスタッド溶接装置において、スイッチング素子
に直列にインダクタンス素子を接続し、このインダクタ
ンス素子に並列にアルミニウム製スタッド溶接時の切替
えスイッチを設けたことを特徴とする鉄製及びアルミニ
ウム製スタッド兼用スタッド溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01574692A JP3174789B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッド溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01574692A JP3174789B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッド溶接装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05208275A JPH05208275A (ja) | 1993-08-20 |
JP3174789B2 true JP3174789B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=11897333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01574692A Expired - Fee Related JP3174789B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 鉄製及びアルミニウム製スタッド兼用スタッド溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3174789B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009028945C5 (de) * | 2009-08-27 | 2013-08-08 | Hilti Aktiengesellschaft | Handschweißgerät |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP01574692A patent/JP3174789B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05208275A (ja) | 1993-08-20 |
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