JP3174695B2 - 電気油圧弁 - Google Patents

電気油圧弁

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JP3174695B2 JP23299594A JP23299594A JP3174695B2 JP 3174695 B2 JP3174695 B2 JP 3174695B2 JP 23299594 A JP23299594 A JP 23299594A JP 23299594 A JP23299594 A JP 23299594A JP 3174695 B2 JP3174695 B2 JP 3174695B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧シリンダ等の油圧駆
動アクチュエータの作動をコントロールする電気油圧弁
に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧シリンダ等の油圧駆動アクチュエー
タの作動をコントロールする電気油圧サーボ弁あるいは
比例制御弁は従来周知であるが、これらの油圧を切り替
える弁部はスプールタイプであった。これらの弁ではパ
イロット段のノズルフラッパで電流入力から変換された
油圧あるいはソレノイド又はフォースモータにより直接
スプールを駆動し弁作用をさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図3には、従来のノズ
ルフラッパ式サーボ弁を示しているが、このサーボ弁で
はパイロット段にあるノズルで作動油が常時消費される
ため、それだけ油圧源の容量を大きくする必要がある。
さらにスプールでは油密が狭い隙間によるため若干の油
もれが発生する。
【0004】このため極端に油圧源が制限される状態の
下で使用される場合、例えば停電時に油圧ポンプが停止
した後もアキュムレータ内の油圧で作動を続けるような
装置の場合はアキュムレータ容量が大きくなり、スペー
ス、重量上の不具合がある。
【0005】本発明はポペット弁を使用し、小容量の油
圧源により作動可能で、スプール型式の弁と同等の制御
精度を確保でき、圧力による駆動電磁力への負荷力の変
化を無くした油圧駆動アクチュエータ制御用の電気油圧
弁を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、リターンスプ
リングによって閉方向に押圧されたポペット弁を有し、
同ポペット弁を電磁力により変位させて油路間の連通を
制御することにより油圧駆動アクチュエータの作動をコ
ントロールする電気油圧弁における前記課題を解決する
ため次の構成をもつ電気油圧弁を提供する。
【0007】すなわち、本発明による電気油圧弁では、
ポペット弁は衝棒とバランスピストンをこの順に介して
電磁力により変位され、バランスピストンのポペット弁
側の一端はタンクドレンにつながり、バランスピストン
の衝棒側の他端はポペット弁の弁開方向の室と連絡され
ているとともにバランスピストンの面積がポペット弁と
衝棒の面積の和になっており、かつ、ポペット弁の変位
を測る変位計を備えた構成を採用する。
【0008】本発明による電気油圧弁でポペット弁を変
位させる電磁力としては、コイルに電流を流すことによ
りコイルの軸方向に力が発生するようにしてその電流の
強弱により発生する力を変化させるようにしたフォース
モータを使用するのが好ましい。
【0009】
【作用】本発明による電気油圧弁では、ポペット弁と同
軸上にバランスピストンを配置し、ポペット弁を変位さ
せる電磁力を衝棒とバランスピストンを介してポペット
弁に伝え、かつ、バランスピストンの面積をポペット弁
と衝棒の面積の和になるように構成していて油圧力が打
ち消され、電磁力に対してはポペット弁のリターンスプ
リング力しか対向しないのでポペット弁は電磁力によっ
て精度良く、かつ、高速で動かすことが可能となる。
【0010】これにより本発明の電気油圧弁では弁開口
面積したがって流量の連続的な制御が可能となり、しか
も漏れが極小でスプール弁並に負荷圧の影響の無いバル
ブが達成できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明による電気油圧弁を図1に示し
た一実施例により具体的に説明する。図1において、弁
本体部102と、電磁力を発生するフォースモータ部1
03は中間ピース部101を介して連結されている。1
04は電線のコネクタ部である。
【0012】2はポペット、20はバランスピストン、
3はポペットハウジング、301はポペット2の外側の
油圧室302とポペット2の背面の油圧室304を結ぶ
ようポペットハウジング3内に形成された連絡通路であ
る。303はポペット2の内側の油圧室、4はポペット
2のリターンスプリング、21はポペット2とバランス
ピストン20で形成されるバランス室であり、タンクド
レンに連絡されている。
【0013】このようにバランスピストン20のポペッ
ト2側の端はタンクドレンに連絡され、バランスピスト
ン20の他端はポペット2の弁開方向の油圧室302と
連絡されている。ポペット2とバランスピストン20は
ポペットハウジング3に摺動可能に挿入され、ポペット
2の頭部でその着座時には油密が保持される。
【0014】5は衝棒で先端がバランスピストン20の
背面に当接される。501は衝棒案内で、衝棒5が油密
かつ摺動可能にはまっている。衝棒案内501は弁本体
部102と中間ピース部101間に配設されている。6
は後述のコイルコア701の支持案内部、7はそのコイ
ルコア701に巻かれたコイル、701はコイルコア、
702は通電線、8は磁石、9はばねでコイルコア70
1を右方に押すようになっている。10は差動変圧器の
コイル、10aは検出電線、1001は差動変圧器のコ
アでコイルコア支持案内部6に延長して取り付けられて
いる。
【0015】11は油穴で油圧室302につながる。1
2も油穴で油圧室303につながる。13はドレン穴で
衝棒案内501とコイルコア支持案内部6間につながっ
ていて、衝棒5と衝棒案内501の間を通って油圧室3
04から漏れてくる油、及びバランスピストン20とポ
ペット2からバランス室21へ漏れて来る油を外部に排
出できる。ここでバランスピストン20のピストン面積
A1はポペット2の面積A2と衝棒5の面積A3の和と
なっている。
【0016】図1に示した電気油圧弁は以上説明した構
成を有しておりその作動は次のとおりである。図1にお
いて本体フォースモータ部103は磁性材料であるた
め、磁石8によりコイル7を横断する磁束が発生する。
【0017】そこでコイル7に電流を流すとコイル7の
軸方向に力が発生するが、電流を右方向に力が発生する
方向に流すとこの力はコイルコア支持案内部6、衝棒
5、バランスピストン20を介してポペット2に伝達さ
れる。この力がリターンスプリング4の力に打ち勝つと
ポペット2はリフトし、油圧室302と303が、した
がって油穴11と12がつながり弁作用が行われる。
【0018】この時、電流の強弱によりコイル7に発生
する力は変化するので、弁開度をコイル7に流す電流値
により変化できるが、実際の弁開度、すなわち弁変位
は、差動変圧器コイル10により検出されるので、適宜
のコントローラで弁開度の指令値と実際の弁開度を比較
してその偏差の大小により電流を強弱させ弁変位を指令
値に追従させる。つまり本弁は弁変位すなわち流量を連
続的に制御できる比例制御弁として作動する。
【0019】ポペット2の弁作用において、バランスピ
ストン20のピストン面積A1、ポペット2の面積A
2、及び衝棒5の面積A3の関係は前記したように A1=A2+A3 の関係が成り立ち、バランス室21はドレン圧でほぼ零
なのでフォースモータに対し油圧力は働かず、フォース
モータの負荷はリターンスプリング4のみとなり、油圧
室303,302の圧力の大小の影響を受けない。この
ため、コイル7の力でポペット2を精度良くかつ高速に
動かすことが可能となる。
【0020】本弁はポペット形式であるため、閉弁時は
油圧室302と303間の漏れが殆ど無い。また、衝棒
5からドレン穴13及びポペット2、バランスピストン
20の摺動部を伝わってバランス室21への油の漏れは
存在するが、隙間が小さく摺動長さが長いので漏れは極
小である。
【0021】ところで、ドレン穴13は衝棒5からの漏
れを外部に導くため作動油はコイル7に行かない。従っ
て、作動油の代りに水を作動液とする場合でもコイル7
の絶縁不良等の不具合は発生しない。なお、本体フォー
スモータ部103の内部に粘度の高い油を入れておくと
コイル7の制振に効果がある。以上のように本弁は漏れ
のない比例制御弁として作動する。
【0022】図2は本実施例による電気油圧弁を使った
油圧サーボシリンダのシステム図で、1と1’が図1の
弁、10,10’は図1の弁の作動変圧器コイルであ
る。Aは油圧シリンダでばねリターン式、Bは変位計で
油圧シリンダAの位置を計測できる。Cは周知のサーボ
コントローラで、第1の作用として指令値と変位計Bで
計測された実際のシリンダロッドの位置を比較して弁1
または弁1’を便宜開閉する電流指令をおくる。
【0023】コントローラCの第2の作用として、前述
の弁開閉指令に対して、実際のポペット変位を差動変圧
器コイル10,10’で検出し指令と比較し、その偏差
に応じて電流を変化させる。以上の作用によって前述の
ように本弁を比例弁として作動させる。
【0024】このように本発明になる弁2個を用いる
と、図2に示すように、本弁を比例制御弁として作動さ
せ、これにより油圧シリンダを任意にかつ漏れが少なく
駆動させることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明による電気油圧弁はポペット弁を
使用しこれをフォースモータ等の電磁力で位置制御する
ため漏れを極小にできる。また、本発明による電気油圧
弁では、電磁力をポペットに伝える衝棒とポペットとの
間にバランスピストンを配置し、これによって電磁力に
対し油圧力が負荷とならないようピストン面積を選定し
ていて油圧力の平衡を完全に達成しているのでスプール
形式の弁と同等の連続的な制御精度を確保できる。
【0026】以上により、油圧源の容量が小さくでき、
さらに極端に油圧源が制限される場合、例えば、停電時
に油圧源が停止した後もアキュムレータ内の油圧で作動
を続けるような装置の場合も性能を損なうことなく小さ
い容量のアキュムレータで作動させることができ、スペ
ース、重量上非常に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる電気油圧弁の構造
図。
【図2】本発明の電気油圧弁を適用した油圧サーボシリ
ンダの油圧系統図。
【図3】従来のノズルフラッパ型サーボ弁の断面図。
【符号の説明】
1 弁本体 2 ポペット 4 リターンスプリング 5 衝棒 7 コイル 8 磁石 10 差動変圧器のコイル 20 バランスピストン 301 連絡通路 1001 差動変圧器のコア
フロントページの続き (72)発明者 白木原 民也 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工 業株式会社三原製作所内 (56)参考文献 特開 平6−173907(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/06 - 31/11 F15B 13/044

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リターンスプリングによって閉方向に押
    圧されたポペット弁を有し、同ポペット弁を電磁力によ
    り変位させて油路間の連通を制御することにより油圧駆
    動アクチュエータの作動をコントロールする電気油圧弁
    において、前記ポペット弁は衝棒とバランスピストンを
    この順に介して前記電磁力により変位され、前記バラン
    スピストンの前記ポペット弁側の一端はタンクドレンに
    つながり、前記バランスピストンの前記衝棒側の他端は
    前記ポペット弁の弁開方向の室と連絡されているととも
    に同バランスピストンの面積は前記ポペット弁と前記衝
    棒の面積の和になっており、かつ、前記ポペット弁の変
    位を測る変位計を有することを特徴とする電気油圧弁。
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