JP3173209B2 - 精密鋳造方法および装置 - Google Patents
精密鋳造方法および装置Info
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- JP3173209B2 JP3173209B2 JP04839093A JP4839093A JP3173209B2 JP 3173209 B2 JP3173209 B2 JP 3173209B2 JP 04839093 A JP04839093 A JP 04839093A JP 4839093 A JP4839093 A JP 4839093A JP 3173209 B2 JP3173209 B2 JP 3173209B2
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- molten metal
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- precision casting
- casting method
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密鋳造の方法および
装置の改良に関し、改善された鋳造製品を与える。
装置の改良に関し、改善された鋳造製品を与える。
【0002】
【従来の技術】たとえばTi合金は、軽量で耐食性がよ
く強度が高いという利点を活かし、種々の機械部品の製
造に使用されていて、精密鋳造法はその加工技術におい
て重要な地位を占めている。
く強度が高いという利点を活かし、種々の機械部品の製
造に使用されていて、精密鋳造法はその加工技術におい
て重要な地位を占めている。
【0003】Ti合金の鋳造製品の形状は一般に薄肉で
あり、その鋳造時には、湯回り不良による欠陥が生じや
すい。 しかし、Ti合金は活性が高く鋳型材料と反応
しやすいので、溶湯のスーパーヒートを高くして湯回り
をよくすることができない。
あり、その鋳造時には、湯回り不良による欠陥が生じや
すい。 しかし、Ti合金は活性が高く鋳型材料と反応
しやすいので、溶湯のスーパーヒートを高くして湯回り
をよくすることができない。
【0004】通気性を有する鋳型を使用し、その背後か
ら真空吸引して鋳型キャビティに溶湯を注入する減圧鋳
造法は、湯回りの改善に役立つ。 しかし、この方法を
もってしても、きわめて薄肉のものや鋭い突起を有する
ものを鋳造するには、特別の工夫を要する。
ら真空吸引して鋳型キャビティに溶湯を注入する減圧鋳
造法は、湯回りの改善に役立つ。 しかし、この方法を
もってしても、きわめて薄肉のものや鋭い突起を有する
ものを鋳造するには、特別の工夫を要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋳型
キャビティへの湯回りをよくする手法を提案し、Ti合
金のような活性の高い金属から精密鋳造により薄肉およ
び(または)鋭い突起をもつ製品を、高い良品歩留りで
製造することのできる方法と装置を提供することにあ
る。
キャビティへの湯回りをよくする手法を提案し、Ti合
金のような活性の高い金属から精密鋳造により薄肉およ
び(または)鋭い突起をもつ製品を、高い良品歩留りで
製造することのできる方法と装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の精密鋳造方法
は、下方に溶湯吸い上げノズルをそなえ、通気性の材料
で製作した鋳型の周囲を減圧して金属溶湯を吸い上げ、
鋳型のキャビティ中に溶湯を注入して行なう精密鋳造に
おいて、キャビティより上方に位置し、かつ、その上部
に開口を有することにより減圧に伴って容易に溶湯が吸
い上げられる湯だまりを設け、鋳造の間、湯だまりに吸
い上げた溶湯をそこに保持して押湯として利用すること
を特徴とする。
は、下方に溶湯吸い上げノズルをそなえ、通気性の材料
で製作した鋳型の周囲を減圧して金属溶湯を吸い上げ、
鋳型のキャビティ中に溶湯を注入して行なう精密鋳造に
おいて、キャビティより上方に位置し、かつ、その上部
に開口を有することにより減圧に伴って容易に溶湯が吸
い上げられる湯だまりを設け、鋳造の間、湯だまりに吸
い上げた溶湯をそこに保持して押湯として利用すること
を特徴とする。
【0007】Ti合金を対象にこの鋳造方法を実施する
ときは、溶湯のスーパーヒートを150℃以内にするこ
とができる。
ときは、溶湯のスーパーヒートを150℃以内にするこ
とができる。
【0008】上記の方法を実施するための本発明の精密
鋳造装置は、図1に示すように、溶湯吸い上げノズル
(3)をそなえ、通気性の材料で製作した鋳型(1)お
よびその周囲をとり囲む減圧室(4)に、金属溶湯供給
手段および真空吸引手段を加えて構成される精密鋳造装
置において、鋳型キャビティ(2)より上方に湯だまり
(5)を置き、その上部に開口(6)を設けたことを特
徴とする。
鋳造装置は、図1に示すように、溶湯吸い上げノズル
(3)をそなえ、通気性の材料で製作した鋳型(1)お
よびその周囲をとり囲む減圧室(4)に、金属溶湯供給
手段および真空吸引手段を加えて構成される精密鋳造装
置において、鋳型キャビティ(2)より上方に湯だまり
(5)を置き、その上部に開口(6)を設けたことを特
徴とする。
【0009】鋳型としては、減圧鋳造に常用されてい
る、ロストワックス法により製作した通気性セラミック
ス鋳型や、金属粉末を焼結した通気性金属鋳型を使用す
ればよい。 それらの製造法は、この分野で知られてい
る。
る、ロストワックス法により製作した通気性セラミック
ス鋳型や、金属粉末を焼結した通気性金属鋳型を使用す
ればよい。 それらの製造法は、この分野で知られてい
る。
【0010】金属溶湯供給手段としては、電磁誘導式コ
ールドクルーシブルを使用して、図1に示すように、炉
壁と溶湯との接触を避けて汚染を防止することが好まし
い。
ールドクルーシブルを使用して、図1に示すように、炉
壁と溶湯との接触を避けて汚染を防止することが好まし
い。
【0011】
【作用】減圧により溶湯を吸い上げたとき、溶湯は鋳型
キャビティ(2)中に注入されるとともに鋳型上部の湯
だまり部(5)にも滞留し、そこに保持される。 図示
した例では、鋳型中央上部の開口を通じて空気が吸引さ
れ溶湯の上昇が容易になり、保持が確実になる。
キャビティ(2)中に注入されるとともに鋳型上部の湯
だまり部(5)にも滞留し、そこに保持される。 図示
した例では、鋳型中央上部の開口を通じて空気が吸引さ
れ溶湯の上昇が容易になり、保持が確実になる。
【0012】湯だまり部は容積にくらべて伝熱面積が小
さく高温に保たれるから、この部分にある溶湯は鋳造中
凝固せず、キャビティに注入された浴湯に対して、押湯
としての効果を有する。 それによって、キャビティの
薄肉部や先端部への湯回りが良好になる。
さく高温に保たれるから、この部分にある溶湯は鋳造中
凝固せず、キャビティに注入された浴湯に対して、押湯
としての効果を有する。 それによって、キャビティの
薄肉部や先端部への湯回りが良好になる。
【0013】押湯効果は、湯だまり部の上端とキャビテ
ィ上端との高低差、つまり押湯ヘッドに比例する。 減
圧によりそのヘッドを維持できることが前提条件である
こと、いうまでもない。
ィ上端との高低差、つまり押湯ヘッドに比例する。 減
圧によりそのヘッドを維持できることが前提条件である
こと、いうまでもない。
【0014】
【実施例】図1に示す構成の装置を用いて、Ti合金で
自転車部品を鋳造した。 自転車の軽量化にはTi合金
がうってつけであり、図示した、円筒がT型に交差した
チーズなどの薄肉の製品の鋳造が試みられている。
自転車部品を鋳造した。 自転車の軽量化にはTi合金
がうってつけであり、図示した、円筒がT型に交差した
チーズなどの薄肉の製品の鋳造が試みられている。
【0015】鋳型は、難反応性のジルコニアで、ロスト
ワックス法により製作した。 湯だまり部の頂には通気
のための開口を設け、その位置と鋳型キャビティと上端
との高さの差すなわち押湯ヘッドHを20mmとした。
ワックス法により製作した。 湯だまり部の頂には通気
のための開口を設け、その位置と鋳型キャビティと上端
との高さの差すなわち押湯ヘッドHを20mmとした。
【0016】比較のため、通気のための開口はあるがそ
の高さが鋳型キャビティ上端と同じもの(従って、湯だ
まりが形成されないもの−比較例1)、および湯だまり
はあるが開口がないもの(従って湯だまりに溶湯が保持
され難いもの−比較例2)、を用いた場合についても鋳
造を行なった。
の高さが鋳型キャビティ上端と同じもの(従って、湯だ
まりが形成されないもの−比較例1)、および湯だまり
はあるが開口がないもの(従って湯だまりに溶湯が保持
され難いもの−比較例2)、を用いた場合についても鋳
造を行なった。
【0017】それぞれの条件と結果をまとめれば、つぎ
のとおりである。
のとおりである。
【0018】 実施例 比較例1 比較例2 開口 5mm径 5mm径 なし 押湯ヘッド 20mm 0mm 0mm 良品率 95% 70% 10%
【0019】
【発明の効果】本発明の精密鋳造技術によれば高い湯回
りが確保され、薄肉や鋭い突起のある形状をもった鋳造
品も、高い良品率をもって鋳造できる。 湯回り良好な
ため溶湯スーパーヒートが低くてもよく、Ti合金のよ
うな高活性金属の鋳造も不利なく行なえる。
りが確保され、薄肉や鋭い突起のある形状をもった鋳造
品も、高い良品率をもって鋳造できる。 湯回り良好な
ため溶湯スーパーヒートが低くてもよく、Ti合金のよ
うな高活性金属の鋳造も不利なく行なえる。
【図1】 本発明の精密鋳造技術を説明するための、装
置の概念的な構成を示す図。
置の概念的な構成を示す図。
1 鋳型 2 キャビティ 3 溶湯吸い上げノズル 4 減圧室 5 湯だまり 6 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B22D 21/06 B22D 21/06 23/00 23/00 F (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 18/06 B22C 9/00 B22D 21/06 B22D 23/00
Claims (7)
- 【請求項1】 下方に溶湯吸い上げノズルをそなえ、通
気性の材料で製作した鋳型の周囲を減圧して金属溶湯を
吸い上げ、鋳型のキャビティ中に溶湯を注入して行なう
精密鋳造において、キャビティより上方に位置し、か
つ、その上部に開口を有することにより減圧に伴って容
易に溶湯が吸い上げられる湯だまりを設け、鋳造の間、
湯だまりに吸い上げた溶湯をそこに保持して押湯として
利用することを特徴とする精密鋳造方法。 - 【請求項2】 突起部および(または)薄肉部を有する
製品を鋳造する請求項1の精密鋳造方法。 - 【請求項3】 TiまたはTi合金を対象に実施する請
求項1または2の精密鋳造方法。 - 【請求項4】 溶湯のスーパーヒートを150℃以内に
して実施する請求項3の精密鋳造方法。 - 【請求項5】 溶湯吸い上げノズル(3)をそなえ、通気
性の材料で製作した鋳型(1)およびその周囲をとり囲む
減圧室(4)に、金属溶湯供給手段および真空吸引手段
を加えて構成される精密鋳造装置において、鋳型キャビ
ティ(2)より上方に湯だまり(5)を置き、その上部
に開口(6)を設けたことを特徴とする精密鋳造装置。 - 【請求項6】 鋳型として、ロストワックス法により製
作した通気性セラミックス鋳型または金属粉末を焼結し
た通気性金属鋳型を使用する請求項5の精密鋳造装置。 - 【請求項7】 金属溶湯供給手段として電磁誘導式コー
ルドクルーシブルを使用した請求項5の精密鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04839093A JP3173209B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 精密鋳造方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04839093A JP3173209B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 精密鋳造方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06262333A JPH06262333A (ja) | 1994-09-20 |
JP3173209B2 true JP3173209B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=12801971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04839093A Expired - Fee Related JP3173209B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 精密鋳造方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3173209B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP04839093A patent/JP3173209B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06262333A (ja) | 1994-09-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |