JP3173053U - 緩効性土壌活性化材 - Google Patents
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Abstract
【課題】土壌改良効果を高めると共に長期間に亘って維持できるステビア含有の緩効性土壌活性化材を提供する。
【解決手段】少なくともステビア、アミノ酸、窒素肥料、リン酸肥料及びカリウム肥料を珪藻土と混合し、ペレット状に成形する。
【選択図】図1
【解決手段】少なくともステビア、アミノ酸、窒素肥料、リン酸肥料及びカリウム肥料を珪藻土と混合し、ペレット状に成形する。
【選択図】図1
Description
本考案は、ステビアを主成分とする土壌活性化材に関する。
従来、ステビアを土壌改良剤として添加した土壌活性化材が広く知られている(例えば特許文献1参照)。
ステビアは南米パラグアイ原産のキク科の多年草でハーブの一種である。
ステビアの葉に多く含有されるステビオサイドやレバディオサイドは砂糖の約300倍程度の強い甘味を有する一方で、カロリーは砂糖の約90分の1程度であるため、砂糖代替の低カロリー天然甘味料として1970年代から日本への輸入が開始され、現在様々な食品に添加されている。
ステビアは南米パラグアイ原産のキク科の多年草でハーブの一種である。
ステビアの葉に多く含有されるステビオサイドやレバディオサイドは砂糖の約300倍程度の強い甘味を有する一方で、カロリーは砂糖の約90分の1程度であるため、砂糖代替の低カロリー天然甘味料として1970年代から日本への輸入が開始され、現在様々な食品に添加されている。
ステビアを土壌混和すると、ステビアが土壌に生息する微生物(土着菌、特に根圏微生物)のえさとなるため、微生物の活動が活性化し、土壌の団粒化が促進されるために水はけが良くなり、更に、必要な水分を蓄えることができるフカフカな土壌になるため、植物の根が張り易い環境を作ることができる。
また、活性化した微生物が土壌中の有機質を分解することにより植物が養分を吸収する際の補助となり、さらに微生物の分泌物を植物が吸収するため、植物の生長が促進される。
また、活性化した微生物が土壌中の有機質を分解することにより植物が養分を吸収する際の補助となり、さらに微生物の分泌物を植物が吸収するため、植物の生長が促進される。
また、微生物が活性化することにより土壌の微生物相が安定するため、病害の元になる微生物(病原菌)を拮抗作用によって抑えることができ、結果的に農薬や化学肥料の削減につながる。
また、ステビアからの抽出物が食中毒菌に対して選択的殺菌作用を有することも知られている。すなわち、サルモネラ菌、大腸菌、黄色ブドウ状球菌等の食中毒菌に対しては殺菌作用を有するが、ビフィズス菌や乳酸菌には全く殺菌作用がないといういわゆる選択的殺菌作用を有することも知られており(特許文献2参照)、農業分野への応用が期待されている。
また、ステビアからの抽出物が食中毒菌に対して選択的殺菌作用を有することも知られている。すなわち、サルモネラ菌、大腸菌、黄色ブドウ状球菌等の食中毒菌に対しては殺菌作用を有するが、ビフィズス菌や乳酸菌には全く殺菌作用がないといういわゆる選択的殺菌作用を有することも知られており(特許文献2参照)、農業分野への応用が期待されている。
しかし、上述したような従来の土壌改良剤としてのステビアの使用方法では以下のような問題がある。
すなわち、ステビアが持つ上記微生物活性効果を最大限に高めるためには、農作物の播種から収穫までの一連の生育過程において継続的に土壌中にステビアを留めておき、ステビアに含有されている有効成分を継続的に土壌中に供給し続けることが好ましい。
しかし、例えばステビアの微粉末や濃縮液を農作物の生育過程の一時期(例えば播種の直前)に土壌混和したとしても、降雨等の影響により有効成分が土壌中に溶出していくため、効果の持続性(緩効性)に欠けるという問題があった。
また、ステビア以外の物質も添加することで土壌改良効果をより高めた土壌活性化材も求められている。
すなわち、ステビアが持つ上記微生物活性効果を最大限に高めるためには、農作物の播種から収穫までの一連の生育過程において継続的に土壌中にステビアを留めておき、ステビアに含有されている有効成分を継続的に土壌中に供給し続けることが好ましい。
しかし、例えばステビアの微粉末や濃縮液を農作物の生育過程の一時期(例えば播種の直前)に土壌混和したとしても、降雨等の影響により有効成分が土壌中に溶出していくため、効果の持続性(緩効性)に欠けるという問題があった。
また、ステビア以外の物質も添加することで土壌改良効果をより高めた土壌活性化材も求められている。
本考案は上記問題に鑑み、土壌改良効果を高めると共に長期間に亘って維持できるステビア含有の緩効性土壌活性化材を提供することを目的とする。
本考案者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特にステビア、アミノ酸及び珪藻土を利用することで上記目的が達成できることを見出し、本考案を完成するに至った。
即ち、本考案の緩効性土壌活性化材は、ステビア、アミノ酸及び肥料の三元素である窒素・リン酸・カリウムを珪藻土に混合し、ペレット状に成形したことを特徴とする。
また、更にビタミン及び有機酸も混合することを特徴とする。
即ち、本考案の緩効性土壌活性化材は、ステビア、アミノ酸及び肥料の三元素である窒素・リン酸・カリウムを珪藻土に混合し、ペレット状に成形したことを特徴とする。
また、更にビタミン及び有機酸も混合することを特徴とする。
本考案の緩効性土壌活性化材によれば、多孔質である珪藻土を利用することで、珪藻土の孔の中にステビア、アミノ酸、窒素、リン酸及びカリウムが一旦吸着・保持された後、雨等の影響により緩やかにこれら成分が土壌中に放出されるので、土壌改良効果を長期間に亘って維持できる。つまり、緩効性の土壌活性化材を得ることができる。
特に、本考案の緩効性土壌活性化材はペレット状に成形しているので、ペレット表面に存在する珪藻土に吸着・保持された上記各成分は、ペレットが土壌に混和された後、比較的早い段階で土壌中に溶出していく。そして、ペレット表面の珪藻土も次第に崩れていき、土壌中に拡散していく。一方、ペレットの中心付近に存在する珪藻土に吸着・保持された上記各成分は、ペレット表面の珪藻土が崩れていき、ペレットの中心付近の珪藻土が露出しだした後、すなわちペレットが土壌に混和されてから相当の期間が経過した後、ようやく土壌中に溶出していくことになる。
特に、本考案の緩効性土壌活性化材はペレット状に成形しているので、ペレット表面に存在する珪藻土に吸着・保持された上記各成分は、ペレットが土壌に混和された後、比較的早い段階で土壌中に溶出していく。そして、ペレット表面の珪藻土も次第に崩れていき、土壌中に拡散していく。一方、ペレットの中心付近に存在する珪藻土に吸着・保持された上記各成分は、ペレット表面の珪藻土が崩れていき、ペレットの中心付近の珪藻土が露出しだした後、すなわちペレットが土壌に混和されてから相当の期間が経過した後、ようやく土壌中に溶出していくことになる。
このように、緩効性土壌活性化材をペレット状に成形することにより、上記各成分を単に珪藻土と共に土壌に混和した場合と比較して、より長期に亘って緩やかに上記各成分を溶出するので、長い残効性を有し、緩効性をより高めることができる。
また、成形時にペレットのサイズを調節したり、あるいは適当な添加剤を用いてペレットの粘度及び硬度を調節することにより、上記各成分の土壌への溶出量及び溶出期間を適宜制御できるため、育成する植物の種類に応じた土壌活性効果を得ることができる。
また、多孔質の珪藻土が土壌中の有用微生物の住処となり、増殖を促進させると共に、微生物のえさとなるステビアが微生物を活性化を促し、土壌中の有機質が分解されるため、植物の養分吸収を助けて土壌活性効果を一層高めることができる。
また、成形時にペレットのサイズを調節したり、あるいは適当な添加剤を用いてペレットの粘度及び硬度を調節することにより、上記各成分の土壌への溶出量及び溶出期間を適宜制御できるため、育成する植物の種類に応じた土壌活性効果を得ることができる。
また、多孔質の珪藻土が土壌中の有用微生物の住処となり、増殖を促進させると共に、微生物のえさとなるステビアが微生物を活性化を促し、土壌中の有機質が分解されるため、植物の養分吸収を助けて土壌活性効果を一層高めることができる。
本考案の緩効性土壌活性化材は、例えば連作障害による土壌微生物の動態バランスの崩壊および土壌微量要素の過不足によるアンバランス状態に対して修復改善効果がある。
また、植物生理学上、必要な栄養素(糖、ビタミン、有機酸など)の補給により果実の糖度上昇など、健康な植物を育てることができ、特に根系の発育促進に効果がある。
また、植物の生育を維持するための栄養剤としての効果は大きく、特に病害(地上、地下系すべて)に強い植物を育てることができる。
また、植物生理学上、必要な栄養素(糖、ビタミン、有機酸など)の補給により果実の糖度上昇など、健康な植物を育てることができ、特に根系の発育促進に効果がある。
また、植物の生育を維持するための栄養剤としての効果は大きく、特に病害(地上、地下系すべて)に強い植物を育てることができる。
本考案の緩効性土壌活性化材の実施の形態について説明する。
緩効性土壌活性化材はステビア、アミノ酸、窒素肥料、リン酸肥料、カリウム肥料、ビタミン及び有機酸を珪藻土に混合し、ペレット状に成形したものであり、以下、各成分について説明する。
ステビアとしては微粉末状、ペレット状又は濃縮液(エキス)のものを適宜使用できるが、化学的処理を施していないものが好ましい。
微粉末状に加工するには自然乾燥させたステビア草の茎と葉を粉砕機で粒径20〜30μm程度に加工すればよい。また、ペレット状に加工するにはこの微粉末を水分調整により成形すればよい。また、濃縮液にするには微粉末に水を加えて煮沸し、絞り機にかけて抽出すればよい。
緩効性土壌活性化材はステビア、アミノ酸、窒素肥料、リン酸肥料、カリウム肥料、ビタミン及び有機酸を珪藻土に混合し、ペレット状に成形したものであり、以下、各成分について説明する。
ステビアとしては微粉末状、ペレット状又は濃縮液(エキス)のものを適宜使用できるが、化学的処理を施していないものが好ましい。
微粉末状に加工するには自然乾燥させたステビア草の茎と葉を粉砕機で粒径20〜30μm程度に加工すればよい。また、ペレット状に加工するにはこの微粉末を水分調整により成形すればよい。また、濃縮液にするには微粉末に水を加えて煮沸し、絞り機にかけて抽出すればよい。
窒素肥料、リン酸肥料及びカリウム肥料の含有割合は窒素:リン酸:カリウム=5:1:4程度にすることが好ましい。
また、窒素、リン酸、カリウム、ビタミン、有機酸及びアミノ酸を含有する材料としてコーンステイープリカー(CSL)を利用し、不足分は各種添加剤を利用するのがよい。
CSLは原料とうもろこしの各種水溶性物質を抽出した溶液であり、溶液のまま使用してもよいし、あるいは粉末化して使用してもよい。
ビタミンとしてはイノシトール、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6が挙げられる。
また、窒素、リン酸、カリウム、ビタミン、有機酸及びアミノ酸を含有する材料としてコーンステイープリカー(CSL)を利用し、不足分は各種添加剤を利用するのがよい。
CSLは原料とうもろこしの各種水溶性物質を抽出した溶液であり、溶液のまま使用してもよいし、あるいは粉末化して使用してもよい。
ビタミンとしてはイノシトール、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6が挙げられる。
有機酸としては乳酸、酢酸、クエン酸、ピログ酸、リンゴ酸が挙げられる。
アミノ酸としてはアラニン、フェニルアラニン、ロイシン、プロリン、スレオニン、グリシン、セリンが挙げられる。
また、微量元素としてマンガン、ホウ素、鉄、亜鉛、銅、モリブデン等を含有してもよい。
水分は約8〜10%程度が好ましく、pHは9.2程度が好ましい。
本考案の緩効性土壌活性化材の使用量としては、元肥培養土の場合、1m3/1,000Lの培養土に1kg程度混入するのが好ましく、追肥の場合、1m2の培養地に30g程度散布するのが好ましい。
アミノ酸としてはアラニン、フェニルアラニン、ロイシン、プロリン、スレオニン、グリシン、セリンが挙げられる。
また、微量元素としてマンガン、ホウ素、鉄、亜鉛、銅、モリブデン等を含有してもよい。
水分は約8〜10%程度が好ましく、pHは9.2程度が好ましい。
本考案の緩効性土壌活性化材の使用量としては、元肥培養土の場合、1m3/1,000Lの培養土に1kg程度混入するのが好ましく、追肥の場合、1m2の培養地に30g程度散布するのが好ましい。
次に、本考案の緩効性土壌活性化材(以下、「本材」という)の実施例について説明する。
[目的]
本材の作物栽培における肥効の程度および内容を精密栽培試験にて比較検証する。
本材の各成分の組成は次の通りである。
[成分] 配合量(重量%)
SiO2 33.0
Al2O3 4.4
Fe2O3 1.5
CaO 7.3
窒素肥料 5.1
リン酸肥料 1.2
カリウム肥料 4.4
糖質 4.5
有機酸 3.0
全アミノ酸 8.0
ビタミン 2.0
その他有機質 17.6
水分 8.0
本材の作物栽培における肥効の程度および内容を精密栽培試験にて比較検証する。
本材の各成分の組成は次の通りである。
[成分] 配合量(重量%)
SiO2 33.0
Al2O3 4.4
Fe2O3 1.5
CaO 7.3
窒素肥料 5.1
リン酸肥料 1.2
カリウム肥料 4.4
糖質 4.5
有機酸 3.0
全アミノ酸 8.0
ビタミン 2.0
その他有機質 17.6
水分 8.0
[試験方法]
2010年11月〜2011年3月の間、無加温ガラス室における5000分の1アールポット試験で実施した。
試験区の構成を表1に示す。
供試土壌は、山地下層の砂壌土(水稲育苗覆土用)で、ポット当たり3kg使用。
肥料は、上部1/2の土に混合施用。
供試野菜は、コマツナおよび蘇州青菜(中国野菜:種子は蘇州市で購入。チンゲン菜似)。
種子は、ポット当たり10粒播種(2011年11月12日)し、3月15日迄育て収穫調査した。
1区2連とした。
2010年11月〜2011年3月の間、無加温ガラス室における5000分の1アールポット試験で実施した。
試験区の構成を表1に示す。
供試土壌は、山地下層の砂壌土(水稲育苗覆土用)で、ポット当たり3kg使用。
肥料は、上部1/2の土に混合施用。
供試野菜は、コマツナおよび蘇州青菜(中国野菜:種子は蘇州市で購入。チンゲン菜似)。
種子は、ポット当たり10粒播種(2011年11月12日)し、3月15日迄育て収穫調査した。
1区2連とした。
[結果および考察]
(1)コマツナ
播種の約1ヶ月後、12月10日の発芽率を図1に示した。対照区の95%に比べて本材施用区は100%で、発芽に対して何ら支障がなかった。
2011年1月28日の中間調査および3月15日の収穫調査における最大草丈、葉色、ポット当たり新鮮重、葉部の水分含有率(3月15日)および糖度(同)を図2〜6に示した。
草丈では、1月28日時点で、対照区に比べ本材施用の3区はいずれも生育がよい。化成肥料供試の対照区に比べて本材施用区は、約40%草丈が大きくなった。しかし、倍量施用の効果はさほど大きくなかった。収穫期では、差の幅が縮まった。
(1)コマツナ
播種の約1ヶ月後、12月10日の発芽率を図1に示した。対照区の95%に比べて本材施用区は100%で、発芽に対して何ら支障がなかった。
2011年1月28日の中間調査および3月15日の収穫調査における最大草丈、葉色、ポット当たり新鮮重、葉部の水分含有率(3月15日)および糖度(同)を図2〜6に示した。
草丈では、1月28日時点で、対照区に比べ本材施用の3区はいずれも生育がよい。化成肥料供試の対照区に比べて本材施用区は、約40%草丈が大きくなった。しかし、倍量施用の効果はさほど大きくなかった。収穫期では、差の幅が縮まった。
葉色(スパッド値)では、草丈同様に1月28日(生育盛期頃)の値は対照区に比べ本材施用区は勝った。すなわち生育が見かけ上、対照に比べ早く進むことを示している。対照区の化成肥料供試では、生育始め相対的に葉色は劣るが、収穫時には数値が大きくなった。
収穫時ポット当たりの新鮮重は、対照区に比べ本材の倍量区のみ1割方勝る傾向であった。本材施用区および堆肥併用区の両区は、対照区と差が殆どみられない。これは既述の草丈について観察したように、生育が対照区に比べて早いことによる結果と考えられる。すなわち、3月15日収穫では本材施用が収穫適期後であることを示している。
収穫時ポット当たりの新鮮重は、対照区に比べ本材の倍量区のみ1割方勝る傾向であった。本材施用区および堆肥併用区の両区は、対照区と差が殆どみられない。これは既述の草丈について観察したように、生育が対照区に比べて早いことによる結果と考えられる。すなわち、3月15日収穫では本材施用が収穫適期後であることを示している。
葉の水分含有率では、本材施用区ではいずれも値が低い。このことは生産者、消費者にとって、扱う重量が減少し、乾物重が増す点などではメリットと考えられる。
葉の糖度(Brix値)は、対照区が約3に対して、本材施用区は値が2大きく、いずれも甘いコマツナが生産されることが特徴的であった。
葉の糖度(Brix値)は、対照区が約3に対して、本材施用区は値が2大きく、いずれも甘いコマツナが生産されることが特徴的であった。
(2)蘇州青菜
播種後1ヶ月の発芽苗立率を図7に示した。これより本材を施用すると対照比本材区で−16%、倍量区で−27%発芽率が落ちる。しかし、堆肥を併用すると何ら問題はみられなかった。理由は、供試土壌の腐植含有率が低いため緩衝能が小さいこと、供試種子由来の性質など考えられる。
2011年1月28日および3月15日(刈取)の草丈を図8に示した。本材施用区、同堆肥併用区は対照区に比べて勝る傾向である。しかし、倍量区3月15日では、逆に若干抑えられる結果であった。
播種後1ヶ月の発芽苗立率を図7に示した。これより本材を施用すると対照比本材区で−16%、倍量区で−27%発芽率が落ちる。しかし、堆肥を併用すると何ら問題はみられなかった。理由は、供試土壌の腐植含有率が低いため緩衝能が小さいこと、供試種子由来の性質など考えられる。
2011年1月28日および3月15日(刈取)の草丈を図8に示した。本材施用区、同堆肥併用区は対照区に比べて勝る傾向である。しかし、倍量区3月15日では、逆に若干抑えられる結果であった。
葉色(図9)では、生育盛期頃1月28日には対照区に比べ本材区、同堆肥併用区はわずかに葉色が濃い傾向で、コマツナの結果と似ていた。
新鮮重(図10)では、対照区に比べ本材施用で10%、同堆肥併用で20%収穫量が増すと考察された。倍量施用の効果はみられなかった。
3月15日の葉中水分含有率を図11に示した。この供試蘇州青菜では、本材の施用は水分含有率に著しい影響を示さなかったが、堆肥併用区では若干同率が低い傾向を示した。これは、相対的にコマツナは種子が選抜進化しているのに比べ、蘇州青菜はこれが遅れているため、生理的に緩衝能が大きいこと、環境変化に鈍い、栽培し易いことが影響しているためと考察した。
新鮮重(図10)では、対照区に比べ本材施用で10%、同堆肥併用で20%収穫量が増すと考察された。倍量施用の効果はみられなかった。
3月15日の葉中水分含有率を図11に示した。この供試蘇州青菜では、本材の施用は水分含有率に著しい影響を示さなかったが、堆肥併用区では若干同率が低い傾向を示した。これは、相対的にコマツナは種子が選抜進化しているのに比べ、蘇州青菜はこれが遅れているため、生理的に緩衝能が大きいこと、環境変化に鈍い、栽培し易いことが影響しているためと考察した。
[むすび]
供試本材の作物に対する肥効をガラス室内で5,000分の1アールポットに砂壌土を3kg充填し、本材10g(窒素0.5g)施用条件(10a当たり表土深さ10cm、100tとみると本材約300kg強施用相当)で、コマツナと蘇州青菜を冬季比較栽培した。
その結果、化成肥料を施した対照区に比べて本材施用では、(1)生育の促進、(2)葉色が早く濃くなる、(3)葉が甘い(図12参照)、(4)水分含有率が低いなど充実した野菜のできることが分かった。
以上から、本材は環境保全型農業技術を配慮した安心、安全の野菜生産に貢献できる資材の1つであると考えられる。
供試本材の作物に対する肥効をガラス室内で5,000分の1アールポットに砂壌土を3kg充填し、本材10g(窒素0.5g)施用条件(10a当たり表土深さ10cm、100tとみると本材約300kg強施用相当)で、コマツナと蘇州青菜を冬季比較栽培した。
その結果、化成肥料を施した対照区に比べて本材施用では、(1)生育の促進、(2)葉色が早く濃くなる、(3)葉が甘い(図12参照)、(4)水分含有率が低いなど充実した野菜のできることが分かった。
以上から、本材は環境保全型農業技術を配慮した安心、安全の野菜生産に貢献できる資材の1つであると考えられる。
土壌改良効果を高めると共に長期間に亘って維持できるステビア含有の緩効性土壌活性化材に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
Claims (2)
- 少なくともステビア、アミノ酸、窒素肥料、リン酸肥料及びカリウム肥料を珪藻土と混合し、ペレット状に成形したことを特徴とする緩効性土壌活性化材。
- 更にビタミン及び有機酸も混合することを特徴とする請求項1に記載の緩効性土壌活性化材。
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---|---|---|---|
JP2011006507U JP3173053U (ja) | 2011-11-04 | 2011-11-04 | 緩効性土壌活性化材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016163427A1 (ja) * | 2015-04-07 | 2016-10-13 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 過湿による生育抑制を改善可能である植物の生育改善剤及び過湿による生育抑制の改善方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016163427A1 (ja) * | 2015-04-07 | 2016-10-13 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 過湿による生育抑制を改善可能である植物の生育改善剤及び過湿による生育抑制の改善方法 |
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