JP3172935U - 船舶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バラスト水処理装置を、コンテナ状の収容体50内に収容して、船舶後方の甲板54上に配設する。なお、バラスト水処理装置を収容するコンテナは、コンテナ船が使用するようなコンテナであっても、あるいはその他の箱状のものであっても、バラスト水処理装置を収容できればどのような形状、構造のものであってもよい。コンテナ状の収容体50にバラスト水処理装置を収容するので、船舶の構造を変更することなく、安価に搭載できる。また、バラストタンクとバラスト水処理装置は、適宜既存配管系も活用する等をして配管する。
【選択図】図5
Description
(2)バラスト水処理装置を船内に配置する場合、貨物積載量の確保や可燃性貨物の積載に伴う危険区画等を考慮すると、船体中央部分に配置することを避け、船首または船尾に配置することが望ましい。
(3)一般的な船舶設計では、バラストポンプ等の機器類は船尾の機関室に配置される。このため、船首にバラスト水処理装置を配置すると、船尾のバラストポンプ近傍に設けられた取水口から船首まで長距離の配管が必要となる。
バラスト水の取水時または排水時にバラスト水中の微生物類を処理して除去または死滅させるバラスト水処理装置を備えている船舶であって、前記バラスト水処理装置が船舶後方の舵取機室内に配設されていることを特徴とするものである。
このような船舶によれば、バラスト水処理装置を船舶後方の舵取機室内に配設するようにしたので、船体構造や船型を大きく変更することなく、船舶内の空間を有効に利用して種々のバラスト水処理装置を容易に設置することができる。
上記の船舶においては、前記バラスト水処理装置を前記舵取機室内の空間に設けたデッキに配設することが好ましく、これにより、舵取機室内の空間をより一層有効に利用して、すなわち、空間を立体的に有効利用して種々のバラスト水処理装置を設置することができる。
また、上記の船舶においては、前記バラスト水処理装置のバッファタンクとしてアフト・ピーク・タンク等の船尾部ボイドスペースを使用することが好ましく、これにより、バッファタンクを必要とする方式のバラスト水処理装置であっても、バッファタンクの新設が不要となる。
また、上記の船舶において、前記舵取機室は非防爆エリアであることが好ましく、これにより、各種制御機器や電気機器類の制約が少なくなる。
また、上記の船舶において、前記舵取機室はバラストポンプが設置される機関室に隣接していることが好ましく、これにより、バラスト水処理に伴う圧力損失を最小限に抑えることができる。
また、上記の船舶において、前記舵取機室は吃水よりも上方に位置することが好ましく、これにより、緊急時にバラスト水を容易に船外へ排水することができる。
バラスト水の取水時または排水時にバラスト水中の微生物類を処理して除去または死滅させるバラスト水処理装置を備えている船舶であって、前記バラスト水処理装置が船舶後方の非防爆エリアに配設されていることを特徴とするものである。
このような船舶によれば、バラスト水処理装置が船舶後方の非防爆エリアに配設されているので、船体構造や船型を大きく変更することなく、船舶後方の非防爆エリアを有効に利用して種々のバラスト水処理装置を容易に設置することができる。
「今後義務づけられるバラスト水処理装置を設置する際、船体設計や船型の大幅な変更を必要とせず、しかも、新造船や既存の船舶を改造して設置する場合においても、多種多様な船舶に対して、多種多様な方式のバラスト水処理装置を容易に設置可能となる。」というものである。
船首部2は、LNG船1の航行方向前方に位置する部分であり、船首側倉庫等が設けられている。船首部2の後方に配置された船体中央部3には、複数(図示の例では3基)のLNGタンク5が船体軸線に沿って配列されている。また、船体中央部3には、球形としたLNGタンク5の下部周辺に形成される空間を利用して、複数に分割されたバラストタンク6が船体の左右両側に形成されている。
居住区7は、船尾部4の上部前方に配置された空間部分であり、LNG船1の操舵室や乗員居室等が設けられている。
機関室8は、居住区7の下方に配置された空間部分であり、たとえばプロペラ11の駆動源となるエンジンやLNG船1内で使用する電力の発電設備など、各種の機械設備が設置されている。
舵取機室9は、機関室8の後方上部に配置された空間部分であり、LNG船1の舵(図示省略)を駆動させるための機械設備(舵取装置)等が設置されている。
ボイド10は、舵取機室9の下方または前方に形成された空間部分であり、船尾3の下部で船幅が絞られているため狭い空間となっている。このボイド10は、必要に応じてアフト・ピーク・タンク(aft peak tank)等の設置空間として利用される。
図1に示すバラスト水処理装置20は、第1処理ユニット21及び第2処理ユニット22を備えている。この場合の第1処理ユニット21及び第2処理ユニット22は、必要な処理能力をふたつのユニットに分割して配置したものであり、いずれのユニットも舵取機室9内に配置されている。なお、バラスト水処理装置20については、第1処理ユニット21及び第2処理ユニット22に分割する構成に限定されることはなく、処理方式や諸条件に応じて適宜変更可能である。
バラスト水処理装置20は、取水口12から取水したバラストをバラストタンク6へ供給するバラスト水配管系統14と処理装置入口側配管系統15、処理装置出口側配管系統16を介して連結されている。
図2及び図3は、バラスト水処理装置20、バラストポンプ13の運転により取水口12からバラストタンク6へバラスト水を供給するバラスト水配管系統14、そして、バラスト水処理装置20とバラスト水配管系統14との間を連結する処理水配管系統15の構成例を示す配管系統図である。なお、図2及び図3において、図中の符号17はバラスト水の排水口、V1〜V7は開閉弁、CV1は逆止弁を示している。
図2に示すバラスト水の取水時には、バラストポンプ13を運転することにより取水口12よりバラスト水が吸入される。取水口12より吸入されたバラスト水は、開状態の開閉弁V1を備えたバラスト水配管14a及びバラスト水配管14bを通ってバラストポンプ13内に流入する。このバラスト水はバラストポンプ13により加圧送水され、逆止弁CV1を備えたバラスト水配管14b及び処理装置入口側配管15aを通ってバラスト水処理装置20へ供給される。
なお、バラスト水処理装置20がバッファタンクを用いる場合は、処理装置出口側配管系統16の代わりに、バッファタンク用取水口12’と処理済水移送ポンプ13’、処理済水移送配管系統16’を介して連結されることとなり、バラスト水の流れとしてはその箇所のみ変更となる。
図3に示すバラスト水の排水時には、バラストポンプ13を運転することにより、バラストタンク6内のバラスト水が吸入される。バラストタンク6より吸入されたバラスト水は、バラスト水配管14e、開状態の開閉弁V3を備えたバラスト水配管14f及びバラスト水配管14bを通ってバラストポンプ13内に流入する。このバラスト水はバラストポンプ13により加圧送水され、逆止弁CV1を備えたバラスト水配管14b及び開閉弁V4、V5を備えたバラスト水配管14gを通って排水口17より船外へ排水される。
ところで、上述した説明では、バラスト水の取水時にバラスト水処理装置20を通して微生物類を処理しているが、排水時に処理するようにしてもよい。
一方、舵取機室9は機関室8に隣接し、しかも、プロペラ11及び舵の直上に位置しているので、これらの駆動に起因する振動対策等から比較的広い空間が設けられている。このため、舵取機室9の内部には、バラスト水処理装置20の設置が可能となる大きな設置空間を容易に確保することができる。すなわち、舵取機室9には、船体構造や船型を大きく変更することなく、バラスト水処理装置20の設置に必要な空間を容易に確保することができる。
すなわち、バラスト水の取水または排水は、船舶が港に停船して荷役作業を行う際に実施されるので、バラスト水処理装置20の運転時には船舶航行用のエンジンや舵が駆動されることはなく、従って、舵取機室9は、バラスト水処理装置20の運転時に周囲の振動を考慮する必要はなく、バラスト水処理装置20の設置場所としては最適である。なお、要すれば航海中にも処理することがあるが、これを否定するものではない。
特に、既存船に適用する場合には、機関室8を改造してバラスト水処理装置20を設置することは、船体構造の大規模な改造工事が必要となる。このような改造工事は、コストや工事期間の増大を伴うものであるから、機関室8をバラスト水処理装置20の設置場所とすることには問題が多くきわめて困難である。
また、舵取機室9は船内空間であるから、海洋環境下における波浪や風雨に対する腐食対策を施す必要がなく、この点でもバラスト水処理装置20の設置場所に適している。
なお、図1に示す構成例では、デッキ30の上に第1処理ユニット21を設置しているが、特に限定されるものではない。
このような構成とすれば、ボイド10の空間を有効利用してバッファタンクの設置スペースを容易に確保できる。すなわち、バッファタンクは単にバラスト水を貯蔵するものであるから、船尾に位置して複雑な形状となるボイド10内であっても、空間形状の制約を受けることなく有効利用が可能である。
また、大気開放型のバラスト水処理装置20の場合、その構成上万が一の際に備え船舶の喫水線40以下に設置することは避けるべきである。一方、バラストタンク6の頂部以上にバラスト水処理装置20を設置しかつ既存のバラストポンプ13を利用する場合はバラストポンプ13の吐出圧力を上げる等の余分な改造が必要となり無駄が生じる。よって、大気開放型のバラスト水処理装置20の場合は、船舶の吃水線40より上方かつバラストタンク6の頂部より下方に位置する舵取機室9に設置することは極めて合理的であると言える。
また、舵取機室9は非防爆エリアであるから、各種制御機器や電気機器類の制約が少なくてすむという利点もある。
また、舵取機室9は、船舶の吃水より上方に位置するため、緊急時においてはバラスト水を容易に船外へ排水できるという利点もある。
4:船尾部
6:バラストタンク
7:居住区
8:機関室
9:舵取機室
10:ボイド
12:取水口
12’:バッファタンク用取水口
13:バラストポンプ
13’:処理済水移送ポンプ
14:バラスト水配管系統
15:処理装置入口側配管系統
16:処理装置出口側配管系統
16’:処理済水移送配管系統
17:排水口
20:バラスト水処理装置
30:デッキ
40:吃水線
50:バラスト水処理装置を収容したコンテナ
51:船体
52:操舵室
53:居住区
54:甲板
55:ファンネル
56:機関室
57:ラダー
Claims (4)
- バラスト水処理装置を備えている船舶であって、
前記バラスト水処理装置を、コンテナ状の収容体内に収容して、船舶後方の甲板上に配設してなることを特徴とする船舶。 - 前記バラスト水処理装置を、居住区上の甲板上に配設してなることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
- 前記バラスト水処理装置を、操舵機室上の甲板上に配設してなることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
- 前記バラスト水処理装置を、バラストポンプの真上に位置する甲板上に配設してなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の船舶。
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