JP3172935U - 船舶 - Google Patents

船舶 Download PDF

Info

Publication number
JP3172935U
JP3172935U JP2011006402U JP2011006402U JP3172935U JP 3172935 U JP3172935 U JP 3172935U JP 2011006402 U JP2011006402 U JP 2011006402U JP 2011006402 U JP2011006402 U JP 2011006402U JP 3172935 U JP3172935 U JP 3172935U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ballast water
ship
water treatment
ballast
treatment device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011006402U
Other languages
English (en)
Inventor
邦治 文田
正洋 重松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oshima Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Oshima Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oshima Shipbuilding Co Ltd filed Critical Oshima Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2011006402U priority Critical patent/JP3172935U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3172935U publication Critical patent/JP3172935U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

【課題】種々の方式のバラスト水処理装置を、余裕空間が小さい船舶においても、容易に設置可能とする船舶構造を提供する。
【解決手段】バラスト水処理装置を、コンテナ状の収容体50内に収容して、船舶後方の甲板54上に配設する。なお、バラスト水処理装置を収容するコンテナは、コンテナ船が使用するようなコンテナであっても、あるいはその他の箱状のものであっても、バラスト水処理装置を収容できればどのような形状、構造のものであってもよい。コンテナ状の収容体50にバラスト水処理装置を収容するので、船舶の構造を変更することなく、安価に搭載できる。また、バラストタンクとバラスト水処理装置は、適宜既存配管系も活用する等をして配管する。
【選択図】図5

Description

本考案は、船舶のバラスト水に含まれる微生物類を処理して除去、死滅させるためのバラスト水処理装置を備えた船舶に関する。
特許文献1には以下の開示がある。ただし、特許文献1において先行技術として提示された「特許文献1:特開2003−200156号公報」については、特許文献2として記載した。
船舶のバラスト水は、船体の姿勢制御や復原性確保のためにバラストタンクに積載される海水または淡水であり、船舶の安全運航上欠くことのできないものである。このバラスト水は、空船時にポンプでバラスト水を吸い込んでバラストタンク内に積載(取水)し、貨物を積み込む港において積荷の進行に合わせて排出(排水)される。上述したバラスト水には、種々の微生物類(水生生物)が含まれている。この微生物類には、微小な生物(バクテリア等の微生物やプランクトン等の浮遊生物等)に加えて、魚類等の卵や幼生等も含まれる。
従って、バラスト水は積載地と異なる港(水域)に排水されることとなるため、バラスト水とともに移動した微生物類が新たな環境に定着すれば、その水域の生態系や水産業等の経済活動に影響を与えることが懸念される。また、バラスト水とともに移動した一部の病原菌は、人体の健康に直接影響を与えることも懸念される。このため、国際海事機関(International Maritime Organization:IMO)においては、バラスト水に含まれる微生物類の管理に関する条約が批准され、バラスト水の取水時または排水時に微生物類を除去または死滅させることが求められる。
このようなバラスト水中の微生物類を除去または死滅させる装置としては、流路内に設けたスリット板をバラスト水が所定流速以上で通過するようにして、スリット通過により乱れた流れの内部に存在する剪断現象(場所による流速の急激な差)を利用し、この剪断により液中の微生物を破壊して殺減する液中微生物殺滅装置が提案されている。また、スリット位置をずらしたスリット板を前後に配置しておき、前のスリット板で剪断により破壊されなかった微生物については、前のスリット板で発生させたキャビテーションを後側のスリット板で潰す際に生じる衝撃圧を利用して破壊することにより、さらに殺減させるようにした液中微生物殺滅装置も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
ところで、上述したバラスト水処理装置は、荷役の進行と略同時に吸入または排水されるバラスト水を処理するものであるから、高い処理速度(たとえば、大型原油タンカーの場合には7000m3/hr程度)が求められる。このため、バラスト水処理装置自体が大型化する傾向にあり、船舶にバラスト水処理装置の適当な設置場所を確保することは、下記の理由により困難な状況にある。
(1)バラスト水処理装置は、電気や薬剤などを使用する高度な処理レベルが求められるため、海洋環境下での波浪・風雨に対する耐食性を考慮すると、甲板等の船外よりも船内に設置することが好ましい。
(2)バラスト水処理装置を船内に配置する場合、貨物積載量の確保や可燃性貨物の積載に伴う危険区画等を考慮すると、船体中央部分に配置することを避け、船首または船尾に配置することが望ましい。
(3)一般的な船舶設計では、バラストポンプ等の機器類は船尾の機関室に配置される。このため、船首にバラスト水処理装置を配置すると、船尾のバラストポンプ近傍に設けられた取水口から船首まで長距離の配管が必要となる。
このように、今後設置が義務づけられるバラスト水処理装置について、船体設計の大幅な変更を必要とせず、しかも、新造船に設置する場合はもとより、既存の船舶を改造して設置する場合にも容易に適用可能な構造の船舶が望まれる。すなわち、新造船や既存船の区別がなく、しかも、タンカー(LPG船、LNG船、油送船等)、貨物船(コンテナ船、ロールオン/ロールオフ船、一般貨物船等)及び専用船(ばら積貨物船、鉱石運搬船、自動車運搬船等)等のように多種多様な船舶(特に一般商船)に対して、多種多様な方式のバラスト水処理装置を船内適所に容易に設置可能とする構造の船舶が望まれている。
そこで特許文献1では、多種多様な船舶に対して、多種多様な方式のバラスト水処理装置を船内適所に容易に設置可能とする船舶を提供するために、以下を提案している。
特許文献1の特許請求の範囲に記載された船舶は、以下のようなものである。
バラスト水の取水時または排水時にバラスト水中の微生物類を処理して除去または死滅させるバラスト水処理装置を備えている船舶であって、前記バラスト水処理装置が船舶後方の舵取機室内に配設されていることを特徴とするものである。
このような船舶によれば、バラスト水処理装置を船舶後方の舵取機室内に配設するようにしたので、船体構造や船型を大きく変更することなく、船舶内の空間を有効に利用して種々のバラスト水処理装置を容易に設置することができる。
上記の船舶においては、前記バラスト水処理装置を前記舵取機室内の空間に設けたデッキに配設することが好ましく、これにより、舵取機室内の空間をより一層有効に利用して、すなわち、空間を立体的に有効利用して種々のバラスト水処理装置を設置することができる。
また、上記の船舶においては、前記バラスト水処理装置のバッファタンクとしてアフト・ピーク・タンク等の船尾部ボイドスペースを使用することが好ましく、これにより、バッファタンクを必要とする方式のバラスト水処理装置であっても、バッファタンクの新設が不要となる。
また、上記の船舶において、前記舵取機室は非防爆エリアであることが好ましく、これにより、各種制御機器や電気機器類の制約が少なくなる。
また、上記の船舶において、前記舵取機室はバラストポンプが設置される機関室に隣接していることが好ましく、これにより、バラスト水処理に伴う圧力損失を最小限に抑えることができる。
また、上記の船舶において、前記舵取機室は吃水よりも上方に位置することが好ましく、これにより、緊急時にバラスト水を容易に船外へ排水することができる。
バラスト水の取水時または排水時にバラスト水中の微生物類を処理して除去または死滅させるバラスト水処理装置を備えている船舶であって、前記バラスト水処理装置が船舶後方の非防爆エリアに配設されていることを特徴とするものである。
このような船舶によれば、バラスト水処理装置が船舶後方の非防爆エリアに配設されているので、船体構造や船型を大きく変更することなく、船舶後方の非防爆エリアを有効に利用して種々のバラスト水処理装置を容易に設置することができる。
このような記載をなした特許文献1では、その発明の効果として以下のように記載している。すなわち、
「今後義務づけられるバラスト水処理装置を設置する際、船体設計や船型の大幅な変更を必要とせず、しかも、新造船や既存の船舶を改造して設置する場合においても、多種多様な船舶に対して、多種多様な方式のバラスト水処理装置を容易に設置可能となる。」というものである。
そして特許文献1では、その発明に係る船舶の一実施形態を図面に基づいて以下のように説明している。
図4は、船舶の一例としてLNG船1の船体構造を示す図である。このLNG船1は、船体前方より順に、船首部2、船体中央部3及び船尾部4に分類される。
船首部2は、LNG船1の航行方向前方に位置する部分であり、船首側倉庫等が設けられている。船首部2の後方に配置された船体中央部3には、複数(図示の例では3基)のLNGタンク5が船体軸線に沿って配列されている。また、船体中央部3には、球形としたLNGタンク5の下部周辺に形成される空間を利用して、複数に分割されたバラストタンク6が船体の左右両側に形成されている。
船体中央部3の後方となる船尾部4には、たとえば図1に示すように、居住区7と、機関室8と、舵取機室9と、ボイド10とが設けられている。なお、図中の符号11は、LNG船1の船尾に設けられた船舶推進用のプロペラである。
居住区7は、船尾部4の上部前方に配置された空間部分であり、LNG船1の操舵室や乗員居室等が設けられている。
機関室8は、居住区7の下方に配置された空間部分であり、たとえばプロペラ11の駆動源となるエンジンやLNG船1内で使用する電力の発電設備など、各種の機械設備が設置されている。
舵取機室9は、機関室8の後方上部に配置された空間部分であり、LNG船1の舵(図示省略)を駆動させるための機械設備(舵取装置)等が設置されている。
ボイド10は、舵取機室9の下方または前方に形成された空間部分であり、船尾3の下部で船幅が絞られているため狭い空間となっている。このボイド10は、必要に応じてアフト・ピーク・タンク(aft peak tank)等の設置空間として利用される。
上述したLNG船1の適所には、バラスト水処理装置20が設けられている。このバラスト水処理装置20は、船体の姿勢制御や復原性確保を目的としてバラストタンク6に積載されるバラスト水に含まれる種々の微生物類を除去または死滅させる装置である。すなわち、バラスト水処理装置20は、積み荷の状態等に応じてバラストタンク6内に取水したバラスト水が貨物の積載量を増すにつれて排水されることから、バラスト水に含まれる微生物類を除去または死滅させた状態で排水できるように取水時または排水時に処理して、取水港周辺に生息する微生物類が他の海域に排水されて生態系に影響を及ぼすことを防止するための装置である。
上述したバラスト水処理装置20は、船舶後方となる船尾部4の舵取機室9内に配置されている。
図1に示すバラスト水処理装置20は、第1処理ユニット21及び第2処理ユニット22を備えている。この場合の第1処理ユニット21及び第2処理ユニット22は、必要な処理能力をふたつのユニットに分割して配置したものであり、いずれのユニットも舵取機室9内に配置されている。なお、バラスト水処理装置20については、第1処理ユニット21及び第2処理ユニット22に分割する構成に限定されることはなく、処理方式や諸条件に応じて適宜変更可能である。
図1において、図中の符号12はバラスト水の取水口、13はバラストポンプを示しており、取水口12から取水したバラスト水は、バラスト水配管系統14を通ってバラストタンク6へ供給される。
バラスト水処理装置20は、取水口12から取水したバラストをバラストタンク6へ供給するバラスト水配管系統14と処理装置入口側配管系統15、処理装置出口側配管系統16を介して連結されている。
図2及び図3は、バラスト水処理装置20、バラストポンプ13の運転により取水口12からバラストタンク6へバラスト水を供給するバラスト水配管系統14、そして、バラスト水処理装置20とバラスト水配管系統14との間を連結する処理水配管系統15の構成例を示す配管系統図である。なお、図2及び図3において、図中の符号17はバラスト水の排水口、V1〜V7は開閉弁、CV1は逆止弁を示している。
また、図2及び図3の配管系統例では、バラスト水処理装置20が1ユニットとされ、図2は取水時の流れを示し、図3は排水時の流れを示している。
図2に示すバラスト水の取水時には、バラストポンプ13を運転することにより取水口12よりバラスト水が吸入される。取水口12より吸入されたバラスト水は、開状態の開閉弁V1を備えたバラスト水配管14a及びバラスト水配管14bを通ってバラストポンプ13内に流入する。このバラスト水はバラストポンプ13により加圧送水され、逆止弁CV1を備えたバラスト水配管14b及び処理装置入口側配管15aを通ってバラスト水処理装置20へ供給される。
上述した逆止弁CV1は、バラストポンプ13からバラスト水処理装置20へ向かう方向(図中に矢印で示す方向)の流れのみを許容する。また、このようなバラスト水の取水時においては、処理水配管15aに設けた開閉弁V6が開とされ、バラスト水配管14cに設けた開閉弁V2、バラスト水配管14fに設けた開閉弁V3及びバラスト水配管14gに設けた開閉弁V4、V5は全て閉とされる。バラスト水処理装置20に供給されたバラスト水は、バラスト水内に含まれる微生物類を除去または死滅させる処理を受けた後、開閉弁V7、処理装置出口側配管16、バラスト水配管14d及びバラスト水配管14eを通ってバラストタンク6に積載される。従って、バラストタンク6内には、微生物類が除去または死滅させられた状態のバラスト水が積載されることとなる。
なお、バラスト水処理装置20がバッファタンクを用いる場合は、処理装置出口側配管系統16の代わりに、バッファタンク用取水口12’と処理済水移送ポンプ13’、処理済水移送配管系統16’を介して連結されることとなり、バラスト水の流れとしてはその箇所のみ変更となる。
続いて、バラスト水の排水時について、図3を参照して説明する。なお、この排水時には、開閉弁V1、V6、V7が開から閉とされ、開閉弁V3、V4、V5が閉から開に変更される。
図3に示すバラスト水の排水時には、バラストポンプ13を運転することにより、バラストタンク6内のバラスト水が吸入される。バラストタンク6より吸入されたバラスト水は、バラスト水配管14e、開状態の開閉弁V3を備えたバラスト水配管14f及びバラスト水配管14bを通ってバラストポンプ13内に流入する。このバラスト水はバラストポンプ13により加圧送水され、逆止弁CV1を備えたバラスト水配管14b及び開閉弁V4、V5を備えたバラスト水配管14gを通って排水口17より船外へ排水される。
このようにして、バラスト水の取水時にバラスト水中の微生物類を除去または死滅させる処理を施すことで、バラストスタンク6内に積載されるバラスト水は微生物類が生息していないものと同等と見なせる。従って、LNG船1がバラスト水を積載して積荷の積載港へ航行し、同港で積載作業の進行に合わせてバラスト水を船外へ排水しても、積載港周辺水域の生態系に影響を及ぼすことはない。
ところで、上述した説明では、バラスト水の取水時にバラスト水処理装置20を通して微生物類を処理しているが、排水時に処理するようにしてもよい。
さて、上述したバラスト水処理装置20は、LNG船1の後方となる舵取機室9内に配置されている。このバラスト水処理装置20は、荷役の進行に合わせて取水または排水されるバラスト水を処理するため、高い処理速度が求められて大型化する。このため、バラスト水処理装置20の設置には、大きなスペースが必要となる。また、バラスト水処理装置20には、種々の方式が存在するため、現状では大きな設置スペースが必要なことに変わりはないものの、設置スペースとして求められる条件(形状等)は多種多様となる。
LNG船1のような通常の船舶は、プロペラ11及び航行用エンジンが船体後方に配置されている。このため、バラストポンプ13は、特別な事情がなければ船体後方の機関室8内に設置される。従って、バラスト水処理装置20は、配管長及び配管設置スペースの増加を抑制するため、バラストポンプ13の近傍に設置することが望ましい。
一方、舵取機室9は機関室8に隣接し、しかも、プロペラ11及び舵の直上に位置しているので、これらの駆動に起因する振動対策等から比較的広い空間が設けられている。このため、舵取機室9の内部には、バラスト水処理装置20の設置が可能となる大きな設置空間を容易に確保することができる。すなわち、舵取機室9には、船体構造や船型を大きく変更することなく、バラスト水処理装置20の設置に必要な空間を容易に確保することができる。
具体的に説明すると、舵取機室9の空間は、上述した振動の問題があるため、通常機器類の設置に適さない場所(空間)として残されている。しかし、バラスト水処理装置20は、主としてLNG船1の停船時に使用されるものであるから、上述した振動のない状態での使用が可能となる。本発明者らは、上述した船舶構造に着目し、舵取機室9がバラスト水処理装置20の設置場所として最適であること発見したものである。
すなわち、バラスト水の取水または排水は、船舶が港に停船して荷役作業を行う際に実施されるので、バラスト水処理装置20の運転時には船舶航行用のエンジンや舵が駆動されることはなく、従って、舵取機室9は、バラスト水処理装置20の運転時に周囲の振動を考慮する必要はなく、バラスト水処理装置20の設置場所としては最適である。なお、要すれば航海中にも処理することがあるが、これを否定するものではない。
バラストポンプ13の近傍という観点では、バラスト水処理装置20を機関室8内に設置することも考えられる。しかし、通常の船舶設計における機関室8内は、メンテナンスや操作性を考慮すると、特別な要件がある場合を除いて種々の機器類を配置する場所とされる。しかも、機関室8の内部は、通行性や作業性を考慮するとともに、機器類の設置及メンテナンスを可能にする必要最小限の空間を確保しているのが実情であり、実質的には余分な空間は存在しない。従って、機関室8内にバラスト水処理装置20を設置しようとすれば、機関室8を大型化するように船殻設計を変更するなど、船体構造や船型の大幅な変更が必要となる。
特に、既存船に適用する場合には、機関室8を改造してバラスト水処理装置20を設置することは、船体構造の大規模な改造工事が必要となる。このような改造工事は、コストや工事期間の増大を伴うものであるから、機関室8をバラスト水処理装置20の設置場所とすることには問題が多くきわめて困難である。
また、舵取機室9は、機関室8の上部に配置された乗員の居住区7から近く、作業時等のアクセス面でも有利になる。このような観点から見ても、舵取機室9はバラスト水処理装置20の設置場所に適している。
また、舵取機室9は船内空間であるから、海洋環境下における波浪や風雨に対する腐食対策を施す必要がなく、この点でもバラスト水処理装置20の設置場所に適している。
また、舵取機室9は、舵取装置の上方に比較的大きな上部空間が存在するので、たとえば図1に示すように、この空間の中間位置等にデッキ30を形成してバラスト水処理装置20を設置することも可能である。このような構成は、舵取機室9内の空間を立体的に有効利用できるので、たとえば図1に示すように、第1処理ユニット21をデッキ30上に設置し、第2処理ユニット22を舵取機室9の床面上に設置するというような分割構造を容易にする。従って、構成及び形状等が異なる各種方式のバラスト水処理装置20を設置する際には、諸条件に応じた柔軟な対応が可能となる。
なお、図1に示す構成例では、デッキ30の上に第1処理ユニット21を設置しているが、特に限定されるものではない。
また、バラスト水処理装置20を舵取機室9に設置すると、バラスト水処理装置20がバッファタンクを必要とする方式の場合、近傍にあるボイド10に設置されるアフト・ピーク・タンク等をバッファタンクとして利用することができる。
このような構成とすれば、ボイド10の空間を有効利用してバッファタンクの設置スペースを容易に確保できる。すなわち、バッファタンクは単にバラスト水を貯蔵するものであるから、船尾に位置して複雑な形状となるボイド10内であっても、空間形状の制約を受けることなく有効利用が可能である。
また、大気開放型のバラスト水処理装置20の場合、その構成上万が一の際に備え船舶の喫水線40以下に設置することは避けるべきである。一方、バラストタンク6の頂部以上にバラスト水処理装置20を設置しかつ既存のバラストポンプ13を利用する場合はバラストポンプ13の吐出圧力を上げる等の余分な改造が必要となり無駄が生じる。よって、大気開放型のバラスト水処理装置20の場合は、船舶の吃水線40より上方かつバラストタンク6の頂部より下方に位置する舵取機室9に設置することは極めて合理的であると言える。
このように、上述した本発明の船舶によれば、今後設置が義務づけられるバラスト水処理装置20について、船体設計や船型の大幅な変更を必要とせず、しかも、新造船や既存の船舶を改造して設置する場合においても、多種多様な船舶に対して、多種多様な方式のバラスト水処理装置を容易に設置することができる。すなわち、本発明は、船舶としては必要である舵取機室9の空間を有効に利用し、配置上の制約や他の船舶構造に及ぼす影響が小さい舵取機室9が、船舶におけるバラスト水処理装置20の最適な設置場所であることを見いだしたものである。
また、舵取機室9は、バラストポンプ13が設置される機関室8に隣接して近いため、処理装置入口側配管系統15及び処理装置出口側配管系統16に必要となる配管長及び配管設置スペースが少なくてすみ、バラスト水処理に伴う圧力損失も最小限に抑えることができる。
また、舵取機室9は非防爆エリアであるから、各種制御機器や電気機器類の制約が少なくてすむという利点もある。
また、舵取機室9は、船舶の吃水より上方に位置するため、緊急時においてはバラスト水を容易に船外へ排水できるという利点もある。
ところで、特許文献1に開示されているような船舶へのバラスト水処理装置の配置構造は、実現性の点で問題なしとは言えないものであることが明らかである。すなわち、船舶の操舵機室は、船体自体の大きさにかかわらず実に狭い空間であり、エアコンプレッサ、酸素発生機、オゾン発生機等々種々の装置を必要とする今日のバラスト水処理装置を配設するにはまったく無理な場所であるからである。
そこで本考案は、無理なく船舶にバラスト水処理装置を搭載できるようにすることを目的とする。
本考案の船舶は、バラスト水処理装置を備えている船舶であって、前記バラスト水処理装置を、コンテナ状の収容体内に収容して、船舶後方の甲板上に配設してなることを特徴とする。なお、バラスト水処理装置を収容するコンテナは、コンテナ船が使用するようなコンテナであっても、あるいはその他の箱状のものであっても、バラスト水処理装置を収容できればどのような形状、構造のものであってもよい。
本考案によれば、種々の方式のバラスト水処理装置を、余裕空間が小さい船舶において、容易に設置可能とすることができる。
特許文献1に記載された発明にかかる船舶の一実施形態としての、バラスト水処理装置を設けた船舶の船尾部拡大図 同じく、バラスト水処理装置の取水時系統図 同じく、バラスト水処理装置の排水時系統図 同じく、船舶の一例としてLNG船の全体構成例を示す図 本考案に係る船舶の一実施形態として、バラスト水処理装置をコンテナに収容して設けた船舶の船尾部拡大図
以下、本考案の実施形態を図面を参照して説明する。なお以下では、図1〜図4で示した例と同一ないし類似の部分には共通する符号を付し、重複する説明は省略する。また、バラスト水処理装置は、先に説明した先行技術のものと同様に、船体の姿勢制御や復原性確保を目的としてバラストタンク6に積載されるバラスト水に含まれる種々の微生物類を除去または死滅させる装置である。ただし、現在提案されている種々の方式、構造のバラスト水処理装置のいずれであっても良い。
本実施形態のバラスト水処理装置20は、図5で示すように、例えば鋼製のコンテナ50内に収容され、船体51上に位置する操舵室52の後方で、操舵室52の下方に設けられた居住区53上の甲板54上であって、ファンネル55の脇に配置されている。なお図5中で56は機関室、57はラダーである。
図5に示すように、バラスト水処理装置20を入れたコンテナ50は、バラストポンプ13の真上に設けてあり、取水口12から取水したバラスト水は、バラスト水配管系統14を通ってコンテナ50内部のバラスト水処理装置20に導かれ、所要の処理を受けた後、処理装置入口側配管系統15を介してバラストタンク6へ供給されるようになっている。
なお、バラスト水処理のための配管系統の詳細な図示は省略するが、図1〜図4に示した例と基本的には同様の構成とすれば良く、また、搭載する船舶の構造に合わせて適宜の配管系統を配設し、あるいは既存の配管系とを利用するなどすればよい。
本実施形態の装置においても、取水したバラスト水中の微生物類を除去、死滅させる処理を行い、バラスト水には微生物類がほぼ生息していないものと同等と見なせるようにする。なお図示の実施形態では、取水時にバラスト水を処理しているが、排水時に処理するようにしてもよい。その場合、図示していない取水口からバラストタンクへ取水し、図示の実施形態の配管系とは水の進行方向が逆になり、バラスト水処理装置20を通って図示の取水口12に代えて設けた排水口から排水されることになる。
また本考案は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本考案の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1:LNG船
4:船尾部
6:バラストタンク
7:居住区
8:機関室
9:舵取機室
10:ボイド
12:取水口
12’:バッファタンク用取水口
13:バラストポンプ
13’:処理済水移送ポンプ
14:バラスト水配管系統
15:処理装置入口側配管系統
16:処理装置出口側配管系統
16’:処理済水移送配管系統
17:排水口
20:バラスト水処理装置
30:デッキ
40:吃水線
50:バラスト水処理装置を収容したコンテナ
51:船体
52:操舵室
53:居住区
54:甲板
55:ファンネル
56:機関室
57:ラダー
特許第4509156号公報 特開2003−200156号公報

Claims (4)

  1. バラスト水処理装置を備えている船舶であって、
    前記バラスト水処理装置を、コンテナ状の収容体内に収容して、船舶後方の甲板上に配設してなることを特徴とする船舶。
  2. 前記バラスト水処理装置を、居住区上の甲板上に配設してなることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
  3. 前記バラスト水処理装置を、操舵機室上の甲板上に配設してなることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
  4. 前記バラスト水処理装置を、バラストポンプの真上に位置する甲板上に配設してなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の船舶。
JP2011006402U 2011-10-28 2011-10-28 船舶 Expired - Fee Related JP3172935U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006402U JP3172935U (ja) 2011-10-28 2011-10-28 船舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011006402U JP3172935U (ja) 2011-10-28 2011-10-28 船舶

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3172935U true JP3172935U (ja) 2012-01-12

Family

ID=48000242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011006402U Expired - Fee Related JP3172935U (ja) 2011-10-28 2011-10-28 船舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3172935U (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013146125A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 三菱重工業株式会社 輸送用コンテナを利用したバラスト水処理装置
WO2013153670A1 (ja) * 2012-04-13 2013-10-17 株式会社 商船三井 船舶及びバラスト水処理装置
JP2014139045A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Shin Kurushima Dockyard Co Ltd 船舶構造
JP2015533723A (ja) * 2012-10-23 2015-11-26 ソンポー インダストリイズ カンパニー リミテッドSunbo Industries Co.,Ltd 船舶のバラスト水処理システム
JPWO2013153670A1 (ja) * 2012-04-13 2015-12-17 株式会社 商船三井 船舶及びバラスト水処理装置
JP2016502476A (ja) * 2012-10-23 2016-01-28 ソンポー インダストリイズ カンパニー リミテッドSunbo Industries Co.,Ltd 船舶のバラスト水処理システム
JP2017105449A (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 テクロス インク.Techcross Inc. 船舶平衡水の処理装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013146125A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 三菱重工業株式会社 輸送用コンテナを利用したバラスト水処理装置
JP2013208535A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 輸送用コンテナを利用したバラスト水処理装置
CN104144882A (zh) * 2012-03-30 2014-11-12 三菱重工业株式会社 利用运输用集装箱的压载水处理装置
CN104144882B (zh) * 2012-03-30 2017-06-09 三菱重工业株式会社 利用运输用集装箱的压载水处理装置
WO2013153670A1 (ja) * 2012-04-13 2013-10-17 株式会社 商船三井 船舶及びバラスト水処理装置
CN103459246A (zh) * 2012-04-13 2013-12-18 株式会社商船三井 船舶及压载水处理装置
JPWO2013153670A1 (ja) * 2012-04-13 2015-12-17 株式会社 商船三井 船舶及びバラスト水処理装置
JP2015533723A (ja) * 2012-10-23 2015-11-26 ソンポー インダストリイズ カンパニー リミテッドSunbo Industries Co.,Ltd 船舶のバラスト水処理システム
JP2016502476A (ja) * 2012-10-23 2016-01-28 ソンポー インダストリイズ カンパニー リミテッドSunbo Industries Co.,Ltd 船舶のバラスト水処理システム
JP2014139045A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Shin Kurushima Dockyard Co Ltd 船舶構造
JP2017105449A (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 テクロス インク.Techcross Inc. 船舶平衡水の処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4509156B2 (ja) 船舶
JP2009067253A5 (ja)
JP3172935U (ja) 船舶
JP5562186B2 (ja) 船舶のバラスト処理水の循環システム
KR101358611B1 (ko) 선박의 부력제어시스템
JP5798797B2 (ja) 液化燃料輸送船及び船舶の改造方法、船舶並びに液化燃料輸送船
KR101351302B1 (ko) 선박의 밸러스트수 처리시스템
JP2013056621A (ja) コンテナ船におけるバラスト水処理装置の設置構造及び設置方法
WO2013153670A1 (ja) 船舶及びバラスト水処理装置
CN216783833U (zh) 船舶结构
KR101351301B1 (ko) 선박의 밸러스트수 처리시스템
JPWO2011058954A1 (ja) 海洋生物付着防止装置及び海洋生物付着防止方法
KR101411494B1 (ko) 횡동요 저감형 선박
CN216783834U (zh) 船舶结构
JP6992942B2 (ja) ばら積み貨物船
JP2012179983A (ja) バラスト水処理システム、船舶および浮体式構造物
KR101245658B1 (ko) 선박의 밸러스트 운용 시스템
KR101167935B1 (ko) 해수교환이 가능한 선박
KR101835538B1 (ko) 평형수 순환 시스템을 이용한 선박
CN102407922B (zh) 船舶结构
JP6203792B2 (ja) バラスト水処理システム
KR101611186B1 (ko) 밸러스트 수 처리장치의 작동 구역에 따른 밸러스트 구동시스템 및 이를 가지는 해양플랜트
CN115083210A (zh) 船舶控制系统
JP2010280339A (ja) 船舶
KR20130061824A (ko) 밸러스트수 공급 시스템 및 그의 구동방법

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3172935

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141214

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees