JP3172730B2 - 不純物溶出の少ない熱交換器 - Google Patents

不純物溶出の少ない熱交換器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超純水を処理する不純物
溶出の少ない熱交換器、特に超純水を加熱して温超純水
を製造するのに適したプレート型熱交換器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図4は温超純水製造装置のフロー図であ
り、図において、31は熱回収用熱交換器、32は加熱
用熱交換器、33は限外濾過膜装置、34はユースポイ
ントである。温超純水の製造方法は、超純水を熱回収用
熱交換器31でリターン純水と熱交換して熱回収し、加
熱用熱交換器32で蒸気により加熱し、限外濾過膜装置
33で不純物を除去して製造され、ユースポイント34
に送り使用される。
【0003】上記の熱交換器31、32はプレート型熱
交換器が用いられており、その熱交換材として、従来は
ステンレス鋼、チタン、フッ素樹脂などからなる熱交換
器が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが超純水は、イ
オン交換装置等を含む一次純水システムにより塩類等の
不純物を除去した一次純水を、さらに二次純水システム
により有機物その他の不純物を除去した高純度の純水で
あるため、熱交換器における熱交換材から不純物が溶出
すると、純度が低下する。従来の熱交換器ではステンレ
ス鋼、チタンの場合は鉄、ニッケル、マンガン、チタン
等の金属が、またフッ素樹脂の場合はフッ素および有機
物等が溶出し、温超純水の水質を低下させるという問題
点があった。またフッ素樹脂は熱伝導性が低く、熱交換
効率が低いという問題点があった。
【0005】本発明の目的は、不純物の溶出が少なく、
かつ熱交換効率の高い超純水の熱交換器を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の不純物溶出
が少ない熱交換器である。 (1) 超純水と接触する熱交換器であって、熱伝導性
金属からなる伝熱層と、この伝熱層の超純水側の面に形
成されたポリエーテルエーテルケトン樹脂からなるコー
ティング層とを有する熱交換材を備えていることを特徴
とする不純物溶出の少ない熱交換器。 (2) 熱交換器が超純水を加熱して温超純水を製造す
るため熱交換器である上記(1)記載の熱交換器。
【0007】本発明において熱交換材の伝熱層に用いる
熱伝導性金属としてはステンレス鋼、チタン、アルミニ
ウム、銅など従来から熱交換材として用いられていたも
のを使用することができる。これらの伝熱層はプレート
型、チューブ型など、熱交換器の型式に対応して、任意
の形状、構造のものが使用できる。伝導層の厚さは用途
に応じて、伝熱性と強度から任意に決めることができる
が、一般的には0.1〜10mm、好ましくは0.2〜
1mmのものが適当である。
【0008】コーティング層として用いられるポリエー
テルエーテルケトン樹脂(以下、PEEKという)は、
【化1】 の繰返し単位を有する結晶性の樹脂であり、ASTM
D1238による360℃、2.16kg荷重における
メルトフローレートが1〜5kg/10minのものが好まし
い。
【0009】本発明の熱交換器は、高純度液と接触する
熱交換器であり、前記伝熱層の超純水側をPEEKから
なるコーティング層で被覆した熱交換材を備えたもので
ある。PEEKによるコーティング層の形成は、PEE
Kを溶融して塗布し、あるいは粉末を塗布して溶融さ
せ、冷却して固化させることにより形成することができ
る。コーティング層は伝熱層上に直接形成してもよい
が、接着性を付与するために、伝熱層を表面処理した
り、プライマー層を形成してもよい。コーティング層の
厚さは特に制限されないが、10〜100μmとするの
が好ましい。
【0010】コーティング層を形成する伝熱層の超純水
側は、前記加熱用熱交換器32のように、一方が超純水
で他方が蒸気の場合には、片側が超純水側となり、伝熱
層の片側にコーティング層が形成される。熱回収用熱交
換器31のように両側に純水が接する場合は両側が超純
側となり、両面にコーティング層が形成される。
【0011】
【作用】本発明の不純物溶出の少ない熱交換器は、熱交
換材のコーティング層を形成した側に、不純物の溶出を
防止する超純水を通し、反対側に蒸気その他の熱(冷
却)源となる熱媒体を通して熱交換を行う。これにより
熱媒体または高純度液中の熱は、熱交換器材の伝熱層お
よびコーティング層を通して伝導し、熱交換が行われ
る。
【0012】この場合、熱交換材を構成する金属からな
る伝熱層はPEEKからなるコーティング層で被覆され
ているため、金属の溶出は少ない。またPEEKは溶出
または分解が少なく、全体として無機物、有機物等の不
純物の溶出は少ない。またPEEKはフッ素樹脂等の他
の樹脂より熱伝導性に優れており、しかもコーティング
層は薄くすることができるため、熱伝導性の低下は少な
く、熱交換効率は高く維持される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1は実施例の熱交換器における熱交換材を示し、
(a)は正面図、(b)はそのA−D断面図、図2およ
び図3はこの熱交換材を積層した熱交換器を示し、図2
は図1(a)のA−B断面図、図3はC−D断面図であ
る。この実施例は図4の加熱用熱交換器32に適用した
例を示す。
【0014】図において、1はプレート型の熱交換材
で、ステンレス鋼等の熱伝導性金属からなる伝熱層2の
超純水側Lに、PEEKからなるコーティング層3が被
覆されている。熱交換材1は片側の隅に超純水通過口
4、5が設けられ、反対側の隅に熱媒体通過口6、7が
設けられている。コーティング層3は、超純水側Lで
は、熱媒体通過口6、7の周囲に伝熱層2が露出する部
分を除いて全面に形成され、さらに超純水通過口4の内
周面を介して、熱媒体側Mの超純水通過口4、5の周囲
を覆うように形成されている。コーティング層3と伝熱
層2の露出部の境界は8で表される。
【0015】熱交換材1は中間部にV字状の凹凸部9
a、9bが両面に形成されており、両面の凹凸部9a、
9bは互いに交差する方向に形成されている。また熱交
換材1の超純水側Lには、超純水通過口4、5から中間
部の凹凸部9aに向かって広がるように、末広がり状の
ガイド凹凸部11a、11bが設けられている。また熱
媒体側Mには、熱媒体通過口6、7から凹凸部9bに向
かって広がるように末広がり状のガイド凹凸部12a、
12bが設けられている。
【0016】熱交換材1は、ほぼ同じ構成の超純水側熱
交換材1aと、熱媒体側熱交換材1bの2種類のものが
準備されている。両者は同じ熱交換材1を裏返しにした
構造であり、両者の相違点は、ガスケット13を位置決
めするための溝状の位置決め凹部14a、14bが、
純水側熱交換材1aではコーティング層3側に形成さ
れ、熱媒体用熱交換材1bでは伝熱層2側に形成されて
いる。位置決め凹部14a、14bの反体側は凸部15
a、15bとなり、ガスケット13を押圧するようにな
っている。
【0017】熱交換器20は、ガスケット13を挟んで
熱交換材1a、1bを交互に積層した状態で構成されて
いる。ガスケット13は、交互に形成される超純水通路
21および熱媒体通路22を、それぞれ超純水通過口
4、5、および熱媒体通過口6、7に連通させるよう
に、交互に裏返して積層される。
【0018】上記の熱交換器20は、熱交換材1a、1
bを位置決め凹部14a、14bにガスケット13を挟
んで積層し、締付けて形成される。この状態で超純水を
超純水通過口5から供給し、超純水通路21を通して
純水通過口4から排出し、また蒸気等の熱媒体を熱媒体
通過口6から供給し、熱媒体通路22を通して熱媒体通
過口7から排出し、熱交換を行う。
【0019】これにより、熱媒体または超純水中の熱
は、熱交換材1a、1bの伝熱層2およびコーティング
層3を通して伝導し、熱交換が行われる。これにより超
水は温超純水等の熱交換超純水となり、また蒸気等の
熱媒体はドレン等の排熱媒体となって排出される。
【0020】この場合熱交換材1a、1bを構成する金
属からなる伝熱層2はPEEKからなるコーティング層
3で被覆されているため、金属の溶出は少ない。またP
EEKは溶出または分解が少なく、全体として無機物、
有機物等の不純物の溶出は少ない。またPEEKはフッ
素樹脂等の他の樹脂より熱伝導性に優れており、しかも
コーティング層3は薄くすることができるため、熱伝導
性の低下は少なく、熱交換効率は高く維持される。
【0021】この実施例では、図4の温超純水製造装置
の加熱用熱交換器32として上記の熱交換器20を用い
て超純水を供給し、熱媒体として蒸気を供給して加熱
し、熱交換高純度液として80〜85℃の温超純水を製
造した。
【0022】次に試験結果について説明する。実施例1
として厚さ0.4mmのステンレス鋼SUS304から
なる伝熱層の片面に、40μmのPEEKからなるコー
ティング層を形成した熱交換材を、80℃の超純水に3
0日間浸漬し、溶出試験を行った。
【0023】比較例1として、厚さ0.4mmのステン
レス鋼SUS316、比較例2として同じ厚さのチタ
ン、比較例3として厚さ0.7mmのフッ素樹脂(PF
A)チューブを用いて、同様の試験を行った。結果を表
1に示す。
【表1】
【0024】表1の結果より、実施例1のものは金属お
よびフッ素の溶出はなく、比較例1のステンレス鋼SU
S316よりも品質が劣る低コストのSUS304を用
いても、金属溶出量は少なくなることがわかる。またT
OCの溶出は比較例3のフッ素樹脂よりも大幅に少ない
ことがわかる。
【0025】上記各熱交換材の総括伝熱係数(kcal/m2
・h・℃)は、実施例1が1864、比較例1および2
がいずれも2486、比較例3が270であり、実施例
1の総括伝熱係数は比較例3のフッ素樹脂に比べてはる
かに高く、また比較例1および2の金属板の約75%で
あり、熱伝導性が高いことがわかる。
【0026】上記実施例は伝熱層2の片面にコーティン
グ層3を形成して、加熱用熱交換器32に適用した例を
示したが、両面にコーティング層3を形成して、熱回収
用熱交換器として使用することもできる。また上記実施
例は超純水製造装置に適用したが、冷超純水を製造
るために使用することもできる。さらにドレンの汚染が
問題となる場合には、ドレンを超純水として、ドレン側
にコーティング層を形成することもできる。このほか熱
交換材の形式、構造、形状等は任意に変更可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明の熱交換器は、熱伝導性金属から
なる伝熱層の超純水側にPEEKからなるコーティング
層を形成したので、低コストの伝熱層を用いても不純物
の溶出が少なく、かつ熱伝導性に優れ、熱交換効率
い超純水の熱交換に適した熱交換器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例の熱交換材を示す正面図、
(b)はそのA−D断面図である。
【図2】熱交換器を示す図1(a)のA−B断面図であ
る。
【図3】熱交換器を示す図1(a)のC−D断面図であ
る。
【図4】温超純水製造装置のフロー図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 熱交換材 2 伝熱層 3 コーティング層 4、5 超純水通過口 6、7 熱媒体通過口 9a、9b 凹凸部 11a、11b、12a、12b ガイド凹凸部 13 ガスケット 14a、14b 位置決め凹部 15a、15b 凸部 20、31、32 熱交換器 21 超純水通路 22 熱媒体通路 33 限外濾過膜装置 34 ユ−スポイント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 19/04 F25F 19/02 F28F 21/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超純水と接触する熱交換器であって、 熱伝導性金属からなる伝熱層と、 この伝熱層の超純水側の面に形成されたポリエーテルエ
    ーテルケトン樹脂からなるコーティング層とを有する熱
    交換材を備えていることを特徴とする不純物溶出の少な
    い熱交換器。
  2. 【請求項2】 熱交換器が超純水を加熱して温超純水を
    製造するための熱交換器である請求項1記載の熱交換
    器。
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