JP3172354B2 - 耐衝撃性に優れた薄鋼板 - Google Patents

耐衝撃性に優れた薄鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車用部品
として、プレス成形等の加工が施されて用いられる薄鋼
板に関し、とくに自動車が走行中に万一衝突した場合の
特性, 即ち耐衝撃性が求められる部位の素材として好適
に用いられる薄鋼板に関しての提案である。最近、地球
環境保全の機運が高まってきたことから、自動車からの
CO2 排出量の低減が求められている。そのために、自動
車車体の軽量化が図られており、それはまた、鋼板の高
強度化によって板厚を低減させることを意味することか
ら、素材としてはプレス成形性と強度の両方の特性に優
れたものが必要となってきた。さらに、自動車車体の設
計思想に着目すると、鋼板の単なる高強度化のみでな
く、より大切なことは走行中に万一衝突した場合の耐衝
撃性に優れた鋼板、すなわち高歪速度で変形した場合の
変形抵抗の大きくしかも薄い鋼板の開発が必要であり、
これを実現してこそ自動車の安全性の向上を伴った車体
の軽量化が図られ、より望ましい自動車用鋼板を提供す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用鋼板の材質強化の方法
は、フェライト単相組織鋼では主としてSi, Mn, Pとい
った置換型元素添加による固溶強化、あるいはフェライ
ト相中にマルテンサイト相, ベイナイト相あるいはオー
ステナイト相を析出させて組織強化した方法が一般的で
ある。例えば、特開昭56−139654号公報等に記載されて
いるように、加工性、時効性を改善するために極低炭素
鋼にTi, Nbを含有させ、さらに加工性を害しない範囲で
P等の強化成分を含有させて高強度化を図った鋼板が数
多く提案されている。この他にも、例えば特開昭59−19
3221号公報には、Si添加によってさらに高強度化を図る
方法の提案もなされているし、特開昭60−52528 号公報
には、低炭素鋼を高温で焼鈍して冷却後にマルテンサイ
ト相を析出させることによって、延性に優れた高強度鋼
を製造する方法を提案している。
【0003】たしかに、このような方法での鋼板の高強
度化によって、自動車ボディーの板厚減少はある程度可
能となった。しかしながら、これらの提案は、鋼板強度
の指標である降伏強度あるいは引張強度を、歪速度が10
-3〜10-2(s-1) と極めて遅い静的な評価方法に基づいて
判断したものである。しかしながら、実際の自動車ボデ
ィの設計では、このような“静的”な強度よりも、衝突
時の安全性を考慮した、歪速度10〜104 (s-1) での衝撃
的な変形を伴う“動的”な強度の方がより重要になるた
め、従来のかような提案では、自動車車体の軽量化に対
しては真に有効な手段を提供するものとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】というのは、従来、上
述した静的な強度と動的な強度とは、同じ傾向をもつも
のとして一義的に取り扱っており、主として静的な強度
のみを基準にして判断していた。ところが、発明者らの
研究によると、動的な強度は、必ずしも静的な強度に対
応しておらず、従って、各種改良素材の静的強度の改良
がそのまま動的強度の向上にはつながらないということ
が判った。そして、この傾向は、とくに高張力鋼板につ
いて著しいものがあった。
【0005】図1は、変形速度と強度との関係に及ぼす
軟鋼と高張力鋼との影響を示すものである。この図に明
らかなように、軟鋼板における変形速度10-3〜10
-2(s-1) の静的強度と、10〜104 (s-1) の動的強度は軟
鋼板の静的強度ほどには高い値を示さないことが判る。
このことは、自動車用高張力鋼板の板厚を静的強度値に
基づいて薄肉化した場合には、動的強度, 即ち、耐衝撃
強度の方は不足するという結果になることを意味してい
る。そして、このことはまた、静的強度値だけを基準に
して高張力鋼板の薄肉化を図ってきた従来の考え方は見
直さなければならないことを示唆している。本発明の目
的は、上述した従来技術が抱えている問題点を克服する
ことにあり、とくに高張力鋼板における静的強度値に対
する動的強度の値が、軟鋼板のそれと同等以上に高い耐
衝撃性に優れた薄鋼板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題に対してそ
の解決を目指して鋭意研究した結果、軟鋼のように低歪
速度下における強度のみならず、高歪速度下における強
度、即ち、耐衝撃強度にも優れた高張力鋼板とするに
は、単に静的強度だけが高い値を示すものでは不十分で
あることが判った。このことはまた、単に高歪速度下に
おける強度、即ち動的強度だけが高い値を示すものを開
発すること(不経済である)で足りることを意味してお
らず、いわゆる、静的強度と動的強度とがうまく釣り合
っていることが必要であるということが判った。すなわ
ち、プレス成形性に優れかつ高歪速度下での耐衝撃強度
にも優れた鋼板は、静動比=(歪速度 102(s-1) での降
伏応力) / (歪速度10-3(s-1) での降伏応力)で定義さ
れる、静動比が 1.6以上の高張力鋼板であれば、自動車
用部品として用いられた場合に、高歪速度下でも軟鋼板
と同等以上の高い強度の歪速度依存性が得られるので、
自動車車体の安全性向上を軽量化の実現にあわせて達成
することができることが判った。
【0007】このような知見に基づき発明者らはさら
に、上記静動比におよぼす化学組成と組織ならびに製造
条件の影響を詳細に検討し、以下に述べるような要旨構
成からなる薄鋼板とその製造方法を開発した。すなわ
ち、本発明は、 (1) C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以下、Mn:
0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、S:0.01wt
%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
成分組成を有し、かつ組織が、フェライト相中の固溶C
量が0.0020wt%以下で、10〜40 vol%のマルテンサイト
相を含むものである耐衝撃性に優れた薄鋼板。 (2) C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以下、Mn:
0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、S:0.01wt
%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
成分組成を有し、かつ組織が、フェライト相中の固溶C
量が0.0020wt%以下で、10〜40 vol%のマルテンサイト
相と1〜5 vol%以下のベイナイト相を含むものである
耐衝撃性に優れた薄鋼板。そして、上記各鋼板は、それ
ぞれ以下に要約して述べる方法に基づいて製造すること
ができる。 (3) C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以下、Mn:
0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、S:0.01wt
%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
鋼素材を熱間圧延し、冷間圧延し、そして 780〜950 ℃
の温度で焼鈍した後、冷却過程において 400℃までの冷
却を15℃/sec以上60℃/sec以下で行い、さらに 400℃か
ら 150℃までの冷却を3℃/sec以上15℃/sec以下の冷却
速度で行うことにより、フェライト相中の固溶C量が0.
0020wt%以下で、10〜40 vol%のマルテンサイト相を含
む組織を有することを特徴とする耐衝撃性に優れた薄鋼
板の製造方法。 (4) C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以下、Mn:
0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、S:0.01wt
%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
鋼素材を熱間圧延し、冷間圧延し、そして 780〜950 ℃
の温度で焼鈍した後、冷却過程において 500℃までの冷
却を20℃/sec以上50℃/sec以下で行い、さらに 500℃か
ら 250℃までの冷却を10℃/sec以上20℃/sec以下の冷却
速度で行うことにより、フェライト相中の固溶C量が0.
0020wt%以下で、10〜40 vol%のマルテンサイト相と1
〜5 vol%以下のベイナイト相を含む組織を有すること
を特徴とする耐衝撃性に優れた薄鋼板の製造方法であ
る。
【0008】
【作用】発明者らは、薄鋼板の静動比を向上させるべ
く、Mn含有低炭素鋼をベースとして、この鋼の静動比に
及ぼす冶金学的要因の影響について研究した。その結
果、マルテンサイト相を析出させて静的強度を確保する
とともに、フェライト相中の固溶C量をできるかぎり低
減することが、静動比の向上に有効であることを突きと
めた。一般に、フェライト相中にCを固溶させれば静的
強度を増加させることができる。しかしながら、この固
溶Cの役割は、歪速度増加による強度上昇に対しては寄
与しないため、静動比の低下を招く。これに対して、フ
ェライト相中の固溶Cを焼鈍冷却時に第2相あるいは第
3相に濃縮させた場合には、極めて優れた静動比が得ら
れる他、フェライト相中の固溶Cをセメンタイトとして
析出させてフェライト相中の固溶Cを低減させると、極
めて優れた静動比が得られることを知見した。また、フ
ェライト相中の固溶Cを低減させるためには、約 300℃
でセメンタイトとして析出させるよりも、より高温度で
ベイナイト変態させる方が有利であることも判った。
【0009】以下に、上述のような知見に基づいて構成
した本発明薄鋼板の各成分組成限定の理由を説明する。 C:0.010 〜0.10wt% Cは、成形性を向上させるためにできるだけ少ない方が
望ましいと言えるが、0.010 wt%よりも少ないと、マル
テンサイト相の析出が少なくなって充分な強度が得られ
ない。一方、0.10wt%を超える場合は、スポット溶接性
が劣化するので、C含有量は 0.010〜0.10wt%の範囲に
限定した。
【0010】Si:0.2 wt%以下 Siは、基本的には目標とする強度レベルを考慮して添加
するが、添加量が0.2wt%を超えると静動比が劣化す
る。したがって、Si含有量の上限は0.2 wt%とした。
【0011】Mn:0.50〜3.00wt% Mn含有量は、成形性を向上させるには低い方が望ましい
と言えるが、0.50wt%よりも少ないとマルテンサイト相
の析出が少なくなって十分な強度が得られず、一方、3.
00wt%を超えると、静動比の低下とスポット溶接性の劣
化を招くので、Mn含有量は0.50〜3.00wt%の範囲に限定
した。
【0012】P:0.01〜0.15wt% Pは、0.01wt%よりも少ないと、マルテンサイト相の析
出が少なくなって十分な強度が得られず、一方、0.15wt
%を超えると、静動比の低下とスポット溶接性の劣化を
招くので、P含有量は0.01〜0.15wt%の範囲に限定し
た。
【0013】S:0.010 wt%以下 Sは、少ないほど、鋼中の析出物が減少して加工性の向
上に寄与する。このような効果は、S量を0.010 wt%以
下とすることで得られる。
【0014】本発明の薄鋼板は、まず上述した成分組成
の鋼とすることが基本であり、その上でさらに鋼組織
を、以下に説明するように制御することが必要である。 第1に、フェライト相の固溶C量を 0.002 vol%以
下に制御することである。それは、フェライト相中の固
溶C量がこの量を超えると静動比が著しく劣化するため
である。従って、フェライト相中の固溶C量の上限を
0.002 vol%に限定した。 上記の構成に加えて本発明の第1の考え方は、鋼
組織が体積比で10%以上のマルテンサイト相を含むこと
である。このように、マルテンサイト相の析出量を限定
する理由は、この量に満たないと、自動車用材料として
の十分な強度と静動比が得られないからである。一方、
その析出量が40%を超えると、プレス成形性が著しく低
下するので、上限は40%である。すなわち、この場合、
鋼はフェライトとマルテンサイトとの複合組織鋼とな
る。 本発明のもう一つの考え方は、鋼組織が、体積比で
10%以上のマルテンサイトと、さらに体積比で1〜5 v
ol%のベイナイト相を含むことである。このように、マ
ルテンサイト相の他に、さらにベイナイトの析出量を限
定する理由は、ベイナイトが1 vol%未満ではフェライ
ト相中の固溶Cを十分低減できず十分な静動比が得られ
ないからであり、一方、このベイナイトの析出量が5%
を超えると、静動比の低いベイナイト相が、変形に対し
て寄与するようになり、それ故に静動比が低下するよう
になる。即ち、この場合、鋼は、フェライト, マルテン
サイトおよびベイナイトの複合組織鋼となる。
【0015】次に、上述した本発明にかかる各薄鋼板
(マルテンサイト析出複合組織鋼およびマルテンサイト
・ベイナイト析出複合組織鋼の2種)の製造方法につい
て説明する。まず、上記成分組成の鋼素材を熱間圧延
し、冷間圧延してから仕上焼鈍を施す。この冷間圧延後
の仕上焼鈍は 780〜950 ℃の温度域で行う。この焼鈍温
度を 780℃以上でで行うのは、それ未満では十分なマル
テンサイト相の析出が得られず、一方 950℃を超えると
結晶粒が粗大化しプレス成形性が低下するためである。
【0016】焼鈍後の処理について、本発明では、 a.フェライト+マルテンサイト複合組織鋼と、 b.フェライト+マルテンサイト+ベイナイト複合組織
鋼とは、焼鈍後の一次冷却を、前者についてはMs点以
下まで、後者についてはHs点の上の温度までとして区
別した。即ち、 a.フェライト+マルテンサイト複合組織鋼板の場合 この鋼板の場合、焼鈍後の一次冷却は、Ms点以下の 4
00℃まで冷却する。そして、この冷却は15℃/sec以上60
℃/sec以下とするが、この範囲の速度に限定したのは、
15℃/sec未満では10%以上のマルテンサイト相の析出が
得られず、一方、60℃/secを超えるとフェライト相中の
Cの第2相への濃縮が不十分で静動比が低下するからで
ある。従って、1次冷却過程での 400℃までの冷却は、
15℃/sec以上60℃/sec以下の範囲に限定した。次に、 4
00℃からの2次冷却は、3℃/sec以上15℃/sec以下の速
度で行う。この理由は、3℃/sec未満ではマルテンサイ
ト相の析出が減少して静的強度が低下し、15℃/secを超
えるとフェライト相中の固溶Cがセメンタイトとして十
分析出せず静動比が低下する、従って、 400℃からの2
次冷却は、3℃/sec以上15℃/sec以下の速度に限定し
た。
【0017】b.フェライト+マルテンサイト+ベイナ
イト複合組織鋼板の場合 この鋼板の場合、焼鈍後の1次冷却は、Ms点を超える 5
00℃までとする。そして、この冷却は20℃/sec以上50℃
/sec以下の範囲の速度で行う。この理由は、20℃/sec未
満では10%以上のマルテンサイト相の析出が得られず、
50℃/secを超えるとフェライト相中のCのベイナイト相
への濃縮が不十分で静動比が低下するので、冷却過程で
の 500℃までの1次冷却は20℃/sec以上50℃/sec以下の
範囲に限定した。次に、 500℃からの2次冷却は、10℃
/sec以上20℃/sec以下の速度で行う。この理由は、10℃
/sec未満ではマルテンサイト相の析出が減少して静的強
度が低下し、20℃/secを超えるとフェライト相中の固溶
Cのベイナイト相中への凝縮およびセメンタイトとして
析出が不十分となって静動比が低下する、従って、 500
℃からの2次冷却は10℃/sec以上20℃/sec以下の速度に
限定した。
【0018】なお、本発明が対象としている鋼板は、主
として冷延鋼板であるが、これのみならず表面処理鋼板
に対しても同じように、静動比向上の効果を付与でき
る。また、本発明鋼は、自動車用鋼板を対象としている
が、同様に高歪速度下での強度を要求される用途にも有
効であることはいうまでもない。
【0019】
【実施例】表1に示すような種々の化学組成の鋼を転炉
にて溶製し、連続鋳造して鋳片を得た。その鋳片を熱間
圧延して3mmtの熱延鋼板を得た。さらにこれらの熱延
鋼板を冷間圧延して0.7mmtの冷延鋼板を製造した。そし
て、得られた冷延鋼板について、引張試験により歪速度
10-3と102 (S-1) での降伏強度を測定して静動比を求め
た。その特性を素材鋼の組成と組織、製造条件とともに
表1・表2にまとめて示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】なお、表1は、フェライト+マルテンサイ
ト複合組織鋼板の例として、また表2は、フェライト+
マルテンサイト+ベイナイト複合組織鋼板の例として分
けて示した。これらの表に示す結果から明らかなよう
に、本発明鋼板の場合、静動比がいずれも 1.6以上を示
し、強度ならびに成形性を示すいずれの特性も優れてい
る。これに対し、比較例として示した各種鋼板の場合、
少なくとも上記の特性のいずれかの点において不十分で
あることが確かめられた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、薄
鋼板の化学組成と鋼組織を適正化することならびに製造
条件を工夫することによって、従来よりも静動比が格段
に優れるとともに、強度ならびに成形性にも優れる鋼板
を製造することができ、しかもこれらの薄鋼板を自動車
用鋼板として利用することによって、自動車車体の軽量
化と安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変形速度と強度との関係に及ぼす軟鋼と高張力
鋼の影響を説明するためのグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江本 秀樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平7−18372(JP,A) 特開 平7−11379(JP,A) 特開 平7−18375(JP,A) 特開 平7−3326(JP,A) 特開 平7−90482(JP,A) 特開 平7−34186(JP,A) 特開 平7−3381(JP,A) 特開 平7−18369(JP,A) 特開 平7−18370(JP,A) 特開 平7−18371(JP,A) 特開 平7−34187(JP,A) 特開 平7−54098(JP,A) 特開 平6−322476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/02 - 8/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以
    下、 Mn:0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、 S:0.01wt%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる成分組成を有し、かつ組織が、フェライト相
    中の固溶C量が0.0020wt%以下で、10〜40 vol%のマル
    テンサイト相を含むものである耐衝撃性に優れた薄鋼
    板。
  2. 【請求項2】C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以
    下、 Mn:0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、 S:0.01wt%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる成分組成を有し、かつ組織が、フェライト相
    中の固溶C量が0.0020wt%以下で、10〜40 vol%のマル
    テンサイト相と1〜5 vol%以下のベイナイト相を含む
    ものである耐衝撃性に優れた薄鋼板。
  3. 【請求項3】C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以
    下、 Mn:0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、 S:0.01wt%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる鋼素材を熱間圧延し、冷間圧延し、そして 7
    80〜950 ℃の温度で焼鈍した後、冷却過程において 400
    ℃までの冷却を15℃/sec以上60℃/sec以下で行い、さら
    に 400℃から 150℃までの冷却を3℃/sec以上15℃/sec
    以下の冷却速度で行うことにより、フェライト相中の固
    溶C量が0.0020wt%以下で、10〜40 vol%のマルテンサ
    イト相を含む組織を有する鋼板としたことを特徴とする
    耐衝撃性に優れた薄鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】C:0.010 〜0.10wt%、 Si:0.2 wt%以
    下、 Mn:0.50〜3.00wt%、 P:0.01〜0.15wt%、 S:0.01wt%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる鋼素材を熱間圧延し、冷間圧延し、そして 7
    80〜950 ℃の温度で焼鈍した後、冷却過程において 500
    ℃までの冷却を20℃/sec以上50℃/sec以下で行い、さら
    に 500℃から 250℃までの冷却を10℃/sec以上20℃/sec
    以下の冷却速度で行うことにより、フェライト相中の固
    溶C量が0.0020wt%以下で、10〜40 vol%のマルテンサ
    イト相と1〜5 vol%以下のベイナイト相を含む組織を
    有する鋼板としたことを特徴とする耐衝撃性に優れた薄
    鋼板の製造方法。
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