JP3170467U - ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】スプリングのコイル部が突起に十分に係止され、スプリングが突起の後方に脱落を十分に抑止でき、しかも、空気がホルダー内面とコイル部外面との間や突起の頂部に残留すること回避できるボールペンを提供する。【解決手段】チップ本体2の後部33が固着される筒状のホルダー3と、チップ本体2内及びホルダー3内に収容され、ボール23を前方に付勢するスプリング5とを備える。ホルダー3内面に複数の突起36を円周状に等間隔に分散配置させるとともに突起36をホルダー3内面に一体に形成する。スプリング5のコイル部52が突起36を後方から前方へ乗り越え、コイル部52が突起36の前面に係止される。各々の突起36の頂部における横断面形状が正多角形であり、各々の突起36の頂部同士が接続してなる。【選択図】図1

Description

本考案は、ボールペンに関する。
従来この種のボールペンにおいて、特許文献1には、「前端にボールが内向きの前端縁部により回転可能に抱持されたチップ本体と、前記チップ本体の後部が固着される、合成樹脂の射出成形体からなるホルダーと、前記ボールを前方に付勢して前記ボールを前端縁部の内面に密接させるスプリングとを備えてなり、前記ホルダー内面に複数の突起を周状に分散配置させるとともに前記突起をホルダー内面と一体に形成し、前記各々の突起の前面及び後面に傾斜面を設け、前記スプリングのコイル部が前記突起を後方より乗り越え前記突起の前面に係止されてなるボールペンであって、前記突起の表面が横断面視において直線状または凸円弧状であることを特徴とするボールペン」が記載されている。また、前記特許文献1の図5には、突起の前面の頂部と突起の後面の頂部との間(即ち突起の頂部)に段差が形成されたことが記載されている。
また、特許文献2には、「前端にボールが内向きの前端縁部により回転可能に抱持されたチップ本体と、前記チップ本体の後部が固着されるホルダーと、前記ボールを前方に付勢して前記ボールを前端縁部の内面に密接させるスプリングとを備えてなり、前記ホルダー内面に複数の突起を円周状に等間隔に分散配置させるとともに前記突起をホルダー内面と一体に形成し、前記スプリングのコイル部が前記突起を後方より乗り越え、前記突起に係止されてなるボールペンであって、前記隣り合う突起と突起の間の間隙の幅を、スプリングの線径の3倍以下に設定したことを特徴とするボールペン」が記載されている。
特開2004−276533号公報 特開2004−291404号公報
前記特許文献1、2のボールペンは、いずれも、隣り合う突起と突起の間に隙間があり、突起の内方への突出量が不十分となりがちである。そのため、スプリングのコイル部が突起に係止された状態で、コイル部がホルダーの軸線に対して傾いたり落下等の衝撃が加わったりすると、スプリングが突起の後方に脱落するおそれがある。
さらに、前記特許文献1、2のボールペンは、突起の内方への突出量が不十分となりがちであるため、スプリングのコイル部が係止された状態で、コイル部外面がホルダー内面に接近しやすくなり、インキ中の空気を除去する遠心脱泡処理を行っても、空気がコイル部外面とホルダー内面との間に残留し、筆記不良となるおそれがある。
また、前記特許文献1のボールペンは、突起の前面の頂部と突起の後面の頂部との間(即ち突起の頂部)に段差が形成されているため、遠心脱泡処理の後でも、前記段差に空気が残留するおそれがある。
本考案は、前記従来の問題点を解決するものであって、スプリングのコイル部が突起に十分に係止され、スプリングが突起の後方に脱落することを十分に抑止でき、しかも、空気がホルダー内面とコイル部外面との間や突起の頂部に残留すること回避できるボールペンを提供しようとするものである。尚、本考案において、「前」とはペン先側を指し、「後」とはその反対側を指す。
[1]本願の第1の考案は、前端に形成した内向きの前端縁部21と該前端縁部21の後方に形成したボール受け座22とによりボール23が回転可能に抱持されたチップ本体2と、前記チップ本体2の後部33が固着される筒状のホルダー3と、前記チップ本体2内及び前記ホルダー3内に収容され且つ前記ボール23を前方に付勢して前記ボール23を前端縁部21の内面に密接させるスプリング5とを備え、前記ホルダー3内面に複数の突起36を円周状に等間隔に分散配置させるとともに前記突起36をホルダー3内面に一体に形成し、前記スプリング5のコイル部52が前記突起36を後方から前方へ乗り越え、前記コイル部52が前記突起36の前面36aに係止されてなるボールペンであって、前記各々の突起36の頂部における横断面形状が正多角形であり、前記各々の突起36の頂部同士が接続してなることを要件とする。
前記第1の考案のボールペン1は、突起36の頂部における横断面形状が正多角形であり、前記各々の突起36の頂部同士が接続してなることにより、突起36の内方への突出量を十分に確保することができる。そのため、スプリング5のコイル部52が突起36に十分に係止され、スプリング5のコイル部52が突起36に係止された状態で、コイル部52がホルダー3の軸線に対して傾いたり落下等の衝撃が加わったりしても、スプリング5が突起36の後方に脱落することを十分に抑止できる。
また、前記第1の考案のボールペン1は、突起36の内方への突出量を十分に確保することができることから、突起36前方のホルダー3内面とコイル部52外面とを接近させず十分に距離をおくことができ、さらに、突起36同士の接続部分(正多角形の頂部)ではホルダー3内面とコイル部52外面との間に十分な隙間が形成される。その結果、スプリング5のコイル部52が係止された状態で、インキ中の空気を除去する遠心脱泡処理を行っても、空気がコイル部52とホルダー3内面との間に残留することを回避でき、筆記不良の発生を防止できる。尚、本考案で、正多角形は、具体的には、正三角形、正方形、正五角形、正六角形、正七角形、正八角形等が適宜採用される。
[2]本願の第2の考案は、前記第1の考案のボールペン1において、前記突起36の前面36aの頂部の幅と前記突起36の後面36bの頂部の幅とが一致してなることを要件とする。
前記第2の考案のボールペン1は、前記突起36の前面36aの頂部の幅(周方向の幅)と前記突起36の後面36bの頂部の幅(周方向の幅)とが一致してなることにより、突起36の前面36aの頂部と突起36の後面36bの頂部との間(即ち突起36の頂部)に段差が形成されていないため、遠心脱泡処理の後、突起36の頂部に空気が残留することを回避できる。前記突起36の幅は、突起36の周方向の幅をいう。
本願の第1の考案のボールペンによれば、スプリングのコイル部が突起に十分に係止され、スプリングが突起の後方に脱落することを十分に抑止でき、しかも、空気がホルダー内面とコイル部外面との間に残留することを回避できる。
本願の第2の考案のボールペンによれば、突起の頂部に空気が残留することを回避できる。
本考案の実施の形態を図1乃至図3に示す。
本実施例のボールペン1は、前端部にボール23を回転可能に抱持したチップ本体2と、該チップ本体2の後部33がその前部に圧入固着されるホルダー3と、該ホルダー3の後部33がその前端開口部に圧入固着されるインキ収容管4と、前記チップ本体2の内部及びホルダー3の内部に収容配置されるスプリング5とからなる。
前記インキ収容管4は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂の押出成形により得られる。前記インキ収容管4の前端開口部は、チップ本体2を有するホルダー3の後部33が圧入固着される。前記インキ収容管4の後端は、空気流通孔として開口される。
前記インキ収容管4の内部には、インキ(例えば、低粘度の水性インキ、剪断減粘性が付与された水性ゲルインキ、または低粘度の油性インキ)と、該インキの後端に配置され且つ該インキの消費に伴って前進する追従体(例えば高粘度流体)とが収容される。
前記チップ本体2は、金属製(例えばステンレス鋼製)のストレート状の細管よりなる。前記チップ本体2の前端部には、内方への押圧変形により、環状の内向きの前端縁部21とその後方にボール受け座22とが形成される。そして、前記前端縁部21と前記ボール受け座22との間(即ちボール抱持部)において、ボール23が回転可能に抱持される。尚、本実施例では、前記ボール受け座22は、内方への押圧変形により形成された複数の内方突出部からなるが、これ以外にも、切削加工により形成されてもよい。
前記ホルダー3は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリアセタール)の射出成形により得られる筒状体である。前記ホルダー3は、チップ本体22の後部が圧入固着される先細状の前部31と、インキ収容管4の前端面に当接する鍔部32と、インキ収容管4の前端開口部に圧入固着される後部33とからなる。前記ホルダー3の内部には、前端が外部に開口するチップ取付孔34と、該チップ取付孔34と前端が連通し且つ後端が外部に開口するインキ流通孔35が設けられる。前記インキ流通孔35の内面には、複数(例えば6個)の同一形状及び同一寸法の突起36が円周状に等間隔に分散配置されるとともに、前記突起36がインキ流通孔35の内面に一体形成される。前記突起36は金型離型時のアンダーカットとなる。
前記スプリング5は、ステンレス鋼製の線材からなる。前記スプリング5は、前部のストレート部51と、後部のコイル部52とが一体に連設されてなる。さらに、前記コイル部52の後端部には、外径が前方のコイル部52よりも大きく設定された拡径部52aが形成される。前記拡径部52aは、線材間が密着した密着巻部により形成される。前記拡径部52aの最大外径bは、前記各々の突起36の頂部に接する仮想内接円の直径aよりも僅かに大きく設定される。
前記スプリング5のコイル部52の後端部の拡径部52aは、前記ホルダー3内面の突起36の後方より突起36の前方へ突起36を乗り越え、前記突起36の前面36aに係止される。前記スプリング5のストレート部51の前端は、ボール23後面に当接され、ボール23を前方に付勢し、それにより、ボール23が内向きの前端縁部21の内面に密接され、ペン先からのインキ漏出及び空気混入が防止される。
本実施の形態のボールペン1は、前記複数の突起36の頂部における横断面形状が正多角形(例えば正六角形)を示す。前記各々突起36は、傾斜面状の前面36aと傾斜面状の後面36bを有する。前記各々の突起36の頂部(即ち稜線部)において、隣接する突起36同士(突起36の頂部同士)が接続する。前記各々の突起36の頂部が、横断面形状の正多角形(例えば正六角形)の各辺を構成する。それにより、突起36の内方への突出量を十分に確保することができるため、スプリング5のコイル部52が突起36の前面36aに十分に係止され、スプリング5のコイル部52が突起36に係止された状態で、コイル部52がホルダー3の軸線に対して傾いたり落下等の衝撃が加わったりしても、スプリング5が突起36の後方に脱落することを十分に抑止できる。
また、本実施の形態のボールペン1は、突起36の内方への突出量を十分に確保することができることから、突起36前方のホルダー3内面とコイル部52外面とを接近させず十分に距離をおくことができ、さらに、突起36同士の接続部分(正多角形の頂部)ではホルダー3内面とコイル部52外面との間に十分な隙間が形成される。その結果、スプリング5のコイル部52が係止された状態で、インキ中の空気を除去する遠心脱泡処理を行っても、空気がコイル部52とホルダー3内面との間に残留することを回避でき、筆記不良の発生を防止できる。
また、本実施の形態のボールペン1において、前記各々突起36は、前記傾斜面状の前面36aの頂部の幅と前記傾斜面状の後面36bの頂部の幅が、各々の突起36の頂部において一致し、各々の突起36の頂部に段差が存在しない。それにより、遠心脱泡処理の後、突起36の頂部に空気が残留することを回避できる。
本考案の実施の形態の要部縦断図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のホルダーの縦断面図である。
1 ボールペン
2 チップ本体
21 前端縁部
22 ボール受け座
23 ボール
3 ホルダー
31 前部
32 鍔部
33 後部
34 チップ取付孔
35 インキ流通孔
36 突起
36a 前面
36b 後面
4 インキ収容管
5 スプリング
51 ストレート部
52 コイル部
52a 拡径部

Claims (2)

  1. 前端に形成した内向きの前端縁部と該前端縁部の後方に形成したボール受け座とによりボールが回転可能に抱持されたチップ本体と、前記チップ本体の後部が固着される筒状のホルダーと、前記チップ本体内及び前記ホルダー内に収容され且つ前記ボールを前方に付勢して前記ボールを前端縁部の内面に密接させるスプリングとを備え、前記ホルダー内面に複数の突起を円周状に等間隔に分散配置させるとともに前記突起をホルダー内面に一体に形成し、前記スプリングのコイル部が前記突起を後方から前方へ乗り越え、前記コイル部が前記突起の前面に係止されてなるボールペンであって、
    前記各々の突起の頂部における横断面形状が正多角形であり、前記各々の突起の頂部同士が接続してなることを特徴とするボールペン。
  2. 前記突起の前面の頂部の幅と前記突起の後面の頂部の幅とが一致してなる請求項1記載のボールペン。
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