JP3169890B2 - 放射測定を利用して地雷を探知する方法及び装置 - Google Patents

放射測定を利用して地雷を探知する方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的には地雷探知
に、詳細には地雷の放射測定画像を収集及び表示する方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】戦場における地雷及びその他の弾薬の探
知は、使用の増加とともに、軍人にとってだけではな
く、戦争行為の終了後には民間人にとっても、その重要
性が増している。地雷を除去する方法のスピードと効率
を上げるための新しいアプローチとセンサの必要性が、
取組まなければならない問題なのである。地雷の探知
は、最初の地雷の使用以来の戦場管理の重要な部分であ
った。同様に、長期間使用された演習場の整備のための
不発弾(UXO)の探知も重要である。この両方の探知
の重要性は時とともに増しているが、その仕事は楽には
なっていない。戦争中に地雷及びUXOが軍人と難民の
双方に及ぼす長期的な危険は、最も最近では湾岸戦争中
の経験により明らかになっており、今日でも世界中で続
いている。
【0003】もう1つの例として、金属及びプラスチッ
ク地雷が及ぼす危険は、ボスニア・ヘルツェゴビナのよ
うな地域の米軍及びその他の国の軍隊が直面している日
常茶飯事の問題である。現在利用されている技術は比較
的粗雑で、労働集約的である。世界中でこれら及びその
他の地雷並びにUXOの位置の特定に苦労していること
から、それらを除去する方法をスピードアップするため
の改良型センサを開発し、死者、負傷者及びその他のコ
ストを減らすことが切望されている。
【0004】電磁スペクトルのミリ波帯域(一般的には
30〜300GHz)のセンサが、乾いた砂の上及び下
の金属を探知できることが明らかになっている。例え
ば、本出願の発明者は、引例によりその全体が織込まれ
ている論文「埋設地雷の探知用受動ミリ波センサ」、S
PIE Vol.2494、1995年4月を共同執筆
している。開示された探知能力は、地雷探知技術の改良
の新しい可能性を示すものである。受動ミリ波センサ
(又は放射計)は昼夜使用可能で、優れた空間解像度を
有し、優れた目標コントラストをもたらす優れた信号対
雑音比(SNR)を有し、地面透過レーダ(GPEN)
及び赤外線(IR)センサに比べてクラッタが良好であ
る。
【0005】地面透過性を高めるためには、スペクトル
をより低い周波数に拡大することが望ましい。例えば、
埋設地雷の探知の際には、低い周波数の方が地面透過能
力が優れており、かかる目標の探知能力が高まることが
期待される。より低い周波数を使用した結果としての充
満率の低下(以下で検討)及び解像度の低下により、大
きなアパーチャの使用又は探知距離の短縮を余儀なくさ
れることになる。
【0006】さらに、屋外の土の上に置かれた地雷のよ
うな金属目標は、ミリ波放射計を画像装置として使用し
た場合、土を背景にはっきりと目立つことが明らかにな
っている。これを可能にしているのは、以下の3つの基
本的要素である。
【0007】第1に、上方の空は輝度温度が非常に低く
(≦40K)、このことは、空が、非常に低レベルのミ
リ波放射により現場を万遍なく覆う非常に低温の低出力
照明器のような働きを行うことを意味している。これが
起こるのは、大気酸素及び水からの放射が比較的低い
(例えば、≒20GHz以下、及び35.94及び14
0GHz付近)特定のスペクトルウインドにおいてであ
る。
【0008】第2に、土は一般的に高い放射率(又は低
い反射率)を有し、従って、その物理的温度(≒295
K)に対応するミリ波放射を行う。第3に、金属目標は
低い放射率(又は高い反射率)を有する。従って、それ
自体の物理的温度はミリ波形態におけるその外観に関し
ては重要ではない。金属目標の外観は、目標が何を反射
するかにより決定される。
【0009】これらの3つの要素は以下のような関連性
がある。金属目標は空からの低レベル放射を反射し、よ
り高レベルのミリ波放射を行っている「高温」土に囲ま
れた「低温」物体のように見える。この高いコントラス
ト(295K−40K=255K)が、一般的な新型の
ミリ波放射計センサの温度解像度1Kとの相乗効果によ
り、高い信号対雑音比(SNR)を可能にしている。
【0010】しかしながら、上記の高いコントラストが
生じるのは晴天の日であり、雲のカバーが有効な空の温
度を高め、それにより目標とその背景とのコントラスト
を減少させることになる。ひどい曇りの状況では有効な
空の温度が約200Kまで上昇することがあるが、それ
でもまだ十分なコントラストが残っている。
【0011】同様に、金属目標を地中に埋設することに
より、土の明白な掩蔽性によってだけではなく、表土か
らの高温ミリ波放射によっても、目標のコントラストが
減少する。コントラストの減少量は、覆土の深さ、土の
タイプ、地中の含水率、及び土の温度により決まる。
【0012】地雷探知器システムにおける目標のコント
ラストを決定する際に考慮すべきもう1つの要素は、探
知器の視野が反射性目標により充満する程度の尺度とし
ての「充満率」である。充満率が小さければ小さいほ
ど、コントラストは小さくなる。空中プラットホームか
らのような遠隔地雷探知は、適切な充満率を維持するの
に十分な大きさの解像度を有するセンサを必要とする。
【0013】埋設金属目標の放射測定探知技術に対する
探知周波数の影響はすでに実証されている。例えば、本
出願の発明者は、引例によりその全体が織込まれている
論文「受動ミリ波を使用する金属及びプラスチック地雷
の探知」、SPIE Vol.2494、1996年4
月を共同執筆している。
【0014】一般的には、結果は、無限に厚い砂の層と
金属目標の上の厚さの変化する砂の層との放射測定温度
差の絶対値|△T|対砂の層の厚さとして表示される。
一般的傾向としては、砂の厚さが減少するにつれて、掩
蔽する砂なしで金属目標から直接反射された空の温度に
対応する最大値に達するまで|△T|は増加する(砂は
無限に厚い砂の層よりも冷たいと思われる)。砂の層の
厚さが大きくなるにつれて、|△T|はゼロに近づく
(金属目標の存在は完全に隠されている)。
【0015】目標(|△T|の増加)の探知可能性は周
波数の低下及び含水率の低下とともに増大する。(その
雑音特性に基づいて)探知器が解像できる一定の最小解
像可能温度及び一定の含水率の場合、周波数を下げる
と、探知深さを大きくすることができる。
【0016】一方、プラスチック目標は、そのはるかに
低い反射性、及び下方から上昇する放射に対する透過性
を仮定すると、|△T|が金属目標よりもずっと小さく
なる。放射測定技術を利用した場合の金属及びプラスチ
ック地雷の探知性の程度を数量化するために、いくつか
の一般的な地雷を使用し、条件及び探知周波数を変え
て、測定がすでに行われている。上記の論文は、湿度の
異なる地表と地中の双方で、金属及びプラスチック地雷
を探知できることを証明している。
【0017】過去の探知技術は、現場の上方において設
定されたパターンで放射計を動かし、十分な積分時間を
得るために各現場に長時間滞留させ、事後に画像を形成
することによる現場の機械的走査を含んでいる。かかる
技術は、組織化された系統的画像生成法である。しかし
ながら、かかる方法は時間を食い、不経済である。例え
ば、放射計は、地雷の存在しない地域であっても、地雷
の存在する地域と同じだけの時間をかける。かかるシス
テムは、放射計を前後に動かすための精密なシステムを
使用して、規則的な方法で現場を前後に走査する。放射
計は、放射計を前後に動かすための歯車及び装置を備え
た動力化システムを使用する方位高度プラットホームの
上に取付けられた。
【0018】従って、放射計は固定したパターンで前後
に動かされた。放射計が現場の全域を動かされるにつれ
て、システムはデータとその位置を記録したが、表示が
直ちに行われることはなかった。さらに、このシステム
では、オペレータがヘッドを関心を引く地域に動かし、
その地域を長時間にわたって走査することはできなかっ
た。
【0019】従って、上記の探知システムでは、左方向
に走査を行い、前方に移動し、右方向に走査を行い、再
び前方に移動し、この過程を何度も何度も繰返すことに
より、探知が行われた。地中に埋設された地雷を表す2
次元画像を示す現場のラスタ走査画像が生成された。
【0020】乾燥した砂又は土及び木の葉の表面又は下
の無火薬弾金属又はプラスチック地雷の探知は12及び
44GHzの双方において実証されている。さらに、モ
デリングにより、周波数を下げることにより性能の向上
が可能であることが予測されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従って、オペレータが
関心を引く特定の領域に注意を集中することを可能にす
る、埋設地雷の放射測定画像を収集及び表示する方法及
び装置が必要になる。
【0022】
【課題を解決するための手段】金属及び非金属地雷の探
知の際の表示用放射測定データを収集する方法を提供す
る。地雷は、砂又は土の表面上にあってもよいし、埋設
されていてもよい。周波数を比較的低くすると、より深
い透過により、地中のより深いところを物体を見ること
が可能であったり、又はより含水率の高い土の中へのよ
り深い透過が可能になるので、この方法は、関心を引く
現場からのミリ波放射(例えば、5GHz)の受動探知
を利用する。
【0023】この目的のために、放射測定技術を利用す
る地雷探知装置を提供する。この装置は、充満率及び解
像度を高めるために地面に近接して操作される比較的低
周波数のハンドヘルド又は車両搭載放射計を有する。か
かる装置は、独立形センサとして使用することもできる
し、誤警報を減らし、放射測定技術の画像形成能力によ
り目標の識別能力を高めるために、他のハンドヘルド又
は車両搭載地雷探知器と同時に使用することもできる。
【0024】本発明は、センサヘッド内に円形ホーンの
ような入力アンテナを備え、ハンドヘルドブーム、陸上
車両又は航空機のようなプラットホームにより支持さ
れ、場合によっては他の探知器と併用され、潜在的地雷
原の2次元マップを生成するために使用されるセンサヘ
ッド用位置表示器を備えた放射計からなる。以下の説明
は、関心を引く領域がオペレータの目の前にある場合の
ハンドヘルド構造に関するものである。
【0025】画像マップを生成する方法も提供する。実
施の形態においては、探知器により収集された放射測定
データの信号処理は、好ましくは、アンテナパターンを
表す「核」に全域に信号を配分する。核とは、画像デー
タ処理に使用される数字の配列を記述するために使用さ
れる画像処理用語である。
【0026】各サンプリング時には、位置表示器により
決定される位置において、現場を表すデカルトグリッド
の全域に正規化形式で信号を配分するために、核が使用
される。パターンが円対称であるので、センサヘッドの
回転は不適切である。
【0027】次のサンプリング時には、新しい核が生成
される。新しい位置(もしセンサヘッドが動かなかった
場合は、実際にはまだ同じ座標にあることもある)にお
いては、信号を配分するために核が再び使用され、デー
タがすでに存在する位置では(これは各デカルトグリッ
ド位置ごとにカウンタを使用することにより追跡され
る)、そのグリッド位置におけるサンプリングの統計デ
ータを改善するために、平均化を行うことができる。オ
ペレータが必要な地域の走査を終え、画像品質が地雷又
は他のUXOを探知するのに十分な高さのものであるこ
とに満足するまでは、この過程が繰返される。
【0028】
【発明の実施の形態】上記のように、マイクロ波及びミ
リ波放射計が、(埋設又は地上の)金属及びプラスチッ
ク地雷の双方と周囲の土との間の放射測定温度コントラ
ストの検出に有効であることが明らかになっている。M
MIC低雑音増幅器を使用すれば、かかる放射計は非常
にコンパクトかつ低出力のものを製造することができ
る。
【0029】本発明は、センサヘッド内に円形ホーンの
ような入力アンテナを備え、ハンドヘルドブーム、陸上
車両又は航空機のようなプラットホームにより支持さ
れ、場合によっては他の探知器と併用され、潜在的地雷
原の2次元マップを生成するために使用される放射計か
らなる。以下の説明は、関心を引く領域がオペレータの
目の前にある場合のハンドヘルド機器構成に関するもの
である。画像マップを生成する方法も提供する。
【0030】実施の形態においては、例えば円形ホーン
のような入力アンテナを有する放射計が、プラットホー
ムにより支持されている。プラットホームは、例えば、
ハンドヘルドブーム、陸上車両又は航空機である。放射
計は地雷のような物体を探知するために適当な場所に配
置され、放射計の出力が一定の時間間隔でサンプリング
される。センサヘッドの対応位置も各サンプリング時に
は確認され、放射計データと位置データという2つのデ
ータグループを組合わせて、モニタ画面上に地雷の表示
を生成する。
【0031】典型的な操作においては、オペレータは何
かが探知されるまで関心を引く地域を走査する。何かが
存在することを知らせる音声キューを発せられることが
あり、それにより、もっと注意して現場を調べるようオ
ペレータに警告する。オペレータは、物体又は少なくと
も物体であると思われるものを有する関心を引く特定の
地域を調べることに注意を集中する。オペレータはその
特定の地域を正確な有効範囲パターンで繰返し掃引し、
潜在的物体の真上に到達してからは、そのパターンはさ
らにより精密になる。オペレータが放射計信号を収集し
ている間に、センタヘッドの位置が同時に探知される。
位置を特定するにはいくつかの方法がある。例えば、差
動GPS又は音響又はIRベース距離計を使用すること
ができる。本放射測定探知システムは、下記の信号処理
及び画像表示も行う。
【0032】図面について言えば、図1は本発明の放射
測定データ収集及び表示システムの実施の形態を図示し
ている。図示された実施の形態は、一般的には100で
表されるハンドヘルド地雷探知器システムである。ほと
んどの場合、オペレータが最も関心を持つのは、目の前
の(通常は捜索すべき標識付き通路を画定する境界内
の)地域の走査である。この目的のために、オペレータ
は、好ましくは、ハンドル102等を使用して、探知器
を前方に差出す。アンテナ110からなるセンサヘッド
105が前部に配置され、長時間にわたる使用を楽にす
る目的で装置の釣合いを取るために、後部には釣合い重
りが取付けられている。
【0033】それに加えて、ディスプレイ120がブー
ム125上に取付けられている。ディスプレイ120
は、好ましくは、装置が使用されると考えられる屋外の
広範な昼光の中で見やすい十分な輝度の画像を作出すこ
とが可能な小型の液晶ディスプレイ又はバックライトデ
ィスプレイ画面である。他のシステム情報も画面120
上に表示することができる。車両搭載システムであれ
ば、車両の内部に取付けられる可能性が最も高いので、
より大型のディスプレイを支持することもできる。ディ
スプレイは胸又はヘルメットにも取付けることができ
る。探知器システム100は、地雷を示す表示を生成す
るために収集されたデータに関する信号処理を行うため
のコンピュータ又はマイクロプロセッサ140及び関連
ハードウェア及び/又はソフトウェアも含んでいる。信
号処理については、以下でさらに説明する。
【0034】図2は、埋設地雷を探知するためにマイク
ロ波又はミリ波放射測定を利用する地雷探知システム1
00の実施の形態を図示している。図2においては、放
射計探知器100は地表150の上方に配置されてお
り、地雷155が地表150よりも下に埋設されてい
る。電磁波を適当な探知周波数において表す光線が図2
に示されている。光線は探知器100に対する放射測定
信号貢献を表し、光線1により表した地表からの反射、
並びに、光線2により表した地雷の上方の土からの放
射、及び光線3により表した土を通過し、地雷155か
ら反射する空からの放射を含んでいる。地雷155の下
からの放射は地雷155により遮断され、その結果、光
線4により表したように、探知器100への到達を妨げ
られる。
【0035】図3Aは、地雷及び放射計探知ゾーンの略
図である。図3Aに図示したように、放射計アンテナ1
10の動きが、地雷155を部分的に横断する矢印Pに
より表した方向への探知帯を作出す。放射計が図3Aに
表した方法で動かされるにつれて、収集された放射測定
データに対応してモニタ上に生じる画像が地雷の部分的
探知を示す。これが図3Bにグレースケールのレベルの
変化により図示されており、明るい方のレベルへの移行
が表示されるのは、放射計の探知帯が地雷から遠ざかっ
ている場合であり、暗い方のレベルへの移行が表示され
るのは、放射計が地雷に接近し、地雷の一部を横断した
場合である。この視覚表示により、オペレータはより暗
い地域に注意を集中し、繰返し掃引を行い、図3Cに図
示したような最終的画像を生成することができる。
【0036】図1による上記の装置を使用して、放射計
出力が一定の時間間隔でサンプリングされ、各サンプリ
ング時に、センサヘッド105の位置が特定され、記録
される。オペレータが関心を引く現場の全域でセンサヘ
ッド105を動かすにつれて、データが収集される(放
射計信号データ、及びセンサヘッド位置を表す2次元座
標)。
【0037】センサヘッド105の位置はオペレータの
足に関して特定することができる。センサヘッド位置の
特定には、差動GPSを利用する若干複雑な技術からオ
ペレータの各々の足までの距離をモニタするセンサヘッ
ド105上に取付けられた比較的単純な音響又はIRベ
ース距離計160までの範囲のいくつかの方法を採用す
ることができる。
【0038】図1及び2に示したように、センサヘッド
105は地面を点として走査する。放射計の探知ゾーン
は一般的には直径約6インチの円である。ホーン110
は地表から約10インチ離れている。少し前を見るため
に、アンテナホーン110は垂直から約20°傾けるこ
ともできる。土と、何であれ存在する物体はアンテナ1
10に対して放射を行い、それによりアンテナは放射測
定データレベルを生成する。
【0039】ミリ波又はマイクロ波ホーンは、そのホー
ンに特徴的ないわゆるアンテナパターンを有する。ホー
ンの感度は位置の関数として変化し、一般的には対称形
である。丸いホーンは、地面に円対称のパターンを生成
する(もしホーンが地面に対して傾斜している場合は、
楕円形)。かかるホーンアンテナはその中心に近い方が
感度が高い。アンテナパターンは、そのアンテナパター
ンについての感度分布を表す数字の2次元配列として、
コンピュータにより測定及びモデリングすることができ
る。
【0040】信号処理及び画像表示は、ペイントブラシ
型技術と呼ぶのが最適の新規な技術を利用している。オ
ペレータが地面の上でセンサヘッドを振り動かすにつれ
て、画面を横断するペイントブラシの残像の形で、画像
がディスプレイモニタ画面上に描かれる。(信号対雑音
比を高めることにより)画像の品質を向上させるため
に、オペレータはセンサヘッドを繰返し同じ地域の上方
を通過させるだけで、その地域に関する総積分時間を増
やす。
【0041】上記のシステム内での信号処理及び画像生
成のために放射測定及び位置データを収集する方法につ
いてであるが、放射計探知器システム100は、ミリ波
又はマイクロ波放射を探知するためのホーン110及び
関連電子機器142を使用する公知の放射測定技術を採
用している。電子機器142は探知された放射測定信号
を、入ってくる出力があまり大きくない場合は低く、入
ってくる出力が大きくなると高くなるので、基本的には
DC信号とよぶことができるものに変換する。DC信号
は、標準アナログ信号処理を利用して増幅、濾過又は処
理することができる。増幅及び雑音濾過が、実施すべき
典型的な作業である。増幅及び濾過された信号が、信号
をデジタル化するためのアナログ・デジタル(A/D)
コンバータを含むコンピュータ140への入力である。
【0042】同様に、もう1つのチャンネルがコンピュ
ータ140への入力として接続されている。このチャン
ネルは、例えば、探知器100のセンサヘッド105の
x及びy座標を含む位置情報を有する。位置情報は、表
示を生成するための放射測定データに対応するように、
コンピュータ140の内部で処理される。
【0043】結果を表示する簡単な方法は、オペレータ
がアンテナを地面の特定のx及びy位置に向け、コンピ
ュータ画面120上の対応するx及びy位置に画像を表
示することを含んでいる。色又はグレーレベルは信号の
振幅を表している。ホーン110が別の位置に動かさ
れ、そこで測定が行われると、その地点に関連する新し
いレベル値が単一の点として画面上に表示される。2次
元画像を生成するために、これを視野の全域にわたって
行うことができる。行われるのは、アンテナ110のパ
ターンを全く考慮に入れずに信号を表す単一の点を表示
することだけである。
【0044】基準型信号を得るためにアンテナ110を
地面の1地点に向けることにより、表示の相当程度の改
善が可能になる。画面は単一の点を表示するのではな
く、上記のように一般的には中心の方が強く、縁に向か
うほど弱くなるアンテナパターンによりその分布が設定
されている点の円形パターンを表示することになる。
【0045】放射測定及び位置データを収集及び処理す
るためのもう1つのアプローチは、例えば、幅3フィー
ト、深さ2フィート(「深さ」とはオペレータから離れ
ていることを意味する)の地面の区画のような、オペレ
ータの前の特定の地域の調査である。この地域は、幅を
36ビン、深さを24ビンにするために、例えば、1イ
ンチ×1インチのような、小さなビンに分割される。各
々のビンに対応して、アレイがコンピュータ140内に
定義される。この時点での信号の取扱い方法は少なくと
も3つある。
【0046】図4Aは、第1の比較的簡単な放射測定及
び位置データの処理方法を図示している。この方法は、
データをデジタル化する段階と、位置座標を使用する段
階と、デジタル化したばかりの対応するビンにおける信
号レベルに対応する数字をアレイに入力する段階を含ん
でいる。すでにデータ入力を受取ったビンに遭遇した場
合は、後続時間、カウンタ増分、前データ入力、及び新
データ入力が加算され、平均化される。探知器100が
示度を収集している間に、コンピュータ140は対応す
るデータの処理と、ピクチャフォーマットによるコンピ
ュータ画面120上への表示を同時に行うことができ
る。すなわち、コンピュータ140は放射測定データ値
に対応する数字又はある範囲の数字を特定のグレースケ
ールレベル又は色に割当てる。例えば、比較的小さな数
字が黒レベルに割当てられ、比較的大きな数字が白色に
割当てられ、グレーの全ての陰影又は色はこの2つの限
界の間に配分されている。
【0047】従って、図4Aに示されたように、画面1
20上の画像グリッド170には、色175、グレー又
は白黒177の小さなブロックが存在している。時とと
もに、画面120は、画像を形成する色又は各種レベル
のグレーで満たされることになる。しかし、あらゆる点
ををカバーしなければならないので、この作業は非常に
単調で退屈である。例では1平方インチが使用されてい
ることと、センサをグリッドの上方に非常にしっかりと
保持しなければならないという事実を考え合わせると、
危険な任務を行うというすでにストレスの高い状況にあ
るオペレータにとっては、この方法はいらいらがつの
り、時間ばかりかかるものになる可能性がある。この第
1の技術は本質的に小さなブラシにより1度に1つのビ
ンをペイントする。
【0048】図4Bは、画像を形成するための第2の放
射測定及び位置データの処理技術を図示している。この
方法は、アンテナ110により地表に向けられるより大
きな円形又は少し楕円形の点を利用することを必要とす
る。より大きなペイントブラシを効率的に使用し、より
大きな面積をより迅速にカバーするという点で、この技
術は第1の技術よりも改善されている。特に、1平方イ
ンチの「ペインティング」に代わって、面積が約30平
方インチ(πr2 、ここにrは、上記のように、半径3
インチ)のブラシによるペインティングが行われる。改
善率は約30:1である。従って、この第2の技術にお
いては、例えば100のような、特定の信号レベルが、
任意の位置においてコンピュータ140のA/Dから受
信される。レベル100が、直径6インチの円内の各ビ
ンに配分される。比較的平滑なデジタル化円、すなわ
ち、画素化円が生成される。図4Bに示したように、円
Xは、円内の各ビンの中のレベル100を表すクロスハ
ッチにより描かれている。
【0049】数字100は、各々のビンの中では、直径
6インチの円内の約30ビンである。次の位置において
は、システムは別の信号をデジタル化し、基準点として
円の中心の位置を特定する。この新しい位置において
は、新しい信号レベルが、6インチ円又は楕円の中に含
まれる各々のビンに入力される。例えば、図4Bの円Y
に示したように、レベル110を表すクロスハッチが描
かれている。記録された数字の以前の円との若干の重合
いが必ずあるので、各ビンごとの平均化が行われる。従
って、円Xと円Yの重合い領域は平均化レベル105
(100と110の平均)であることが示されている。
円Zは、円Zに囲まれた各ビンの中のクロスハッチによ
り表されたように、レベル90であることが示されてい
る。
【0050】この方法は、現場全体を掃引するのである
が、例えば有効範囲が30倍も広いというように、ブラ
シの幅が非常に広いので、どんな小さなビンでもヒット
する心配がないという効果がある。オペレータは、関心
を引く特定の地域を掃引し、画像、又は関心を引く物体
が存在するという少なくとも何らかの兆候をより迅速に
得ることができる。
【0051】発明者は、「ペイントブラシ」の有効サイ
ズを変える準備をすることも認識している。例えば、光
学装置をホーンの前に置くこと、又は画像フットプリン
トを変えるためにホーンの形状を変えることが可能であ
る。もし物体が比較的小さい場合は、よりシャープな画
像を得るために、これが望ましいかもしれない。点サイ
ズを小さくことにより、物体の形状を特定する能力を高
めることもできる。これを行うには、当業者には公知の
いくつかの機械的方法がある。電子的集束方法も可能で
ある。
【0052】画像を生成するための第3の放射測定及び
位置データの処理方法は、上記の核により表されるアン
テナパターンを使用すること必要とする。コンピュータ
140は、核がアンテナパターンに対応する数字の配分
であるプログラムを有する。100ユニットの入力信号
を仮定した場合、核は100ユニットを配分するために
使用される。例えば、中心は10ユニットでよいが、そ
の周囲は9ユニットのリングであり、次は8ユニットと
いうことになり、最後には0ユニットになる。従って、
核の配分は、測定可能数量であって、基本的にはホーン
の感度対角位置のマップであるホーンアンテナパターン
に対応している。このアンテナパターンを使用して、核
は画像を精密化する。
【0053】極めて単純な核を使用した画像データ配分
の説明は以下のとおりである。例えば、核を数字の3×
3配列であると考え、核は中心点が整数(1)に対応す
るように定義され、周囲の8つの点は値が0.5になる
ように定義される。従って、もし放射計が100パワー
ユニットの信号を受信した場合は、3×3核の9つの位
置への配分は上記の核に比例している。すなわち、20
ユニットが中心に、10ユニットが他の各位置にくるよ
うに、100ユニットを比例配分する。全ての画像デー
タ点の合計は、総信号である100になる。その結果、
真ん中への20ユニットの配分と、周囲の8つの位置へ
の10ユニットの配分が、モニタ又は画面120上に表
示される。特定の数のユニット、すなわち20が特定の
色又はグレースケール値を表すとすると、10は異なる
色又グレースケール値を表すことになる。従って、画面
は、少し暗い8つの点に囲まれた真ん中の比較的高輝度
の点を表示する。同じ地域を何度も横断した場合は、第
2の方法で述べたように、重合いの説明が必要である。
横断の繰返し及び信号レベルの平均化は、図4Cに図示
したように、画像のSNR及び解像度を高める。例え
ば、図4Cは、それぞれがクロスハッチングにより図示
された異なる色の同心レベルリングを有する3つの核
L、M、Nを示している。中央領域は例えばレベル10
0を有する。中間レベルは放射測定示度がより小さな9
0であり、外部リングは例えばレベル80を有する。核
LとKの間の重合い領域は、例えばレベル85の、平均
化重合いレベルを有する。
【0054】上記の実施の形態についてはハンドヘルド
ユニットを前提として行ったものであるが、代替的配置
も可能である。陸上車両のように、プラットホーム構造
が異なる場合は、放射計は遠方から地面を走査できるよ
うに取付けられ、地面の上の放射計の探知フットプリン
トの位置がセンサヘッド位置の代わりに記録される。空
中プラットホームも本発明の可能な実施の形態である。
【0055】車両又は航空機への搭載による実施の際に
は、一直線に配置された一連の放射計が含まれることが
ある。この場合、放射測定情報の平行なストリップを収
集するために、放射計は車両の前を幅広ほうきのように
地面に沿って押される。
【0056】本発明の特定のエレメント、実施の形態及
び用途について示し、説明を行ってきたが、もちろん、
当業者は特に上記の教示に照らして変更を行うこともで
きるので、本発明がそれに限定されるものではないこと
が理解されよう。添付の特許請求の範囲は、本発明の精
神及び範囲を逸脱しないかかる変更を含むものと解釈す
る。
【0057】
【発明の効果】本発明のシステムは、一般的にはある地
域における初期地雷探知を可能にし、オペレータはその
地域内の物体の特定の位置を正確に特定することができ
る。さらに、オペレータはその物体の上方で繰返し掃引
を行い、SNRを高め、複数回の通過により画像を精密
化することができる。
【0058】従って、本システムの明白な効果及び相違
点は、センサヘッドのx−y位置又は座標を記録しつ
つ、ユーザが所望するどんな場所にでもセンサを自由に
動かすことができ、ユーザがリアルタイムでどのように
画像が形成されているのかを見ることができ、関心を引
く地域に走査を集中するという選択肢があり、それによ
り、全地域にわたっての積分の場合とは反対に、必要な
場所に限って積分時間を長くすることができることにあ
る。
【0059】かかるシステムの関連の効果は、特定の地
域への滞留が現在の信号を同じ場所における以前の示度
と平均化することにある。データは累積され、それによ
り積分時間が延長され、信号対雑音比が向上する。
【0060】本発明の追加的な効果は、以下に説明した
色又はグレースケール選択の機能である。最初は、コン
ピュータはどんなグレー値をどの特定の数字に割当てる
べきかが本当に分からず、そこで、放射計を地面の全域
で作動させてから約10秒後に、システムは全てのビン
において全ての数字を加算するために停止する。システ
ムは次に最小の数字を黒に、最大の数字を白に割当て
る。従って、数字の範囲は、システム内の色のグレース
ケールのレベルにより分割される。
【0061】均一配分されたグレー又は色の範囲が供給
されるように、画像は実質的に再生される。コンピュー
タは十分に高速であり、その結果、オペレータは再生に
気付かないほどであり、よりよい画像信号を得るために
探知器100をただ揺り動かし続ける。この再生は、も
し所望すれば変更も可能である定期的な割合で行われ
る。
【0062】再生機能を備えたもう1つの理由は、もし
放射計出力レベルがドリフトした場合は、オペレータが
ある程度はそのドリフトを修正できるからである。もし
信号がDC形式で掃引期間中に低から高にドリフトした
場合は、画像が歪むことになる。従って、放射計の安定
性は相当に重要であるか、又は織込まれるべきドリフト
を補償することを少なくとも意味している。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用環境における本発明の地雷探知システムの
実施の形態である。
【図2】地雷が存在する使用環境における本発明の地雷
探知システムの実施の形態である。
【図3】Aは地雷及び放射計探知ゾーンの略図であり、
Bは本発明のシステム内のモニタ上に現れる画像の略図
であり、Cは本発明のシステム内のモニタ上の最終的画
像の略図である。
【図4】Aは本発明の第1の信号処理方法を示した放射
測定画像の表示の略図であり、Bは本発明の第2の信号
処理方法を示した放射測定画像の表示の略図であり、C
は本発明の第3の信号処理を示した放射測定画像の表示
の略図である。
【符号の説明】 1 光線 2 光線 3 光線 4 光線 100 探知器 102 ハンドル 105 センサヘッド 110 アンテナ 120 ディスプレイ 125 ブーム 140 マイクロプロセッサ 142 ハードウェア 150 地表 155 地雷 160 距離計 170 画像グリッド 175 色 177 白黒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メリット エム ショークリ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90266 マンハッタン ビーチ トゥエ ンティサード ストリート 1334 (56)参考文献 特開 平9−90029(JP,A) 特開 平2−27287(JP,A) 特開 平1−280277(JP,A) 特開 平9−33194(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 3/12 F42B 23/00 G01S 5/18 G01S 13/88 G06T 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体の放射測定画像を収集及び表示する
    方法において、 最初に関心を引く地域の上方で放射計探知器を無作為に
    掃引する段階と、 関心を引く領域の部分で物体を検出する段階と、 前記最初の掃引する段階と物体を検出する段階の後に、
    物体の放射画像データを知るために検出された物体上で
    無作為に掃引する段階と、 放射データを得るために、所定の時間間隔で放射計探知
    器の出力をサンプリングする段階と、 位置データを得るために、各所定の時間間隔で放射計探
    知器の位置を確定する段階と、 画像を構成するために、放射計データ及び位置データを
    処理する段階と、 画像を表示する段階とからなり、 前記放射探知器が、アンテナパターンを有するホーンを
    含むことと、前記データを処理する段階が、探知器のア
    ンテナパターンを表す核の全域にデータを配分する段階
    からなることを特徴とする物体の放射測定画像を収集及
    び表示する方法。
  2. 【請求項2】 物体の放射測定画像を収集及び表示する
    方法において、 最初に関心を引く地域の上方で放射計探知器を無作為に
    掃引する段階と、 関心を引く領域の部分で物体を検出する段階と、 前記最初の掃引する段階と物体を検出する段階の後に、
    物体の放射画像データを知るために検出された物体上で
    無作為に掃引する段階と、 放射データを得るために、所定の時間間隔で放射計探知
    器の出力をサンプリングする段階と、 位置データを得るために、各所定の時間間隔で放射計探
    知器の位置を確定する段階と、 画像を構成するために、放射計データ及び位置データを
    処理する段階と、 画像を表示する段階とからなり、 前記データを処理する段階がさらに関心を引く地域を表
    すデカルトグリッドによりデータを正規化することから
    なることを特徴とする物体の放射測定画像を収集及び表
    示する方法。
  3. 【請求項3】関心を引く地域の上方で放射計探知器を無
    作為に掃引する段階と、 放射計データを得るために、所定の時間間隔で放射計探
    知器の出力をサンプリングする段階と、 位置データを得るために、各所定の時間間隔で放射計探
    知器の位置を確定する段階と、 アンテナパターンを表す核を定義する段階と、 画像を構成するために、核及び位置データに応じて放射
    データを配分する段階と、 画像を表示する段階と、さらに画像を表示するために、
    最暗色から最明色までの範囲の複数の色を提供するステ
    ップ、最暗色を最小放射測定データ示度に割当てるステ
    ップ、最明色を最大放射測定データ示度に割当てるステ
    ップ、 複数の色の中の残りの色を最小示度と最大示度
    の間の放射測定データに配分するステップを含むことを
    特徴とする物体の放射測定画像を収集及び表示する方
    法。
  4. 【請求項4】 さらに、表示を再生するために、割当及
    び配分段階を一定の時間間隔で繰返す段階を含むことを
    特徴とする請求項3に記載の方法。
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