JP3169318B2 - カラム充填剤 - Google Patents
カラム充填剤Info
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Description
活性基修飾状態の改良に関する。
詰めたカラムが用いられており、血清等各種物質の混合
試料の分離、分析には液体クロマトグラフィー、特に高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)が汎用され、ま
た、工業的にも特定成分の分離・抽出にカラム充填剤が
応用されている。このイオン交換カラム充填剤にはポリ
マー系樹脂担体とシリカ系担体の2種類がある。
が大きく、耐久性に優れているという利点があるが、使
用することで樹脂が膨潤し内圧が上昇する、理論段数が
低い等の欠点がある。一方、シリカ系担体は膨潤しな
い、理論段数が高くピークがシャープである等の利点が
あるが、イオン交換容量が低いという欠点がある。
ー系樹脂より優れているが、シリカ系担体のイオン交換
カラム充填剤で耐久性や安定性に優れたものは、ほとん
どないという問題がある。そこで、近年これらの欠点を
補い、従来より耐久性に富んだカラム充填剤が開発され
ている。これらの改良されたカラム充填剤は、シリカゲ
ル等の多孔性担体をシリコーンポリマーで被覆し、シリ
コーンポリマー上に機能性部分を付加したものである。
持時間が延び、理論段数も高くなり、ピークがシャープ
であるとともに、イオン交換容量が大きくなる。このよ
うな充填剤の具体例としては、特開昭63−17167
8号公報及び特開平4−166764号公報に記載され
たものが挙げられる。この充填剤では、固体材料(例え
ばシリカゲル)をシリコーンポリマーで被覆し、これに
スペーサー基(例えばエポキシ基)を結合し、更にスペ
ーサー基に機能性部分(例えばスルホン基)を導入して
いる。
下(例えばアルカリ性条件下)での安定性が向上すると
共に、従来DEAE型アニオン交換樹脂が用いられていた各
種ヌクレオチドの良好な分離が可能になるような分離特
性を示す。
たカラム充填剤において、イオン交換での分離を行う場
合、分析対象の試料をイオン化させるような状況下で行
わなければならないため、使用する移動相は、有機溶媒
20%以下の水系でpHも酸性又はアルカリ性に寄った
ものであることが多い。このような移動相を長時間通液
すると、修飾基が担体表面から剥離してしまい、さらに
シリコーンポリマーによる被膜が剥離し、いまだ耐久性
や分離能の点で課題を残している。
潤せずピークがシャープである等の特性を有し、耐久性
や安定性に優れた、シリカ担体のイオン交換カラム充填
剤を提供することを目的とする。
に本発明者が鋭意検討した結果、多孔性担体の表面をシ
リコーンポリマーで完全に被覆し、前記被覆シリコーン
ポリマー上に疎水基を介してスルホン基を導入すること
により過酷な移動相の影響を受けることなく、耐久性、
安定性に優れ分離能の高い、イオン交換カラム充填剤が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
ンポリマーの−Si−H基に二重結合を有するR−X基
を結合させ、Si−R−X結合を導入したもので実質的
に全面が被覆された多孔性担体よりなることを特徴とす
るカラム充填剤である。
の−Si−H基に二重結合を有し他端にエポキシ基R′
を有する中間基を反応させ−Si−R′基を形成し、前
記中間基のエポキシ基にアミノ基又は水酸基を有する−
R−X基を反応させ、−Si−R′−R−X結合を導入
したもので実質的に全面が被覆された多孔性担体よりな
ることを特徴とするカラム充填剤である。
担体がシリカゲルであることが好適である。
さず、オレンジ色を呈することが好適である。
素数1〜30の炭化水素であることが好適である。
液体クロマトグラフィー用の担体として一般に使用され
ている任意の粉体であるシリカゲル、アルミナ、ガラス
ビーズ(例えばポーラスガラス)、ゼオライト、ヒドロ
キシアパタイト又はグラファイト等を使用することがで
きる。また、複合粉体、例えばポリアミド、アクリル樹
脂、又はポリビニルアルコール等の合成樹脂の表面に、
微細な無機粉体、例えばシリカゲル、二酸化チタン又は
ヒドロキシアパタイトを被覆処理した粉体も使用するこ
とができる。
μmで、比表面積200〜800m2/g、40〜12
0Åの細孔を有するものが好適である。特に好適な多孔
性担体としては、60〜80Åの細孔を持ち、比表面積
が400〜600m2/gで粒径3〜50μmの球形あ
るいは破砕型のシリカゲルである。
ン化合物は、下記一般式化1
5R6SiO1/2)c (式中、R1、R2及びR3は相互に独立に水素原子であ
るか又はハロゲン原子の少なくとも1個で置換されてい
ることのある炭素数1〜10の炭化水素基であるが、R
1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。ま
た、R4、R5及びR6は相互に独立に水素原子であるか
又はハロゲン原子に少なくとも1個で置換されているこ
とのある炭素数1〜10の炭化水素基である。aは0又
は1以上の整数であり、bは0又は1以上の整数であ
り、cは0又は2であるが、但しcが0である場合には
aとbとの和が3以上の整数であるものとする)の少な
くとも1種である。
らなる。第1の群は、前記化1においてc=0の場合に
相当し、下記一般式化2
と同じ意味であるが、好ましくはR1、R2及びR3が相
互に独立にハロゲン原子に少なくとも1個で置換されて
いることのある炭素数1〜10の炭化水素基であり、a
とbとの和が3以上である)で表された環状シリコーン
化合物である。この化合物の代表例を挙げれば、以下の
一般式化3、化4である。
で又はそれらの混合物での形で使用することができる。
上記化3及び化4の各式において、n(又はa+b)は
好ましくは3〜7である。nの値が小さくなるのにした
がってその沸点が低下するので、蒸発して担体上に吸着
する量が多くなる。特に3量体及び4量体は、その立体
性質上、重合しやすいので特に適している。
例としては、ジハイドロジェンヘキサメチルシクロテト
ラシロキサン、トリハイドロジェンペンタメチルシクロ
テトラシロキサン、テトラハイドロジェンテトラメチル
シクロテトラシロキサン、ジハイドロジェンオクタメチ
ルシクロペンタシロキサン、トリハイドロジェンヘキサ
メチルシクロペンタシロキサン、テトラハイドロジェン
ヘキサメチルシクロペンタシロキサン、及びペンタハイ
ドロジェンペンタメチルシクロペンタシロキサン等を挙
げることができる。
は、前記式化1においてc=2の場合に相当し、下記一
般式化5
5R6SiO1/2)c (式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、a及びbは前記
化1の場合と同じ意味であり、cは2であるが、R1、
R2、R3、R4、R5、R6は好ましくは相互に独立にハ
ロゲン原子の少なくとも1個で置換されていることのあ
る炭素数1〜10の炭化水素基である)で表される直鎖
状シリコーン化合物である。この化合物の代表例として
は、下記一般式化6
体例としては、1,1,1,2,3,4,4,4,-オクタメチルテトラ
シロキサン、1,1,1,2,3,4,5,5,5,-ノナメチルペンタシ
ロキサン、及び1,1,1,2,3,4,5,6,6,6,-デカメチルヘキ
サシロキサン等を挙げることができる。前記一般式化1
で表されるシリコーン化合物は、気相状態または液相状
態で前記多孔性担体と接触させる。
密閉容器を用い、120℃以下好ましくは100℃以下
の温度下で、好ましくは200mmHg以下さらに好ま
しくは100mmHg以下の圧力下において、前記シリ
コーン化合物の蒸気を分子状態で担体表面上に接触させ
る方法、120℃以下好ましくは100℃以下の温度下
で前記シリコーン化合物とキャリヤーガスとの混同ガス
を担体と接触させる方法等により行うことができる。こ
の気相処理に適したシリコーン化合物としては、例えば
テトラヒドロテトラエチルシクロテトラシロキサン、テ
トラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサンを挙げ
ることができる。
例えば前記シリコーン化合物を溶解することができる揮
発性溶媒であるベンゼン、ジクロロメタン、またはクロ
ロホルム等、特にヘキサンに溶解した1〜50重量%シ
リコーン化合物溶液を担体1重量部に対してシリコーン
化合物0.01〜1重量部になるように担体に添加すれ
ば良い。この場合、攪拌下に添加することが好ましい。
担体表面上でのシリコーン化合物の表面重合は前記接触
処理後の担体を温度50〜200℃で2時間以上放置あ
るいは攪拌することによって行うことができる。
作用により促進されるので、特に触媒を加える必要はな
い。ここで、「活性点」とはシロキサン結合(Si−O
−Si)または−SiH(ヒドロシリル)基をもつシリ
コーン化合物の重合を触媒することのできる部位であ
り、例えば酸点、塩基点、酸化点、又は還元点を意味す
る。表面重合は、担体表面の活性点がシリコーンポリマ
ーの被覆で覆われてしまうまで行われる。担体自体の活
性が非常に弱い場合には、前記接触処理前又は後の担体
にアルカリ触媒例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウムもしくは水酸
化カルシウム等、アルキル金属触媒例えばジブチル錫等
を適宜添加した後に重合させても良い。
被膜の構造には2種類のものがある。すなわち、重合が
シロキサン結合(Si−O−Si)の開裂及び再結合に
よって起きるシリコーンポリマーではSi−O−Si単
位の鎖状構造のみをもち、一方重合がH2OまたはO2の
存在下におけるヒドロシリル結合(Si−H)同士の架
橋反応によって起きる場合には、下記一般式化7、
なる。
種類や反応条件(温度、触媒等)によって、それぞれ単
独に進行する場合と、両方の型の重合が同時に進行する
場合とがある。そして、重合の程度も様々である。以上
のように、本発明においては分子量の低いシリコーン化
合物を担体として接触させるので、シリコーン化合物が
担体の細孔内部にまで進入して粉体の実質的全表面上に
付着又は吸着して重合し、シリコーンポリマーのきわめ
て薄い被膜(3〜30Åの被膜)が担体上に形成され、
担体の多孔性が実質的に元のまま維持される。この多孔
性は、続いて実施するビニル化合物付加等によっても実
質的に損なわれない。
たシリコーンポリマーの分子量(重量平均分子量)は1
5万以上である。但し、シリコーン化合物の場合、重合
により高分子化するにつれ、水や有機溶媒に溶けにくく
なってしまい、ポリマーを抽出して分子量を測定するこ
とはできず、また担体表面上にコートされている状態で
のポリマーの分子量を測定することも不可能である。
クロロホルム抽出し、ポリスチレン換算でポリマーの分
子量を求めたところ、最大15万のポリマーが存在する
ことが確認された。従って、クロロホルムに抽出されな
い状態のままで十分に重合させたポリマーの分子量は、
15万以上であるということができるが、より詳しく分
子量を確認することは困難である。
は、未反応の−SiH基が残存している。この−SiH
基に、分子中にビニル基を有する炭化水素を反応させる
ことによって、Si−C結合を有するシリコーンポリマ
ーとすることができる。
化9
〜40アルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基若
しくはシクロアルケニル基、又は炭素数1〜20のアル
キル基で置換されているのあるアリール基である)で表
される化合物を使用することができる。
7及びR8がともに水素原子であるエチレン、R7及びR8
の一方が水素原子であって他方が水素原子以外の置換基
であるビニル化合物例えばα−オレフィン化合物、R7
及びR8がともに水素原子以外の同じ置換基である対称
形ビニル化合物、あるいはR7及びR8がともに水素原子
以外の異なる置換基である非対称形ビニル化合物のいず
れかであっても良い。
いてR7及びR8が相互に独立に、水素原子;炭素数4〜
20のアルキル基例えば1−ヘキシル基、1−オクチル
基、1−デシル基、1−ドデシル基、1−ヘキサデシル
基、又は1−オクタデシル基;シクロヘキシル基又はシ
クロヘキセニル基;フェニル基又はナフチル基;又は炭
素数1〜4の低級アルキル基で置換されているフェニル
基又はナフチル基であるビニル化合物である。
キシル基、ヘキサデシル基、又はフェニル基であるビニ
ル化合物を付加させると、それぞれ従来の化学結合型充
填剤のC4−タイプ、C8−タイプ、C18−タイプ又はフ
ェニルタイプに相当するものを得ることができる。
ー被覆粉体との反応は、例えば溶媒の存在下において5
0〜300℃、気相あるいは液相で2時間以上接触させ
ることにより行うことができる。触媒としては、白金属
触媒すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム又は白金の化合物が適合している。
特にパラジウム化合物及び白金化合物が良好である。
拡散反射スペクトルの測定により行える。すなわち、21
60cm-1の−SiH基の吸収は、ビニル化合物の付加によ
り吸収強度が大幅に減少し、これに変わって2800cm-1〜
3000cm-1に新たにアルキル基に基づく吸収が表れる。従
って、この吸収強度の比を求めることによって反応率が
計算される。
れた多孔性担体に、二重結合を有するスルホン基を導入
し、一段階でスルホン化する方法で製造することができ
る。すなわち、図1(A)に示すように多孔性担体10
の表面を、前述した方法によりシリコーンポリマー12
で被覆する。そして、図1(B)に示すようにそのシリ
コーンポリマー12に残存する−SiH基と、二重結合
を有するR−X基20を反応させ、−Si−R−X基2
2とする。これにより一段階でスルホン基をもつカラム
充填剤を製造することができる。
れた多孔性担体に、まずエポキシ基を有するエポキシ化
合物を導入し、該末端エポキシ基にスルホン基を結合さ
せてスルホン化する方法で製造することができる。
担体10の表面を、前述した方法によりシリコーンポリ
マー12で被覆する。次に、図2(B)に示すようにそ
のシリコーンポリマー12に残存する−Si−H基と、
二重結合及びエポキシ基R′18を有するエポキシ化合
物を反応させる。このエポキシ化合物は二重結合端でシ
リコーンポリマーと結合しシリコーンポリマーで被覆さ
れたシリカゲルは、エポキシ基を有する状態(−Si−
R′)となる。そして、図2(C)に示すように−R−
X基20を反応させ、−Si−R′−R−X基24を形
成する。このようにエポキシ基などを中間体として用い
ることにより、スルホン基を導入する際に担体を損傷し
にくいという利点がある。
れた多孔性担体を、まず、疎水性化し、次いでその疎水
基に直接スルホン化する方法で製造することができる。
すなわち、図3(A)に示すように多孔性担体10の表
面を、前述した方法によりシリコーンポリマー12で被
覆する。次に、図3(B)に示すようにそのシリコーン
ポリマー12に残存する−Si−H基と、二重結合を有
する疎水性基Rを反応させ、−Si−R基14とする。
そして、図3(C)に示すように−Si−R基14を直
接スルホン化して−Si−R−X基22を形成する。こ
のようにシリコーンポリマーを直接スルホン化すること
もできる。
説明する。なお、本発明はこれにより限定されるもので
はない。実施例1 二段階スルホン化法により製造されたカラム
充填剤 製造法 約60Åの細孔を有し、平均粒径5μmの球形シリカゲ
ル粉体10gと環状シリコーン化合物(化1において、
R1=CH3、a=3〜5、b=0、c=0のもの)2g
とを、両者が連結された別々の密閉容器にとり、環状シ
リコーン化合物を窒素バブリングすることによって気相
状態でシリカゲル粉体表面に接触させ表面重合させた。
し、恒温槽内において105℃で1時間加熱した。冷却
後、粉体8gと、触媒として塩化白金酸0.5mgとを2
00mlの三ッ口フラスコに取り、イソプロピルアルコー
ル30ml及びアリルグリシジルエーテル(中間基)15
gを加えて油浴中で5時間還流加熱した。これをグラス
フィルターでろ過し、続いてイソプロピルアルコール、
メタノール及びクロロホルムで十分洗浄した後、ろ過し
80℃の恒温槽内において1時間減圧乾燥した。
mlを200mlの三ッ口フラスコに取り、水酸化ナトリウ
ムでpHを8.5に調整して完全均一系にした。これ
に、乾燥粉体5gを加え、油浴中で4時間還流加熱し
た。これをグラスフィルターでろ過し、続いて水及びメ
タノールで十分洗浄した後、ろ過し80℃の恒温槽内に
おいて1時間減圧乾燥させて実施例1にかかる充填剤を
得た。
25cmのステンレススチール製カラムに平衡スラリー
法で充填し、充填カラムを作成した。このカラムを用い
てウラシル(50ppm)、チミン(50ppm)、グ
アニン(150ppm)、シトシン(300ppm)、
アデニン(150ppm)の核酸塩基5種類の分離状態
を調べた。移動相は、0.2MNH4H2PO4(pH
3.50)を1.0ml/minで送液し、検出は254nm
で行った。また注入量は7μlであった。得られたクロ
マトグラムを図4に示す。得られた結果では、ウラシ
ル、チミン、グアニン、アデニン、シトシンの
ピークが溶出し、大きなテーリングもなく良好に分離し
ている。
25cmのステンレススチール製カラムに平衡スラリー
法で充填し、充填カラムを作成した。このカラムを用い
てノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン(各1
00ppm)のカテコールアミン3種類の分離状態を調
べた。移動相は、0.1MNaH2PO4(H2O:CH3
CN=92:8、pH3.50)を1.0ml/minで送液
し、検出は270nmで行った。また注入量は7μlで
あった。得られたクロマトグラムを図5に示す。得られ
た結果では、ノルエピネフリン、エピネフリン、
ドーパミンのピークが溶出し、大きなテーリングもなく
良好に分離している。
に記載される方法により得られたシリコーンポリマーに
よりシリカゲルを被覆し、スペーサー基としてエポキシ
基、修飾基としてスルホン基を用いたもの)について、
溶出例1−2と同様の溶離挙動を調べた。
と、いずれもある程度保持時間が長く、各試料が良好に
分離しており、分離効率が高い。しかし、長時間移動相
を通液すると、本実施例にかかる充填剤の分離効率はほ
とんど変化がないのに対して、既知のカラム充填剤は、
ピーク形状が変形し、分離効率が大幅に低くなってい
る。これは、シリカゲルを完全に被覆していないことに
より、酸性移動相の影響を受け、導入した化学修飾基が
剥離したためと思われる。
ると、比較例として用いたカラム充填剤は、多孔性担体
をシリコーンポリマーで被覆し、シリコーンポリマー上
にSi−R′−X基が導入され、すなわち、親水基(エ
ポキシ基)を介してスルホン基が直接導入されており、
一方で、本実施例にかかるカラム充填剤はエポキシ基に
さらに疎水基を介してスルホン基を導入している。この
疎水基導入のため、さらに分離効率が高くなっていると
思われる。
膜状態の検討 溶出挙動に対する多孔性担体の極性基の影響を調べるた
め、本実施例により得られたカラム充填剤と、比較例1
−1に用いたカラム充填剤、その他市販のカラム充填剤
において、シリコーンポリマーによる被覆状態の相違を
検討した。具体的には、カラム充填剤についてメチルレ
ッド呈色法により多孔性担体(シリカゲル)のシリコー
ンポリマーによる被覆状態を調べた。
100mgをトルエン10mlに分散し、そこへ0.1
%メチルレッド−トルエン溶液を100μl加え、よく
振り、このときの呈色で判断するというものである。
「メチルレッド呈色法」によれば、多孔性担体上に存在
するシラノールの有無を検出することができる。
ポリマー12の膜がない又は一部剥離している場合、多
孔性担体10の表面にシラノール26が露出して、表面
の酸性が強い固体酸となっている。従って、多孔性担体
がシリコーンポリマーで十分に被覆されていない場合、
シラノールが検出され赤紫色を呈し、多孔性担体がシリ
コーンポリマーで十分に被覆されている場合は、シラノ
ールが検出されずオレンジ色を呈したままである。
るため、塩を形成し、遊離するH+をもたないスルホン
基は呈色に関与しないと考えられる。本実施例により得
られたカラム充填剤及び比較例1−1で用いたカラム充
填剤、についてメチルレッド呈色反応を行った。結果を
表1に示す。
填剤をはじめ市販のカラム充填剤においては赤紫色を呈
したが、本実施例にかかるカラム充填剤ではオレンジ色
を呈したままであった。また、その他の市販のカラム充
填剤について調べたところ全てにおいて赤紫色を呈し
た。従って、従来のカラム充填剤においては、完全にシ
リコーンポリマーにより被覆されていないが、本発明に
かかる方法によれば完全にシリコーンポリマーで多孔性
担体表面が被覆されていることが示唆される。
により、担体表面に従来より多量のスルホン基を導入す
ることが可能であり、また、多孔性担体の持つ極性基
(たとえば、シリカゲルのシラノール基)の影響も受け
ず、さらに、長時間通液によるシリコーンポリマーによ
る被膜の剥離も防止でき、耐久性、安定性に優れ、分離
能の高いカラム充填剤を得ることが可能であることが明
らかとなった。
ム充填剤は、シリコーン樹脂が担体を完全かつ均一にコ
ートした樹脂カプセル型であるため、ここの粉体の持つ
極性基(例えばシリカゲルのシラノール基)の影響をほ
とんど受けない。また、イオン交換充填剤としての利用
上、移動相は水系で使用することが多いが、これは一般
的に化学修飾基を剥す一因である。しかし、本充填剤は
疎水性のシリコーンポリマーで完全に被覆してあるた
め、化学修飾基の根元への影響が少なく、安定性や耐久
性に優れ分離能の高い充填剤が得られる。
図である。
図である。
である。
1−1により得られたクロマトグラムである。
1−2により得られたクロマトグラムである。
基) 24 −Si−エポキシ基−疎水性基−スルホン基(−
Si−R′−R−X基) 26 シラノールのOH基
Claims (5)
- 【請求項1】 シリコンポリマーの−Si−H基に二重
結合を有するR−X基(Rは疎水性基、Xはスルホン
基)を結合させ、Si−R−X結合を導入したもので実
質的に全面が被覆された多孔性担体よりなるカラム充填
剤。 - 【請求項2】 シリコンポリマーの−Si−H基に二重
結合を有し他端にエポキシ基R′を有する中間基を反応
させ−Si−R′基を形成し、 前記中間基のエポキシ基にアミノ基又は水酸基を有する
−R−X基を反応させ、−Si−R′−R−X結合を導
入したもので 実質的に全面が被覆された多孔性担体より
なるカラム充填剤。 - 【請求項3】 請求項1及び2に記載のカラム充填剤に
おいて、多孔性担体がシリカゲルであることを特徴とす
るカラム充填剤。 - 【請求項4】 請求項3に記載のカラム充填剤におい
て、メチルレッド呈色法により赤紫色を呈さず、オレン
ジ色を呈することを特徴とするカラム充填剤。 - 【請求項5】 請求項1〜4に記載のカラム充填剤にお
いて、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であることを特
徴とするカラム充填剤。
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JP09299495A JP3169318B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | カラム充填剤 |
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1995
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