JP3168214U - 熱反射部材及びこの熱反射部材を用いた加熱器 - Google Patents

熱反射部材及びこの熱反射部材を用いた加熱器 Download PDF

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Abstract

【課題】約300℃を超える耐熱温度にも耐えて、反射鏡面の溶融、ひび割れ、曇りや変色などを引き起さずに、しかも高熱反射率を安定した状態で維持できる熱反射部材。【解決手段】所定形状の基材11の表面に、熱反射層12と保護コート層13とをこの順に積層形成して、発熱体からの放射熱を所定の方向へ向けて反射させる熱反射部材であって、熱反射層12は、層厚2〜4μmのアルミニウム又は銀からなる鏡面層で形成され、保護コート層13は、層厚1〜2μmの石英ガラス層で形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、熱反射部材及びこの熱反射部材を用いた加熱器に係り、さらに詳しくは、これまで約300℃程度を耐熱最高温度としていた熱反射板をこの温度以上の高熱に耐える耐熱性を有し、さらに、高熱反射率を維持できる熱反射部材及びこの熱反射部材を用いた加熱調理器や暖房器などの加熱器に関するものである。
加熱調理器や暖房器などの加熱器は、多種多様の型式、仕様、形態のものが開発・製品化されて広く普及している。これらの加熱器は、その殆どが発熱体にシーズヒーター、カーボンランプヒータ、ハロゲンランプヒータなどが使用されると共に、これらの発熱体からの熱を所定の方向へ向けて集中又は拡散させて、被加熱物などを効率よく乾燥或いは加熱する熱反射部材が使用されている。この熱反射部材は、発熱体からの熱を所定の方向へ向けて集中又は拡散させる熱反射機能を持った熱反射板或いはこの熱反射機能と共に外部への熱の伝達を抑制する断熱機能をも持った断熱性反射板などとなっている。
例えば、下記特許文献1には、反射板兼断熱材が開示されている。この反射板兼断熱材は、熱硬化性架橋ポリカルボジイミド樹脂を含浸させて加圧成型することによって断熱材が形成され、この断熱材の両面にアルミ箔が被覆されて、この断熱材とアルミ箔とがプレス成型で一体化したものとなっている。また、下記特許文献2には、同様の断熱性反射板が記載されている。この断熱性反射板は、ガラス繊維を主体としたニードルマットと、溶媒の水を溶かしてニードルマットの表面又は全体に含浸させた無機系耐熱バインダーと、ニードルマットの表面に重ねた金属箔からなるアルミニウム箔とを備え、このアルミニウム箔が水の蒸発により発揮される無機系耐熱バインダーの接着力によりニードルマットに一体化されたものとなっている。さらに、下記特許文献3には、熱源にカーボンヒーターを用い、このカーボンヒーターからの放射熱を所定方向へ向けて熱反射させる熱反射板が組込まれたピザ焼き器が記載されている。
さらにまた、下記特許文献4にも同様の電気調理器が記載されている。図9を参照して、この特許文献に記載された電気調理器を説明する。なお、図9はこの特許文献に記載された電気調理器の断面図である。
この電気調理器20は、ガラスセラミックスで構成されたクッキングプレート21を加熱手段で加熱し、その上で直接被調理物を調理する温度調節機構を有している。クッキングプレート21は、その裏面に熱伝導がよく電気絶縁抵抗の高いセラミックスからなる均熱層が設けられて、この均熱層の裏面に加熱手段としての金属箔発熱体23が配置されている。クッキングプレート21とこのガラスセラミックスプレート24との間には、金属箔発熱体23が挟んで固定されると共に、ガラスセラミックスプレート24の下面に熱反射層が形成されたものとなっている。なお、符号22は均熱層、25は熱反射層を表している。この電気調理器20は、制御手段を備え、この制御手段は、センサー26からの信号により、40℃〜最高温度300℃の温度範囲の最適な調理温度を保つように金属箔発熱体23の通電制御を行うようになっている。
特開平7−158863号公報(段落〔0008〕〜〔0011〕、図3) 特開平9−229386号公報(段落〔0010〕〜〔0012〕、図2) 特開2010−84955号公報(段落〔0015〕〜〔0017〕、図3) 特開平7−27348号公報(段落〔0010〕〜〔0013〕、図1)
上記特許文献1〜4に記載の反射板兼断熱材及び断熱性反射板(以下、これらを総称して「熱反射部材」という)によれば、発熱体からの熱を所定の方向へ反射させて被加熱物などを効率よく加熱することができる。これらの特許文献には、熱反射部材の素材が明記されていないが、概ね、金属板、例えばステンレス板を用い、その面に鏡面加工を施したもの、或いは、この鏡面加工面に樹脂膜を設けたものとなっている。
しかしながら、これまでの熱反射部材は、以下の課題を抱えていることが判明した。その一つの課題は、これらの熱反射部材は、耐熱最高温度が概ね300℃程度以下となっている。例えば、上記特許文献4の調理器は300℃となっている。このために、この最高耐熱温度を超える熱源ヒーターに適用できず、強いて使用すると、熱反射面が焼けて、変色し、曇り、或いは損傷してしまうことがある。そのために、このような熱反射部材は、高熱の熱源ヒーターから所定距離離して設置して使用されている。そうすると、熱反射効率が低下するとともに、熱損出が生じて熱エネルギーの有効利用ができずに省エネ効果を達成できない。
また、他の課題は、これらの熱反射部材は、概ね、鏡面反射面が樹脂材でコーティングされているので、所定の耐熱温度を超えると、この樹脂コーティング膜にひび割れや溶融などが発生して、損傷して使用できなくなる恐れがある。
さらに、他の課題は、熱反射部材の熱反射面にゴミ、埃などが付着し易く、また、付着してしまうと取れ難く、そのために熱反射率が大幅に低下することがある。その結果、熱エネルギーの損出が大きくなり、省エネ効果を達成できなくなる。
さらにまた、他の課題は、これらの熱反射部材は、概ね、平板状の板状体で形成されている。このため用途が制限されてしまい、近年の加熱器は、多種多様のものになっているので、このような加熱器に使用ができなくなることがある。
近年、この種の加熱調理品には、より美味しさが要求されており、美味しい調理は、概ね、高熱での加熱調理となっている。そのために、加熱調理器の調理温度をさらに高めなければならない。例えば、ファーストフード店などは、ホットプレート(クッキングプレート)の温度をさらに高めると共にスピーディな調理が求められている、一方でまた地球の温暖化現象が地球規模の問題になっていることから、このような加熱調理器においても、省エネ対策が必須となっている。かかる状況下において、熱反射部材においても、より高い耐熱性及び高い熱反射率が求められている。そこで、考案者らは、従来技術の熱反射部材が抱える課題及び上記の要求などから、これらの課題解決及び要求実現を如何にすればできるかを精鋭探求した。その探求過程において、熱反射部材の反射面を所定の厚さの石英ガラスで覆うと、これらの課題解決及び要求実現ができることに想到し、本考案を完成させるに至ったものである。
本考案は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本考案の目的は、従来、約300℃程度が耐熱最高温度であったのをこの温度を超える耐熱温度にも耐えて、反射鏡面に溶融、ひび割れ、曇りや変色などが発生せずに高熱反射率を安定した状態で維持できる熱反射部材を提供することにある。
本考案の他の目的は、上記目的を有し、簡単で任意形状に形成できて多用途の熱機器に使用できる熱反射部材を提供することにある。
本考案のまた他の目的は、表面にゴミ、埃などが付着し難く、付着しても簡単に落とすことができる熱反射部材を提供することにある。
本考案のさらに他の目的は、上記目的を備えた熱反射部材を組込んだ加熱器を提供することにある。
本考案のさらにまた他の目的は、クッキングプレートの表面温度が300℃を超える500℃、それ以上にアップできる加熱器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案の第1の態様の熱反射部材は、所定形状の基材の表面に、熱反射層と保護コート層とをこの順に積層形成して、発熱体からの放射熱を所定の方向へ向けて反射させる熱反射部材において、前記熱反射層は、層厚2〜4μmのアルミニウム又は銀からなる鏡面層で形成され、前記保護コート層は、層厚1〜2μmの石英ガラス層で形成されていることを特徴とする。
また、第2の態様の熱反射部材は、前記第1の態様の熱反射部材において、前記銀の鏡面層は、銀鏡反応による銀膜皮膜で形成されていることを特徴とする。
また、第3の態様の熱反射部材は、前記第1の態様の熱反射部材において、前記保護コート層は、ポリシラザン膜で形成されていることを特徴とする。
また、第4の態様の熱反射部材は、前記第3の態様の熱反射部材において、前記ポリシラザン膜は、パーハイドロポリシラザンを原料としたコーティング剤の塗布膜で形成されていることを特徴とする。
また、第5の態様の熱反射部材は、前記第1〜4のいずれかの態様の熱反射部材において、前記基材は、平坦面又は非平坦面を有し、前記面に前記熱反射層と前記保護コート層が形成されていることを特徴とする。
また、第6の態様の加熱器は、前記第1〜5のいずれかの態様の熱反射部材の前記保護コート層の上方に、カーボンヒーターを配設して、前記カーボンヒーターの上方にクッキングプレートを設けたことを特徴とする。
また、第7の態様の加熱器は、前記第6の態様の加熱器において、前記熱反射部材の前記保護コート層の上方に、複数本のカーボンヒーターを配設して、前記クッキングプレートとしてカーボンプレートを設けたことを特徴とする。
また、第8の態様の加熱器は、前記第6の態様の加熱器において、前記熱反射部材の前記保護コート層の上方に、複数本のカーボンヒーターを隣接・配設して、前記クッキングプレートとして石英ガラス又は赤外線透過率の高い耐熱ガラスを設けたことを特徴とする。
また、第9の態様の加熱器は、前記第8の態様の加熱器において、前記クッキングプレートは、その肉厚が3.0〜5.0mmであることを特徴とする。
また、第10の態様の加熱器は、前記第8又は9の態様の加熱器において、前記クッキングプレートの表面に、金網を載置したことを特徴とする。
本考案の第1の態様の熱反射部材によれば、従来、約300℃程度の耐熱最高温度をこの最高温度を超える耐熱温度にも耐えて、熱反射鏡面の溶融、ひび割れ、曇りや変色などを起さずに、しかも高熱反射率を維持できる熱反射部材を提供できる。
本考案の第2の態様の熱反射部材によれば、銀鏡反応による銀膜皮膜は、高い熱反射率の皮膜となる。
本考案の第3の態様の熱反射部材によれば、従来の耐熱最高温度の400〜500℃を超える耐熱温度にも耐えて、反射鏡面の溶融、ひび割れ、曇りや変色などを起さず、しかも、鏡面の表面に、ゴミ、埃などが付着し難く、付着しても簡単に落とすことができる。
本考案の第4の態様の熱反射部材によれば、パーハイドロポリシラザンを原料としたコーティング剤の塗布膜で形成されて、簡単にポリシラザン膜を形成できる。
本考案の第5の態様の熱反射部材によれば、簡単に任意形状に形成できて多用途の熱機器に使用できる。
本考案の第6の態様の加熱器によれば、熱反射部材及びクッキングプレートとカーボンヒーターとの間を接触しない程度に接近させることができるので、熱損出が少なくなると共に、熱反射部材の高熱反射率により、クッキングプレートが効率よく加熱される。
本考案の第7の態様の加熱器によれば、カーボンヒーターとカーボンプレートとで組合わせてあるので、発熱体(カーボンヒーター)及び受熱体(カーボンプレート)がカーボン系となり熱交換率が高くなる。
本考案の第8〜10の態様の加熱器によれば、クッキングプレートの表面温度を高温、500℃以上にすることが可能になる。
図1は本考案の実施形態に係る熱反射部材の外観斜視図である。 図2は図1の熱反射部材をII−II線で切断した断面図である。 図3は図1の熱反射部材の保護コート層を形成する工程図である。 図4は図1の熱反射部材の耐熱性を検証する試験装置の斜視図である。 図5は図1の熱反射部材の変形例を示した断面図である。 図6は図4の試験装置等に用いられたカーボンヒーターを示し、図6Aは斜視図、図6Bは図6AのVIB−VIB線で切断した断面図である。 図7は図1の熱反射部材を用いた加熱調理器の斜視図である。 図8は他の加熱調理器の断面図である。 図9は従来技術の熱反射部材が組込まれた電気調理器の断面図である。
以下、図面を参照して本考案の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本考案の技術思想を具体化するための熱反射部材及び加熱器を例示するものであって、本考案をこれらに特定することを意図するものではなく、実用新案登録請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
[実施形態]
図1〜図3を参照して、本考案の実施形態に係る熱反射部材を説明する。なお、図1は本考案の実施形態に係る熱反射部材の外観斜視図、図2は図1の熱反射部材のII−II線で切断した断面図、図3は図1の熱反射部材の保護コート層を形成する工程図である。
本考案の実施形態に係る熱反射部材10は、図1に示すように、所定の厚み及び面積を有する板状の熱反射板となっている。なお、熱反射部材は、このような熱反射板に限定されるものでなく、任意の形状にしたものでもよい。
この熱反射板10は、図1、図2に示すように、所定の厚さd及び所定の面積を有する板材からなる基材11の上に、所定の厚さdの熱反射層12、この熱反射層を保護する所定厚さdの保護コート層13をこの順に積層形成した構成となっている。基材11は、金属材、例えばステンレスを使用する。この厚さdは、例えば0.8mmである。なお、この基材は、金属板材に限定されるものではなく、他の基材、例えば、耐熱性を有する合成樹脂材、ガラス繊維などで編んだものなどを使用してもよい。
基材11は、その表面を平坦化した後に薬品や水などを用いて洗浄処理し、その後に、その表面に熱反射層12を形成する。この熱反射層12は、銀鏡反応により層厚2〜3μmの銀鏡皮膜で形成する。この銀鏡皮膜12は、無電解銀メッキによる銀鏡反応析出、例えば、銀鏡メッキ液、例えば、銀アンモニア溶液及び還元剤からなる銀鏡メッキ液を用い、この銀鏡メッキ液をスプレーガンなどで基材の表面に吹付け、脱イオン水などで洗浄して乾燥して形成する。銀鏡反応は、トレンス試薬(アンモニア性硝酸銀水溶液)によってアルデヒド基をもつ化合物が酸化されてカルボン酸となり、還元された銀が析出する化学反応で形成される。すなわち、この反応式は、以下の化学式(1)に示すように、硝酸銀溶液に過剰のアンモニア水を加えると、この過剰アンモニア水で錯イオンとなって透明なアンモニア性硝酸銀水溶腋(トレンス試薬)が得られる。

AgO+4NH+HO→2[Ag(NH]++2OH・・・・・・(1)

そして、以下の化学式(2)に示すように、これにアルデヒド基を持つ化合物を加え、穏やかに加熱するとジアンミン銀イオンが還元され銀が析出する。

RCHO+2[Ag(NH]+2OH→RCHO+2Ag+4NH+H
・・・・・・(2)
この銀鏡皮膜12は、その厚さdを2〜3μmの範囲に設定してある。この範囲外、すなわち、小さいと銀鏡皮膜にムラが発生し、また大きいと保護コート層で覆っても使用中に剥がれ落ちてしまうことかあるので、上記の範囲が好ましい。なお、銀鏡皮膜に代えて、アルミニウム膜にしてもよい。
銀鏡皮膜12は、その表面に保護コート層13を形成する。この保護コート層13は、パーハイドロポリシラザン(PHPS)を原料とするポリシラザン膜で形成する。このPHPSは、珪素(Si)、窒素(N)、水素(H)のみからなる化合物であって、炭素(C)などの有機成分を含まない無機ポリマーとなっている。そして、現在、このPHPSを原料としたコーティング材が開発されている。このコーティング材は、有機溶剤を含んだものとなっている。有機溶剤は、微量の触媒で構成されている。なお、コーティング材には、用途、乾燥(焼成)条件、施工方法によって、それらに対応した型番のものが開発されている。
そこで、この実施形態では、このコーティング材、すなわち、PHPS溶液を塗布することによって、ポリシラザン膜が形成される。PHPS溶液は、まず、PHPS溶液を用意して、図3に示すように、このPHPS溶液を、まず、銀鏡皮膜12の表面に塗布する(ステップS)。次いで、その塗布面を室温〜1000℃で焼成する(ステップS)。この焼成により、NがOに置き換わり、シリカ膜が形成される(ステップS)。
このシリカ膜は、その厚さdを1〜2μmの範囲に設定してある。この範囲外、すなわち、小さいとシリカ膜にムラが発生し、また大きいと使用中に割れ(クラック)などが発生してしまうことかあるので、上記の範囲が好ましい。
このポリシラザン膜は、以下の特徴を持ったものとなる。高密着性、親水性、弱溶剤系、無色透明、硬度、耐熱性、耐酸性、絶縁性、平坦性、耐久性に優れた特性を有している。
また、表面にゴミ、埃などが付着し難く、付着しても簡単に落とすことができる。
作製した熱反射板10の耐熱性を検証するために、熱源にカーボンヒーターを用いて確認した。図4は熱反射部材の耐熱性を検証する試験装置の斜視図である。試験装置14は、図4に示すように、熱反射板10の上に、カーボンヒーター15を位置させたものとなっている。カーボンヒーター15は、図6A及び図6Bに示すように、所定の幅長及び長さを有する細帯状の発熱抵抗体15aと、この抵抗体の両端に接続された端子部15c、15dとを有し、発熱抵抗体が透明な耐熱部材、例えば透明な石英管15bで覆われた構成を有している。発熱抵抗体15aは、略S字状に蛇行させて、抵抗を増大させるのが好ましい。
このカーボンヒーター15は、直径は10mm、石英管15bの厚さは1.0mm、発熱抵抗体15aの幅長は7.0mm、発光長は400mm、発熱温度は1380℃である。このカーボンヒーター15を用い、このカーボンヒーター15を熱反射板10の表面から所定高h離して設置して熱反射板10に熱反射させて、熱反射板の表面を目視で確認した。なお、発熱抵抗体15aは熱反射板と略平行にその高さをhとした。高hを可能な限り低く熱反射板10表面に接触しない程度の高さ1.0mmにしておいて、30分間掛けて加熱、その後30分の間冷却し、この繰り返しを12時間行った。その結果、保護コート層のクラック、色むら、曇りなどの変色などを目視できなかった。なお、高さhをゼロにしても、結果は同じであった。
熱反射板10は、平坦面の板材で構成したが、非平坦の熱反射板にしてもよい。図5の熱反射部材は、非平坦面に形成したものである。図5Aの熱反射部材10Aは浅い凹型にしたものであり、また、図5Bの熱反射部材10Bは深い凹型にしたものであり、さらに、図5Cの熱反射部材10Cは波型にしたものである。これらの熱反射部材10A〜10Cは、いずれも同じ方法で作製する。その製法は、まず、基材11を所定の形状に予め湾曲などし、その湾曲面に、熱反射板10と同様の方法で熱反射層12及び保護コート層13を設けて作製する。これらの熱反射部材10A〜10Cによれば、多種多様の加熱器に使用できる。これらの熱反射板によれば、ヒーターの種類、配置によって、所定の方向へ効率よく反射させて集束させることができる。また、熱反射部材は、上記の形状のものに限定されるものでなく、その他に任意形状にしてもよい。
熱反射板10及び熱反射部材10A〜10Cは、多種多様の加熱器などに使用できる。図7を参照して、熱反射板10を使用した加熱調理器を説明する。なお、図7は図1の熱反射部材を組込んだ加熱調理器を示した斜視図である。
加熱調理器16は、熱反射板10の表面(保護コート層を設けた面)に複数本、例えば4本のカーボンヒーター15〜15を配設して、その上方にホットプレート(クッキングプレート)17を設置したものである。なお、それぞれのカーボンヒーターの各発熱抵抗体15aは熱反射板と略平行になるように設置されている。ホットプレート17は、肉厚13mmのカーボンプレートを使用する。このカーボンプレート17をカーボンヒーター15〜15で加熱したところ、その表面温度が約360℃の均一な温度となった。この加熱調理器16は、カーボンヒーターとカーボンプレートとを組合わせたので、発熱体(カーボンヒーター)及び受熱体(カーボンプレート)がカーボン系となり熱交換率がアップしたものとなっている。なお、カーボンプレート17は、その表面にセラミックス材を溶射してもよい。この構成においても、同様の熱交換率を高くできる。なお、カーボンプレート17の裏面に、熱吸収耐熱性塗料17aを塗布してもよい。
この加熱調理器16によれば、熱反射板10及びホットプレート17と4本のカーボンヒーター15〜15との間を接触しない程度に接近させたので、熱損出が少なくなると共に、熱反射板10の高熱反射率により、ホットプレート17が効率よく加熱される。また、熱反射板10及びホットプレート(クッキングプレート)17とカーボンヒーター15〜15とを接触させてもよい。この構成により、ホットプレート17がさらに効率よく加熱される。ホットプレート(クッキングプレート)17は、カーボンプレートで構成したが、所定厚さ、例えば10mm程度の銅板を用いてもよい。この銅板は、その裏面、すなわちカーボンヒーターと対向する面に熱吸収性塗料を塗布した薄膜を形成するのが好ましい。この構成により、カーボンヒーターからの熱を効率よく吸収し、ホットプレートの加熱効率がよくなる。
加熱調理器16は、ホットプレート(クッキングプレート)17の表面温度を約360℃程度に加熱できるが、用途によっては、更に高い温度、例えば500℃程度或いはそれ以上が要求されている。そこで、この要求に応えるために、加熱源となるカーボンヒーターの本数を増やすと共に、ホットプレート(クッキングプレート)に赤外線透過率が高く、しかも肉薄のプレートを用いて加熱調理器を構成する。
図8の加熱調理器は、この要求を満たすもので、の加熱調理器16Aは、上記の熱反射板10を用い、この熱反射板の表面(保護コート層を設けた面)に複数本のカーボンヒーター15〜15を略隙間なく併設・配設して、それらの上方に、石英ガラス又は赤外線透過率の高い耐熱ガラス18をホットプレート(クッキングプレート)として設置したものである。石英ガラス及び耐熱ガラスは、その肉厚が約3.0mm程度である。石英ガラスには、例えばネオセラム(商品名)を使用する。なお、熱反射板及びホットプレート(クッキングプレート)とカーボンヒーターとを接触させるのが好ましい。また、ホットプレート(クッキングプレート)の上に、所定メッシュの金網19を載置して使用するのが好ましい。この加熱調理器によれば、カーボンヒーターに上記仕様の使用したところ、発熱温度調整は自由で温度分布も良く常温〜800℃まで5〜8秒で安定発熱し、赤外線放射率が高く水分を含んだ調理素材の加熱調理に対しても良好な効果が得られる。
10、10A〜10C 熱反射板(熱反射部材)
11 基材
12 熱反射層(銀鏡皮膜)
13 保護コート層(ポリシラザン層)
14 試験装置
15、15〜15 カーボンヒーター
15a 発熱抵抗体
16、16A 加熱調理器(加熱器)
17、18 ホットプレート(クッキングプレート)
19 金網

Claims (10)

  1. 所定形状の基材の表面に、熱反射層と保護コート層とをこの順に積層形成して、発熱体からの放射熱を所定の方向へ向けて反射させる熱反射部材において、
    前記熱反射層は、層厚2〜4μmのアルミニウム又は銀からなる鏡面層で形成され、前記保護コート層は、層厚1〜2μmの石英ガラス層で形成されていることを特徴とする熱反射部材。
  2. 前記銀の鏡面層は、銀鏡反応による銀膜皮膜で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱反射部材。
  3. 前記保護コート層は、ポリシラザン膜で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱反射部材。
  4. 前記ポリシラザン膜は、パーハイドロポリシラザンを原料としたコーティング剤の塗布膜で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の熱反射部材。
  5. 前記基材は、平坦面又は非平坦面を有し、前記面に前記熱反射層と前記保護コート層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱反射部材。
  6. 請求項1〜5のいずれかの熱反射部材の前記保護コート層の上方に、カーボンヒーターを配設して、前記カーボンヒーターの上方にクッキングプレートを設けたことを特徴とする加熱器。
  7. 前記熱反射部材の前記保護コート層の上方に、複数本のカーボンヒーターを配設して、前記クッキングプレートとしてカーボンプレートを設けたことを特徴とする請求項6に記載の加熱器。
  8. 前記熱反射部材の前記保護コート層の上方に、複数本のカーボンヒーターを隣接・配設して、前記クッキングプレートとして石英ガラス又は赤外線透過率の高い耐熱ガラスを設けたことを特徴とする請求項6に記載の加熱器。
  9. 前記クッキングプレートは、その肉厚が3.0〜5.0mmであることを特徴とする請求項8に記載の加熱器。
  10. 前記クッキングプレートの表面に、金網を載置したことを特徴とする請求項8又は9に記載の加熱器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019014976A1 (zh) * 2017-07-20 2019-01-24 广东工业大学 聚硅氮烷作为涂层在炊具上的应用

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WO2019014976A1 (zh) * 2017-07-20 2019-01-24 广东工业大学 聚硅氮烷作为涂层在炊具上的应用

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