JP3168198B2 - フラップ駆動装置およびロータブレード - Google Patents

フラップ駆動装置およびロータブレード

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JP3168198B2
JP3168198B2 JP23424699A JP23424699A JP3168198B2 JP 3168198 B2 JP3168198 B2 JP 3168198B2 JP 23424699 A JP23424699 A JP 23424699A JP 23424699 A JP23424699 A JP 23424699A JP 3168198 B2 JP3168198 B2 JP 3168198B2
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榮一 山川
達郎 本宮
範明 片山
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株式会社コミュータヘリコプタ先進技術研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコプタなどの
ロータブレードの後縁に設けられるフラップを駆動する
ためのフラップ駆動装置およびこれを搭載したロータブ
レードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、市街地のヘリポートに離発着する
コミュータヘリコプタの要望が高まっており、実現のた
めに騒音の低減化が要求されている。その騒音対策とし
て有効な手段の1つとして、ヘリコプタのロータブレー
ドにフラップを取り付け、フラップを30Hz〜50H
z程度で高速駆動することによって、ロータブレードの
空力特性を改善する手法が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロータブレードが回転
すると、回転半径方向に遠心力が発生するとともに、ブ
レードの上向き方向に揚力が発生し、ブレード全体に発
生する揚力の合計が機体を支える。揚力はブレードを上
方に撓ませるフラッピング運動をもたらし、遠心力はブ
レードの撓みを元に戻そうとして、揚力と遠心力の合力
の方向に沿ってブレードの撓みが決定され、ブレードの
回転軌跡は下に凸の円錐面を形成する。こうした現象を
コーニングと称し、円錐面の頂角をコーニング角と称す
る。
【0004】ロータブレードの後縁にフラップを取り付
けた場合、コーニングによってブレードが上方に撓む
と、フラップの重心に作用する遠心力Faの方向とブレ
ードスパン方向とは一致しなくなる。遠心力Faはブレ
ードスパン方向の力Fbと下向きの力Fcとに分解で
き、下向きの力Fcはフラップのヒンジ軸に関して後縁
下げモーメントとして作用する。フラップの取付位置が
ブレード先端側であるほど遠心力Faが大きくなり、あ
るいはブレードのコーニング角が大きくなるほど下向き
の力Fcが大きくなって、フラップに作用する後縁下げ
モーメントが大きくなる。
【0005】こうした後縁下げモーメントは、フラップ
の駆動機構にとって余分な負荷となるため、駆動機構の
大型化、重量化をもたらすことになる。
【0006】この対策として、フラップのヒンジライン
がフラップの重心位置を通過するように設計すれば、ヒ
ンジ軸回りの後縁下げモーメントは生じなくなる。その
手法として、フラップ前縁に重量物を搭載して、重心位
置を前縁側に移動させることが考えられるが、重量物の
スペース確保のために空力特性が犠牲になったり、フラ
ップ自体の慣性モーメントが増加して、フラップ駆動機
構の負荷増大を招いてしまう。
【0007】本発明の目的は、フラップに作用する遠心
力の影響を抑制して、フラップの駆動負荷を軽減できる
フラップ駆動装置およびロータブレードを提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレードの後
縁に角変位自在に取り付けられるフラップと、フラップ
の駆動力を発生するアクチュエータと、ブレードの回転
中に発生する遠心力を検出する遠心力検出手段と、遠心
力検出手段に印加された遠心力の大きさに応じて、遠心
力に起因するフラップの後縁下げモーメントと釣り合う
打消しモーメントをフラップに印加するための打消しモ
ーメント印加手段とを備えることを特徴とするフラップ
駆動装置である。
【0009】本発明に従えば、ブレードの回転中に発生
する遠心力を検出して、遠心力の大きさに応じて後縁下
げモーメントと釣り合う打消しモーメントをフラップに
自動的に印加することによって、遠心力が大きくなると
打消しモーメントも増加し、遠心力が小さくなると打消
しモーメントも減少する。したがって、フラップ自体の
重量や慣性モーメントを増加させることなく、フラップ
の駆動負荷を軽減できるため、アクチュエータの小型
化、軽量化が可能になる。さらに、フラップに余分な機
構を設ける必要がなくなるため、フラップの空力特性を
優先した設計が可能になる。
【0010】また本発明は、前記遠心力検出手段は、遠
心力が作用する重りと、ブレードの長手方向と交差する
軸回りの角変位を許容するように、重りを支持する重り
支持手段とを含み、前記打消しモーメント印加手段は、
重りの角変位運動をフラップに伝達する伝達手段を含む
ことを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、ブレードの長手方向と交
差する軸回りの角変位を許容するように重りを支持する
ことによって、重りに遠心力が作用すると、その遠心力
の大きさに応じた角変位モーメントが発生する。この角
変位モーメントを打消しモーメントとして利用し、フラ
ップの後縁下げモーメントと釣り合せることによって、
フラップの駆動負荷を軽減できるため、アクチュエータ
の小型化、軽量化が可能になる。
【0012】また本発明は、前記重り支持手段は、ブレ
ードのコード方向に沿った軸回りの角変位を許容するよ
うに、重りを支持することを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、重りの角変位軸をブレー
ドのコード方向に設定した場合、重りに作用する遠心力
Fwはブレード長手方向の力Fsとこれに直角下向きの
力Fdに分解でき、力Fdが打消しモーメントとして働
く。このときブレードのコーニング角が大きくなると力
Fdも大きくなり、コーニング角が小さくなると力Fd
も小さくなる。また、フラップの後縁下げモーメントも
同様に、コーニング角が大きくなると大きくなり、コー
ニング角が小さくなると小さくなる。したがって、ブレ
ードのコーニング角が増減しても、フラップの後縁下げ
モーメントの大きさに適合した打消しモーメントを発生
させることができるため、力の釣り合いを安定に維持で
きる。
【0014】また本発明は、前記伝達手段は、リンク機
構で構成されることを特徴とする。本発明に従えば、リ
ンク機構を用いることによって、重りに作用する力を簡
単かつ軽量な機構でフラップへ伝達できる。また、レバ
ー等の変倍機構を設けることによって、打消しモーメン
トの大きさが調整可能となる。
【0015】また本発明は、前記伝達手段は、油圧機構
で構成されることを特徴とする。本発明に従えば、油圧
機構を用いることによって、重りに作用する力を簡単か
つ軽量な機構でフラップへ伝達できる。また、油圧機構
は可動部分が少なくて済むため信頼性やメンテナンス性
を向上できる。また、受圧面積が異なるピストン対等の
変倍機構を設けることによって、打消しモーメントの大
きさが調整可能となる。
【0016】また本発明は、ブレードの後縁に角変位自
在に取り付けられるフラップと、フラップの駆動力を発
生する第1アクチュエータと、フラップと第1アクチュ
エータとの間に直列に配置され、フラップの変位範囲と
第1アクチュエータの変位範囲との関係を調整するため
の第2アクチュエータとを備え、第1アクチュエータの
応答速度S1およびストロークH1と、第2アクチュエ
ータの応答速度S2およびストロークH2とが、S1>
S2かつH1<H2の関係を満たすことを特徴とするフ
ラップ駆動装置である。
【0017】本発明に従えば、フラップの変位範囲とア
クチュエータの変位範囲との関係が調整可能であること
によって、コーニングによる遠心力で第1アクチュエー
タが変位しても第2アクチュエータで望ましいフラップ
角に調整でき、その位置で第1アクチュエータによる変
位作動が行え、第1アクチュエータの出力特性が良好な
範囲を用いてフラップ駆動が可能になる。特に第1アク
チュエータのストロークが小さい場合でも、フラップ駆
動に有効な変位範囲に設定できるようになる。また、万
一第1アクチュエータが故障した場合には、第2アクチ
ュエータによりフラップの位置を中立位置に戻せる。
【0018】
【0019】また、アクチュエータの一般的な特性とし
て、応答速度が高いものほどストロークは小さくなり、
ストロークが大きいものほど応答速度が低下する傾向が
ある。そのため、フラップ駆動用の第1アクチュエータ
は応答速度が高い方が好ましく、一方、ゼロ点調整用の
第2アクチュエータはストロークが大きい方が好まし
い。
【0020】また本発明は、回転翼機のメインロータに
取り付けられるブレード本体と、上記のフラップ駆動装
置とを備えることを特徴とするロータブレードである。
【0021】本発明に従えば、小型で軽量なフラップ駆
動装置を搭載することによって、ロータブレードの空力
特性の改善が図られ、ヘリコプタ騒音の低減化を達成で
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、フラップに作用する後縁
下げモーメントの説明図である。ヘリコプタのメインロ
ータ軸Zが角速度ωで回転すると、回転半径方向に遠心
力が発生するとともに、ブレード1の上向き方向に揚力
が発生し、揚力と遠心力の合力によってブレード1が上
向きに撓み、機体水平軸Xに対するブレード1のスパン
軸XBの角度がコーニング角βとなる。なお、理解容易
のためにブレード1を斜視図で示す。
【0023】ブレード1の後縁にフラップ2をヒンジ軸
2a回りに角変位自在に取り付けた場合、コーニングに
よってブレード1が上方に撓むと、フラップ2の重心C
fに作用する遠心力Faの方向はスパン軸XBと平行で
なくなる。遠心力Faはブレードスパン方向の力Fbと
下向きの力Fcとに分解でき、下向きの力Fcは、フラ
ップ2のヒンジ軸2aに関する後縁下げモーメントMc
として作用する。
【0024】フラップ2の取付位置がブレード先端側で
あるほど遠心力Faが大きくなり、あるいはコーニング
角βが大きくなるほど下向きの力Fcが大きくなって、
フラップ2に作用する後縁下げモーメントMcが大きく
なる。
【0025】図2は、本発明の第1実施形態を示す構成
図である。フラップ2は、ブレード空力特性を損なわな
いように、ブレード1の後縁を切り欠くように取り付け
られ、ヒンジ軸2a回りに角変位自在に支持される。
【0026】フラップ2の下面には、出力ロッド3aと
ピン結合する突出部2bが形成される。アクチュエータ
3は、ブレード1の内部に設けられ、飛行制御計算機
(不図示)からの信号に基づいて出力ロッド3aを直線
変位させて、フラップ2を駆動する。
【0027】ブレード1の内部には、遠心力検出機構4
と打消しモーメント印加機構10とが設けられる。遠心
力検出機構4は、重り5と、重り5を支持する支持部材
6と、重り5の角変位方向を規定する支持軸7などで構
成され、ここでは支持軸7の向きをブレードのコード方
向と平行に設定している。
【0028】打消しモーメント印加機構10は、支持部
材6とピン結合したロッド11と、フラップ2の下面に
形成された突出部2cとピン結合したロッド13と、ロ
ッド11、13とそれぞれピン結合したレバー12など
のリンク機構で構成され、重り5の下向き運動がフラッ
プ2の後縁上げ方向に作用するように連結される。
【0029】次に動作を説明する。重り5の支持軸7が
ブレードのコード方向に配置された場合、重り5に作用
する遠心力Fwはブレードスパン方向の力Fsとこれに
直角下向きの力Fdに分解できる。力Fsは支持軸7で
支えられるため、残りの力Fdが重り5を下向きに角変
位させようとするモーメントになる。
【0030】この下向きモーメントは、支持部材6の途
中で結合したロッド11に伝達され、レバー12によっ
て伝達方向が変換され、ロッド13を介してフラップ2
に伝達され、その結果、上述した後縁下げモーメントM
cと釣り合う打消しモーメントとして働く。
【0031】後縁下げモーメントMcは、ブレードや機
体の特性などによって異なるため、重り5の質量や角変
位半径、支持部材6とロッド11の結合位置、レバー1
2のアーム長さなどを調節することによって、打消しモ
ーメントの大きさを後縁下げモーメントMcにほぼ一致
させることができる。
【0032】こうしてフラップ2の重量や慣性モーメン
トを増加させることなく、フラップ2の駆動負荷を軽減
できるため、アクチュエータ3の小型化、軽量化が可能
になる。
【0033】ここで、フラップの後縁下げモーメントM
cは、コーニング角βが大きくなると大きくなり、コー
ニング角βが小さくなると小さくなる。一方、力Fdも
コーニング角βが大きくなると大きくなり、コーニング
角βが小さくなると小さくなる。したがって、ブレード
1のコーニング角βが増減しても、フラップの後縁下げ
モーメントMcの大きさに適合した打消しモーメントを
発生させることができるため、力の釣り合いを安定に維
持できる。
【0034】次に力の釣合い条件を説明する。メインロ
ータ軸Zの角速度ω、フラップ2の質量mf、重り5の
質量mw、フラップ2および重り5のロータ回転半径
R、ヒンジ軸2aに関してフラップ2の重心Cfの角変
位半径と突出部2cの角変位半径とのリンク比kf、支
持軸7に関して重り5の角変位半径とロッド11の結合
位置での角変位半径とのリンク比kw、レバー12に関
してロッド11の角変位半径とロッド13の角変位半径
とのリンク比klとして、ロッド13におけるフラップ
2の後縁下げモーメントMcによる力F1、ロッド13
における重り5の打消しモーメントによる力F2とする
と、次式が成立する。
【0035】フラップ2に関して、Fa=mf・Rω∧
2、Fc=Fa・sinβ、F1=kf・Fcとなる。
【0036】重り5に関して、Fw=mw・Rω∧2、
Fd=Fw・sinβ、F2=kw・kl・Fdとな
る。
【0037】ここで、F1=F2が成立する条件は、m
f・Rω∧2・sinβ・kf=mw・Rω∧2・sin
β・kw・klとなり、結局、mf・kf=mw・kw
・klとなる。したがって、フラップ2および重り5の
質量mf、mwや各リンク比kf、kw、klを適切に
設定することで、コーニング角βに関係なく後縁下げモ
ーメントMcの打ち消しが可能になる。
【0038】図3は、本発明の第2実施形態を示す構成
図である。ここでは、打消しモーメント印加機構10と
して、図2に示したリンク機構の代わりに油圧機構を用
いた例を説明する。
【0039】フラップ2は、ヒンジ軸2a回りに角変位
自在に支持される。フラップ2の下面には、出力ロッド
3aとピン結合する突出部2bが形成される。アクチュ
エータ3は、ブレード1の内部に設けられ、飛行制御計
算機(不図示)からの信号に基づいて出力ロッド3aを
直線変位させて、フラップ2を駆動する。
【0040】ブレード1の内部には、遠心力検出機構4
と打消しモーメント印加機構10とが設けられる。遠心
力検出機構4は、重り5と、重り5を支持する支持部材
6と、重り5の角変位方向を規定する支持軸7などで構
成され、ここでは支持軸7の向きをブレードのコード方
向と平行に設定している。
【0041】打消しモーメント印加機構10は、支持部
材6とピン結合したロッド11と、フラップ2の下面に
形成された突出部2cとピン結合したロッド13と、ロ
ッド11、13とそれぞれ連結したピストンを有する油
圧シリンダ14などで構成され、重り5の下向き運動が
フラップ2の後縁上げ方向に作用するように連結され
る。油圧シリンダ14では、ロッド11側のピストン受
圧面積とロッド13側のピストン受圧面積とを調節する
ことによって、所望のリンク比klに設定できる。こう
した油圧機構は、可動部分が少なくて済むため信頼性や
メンテナンス性を向上でき、特にピストンをベローズ等
の非摺動部材で封止し支持することによって、耐摩耗性
や寿命が向上する。
【0042】こうしてフラップ2の重量や慣性モーメン
トを増加させることなく、フラップ2の駆動負荷を軽減
できるため、アクチュエータ3の小型化、軽量化が可能
になる。
【0043】図4は、本発明の第3実施形態を示す構成
図である。ここでは、打消しモーメント印加機構10と
して、図2に示したリンク機構の代わりに直結機構を用
いた例を説明する。
【0044】フラップ2は、ヒンジ軸2a回りに角変位
自在に支持される。フラップ2の下面には、出力ロッド
3aとピン結合する突出部2bが形成される。アクチュ
エータ3は、ブレード1の内部に設けられ、飛行制御計
算機(不図示)からの信号に基づいて出力ロッド3aを
直線変位させて、フラップ2を駆動する。
【0045】ブレード1の内部には、遠心力検出機構4
と打消しモーメント印加機構10とが設けられる。遠心
力検出機構4は、重り5と、重り5を支持する支持部材
6と、重り5の角変位方向を規定する支持軸7などで構
成され、ここでは支持軸7の向きをブレードのコード方
向と平行に設定している。
【0046】打消しモーメント印加機構10は、支持部
材6を上下から挟持するU字状の係合部材15と、係合
部材15とフラップ2とを一体的に結合する結合部材1
6などで構成され、重り5の下向き運動がフラップ2の
後縁上げ方向に作用するように連結される。
【0047】リンク機構の代りにU字状の係合部材を用
いることで、遠心力検出器をフラップに近づけることが
できるため、ブレードのピッチング運動等による慣性力
の変化にも対応した打消しモーメントを発生できる。
【0048】こうしてフラップ2の重量や慣性モーメン
トを増加させることなく、フラップ2の駆動負荷を軽減
できるため、アクチュエータ3の小型化、軽量化が可能
になる。
【0049】図5は、本発明の第4実施形態を示す構成
図である。ここでは、重り5に作用する遠心力Fwのう
ちブレードスパン方向の力Fsを利用する例を説明す
る。
【0050】フラップ2は、ヒンジ軸2a回りに角変位
自在に支持される。フラップ2の下面には、出力ロッド
3aとピン結合する突出部2bが形成される。アクチュ
エータ3は、ブレード1の内部に設けられ、飛行制御計
算機(不図示)からの信号に基づいて出力ロッド3aを
直線変位させて、フラップ2を駆動する。
【0051】ブレード1の内部には、重り5と、フラッ
プ2の下面に形成された突出部2cとピン結合したロッ
ド17と、重り5を支持するアーム8aおよびロッド1
7とピン結合したアーム8bから成るレバー8と、レバ
ー8を軸支する支持軸9などで構成され、ここでは支持
軸9の向きをブレードの厚さ方向に設定している。ま
た、重り5のブレード先端向き運動がフラップ2の後縁
上げ方向に作用するように連結される。
【0052】次に動作を説明する。重り5の支持軸9が
ブレードの厚さ方向に配置された場合、重り5に作用す
る遠心力Fwはブレードスパン方向の力Fsとアーム8
aの長手方向の力に分解できる。力Fsは、重り5をブ
レード上方から見て時計回りに角変位させようとするモ
ーメントになる。
【0053】このモーメントは、レバー8およびロッド
17を介してフラップ2に伝達され、その結果、後縁下
げモーメントMcと釣り合う打消しモーメントとして働
く。打消しモーメントの大きさは、重り5の質量や角変
位半径、レバー8のアーム8a、8bの長さなどで調節
可能である。
【0054】こうしてフラップ2の重量や慣性モーメン
トを増加させることなく、フラップ2の駆動負荷を軽減
できるため、アクチュエータ3の小型化、軽量化が可能
になる。
【0055】図6は、本発明の第5実施形態を示す構成
図である。フラップ2は、ブレード1の後縁を切り欠く
ように取り付けられ、ヒンジ軸2a回りに角変位自在に
支持される。フラップ2の下面には、出力ロッド3aと
ピン結合する突出部2bが形成される。
【0056】アクチュエータ3は、ピエゾ素子や超磁歪
素子等のリニア型アクチュエータ30が複数配置され、
並列的に連結することで駆動力の増加を図っている。ア
クチュエータ3には、偏心カムやレバー等から成る変位
拡大機構32が取り付けられ出力部31が大きく変位し
てロッド33を駆動する。
【0057】第2のアクチュエータ40は、小型サーボ
モータ41と、小型サーボモータ41によって回転駆動
されるボールねじ42と、ボールねじ42と螺合するナ
ット43と、これらを収容するハウジング44などで構
成され、ロッド33はハウジング44と連結し、ナット
43は出力ロッド3aと連結している。
【0058】アクチュエータ3、40はブレード1の内
部に設けられ、機体側に設置された飛行制御計算機(Fli
ght Control Computer) 50からの信号に基づいて、駆
動回路34はアクチュエータ3を駆動し、トリム駆動回
路45はアクチュエータ40を駆動する。
【0059】次に動作を説明する。アクチュエータ3が
フラップ駆動力を発生して、ロッド33が直線変位する
と、アクチュエータ40を介して出力ロッド3aに伝達
され、フラップ2が駆動される。この状態でアクチュエ
ータ40が動作すると、小型サーボモータ41がボール
ねじ42を回転して、ナット43が前後に移動するた
め、フラップ2の角変位中立点を調整することが可能に
なる。
【0060】フラップ2の角変位量は、ブレード2のピ
ッチ角やロータ回転角、機体の飛行条件などに応じて高
速に変化させる必要がある。たとえばロータブレードの
高調波制御ではロータ回転数(たとえば5Hz)の数倍
の駆動周波数(たとえば30Hz)でフラップ2が振動
し、その振幅の中心および範囲も各種条件に応じて変化
する。
【0061】アクチュエータ3として、ピエゾ素子や超
磁歪素子等の小ストロークで高速駆動が可能なタイプを
使用することが好ましい。一方、アクチュエータ40は
モータとボールねじから成る機械的なリニアタイプであ
るため、低速駆動で大きなストロークが得られる。この
ときアクチュエータ3の応答速度S1およびストローク
H1と、アクチュエータ40の応答速度S2およびスト
ロークH2とは、S1>S2かつH1<H2の関係を満
たす。
【0062】そこで、フラップ2の角変位制御のうち、
DCレベルから低速な領域までをアクチュエータ40が
担当して、高速な領域をアクチュエータ3が担当するこ
とによって、高速かつ大ストロークのフラップ駆動を実
現できる。
【0063】また、アクチュエータ3が万一故障した場
合には、アクチュエータ40が低速ながらもフラップ駆
動を続行できるため、飛行の安全性を確保できる。
【0064】このように第2のアクチュエータ40をア
クチュエータ3とフラップ2との間に介在させることに
よって、フラップ駆動のゼロ点調整を容易に実現でき
る。
【0065】また、こうしたゼロ点調整機構と図2〜図
5の構成とを組み合わせることによって、より理想的な
フラップ駆動を実現できる。
【0066】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ブ
レードの回転中に発生する遠心力の大きさに応じて後縁
下げモーメントと釣り合う打消しモーメントをフラップ
に印加することによって、フラップ自体の重量や慣性モ
ーメントを増加させることなく、フラップの駆動負荷を
軽減できるため、アクチュエータの小型化、軽量化が可
能になる。さらに、フラップに余分な機構を設ける必要
がなくなるため、フラップの空力特性を優先した設計が
可能になる。
【0067】また、フラップ駆動用の第1アクチュエー
タとフラップとの間にゼロ点調整用の第2アクチュエー
タを介在させることによって、より理想的なフラップ駆
動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラップに作用する後縁下げモーメントの説明
図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態を示す構成図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ブレード 2 フラップ 2a ヒンジ軸 3 アクチュエータ 3a 出力ロッド 4 遠心力検出機構 5 重り 7 支持軸 8,12 レバー 10 打消しモーメント印加機構 11,13,17 ロッド 14 油圧シリンダ 15 係合部材 30 リニア型アクチュエータ 32 変位拡大機構 40 アクチュエータ 41 小型サーボモータ 42 ボールねじ 43 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−254894(JP,A) 特開 平8−258795(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64C 27/615

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレードの後縁に角変位自在に取り付け
    られるフラップと、 フラップの駆動力を発生するアクチュエータと、 ブレードの回転中に発生する遠心力を検出する遠心力検
    出手段と、 遠心力検出手段に印加された遠心力の大きさに応じて、
    遠心力に起因するフラップの後縁下げモーメントと釣り
    合う打消しモーメントをフラップに印加するための打消
    しモーメント印加手段とを備えることを特徴とするフラ
    ップ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記遠心力検出手段は、遠心力が作用す
    る重りと、 ブレードの長手方向と交差する軸回りの角変位を許容す
    るように、重りを支持する重り支持手段とを含み、 前記打消しモーメント印加手段は、重りの角変位運動を
    フラップに伝達する伝達手段を含むことを特徴とする請
    求項1記載のフラップ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記重り支持手段は、ブレードのコード
    方向に沿った軸回りの角変位を許容するように、重りを
    支持することを特徴とする請求項2記載のフラップ駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 前記伝達手段は、リンク機構で構成され
    ることを特徴とする請求項2記載のフラップ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記伝達手段は、油圧機構で構成される
    ことを特徴とする請求項2記載のフラップ駆動装置。
  6. 【請求項6】 ブレードの後縁に角変位自在に取り付け
    られるフラップと、 フラップの駆動力を発生する第1アクチュエータと、 フラップと第1アクチュエータとの間に直列に配置さ
    れ、フラップの変位範囲と第1アクチュエータの変位範
    囲との関係を調整するための第2アクチュエータとを備
    え、 第1アクチュエータの応答速度S1およびストロークH
    1と、第2アクチュエータの応答速度S2およびストロ
    ークH2とが、S1>S2かつH1<H2の関係を満た
    すことを特徴とするフラップ駆動装置。
  7. 【請求項7】 回転翼機のメインロータに取り付けられ
    るブレード本体と、 請求項1〜6のいずれかに記載のフラップ駆動装置とを
    備えることを特徴とするロータブレード。
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