JP3167726B2 - 高粘度指数潤滑剤の製造 - Google Patents

高粘度指数潤滑剤の製造

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JP3167726B2 JP50304793A JP50304793A JP3167726B2 JP 3167726 B2 JP3167726 B2 JP 3167726B2 JP 50304793 A JP50304793 A JP 50304793A JP 50304793 A JP50304793 A JP 50304793A JP 3167726 B2 JP3167726 B2 JP 3167726B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鉱油供給原料、特に石油ワックスを水素化
分解して高粘度指数潤滑剤を製造することに関する。
従来、鉱油系潤滑剤は、大気圧下でパラフィン系原油
を分別し、次いで減圧下で分別し、蒸留画分(ニュート
ラル油)および残渣画分を生成することを含んでなる石
油精製において行われる逐次分離によって製造されてい
た。残渣画分は脱アスファルト化および過酷な溶媒処理
の後に、通常、ブライトストックと呼ばれる潤滑剤基油
としても使用できる。従来、低粘度指数(VI)成分を除
くための溶媒抽出の後において、ニュートラル油は、溶
媒または触媒的脱ロウ法により脱ロウに付され、望まし
い流動点にされ、その後、脱ロウ化された潤滑剤原料油
は水素化仕上げされて、安定性が改良され、着色物が除
去される。この従来の方法は、適切な量で所望の品質を
有する所望潤滑剤画分を生成する粗原料油、通常はパラ
フィン特性を有する粗原料油の選択および使用に依存す
る。しかし、最良のパラフィン性粗製物よりも高い芳香
族炭化水素含量を有することが通常である限界品質また
は悪い品質を有する粗製物を利用できる潤滑剤水素化分
解法によって許容可能な原油産地の範囲を拡張すること
ができる。石油精製工業において充分に確立された潤滑
剤水素化分解法は、供給原料中に存在する芳香族炭化水
素の部分的飽和および開環を行う二機能性触媒の存在下
で、高圧下で行う初期水素化分解工程を一般に含んでな
る。次いで、水素化分解された生成物を、目標流動点に
達するように、脱ロウする。パラフィン特性を有する初
期水素化分解工程からの生成物は、脱ロウ工程において
除去される必要のあるかなり高い流動点を有する成分を
含むからである。
自動車エンジン設計の現在の傾向において、エンジン
の効率が増加するとともに操作温度が高くなっており、
高い操作温度は首尾よく高い品質を有する潤滑剤を必要
とする。要求の1つは、高い粘度指数(VI)であり、エ
ンジン潤滑剤の粘度に対する高い操作温度の影響が低減
される。高いVI値は、VI改良剤、例えば、ポリアクリレ
ートの使用によって従来達成されていたが、このように
して行われ得る改良の程度には限界がある。加えて、VI
改良剤は、エンジンにおいて生じる高い剪断速度および
高温の影響において分解する傾向にあり、高効率エンジ
ンにおいて生じる高い応力条件によって、かなりの量の
VI改良剤を使用する油の早い分解が生じる。したがっ
て、現在のエンジンにおいて生じる高温高剪断速度条件
に対して安定であり、高い粘度指数の液体に基づく自動
車用潤滑剤に対する要求が続いている。
或る触媒の存在下でオレフィンの重合によって製造し
た合成潤滑剤は、良好なVI値を有するが、従来の合成法
によって製造する場合には高価であり、通常、高価な出
発物質を必要とする。したがって、石油精製において現
在用いられている技術と対等の技術によって、鉱油原料
油から高VI潤滑剤を製造することに対する要求が存在す
る。
実際と同様に理論において、潤滑剤は高度にパラフィ
ン性の特性を有するべきである。パラフィンが低い粘度
および高い粘度指数の好ましい組合せを有するからであ
る。n−パラフィンおよび僅かに分岐したパラフィン、
例えば、n−メチルパラフィンは、潤滑剤原料油に許容
できない程度に高い流動点を与え、従って、前記の通常
の精製法において脱ロウ操作時に除去されるワックス性
物質であることが多い。しかし、好ましくない流動点特
性を排除しながらパラフィン特性の利点の多くを保つよ
うにワックス性供給原料を処理することが可能である。
高粘度指数の潤滑剤を製造する過酷な水素化処理法が、
ブル(S.Bull)らのデベロップメンツ・イン・ルブリケ
イション(Developments in Lubrication)、PD 19
(2)、221〜228頁に開示されており、この方法におい
て、ワックス性供給原料、例えば、ワックス性蒸留物、
脱アスファルト油および粗ワックスが、2工程水素化処
理法に付される。この処理法において、初期の水素化処
理ユニットが高温条件下で第1工程におけるブロック操
作において供給原料を処理し、水素化分解および水素化
によって好ましくない芳香族化合物を選択的に除去す
る。第2工程は、水素化が優先する低い温度のかなり温
和な条件下で操作し、全芳香族炭化水素含量を調節し、
最終生成物における芳香族種の分布に影響を及ぼす。次
の再蒸留工程において常圧蒸留することによって基油の
粘度および引火点を調整する。その後、溶媒脱ロウ(ME
K−トルエン)ユニットにおいて脱ロウすることによっ
て最終基油の流動点を調整する。脱ロウ剤から取り出さ
れた粗ワックスを再処理し、高粘度指数の基油を製造す
る。
無定形二機能性触媒、例えば、アルミナまたはシリカ
/アルミナ上のニッケル/タングステンによる水素化分
解に付すワックス性供給原料を使用するこの種の方法
は、例えば、イギリス国特許出願公開第1,429,494号、
第1,429,291号および第1,493,620号、ならびにアメリカ
合衆国特許第3,830,273号、第3,776,839号、第3,794,58
0号および第3,682,813号に開示されている。イギリス国
特許出願公開第1,429,494号に記載された方法におい
て、ワックス性供給原料の脱ロウによって製造された粗
ワックスは、2000psigまたはそれ以上の水素圧で二機能
性水素化分解触媒による水素化分解に付され、次いで、
水素化分解生成物の脱ロウを行い、所望流動点を得る。
脱ロウは、水素化分解工程に分離ワックスを再使用して
溶媒法によって行うことが好ましいと記載されている。
この種の方法において、水素化分解触媒は、典型的に
は、無定形酸性担体上の水素化金属成分を含有する二機
能性触媒である。金属成分は、卑金属の組合せ、周期表
の鉄族(第VIII族)から選択された1種の金属と第VI B
族から選択された1種の金属との組合せ、例えば、ニッ
ケルとモリブデンまたはタングステンとの組合せであ
る。イギリス国特許第1,350,257号、第1,342,499号およ
び第1,440,230号、フランス国特許第2,123,235号および
第2,124,138号、ならびにヨーロッパ特許第199,394号に
記載されているように、リンまたはホウ素のような改質
剤が含まれてよい。イギリス国特許第1,440,230号に記
載されているように、ホウ素を改質剤として用いてもよ
い。イギリス国特許第1,390,359号に記載されているよ
うに、触媒の活性は、フッ素を使用することによって、
すなわち、その製造時に適切なフッ素化合物の形態でフ
ッ素を触媒に加えることによってあるいはプロセスの操
作時にその場でフッ素化することによって増加すること
ができる。
ワックス性供給原料の処理のため無定形触媒を使用す
る方法によって高粘度指数潤滑剤を製造できることが示
されているが、それには限界がある。最も良好には、供
給原料を生成し、水素化分解生成物を所望流動点に脱ロ
ウするために、この方法はかなりの脱ロウ性能を必要と
する。その理由は、無定形触媒は典型的に使用される高
圧、約2000psigの条件下で芳香族炭化水素の飽和に対し
て有効であるが、パラフィン成分の異性化に対する活性
および選択性は要求される程高くなく;従って、かなり
直鎖のパラフィンを、生成物流動点規格に充分に合致す
る程度にまで、かなり高い粘度指数を有するが低い流動
点特性を有するワックス性がより低いイソパラフィンに
異性化できないということである。従って、ユニットを
通過するワックス性パラフィンを、次の脱ワックス工程
時において除去し、再使用する必要があり、こうしてユ
ニットのキャパシティーを低減する。無定形触媒の限定
された異性化活性は、単一パス収率を約50%以下の値に
限定し、対応するワックス転化率は約30〜60%である。
しかし、より高い収率がプロセスの効率を明らかに向上
させる。生成物VIも、異性化活性により、典型的には、
単一パス操作において0゜F流動点で約145に限定され
る。無定形触媒の温度要求も、少なくともゼオライト触
媒に比較して、かなり高く、典型的には、約700〜800゜
Fである。
ワックス性供給原料を高VI潤滑剤原料油に品質向上す
る他の方法がアメリカ合衆国特許第4,919,788号および
第4,975,177号に記載されている。ここでは、ワックス
性供給原料、典型的にはワックス性軽油、粗ワックスま
たは脱油ワックスが、高度にケイ質のゼオライトβ触媒
により水素化処理される。アメリカ合衆国特許第4,419,
220号に記載されているように、ゼオライドβは芳香族
炭化水素の存在下でパラフィンの異性化に対して非常に
有効であることが知られており、その能力はアメリカ合
衆国特許第4,919,788号および第4,975,177号の方法にお
いて、生成物の収率および粘度特性を最適化するように
有効に利用されている。ゼオライトβ触媒は、供給原料
の後末端に含有される高分子量パラフィンを、ワックス
性の低い物質に異性化し、これらの成分からの潤滑剤範
囲の外側で沸騰する物質への分解を最小にする。供給原
料の前末端におけるワックス性パラフィンは、溶媒また
は触媒的に、後の脱ロウ工程において除去され、目標流
動点を達成する。パラフィン水素異性化プロセスと、供
給原料の前末端における次の選択的脱ロウプロセスの組
合せによって、これらプロセスの単独よりも高い生成物
VIを達成することができ、加えて、プロセスは、要求に
応じて、収率効率のためまたはVI効率のために最適化す
ることができる。
このゼオライト触媒プロセスは、高度にパラフィン性
の供給原料を取り扱うことにおいて非常に有効であると
わかっているが、低品質芳香族炭化水素を除去する低い
能力と組み合わさったゼオライトβ触媒の高異性化選択
性は、かなり少ない量の芳香族炭化水素を含有する供給
原料へこのプロセスを適用することを限定する傾向にあ
る。芳香族炭化水素および他の多環式物質はゼオライト
によって容易に攻撃されず、従って、これらは、プロセ
スを通過して生成物中に残存し、VIが低下する。潤滑剤
収率は、低転化率における低ワックス異性化選択性およ
び高転化率における潤滑剤沸騰範囲外側のワックス分解
によって拘束される傾向も有する。最大潤滑剤収率は、
典型的には、20〜30重量%の転化率範囲(650゜F+転化
率)において得られる。従って、生成物における高VI値
を保持しながら潤滑剤収率を向上させるため、異性化選
択性を増加すると同時に、水素化分解選択性を減少させ
ることが好ましい。
従って、要約すれば、無定形触媒を使用したプロセス
は、単一パス転化率および全収率に関して劣っていると
みなせる。無定形触媒は多環式物質の存在下でパラフィ
ン異性化に対してかなり非選択性であるが、分解に対し
て高い活性を有しており、全収率が低いままであり、脱
ロウ要求は高いからである。対照的に、ゼオライト触媒
プロセスは、高い収率を達成できる。ゼオライトはパラ
フィン異性化に対して非常に高い選択性を有しているか
らであるが、プロセスにおいて使用される穏やかな水素
圧で芳香族炭化水素は低品質供給原料において充分に扱
われず、操作は、種々の転化率レベルでゼオライトの変
化する選択性要因によって拘束される。
本発明者は、2工程のワックス水素化分解−水素異性
化方法により、高品質の高粘度指数(VI)潤滑剤を製造
する方法を発明した。この方法により110を越える、一
般に140以上、通常140〜155の高粘度指数を有する生成
物を製造することができる。好ましい高ワックス含量供
給原料(50%以上がワックス)では、143〜147のVI値を
有する生成物を容易に得ることができる。主として直鎖
およびほぼ直鎖のパラフィンであるワックス性パラフィ
ンを、高粘度指数の低ワックス性イソパラフィンに転化
するプロセスの効率により、潤滑剤生成物収率は高く、
生成物に対する脱ロウ要求は著しく低い。本発明は、ゼ
オライト触媒水素異性化プロセスと比較して、供給原料
から低品質の芳香族成分を除去するのにより有効である
ので、広い範囲の供給原料に適応して、一定品質の生成
物を与えることができるという利点;最大潤滑剤収率
(約20〜30%転化)を得る範囲における収率の利点およ
び5〜40%の広い転化率(非潤滑剤範囲生成物、一般に
343℃(650゜F−)生成物に対して)においてより高い
生成物VIを与えるという利点がある。
本発明によれば、ワックス性供給原料を2工程の水素
化分解−水素異性化に付する。第1工程において、供給
原料を、限定された転化率のかなり穏やかな条件下で、
多孔質担体物質上に水素化金属成分を含んでなる二機能
性触媒による水素化プロセスに付する。第2工程は、比
較的酸性度の低い金属含有二機能性触媒を用いて行う水
素異性化工程を含んでなる。この工程において使用する
触媒は、独特の構造および孔形態を有するメソポーラス
(mesoporous)結晶性物質を含む担体を含んでなる。こ
の工程は、中間工程の軽質ガスとナフサとの分離と別
に、または直接カスケードモードで操作することができ
る。プロセスは、高沸点重質中性ワックスなどの粗ワッ
クスおよび石油粗ワックスを、約10重量%を越える、例
えば約15重量%を越える油成分に改質するために特に良
好に適する。生成物は、高粘度で非常に高い粘度指数の
潤滑油を含む。
プロセスの第1工程では、供給原料を潤滑剤水素化分
解触媒による温和な水素化分解に付する。この工程にお
いて、供給原料の低品質芳香族成分を水素化分解反応に
付し、これにより芳香環が完全にまたは部分的に飽和す
るとともに、環が開き、相対的によりパラフィン性の生
成物が生成する。しかし、第1工程における限定された
転化により、これら生成物を、更にクラッキングを行う
ことなく、潤滑剤沸点範囲よりも低い、典型的には650
゜F(343℃)よりも低い沸点の生成物に保持することが
可能になる。この工程において使用する触媒は、一般
に、無定形潤滑剤水素化分解触媒であるが、ワックスを
含有する潤滑剤範囲供給原料を処理するためにこれらの
触媒が非常に効果的であるため、以下に第2工程触媒と
して記載し、好ましくは卑金属含量の高いメソポーラス
結晶性物質系であってもよい。典型的に、第1工程にお
ける転化率は、元の供給原料の40重量%以下、好ましく
は30重量%以下に限定される。
第2工程において、条件は、第1工程における水素化
分解により製造されるパラフィンと共に供給原料中に最
初から存在するパラフィンの水素異性化に対して最適化
される。このために高い異性化選択性を有する触媒が使
用され、そしてこのために、結晶性メソポーラス物質を
ベースとする触媒が優れた結果を与えることがわかっ
た。貴金属、好ましくは白金を用いて、この触媒におい
て水素化−脱水素化機能性を与え、望ましい水素異性化
反応を促進する。
第2工程触媒として使用されるメソポーラスケイ酸質
物質は、新規で独特の細孔形態を有しており、以下に記
載する好ましい形態においては、1.3nm(13Å)を越え
る、典型的に2〜10nm(20〜100Å)のセル(cell)直
径を有する均一な細孔による実質的に均一なハニカム状
のミクロ構造により特徴付けられる。これらの物質の内
で最も卓越したものは、MCM−41として識別される新し
い結晶性物質であって、これは通常、ケイ酸塩骨格の中
に、Al、Ga、BまたはFeなどの四面体配位三価元素を組
込むことにより、ブレンステッド酸の活性サイトを有す
るメタロシリケート(metallosilicate)として合成さ
れている。MCM−41は、少なくとも約13Åの直径の細孔
の均一な六角形配列(hexagonal arrangement)を有し
ており、焼成後、約18Åを越えるd間隔を有するX線回
折パターンと、該X線回折パターンの少なくとも一つの
ピークに対応する約18Åを越えるd100値で示される六方
晶の電子回折パターン(hexagonal electron diffracti
on pattern)とを示すことにより特徴付けられる。好ま
しい触媒形態はアルミノシリケートであるが、ボロアル
ミノシリケートを使用しても、本発明の第2工程におい
て使用される所望のこの触媒の低酸性度形態をつくるた
めに有利である。
プロセスは、供給原料中の芳香族成分を最大に除去す
るため、第1工程で比較的高圧で操作してよく、この目
的のために少なくとも5620kPa(絶対圧、800psig)、通
常7000〜20785kPa(絶対圧)(1000〜3000psig)の圧力
が適する。第2工程は、第1工程流出物を第2工程に、
圧力の減少なしに直接カスケードすることにより、また
は第1工程生成物をステージ間分離器に通過させて軽質
成分および無機ヘテロ原子を除去することにより行うこ
とができる。ステージ間分離の無いカスケードプロセス
が、その簡単さの故に操作の好ましいモードを表す。
添付図面において、図1および2は、実施例に述べる
ワックス水素化処理実験の結果を示すグラフである。
本発明のプロセスでは、ワックス性供給原料の高粘度
指数(VI)潤滑剤への転化を、2工程水素化分解−水素
異性化プロセスで行う。生成物は、低油含量の供給原料
により、少なくとも110、典型的に少なくとも140、通常
143〜147の高い粘度指数を含む良好な粘度特性により特
徴付けられる。プロセスの2工程は水素の存在下におい
て触媒を使用して行い、その触媒は、第1工程での水素
化分解反応による低品質芳香族成分の選択的回収および
第2工程での選択的パラフィン異性化のために最適化さ
れており、低流動点、高粘度指数(VI)生成物を生成す
る。
プロセスへの供給原料は、ASTM試験D−3235により測
定して、少なくとも20、好ましくはより高いワックス含
量、例えば少なくとも50重量%のワックスを含む石油ワ
ックスを含んでなる。鉱油起源のこれらの供給原料にお
いて、ワックスは、ほとんどの場合に、メチルパラフィ
ンなどの直鎖およびわずかに分枝した鎖状パラフィンを
含んでなる高流動点のパラフィンである。
石油ワックス、即ち、パラフィン特性を有するワック
スの誘導は、ワックス含有精油所ストリームからの物理
的分離、通常は該ストリームをワックスが分離する温度
に冷却することによって、通常は溶媒脱ロウ、例えばME
K/トルエン脱ロウによって、または自動冷媒法(autore
frigerant process)、例えばプロパン脱ロウによって
石油または他の液体の精製から行われる。これらワック
スは345℃(650゜F)以上の高い初期沸点を有してお
り、このことは、同じく少なくとも345℃(650゜F)の
初期沸点を必要とする潤滑剤に処理するために非常に有
用になる。より低い沸点成分は、特徴的な処理工程に続
く分離工程の際に、処理時に生成した同様の沸点範囲を
有する生成物と共に除去されるので、存在することが排
除されなることはない。しかし、これらの成分は処理装
置に負荷を与えるので、供給原料カットポイントの適切
な選択によって排除されることが好ましい。長いまたは
大気性の残渣油の真空蒸留によって生成するニュートラ
ル油、即ち蒸留画分の溶媒脱ロウから誘導されるワック
ス供給原料の終点は、通常、595℃(1100゜F)以下であ
るので、これらは通常、残留ストリームでなく、蒸留物
として分類できる。しかし、典型的に705℃(1300゜F)
までの終点を有する高沸点ワックス供給原料、例えばペ
トロラタムワックスなど、即ちブライトストック脱ロウ
から分離されたワックスを使用することもでき、フィッ
シャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックスでも
よい。
供給原料のワックス含量は少なくとも20重量%であ
り、適度に良好な収率パターンを有する最高の粘度指数
(VI)生成物のためには、少なくとも50重量%、通常は
少なくとも60〜80重量%であり、吸蔵オイルからの残部
はイソパラフィン、芳香族炭化水素およびナフテン系炭
化水素を含んでなる。芳香族炭化水素、ポリナフテンお
よび高度に分岐したナフテンの非ワックス含量は、通
常、ワックスの約40重量%を越えず、25〜30重量%を越
えないことが好ましい。これら高パラフィン性のワック
ス原料油は、芳香族炭化水素およびナフテンの含量が比
較的低いために、通常、低い粘度を有するが、ワックス
性パラフィンの含量が高いことによって、更に処理しな
ければ潤滑剤として許容されない融点および流動点が与
えられる。
前述のように、潤滑剤生成物の品質は供給原料のワッ
クス含量に従って変化するものであって、よりワックス
性の高い供給原料から、より粘度指数(VI)の高い生成
物が得られる。ワックス含量が50重量%以下の供給原料
に関して、通常のプロセス拘束下における典型的生成物
の粘度指数(VI)は、ほぼ以下に示すとおりである。
供給原料ワックス含量 生成物粘度指数(VI) 20 110 35 130 50 140 このように、粘度指数(VI)が少なくとも140である
潤滑剤生成物について、供給原料はワックス含量を少な
くとも50重量%有すべきであるが、ワックス含量がより
低い供給原料からは、より低品質の生成物が得られる。
供給原料は、通常、粗ワックス、即ち、ニュートラル
(蒸留物)もしくは残渣種、例えばブライトストック
(ペトロラタム粗ワックス)などの供給原料を操作する
溶媒脱ロウ法、例えば、MEKまたはプロパン脱ロウ法か
ら直接得られるワックス性生成物である。固体〜半固体
の生成物であり、大部分がワックス性の高いパラフィン
(ほとんどn−およびモノ−メチルパラフィン)であっ
て吸蔵オイルを共に含んでなる粗ワックスを、下記のよ
うな本発明のプロセス手順の第1工程に直接に供給して
よく、この場合、何らかの初期調製、例えば、水素化処
理などの手段を講じる必要はない。
一部の典型的ワックスの組成(P/N/A)を下記の表1
に示す。 表1 ワックス組成−アラブライト原油 A B C D パラフィン、重量% 94.2 81.8 70.5 51.4 モノ−ナフテン類、重量% 2.6 11.0 6.3 16.5 ポリ−ナフテン類、重量% 2.2 3.2 7.9 9.9 芳香族炭化水素、重量% 1.0 4.0 15.3 22.2 典型的な粗ワックス供給原料は下記の表2に示す組成
を有する。この粗ワックスは、アラブライト原油から得
られる300SUS(65cST)ニュートラル油の溶媒(MEK)脱
ロウにより得られる。 表2 粗ワックスの特性 API 39 水素、重量% 15.14 硫黄、重量% 0.18 窒素、ppmw 11 融点、℃(゜F) 57(135) 動粘度(100℃)、mm2/s 5.168 PNA、重量%: パラフィン 70.3 ナフテン 13.6 芳香族炭化水素 16.3 蒸留結果: (゜F) 5 375 (710) 10 413 (775) 30 440 (825) 50 460 (860) 70 482 (900) 90 500 (932) 95 507 (945) 本発明の方法において使用するのに好適な別の粗ワッ
クスは、下記の表3に示す特性を有する。このワックス
は、450SUS(100μM2/s)ニュートラル油ラフィネート
の溶媒脱ロウにより調製されている。 表3 粗ワックスの特性 沸点範囲、゜F(℃) 708〜1053(375〜567) API 35.2 窒素、塩基性、ppmw 23 窒素、合計、ppmw 28 硫黄、重量% 0.115 水素、重量% 14.04 流動点、゜F(℃) 120(50) 重粘度(100℃) 7.025 重粘度(300゜F、150℃) 3.227 油(D3235) 35 分子量 539 P/N/A: パラフィン − ナフテン − 芳香族炭化水素 10 ワックス性供給原料を、両方の工程が水素の存在下で
行われる2工程の水素化分解−水素異性化に付する。第
1工程において、二機能性触媒を使用して供給原料にお
ける低品質芳香族炭化水素の飽和および開環を促進し、
相対的によりパラフィン性である水素化分解生成物を製
造する。この工程は高圧下で行って芳香族炭化水素の飽
和を促進するが、供給原料のパラフィン性成分および芳
香族物質の飽和および開環から得られる生成物の分解を
最小にするため、転化率を比較的低いレベルに維持す
る。これらの目的に合致するように、第1工程における
水素圧は少なくとも800psig(5620kPa、絶対圧)、通常
1000〜3000psig(7000〜20785kPa、絶対圧)である。通
常、高レベルの芳香族炭化水素の飽和を得るため、少な
くとも1500psig(10435kPa、絶対圧)の水素分圧が最良
であり、1500〜2500psig(10435〜17340kPa、絶対圧)
の範囲の圧力がほとんどの高圧装置に適している。少な
くとも1000SCF/Bbl(180n.l.l-1)、好ましくは5000〜1
0000SCF/Bbl(900〜1800n.l.l-1)の水素循環速度が適
している。
本発明の方法のこの工程において、供給原料を、潤滑
剤沸騰範囲以下の沸点を有する生成物、典型的には650
゜F−(約343℃−)生成物に転化する転化率は、供給原
料の50重量%以下に限定され、通常、プロセスの第2工
程のために供給原料を調製しながら、プロセスの特徴で
ある所要の高い単一パス収率を維持するため、供給原料
の40重量%を越えることはない。通常、第1工程生成物
についての初期粘度指数(VI)が少なくとも約130であ
ることが、最終生成物の粘度指数(VI)を140またはそ
れ以上の所望の値にするために望ましい。この理由か
ら、実際の転化率は供給原料の品質に依存し、供給原料
の油含量が転化率において重要な要因である。:供給原
料の油成分に付随する望ましくない物質を除去するた
め、油含量のより高い供給原料は、低油含量の供給原料
よりも高い転化率条件下で水素化分解すべきである。即
ち、最小ワックス含量が約20重量%である供給原料は、
約40重量%までの(650゜F−生成物への)転化率で操作
すべきであり、少なくとも50重量%ワックスを有する好
ましい供給原料には低い転化率、例えば10〜30%の転化
率が適する。ワックス供給原料の組成も重要である。:
ニュートラル(蒸留物)原料から得られる粗ワックス供
給原料は、低粘度指数(VI)の環状成分を低レベルで含
むため、目標とする粘度指数(VI)値を達成するために
高い転化率を必要とすることはなく、これに対してペト
ロラタムは、供給原料内に存在する低品質多環式成分の
大部分を除去するために、より高い転化率を必要とす
る。ニュートラル原料油の脱ロウから誘導される粗ワッ
クスにおいて、転化率(非潤滑剤、通常650゜F−、生成
物への)は、全ての実用目的において10〜20重量%を越
えず、重質ニュートラル粗ワックスのためには約15重量
%が典型的である。ペトロラタム供給原料において、第
1工程転化率は、一般に、高粘度指数(VI)生成物のた
めに20〜25重量%の範囲である。転化率を所望の値に維
持することは、この工程において温度を制御することに
よりに行うことができ、通常、600〜800゜F(315〜430
℃)、通常は650〜750゜F(345〜400℃)である。空間
速度を変化させて過酷度を調整することもできるが、こ
れはシステムの機械的拘束の観点からあまり実際的では
ない。
所望の転化率を達成するために選択される的確な温度
は、供給原料および触媒の性質に依存し、供給原料から
低品質芳香族成分を除去する必要性の程度にも依存す
る。一般に、パラフィン性供給原料を用いる場合よりも
高い過酷度条件が、通常の最大値の約30%までの芳香族
炭化水素の芳香族供給原料を処理するために必要であ
る。従って、供給原料の性質は、所望の生成物特性を達
成するため、第1工程において必要とされる操作温度に
達するために選択された触媒の活性と相互に関係すべき
である。この工程の目的は、より望ましいパラフィン性
成分の潤滑剤沸騰範囲以下で沸騰する生成物への転化を
最小にしながら、水素化分解により、望ましくない低品
質芳香族炭化水素を除去することにある。この工程にお
いて所望の過酷度を達成するため、温度も空間速度と相
互に関係してよいが、実際的理由から、空間速度は、機
械的およびその他の拘束条件、例えば圧力低下を最小に
することなどに従って、通常、一定値に保たれる。一般
に、空間速度は、1時間当たり0.25〜2LHSV、通常は0.5
〜1.5LHSVである。
第1工程は、以下に記載するように、無定形または結
晶性担体物質のいずれかをベースとすることができる二
機能性潤滑剤水素化分解触媒を使用して行う。この種の
触媒は、供給原料から低品質芳香族成分を除去するため
の芳香族炭化水素の水素化分解反応において高い選択性
を有する。一般に、これら触媒は、所望の芳香族炭化水
素飽和反応を促進する金属成分を含有しており、供給原
料が比較的高レベルの硫黄またはその他の汚染物質を有
することがしばしばあるので、卑金属の組合せが通常使
用される。好ましい卑金属の組合せは、鉄族(第VIII A
族)からの一種の金属と第VI A族の金属との組合せであ
る。即ち、ニッケルまたはコバルトなどの卑金属を、モ
リブデンまたはタングステンと組合せて使用する。好ま
しい組合せはニッケル/タングステンであって、それは
この組合せが所望の芳香族炭化水素水素化分解反応の促
進に非常に有効であるためである。硫黄の不存在下にお
いて良好な水素化活性を有するので白金またはパラジウ
ムなどの貴金属を使用してもよいが、通常は好ましくな
い。触媒上に存在する金属の量は、良好な水素化活性を
達成するために選ばれ、一般に、触媒の全重量基準で、
第VIII A族金属が1〜10重量%、第VI A族金属が10〜30
重量%である。白金またはパラジウムなどの貴金属成分
を、ニッケルまたはコバルトなどの卑金属に代えて使用
する場合は、これら貴金属の水素化活性が高いために比
較的少量、典型的に約0.5〜5重量%で充分である。金
属の組込みは、所望寸法の粒子に形成した後に多孔性担
体に含浸させることを含むいずれかの適切な方法によっ
て、または焼成前に担体物質のゲルに添加することによ
って行うことができる。ゲルへの添加は、比較的多量の
金属成分、例えば、第VIII A族金属10重量%以上および
第VI A族金属20重量%以上を添加する場合に、無定形種
の触媒を調製するために使用することができる技術であ
るが、焼成を含む続きの工程において金属の分布の均一
性に悪影響を及ぼすことがある。
水素化分解触媒の金属成分のための担体は無定形物質
であってよく、それは無定形物質が、ワックスを含む潤
滑剤範囲供給原料における高分子量物質を取り扱うのに
満足な孔寸法分布を有するからである。これらの無定形
触媒において、金属成分は、無定形、非晶質金属酸化物
担体に担持されており、この目的にはアルミナが好まし
いが、シリカ−アルミナを使用することもできる。他の
金属酸化物成分が担体に存在してもよいが、その存在は
望ましいことではない。潤滑剤水素化分解触媒の要求と
一致して、担体は、好ましい水素化分解反応が生じる触
媒の内部細孔構造に、高沸点供給原料の比較的かさ高い
成分が侵入するのを許容するのに適した孔寸法および分
布を有するべきである。このため、触媒は通常、5nm(5
0Å)の最小孔寸法を有しており、即ち、約5%以上の
孔が5nm(50Å)以下の孔寸法を有し、大部分の孔が5
〜40nm(50〜400Å)の孔寸法を有し、5%以下の孔が4
0nm(400Å)を越える孔寸法を有しており、約30%以下
の孔が20〜40nm(200〜400Å)の孔寸法を有することが
好ましい。第1工程のための好ましい触媒は、孔の少な
くとも60%が5〜20nm(50〜200Å)の範囲の孔寸法を
有する。第1工程において使用するのに適した典型的な
潤滑剤水素化分解触媒の孔寸法分布および他の特性を以
下の表4に示す。: 表4 LHDC触媒特性 形態 1.5mm cyl 1.5mm tri 1.5mm cyl 孔容積(ml/g) 0.331 0.453 0.426 表面積(m2/g) 131 170 116 ニッケル(重量%) 4.8 4.6 5.6 タングステン(重量%) 22.3 23.8 17.25 フッ素(重量%) − − 3.35 シリカ(重量%) − − 2 アルミナ(重量%) − − 60.3 実密度(gm/ml) 4.229 4.238 4.023 粒子密度(gm/ml) 1.744 1.451 1.483 充填密度(gm/ml) 1.2 0.85 0.94 所望の転化率を達成するために必要な場合、触媒のフ
ッ素による促進を、触媒の製造時に触媒にフッ素を組込
むことにより、または供給原料に添加されたフッ素化合
物の存在下で水素化分解することによって行うことがで
きる。このことは粗ワックス供給原料の処理に通常必要
とされないが、上述のように、高レベルの転化率を必要
とするペトロラタム供給原料は、水素化分解時に高温を
使用することと共にハロゲン化触媒の使用を必要とする
ことがある。フッ素化合物の触媒への組込みは、適切な
フッ素化合物、例えば、アンモニウムフルオライド(NH
4F)またはアンモニウムバイフルオライド(NH4F・HF)
などを触媒の製造時に含浸させることによって行うこと
ができ、後者が好ましい。フッ素原子を含有する触媒に
使用するフッ素の量は、触媒の全重量基準で、約1〜10
重量%が好ましく、通常、約2〜6重量%である。フッ
素の組込みは、触媒の製造時に金属酸化物担体のゲルに
フッ素化合物を添加することによって、またはゲルを乾
燥もしくは焼成して触媒粒子を形成した後に含浸させる
ことによって行うことができる。前記のように、触媒が
比較的多量のフッ素および多量の金属を含有する場合、
ゲルの乾燥および焼成前に金属酸化物ゲル中に金属およ
びフッ素化合物を組込んで、最終的な触媒粒子を形成す
ることが好ましい。
触媒活性を所望レベルに保つことは、操作のこの工程
において、触媒を通過するストリームにフッ素化合物を
添加する現場でのフッ素化により行うことができる。フ
ッ素化合物を連続的にまたは断続的に供給原料に添加す
ることができるし、または、触媒のフッ素含量を実際の
水素化分解の開始前に増加させるため、最初の活性化工
程を、供給原料の不存在下、例えば水素気流下などにお
いて、触媒上にフッ素化合物を通過させて行ってもよ
い。このような触媒のその場でのフッ素化は、操作前に
約1〜10%のフッ素含量を達成するために行うことが好
ましく、その後、所望の活性を保つのに充分な維持レベ
ルにフッ素を減少させることができる。その場でのフッ
素化に適する化合物は、オロトフルオロトルエンおよび
ジフルオロエタンである。
供給原料のヘテロ原子含量は、該ヘテロ原子の除去が
必要とされない程度に充分低い(それで、予備水素化処
理を行う必要なしに、第1工程に直接導入することがで
きる)が、硫黄(通常30ppmを越える)およびその他の
汚染物質のレベルは、水素化分解触媒の金属成分を卑金
属または卑金属の組合せとすべきことが必要とされる程
高い。しかしながら、プロセスのこの工程において、芳
香族成分の飽和をかなりの程度行う必要性のため、卑金
属を使用する場合、高レベルの水素化機能性が必要とさ
れ、それがまた高金属含量を意味する。かなり高い金属
レベルは無定形触媒により達成されるが、これは通常、
触媒表面積を犠牲にしており、通常、上記のように、冶
金学的および環境的に望ましくない促進剤の使用を必要
とする。これらの理由により、非促進化結晶性触媒を使
用することはプロセスのこの工程において特に有用であ
る。潤滑剤水素化分解に有効性が高いことが判明してい
る結晶性触媒は、メソポーラス結晶性物質、特に卑金属
または卑金属の組合せを水素化成分として高レベルで含
む触媒をベースとする。従って、第1工程触媒は、無定
形種の潤滑剤水素化分解触媒の代りに、以下に記載する
ようなメソポーラス担体物質をベースとすることができ
る。この種の好ましい結晶性水素化分解触媒は、メソポ
ーラス担体上に、鉄亜族から選ばれる第VIII A族金属、
好ましくはニッケルと、第VI A族金属、好ましくはタン
グステンとの卑金属の組合せを含んでなる。
一般に、(以下に記載するような)メソポーラス物質
を担体として使用する潤滑剤水素化分解触媒は、良好な
水素化活性のために(触媒全体基準で)12.9重量%を越
える金属含量を有しており、一方、少なくとも200m2・g
-1の表面積を保持するものである。より高い金属配合量
が可能であり、一方で充分な触媒表面積を保持している
ので、促進剤を使用する必要をなくする。従って、例え
ば、25%以上の金属配合量の触媒が、なおも200m2・g-1
を越える広い表面積を保持すると、全金属含量(即ち、
金属成分)は全触媒の30重量%、例えば30〜40重量%を
越え、少なくとも200m2・g-1、例えば240m2・g-1または
それ以上の表面積を保持することができる。金属含量が
より少なくなると、それに伴って表面積は高くなり、従
って例えば、全金属含量が全触媒の20重量%であると、
表面積は少なくとも400m2・g-1またはそれ以上になり、
同等の金属配合量である従来の無定形触媒に比べて約3
〜4倍大きい。12〜15%、例えば13%の全金属において
は、表面積は少なくとも500m2・g-1である。少なくとも
25重量%の全金属で、少なくとも300m2・g-1の保持表面
積を有する触媒が、水素化分解触媒の有用性の高い種類
を構成する。
メソポーラス担体を使用することにより生ずる別の利
点は、高い金属配合量が適応された場合であっても、触
媒密度が従来の触媒に比べて比較的低い維持されること
である。全金属含量が12〜15重量%と、例えば通常の最
小配合量の12.9%を越えるレベルにおいて、触媒の実密
度は約2.8g・cc-1であり、これに比べて従来の触媒の値
は、同じ金属配合量において、少なくとも4g・cc-1であ
る。より高い金属配合量でも同様の利点が得られ、本発
明の触媒の密度は、同等の金属配合量において従来の触
媒のわずかに約4分の3である。例えば、全触媒の20〜
25重量%の金属配合量において、実密度は3.000〜3.300
g・cc-1の範囲であり、これに比べて従来の触媒では4.0
0〜4.2である。約30重量%を越える金属配合量では、実
密度は4.1〜4.3g・cc-1の範囲である。粒子密度は、約1
2〜15重量%金属における約0.88から、約20〜25重量%
金属における1.0および30〜40重量%金属における1.1ま
での範囲にわたる。実密度は、与えられた重量の触媒に
よって置換される水銀の体積を測定することにより決ま
る。
メソポーラス担体をベースとする触媒の孔容積は同様
に高く、20重量%程度の典型的な金属配合量において、
孔容積は少なくとも0.55g・cc-1、通常は更に高く、典
型的に少なくとも0.6g・cc-1である。孔容積は、粒子密
度の逆数から実密度の逆数を引いて決定される。
水素化成分は、メソポーラス担体物質上において交換
したり、該担体内に含浸させたり、該担体に物理的に混
合したりまたはこれらの方法の任意の組合せにより行う
ことができる。金属をメソポーラス担体中に含浸または
該担体上において交換する場合、これを、例えば焼成し
た物質を金属含有カチオンにより処理することによって
行うことができる。好ましい交換技術は、(続く焼成に
おいて水素に転化される)アンモニウムカチオンの存在
下における競争的交換を含む。この技術は、金属カチオ
ンを担体物質の孔構造全体に均一に分散させることがで
きると考えられている。安定なアニオンを形成する金属
は含浸により組込むのに適しており、典型的アニオン錯
体、例えばモリブデン酸塩、バナジウム酸塩およびメタ
タングステン酸塩イオンを使用して、モリブデン、バナ
ジウムおよびタングステンを組込むことができる。同様
に適当なアニオン錯体を使用して、他の金属を組込むこ
ともできる。カチオン型の金属を結晶性物質上において
交換またはその物質内に含浸させた。本触媒の特別の利
点は、2種またはそれ以上の金属を高い配合量で、異な
る金属により連続含浸よりも初期の湿潤技術を使用し
て、焼成物質上に1工程含浸により組み込ませることが
できることであり、これにより、2種またはそれ以上の
金属の触媒内における更に均一な分布が形成される。25
重量%全金属を越える高金属レベルの組込みを、焼成前
に金属成分溶液をヒドロゲル中に組込むことを必要とす
る従来の技術と異なって、焼成物質への含浸により行え
ることは別の利点である。本発明の触媒が、ハロゲン促
進剤を要さずに良好な二機能活性を有するということに
よっても、ハロゲン促進剤を不要とすることが可能にな
る。
水素化分解触媒上に存在する金属は、硫化物型で使用
することが好ましく、この目的のため、水素化分解を開
始する前に触媒の予備硫化を行うべきである。硫化は確
立された技術であり、典型的に、水素の存在下で触媒に
硫黄含有ガスを接触させて行われる。水素ならびに、硫
化水素、二硫化炭素またはメルカプタン、例えばブチル
メルカプタンなどの混合物が、この目的のために常用さ
れる。予備硫化は、触媒を、水素および硫黄含有炭化水
素油、例えばサワー灯油または軽油などに接触させて行
うこともできる。
プロセスの第1工程の間に、低品質の、供給原料の比
較的芳香族性である成分は水素化分解され、飽和および
開環により、性質が相対的に更にパラフィン性である生
成物に転化される。本発明のこの工程において、ストリ
ーム中に存在するパラフィン性物質は良好な粘度指数
(VI)特性を有するが、そのパラフィン性の性質の結果
として比較的高い流動点を有する。プロセスの第2工程
の目的は、良好な粘度特性を保持しながら、これらパラ
フィン性成分のイソパラフィンへの選択的異性化を効果
的に行い、そして低流動点をも有するようにすることに
ある。これにより、水素異性化に続いて過度な脱ロウを
行わずに、最終生成物の流動点の達成が可能になる。プ
ロセスのこの工程において、第1工程とカスケード式に
操作され、入口圧が第1工程の出口圧と等しくされる第
2工程では、一般に1000psig(約7000kPa)以上の水素
圧が好ましい。圧力は、水素循環速度を第1工程におい
て使用した速度に匹敵するようにして、普通は1000〜30
00psig、通常は1500〜2500psig(10435〜17340kPa)で
ある。
第2工程において使用される触媒は、ワックス性で直
鎖またはほぼ直鎖のパラフィンを、よりワックス性の低
いイソパラフィン生成物へ異性化するための高い選択性
を有する触媒の一つである。触媒は、性質が二機能であ
って、メソポーラス担体上に金属水素化−脱水素化成分
を含んでなり、所望する異性化反応のための所望する酸
性機能を提供する一方、操作のこの工程における潤滑剤
沸点範囲外の沸点を有する生成物への転化を最小にす
る。
第2工程触媒の金属成分は、不飽和遷移種内を通して
処理しながら、水素化−脱水素成分による介在を必要と
する所望の水素異性化反応を促進するために含まれる。
触媒の異性化活性を最大にするためには、強い水素化機
能を有する金属が好ましく、この理由から、白金および
他の貴金属、例えばパラジウムなどが好ましいとされ
る。貴金属水素化成分の量は、一般に触媒全体の0.5〜
5重量%、通常0.5〜2重量%である。金属成分の含量
は触媒活性に従って変化する。従って、活性の低い卑金
属よりも、活性の高い貴金属を少量使用することができ
る。例えば、金属として表現すると、1重量%またはそ
れ以下の白金が効果的であり、好ましい卑金属の組合せ
は、7重量%のニッケルと2.1〜21重量%のタングステ
ンである。貴金属を使用するこの工程においては、金属
の含量が少ないので担体物質のX線回折パターンの測定
に問題はないが、金属配合量が高いとX線パターンが不
明瞭になり、そのためにX線パターンを金属無含有担体
において測定しなければならないことが判明している。
水素化成分は、上述のように、メソポーラス担体物質
上において交換したり、該担体内に含浸させたり、該担
体に物理的に混合したりすることができる。金属をメソ
ポーラス担体中に含浸または該担体上において交換する
場合、これを、例えばゼオライトを白金金属含有イオン
で処理することにより行うことができる。適する白金化
合物は、クロロ白金酸、二塩化白金および白金アミン錯
体を含有する種々の化合物を含む。金属化合物は、その
中で金属が化合物のカチオンで存在する化合物およびそ
の中で金属が化合物のアニオンで存在する化合物のいず
れであってもよい。両方の種類の化合物を使用すること
ができる。金属がカチオン性錯体のカチオンの形態であ
る白金化合物、例えば、Pt(NH34Cl2が特に有用であ
り、アニオン化合物としてはバナジウム酸塩およびメタ
タングステン酸塩などが特に有用である。他の金属のカ
チオン型も、ゼオライト上において交換またはゼオライ
ト内に含浸することができるので、非常に有用である。
金属を酸化物型に転化させ、触媒に必要とされる機械
的強度を付与するため、触媒を常套の条件において最終
焼成に付することができる。使用前に、触媒を第1工程
触媒について上述したように予備硫化に付してよい。
第2工程において使用される担体物質は、以下詳細に
記載するメソポーラス結晶性物質である。この物質を本
発明の触媒に使用する場合、操作のこの工程で起る反応
のための所望の低い酸性機能の程度を提供するため、メ
ソポーラス結晶性物質は、少なくとも部分的に脱カチオ
ン化されるか、または水素型にされている。
本発明において使用される触媒物質は、超大孔寸法結
晶相を含んでなる物質の新しい合成組成を含む。この物
質は、無機質、多孔質、非層状の結晶性物質であり、
(焼成した状態で)約18Åより大きいd間隔に、相対強
度が100である少なくとも1つのピークを有するX線回
折パターンならびに50torrおよび25℃で物質100gあたり
15g以上のベンゼンを吸着する吸着容量により特徴付け
られる。
結晶性物質の好ましい形態は、無機質、多孔質、非層
状の結晶性物質であって、最大垂直断面孔直径が少なく
とも約1−3nm(13Å)、典型的に1−3〜20nm(13Å
〜200Å)であり、均一な寸法の孔の六角形配列を有す
る。この六方晶組成の好ましい形態は、MCM−41の構造
を有するものとして認識され、少なくとも13Åの直径の
均一寸法の孔の六角形配列を有する。この物質は、約18
Åより大きなd100値により示すことができる六角形電子
回折パターンを示し、それがX線回折パターンの少なく
とも一つのピークに対応する。この物質ならびにその調
製法および特性は、以下と同様に、米国特許出願第07/6
25,425号(クレスジ(Kresge)ら)に更に詳細に記載さ
れている。
水素異性化触媒の担体成分として使用する無機質、非
層状のメソポーラス結晶物質は、以下の組成: Mn/q(Wa Xb Yc Zd Oh) [式中、Wは例えばマンガン、コバルトおよび鉄のよう
な遷移金属第1列の二価の元素ならびに/またはマグネ
シウム、好ましくはコバルトであり、Xはアルミニウ
ム、ホウ素、鉄および/またはガリウム等の三価の元
素、好ましくはアルミニウムであり、Yはケイ素および
/またはゲルマニウム等の四価の元素、好ましくはケイ
素であり、Zはリン等の五価の元素であり、Mは例え
ば、アンモニウム、I A族、II A族およびVII B族の一種
またはそれ以上のイオン、通常は水素、ナトリウムおよ
び/またはフッ素イオンであり、nは酸化物として表わ
されるMを除いた成分の電荷であり、qはMの重み付け
モル平均原子価であり、n/qはMのモル数またはモル分
率、a、b、cおよびdはそれぞれW、X、YおよびZ
のモル分率、hは1〜2.5の数、そして、(a+b+c
+d)=1である。] で示される組成を有する。
上記の結晶性物質の好ましい態様は、(a+b+c)
がdより大きく、h=2の場合である。他の態様では、
a=0およびd=0、かつh=2の場合である。本発明
の触媒の調製に使用するために好ましい物質はアルミノ
シリケートであるが、ボロアルミノシリケートなどの他
のメタロシリケートを使用して所望の低酸性度を達成す
ることもできる。
合成型において、担体物質は、無水物を基礎として、
経験的に、 rRMn/q(Wa Xb Yc Zd Oh) [式中、RはイオンとしてMに含まれない全有機物、r
はRの係数、即ちRのモル数またはモル分率である。] で示される組成を有する。
MとRの成分は結晶化の際にそれらが存在する結果と
して物質に取り込まれており、容易に除去することがで
き、あるいはMについては以下に記載する後結晶化法
(post−crystallization)により交換することができ
る。
本発明の合成形態物質の最初のM、例えばナトリウム
または塩素のイオンを、常套のイオン交換技術により所
望の程度まで、他のイオンに交換できる。好ましい交換
イオンは、金属イオン、水素イオン、水素前駆体、例え
ばアンモニウムイオンおよびこれらのイオンの混合物で
ある。特に好ましいイオンは、最終的に触媒において所
望する金属機能性を与えるものである。これらは、水
素、希土類金属ならびに元素周期表のVII A族(例えばM
n)、VIII A族(例えばNi)、I B族(例えばCu)、IV B
族(例えばSn)の金属およびこれらのイオンの混合物を
含む。
結晶性(即ち、焼成後、少なくとも一つのピークを有
する、例えばX線、電子、中性子などの回折パターンを
与えるのに十分な規則性(order)を有する)メソポー
ラス物質は、極端に大きな孔開口を有する構造および高
い収着能によって特徴付けることができる。ここで「メ
ソポーラス」という用語は、13〜200Åの範囲の均一な
孔を有する結晶を示すために使用する。メソポーラス物
質は、13〜200Å、更に通常は15〜100Åの範囲の均一な
孔を有する。これらの孔は、他の結晶性物質よりも著し
く大きいので、これらを超大孔寸法物質を称するのが適
切である。この適用のため、「多孔質」の実用的定義
は、固体100g当たり、Ar、N2、n−ヘキサンまたはシク
ロヘキサンなどの小さな分子を少なくとも1g吸着する物
質である。本発明の結晶性物質における大きな孔によ
り、該物質を嵩高い分子形状および長鎖構造を有する分
子に適応させることができる。従って、この触媒は、例
えば重質ニュートラル粗ワックスまたはペトロラタム粗
ワックスなどの高沸点粗ワックスから得られるような高
沸点供給原料を処理するために特に有用である。
触媒物質は、他の多孔質無機固体から、大きく開口し
た孔が規則的であることにより識別することができ、こ
の孔寸法は無定形またはパラ結晶性物質により近いが、
規則正しい配列と寸法の均一性(孔寸法の分布は、一つ
の相内で、例えばその相の孔の平均孔寸法の±25%、通
常±15%かそれ以下である)はゼオライト等の結晶性骨
格物質に近い。好ましい物質は大きな開口チャンネル
(channel)の六角形配列を有し、これは開口内径を13
〜200Åとして合成することができる。「六角形」とい
う用語は、実験的測定の限界内で数学的に完全な六角形
対称を示す物質のみでなく、その理想的状態からかなり
の逸脱が観察される物質をも含むことを意味する。本発
明の微細構造に適用した実用的定義は、物質中の大部分
のチャンネルが最も近くの隣接する6個のチャンネルに
よりほぼ等距離で包囲されることである。物質を調製す
る質によるが、欠損や不完全により、かなりの数のチャ
ンネルが種々の程度でこの基準を損なう。隣接するチャ
ンネル間の平均的繰り返し間隔から±25%ものランダム
な逸脱を示す試料でも、本発明の超大寸法孔物質の認識
し得る像を与える。匹敵する変動は電子回折パターンか
らのd100値においても観察される。
本発明の物質の最も規則的な試料は、極度に低い角度
領域に数個の明確な極大値を有するX線回折パターンを
与える。これらのピークの位置は、六方晶格子からのhk
0反射の位置にほぼ合致する。しかし、X線回折パター
ンは、常に、これら物質の存在の充分な指標であるとは
限らない。それは微細構造における規則性の程度および
個々の粒子内での構造の繰り返しの程度が、観測される
ピークの数に影響するからである。実際、X線回折パタ
ーンの低角度領域においてただ1つの明確なピークを有
する試料は、その中に実質的な量の物質を含有すること
が判明している。この物質の微細構造を示す他の技術
は、透過電子顕微鏡および電子回折である。適切な向き
を決めた物質の標本は大きなチャンネルの六角形配列を
示し、これに対応する電子回折パターンはほぼ六方晶配
置の回折極大を与える。電子回折パターンのd100間隔
は、六方晶格子のhk0投影の隣接する点の間隔であり、
電子顕微鏡で観察されるチャンネル間の繰り返し間隔a0
に、 式:d100=a0(3)1/2/2 で関係付けられる。この電子回折パターンで観察される
d100間隔は、物質のX線回折パターンにおける低角度ピ
ークのd間隔に相当する。これまで得られた物質の最高
級の調整を行った試料では、電子回折パターンで20〜40
個の明瞭な点が観察された。このパターンは、独特の10
0、110、200、210等の反射である六方晶hk0部分集合と
これの対称の関係にある反射とで表示することができ
る。
その焼成された形態において、結晶性物質は、物質の
電子回折パターンのd100値に対応するd間隔が約18Å
(Cu Kα線で4.909゜の2θ)より大きい位置に少なく
とも1つのピークを有するX線回折パターンならびに50
torrおよび25℃で約15gベンゼン/物質100g以上の平衡
ベンゼン吸着能により特徴付けられる(基準:必要であ
れば、処理した結晶性物質の孔の付随する汚染物質によ
る封鎖が全くないことの保証を意味する)。
この物質に特徴的な平衡ベンゼン吸着能は、付随する
汚染物質により孔が全く封鎖されていないことに基づい
ている。例えば、吸着試験は、通常の方法によって全て
の孔封鎖性汚染物質および水が除去された結晶性物質相
において行うものである。水は脱水技術、例えば熱処理
などにより除去される。孔を封鎖する無機無定形物質、
例えばシリカおよび有機物は、酸や塩基或いは他の化学
試薬などに接触させて除去することができるので、結晶
に不利益な影響を及ぼさずに、障害物を除去することが
できる。
更に、焼成された結晶性非層状物質は、約10Åのd間
隔(Cu Kα線で8.842゜の2θ)より大きい位置に少な
くとも2つのピークを有しており、これらのピークの内
の少なくとも1つが約18Å単位より大きい位置にあり、
最強のピークの約20%よりも大きい相対強度で約10Åの
d間隔よりも小さい位置にピークが存在しないX線回折
パターンにより特徴付けることができる。更に、本発明
の焼成された物質のX線回折パターンは、最強のピーク
の約10%よりも大きい相対強度で約10Åのd間隔より小
さい位置にピークを有しない。ともかく、X線回折パタ
ーンの少なくとも1つのピークは、物質の電子回折パタ
ーンのd100値に対応するd間隔を有する。
焼成した無機質、非層状の結晶性物質は、以下に記載
する物理収着測定法により測定して、1.3nm(13Å)ま
たはそれ以上の孔寸法を有するとして特徴付けられる。
孔寸法は、結晶の最大垂直断面孔直径であると考えられ
る。
X線回折パターンは、θ−θ結晶構造、Cu Kα線およ
びエネルギー分散型X線検出器を使用するシンターグ・
ピー・エー・ディー・エックス(Scintag PAD X)自動
回折装置で集めた。エネルギー分散型X線検出器を使用
すると、入射ビームおよび回折ビーム用のモノクロメー
ターを使用する必要がなくなる。入射X線および回折X
線の両方のビームをダブルスリットの入射および回折コ
リメーション系によりコリメーションする。使用したス
リットのサイズは、X線管源から始めて、それぞれ0.
5、1.0、0.3、そして0.2mmであった。異なるスリット系
によるとピーク強度を異ならせることができる。本発明
の物質で最大の孔寸法を有するものには、透過した入射
X線ビームから低角度のピークを分解するため、より高
度にコリメーションした入射X線ビームが必要である。
回折データは2θを0.04゜ずつ10秒毎の計数時間で段
階的にスキャンして記録した(θはブラッグ(Bragg)
角)。層間間隔dはÅ単位で計算し、バックグラウンド
を差し引いたラインの相対強度I/I0(I0は最強ラインの
100分の1の強度)は、プロファイル・フィッティング
・ルーチン(profile fitting routine)を使用して導
いた。強度は、ローレンツ効果および分極効果のための
補正をしていない。相対強度を次の記号で表わす。
VS 非常に強い(75〜100) S 強い (50〜74) M 中程度 (25〜49) W 弱い (0〜24) シングルラインとして掲載している回折データは、実
験用の高分解能や結晶学上の変化等のような特定の条件
において分解できるように見えるかまたは部分的に分解
できるラインである多くの重なりあったラインからなる
とすることができる。一般に、結晶学上の変化は、実質
的な構造の変化を伴わず、単位格子(ユニット セル
(unit cell))パラメーターの軽度の変化および/ま
たは結晶の対称性の変化を含むことができる。これらの
軽度の効果は、相対強度の変化を含めて、カチオン含
量、骨格構造、孔充填の状態および程度、熱および/ま
たは水熱履歴、そして粒子寸法/形の影響、構造の不規
則性、またはX線回折の従来技術で知られるその他の要
因によるピークの幅/形状の変動における差異の結果と
しても生じうる。
平衡ベンゼン吸着能は、本発明の物質を、孔封鎖性物
質の除去を企図して、例えば540℃で少なくとも約1時
間、脱水または焼成し、所望により他の処理をした後、
25℃および6.7kPa(50torr)でベンゼンを平衡に達する
まで接触させて測定する。続いて、収着されたベンゼン
の重量を下記のようにして測定する。
カチオン性物質のアンモニウム型は、熱処理(焼成)
により容易に水素型に転化することができる。熱処理
は、一般に、これらの型の一つを少なくとも400℃の温
度で少なくとも1分間、一般に20時間を越えず、好まし
くは約1〜10時間加熱して行う。熱処理に減圧を採用す
ることができるが、便利さの点で、空気、窒素、アンモ
ニア等の中における大気圧が望ましい。熱処理は750℃
までの温度で行うことができる。熱処理生成物は、特定
の炭化水素転化反応の触媒において特に有用である。
結晶性物質は数種の方法の一つにより調製できるが、
いずれも特別な制限を有する。
第1の方法は、X2O3/YO2モル比が0〜0.5であるが、A
l2O3/SiO2モル比が0〜0.01、約25〜250℃、好ましくは
約50〜175℃の結晶化温度および以下更に詳細に記載す
る有機誘導剤、または好ましくはその有機誘導剤に下記
の追加の有機誘導剤を加えた組合せを有する。この第1
の方法は、例えばナトリウムもしくはカリウムなどのア
ルカリまたはアルカリ土類金属(M)、所望によりカチ
オン、例えばコバルトなどの二価元素W、例えばアルミ
ニウムなどの三価元素X、例えばケイ素などの四価元素
Y、例えばリンなどの五価元素Zからなる群から選ばれ
る酸化物の一つまたはそれらの組合せ、以下に記載する
有機誘導剤(R)、ならびに例えばC1−C6アルコール、
C1−C6ジオールおよび/または水、特に水などの溶媒も
しくは溶媒剤混合物などの供給源(ソース(source))
を含む反応混合物を調製することを含んでなる。反応混
合物は、酸化物のモル比に関して、以下の範囲の組成を
有する: [式中、eおよびfはそれぞれMとRの重み付き平均原
子価である。] この第1の方法において、Zおよび/またはWの酸化
物を反応混合物に加えない場合、pHが重要であって、9
〜14に維持しなければならない。反応混合物中にZおよ
び/またはWの酸化物が存在する場合、この結晶性物質
を合成するためにpHに厳密な重要性がない。ここで、こ
の結晶性物質を合成する以下の方法と同様に、R2/fO/
(YO2+WO+Z2O5+X2O3)の比が重要である。この比が
0.01より小さいか、2.0より大きい場合には、所望する
結晶性物質を犠牲にして、不純生成物が合成されやす
い。
結晶性物質を合成するための第2の方法は、0〜0.5
のX2O3/YO2モル比、25〜250℃、好ましくは50〜175℃の
結晶化温度、および下記の別々の二つの有機誘導剤、即
ち有機誘導剤および追加の有機誘導剤を有する反応混合
物を含む。この第2の方法は、例えばナトリウムもしく
はカリウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属
(M)、所望によりカチオン、例えばコバルトなどの二
価元素W、例えばアルミニウムなどの三価元素X、例え
ばケイ素などの四価元素Y、例えばリンなどの五価元素
Zからなる群から選ばれる酸化物の一つまたはそれらの
組合せ、いずれも以下に記載する有機誘導剤および追加
の有機誘導剤(R)、ならびに例えばC1−C6アルコー
ル、C1−C6ジオールおよび/または水、特に水などの溶
媒もしくは溶媒剤混合物などの供給源を含む反応混合物
を調製することを含んでなる。反応混合物は、酸化物の
モル比に関して、以下の範囲の組成を有する: [式中、eおよびfはそれぞれMとRの重み付き平均原
子価である。] この第2の方法において、Zおよび/またはWの酸化
物を反応混合物に加えない場合、pHが重要であって、約
9〜約14に維持しなければならない。反応混合物中にZ
および/またはWの酸化物が存在する場合、pHの正確な
値は結晶化のために重要ではない。
結晶性物質を合成するための第3の方法は、Xがアル
ミニウムを含んでなり、Yがケイ素を含んでなり、結晶
化温度が25〜175℃、好ましくは50〜150℃でなければな
らず、下記の有機誘導剤、好ましくは下記の該有機誘導
剤に追加の有機誘導剤を加える組合せを使用する。この
第3の方法は、例えばナトリウムもしくはカリウムなど
のアルカリまたはアルカリ土類金属(M)、所望により
カチオン、アルミニウムおよび/またはケイ素の供給
源、以下更に詳細に記載する有機誘導剤ならびに例えば
C1−C6アルコール、C1−C6ジオールおよび/または水、
特に水などの溶媒もしくは溶媒剤混合物などの供給源を
含む反応混合物を調製することを含んでなる。反応混合
物は、酸化物のモル比に関して、以下の範囲の組成を有
する: [式中、eおよびfはそれぞれMとRの重み付き平均原
子価である。] この第3の方法において、pHが重要であって、約9〜
約14に維持しなければならない。この方法は、以下の工
程を含む。: (1)有機誘導剤(R)と溶媒または溶媒混合物とを、
溶媒/R2/fOのモル比が約50〜約800、好ましくは約50〜
約500であるように混合する。この混合物が合成法の
「第1テンプレート(primary template)」を構成す
る。
(2)ステップ(1)の第1テンプレート混合物に、例
えばシリカおよび/またはアルミナなどの供給源を、R
2/fO/(SiO2+Al2O3)の比が0.01〜2.0となるように添
加する。
(3)ステップ(2)から得られた混合物を温度20〜40
℃で、好ましくは約5分〜約3時間攪拌する。
(4)混合物を、攪拌しながらまたは攪拌せずに、好ま
しくは20〜100℃の温度および好ましくは約10分〜約24
時間放置する。
(5)ステップ(4)からの生成物を温度50〜175℃
で、好ましくは約1時間〜約72時間結晶化させる。
結晶化温度は与えられた範囲内において高い程好まし
い。
本合成法の第4の方法は、第3の方法において使用し
た反応混合物を含むが、酸化ケイ素の供給源のテトラエ
チルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate)を
使用して以下の特別の手順を含む。: (1)有機誘導剤(R)と溶媒または溶媒混合物とを、
溶媒/R2/fOのモル比が50〜800、好ましくは50〜500で
あるように混合する。この混合物が合成法の「第1テン
プレート」を構成する。
(2)ステップ(1)の第1テンプレート混合物に、テ
トラエチルオルトシリケートおよび、所望により酸化ア
ルミニウムの供給源を、R2/fO/SiO2のモル比が約0.5〜
約2.0となるように混合する。
(3)ステップ(2)から得られる混合物を、10分〜6
時間、好ましくは30分〜2時間、温度0〜25℃、pH12以
下で攪拌する。このステップは、加水分解/重合が生じ
ることを許容し、得られる混合物は曇りを呈する。
(4)ステップ(3)から得られる生成物を、25〜150
℃、好ましくは95〜110℃の温度で、4〜72時間、好ま
しくは16〜48時間結晶化させる。
上記のいずれの方法においても、静置またはかき混
ぜ、例えば撹拌などを行い、例えばポリプロピレンジャ
ーまたはテフロン内張りもしくはステンレス鋼オートク
レーブなどの適当な反応容器中で、結晶性物質のバッチ
式の結晶化を行うことができる。結晶化は適当な装置内
で連続的に行うこともできる。結晶化の温度の全有用範
囲を、各方法について上述しているが、使用した温度に
おいて結晶化が起るのに充分な時間は、例えば5分〜14
日である。続いて結晶を液体から分離して回収する。合
成に続いて、結晶性物質を処理に付して、全有機性成分
の一部または全部を除去する。
合成法においてケイ素の供給源を使用する場合は、例
えば4級アンモニウムシリケートのような有機シリケー
トを少なくとも部分的に使用することが好ましい。この
例としてテトラメチルアンモニウムシリケートとテトラ
エチルオルトシリケート等があるが、これに限らない。
各方法についての合成反応の条件、例えば反応の温
度、pHおよび時間などを、上記限定範囲内で調整するこ
とにより、所望する孔寸法を有する種々の態様の本発明
の非層状結晶性物質を調製することができる。特に、p
H、温度または反応時間を変化させることにより、異な
る平均孔寸法を有する結晶生成物を形成の促進すること
ができる。
第1および第2の合成方法のために考えられたW、
X、YおよびZの種々の組合せの例に、 W X Y Z − Al Si − − Al − P − Al Si P Co Al − P Co Al Si P − − Si − があり、ここでWはMgまたは、例えばMn、CoおよびFe等
の二価の遷移金属第一横列から選ばれる元素であり、X
はB、GaまたはFeであり、YはGeである組合せを含む
が、これに限定されない。
各反応混合物から本発明の物質を合成するための上記
の各方法において使用する有機誘導剤は、式R1R2R3R
4Q+、即ち: [式中、Qは窒素またはリンであり、R1、R2、R3および
R4の少なくとも一つは例えば−C6H13、−C10H21、−C16
H33および−C18H37等の炭素数6〜36のアリール基もし
くはアルキル基またはその組合せであり、R1、R2、R3
よびR4の残りは水素および炭素数1〜5のアルキル基な
らびにそれらの組合せから選ばれる。] で示されるアンモニウムイオンまたはホスホニウムイオ
ンである。上記のアンモニウムイオンまたはホスホニウ
ムイオンが誘導される化合物は、例えば、水酸化物、ハ
ロゲン化物、シリケートまたはそれらの混合物であって
よい。
上記の第1および第3の方法においては追加の有機誘
導剤を有することが好ましく、第2の方法においては上
記の有機誘導剤および追加の有機誘導剤の組合せを有す
ることが好ましい。追加の有機誘導剤は、上記の有機誘
導剤の式のアンモニウムまたはホスホニウムイオンであ
って、式中、R1、R2、R3およびR4は共にもしくは別々
に、水素および炭素数1〜5のアルキル基ならびにそれ
らの組合せからなる群から選ばれる。有機誘導剤のその
ような組合せの全てが「R」を構成し、モル比は、上記
の最初の表に示した有機誘導剤/追加の有機誘導剤の10
0/1〜0.01/1である。
一またはそれ以上の他の結晶構造を直接合成する誘導
剤として知られる他の同様の誘導剤と比較すると、必要
とされる誘導剤の特別の効果は、上述の制限内で所望す
る超大孔結晶の核形成および成長を行う上記反応混合物
内のテンプレートとして機能することができる点による
と考えられている。これらの誘導剤には、セチルトリメ
チルアンモニウム、セチルトリメチルホスホニウム、ベ
ンジルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、
ミリスチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチル
アンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウムおよび
ジメチルジドデシルアンモニウム等の化合物が含まれる
が、これに限定されるものではない。
反応混合物の成分は2種以上の供給源から供給されて
もよい。反応混合物の調製は、バッチ式または連続式の
いずれかによっても行える。新しい結晶性物質の結晶寸
法および結晶化時間は、使用する反応混合物の性質およ
び結晶化条件により変化する。
合成手順により調製される結晶は、粒子寸法を広範囲
の粒径寸法に造形することができる。一般的に言えば、
粒子は、粉末、顆粒または成形品、例えば、2メッシュ
(タイラー(Tyler))スクリーンを通過し400メッシュ
(タイラー)スクリーン上に保持されるような粒径寸法
を有する押出物であってよい。触媒を例えば押出しによ
り成形する場合、結晶は乾燥前に押出すか、または部分
的に乾燥した後、押出すことができる。
本発明の触媒における孔寸法は充分大きいので、遷移
状態種に関する空間的(spatiospecific)選択性がクラ
ッキングなどの反応において最小になる(チェン(Che
n)ら、「シェイプ・セレクティブ・キャタリシス・イ
ン・インダルトリアル・アプリケーション(Shape Sele
ctive Catalysis in Industrial Applications)」、第
36巻ケミカル・インダストリーズ(Chemical Industrie
s)、第41〜61頁(1989年)、形状選択性に影響を及ぼ
す要因について論ずるためにこれらを引用する)。非常
に大きい孔の結果、拡散限定も最小になる。
メソポーラス担体物質の結晶はマトリックス物質と混
合されて最終的触媒を形成し、この目的のためにはアル
ミナ、シリカ−アルミナおよびシリカなどの従来の非酸
性マトリックス物質が好適であり、非酸性バインダーと
してはシリカが好ましいが、マトリックス化混合触媒に
実質的な程度に酸性活性を付与しないことを条件とし
て、αベーマイト(αアルミナ−水和物)のような非酸
性アルミナを用いることもできる。アルミナは、非酸性
の性質であるとしても、その酸性度を向上させるための
水熱反応条件下においてゼオライトと反応する傾向があ
るので、バインダーとしてはシリカを用いることが好ま
しい。メソポーラス物質とマトリックスとの混合は、通
常、メソポーラス物質:マトリックスの重量比を80:20
〜20:80、典型的に80:20〜50:50として行う。混合は、
物質を一緒に粉砕した後、ペレット化の押出しにより所
望の最終的触媒粒子とすることを含む常套の手段により
行うことができる。バインダーとしてのシリカと共に押
出すための好ましい方法は、米国特許第4,582,815号に
記載されている。所望の低酸性度を達成するために触媒
を蒸気処理する場合には、常套のように、触媒をバイン
ダーと組合せた後に行う。
触媒を、常套の予備硫化処理、例えば硫化水素の存在
下における加熱などによって処理して、酸化物型の金属
成分を対応する硫化物に転化することができる。
第2工程の目的は、第1工程流出物中のワックス性、
直鎖およびほぼ直鎖のパラフィン性成分を、より低ワッ
クス性でありながら、高粘度指数(VI)で比較的流動点
の低いイソパラフィン性物質に異性化することである。
従って、第2工程における条件を調整してこの目的を達
成し、同時に非潤滑剤範囲生成物(通常、650゜F−(34
3℃−))物質への転化を最小にする。この工程におい
て使用される触媒は低酸性を有するので、より低い沸点
の生成物への転化率は、通常、比較的低いレベルであ
り、そして、過酷度を適当に選択することにより、第2
工程操作を分解よりも異性化に最適化することができ
る。常法の約1である空間速度において、白金含有触媒
を使用すると、第2工程における温度は一般に550〜700
゜F(290〜370℃)であり、通常685゜F(363℃)を越え
ることはなく、650゜F+転化率は、典型的に第2工程供
給原料の10〜30重量%、更に通常は12〜20重量%であ
る。もっとも、例えば500゜F(260℃)程度から750゜F
(400℃)までのこの範囲外の温度を使用することもで
きるが、そのような高い温度を使用すると、異性化選択
性がより低くなり、しだいに高くなる操作温度において
水素化反応が熱力学的に好ましくなる結果として、安定
性のより低い潤滑剤生成物の生成を伴うことになるの
で、通常、高温は好ましくない。第2工程において、高
い水素圧を使用することに起因して活性が向上するた
め、550〜700゜F(290〜370℃)の温度が好ましいとさ
れる。空間速度は、一般に0.5〜2LHSV(hr-1)である
が、ほとんどの場合において約1LHSVが最も好まれる。
水素循環速度は上記の第1工程において使用される速度
に匹敵するが、このプロセスの第2工程における水素収
支が近い結果として、顕著な水素消費がないので、可能
であれば、低い循環速度を採用することができる。カス
ケード式操作モードにおいては、第1工程からの過剰水
素が第2工程の操作のために適当であることがわかるで
あろう。
本発明のプロセスの特別な利点は、全体の操作方式に
有効な機能性分離を可能にすることである。第1工程に
おいて、好ましくない低粘度指数の成分が、高圧ならび
に比較的高い温度条件下における飽和および開環の操作
によって除去される。対照的に、第2工程は、生成物中
のイソパラフィン含量を最大にすることを目的としてお
り、第1工程において低粘度指数(VI)物質を処理して
いるので、パラフィン性物質の選択的異性化の効果を最
適化することができる。パラフィン異性化のために適当
な低温度条件は、上記のように分解反応を制限するが、
特に高活性水素化成分が触媒上に存在する場合に、分解
反応によって生成しうる全ての潤滑剤範囲オレフィンの
飽和に関しては、熱力学的に好ましい。このように、第
2工程も生成物をハイドロフィニッシング(hydrofinis
hing)するために有効であるので、生成物安定性、特に
紫外線照射に対する安定性が向上する。この性質は、従
来の水素化分解潤滑剤生成物にはしばしば欠けていた性
質である。従って、所望の目標流動点を達成するため、
異性化生成物を単に最終脱ロウ工程に付することがで
き、プロセスの2機能性分離工程において最適化された
処理を行う結果として芳香族および潤滑剤範囲オレフィ
ンの両方の不飽和物の含量が低くなるので、通常、更に
仕上げ工程を行う必要は全くなくなる。そこで、生成物
を最終的分留(fractionation)に付して低沸点物質を
除去し、続いて生成物の目標流動点を達成するため、最
終脱ロウ工程に付する。
所望の流動点を達成するためには、通常、最終脱ロウ
工程が必要とされるが、必要とされる脱ロウの程度が比
較的小さいことが、本プロセスの顕著な特徴である。一
般に、最終脱ロウ工程における減量(loss)は、脱ロウ
供給原料の15〜20重量%を越えることはなく、それより
低くすることができる。この点において、触媒脱ロウま
たは溶剤脱ロウのいずれを使用してもよいが、溶剤脱ロ
ウを使用する場合には、除去したワックスを更に処理す
るため、プロセスの第1または第2工程に再循環してよ
い。溶剤脱ロウにおいて除去したワックスは高パラフィ
ン性であるので、例えば第2工程を比較的低圧において
操作する態様において、可能であれば、該ワックスを第
2工程に直接、再循環させることができる。
好ましい触媒脱ロウ法は、中間孔寸法ゼオライト、例
えばZSM−5を使用するが、最も好ましい脱ロウ触媒は
高度に拘束された中間孔寸法ゼオライト、例えば、ZSM
−22、ZSM−23またはZSM−35である。これらゼオライト
が高度に選択的な脱ロウを提供し、低流動点および高粘
度指数(VI)の脱ロウ生成物を与えることがわかってい
るからである。これらのゼオライトを使用する脱ロウ法
は、米国特許第4,222,855号に記載されている。使用す
ることが好ましいゼオライトは、該特許第4,222,855号
に記載されているのと同様にして特徴付けることができ
る。即ち、該特許に記載されて規定された吸着特性、即
ち、(1)容量%基準で、約3を越えるn−ヘキサンと
o−キシレンとの吸着比(この吸着は、0.1のP/Poおよ
び、n−ヘキサンは50℃、o−キシレンは80℃の温度で
測定する)、および(2)n−ヘキサン/3−メチルペン
タン/2,3−ジメチルブタンの1/1/1重量比混合物から、1
000゜Fおよび1気圧において、二重に分枝した2,3−ジ
メチルブタン(DMB)に優先して3−メチルペンタン(3
MP)を選択的に分解する能力(1000゜Fの温度で求めた
速度定数の比k3MP/kDMBはおよそ2を越える)を有する
結果を与える孔開口を有するゼオライトとして特徴付け
られる。「P/Po」という表現は、例えば、デボール(J.
H.deBoer)による「ダイナミカル・キャラクター・オブ
・アドソープション(Dvnamical Character of Adsorpt
ion)」、第2版、オックスフォード・ユニバーシティ
ー・プレス(Oxford University Press)(1986年)な
どの文献に記載されているような通常の意味を有してお
り、吸着温度における吸着物の分圧対吸着物の蒸気圧の
比として定義される相対圧力である。
速度定数の比、k3MP/kDMBは、式: k=(1/Tc)ln(1/1−ε) [式中、kは各成分の速度定数、Tcは接触時間、εは各
成分の分別転化率である。] により、通常の方法で一次速度論から求められる。
これら収着要求に合致するゼオライトは、天然のゼオ
ライトフェリエライト、ならびに既知の合成ゼオライト
ZSM−22、ZSM−23およびZSM−35を含む。これらのゼオ
ライトは、脱ロウ方法に使用する場合は、少なくとも部
分的に酸型または水素型であり、金属水素化成分、好ま
しくは白金などの貴金属を使用することが好ましい。Pt
/ZSM−23脱ロウ触媒により、優れた結果が得られる。
ゼオライトZSM−22、ZSM−23およびZSM−35の調製お
よび性質はそれぞれ、米国特許第4,810,357号(ZSM−2
2)、第4,076,842号および第4,104,151号(ZSM−23)、
ならびに第4,016,245号(ZSM−35)に記載されており、
このゼオライトおよびその調製の記載を引用する。フェ
リエライトは天然の鉱物であって、例えばブレック(D.
W.Breck)、ゼオライト・モレキュラー・シーブズ(Zeo
lite Molecular Sieves)、ジョン・ウイリー・アンド
・サンズ(John Wiley and Sons)、第125〜127頁、第1
46頁、第219頁および第625頁などの文献に記載されてお
り、このゼオライトの記載を引用する。
しかし、いずれにしろ、生成物のための脱ロウ装置に
対する要求は比較的低く、本発明の方法は、この点で、
かなりの程度の脱ロウが必要とされる無定形触媒のみを
使用した方法よりも顕著な向上を示す。本発明の方法に
特有の機能分離は、無定形触媒法における50%に比べ
て、典型的に約70〜80%と転化率の高い単一パスのロウ
転化率を達成することを可能にし、従って、装置の処理
量が従来の方法に比べて顕著に向上する。脱ロウ器への
負荷が減少するように80%を越える転化率レベルを使用
してもよいが、生成物粘度指数(VI)および収率が同時
に減少し、一般に、約135未満の粘度指数(VI)の生成
物が許容されないならば、最終脱ロウ工程を完全に無く
することはできない。
本発明の方法により得られる生成物は、高粘度指数
(VI)および低流動点を有する物質であって、優れた収
率で得られる。優れた粘度特性を有することに加えて、
生成物は、酸化および熱の双方ならびに紫外線に対して
も非常に安定である。140〜155の範囲の粘度指数(VI)
値が典型的に得られるが、最初のロウ供給原料基準で、
少なくとも50重量%、通常少なくとも60重量%の生成物
収率(これは、それぞれほぼ80%および90%のロウ転化
率値に相当する)において、143〜147の粘度指数(VI)
値を容易に達成できる。本プロセスのもう一つの著しい
特徴は、本プロセスに固有の限定的沸騰範囲転化の結果
として生成物が所望の粘度値を保持すること、換言すれ
ば、一定の生成物粘度において、より高い収率が得られ
るということである。
以下の実施例1〜19により、触媒を調製するために使
用したメソポーラス結晶性物質の調製を説明する。これ
らの実施例において、水、シクロヘキサン、ベンゼンお
よび/またはn−ヘキサンに対する収着のデータは、以
下のようにして測定した平衡吸着値である。
秤量した吸着媒の試料は、540℃で少なくとも1時間
焼成し、所望により他の処理をして孔封鎖性汚染物を除
去した後、吸着室内で所望の純粋な吸着質に接触させ
る。吸着媒の重量の増加は、試料の吸着容量として、54
0℃における焼成後の吸着媒重量基準で、g数/100g(吸
着媒)の式で計算される。
本発明の組成物は、6.7kPa(50Torr)および25℃にお
いて、15g/100g、特に17.5/100g、更に特に20g/100gの
平衡ベンゼン吸収容量を示す。
測定を行う好ましい方法は、所望の純粋な吸着質蒸気
を、1mm未満に減圧した吸着室内で、25℃において、1.6
kPa(12Torr)の水蒸気、40Torrのn−ヘキサンもしく
はシクロヘキサン蒸気、または6.7kPa(50Torr)のベン
ゼン蒸気の条件で接触させる。圧力は、吸着期間の間、
吸着質の導入をマノスタット(manostat)により制御す
ることによって一定(±約0.5mm以内)に維持する。吸
着質が新しい結晶に吸着されるにつれて、圧力が低下
し、それによりマノスタットがバルブを開いて吸着質蒸
気を更に室内に導入して、上記制御圧に回復する。圧力
の変化がマノスタットを作動させるのに充分でない場合
でも、吸着は完全である。
ベンゼン吸着データを測定する別の方法は、適当な熱
重量分析系、例えばコンピュータ制御された990/051デ
ュポン(duPont)TGAシステムによるものである。吸着
媒試料は、流通ヘリウム中、例えば350℃または500℃で
恒量になるまで加熱して脱水(物理的収着水を除去)す
る。試料が、例えば有機誘導剤を含有するなどの合成型
である場合は、試料を前述の350℃または500℃で処理す
る代りに、540℃で焼成して恒量まで保つ。ベンゼン吸
着等温線の測定は、25℃において、ベンゼン飽和ヘリウ
ムストリームと純粋なヘリウムストリームとを適当な割
合で混合して、所望のベンゼン分圧を得ることにより行
う。6.7kPa(50Torr)におけるベンゼンの吸着の値を、
吸着等温線のプロットから得る。
以下の実施例において、特に断らない限り%表示は重
量%である。
実施例1 塩化N,N,N−トリメチル−1−ヘキサデカンアミニウ
ムの29重量%溶液を水酸基−ハロゲン交換樹脂に接触さ
せて調製した水酸化セチルトリメチルアンモニウム(CT
MA(cetyltrimethylammonium))溶液100gを、テトラメ
チルアンモニウム(TMA(tetramethylammonium))シリ
ケート(シリカ10%)水溶液100gと攪拌しながら混合し
た。自由水約6重量%と水和結合約水4.5重量%を含
み、最終粒子寸法が約0.02μmの沈降水和シリカである
ハイシル(HiSil)25gを添加した。得られた混合物をポ
リプロピレンの瓶に詰め、水蒸気箱中に95℃で一晩置い
た。Al2O31モルに対する混合物の組成は以下のとおりで
あった。: Na2O 2.7モル SiO2 392 モル (CTMA)2O 35.7モル (TMA)2O 61.7モル H2O 6231 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。この生成物を540℃、窒素中で1時間、次い
で空気中で6時間焼成した。
焼成生成物は、表面積が475m2/gであり、平衡吸着容
量(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 8.3 シクロヘキサン 22.9 n−ヘキサン 18.2 ベンゼン 21.5 この実施例の生成物は、X線回折パターンにより、3
7.8±2.0Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、21.6
±1.0および19.2±1.0Åに弱いラインを含むことにより
特徴付けることができる。
透過電子顕微鏡(TEM)により、均一な孔が六角形配
列されており、約39Åのd100値を有する六方晶の電子回
折パターンの像が形成される。
実施例2 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMA)溶液100gと水酸化テトラメチルアン
モニウム(TMA)25%水溶液100gとを攪拌しながら混合
した。自由水約6重量%と水和結合水4.5重量%を含
み、最終粒子寸法が約0.02μmの沈降水和シリカである
ハイシル25gを添加した。得られた混合物を静置型オー
トクレーブ中で150℃に一晩放置した。混合物の組成はA
l2O31モルに対して以下のとおりであった。: Na2O 2.7モル SiO2 291 モル (CTMA)2O 35.7モル (TMA)2O 102 モル H2O 6120 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。この生成物を540℃、窒素中で1時間、次い
で空気中で6時間焼成した。
焼成生成物は、表面積が993m2/gであり、平衡吸着容
量(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 7.1 シクロヘキサン 47.2 n−ヘキサン 36.2 ベンゼン 49.5 この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、39.3
±2.0Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、22.2±
1.0および19.4±1.0Åに弱いラインを含むことにより特
徴付けることができる。TEMにより、生成物が本発明の
超大寸法孔物質を含むことが示された。
次に上記生成物の一部を788℃(1450゜F)にて100%
水蒸気に2時間接触させた。水蒸気処理した物質の表面
積は440m2/gであると測定され、苛酷な水蒸気処理後も
約45%が残存していることが示された。
本実施例の焼成生成物の他の一部を677℃(1250゜F)
にて100%水蒸気に2時間接触させた。この物質の表面
積は718m2/gであると測定され、そのような条件の水蒸
気処理後も72%が残存していることが示された。
実施例3 水、実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチ
ルアンモニウム溶液、硫酸アルミニウム、ハイシルおよ
び臭化テトラプロピルアンモニウム(TPA(tetrapropyl
ammonium))35%水溶液を混合して、Al2O31モルに対し
て以下の組成を有する混合物を調製した。
Na2O 0.65モル SiO2 65 モル (CTMA)2O 8.8 モル (TPA)2O 1.22モル H2O 1336 モル 得られた混合物をポリプロピレンの瓶に詰め、95℃の
水蒸気箱に192時間入れた。次に試料を室温まで冷却
し、これ(3重量部)に実施例1と同様に調製した水酸
化セチルトリメチルアンモニウム溶液1重量部と水酸化
テトラメチルアンモニウム25重量%溶液2部を混合し
た。次に混合物をポリプロピレンの瓶に入れ、水蒸気箱
中、95℃で一晩保持した。Al2O31モルに対する混合物の
組成は以下のとおりであった。: Na2O 0.65モル SiO2 65 モル (CTMA)2O 15 モル (TPA)2O 1.22モル (TMA)2O 35.6 モル H2O 2927 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。次に、生成物を540℃にて、窒素中で1時
間、次いで空気中で6時間焼成した。
焼成生成物は、表面積が1085m2/gであり、平衡吸着能
(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 11.5 シクロヘキサン >50 n−ヘキサン 39.8 ベンゼン 62 この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、38.2
±2.0Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、22.2±
1.0および19.4±1.0Åに弱いラインを含むことにより特
徴付けることができる。TEMにより、生成物が超大寸法
孔物質を含むことが示された。
実施例4 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMA)溶液200gを、キャタパル・アルミナ
((Catapal alumina)、α−アルミナ一水和物、74%
アルミナ)2gおよびテトラメチルアンモニウム(TMA)
シリケート(10%シリカ)水溶液100gに攪拌しながら混
合した。自由水約6重量%と水和結合水4.5重量%を含
み、最終粒子寸法が約0.02μmの沈降水和シリカである
ハイシル25gを添加した。得られた混合物を150℃の静置
型オートクレーブ中に48時間入れた。混合物の組成はAl
2O31モルに対して以下のとおりであった。: Na2O 0.23モル SiO2 33.2 モル (CTMA)2O 6.1 モル (TMA)2O 5.2 モル H2O 780 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。次いで生成物を540℃、窒素中で1時間、次
いで空気中で6時間焼成した。
焼成生成物は、表面積が1043m2/gであり、平衡吸着容
量(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 6.3 シクロヘキサン >50 n−ヘキサン 49.1 ベンゼン 66.7 焼成生成物のX線回折パターンは、40.8±2.0Åのd
間隔に非常に強い相対強度ライン、23.1±1.0および20.
1±1.0Åに弱いラインを含むことにより特徴付けること
ができる。TEMにより、生成物が超大孔物質を含むこと
が示された。
実施例5 水260gに、リン酸(85%)77g、キャタパル・アルミ
ナ(74%アルミナ)46gおよびピロリジン(Pyr)24gを
撹拌しながら混合した。この第1の混合物を撹拌型オー
トクレーブに入れ、150℃で6日間加熱した。これを濾
過し、洗浄して風乾した。この生成物50gを、水200gお
よび実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチル
アンモニウム溶液200gと共にスラリー化した。次いで、
テトラエチルアンモニウムシリケート(10%シリカ)水
溶液400gを加えて第2の混合物を形成し、これをポリプ
ロピレンの瓶に入れ、水蒸気箱中で95℃に一晩保持し
た。第1の混合物の組成は、Al2O31モルに対して以下の
とおりであった。: P2O5 1.0 モル (Pyr)2O 0.51モル H2O 47.2モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。次いで生成物を540℃にて、窒素中で1時
間、次に空気中で6時間焼成した。
焼成生成物は、表面積が707m2/gであり、平衡吸着容
量(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 33.2 シクロヘキサン 19.7 n−ヘキサン 20.1 ベンゼン 23.3 この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、25.4
±1.5Åのd間隔に非常に強い相対強度ラインを含むこ
とにより特徴付けることができる。TEMにより、本発明
の生成物が超大孔物質を含むことが示された。
実施例6 NaAlO2(Al2O343.5%、Na2O30%)1.35gを水45.1gに
溶解した溶液を、NaOH17.3、コロイド状シリカ(40%、
ルドックス(Ludox)HS−40)125.3gおよび水酸化テト
ラエチルアンモニウム(TEA)40%水溶液42.6gと混合し
た。一晩撹拌した後、混合物を水蒸気箱(95℃)内で7
日間加熱した。続いて濾過し、この溶液151gを実施例1
と同様に調製した水酸化セチルトリメチルアンモニウム
溶液31gと混合し、95℃の水蒸気箱中に13日間貯蔵し
た。混合物は以下の相対モル組成を有していた。: Al2O3 0.25モル Na2O 10 モル SiO2 36 モル (CTMA)2O 0.95モル (TEA)2O 2.5 モル H2O 445 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、水およびエ
タノールで洗浄した。次に、生成物を540℃にて、窒素
中で1時間、次に空気中で6時間焼成した。
焼成生成物の組成は、Naを0.14重量%、SiO2を68.5重
量%、Al2O3を5.1重量%含んでおり、ベンゼンの平衡吸
着容量が58.6g/100gであることが判った。
焼成生成物のX線回折パターンは、31.4±1.5Åのd
間隔に非常に強い相対強度ラインを含むことにより特徴
付けることができる。TEMにより、生成物が本発明の超
大寸法孔物質を含むことが示された。
実施例7 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMA)溶液300gとコロイド状シリカ(40
%、ルドックスHS−40)41gの混合物を容量600ccのオー
トクレーブ内で200rpmで撹拌しながら150℃で48時間加
熱した。混合物の組成はSiO21モルに対して以下のとお
りであった。: (CTMA)2O 0.5モル H2O 46.5モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、水洗した
後、540℃にて、窒素中で1時間、次いで空気中で10時
間焼成した。
焼成生成物の組成は、0.01重量%未満のNa、約98.7重
量%のSiO2および約0.01重量%のAl2O3を含み、表面積
が896m2/gであることが判った。焼成生成物は以下のと
おりの平衡吸着容量(g/100g)を有していた。
H2O 8.4 シクロヘキサン 49.8 n−ヘキサン 42.3 ベンゼン 55.7 この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、40.0
±2.0Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、21.2±
1.0Åに弱いラインを含むことにより特徴付けられる。T
EMにより、この実施例の生成物が少なくとも3つの異な
る相を含んでおり、その1つは超大寸法孔物質であるこ
とが示された。
実施例8 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMA)溶液150gと初期のpHが12.64のコロ
イド状シリカ(40%、ルドックスHS−40)21gの混合物
を容量300ccのオートクレーブ内で200rpmで撹拌しなが
ら150℃で48時間加熱した。混合物の組成はSiO21モルに
対して以下のとおりであった。: (CTMA)2O 0.5モル H2O 46.5モル 4 得られた固体生成物を濾過により回収し、水洗した
後、空気中、540℃で10時間焼成した。
焼成生成物の組成は、0.01重量%のNa、約93.2重量%
のSiO2および0.016重量%のAl2O3を含み、表面積が992m
2/gであり、以下のとおりの平衡吸着容量(g/100g)を
有することが判った。
H2O 4.6 シクロヘキサン >50 n−ヘキサン >50 ベンゼン 62.7 この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、43.6
±2.0Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、25.1±
1.5および21.7±1.0Åに弱いラインを含むことにより特
徴付けられる。TEMにより、生成物が本発明の超大孔物
質を含むことが示された。
実施例9 アルミン酸ナトリウム4.15gを、水100gに臭化ミリス
チルトリメチルアンモニウム(C14TMABr)16gを含む溶
液中に徐々に添加した。続いてこの混合物に、テトラメ
チルアンモニウムシリケート(10%シリカ)100g、ハイ
シル25gおよび水酸化テトラメチルアンモニウム(25%
溶液)14.2gを添加した。この混合物をオートクレーブ
中、120℃で24時間撹拌しながら結晶化させた。
生成物を濾過し洗浄して風乾した。1000℃における元
素分析により、生成物はSiO253.3重量%、Al2O33.2重量
%、炭素15.0重量%、窒素1.88重量%、ナトリウム0.11
重量%および灰分53.5重量%を含むことが示された。54
0℃で、窒素中で1時間および空気中で6時間焼成した
後の物質のX線回折パターンは、35.3±2.0Åのd間隔
に非常に強い相対強度ライン、20.4±1.0および17.7±
1.0Åに弱いラインを含む。TEMは超大孔物質を含むこと
を示した。
室温において1N硝酸アンモニウム溶液による交換を行
って洗浄した後、焼成した生成物は、表面積が827m2/g
であり、無水収着剤100g当たりの平衡吸着容量g(g/10
0g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 30.8 シクロヘキサン 33.0 n−ヘキサン 27.9 ベンゼン 40.7 実施例10 アルミニウムナトリウム8.3gを、水酸化ドデシルトリ
メチルアンモニウム(C12TMAOH、50%)溶液184gを含
み、水480gで希釈した溶液中に徐々に添加した。次いで
この混合物に、ウルトラシル(Ultrasil)50g、テトラ
メチルアンモニウムシリケート(10%SiO2)の水溶液20
0gおよび水酸化テトラメチルアンモニウム(25%溶液)
26.38gを添加した。この混合物をオートクレーブ中、10
0℃で24時間撹拌しながら結晶化させた。
生成物を濾過し洗浄して風乾した。540℃で、窒素中
で1時間および空気中で6時間焼成した後、X線回折パ
ターンは、30.4±1.5Åのd間隔に非常に強い相対強度
ライン、17.7±1.0および15.3±1.0Åに弱いラインを含
む。TEMにより、生成物が本発明の超大寸法細孔物質を
含むことが示された。
室温において1N硝酸アンモニウムによる交換を行い、
洗浄後、焼成した生成物は、表面積が1078m2/gであり、
無水収着剤100g当たりの平衡吸着容量g(g/100g)が以
下のとおりであることが判った。
H2O 32.6 シクロヘキサン 38.1 n−ヘキサン 33.3 ベンゼン 42.9 実施例11 NaAlO2(Al2O343.5%、Na2O30%)4.9gを水37.5gに溶
解した水溶液に、水酸化テトラエチルアンモニウム40%
水溶液46.3ccおよびコロイド状シリカ(ルドックスHS−
40)96gを混合した。このゲルを0.5時間激しく攪拌し、
実施例1と同様に調製した等しい容量(150ml)の水酸
化セチルトリメチルアンモニウム溶液と混合して、100
℃で168時間反応させた。混合物の組成はAl2O31モルに
対して以下のとおりであった。: Na2O 1.1 モル SiO2 30.6 モル (TEA)2O 3.0 モル (CTMA)2O 3.25モル H2O 609 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、水洗した
後、540℃にて空気中で16時間焼成した。焼成生成物
は、表面積が1352m2/gであり、以下のとおりの平衡吸着
容量(g/100g)を有することが判った。
H2O 23.6 シクロヘキサン >50 n−ヘキサン 49 ベンゼン 67.5 〈137〉焼成生成物のX線回折パターンは、38.5±2.0Å
のd間隔に非常に強い相対強度ライン、20.3±1.0Åに
弱いラインを含むことにより特徴付けることができる。
TEMにより、生成物が本発明の超大寸法細孔物質を含む
ことが示された。
実施例12 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMA)溶液200gを、アルミン酸ナトリウム
4.15gおよびテトラメチルアンモニウム(TMA)シリケー
ト水溶液(10%シリカ)100gと混合して攪拌した。自由
水約6重量%と水和結合水4.5重量%を含み、最終粒子
寸法が約0.02μmの沈降水和シリカであるハイシル25g
を添加した。得られた混合物を静置型オートクレーブ中
で150℃に24時間置いた。混合物の組成はAl2O31モルに
対して以下のとおりであった。: Na2O 1.25 モル SiO2 27.8 モル (CTMA)2O 5.1 モル (TMA)2O 4.40モル H2O 650 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。次いで生成物を540℃にて、窒素中で1時
間、次いで空気中で6時間焼成した。TEMにより、生成
物が超大細孔物質を含むことが示された。この実施例の
焼成生成物のX線回折パターンは、44.2±2.0Åのd間
隔に非常に強い相対強度ライン、25.2±1.5および22.0
±1.0Åに弱いラインを含むことにより特徴付けられ
る。
焼成生成物は、表面積が932m2/gであり、平衡吸着容
量(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 39.3 シクロヘキサン 46.6 n−ヘキサン 37.5 ベンゼン 50 実施例13 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチル
(CTMA)アンモニウム溶液200gを、アルミン酸ナトリウ
ム4.15gおよびテトラメチルアンモニウム(TMA)シリケ
ート水溶液(10%シリカ)100gと混合して攪拌した。自
由水約6重量%と水和結合水4.5重量%を含み、最終粒
子寸法が約0.02μmの沈降水和シリカであるハイシル25
gを添加した。得られた混合物を100℃の水蒸気箱中に48
時間置いた。混合物の組成はAl2O31モルに対して以下の
とおりであった。: Na2O 1.25モル SiO2 27.8 モル (CTMA)2O 5.1 モル (TMA)2O 4.4 モル H2O 650 モル 得られた固体生成物を濾過により回収し、周囲温度で
風乾した。次いで生成物を540℃にて、窒素中で1時
間、次いで空気中で6時間焼成した。焼成生成物は、以
下の平衡吸着容量(g/100g)を有することが判った。
H2O 35.2 シクロヘキサン >50 n−ヘキサン 40.8 ベンゼン 53.5 焼成生成物のX線回折パターンは、39.1±2.0Åのd
間隔に非常に強い相対強度ライン、22.4±1.0および19.
4±1.0Åに弱いラインを含むことにより特徴付けられ
る。TEMにより、生成物が超大細孔物質を含むことが示
された。
実施例14 塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTMA)29%水溶
液125g、水200g、(水50g中の)アルミン酸ナトリウム3
g、PQコーポレーションから入手可能な非晶質沈降シリ
カであるウルトラシル(Ultrasil)65g、および(水50g
中の)NaOH21gの混合物を、150℃にて168時間、完全に
撹拌して結晶化させた。反応混合物の相対モル組成はSi
O21モルに対して以下のとおりであった。: (CTMA)2O 0.10 モル H2O 21.89 モル NaAlO2 0.036モル NaOH 0.53 モル 得られた固体生成物を濾過により回収して水洗し、室
温で16時間乾燥後、540℃にて、空気中で10時間焼成し
た。焼成生成物は、表面積が840m2/gで、以下の平衡吸
着容量(g/100g)を有することが判った。
H2O 15.2 シクロヘキサン 42.0 n−ヘキサン 26.5 ベンゼン 62 焼成生成物のX線回折パターンは、40.5±2.0Åのd
間隔に非常に強い相対強度ラインを含むことにより特徴
付けられる。TEMにより、生成物が超大寸法細孔物質を
含むことが示された。
実施例15 本実施例の第一のテンプレート混合物を形成するた
め、水240gを、溶媒/R2/fOのモル比が155であるように
した水酸化ドデシルトリメチルアンモニウム50%、イソ
プロパノール36%、水14%の溶液92gに添加した。この
混合物のH2O/R2/fOのモル比は149であり、IPA/R2/f
のモル比は6であった。この第一のテンプレート混合物
に、アルミン酸ナトリウム4.15g、ハイシル25g、テトラ
メチルアンモニウムシリケート水溶液(SiO2が10%)10
0gおよび水酸化テトラメチルアンモニウム25%水溶液1
3.2gを添加した。この混合物のR2/fO/(SiO2+Al2O3
のモル比は0.28であった。
この混合物を25℃で1時間攪拌した。得られた混合物
を100℃のオートクレーブ中に入れ、100rpmで24時間攪
拌した。オートクレーブ内の混合物の相対モル組成は、
SiO21モルに対して以下のとおりであった。: Na2O 0.05 モル Al2O3 0.036モル (C12TMA)2O 0.18 モル (TMA)2O 0.12 モル H2O 36.0 モル IPA 1.0 モル 得られた固体生成物を濾過により回収して水洗し、周
囲温度で風乾した。続いて生成物を540℃にて、窒素中
で1時間、次に空気中で6時間焼成した。
焼成生成物は、表面積が1223m2/gであり、平衡吸着容
量(g/100g)は以下のとおりであることが判った。
H2O 25.5 シクロヘキサン 41.1 n−ヘキサン 35.1 ベンゼン 51 焼成生成物のX線回折パターンは、30.8±1.5Åのd
間隔に非常に強い相対強度ライン、17.9±1.0および15.
5±1.0Åに弱いラインを含むことにより特徴付けること
ができる。TEMにより、生成物が本発明の超大寸法細孔
物質を含むことが示された。
実施例16 (臭化デシルトリメチルアンモニウムの約29重量%溶
液を水酸基−ハロゲン交換樹脂に接触させて調製した)
水酸攪拌デシルトリメチルアンモニウム50.75gとテトラ
エチルオルトシリケート8.75gとを混合した。この混合
物を約1時間攪拌した後、ポリプロピレン製のジャーに
移し、該ジャーを蒸気箱内に24時間置いた。得られた混
合物の組成は、SiO21モルに対して以下のとおりであっ
た。: (C10TMA)2O 0.81モル H2O 47.6 モル 得られた固体生成物を濾過し、温い(60〜70℃の)蒸
留水およびアセトン,による洗浄を数回行った。最終生
成物を538℃にてN2/空気混合気中、そしてその後空気中
で8時間焼成した。焼成生成物は、表面積が915m2/gで
あり、平衡ベンゼン吸着容量が35g/100gであることが判
った。
アルゴン物理吸着データによれば、アルゴン吸収が0.
34cc/gであり、細孔寸法が1.5nm(15Å)であることが
示された。
この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、27.5
±1.5Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、15.8±
1.0および13.7±1.0Åに弱いラインを含むことにより特
徴付けられる。TEMにより、本実施例の生成物が超大寸
法細孔物質を含むことが示された。
実施例17 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMAOH)溶液80gに、NaAlO21.65gを添加し
た。この混合物をNaAlO2が溶解するまで室温で攪拌し
た。この溶液にテトラメチルアンモニウム(TMA)シリ
ケート水溶液(SiO2が10重量%)40g、ハイシル10g、水
200gおよび1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)7
0gを添加した。得られた混合物を室温で数分間攪拌し
た。次いで、このゲルを600ccのオートクレーブに入
れ、150rpmで攪拌しながら105℃で68時間加熱した。混
合物の組成は、Al2O31モルに対して以下のとおりであっ
た。: Na2O 1.25モル SiO2 27.8 モル (CTMA)2O 5.1 モル (TMA)2O 2.24モル H2O 2256 モル 1,3,5−トリメチルベンゼン 80.53モル 得られた生成物を濾過し、温い(60〜70℃の)蒸留水
およびアセトンによる洗浄を数回行った。最終生成物を
538℃にてN2/空気混合気中、そしてその後空気中で10時
間焼成した。焼成生成物が25g/100gを越える平衡ベンゼ
ン吸着容量を有することが判った。
焼成生成物のX線回折パターンを、およそ102Åのd
間隔にブロードで非常に強い相対強度ラインを有するこ
とにより特徴付けることができるが、X線回折パターン
の極低角度領域におけるラインの正確な位置を従来のX
線回折計により決定するのは非常に困難である。更に、
この低い2θ角におけるピークを分解するためには、更
に細いコリメーションスリットが必要であった。この実
施例において使用するスリットは、X線管から始めて、
それぞれ0.1、0.3、0.5、そして0.2mmであった。TEMに
よれば、この実施例の生成物が、電子回折パターンにお
いて観察されるように、d100値の異なる数種類の物質を
含むことが示された。これらの物質は約85Å〜120Åの
d間隔のd100値を有することが判った。
実施例18 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMAOH)溶液80gに、NaAlO21.65gを添加し
た。この混合物をNaAlO2が溶解するまで室温で攪拌し
た。この溶液にテトラメチルアンモニウム(TMA)シリ
ケート水溶液(SiO2が10重量%)40g、ハイシル10g、水
200gおよび1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)1
20gを添加した。得られた混合物を室温で数分間攪拌し
た。次いで、このゲルを600ccのオートクレーブに入
れ、150rpmで攪拌しながら105℃で90時間加熱した。混
合物の組成は、Al2O31モルに対して以下のとおりであっ
た。: Na2O 1.25モル SiO2 27.8 モル (CTMA)2O 5.1 モル (TMA)2O 2.24モル H2O 2256 モル 1,3,5−トリメチルベンゼン 132.7 モル 得られた生成物を濾過し、温い(60〜70℃の)蒸留水
およびアセトンによる洗浄を数回行った。最終生成物を
538℃にN2/空気混合気中、そしてその後空気中で10時間
焼成した。焼成生成物は、表面積が915m2/g、平衡ベン
ゼン吸着容量が25g/100gを越えることが判った。アルゴ
ン物理収着データによれば、アルゴン吸収が0.95cc/gで
あり、細孔寸法の中心が78Å(ドリモア−ヒール(Doll
imore−Heal)法、実施例22(b)参照)であるが、70
Åから105Å以上まで拡がっていることが示された。こ
の実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、通常は透
過した入射X線ビームによる強度が観察されるX線回折
の非常に低い角度の領域に強い散乱強度のみを有するこ
とにより特徴付けられる。しかし、TEMによれば、生成
物が、電子回折パターンにおいて観察されるように、d
100値の異なる数種類の物質を含むことが示された。こ
れらの物質は約85Åのd間隔から110Åのd間隔までのd
100値を有することが判った。
実施例19 実施例1と同様に調製した水酸化セチルトリメチルア
ンモニウム(CTMAOH)溶液80gに、NaAlO21.65gを添加し
た。この混合物をNaAlO2が溶解するまで室温で攪拌し
た。この溶液に、テトラメチルアンモニウム(TMA)シ
リケート水溶液(SiO2が10重量%)40g、ハイシル10gお
よび1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)18gを添
加した。得られた混合物を室温で数分間攪拌した。次い
で、このゲルを300ccのオートクレーブに入れ、150rpm
で攪拌しながら105℃で4時間加熱した。混合物の組成
は、Al2O31モルに対して以下のとおりであった。: Na2O 1.25モル SiO2 27.8 モル (CTMA)2O 5.1 モル (TMA)2O 2.24モル H2O 650 モル 1,3,5−トリメチルベンゼン 19.9 モル 得られた生成物を濾過し、温い(60〜70℃の)蒸留水
およびアセトンによる洗浄を数回行った。最終生成物を
538℃にN2/空気混合気中、そしてその後空気中で8時間
焼成した。
焼成生成物は、表面積が975m2/g、平衡ベンゼン吸着
容量が40g/100gを越えることが判った。アルゴン物理吸
着データによれば、アルゴン吸収が0.97cc/gであり、細
孔寸法が63Å(ドリモ−ヒール法)であり、P/P0=0.65
にピークが生じることが示された。
この実施例の焼成生成物のX線回折パターンは、63±
5Åのd間隔に非常に強い相対強度ライン、36.4±2.
0、31.3±1.5および23.8±1.0Åのd間隔に弱いライン
を含むことにより特徴付けられる。TEMにより、本実施
例の生成物が本発明の超大細孔物質を含むことが示され
た。
実施例20 アルゴン物理吸着測定 直径が6nm(60Å)までの孔を有するメソポーラス生
成物の孔直径を測定するために、実施例1から17までの
生成物の試料0.2gをガラス製の試験管に入れ、米国特許
第4,762,010号に記載の物理収着装置に装着した。
試料は、吸着した水分を除去するために、真空中で30
0℃まで3時間加熱した。その後、試験管を液体アルゴ
ンに浸して87゜Kまで冷却した。次いで、米国特許第4,7
62,010号の第20欄に記載のように、供給量を計量した気
体アルゴンを試料に対して段階的に入れる。試料に入れ
たアルゴンの量と試料上の気体空間に残存するアルゴン
の量とから吸着されたアルゴンの量が計算できる。この
計算のために、理想気体法則と検量した試料体積を使用
した(S.J.グレッグ(Gregg)等、「アドソープショ
ン、サーフェス・エリア・アンド・ポーロシティ(Ados
orption,Surface Area and Porosity)、第2版、アカ
デミック・プレス(Academic Press)、1982年)」も参
照。いずれの例においても、平衡において、吸着量に対
する試料上の相対圧力のグラフが吸着等温線を構成す
る。等温線を測定する温度における吸着物質の蒸気圧P0
と平衡圧力との比をとることによって得られる相対圧力
を使用することが通常行われている。十分少量ずつのア
ルゴンを各ステップで入れて、0〜0.6の相対圧力範囲
の範囲で168個のデータ点を設ける。充分詳細な等温線
を作成するためには、少なくとも100個の点が必要であ
る。
等温線のステップ(屈曲)が細孔構造(system)の充
填を示す。P/P0の項のステップの位置が吸着の起こって
いる細孔の寸法を反映しているのに対して、ステップの
大きさは吸着量を示す。大きな細孔は、より高いP/P0
領域で充填される。等温線におけるステップの位置をよ
り適切に位置決めするために、log(P/P0)についての
関数を導出する。
(log(P/P0)の項で表される)吸着ピークと物理的
な細孔直径(Å)に関係付けるのは、式: [式中、dはナノメートル単位の細孔寸法、K=32.1
7、S=0.2446、L=d+0.19、そしてD=0.57であ
る。] により行うことができる。
この式は、ホーヴァス(Horvath)およびカワゾエ(K
awazoe)の方法(G.ホーヴァス等、ジャーナル・オブ・
ケミカル・エンジニアリング・オブ・ジャパン(J.Che
m.Eng.Japan)、第16巻(6)、1983年第470ページ)よ
り導くことができる。この式を実行するために必要な定
数は、ALPO−5の測定等温線とその既知の孔寸法から決
定した。この方法は、直径が約6nm(60Å)までの孔を
有する微孔性物質に特に有用である。
実施例1〜17の試料についてのこの方法の結果を、次
の表にした。実施例10、13および15の試料には二つの別
のピークがあり、生成物中に二つの別々の超大孔相が存
在するためであると考えられる。
実施例 孔直径(Å) 1 32.2 2 35.4 3 42.5 4 39.6 5 16.9 6 27.3 7 36.6 8 42.6 9 28.3 10 22.8、30.8 11 36.8 12 36.1 13 35.0、42.1 14 40.0 15 22.4、30.4 16 15.0 物理収着線から孔寸法を測定するための上記のホーヴ
ァスとカワゾエの方法は、2nm(20Å)までの直径の孔
構造に適用することが目論まれているが、詳細に上述し
たように注意して行えば、6nm(60Å)までの直径の孔
にまで使用範囲を拡張することができる。
直径が6nm(60Å)以上の孔構造においては、ケルビ
ン式を適用することができる。これは通常、 ln(P/P0)=−2Vγcosθ/rkRT [式中、γは吸着質の表面張力であり、Vは吸着質のモ
ル体積、θは接触角(通常は実用上の理由により0とす
る)、Rは気体定数、Tは絶対温度、rkは毛管凝縮
(孔)の半径、P/P0は相対圧力(物理吸着等温式から)
である。] ケルビン式は、孔構造における吸着を毛管凝縮現象と
して取り扱い、吸着が起こる圧力を、表面張力と吸着質
(ここではアルゴン)の接触角とにより孔直径に関係付
ける。ケルビン式が基本とする原理は、直径が5から10
0nm(5〜1000Å)の範囲の孔において有効である。こ
の範囲以下では孔に真の毛管凝集が起こらないので、式
がもはや物理的現実性を表さず、また、この範囲以上で
は式の対数の性質により孔寸法を決定するために十分な
正確さを得ることが妨げられる。
孔寸法を測定するためにしばしば選ばれるケルビン式
の特別の適用は、ドリモアおよびヒール(D.Dollimere
and G.R.Heal)の「ジャーナル・オブ・アプライド・ケ
ミストリー(J.Applied Cehm.)、14巻、108頁(1964
年)」によって報告されている。この方法はケルビン式
を適切に適用できない孔壁部の吸着質の表面層の効果を
修正し、従って孔直径のより正確な測定を可能とする。
ドリモアとヒールの方法は脱着等温線に適用するために
導出されたものであるが、単にデータを逆に入れること
により吸着等温線にも良好に適用することができる。
物質の微細構造を透過電子顕微鏡(TEM)によって解
明するため、試料は電子線が透過するために充分な薄
さ、一般には50〜100nm(500〜1000Å)程度の薄さでな
ければならない。この物質の結晶組織は、通常、ウルト
ラミクロトーム法(超検鏡用薄片切断法)によって研究
用の調製を行う必要がある。時間がかかるが、この試料
調製方法は常套手段である。物質を樹脂(ここでは市販
の低粘度アクリル樹脂L.R.ホワイト(White)・ハード
を使用)中に埋め込み、80℃で1.5時間硬化させる。ブ
ロックの薄い部分はダイアモンドナイフを使用してウル
トラミクロトーム上で切離し、そして厚さが50〜100nm
(500〜1000Å)の部分をファインメッシュ(fine mes
h)電子顕微鏡支持グリッド上に集める。ここでは、45
℃ダイアモンドナイフエッジを備えたLKBモデルミクロ
トームを使用し、そして支持グリッドには400メッシュ
の銅グリッドを使用した。電子顕微鏡内での帯電を防止
するために、試料上の薄い炭素層を蒸発させた(エバポ
レーター内で試料に隣接した白い紙シートが淡灰色とな
る)後、試料を電子顕微鏡の試験に供することができる
ようになる。
高分解能透過電子顕微鏡写真は、試料を観察している
方向に沿った構造の投影像を示す。従って、物質のミク
ロ構造の特定の細部を見るために、試料に特定の向きを
とらせる必要がある。結晶性物質において、この向き
は、電子顕微鏡写真と同時に得られる電子回折パターン
(EDP)を観察することによって最も容易に選択するこ
とができる。このような電子回折パターンは、例えば電
子顕微鏡の熟練技術者に慣用の制限視野限界開口法(th
e selected area field limiting aperture techniqu
e)を使用する最新の透過電子顕微鏡装置で作成するこ
とができる。所望の回折点配列の電子回折パターンを観
察した場合に、その電子回折パターンに対応する結晶像
が、電子回折パターンによって示される投影方向に沿っ
たミクロ構造の詳細を表す。このようにして、透過電子
顕微鏡を使用して結晶構造について異なる投影像を観察
することができる。
本発明の結晶性物質の顕著な特徴を観察するために
は、対応する電子回折パターンが単一の結晶からの回折
点の六方晶配列を与える向きで物質を見ることが必要で
ある。制限視野限界開口内に複数の結晶が存在するなら
ば、解釈するのが全く困難な回折パターンのオーバーラ
ップを生じる。観察された回折点の数は、とりわけ物質
中の結晶配列の規則性に依存する。良好な像を得るため
には、少なくとも輝点の内側のリングが観察されるべき
である。この向きが得られるまで、個々の結晶を透過電
子顕微鏡の試料傾斜装置によって操作する。多くの場
合、試料が多くのランダムな向きの結晶を含むことを利
用することは容易であり、および、結晶が望ましい電子
回折パターン、従って向きを与える位置をとるようにな
るまで、試料を簡単に検査することは容易である。
実施例の物質のミクロトームした試料は、2Åの有効
対物開口を適切に備えており、200000ボルトで操作する
JEOL200CX透過電子顕微鏡で、上記の方法により試験し
た。この装置は4.5Åの二点間識別力を有する。対物レ
ンズを、現在セットしてある最小コントラストレンズよ
りアンダーフォーカス((ウィーク・リーン)weak lea
ns)側に注意深く保持するならば、高分解能(位相コン
トラスト)透過電子顕微鏡において慣用される他の実験
装置を同様の像を形成するために使用することができ
る。
実施例21〜25 以下の実施例により、超大寸法孔触媒を使用する組合
された2工程プロセスを説明する。
2種の粗ワックスを、無定形触媒を用いて温和な水素
化分解に付した。このワックスは、重質ニュートラル
(450SUS、100℃)粗ワックスおよび高沸点ペトロラタ
ム粗ワックスであった。ワックスの特性を以下の表5に
示す(溶剤脱ロウ油の特性も示している)。水素化分解
は、表6に示す特性を有するNiW/フッ素化アルミナ触媒
を使用して、1hr-1LHSV、13890kPa、絶対圧(200psig)
および890n.1.1-1(5000SCF/Bbl)H2循環において行っ
た。触媒の硫化およびフッ素化は、現場において、ペト
ロラタムワックスを導入する前に、o−フルオロトルエ
ンを600ppmのフッ素レベルで使用して、1週間、725゜F
(385℃)で行った。水素化分解は、o−フルオロトル
エンを使用し、25ppmのFのフッ素レベルを維持して行
った。
反応の過酷度は、反応温度を382〜410℃(720〜770゜
F)で変化させて調整した結果、40〜75重量%のワック
ス転化率が得られた。
ワックス転化率は、式: (ワックス転化率)=100×((供給原料中のワック
ス)−(溶剤脱ロウにより得られたワックス))/(供
給原料中のワックス) により定義する。
水素化分解から得られる全液体生成物(TUP(total l
iquid products))の特性を次の表7に示す。
実施例22 NiW/MCM−41触媒調製 NiW/MCM−41触媒を以下のようにして調製した。
MCM−41(40Å)の試料を、以下の混合物(重量部(p
bw))をオートクレーブ内で結晶化させて調製した。: 60(pbw) 塩化N,N,N−トリメチル−1−ヘキサデシ
ルアンモニウムの29重量%溶液を水酸基−ハロゲン交換
樹脂に接触させて調製した水酸化セチルトリメチルアン
モニウム(CTMA) 1(pbw) アルミン酸ナトリウム 30(pbw) テトラメチルアンモニウムシリケート(1
0%水溶液) 8(pbw) 沈降水和シリカ(ハイシル) この混合物を、自生圧下、100℃で24時間、撹拌して
結晶化した。得られた生成物を濾過により回収し、周囲
温度で風乾した。生成物の試料を、540℃で、窒素中で
1時間、続いて空気中で6時間焼成した。生成物の特性
は、MCM−41として同定されるものに一致した。
MCM−41を室温硝酸アンモニウム水溶液により交換
し、続いて121℃(250゜F)で一晩乾燥した。得られた
結晶の一部をAl2O3と混合して、65重量部のMCM−41およ
び35重量部のアルミナの混合物を形成した。この混合物
に水を加えて、得られる触媒を押出物に成形した。この
触媒の活性化を、510℃(950゜F)で、窒素の5v/v/分で
6時間焼成し、続いて窒素を空気の5v/v/分に置換して
行った。焼成は、温度を538℃(1000゜F)に上昇させ、
その温度を5v/v/分の空気中で18時間維持して完了し
た。ニッケルおよびタングステンの組込みを、Ni(N
O3・6H2Oおよび(NH46H2W120・40H2O溶液を使用
して、初期湿式共含浸により行った。121℃(250゜F)
で12時間乾燥した後、押出し物を5v/v/分空気中、538℃
(1000゜F)で3時間焼成した。
NiW/MCM−41/Al2O3触媒の物理的および化学的特性を
以下に示す。: ニッケル(重量%) 5.8 タングステン(重量%) 29.1 ナトリウム(ppm) 200 表面積(m2/g) 242 充填密度(g/cc) 0.749 実施例23 この実施例により、MCM−41および無定形触媒をワッ
クス供給原料の水素化分解において使用することを示
す。この実施例において使用する供給原料は、重質ニュ
ートラル(HN)粗ワックスであり、その特性を表8に示
す。
供給原料の処理をNiW/フッ素化アルミナ触媒を含む固
定床反応器において処理したが、この触媒は、硫化され
た後、触媒上における2〜4重量%のフッ素レベルを目
標として、粗ワックス供給源中でほぼ1週間、フッ素を
o−フルオロトルエンとして600ppm添加することにより
現場的にフッ素化されたものであった。ラン(run)の
ための操作条件を、200psig水素圧、1LHSVとして、反応
器温度を375〜402℃(705〜755゜F)で変化させて、幅
広い転化範囲をカバーした。続いて、水素化分解工程か
ら得られる全液体生成物を公称343℃+(650゜F+)カ
ットポイントまで蒸留した。続いてワックス性釜残液
(bottom)を溶剤脱ロウして、目標の−18℃(0゜F)
流動点とした。これらのランの結果を下記の表9にまと
めている。
実施例22のNiW/MCM−41触媒を、13890kPa(2000psi
g)水素圧、1335n.l.l-1(7500SCF/Bbl)水素循環およ
び1HLSVで、ワックス水素化分解に使用した。操作温度
を382℃〜397℃(720〜746゜F)に調整して、343℃(65
0゜F−)沸点範囲転化率の範囲を拡大させた。これらの
ランの結果を表10に示す。
NiW/MCM−41触媒の活性は、フッ素化NiW/アルミナ触
媒の活性よりも高い。例えば、30重量%343℃(650゜F
−)転化率において、フッ素化触媒は394℃(742゜F)
の反応器温度を必要とするが、MCM−41触媒は約10゜F低
い温度である389℃(732゜F)を必要とした。約30〜60
重量%343℃(650゜F−)またはそれ以上の転化率の沸
点転化範囲において、この活性の利点は、サイクルの開
始温度がより低い点において有利であり、触媒寿命をよ
り長くする可能性がある。
実施例24 Pt/MCM−41触媒の調製 MCM−41(40Å)の試料を、48部の水酸化CTMA、1部
のアルミン酸ナトリウム、2.4部のテトラメチルアンモ
ニウムシリケート(10%水溶液)および6部の沈降シリ
カ(ハイシル)を使用する以外は、上記の実施例22に従
って調製した(部は重量部である)。焼成生成物は、11
20m2/gの表面積および以下の平衡吸着能(g/100g)を有
していた。: H2O 10.8 シクロヘキサン >50 n−ヘキサン >50 ベンゼン 67 生成物はX線回折パターンによりMCM−41であると同
定され、そのパターンは38.4±2.0Åのd間隔に比較的
強い相対強度ライン、22.6±1.0、20.0±1.0および15.2
±1.0Åに弱いラインを含んでいた。
焼成したMCM−41生成物を硝酸アンモニウムの室温水
溶液により交換し、続いて121℃(250゜F)で一晩乾燥
した。
得られた結晶の一部をAl2O3と混合して、MCM−41が65
重量%、アルミナが35重量%である混合物を形成した。
この混合物に水を添加して、得られた触媒を押出し物に
成形した。触媒を、510℃(950゜F)で、5v/v/分窒素で
6時間焼成した後、窒素気流を5v/v/分空気により置換
して活性化した。温度を538℃(1000゜F)に上昇させ、
その温度を約18時間維持して焼成を完了した。テトラア
ミン白金塩水溶液により交換して、白金を組込んだ。続
いて、押出し物を乾燥し、349℃(660゜F)、空気中で
3時間焼成した。Pt/MCM−41触媒の物理的および化学的
特性を、下記の表11に示す。: 表11 Pt/MCM−41触媒特性 白金(重量%) 0.60 表面積(m2/g) 690 粒子密度(gm/ml) 0.706 実密度(gm/ml) 2.514 孔容積(ml/g) 1.019 実施例25 実施例21に記載した粗ワックス水素化分解プロセスか
ら得られる全液体生成物(TLP)を、水素の存在下、実
施例24のPt/MCM−41触媒を使用して、1.0LHSV、13880kP
a(2000psig)および890n.l.l-1(5000SCFB)H2で処理
した。続いて、ワックス性生成物を公称343℃(650゜F
+)カットポイントまで蒸留した。続いて、蒸留物質の
脱ロウを、常套のMEK/トルエン脱ロウプロセスを用いて
行い、−18℃(0゜F)流動点とした。下記の表12に、
収率および特性データをまとめている。収率は、溶剤脱
ロウ後に残存している潤滑剤物質の量によって求めてお
り、第1水素化分解反応器への供給原料を基準としてい
る。
図1は、ペトロラタム粗ワックスについて、1工程水
素化分解(実施例21)と2工程処理(実施例25)の両方
から得られる生成物についての潤滑剤収率対ワックス転
化率を比較している。低流動点、8mm2/s(100℃、公
称)粘度潤滑剤の収率は、実施例21の1工程方式と比較
すると、実施例25の複合方式が向上している。実施例25
における複合方式から得られる最高収率は42〜45重量%
であり、これは60〜70重量%のワックス転化率において
得られる。このことは、同じワックスを使用する実施例
21の1工程方式における最高32重量%の潤滑剤収率より
有利である。
図2は、重質ニュートラル粗ワックスについて、1工
程水素化分解(実施例21)と2工程処理(実施例25)の
両方から得られる生成物についての潤滑剤収率対ワック
ス転化率を比較している。重質ニュートラル粗ワックス
についての目標粘度は5mm2/s(100℃)である。高ワッ
クス転化率、即ち50重量%を越える転化率において、低
流動点、5mm2/s(100℃)粘度潤滑剤の収率は、実施例2
1の1工程方式と比較すると、実施例25の複合方式の方
が向上しており、実施例25の複合方式においては、71%
ワックス転化率において45重量%の潤滑剤収率が得られ
る。このことは、実施例21の1工程方式で、68重量%の
ワックス転化率において得られる36重量%の潤滑剤収率
より有利である。このプロセスにおいては高ワックス転
化率であることが非常に望ましいが、それは未添加ワッ
クスが典型的な高処理量の産業的MEK脱ロウ装置に更に
負荷をかけるためである。
フロントページの続き (72)発明者 マゾン、ドミニク・ニコラス アメリカ合衆国 08090−1734 ニュー ジャージー、ウェノナー、ノース・モン ロー・アベニュー 10番 (56)参考文献 国際公開91/11390(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 65/12 C10G 45/64 C10G 47/20 EPAT(QUESTEL) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも20重量%のワックス含量を有す
    る鉱油起源の炭素数供給原料から、少なくとも110の粘
    度指数(VI)を有する高粘度指数潤滑剤を製造する方法
    において、 (i)該供給原料を、二機能性潤滑剤水素化分解触媒に
    より、供給原料を潤滑剤沸点範囲外で沸騰する生成物に
    転化する転化率を50重量%以下とするような過酷度で、
    該供給原料中に存在する芳香族成分を水素化分解するこ
    と、 (ii)少なくとも1.3nm(13Å)の直径を有する均一な
    寸法の孔の配列を有し、焼成後、6.7kPa(50torr)およ
    び25℃において物質100gあたりベンゼン15gを越えるベ
    ンゼン吸着容量および約18Åより大きいd間隔に相対強
    度100のピークを少なくとも1つ有するX線回折パター
    ンを示す無機質、非層状、多孔質の結晶相物質を含む多
    孔質担体物質上に水素化成分を含んでなる異性化触媒の
    存在下において、水素化分解工程から得られる流出物中
    に存在するワックス性パラフィンを異性化して、よりワ
    ックス性の低いイソパラフィンとすること を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】石油ワックスが少なくとも50重量%のワッ
    クス含量を有する粗ワックスを含んでなる請求の範囲1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】供給原料が、少なくとも60重量%のワック
    ス含量および5〜20重量%の芳香族化合物含量を有する
    石油ワックスを含んでなる請求の範囲2記載の方法。
  4. 【請求項4】水素化分解工程の触媒が、金属成分とし
    て、周期表上の、少なくとも1種の第VIII族金属および
    少なくとも1種の第VI族金属を含んでなる請求の範囲1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】水素化分解触媒が、焼成後に、6.7kPa(50
    torr)および25℃において物質100gあたりベンゼン約15
    gを越えるベンゼン吸着容量および約1.8nm(18Å)より
    大きいd間隔に相対強度が少なくとも100のピークを少
    なくとも1つ有するX線回折パターンを示す無機質、非
    層状、多孔質の結晶相物質上に水素化成分を有してなる
    請求の範囲4記載の方法。
  6. 【請求項6】水素化分解触媒の結晶相物質が、焼成後
    に、少なくとも1.3nm(13Å)の直径の均一な寸法の細
    孔の六角形配列を有しており、1.8nm(18Å)を越えるd
    100値で示すことができる六方晶の電子回折パターンを
    示す請求の範囲5記載の方法。
  7. 【請求項7】結晶相が、焼成後に、少なくとも一つのピ
    ークのd間隔が電子回折パターンからのd100値に対応す
    るX線回折パターンを有する請求の範囲6記載の方法。
  8. 【請求項8】水素化分解を少なくとも5620kPaの水素分
    圧で行う請求の範囲1記載の方法。
  9. 【請求項9】異性化触媒の結晶相物質が、焼成後に、少
    なくとも1.3nm(13Å)の直径の均一な寸法の細孔の六
    角形配列を有しており、1.8nm(18Å)を越えるd100
    で示すことができる六方晶の電子回折パターンを示す請
    求の範囲1記載の方法。
  10. 【請求項10】異性化触媒の結晶相が、焼成後に、少な
    くとも一つのピークのd間隔が電子回折パターンからの
    d100値に対応するX線回折パターンを有する請求の範囲
    1記載の9記載の方法。
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