JP3166407B2 - ノイズ低減装置 - Google Patents

ノイズ低減装置

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JP3166407B2 JP12469893A JP12469893A JP3166407B2 JP 3166407 B2 JP3166407 B2 JP 3166407B2 JP 12469893 A JP12469893 A JP 12469893A JP 12469893 A JP12469893 A JP 12469893A JP 3166407 B2 JP3166407 B2 JP 3166407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号の量子
化時に発生する量子化誤差(ノイズ)を低減するための
オーディオ信号のノイズ低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ディジタル形態のオーディオ信号
を取り扱うディジタルオーディオ機器には、例えばいわ
ゆるコンパクトディスク(CD)の再生機や、いわゆる
ディジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等が存
在している。これらのディジタルオーディオ装置におい
て、種々の統一規格が規定されており、例えば、これら
の機器で取り扱われるディジタルオーディオ信号のビッ
ト長は、上記統一規格により16ビットに規定されてい
る。また、これらのディジタルオーディオ機器における
ディジタルオーディオ信号としては、アナログオーディ
オ信号(音の波形信号)を、リニアパルスコーディング
であるいわゆるPCM等の単純な線形量子化により符号
化して得られたディジタルオーディオ信号を用いてい
る。
【0003】ところで、近年、上述したようなディジタ
ルオーディオ機器においては、上記統一規格から現実に
得られる再生音よりも、聴感上より品質の高い再生音が
得られることが望まれている。このような聴感上より良
い再生音を得るためには、例えば、これらのディジタル
オーディオ機器で扱われるディジタルオーディオ信号に
含まれているノイズ成分を低減しておくことが有効であ
ると考えられる。このように、ノイズ成分が低減された
オーディオ信号から得られる再生音は、ノイズの少ない
聴感上よりよいものとなる。
【0004】このディジタルオーディオ信号のノイズ成
分低減処理としては、例えば、オーディオ信号の量子化
の際に行われるいわゆるエラーフィードバックによる量
子化誤差低減処理が知られている。これは、量子化器に
よりオーディオ信号を量子化する際に発生する量子化誤
差(量子化ノイズ、量子化歪み)を、ノイズフィルタを
介して該量子化器の入力側に帰還するものである。
【0005】このようなエラーフィードバックを用いた
ノイズ低減装置については、本件出願人により、特願平
2−185552号、特願平2−185555号、特願
平2−185556号の各明細書及び図面等において提
案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述したPC
M符号化のような線形量子化での量子化ノイズはオーデ
ィオ信号の全周波数帯域に亘ってフラットな周波数特性
を有するものとなっている。しかしながら、人間の耳
は、音の周波数に応じて異なる聴覚の感度を有してお
り、エラーフィードバックによる量子化誤差低減処理
は、聴感上で必ずしも効果的とはいえない。また、入力
信号のレベルによっては、量子化ノイズが聴感上問題と
なることがある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、聴感上の観点で量子化誤差(量子化ノイ
ズ)の低減が効果的に行えるようなノイズ低減装置を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るノイズ低減
装置は、量子化器で発生した量子化誤差をノイズフィル
タを介して上記量子化器の入力側に帰還するようにした
オーディオ信号のノイズ低減装置において、入力信号の
レベルを検出するレベル検出手段と、ホワイトディザ、
高周波数ディザ、及びオールゼロディザを発生し、上記
レベル検出手段からの出力に応じて、上記ディザのタイ
プ又はディザのレベルが制御されるディザ発生手段と、
上記ディザ発生手段からの出力を上記入力信号に加算す
る加算手段とを有して成ることにより、上述の課題を解
決する。
【0009】ここで、上記レベル検出手段は、上記入力
信号が聴感上気になるレベルのときに上記ディザ発生手
段に出力信号を供給すればよい。また、上記ディザ発生
手段は、入力信号のレベルに応じてディザのレベルを可
変するものとすればよい。
【0010】また、本発明に係るノイズ低減装置は、入
力オーディオ信号を量子化する量子化手段と、上記量子
化手段の出力信号から該量子化手段への入力信号を減算
する減算手段と、上記減算手段からの出力が供給される
フィルタ手段と、上記フィルタ手段からの出力と上記入
力信号とを合成する合成手段と、ランダムな又は疑似ラ
ンダムなディザ信号であって、ホワイトディザ、高周波
数ディザ、及びオールゼロディザを発生するディザ発生
手段と、上記ディザ発生手段の上記ディザのタイプ、周
波数特性及びレベルを制御するディザ制御手段と、フィ
ルタ係数計算手段及び等ラウドネス特性に関連するデー
タを発生し該データが上記フィルタ係数計算手段に供給
されるデータ発生手段を含み、上記フィルタ手段の特性
を制御するフィルタ制御手段とを有して成ることによ
り、上述した課題を解決する。
【0011】ここで、上記ディザ制御手段は、さらに、
上記入力オーディオ信号の信号レベルに基づく上記ディ
ザ信号の周波数特性及びレベルを制御する手段を含ませ
ることが好ましい。また、上記フィルタ制御手段は、さ
らに、上記フィルタ特性の低周波数帯域成分を補正する
ための制御データを発生する手段を含ませることが好ま
しい。さらに上記フィルタ制御手段は、上記入力オーデ
ィオ信号のマスキング効果に従って上記フィルタ特性を
制御する手段を含ませることが好ましい。
【0012】さらに、上記フィルタ制御手段は、周波数
軸上、あるいは時間軸上ののマスキング効果を考慮して
得られた許容ノイズスペクトルが、上記入力オーディオ
信号のスペクトルに従って与えられるようなノイズシェ
ーピングを実現するフィルタ特性を得るための制御信号
を生成することが好ましい。またさらに、上記フィルタ
制御手段は、上記入力信号の信号レベルが小さいときに
は等ラウドネス曲線を考慮に入れ、同信号レベルが大き
くなるに従ってマスキング効果を考慮に入れた許容ノイ
ズスペクトルが、上記入力オーディオ信号の信号レベル
に応じて与えられるようなノイズシェーピングを実現す
るためのフィルタ特性を得る制御信号を生成することが
好ましい。
【0013】
【作用】このノイズ低減装置では、入力信号は先ずディ
ザ信号が加算されて調整され、次に量子化手段で発生さ
れた量子化誤差がフィルタ手段(いわゆるノイズフィル
タ)を介して量子化手段の入力側に帰還される。ノイズ
フィルタのフィルタ係数は、人間の聴覚特性に応じた等
ラウドネス曲線に関連する情報に基づいて設定される。
本発明によれば、等ラウドネス曲線が人間の耳の聴覚特
性に応じたものであることに着目し、量子化誤差を、こ
の等ラウドネス曲線に関連する情報に基づいて係数が設
定されたノイズフィルタを介して、量子化器の入力に帰
還しているため、耳に聞こえ易い周波数帯域の量子化誤
差を低減することができる。従って、聴感上のノイズを
低減して聴感上のダイナミックレンジを改善することが
可能となる。
【0014】
【実施例】本発明に係るノイズ低減装置が適用された第
1の実施例について、図面を参照しながら説明する。図
1において、第1の実施例である量子化誤差(ノイズ)
の低減装置の概略的な構成がブロック図の形態で示され
ている。
【0015】図1に示す量子化誤差(ノイズ)低減装置
の実施例において、量子化器11で発生された量子化誤
差がノイズフィルタ13を介して該量子化器11の入力
側に帰還されている。ノイズフィルタ13のフィルタ係
数は、人間の聴感特性に応じた図2に示すいわゆる等ラ
ウドネス曲線RCに関連する情報に基づいて設定されて
いる。
【0016】ここで、任意のサンプリング周波数でサン
プリングされて得られたディジタルオーディオ信号が図
1の入力端子1に送られている。このディジタルオーデ
ィオ信号は、ディザ発生回路21により発生されたディ
ザ信号と加算され、量子化器11で再量子化され、出力
端子2から出力される。
【0017】この実施例(及び後述する他の実施例も同
様)の量子化誤差低減装置は、2つのサブシステム、す
なわちディザシステム及びノイズシェーピングシステム
から成っている。これらのサブシステムは相補的に作用
し、これらの特性は独立に変化させることができる。
【0018】ディザサブシステムは、レベル検出器2
0、ディザ発生回路21及び加算器10により構成され
ている。ディザ発生回路21により発生されたディザ信
号は、加算器10で入力信号と加算される。ディザサブ
システムの目的は、ランダムあるいは疑似ランダム信号
として定義されるいわゆるディザ信号を発生することで
あり、このディザ信号は、量子化誤差と入力信号の間の
信号相関が低減されるように量子化前の入力信号に加算
されている。相関するエラーは相関しないエラーよりも
よく聞こえ、この信号とエラーとの相関を低減すること
が、聴感上で量子化ノイズを低減する。また、この無相
関により、信号とエラーとの相関が顕著な入力オーディ
オ信号に対するノイズシェーピングサブシステム(後述
する)の効果を増強できる。
【0019】ディザ発生回路21によりディザが発生さ
れる。このディザ信号の周波数特性は、本実施例の特有
の設定に依存し、処理すべき入力信号のクラスの特性に
より決定される。典型的なディザのスペクトルは、理論
的に最適の無相関を形成するいわゆるホワイトディザ
(全周波数で等しい)と、信号スペクトルの可聴外の領
域に集中されたエネルギを有することにより聴感上のノ
イズをより低減したいわゆる高周波数ディザと、入力信
号が既に充分にランダムでさらに無相関化する必要がな
いときに適するオールゼロディザとを含んでいる。
【0020】ディザ化されない1ビット振幅のサイン波
のパワースペクトルが図4に示されており、エラー相関
は共振スペクトルピークとして示される。同じ信号がホ
ワイトディザと共に量子化されたものが図5に示されて
おり、単一のスペクトルピークがあり、量子化エラーが
信号に相関していないことを示している。図6は高周波
数ディザと共に量子化された同じ信号を示しており、デ
ィザパワーは大きいがそれが耳に感じとれない領域に集
中されるためディザがあまり聞こえなくなっている。
【0021】本実施例の特有の設定によって、レベル検
出器20は、ディザ発生回路21により発生されたディ
ザのタイプ、又は該ディザのレベル、あるいは双方を制
御するために用いられる。例えば、オールゼロより成る
入力信号にディザを加算することは不適当であり、従っ
てこの条件がレベル検出器20により検出され、ディザ
発生回路21が適切に制御される。さらに、低レベル入
力信号は高レベル信号に比べてより大きなディザを必要
とすることが多く、従ってディザのレベルは信号レベル
が増大するに応じて徐々に減少する。
【0022】ところで、本実施例の量子化誤差低減装置
において、量子化誤差はノイズシェーピングサブシステ
ムにより低減される。このノイズシェーピングサブシス
テムは、量子化器11の出力から量子化器11への入力
を減算することで当該量子化器11での量子化の際に発
生する量子化誤差を得る加算器12と、後述するフィル
タ係数でフィルタ特性が設定され、加算器12からの出
力に対してフィルタリング処理を施して出力するノイズ
フィルタ13と、ノイズフィルタ13からの出力を量子
化器11の入力に加算する加算器10とから成り、いわ
ゆるエラーフィードバック回路を構成している。このエ
ラーフィードバック回路により量子化誤差低減処理(い
わゆるノイズシェーピング処理)が行われる。
【0023】さらに、本実施例の量子化誤差低減装置
は、人間の聴覚特性に対応する図2に示すような等ラウ
ドネス曲線RCのデータを発生する等ラウドネス曲線発
生回路15と、この等ラウドネス曲線発生回路15から
の出力に基づいてノイズフィルタ13のフィルタ係数を
計算するフィルタ係数計算回路14とを有している。
【0024】ここで、図2の等ラウドネス曲線RCは、
人間の聴覚特性に対応したものである。この曲線RC
は、例えば1kHzの純音の音圧と同じ大きさ(ラウドネ
ス)に聞こえる各周波数毎の音圧の曲線断片を接続する
ことにより得られており、これはラウドネス(音の大き
さ)の等感度曲線とも称されている。図2に示すような
等ラウドネス曲線RCによれば、人間の聴力は4kHz付
近で鋭敏であり、1kHzの音圧よりも8〜10dB低い
音圧でも実質的に1kHzと同じ大きさ(ラウドネス)で
音を聞くことができる。これに対して、例えば10kHz
では、4kHz付近に比べて20dB程度も音が聞こえ難
い。
【0025】等ラウドネス曲線RC(又はその近似曲
線)に関連した情報(許容可能ノイズスペクトルの情
報)が等ラウドネス曲線発生回路15から出力され、フ
ィルタ係数計算回路14に送られる。従って、等ラウド
ネス曲線発生回路15では、この等ラウドネス曲線RC
に関連した情報に基づいてフィルタ係数が計算される。
計算されたフィルタ係数は、さらにノイズフィルタ13
に送られる。このようにして、等ラウドネス曲線RCに
関連した情報に基づいたフィルタ係数を有するノイズフ
ィルタ13を用いるエラーフィードバック回路によりオ
ーディオ信号のノイズシェーピングを施すことにより、
聴感上のダイナミックレンジが改善することができる。
すなわち、等ラウドネス曲線RCを考慮して得られる許
容可能ノイズスペクトル(許容可能ノイズレベル)を用
いたノイズシェーピングを実行することにより、聴感上
より効果的なノイズシェーピングが導かれ、これにより
再生音の聴感上のダイナミックレンジを改善することを
可能としている。
【0026】さらに、本実施例において、ノイズフィル
タ13のフィルタ特性を決定する際に、いわゆるマスキ
ング効果が考慮される。ここでマスキング効果とは、人
間の聴感上の特性により、ある信号が他の信号によって
マスクされて聞こえなくなるような現象である。このマ
スキング効果には、時間軸上の信号に関するマスキング
効果(テンポラルマスキング)と、周波数軸上の信号に
関するマスキング効果(同時刻マスキング)とがある。
もしマスキングを受ける部分にノイズが存在しても、そ
のノイズはマスキング効果により聞こえない。これによ
って、マスキング効果を考慮した量子化誤差低減処理に
よる手法が実行されると、聴感上のダイナミックレンジ
が改善される。マスキング効果を考慮したようなフィル
タ特性を決定するためには、本実施例のフィルタ係数計
算回路14において例えば周波数軸上のマスキング効果
を考慮したフィルタ係数を予め設定しておく。例えば、
多くの中間及び低域成分を含む通常のオーディオ音声に
対処するため、低域でのマスキング効果を考慮した固定
のフィルタ係数が設定される。あるいは入力オーディオ
信号のスペクトルに対応するマスキング効果に対処する
能力を得るため、スペクトルに応じた適応的なフィルタ
係数を発生するような手法が使用される。
【0027】このようにして、フィルタ係数計算回路1
4からのフィルタ係数が等ラウドネス曲線RC及びマス
キング効果を考慮に入れた状態で得られる。従って、ノ
イズフィルタ13のフィルタ特性は、マスキング効果が
考慮された固定的あるいは適応的なフィルタ係数と、さ
らに等ラウドネス曲線に関連したフィルタ係数に基づい
て設定される。
【0028】すなわち、このときのノイズフィルタ13
は、マスキング効果及び等ラウドネス曲線から得られる
図3に示されるような曲線MRにより指示されたフィル
タ特性を有するフィルタとして作用する。図3の曲線M
Rにより指示されるフィルタ特性をノイズフィルタ13
に持たせることにより、ノイズフィルタ13に送られる
量子化誤差スペクトルは曲線MRに応じて変化する。ノ
イズフィルタ13からの出力を入力オーディオ信号に加
算することにより、量子化器11での量子化誤差は(ノ
イズシェーピングに基づいて)低減される。ここで、図
3の曲線MRにおいて、図2の等ラウドネス曲線RCが
考慮されるとき、4kHzより低い周波数帯域でのレスポ
ンスを増大させることが考えられる(すなわち許容ノイ
ズを増加させることもできる)が、4kHzより低い周波
数帯域でのフィルタ特性は後述する第2の実施例のよう
に平坦(フラット)なものとしている。このような機構
が働く理由を次に述べる。
【0029】上記等ラウドネス曲線RCの4kHz以下
は、帯域幅が広くないにもかかわらず変化が急であるた
め、この4kHz以下の等ラウドネス曲線RCに合わせた
ノイズフィルタ13を作成するとフィルタの次元が高く
なってしまうためである。このようにフィルタの次元を
高めると構成が複雑化して大規模化するようになる。し
かし、このとき、該フィルタの規模に見合った効果が得
られないため、以下に記載する第2の実施例では上述し
たように4kHz以下のフィルタ特性をフラットなものと
している。
【0030】すなわち、図7は本発明の第2の実施例を
示し、図1の各部と対応するブロックには同じ指示符号
を付して説明を省略する。この図7において、低周波数
帯域補正制御信号発生回路16がさらに設けられてお
り、この回路で発生された低周波数帯域補正信号がフィ
ルタ係数計算回路14に送られる。従って、上記図3の
曲線MRに示されるように低周波数帯域で平坦(フラッ
ト)なフィルタ特性が実現される。さらに、この低周波
数帯域補正信号はマスキング効果を考慮に入れて形成さ
れたようなものである。一般に、中、高周波数帯域が通
常のオーディオサウンドにおいて多く使用され、オーデ
ィオサウンドの中、高周波数帯域での上述したマスキン
グ効果は有効である。従って、この実施例のノイズフィ
ルタ13において、図3のフィルタ係数の曲線MRの応
答(レスポンス)は、図2の等ラウドネス曲線RCの応
答が低下する程度にまで低下はされない(曲線MRは等
ラウドネス曲線に比べてより緩やかにされている)。す
なわち、これを実現するために、上述したように、マス
キング効果が考慮されたフィルタ係数が設定される。ノ
イズフィルタ13のフィルタ特性が図3に示すように設
定され、実際のオーディオ音声を用いて量子化雑音処理
を行った後の量子化ノイズの周波数特性を図8に示す。
【0031】マスキング効果を利用した第3の実施例に
ついて図9を参照しながら説明する。この図9において
も、図1の各部と対応するブロックには同じ参照番号を
付している。
【0032】図9の量子化ノイズ低減装置は、量子化器
11で発生された量子化誤差をノイズフィルタ11を介
して該量子化器11の入力側に帰還するように構成され
ている。より具体的には、この量子化ノイズ低減装置
は、入力オーディオ信号のレベルを検出するレベル検出
器19と、入力オーディオ信号を臨界帯域(クリティカ
ルバンド)毎に周波数分析する周波数分析回路17と、
人間の聴覚特性に応じた図2に示すようないわゆる等ラ
ウドネス曲線RCに基づいた情報を発生する等ラウドネ
ス曲線発生回路15と、周波数分析回路17からの出力
と等ラウドネス曲線発生回路15からの出力との合成比
をレベル検出器19からの出力に応じて可変し、得られ
た合成情報に基づいて許容ノイズスペクトルを計算する
許容ノイズスペクトル計算回路18とを有している。こ
の量子化ノイズ低減装置では、ノイズフィルタ13のフ
ィルタ特性が、上記許容ノイズスペクトル計算回路18
の出力情報に基づいて設定される。
【0033】すなわち、本実施例の量子化誤差低減装置
において、量子化器11の出力から量子化器11への入
力を減算することで該量子化器11での量子化の際に発
生する量子化誤差を得る加算器12と、この加算器12
の出力をフィルタリング処理して出力するノイズフィル
タ13と、このノイズフィルタ13の出力を上記量子化
器11の入力側に加算する加算器10とにより、いわゆ
るエラーフィードバック回路が構成されている。ここ
で、ノイズフィルタ13のフィルタ特性は次のように決
定されている。実際には、フィルタ係数計算回路14に
よって、許容ノイズスペクトル計算回路18の後述する
許容ノイズスペクトルの情報に基づいたフィルタ係数を
計算し、このフィルタ係数情報をノイズフィルタ13に
送るようにしている。
【0034】従って、上述したエラーフィードバック回
路においては、後述する許容ノイズスペクトルに基づい
た量子化誤差低減処理(いわゆるノイズシェーピング処
理)が実行される。このように処理された信号が出力端
子2から出力される。
【0035】ところで、上述したエラーフィードバック
回路によってオーディオ信号の量子化誤差低減処理(ノ
イズシェーピング処理)を行う際には、入力信号スペク
トルのいわゆるマスキングを考慮した処理を行うこと
で、聴感上のダイナミックレンジを拡大することができ
る。このマスキング効果を考慮した処理を行うことで、
例えば、信号スペクトルのパターンがある程度固定化し
た入力オーディオ信号のスペクトルに応じたノイズシェ
ーピング、すなわち入力オーディオ信号スペクトルの後
述するいわゆるマスキング効果を考慮して得られた許容
ノイズスペクトルを用いたノイズシェーピングを挙げる
ことができる。
【0036】あるいは、入力オーディオ信号のスペクト
ルが変化する場合の、当該スペクトルのマスキングを考
慮して得られたスペクトル変化に適応的な許容ノイズス
ペクトルを用いたノイズシェーピング等がある。ここ
で、マスキング効果とは、人間の聴感上の特性により、
ある信号が他の信号によってマスクされて聞こえなくな
るような現象である。このマスキング効果には、時間軸
上の信号に関するマスキング効果(テンポラルマスキン
グ)と、周波数軸上の信号に関するマスキング効果(同
時刻マスキング)とがある。このマスキング効果によ
り、マスキングされる部分にノイズがあったとしても、
このノイズは聞こえない。例えば、同時刻マスキング効
果については、図10に示すように、ある周波数の信号
Sの周波数レスポンスを0dBとしたとき、上記信号S
により曲線M(約−15dB以下)にマスキング効果が
作用するようになる。
【0037】さらに、人間の聴覚特性を利用していわゆ
る臨界帯域幅(クリティカルバンド)に分割し、この臨
界帯域幅での分割し、この臨界帯域毎に周波数分析を行
っている。このときの上記臨界帯域幅での分割として
は、例えば、入力オーディオ信号を例えば高速フーリエ
変換(FFT)で周波数軸上の成分に変換し、次にこの
FFT係数の振幅項Am(m=0〜1024)を、人間
の聴覚特性を考慮した高域ほど帯域幅が広くなる上記臨
界帯域幅で、例えば25バンドのグループGn(nは各
バンドの番号を示し、n=0〜24)に分割(バンド分
割)することができる。
【0038】さらに、これら各臨界帯域毎の周波数分析
については、例えば、次の(1)式により各帯域毎のそ
れぞれの振幅項Amの総和(振幅項Amのピーク、平均
あるいはエネルギ総和)をとることで得られるいわゆる
バークスペクトル(総和のスペクトル)Bnを決定する
ような分析を行うことができる。 Bn=10 log10Cn(Pn)2 ・・・(1)
【0039】ここでnは0〜24であり、Cnは第nバ
ンド(帯域)内の要素数すなわち振幅項(ポイント
数)、Pnは各帯域のピーク値である。各帯域(バン
ド)のバークスペクトルBnは、例えば図11に示され
る。この図11の例において、図を簡略化するために、
全帯域数を12バンド(B1 〜B12)で表現している。
上記周波数分析回路17においては、上述した臨界帯域
幅での分割と各帯域毎の周波数分析が行われ、その出力
情報を上記許容ノイズ計算回路18に送られる。
【0040】上記等ラウドネス曲線発生回路15から
は、上記等ラウドネス曲線RCの情報が発生され、出力
される。すなわち、等ラウドネス曲線を考慮して得られ
た許容ノイズスペクトルを用いたノイズシェーピングを
行うことで、聴感上より効果的なノイズシェーピングが
行える。従って、再生音の聴感上のダイナミックレンジ
が改善され得る。等ラウドネス曲線RC(あるいはその
近似曲線)の情報が上記等ラウドネス曲線発生回路15
から出力されて、上記許容ノイズスペクトル計算回路1
8に送られる。
【0041】従って、上記許容ノイズスペクトル計算回
路18においては、上記等ラウドネス曲線発生回路15
からの出力情報と上記周波数分析回路17からの出力情
報とに基づいて、許容ノイズスペクトルを計算してい
る。このとき、上記周波数分析回路17でのバークスペ
クトルBnから、次の(2)式を用いて帯域間の影響を
考慮してコンボリューションを実行する(所定の重み付
けの関数を畳み込む)ことで、各帯域毎のコンボリュー
ション処理されたバークスペクトルSnが計算される。
【0042】 Sn=Hn*Bn ・・・(2) ここでHnはコンボリューションの係数である。このコ
ンボリューションにより、図11中の点線で示される部
分の総和がとられる。さらに、このコンボリューション
処理されたバークスペクトルSn及び必要とされるS/
N値であるOn(ん=0〜24)を用い、次の(3)
式、(4)式に応じてコンボリューション処理されたマ
スキング閾値Tnが計算される。
【0043】 On=N−K×n ・・・(3) Tn=Sn−On ・・・(4) 例えば、Nが38とされるとき、Kは1とすることがで
きる。このとき音質の劣化が少ない結果となる。すなわ
ち、図12に示されるように、コンボリューション処理
されたマスキング閾値Tnの各レベルで示すレベル以下
の強度の音がマスキングされる。その後、次の(5)式
を用いて、コンボリューション処理されたマスキング閾
値Tnをデコンボリューション処理することにより、許
容ノイズレベル(許容ノイズスペクトル)TFnが計算
される。実際には、例えば上記係数Hnによるコンボリ
ューションの直流(DC)ゲインDnが減算される。
【0044】 TFn=Tn−Dn ・・・(5)
【0045】上記許容ノイズスペクトル計算回路18に
おいては、上述のようにして得られた上記周波数分析回
路からの出力情報と、先に説明した等ラウドネス曲線発
生回路15からの出力情報とを合成して得られた合成情
報に基づいて上記許容ノイズスペクトルが求められる。
【0046】ここで、上記等ラウドネス曲線RCに基づ
いた許容ノイズスペクトルでの許容ノイズレベルは、入
力オーディオ信号のレベルによってマスキング効果が作
用する許容ノイズレベル以下のレベルとなることがあ
る。すなわち、例えば、入力オーディオ信号のレベルが
高い場合には、この入力オーディオ信号による上記マス
キング効果が作用する許容ノイズレベルによって、上記
等ラウドネス曲線に基づいた許容ノイズスペクトルのレ
ベルも同時にマスクされることがある。
【0047】上記観点から、本実施例では、入力オーデ
ィオ信号のレベルを上記レベル検出器19で検出し、こ
のレベル検出出力に基づいて、上記等ラウドネス曲線発
生回路15からの出力情報と、上記周波数分析回路17
からの出力情報との合成比を変化させるようにしてい
る。ここで、上記等ラウドネス曲線発生回路15と上記
周波数分析回路17からの出力情報の合成は、例えば各
周波数帯域毎に行われる。この場合、上記レベル検出器
19でのレベル検出が各バンド毎に行われる。従って、
各バンド毎のレベル検出出力に基づいて各帯域毎に上記
合成比が変化させ得るようになる。すなわち、上記許容
レベルスペクトル計算回路18におけるノイズスペクト
ルを求めるための合成情報については、例えば、入力オ
ーディオ信号の低域のレベルが高くかつ低域でのマスキ
ング効果が大きい場合には、低域が高レベルで高域が低
レベルを有する許容ノイズスペクトルが得られるような
合成比にて合成情報が準備される。逆に、例えば、高域
のレベルが高くかつ高域でのマスキング効果が大きい場
合には、高域が高くかつ低域が低くなるような許容ノイ
ズレベルが得られるような合成比で合成情報が作られ
る。このように得られた許容ノイズスペクトルの情報
が、上記フィルタ係数計算回路14に送られる。そし
て、このフィルタ係数計算回路14から許容ノイズスペ
クトルに応じたフィルタ係数が出力されて、上記ノイズ
フィルタ13に送られる。
【0048】上述のようなことから、このノイズフィル
タ13のフィルタ特性は、入力オーディオ信号のレベル
に応じて、帯域毎に合成比が可変されて得られた許容ノ
イズスペクトルに基づいたフィルタ係数に応じたものと
なる。ここで、例えば、入力オーディオ信号のレベルが
フラットであった場合に、上記ノイズフィルタ13のフ
ィルタ特性が、図13〜図16の曲線MRのようになっ
ているとする。このとき、上記入力オーディオ信号が、
例えば、図13に示すように低域で僅かにレベルの高い
信号S1 となった場合には、上述したようにして合成比
が変えられることで、上記フィルタ特性は、該曲線MR
の低域が僅かに上げられ高域が僅かに下げられた図13
中曲線MR1 で示すような特性に変えられるようにな
る。
【0049】また、例えば、入力オーディオ信号が図1
4に示すように低域でレベルの大きい信号S2 であった
場合には、当該ノイズフィルタ13のフィルタ特性は、
当該曲線MRの低域が大きく上げられ高域が大きく下げ
られた図14中の曲線MR2で示すような特性に変えら
れる。逆に、入力オーディオ信号が図15に示すように
高域で僅かにレベルの高い信号S3 であった場合には、
上記フィルタ特性は、上記曲線MRの低域が僅かに下げ
られ高域が僅かに上げられた図15中の曲線MR3 で示
すような特性に変化され、また、例えば、図16に示す
ように高域でレベルの大きい信号S4 であった場合に
は、上記曲線MRの低域が大きく下げられ高域が大きく
上げられた図16中の曲線MR4 で示すような特性に変
化される。上述した図13〜図16に示すように、フィ
ルタ特性が変化されることで、より、人間の聴覚特性に
応じたノイズシェーピングが行えるようになる。
【0050】すなわち、上述したことを言い換えると、
本実施例装置においては、入力オーディオ信号のレベル
が小さい時は、上記ノイズフィルタ13のフィルタ特性
を等ラウドネス曲線RCのような特性にしてノイズシェ
ーピングするようにする。また、信号レベルが大きくな
るにつれて、入力オーディオ信号のレベルによって量子
化ノイズを目立たなくするために、該ノイズフィルタ1
3の特性を当該入力オーディオ信号の信号レベルに合わ
せてフラットにするようにする。さらに、信号レベルが
小さい時は、ノイズフィルタ13で等ラウドネス曲線R
Cのような特性を、信号レベルに合わせてフラットに近
づけ、信号特性に合わせたノイズシェーピング特性(マ
スキング特性等)に変えていくようにする。すなわち、
上記ノイズフィルタ13の特性は、信号レベルが小さい
時は等ラウドネス曲線RCのようなフィルタ特性とし、
信号レベルが大きい時はマスキング効果を考慮したフィ
ルタ特性とされている。
【0051】なお、上述の図13〜図16の入力オーデ
ィオ信号のレベルがフラット時のフィルタ特性を示す曲
線MRにおいては、前述した図8の等ラウドネス曲線R
Cを考慮すると4kHz以下のレベルを上げることも考え
られる(すなわち許容できるノイズを増やすようにする
こともできる)が、この等ラウドネス曲線RCの4kHz
以下は帯域幅が広くないにもかかわらず変化が急峻であ
るため、該4kHz以下の等ラウドネス曲線RCに合わせ
たノイズフィルタ13を作成するとフィルタの次元が高
くなってしまう。このようにフィルタの次元を高めると
構成が複雑化し大規模化するようになる。ところが、こ
の時、該フィルタの規模に見合った効果が得られないた
め、本実施例では、上述のように4kHz以下のフィルタ
特性をフラットなものとしている。また、本実施例のノ
イズフィルタ13では、通常、オーディオ音声において
使用頻度の高い中、低域では、上述したように当該オー
ディオ音声の中、低域でのマスキング効果が効くので、
図13〜図16の曲線MRを図4の等ラウドネス曲線R
C程下げないようにしている(曲線MRを等ラウドネス
曲線RCよりも穏やかな曲線としている)。すなわち、
このようにするため、上述したようにマスキング効果を
考慮したフィルタ係数を設定するようにしているのであ
る。
【0052】図17に、本実施例装置を例えばいわゆる
コンパクトディスク(CD)におけるエンコーダ、デコ
ーダのシステムに使用したシステム構成の具体例を示
す。この図17において、入力端子31にはアナログオ
ーディオ信号が供給される。このアナログオーディオ信
号はA/D変換器32で20ビットディジタル信号に変
換された後、本実施例の量子化誤差低減装置が内蔵され
た20ビット対応エンコーダ33に送られる。このエン
コーダ33で量子化誤差低減処理がなされると共に16
ビットのデータにエンコードされたデータは、上記CD
に記録される。このCDに記録されたデータは、既存の
CD再生機の再生回路34及びD/A変換器35でオー
ディオ信号に変換されて出力端子36から出力されて再
生される。すなわち、上記CDに記録されたデータは、
本実施例の量子化誤差低減装置によって量子化誤差が低
減されているものであるため、このCDを再生して得ら
れる音は、聴感上のダイナミックレンジの高いものとな
る。
【0053】また、図18に上記CDと異なり例えば1
0ビットでデータを記録するメディアを介したシステム
構成の具体例を示す。この場合、入力端子に入力供給さ
れたアナログ信号は、A/D変換器42で例えば16ビ
ットのディジタルデータとされた信号が本実施例の量子
化誤差低減装置が内蔵された10ビット対応エンコーダ
43に送られる。このエンコーダ43で量子化誤差低減
処理がなされると共に10ビットのデータにエンコード
されたデータは、上記メディアに記録される。このメデ
ィアに記録されたデータは、既存の再生機の再生回路4
4及びD/A変換器45でアナログ信号に変換されて出
力端子46から出力される。この場合も同様に、得られ
る再生信号の聴感上のダイナミックレンジが高くなる。
【0054】図19には、オーバーサンプリングを行う
D/A変換のシステムで本実施例装置を使用する具体例
を示す。この場合、入力端子51に入力供給されたアナ
ログ信号は、オーバーサンプリングを行うD/A変換器
52で例えば20ビットのディジタルデータとされ、伝
送路を介して本実施例の量子化誤差低減装置53に送ら
れる。該量子化誤差低減装置53で量子化誤差低減処理
がなされ、D/A変換器54を介してアナログ信号に変
換されて出力端子55から出力される。これにより、オ
ーバーサンプリングが行え、D/A変換の分解能を落と
すことができ、その分直線性を上げる方向で上記D/A
変換器54を作成し易くなる。
【0055】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、本発明の特許請求の範囲により定義さ
れ保証された要旨を逸脱しない範囲で種々の付加や変更
が可能であることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るノイズ低減装置によれば、量子化器で発生した
量子化誤差をノイズフィルタを介して上記量子化器の入
力側に帰還するようにしたオーディオ信号のノイズ低減
装置において、入力信号のレベルに応じて発生されたデ
ィザ信号を上記入力信号に加算することにより、量子化
ノイズが聴感上問題となるような入力信号のときに、ノ
イズが聞こえ難くなり、量子化ノイズが聴感上で問題と
ならなくなる。
【0057】また、ノイズフィルタのフィルタ係数を等
ラウドネス曲線やマスキング効果を考慮して設定するこ
とにより、例えば等ラウドネス曲線の情報と入力オーデ
ィオ信号の周波数分析情報との合成比が入力オーディオ
信号のレベルに応じて可変されて得られた情報に基づい
て設定すること等により、聴感上のノイズを低減して聴
感上のダイナミックレンジを改善することができる。
【0058】さらに、本発明に係るノイズ低減装置を、
例えば既存の統一規格のディジタルオーディオ機器に適
用することにより、該統一規格から実際に得られるダイ
ナミックレンジよりも聴感上で拡大されたダイナミック
レンジの再生音を得ることができるようになる。すなわ
ち、統一規格に何ら変更を加えることなく、該統一規格
を維持したままで、従来と同じ再生装置を用いて、再生
オーディオ信号の聴感上のダイナミックレンジを向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としてのオーディオ信号
の量子化誤差低減装置の概略構成を示すブロック回路図
である。
【図2】等ラウドネス曲線を示す特性図である。
【図3】フィルタ特性を示す特性図である。
【図4】ディザを入れない状態の1ビット振幅の正弦波
のパワースペクトルを示す特性図である。
【図5】ホワイトディザを入れた状態の1ビット振幅の
正弦波のパワースペクトルを示す特性図である。
【図6】高周波数ディザを入れた状態の1ビット振幅の
正弦波のパワースペクトルを示す特性図である。
【図7】本発明の第2の実施例の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】実施例装置に実際のオーディオ信号を通過させ
たときのノイズ周波数特性を示す特性図である。
【図9】本発明の第3の実施例の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】マスキング効果を説明するための周波数特性
図である。
【図11】バークスペクトルを示す特性図である。
【図12】マスキング閾値(スレッショールド)を示す
周波数特性図である。
【図13】ノイズフィルタのフィルタ特性の例を示す周
波数特性図である。
【図14】ノイズフィルタのフィルタ特性の例を示す周
波数特性図である。
【図15】ノイズフィルタのフィルタ特性の例を示す周
波数特性図である。
【図16】ノイズフィルタのフィルタ特性の例を示す周
波数特性図である。
【図17】コンパクトディスクのエンコーダ、デコーダ
システムに本実施例装置を適用した具体例を示すブロッ
ク図である。
【図18】本実施例装置を10ビットシステムに適用し
た具体例を示すブロック図である。
【図19】オーバーサンプリングを行うD/A変換器シ
ステムに本実施例装置を適用した具体例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
10、12・・・・・加算器 11・・・・・量子化器 13・・・・・ノイズフィルタ 14・・・・・フィルタ係数計算回路 15・・・・・等ラウドネス曲線発生回路 16・・・・・低周波数帯域補正用信号発生回路 17・・・・・臨界帯域幅スペクトル分析回路 18・・・・・許容ノイズスペクトル計算回路 19、20・・・・・レベル検出器 21・・・・・ディザ発生回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−7426(JP,A) 特開 平4−72906(JP,A) 特開 平4−90615(JP,A) 特開 昭63−314909(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/00 310 H03H 17/02 H04B 14/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子化器で発生した量子化誤差をノイズ
    フィルタを介して上記量子化器の入力側に帰還するよう
    にしたオーディオ信号のノイズ低減装置において、 入力信号のレベルを検出するレベル検出手段と、ホワイトディザ、高周波数ディザ、及びオールゼロディ
    ザを発生し、 上記レベル検出手段からの出力に応じて
    上記ディザのタイプ又はディザのレベルが制御される
    ィザ発生手段と、 上記ディザ発生手段からの出力を上記入力信号に加算す
    る加算手段とを有して成ることを特徴とするノイズ低減
    装置。
  2. 【請求項2】 上記レベル検出手段は、上記入力信号が
    聴感上気になるレベルのときに上記ディザ発生手段に出
    力信号を供給することを特徴とする請求項1記載のノイ
    ズ低減装置。
  3. 【請求項3】 上記ノイズフィルタは、周波数軸上及び
    /又は時間軸上のマスキング効果を考慮して得られた許
    容ノイズスペクトルが、上記入力オーディオ信号のスペ
    クトルに従って与えられるようなノイズシェーピングを
    実現するフィルタ特性を有することを特徴とする請求項
    1記載のノイズ低減装置。
  4. 【請求項4】 入力オーディオ信号を量子化する量子化
    手段と、 上記量子化手段の出力信号から該量子化手段への入力信
    号を減算する減算手段と、 上記減算手段からの出力が供給されるフィルタ手段と、 上記フィルタ手段からの出力と上記入力信号とを合成す
    る合成手段と、 ランダムな又は疑似ランダムなディザ信号であって、ホ
    ワイトディザ、高周波数ディザ、及びオールゼロディザ
    を発生するディザ発生手段と、 上記ディザ発生手段の上記ディザのタイプ、周波数特性
    及びレベルを制御するディザ制御手段と、 フィルタ係数計算手段及び等ラウドネス特性に関連する
    データを発生し該データが上記フィルタ係数計算手段に
    供給されるデータ発生手段を含み、上記フィルタ手段の
    特性を制御するフィルタ制御手段とを有して成ることを
    特徴とするオーディオ信号のノイズ低減装置。
  5. 【請求項5】 上記ディザ制御手段は、さらに、上記入
    力オーディオ信号の信号レベルに基づく上記ディザ信号
    の周波数特性及びレベルを制御する手段を含むことを特
    徴とする請求項4記載のノイズ低減装置。
  6. 【請求項6】 上記フィルタ制御手段は、さらに、上記
    フィルタ特性の低周波数帯域成分を補正するための制御
    データを発生する手段を含むことを特徴とする請求項5
    記載のノイズ低減装置。
  7. 【請求項7】 上記フィルタ制御手段は、さらに、上記
    入力オーディオ信号のマスキング効果に従って上記フィ
    ルタ特性を制御する手段を含むことを特徴とする請求項
    5記載のノイズ低減装置。
  8. 【請求項8】 上記フィルタ制御手段は、周波数軸上の
    マスキング効果を考慮して得られた許容ノイズスペクト
    ルが、上記入力オーディオ信号のスペクトルに従って与
    えられるようなノイズシェーピングを実現するフィルタ
    特性を得るための制御信号を生成することを特徴とする
    請求項7記載のノイズ低減装置。
  9. 【請求項9】 上記フィルタ制御手段は、時間軸上のマ
    スキング効果を考慮して得られた許容ノイズスペクトル
    が、上記入力オーディオ信号のスペクトルに従って与え
    られるようなノイズシェーピングを実現するフィルタ特
    性を得るための制御信号を生成することを特徴とする請
    求項7記載のノイズ低減装置。
  10. 【請求項10】 上記フィルタ制御手段は、上記入力信
    号の信号レベルが小さいときには等ラウドネス曲線を考
    慮に入れ、同信号レベルが大きくなるに従ってマスキン
    グ効果を考慮に入れた許容ノイズスペクトルが、上記入
    力オーディオ信号の信号レベルに応じて与えられるよう
    なノイズシェーピングを実現するためのフィルタ特性を
    得る制御信号を生成することを特徴とする請求項7記載
    のノイズ低減装置。
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