JP3164640U - 微細な濁質除去用のろ過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリプトスポリジウム原虫や微細な濁質を除去することができ、ろ過材が目詰まりし難く、逆洗も容易なろ過装置を提供する。【解決手段】上向きに被ろ過水をろ過する第1、2の上向きろ過器(2a、2b)からろ過装置(1)を構成する。これらのろ過材(4a、4b)は、下方から上方に向かって順次粒径が小さくなるように砂利、ろ砂等を積層して、最上層は粒径1〜50μmの粒子の層(18a、18b)にする。この上に、順次粒径が大きくなるようにろ砂、砂利等を積層する。ろ過材(4a、4b)は圧力容器(2a、2b)の天井に達するまで充填する。第1、2の上向きろ過器(2a、2b)は、開閉弁(27a、…)が介装された管路(24a、32a、…)で接続する。逆洗時には、一方の上向きろ過器(2a、2b)でろ過したろ過水によって他方を逆洗浄できる。【選択図】図1

Description

本考案は、比較的濁質が少ない被処理水から微細な濁質を除去するろ過装置に関し、ろ過池、ろ過装置等によってろ過された水、汲み上げられた地下水等の被処理水をろ過して、被処理水に含まれているクリプトスポリジウム原虫を除去するのに好適な、ろ過装置に関するものである。
生活用水、飲用水等に利用される水道水、いわゆる浄水は、河川、湖沼、ダム等から取水された水、あるいは地下から汲み上げられた地下水等の原水を浄化処理して得られる。原水には、微生物やごみがコロイド状に浮遊する濁質が含まれているのでそのままでは飲用には不適である。そこで、原水はろ過池、あるいはろ過装置によって濁質が取り除かれ、消毒殺菌用の塩素あるいは次亜塩素酸が注入され、家庭、工場、学校等に水道水として配水される。ろ過池は、被ろ過水をろ砂の層でろ過する設備であり、緩速ろ過池と急速ろ過池が周知である。緩速ろ過池は、ろ砂の粒径が0.3〜0.45mmであり、ろ砂の層には微生物の層すなわち生物膜が形成されている。緩速ろ過池は生物膜において被ろ過水をろ過するので、ろ過速度を高速にすることはできないが、微細な濁質を除去して美味しい浄水を得ることができる。急速ろ過池は沈殿池の下流に設けられており、沈殿池においてある程度の濁質が沈下した水をろ過するようになっている。急速ろ過池は、ろ砂の粒径が1〜2mm程度であり、ろ砂の層には生物膜はほとんど形成されていない。急速ろ過池では被ろ過水を比較的高速にろ過することができるので、大量の浄水を得るのに適している。
ろ過装置にも色々な種類があり、ろ過材として膜を使用する、いわゆる膜ろ過装置、ろ砂の層を下方から上方に向かってろ過する上向きろ過装置等が周知である。膜ろ過装置は多数の微細な孔が明いている膜が装置内に設けられており、所定の水圧で被ろ過水を装置内に供給してろ過するとき、濁質は微細な孔を通過することができない。従って孔の径を十分に小さくすれば、微細な濁質も除去することができる。上向きろ過装置は例えば特許文献1に記載されている。上向きろ過装置のろ過材も、緩速ろ過池や急速ろ過池と同様に、下方から上方に向かって粒径が小さくなるように積層されているろ砂の層からなるが、上向きろ過装置においては被ろ過水は下方から上方に流してろ過するようになっている。従って被ろ過水は最初に粒径の大きいろ砂の層でろ過され、次いで順次粒径が小さいろ砂の層でろ過されることになる。従って、ろ砂の層全体で被ろ過水をろ過することができる。
特公平04−27882号公報 特開2006−136753号公報 特開2008−132430号公報
上記したような緩速ろ過池、急速ろ過池、膜ろ過装置、上向きろ過装置によっても、被ろ過水をろ過して濁質を除去することができ、浄水を得ることはできる。しかしながら問題点も見受けられる。具体的には、クリプトスポリジウム原虫に関する問題がある。クリプトスポリジウム原虫は3〜8μmの大きさの原虫であり、集団下痢中毒の発生等の原因として近年問題になっている。クリプトスポリジウム原虫は塩素に対する耐性を有しているので、塩素によって死滅させることができない。従って浄水に混入しないように、ろ過池やろ過装置によって完全に除去する必要がある。しかしながら急速ろ過池おいては、ろ砂の粒径が大きいし、ろ砂には生物膜が形成されないのでクリプトスポリジウム原虫を十分に除去することができない。緩速ろ過池は生物膜によって微細な濁質も除去することができるので、被ろ過水がクリプトスポリジウム原虫で汚染されていたとしても、相当な割合でクリプトスポリジウム原虫を除去できる。しかしながら生物膜は厚さが薄いのでろ過速度を大きくしてしまうと、クリプトスポリジウム原虫が流出する可能性が高い。従って確実に安全を確保しようとするとろ過効率が低くなりコストが高くなってしまう。さらには緩速ろ過池も急速ろ過池も、早期に目詰まりしてしまう問題がある。これらの池ではろ過材の最上層が最も粒径が小さなろ砂の層になっていて、下向きにろ過される被ろ過水の濁質は、最上層でのみ濾し採られるからである。つまり最上層が目詰まりしやすい。上向きろ過池の場合は、ろ過材全体を使って濁質を除去するので比較的目詰まりし難くなっているが、ろ砂の粒径は比較的大きいので急速ろ過池と同様にクリプトスポリジウム原虫が流出する危険が大きい。仮にろ砂の粒径を十分に小さくすればクリプトスポリジウム原虫を除去することは出来そうであるが、粒径の小さなろ砂は上向きに流れるろ過水によって浮いてしまうので実質的にろ過することができない。つまり特許文献1に記載の上向きろ過装置によってはクリプトスポリジウム原虫を完全に除去することはできない。これに対して膜ろ過装置は膜に形成されている孔を微小にすれば確実にクリプトスポリジウム原虫を除去することはできる。しかしながら膜は高価であり、早期に劣化してしまうのでコストがかかってしまう。そうすると浄水の単価が高くなってしまうので浄水施設に採用することは難しい。
特許文献2には、ろ過材として微細なろ砂を使用して高圧で被ろ過水を送ってろ過するろ過装置が記載されている。このような微細なろ砂を使用すればクリプトスポリジウム原虫を完全に除去することができる。しかしながら、このろ過装置においても最上層のろ砂の層において早期に目詰まりし易いという問題があり、逆洗によって目詰まりを解消する必要がある。逆洗時には微小な粒径のろ砂が水中に舞い上がってしまうので、大切なろ砂が流出しないようにするには格別な配慮が必要になりコストがかかってしまう。特に微細なろ砂は目詰まりし易いので逆洗を頻繁にしなければならない。従って容易に逆洗できなければ実質的に利用することが難しい。
逆洗を容易に実施することができるろ過装置が、特許文献3に記載されている。特許文献3に記載のろ過装置は、2個のろ過器が組み合わされたろ過装置であり、一方のろ過器でろ過したろ過水によって他方のろ過器を洗浄することができる。従って格別に逆洗用に浄水を貯蔵する必要も無いし、ポンプも必要無い。しかしながら、この装置においても微細なろ砂は採用することができず、クリプトスポリジウムを除去するろ過装置として利用することはできない。つまりろ砂の粒径を小さくすると、最上層で早期に目詰まりしてしまうし、逆洗時にろ砂が浮いて流出してしまうので、実質的に利用することができない。
本考案は、上記したような従来の問題点あるいは課題を解決したろ過装置を提供することを目的としている。具体的には、従来のろ過池やろ過装置でろ過した被ろ過水をろ過するろ過装置として提供するようにし、このろ過装置は小型で安価であるにも拘わらず大量の被ろ過水を効率よくろ過して、微細な濁質やクリプトスポリジウム原虫を確実に除去することができ、ろ過材が目詰まりし難くなっていると共にろ過材が目詰まりしてしまっても短時間かつ容易に目詰まりを解消することができるようにする。本考案はこのようなろ過装置を提供することを目的としている。
本考案は、上記目的を達成するために、第1、2の上向きろ過器が組み合わされているろ過装置として構成する。これらの第1、2の上向きろ過器は、それぞれ第1、2の圧力容器と、砂利、ろ砂および粒子からなるろ過材とから構成し、被ろ過水を下部から供給すると被ろ過水はろ過材を上向きに流れて上部からろ過水が得られ、ろ過水を上部から供給するとろ過材が逆洗されて下部から洗浄水が排水されるようにする。これらのろ過材は、ろ過部とろ砂流出防止部とから構成する。ろ過部は下方から上方に向かって粒径が順次小さくなるように積層して最上層が粒径1〜50μmの粒子の層からなるようにする。ろ砂流出防止部は、このろ過部の上に、下方から上方に向かって粒径が順次大きくなるように積層する。このようなろ過材は、第1、2の圧力容器の天井に達するように充填する。あるいは第1、2の圧力容器内に所定のろ過材押さえ板を設けて、ろ過材が浮かないように押さえる。そして、第1、2の上向きろ過器は次のように組み合わせる。すなわち第1の上向きろ過器には、その下部に、第1の開閉弁が介装された第1の供給管と、第3の開閉弁が介装された第1の排水管とを設け、その上部に第1の浄水管を設ける。第2の上向きろ過器には、その下部に、第2の開閉弁が介装された第2の供給管と、第4の開閉弁が介装された第2の排水管とを設け、その上部に第2の浄水管を設ける。これらの第1、2の浄水管は互いに連通させ、第5の開閉弁が介装された送水管に接続する。被ろ過水は、第1、2の供給管から0.05MPa以上の水圧で供給するように構成する。
すなわち、請求項1に記載の考案は、上記目的を達成するために、第1、2の上向きろ過器が組み合わされているろ過装置であって、前記第1、2の上向きろ過器は、それぞれ第1、2の圧力容器と、該第1、2の圧力容器に入れられている砂利、ろ砂および粒子からなるろ過材とから構成され、被ろ過水を下部から供給すると被ろ過水は前記ろ過材を上向きに流れて上部からろ過水が得られ、ろ過水を上部から供給すると前記ろ過材が逆洗されて下部から洗浄水が排水されるようになっており、前記ろ過材は、下方から上方に向かって粒径が順次小さくなるように積層されて最上層が粒径1〜50μmの粒子の層からなるろ過部と、該ろ過部の上に下方から上方に向かって粒径が順次大きくなるように積層されているろ砂流出防止部とから構成され、そしてろ過材押さえ手段によって前記ろ過材が浮き上がらないように押さえられており、前記第1の上向きろ過器には、その下部に、第1の開閉弁が介装された第1の供給管と、第3の開閉弁が介装された第1の排水管とが設けられ、その上部に第1の浄水管が設けられ、前記第2の上向きろ過器には、その下部に、第2の開閉弁が介装された第2の供給管と、第4の開閉弁が介装された第2の排水管とが設けられ、その上部に第2の浄水管が設けられ、被ろ過水は、前記第1、2の供給管から0.05MPa以上の水圧で供給されるようになっており、前記第1、2の浄水管は互いに連通していると共に第5の開閉弁が介装された送水管が接続されていることを特徴とするろ過装置として構成される。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載のろ過装置の前記第1、2の上向きろ過器において、前記ろ過材は前記第1、2の圧力容器の天井に達するように充填されており、該天井が前記ろ過材押さえ手段として作用するように構成される。
請求項3に記載の考案は、請求項1に記載のろ過装置の前記第1、2の上向きろ過器において、第1、2の圧力容器には、多数の孔が空けられているろ過材押さえ板が前記ろ過材押さえ手段として設けられ、前記ろ過材は前記ろ過材押さえ板によって押さえられるように構成される。
請求項4に記載の考案は、請求項1〜3のいずれかの項に記載のろ過装置において、前記被ろ過水は、急速ろ過池、緩速ろ過池、または他のろ過装置によってろ過されたろ過水、もしくは地下から汲み上げられた地下水であるように構成される。
以上のように本考案によると、ろ過装置は第1、2の上向きろ過器が組み合わされているろ過装置として構成されている。これらの第1、2の上向きろ過器は、それぞれ第1、2の圧力容器と、該第1、2の圧力容器に入れられている砂利、ろ砂および粒子からなるろ過材とから構成され、被ろ過水を下部から供給すると被ろ過水は前記ろ過材を上向きに流れて上部からろ過水が得られるようになっており、これらのろ過材は下方から上方に向かって粒径が順次小さくなるように積層されてるろ過部と、該ろ過部の上に下方から上方に向かって粒径が順次大きくなるように積層されているろ砂流出防止部とから構成されている。従って、第1、2の上向きろ過器によって被ろ過水をろ過するとき、粒径が順次小さくなる方向に被ろ過水が流れ、濁質は粒径に応じてそれぞれの層において濾し採られることになる。つまり、ろ過材全体が効率よく利用され、濁質が所定の層に集中して蓄積しないので長期間目詰まりしにくい。さらには、ろ過材のろ過部の最上層は粒径1〜50μmの粒子の層からなるので、完全にクリプトスポリジウム原虫を除去することができる。すなわち安全な浄水を得ることができる。そして、ろ過材押さえ手段によってろ過材が浮き上がらないように押さえられ、被ろ過水は0.05MPa以上の水圧で供給されるので、ろ過材の浮き上がりが防止され、効率よく大量の被ろ過水をろ過することができ、浄水を得るためのコストを低く抑えることができる。そして、第1、2のろ過器は、ろ過水を上部から供給するとろ過材が逆洗されて下部から洗浄水が排水されるようになっている。クリプトスポリジウム原虫も含めて濁質のほとんどは比重が1よりも大きい。従って下方にろ過水を流して逆洗すると濁質は容易に下方に落下、あるいは押し流されてろ過材を適切に洗浄できることになる。この点から見ても、ろ過時に上向きに被ろ過水を流して濁質を捕捉し、逆洗時に下向きにろ過水を流すのは合理的である。さらに第1の上向きろ過器には、その下部に、第1の開閉弁が介装された第1の供給管と、第3の開閉弁が介装された第1の排水管とが設けられ、その上部に第1の浄水管が設けられ、第2の上向きろ過器には、その下部に、第2の開閉弁が介装された第2の供給管と、第4の開閉弁が介装された第2の排水管とが設けられ、その上部に第2の浄水管が設けられ、第1、2の浄水管は互いに連通していると共に第5の開閉弁が介装された送水管が接続されている。従って、後で詳しく説明するように、第1、2のろ過器を同時に使用して被ろ過水をろ過することもできるし、一方のろ過器でろ過したろ過水によって他方のろ過器を逆洗することもできる。逆洗するために格別に浄水の貯蔵槽やポンプを必要としないという本考案に特有の効果も奏する。
本考案の実施の形態に係るろ過装置を模式的に示す側面断面図である。 本考案の実施の形態に係るろ過装置の作用を模式的に説明する図であり、その(ア)〜(ウ)は色々な運転方法を示す側面断面図である。 本考案の第2の実施の形態に係るろ過器を模式的に示す側面断面図である。
以下、図1によって本考案の実施の形態に係るろ過装置1を説明する。本実施の形態に係るろ過装置1は、被ろ過水を上向きにろ過する2個のろ過器すなわち第1、2の上向きろ過器2a、2bから構成されている。第1、2の上向きろ過器2a、2bは、その大きさや構成が若干相違していても問題ないが、本実施の形態においては大きさと構成が同じになっている。第1、2の上向きろ過器2a、2bは、それぞれ所定の形状の中空の圧力容器すなわち第1、2の圧力容器3a、3bと、容器内に設けられているろ過材4a、4bとから構成されている。第1、2の圧力容器3a、3bは、所定の肉厚の鋼板から円筒状に形成されている胴部5a、5bと、ドーム状を呈し、この胴部5a、5bの上部に液密的に取り付けられているヘッド部6a、6bと、同様にドーム状を呈し、胴部5a、5bの下部に液密的に取り付けられているボトム部7a、7bとから構成されている。このような形状に形成されているので、圧力容器3a、3bは内圧に対して高い耐性を備えている。また圧力容器3a、3bは容易に分解することができるので、ろ過材4a、4bをメンテナンスしたり、部材を交換することができる。このような第1、2の圧力容器3a、3bのボトム部7a、7bには、容器内に被ろ過水を供給したり、逆洗後の洗浄排水を排水する給排口9a、9bが設けられ、ヘッド部6a、6bには、ろ過されたろ過水を外部に送り出したり、外部からろ過水が供給される浄水口11a、11bが設けられている。
本実施の形態に係る第1、2の上向きろ過器2a、2bも、従来のろ過装置と同様に、砂利、ろ砂等からろ過材4a、4bが構成されているが、これらの積層方法に特徴がある。ろ過材4a、4bは、積層された複数の層から構成されているが、その機能面から見ると、被処理水をろ過するようになっている下方のろ過部13a、13bと、このろ過部13a、13bの上に積層されていて、ろ過部13a、13bの粒子が水中に舞い上がらないように押さえているろ砂流出防止部14a、14bとに区分することができる。最初にろ過部13a、13bから説明する。ろ過部13a、13bは、粒径が下層から上層に向かって小さくなるように積層された複数の層から構成されており、最下層が砂利からなるろ過部砂利層16a、16b、中間層がろ砂からなるろ過部ろ砂層17a、17b、最上層が粒径が小さい粒子からなる粒子層18a、18bになっている。より詳細に説明すると、ろ過部砂利層16a、16bは、例えば、最下層が粒径が5mm以上の第1の砂利層、この第1の砂利層の上に、粒径が3〜5mmの第2の砂利の層、その上に粒径が2〜3mmの第3の砂利の層、等のように積層され、ろ過部ろ砂層17a、17bは最下層が粒径が1.0〜1.1mmの第1のろ過砂層、その上に粒径0.55〜0.65mmの第2のろ過砂層、さらにその上に粒径0.20〜0.30mmの第3のろ過砂層、等のように積層されている。これらは下方から上方に向かって粒径が小さくなるように積層されていればよく、各層の粒径については適宜選定することができる。
本実施の形態においては、粒子層18a、18bには、従来ろ過材としては使用されていなかった小さな粒径の粒子の層、具体的には粒径1〜50μmの粒子の層が含まれている。このような粒子の層はろ過部ろ砂層17a、17bの上に直接積層されていてもよいが、例えば、粒径が50〜100μmの粒子からなる第1の粒子層を設け、その上に粒径が1〜50μmの粒子からなる第2の粒子層を積層するようにすると、粒子がろ過部ろ砂層17a、17bやろ過部砂利層16a、16bに落下しない。このような粒子としては、従来周知のけい砂を粉砕して得ることもできるし、ガラスや陶器、磁器等のセラミックスを粉砕して得ることもできる。セラミックス粉の場合には、例えば有限会社竹折砿業所の商品セラミックサンドを利用することもできる。さらには、チタン、不銹鋼等の金属からなる金属粉を適用することもできる。粒径1〜50μmの粒子の層は、10mm程度の厚さに形成されていれば、クリプトスポリジウムを完全に捕捉できるだけでなく、微細な濁質もほとんど濾し取ることができる。
ろ砂流出防止部14a、14bは、ろ過部13a、13bの上に積層された複数層から構成されているが、積層方法がろ過部13a、13bとは異なっている。具体的には、粒径が下層から上層に向かって大きくなるように積層されている。ろ砂流出防止部14a、14bの最下層で、ろ過部13a、13bの粒子層18a、18bの上に積層されている層は、ろ砂からなるろ砂流出防止部ろ砂層20a、20bになっている。そして、ろ砂流出防止部ろ砂層20a、20bの上に砂利からなるろ砂流出防止部砂利層21a、21bが積層されている。ろ砂流出防止部ろ砂層20a、20bも、ろ砂流出防止部砂利層21a、21bも、詳しくは説明しないが、それぞれ粒径の異なる複数の層から構成されている。このようにして、粒子層18a、18bの粒子が流出しないようになっている。
本実施の形態においては、ろ過材4a、4bは圧力容器3a、3b内に、圧力容器3a、3bの天井に達するように充填されている。これによってろ過材4a、4bは、天井から下方に押し付けられることになり、被ろ過水が下方から高圧で供給されても、粒子は浮き上がらず流出しない。すなわち大量の被ろ過水を効率よくろ過することができる。
このような第1、2の上向きろ過器2a、2bは、次のように配管されている。まず、ろ過装置1に被ろ過水を供給するようになっている供給本管23は第1、2の供給管24a、24bに分岐して、第1の供給管24aは第1の上向きろ過器2aの給排口9aに、第2の供給管24bは第2の上向きろ過器2bの給排口9bにそれぞれ接続されている。供給本管23にはポンプ26が介装され、被ろ過水を0.05MPa以上の水圧に加圧して供給できるようになっている。また第1、2の供給本管24a、24bには、それぞれ第1、2の開閉弁27a、27bが介装されている。第1、2の上向きろ過器2a、2bの給排口9a、9bのそれぞれには、洗浄排水を排水するための管すなわち第1、2の排水管28a、28bも接続されており、これらにはそれぞれ第3、4の開閉弁30a、30bが介装されている。本実施の形態においては、第1の供給管24aと第1の排水管28aは給排口9a近傍で、第2の供給管24bと第2の排水管28bは給排口9b近傍で、それぞれ共通の1本の管路にまとめられて給排口9a、9bに接続されているが、これらは分離した2本の管として給排口9a、9bに接続されていてもよい。
第1、2の上向きろ過器2a、2bの浄水口11a、11bのそれぞれには、ろ過されたろ過水を流す第1、2の浄水管32a、32bが接続されている。これら第1、2の浄水管32a、32bは互いに連通しており、逆洗時には一方の上向きろ過器2a、2bから他方の上向きろ過器2b、2aにろ過水を供給できるようになっている。第1、2の浄水管32a、32bは、送水管33に接続され、ろ過水を外部に送水できるようになっている。この送水管33には第5の開閉弁34が介装されている。
図2によって、本実施の形態に係るろ過装置1の作用を説明する。本実施の形態においては、ろ過装置1でろ過する被ろ過水は、急速ろ過池等の他のろ過池にて処理された水、あるいは所定のろ過装置で濾過された水、または地下水等の比較的濁質が少ない水である。本実施のろ過装置1で被ろ過水をろ過するときは次のようにする。第1、2の開閉弁27a、27bおよび第5の開閉弁34を開き、第3、4の開閉弁30a、30bを閉じる。図2の(ア)において、開状態の開閉弁は白色で、閉状態の開閉弁は黒色で示されている。ポンプ26を駆動する。被ろ過水は第1、2の供給管24a、24bから第1、2の上向きろ過器2a、2bに供給される。被ろ過水はろ過材4a、4bを上向きにろ過される。被ろ過水は粒子層18a、18bでろ過されるので、クリプトスポリジウム原虫が混入していても確実に除去される。ろ過水は第1、2の浄水管32a、32bを経由して送水管33から外部に送水される。
ろ過装置1においてろ過時間が所定の時間に達したら、第1、2の上向きろ過器2a、2bのいずれか一方を逆洗してろ過材4a、4bを洗浄する。第2の上向きろ過器2bを洗浄する場合、図2の(イ)に示されているように、第1の開閉弁27a、第4の開閉弁30bを開き、第2、3、5の開閉弁24b、30a、34を閉じる。そうすると被ろ過水は第1の供給管24aから第1の上向きろ過器2aに供給されてろ過され、ろ過水は第1の浄水管32aから第2の浄水管32bに送水される。送水されたろ過水は第2の上向きろ過器2bに供給され、ろ過材4bを下向きに流れる。すなわちろ過材4bを逆洗する。ろ過材4b中に蓄積している濁質はろ過水と一緒に下方に流れて、第2の排水管28bから外部に排出される。濁質のほとんどは比重が1よりも大きいので、容易にろ過材4b中を落下することになる。第1の上向きろ過器2aを洗浄する場合、図2の(ウ)に示されているように、第2の開閉弁27b、第3の開閉弁30aを開き、第1、4、5の開閉弁24a、30b、34を閉じる。そうすると被ろ過水は第2の供給管24bから第2の上向きろ過器2bに供給されてろ過され、ろ過水は第2の浄水管32bから第1の浄水管32aに送水される。送水されたろ過水によって第1の上向きろ過器2aのろ過材4aが逆洗され、洗浄水は第1の排水管28aから外部に排出される。
逆洗が完了したら、第1、2の開閉弁27a、27bと第5の開閉弁34を開き、第3、4の開閉弁30a、30bを閉じる。そうすると再びろ過することができる。開閉弁27a、27b、28a、…は、タイマーを備えた所定のコントローラによって駆動することができる。このようにすると、自動的かつ定期的に逆洗することができ、低コストでろ過装置1を長期間最適な状態に維持することができる。
本実施の形態に係るろ過装置1は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば上向きろ過器2a、2bの代わりに、図3に示されているような第2の実施の形態に係る上向きろ過器2cを使用することもできる。前実施の形態に係る上向きろ過器と同様の部材には、末尾に「c」が付加された同じ参照番号からなる符号を付して詳しくは説明しない。第2の実施の形態に係る上向きろ過器2cにおいては、ろ過材4cは所定のろ過材押さえ手段によって押さえられている。すなわち圧力容器3c内には、多数の孔が空けられているろ過材押さえ板36が設けられ、ろ過材押さえ板36はバネ37、37によって下方に付勢されている。ろ過材4cはこのろ過材押さえ板36によって下方に押さえられている。第2の実施の形態に係る上向きろ過器2cにおいては、供給管24cと排水管28cは圧力容器3cの胴部5cから引き込まれている。そして圧力容器3c内においてこれらの管24c、28cには、小径の孔が多数明けられている。
1 ろ過装置
2a、2b 第1、2の上向きろ過器
3a、3b 第1、2の圧力容器
4a、4b ろ過材
9a、9b 給排口
11a、11b 浄水口
13a、13b ろ過部
14a、14b ろ砂流出防止部
18a、18b 粒子層
24a、24b 第1、2の供給管
26 ポンプ
27a、27b 第1、2の開閉弁
28a、28b 第1、2の排水管
30a、30b 第3、4の開閉弁
32a、32b 第1、2の浄水管
33 送水管
34 第5の開閉弁
36 ろ過材押さえ板
37 バネ

Claims (4)

  1. 第1、2の上向きろ過器が組み合わされているろ過装置であって、
    前記第1、2の上向きろ過器は、それぞれ第1、2の圧力容器と、該第1、2の圧力容器に入れられている砂利、ろ砂および粒子からなるろ過材とから構成され、被ろ過水を下部から供給すると被ろ過水は前記ろ過材を上向きに流れて上部からろ過水が得られ、ろ過水を上部から供給すると前記ろ過材が逆洗されて下部から洗浄水が排水されるようになっており、
    前記ろ過材は、下方から上方に向かって粒径が順次小さくなるように積層されて最上層が粒径1〜50μmの粒子の層からなるろ過部と、該ろ過部の上に下方から上方に向かって粒径が順次大きくなるように積層されているろ砂流出防止部とから構成され、そしてろ過材押さえ手段によって前記ろ過材が浮き上がらないように押さえられており、
    前記第1の上向きろ過器には、その下部に、第1の開閉弁が介装された第1の供給管と、第3の開閉弁が介装された第1の排水管とが設けられ、その上部に第1の浄水管が設けられ、
    前記第2の上向きろ過器には、その下部に、第2の開閉弁が介装された第2の供給管と、第4の開閉弁が介装された第2の排水管とが設けられ、その上部に第2の浄水管が設けられ、
    被ろ過水は、前記第1、2の供給管から0.05MPa以上の水圧で供給されるようになっており、前記第1、2の浄水管は互いに連通していると共に第5の開閉弁が介装された送水管が接続されていることを特徴とするろ過装置。
  2. 請求項1に記載のろ過装置の前記第1、2の上向きろ過器において、前記ろ過材は前記第1、2の圧力容器の天井に達するように充填されており、該天井が前記ろ過材押さえ手段として作用するようになっていることを特徴とするろ過装置。
  3. 請求項1に記載のろ過装置の前記第1、2の上向きろ過器において、第1、2の圧力容器には、多数の孔が空けられているろ過材押さえ板が前記ろ過材押さえ手段として設けられ、前記ろ過材は前記ろ過材押さえ板によって押さえられていることを特徴とするろ過装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載のろ過装置において、前記被ろ過水は、急速ろ過池、緩速ろ過池、または他のろ過装置によってろ過されたろ過水、もしくは地下から汲み上げられた地下水であることを特徴とするろ過装置。
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