JP3163689B2 - 集積化圧力センサ用圧力調整装置 - Google Patents

集積化圧力センサ用圧力調整装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、集積化圧力センサ用
圧力調整装置に係り、詳しくは、ウェハ状態で出力調整
を行うために同ウェハに所定の圧力を加える集積化圧力
センサ用圧力調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭63−128729号公報
に示されているように、集積化圧力センサをウェハ状態
で所定の圧力を加え出力調整(トリミング)することが
行われている。この際、圧力感度特性を測定するため
に、多孔質の焼結金属体を圧力設定用ステージとして使
用している。ところが、ウェハとステージの界面にて圧
力リークが少なからず発生するため、高精度な圧力設定
はできない。
【0003】そこで、図5に示すように、圧力設定ステ
ージ30の上面に溝31を設け、Oリング32を溝31
に挿入し、シリコンウェハ34が接合されたガラス台座
33を上から押さえることにより、負圧空間35の気密
性を確保していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図6に示す
ように、Oリング32をガラス台座33の外周に渡って
均一に押さえて(隙間Lを一定に保持して)Oリング3
2を潰せないために、シリコンウェハ34が傾いてしま
い、プロービングによる測定の際に誤差を生じるという
問題が発生している。
【0005】そこで、この発明の目的は、圧力設定時に
シール性を確保するとともにシリコンウェハの傾斜によ
る出力調整誤差を低減することができる集積化圧力セン
サ用圧力調整装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、台座用圧力
調整通路を有する台座上にシリコンウェハが接合され、
同シリコンウェハにはチップ毎の調整用抵抗体を有する
信号処理回路とチップ毎の薄肉のダイヤフラムとチップ
毎のピエゾ抵抗層とが形成された集積化圧力センサの出
力調整を行うためのものであって、前記台座が載置さ
れ、前記台座用圧力調整通路を通して前記ダイヤフラム
に加える圧力を調整するためのステージ用圧力調整通路
を有する圧力設定ステージと、前記圧力設定ステージ上
において少なくとも前記台座の外周部を囲うように配置
される押さえ部材と、前記圧力設定ステージ上で前記台
座の外周部を囲うように配置され、圧力設定ステージと
前記押さえ部材とで圧縮された状態で保持される第1の
弾性気密部材と、前記シリコンウェハの上面の外周部、
又は、台座とシリコンウェハの少なくともいずれかの外
周面を囲うように配置され、台座又はシリコンウェハと
前記押さえ部材とで圧縮された状態で保持される第2の
弾性気密部材とを備えた集積化圧力センサ用圧力調整装
置をその要旨とするものである。
【0007】
【作用】第1の弾性気密部材により圧力設定ステージ上
での台座の外周部において圧力設定ステージと押さえ部
材との気密が保持される。又、第2の弾性気密部材によ
り押さえ部材と台座又はシリコンウェハとの気密が保持
される。このように、台座と圧力設定ステージとの間に
は弾性気密部材(Oリング)が無いので、シリコンウェ
ハが傾いてしまうことが未然に防止される。
【0008】
【実施例】(第1実施例)以下、この発明を具体化した
一実施例を図面に従って説明する。
【0009】図1には集積化圧力センサ用圧力調整装置
の全体構成を示す。シリコンウェハ1には、チップ毎の
薄肉のダイヤフラム2が形成されるとともに、図2に示
すように、チップ毎のピエゾ抵抗層(ゲージ抵抗)3
と、チップ毎の調整用抵抗体(薄膜抵抗)4を有する信
号処理回路5とが形成されている。つまり、図2に示す
ように、中央部が薄く加工されてダイヤフラム2を構成
するとともに、ダイヤフラム2にピエゾ抵抗層3が不純
物拡散にて形成され、さらに、ダイヤフラム2以外の肉
厚部に調整用抵抗体4を有する信号処理回路5が集積化
して形成されている。そして、信号処理回路5はピエゾ
抵抗層3より生ずる信号に対し増幅等の処理を行う。
【0010】又、図1のガラス台座6は、シリコンウェ
ハ1のダイヤフラム2に対応する多数の台座用圧力調整
通路7が形成され、通路7の一端は上面に開口し、他端
は下面に開口している。そして、図1に示すように、ガ
ラス台座6の上にシリコンウェハ1が陽極接合されてい
る。
【0011】圧力設定ステージ8にはステージ用圧力調
整通路9a,9b,9cが形成され、ステージ用圧力調
整通路9cの一端は下面に開口し他端は通路9aと連通
し、ステージ用圧力調整通路9aは多数の通路9bが分
岐している。ステージ用圧力調整通路9bの他端はガラ
ス台座6の上面に開口しており、各開口部は台座用圧力
調整通路7の一端開口部と対向するようになっている。
ステージ用圧力調整通路9cは真空ポンプ10と接続さ
れるともに圧力計11と接続されている。そして、圧力
設定ステージ8上に、シリコンウェハ1が接合されたガ
ラス台座6が載置されている。
【0012】圧力設定ステージ8の上面において押さえ
部材12がビス13にて圧力設定ステージ8に固定でき
るようになっている。押さえ部材12はガラス台座6及
びシリコンウェハ1の外周部とシリコンウェハ1の上面
外周部を囲う形状となっている。
【0013】この押さえ部材12におけるシリコンウェ
ハ1の上面と対向する部位には環状凹部14が形成さ
れ、その凹部14内にOリング15が配置され押さえ部
材12とシリコンウェハ1とで圧縮された状態となって
いる。又、押さえ部材12における圧力設定ステージ8
と対向する部位には環状凹部16が形成され、その凹部
16内にOリング17が配置され圧力設定ステージ8と
押さえ部材12とで圧縮された状態となっている。
【0014】次に、このように構成した集積化圧力セン
サ用圧力調整装置の作用を説明する。圧力設定ステージ
8から押さえ部材12を取り外した状態で、圧力設定ス
テージ8上に、シリコンウェハ1を接合したガラス台座
6を載置する。そして、シリコンウェハ1の上側から押
さえ部材12を配置し、ビス13により圧力設定ステー
ジ8に固定する。
【0015】このとき、Oリング15により押さえ部材
12とシリコンウェハ1の上面との気密が保持されると
ともに、Oリング17により押さえ部材12と圧力設定
ステージ8の上面との気密が保持される。このように、
Oリングがガラス台座6と圧力設定ステージ8との間に
は配置されていないこととなる。よって、負圧となる空
間(圧力調整通路7,9a,9b,9c)の気密性を確
保するとともに、Oリング15,17を上面から押さえ
部材12により押さえているため、シリコンウェハ1が
傾くことがない。
【0016】そして、この状態で、チップ毎に圧力感度
調整を行う。つまり、プローバ(針)をプロービング用
パッド18(図2に示す)に当てながらレーザビームを
調整用抵抗体4に照射して抵抗値を調整する。この調整
は、真空ポンプ10及び圧力計11を用いてダイヤフラ
ム2に対し大気圧(760mmHg)と負圧(2mmHg)
とを印加して行う。
【0017】このように圧力感度調整を終えたシリコン
ウェハ1及びガラス台座6は、チップ毎にダイシングさ
れ裁断される。図3には、図5の従来の圧力設定ステー
ジを用いた場合と、本実施例の場合における、感度の調
整精度を比較した実験結果を示す。この実験結果より、
従来の圧力設定ステージによる感度調整においては、シ
リコンウェハが傾いていることによりプロービングを一
定に制御できずにプロービングの応力がピエゾ抵抗層
(ゲージ抵抗)に伝わり出力の調整誤差となってしま
う。つまり、各チップの出力を取り出すため、プローバ
(針)をパッド(電極)に当てることが一定に制御でき
ずに、プローピングの応力がピエゾ抵抗層(ゲージ抵
抗)に伝わり、出力の調整誤差となってしまう。又、図
6のOリング32を潰すために、シリコンウェハの外周
に渡って上面から押さえることによりシリコンウェハの
ソリ等の歪が発生し、この外部歪がピエゾ抵抗層(ゲー
ジ抵抗)に伝わり出力の調整誤差となっていた。しか
し、本実施例では、Oリングがガラス台座6と圧力設定
ステージ8との間には配置されていないために、負圧空
間の気密性を確保でき、かつ、Oリング15がシリコン
ウェハ1の上面から押さえ部材12により押さえられシ
リコンウェハ1が傾くことがない。よって、出力の調整
誤差を少なくすることができる。
【0018】このように本実施例では、押さえ部材12
を圧力設定ステージ8上においてガラス台座6及びシリ
コンウェハ1の外周部を囲うように配置し、Oリング1
7(第1の弾性気密部材)を圧力設定ステージ8上にお
いてガラス台座6の外周部を囲うように配置して圧力設
定ステージ8と押さえ部材12とで圧縮された状態で保
持し、さらに、Oリング15(第2の弾性気密部材)を
シリコンウェハ1の上面の外周部を囲うように配置して
シリコンウェハ1と押さえ部材12とで圧縮された状態
で保持した。その結果、圧力設定時にシール性を確保す
るとともにシリコンウェハ1の傾斜による出力調整誤差
を低減することができる。(第2実施例)次に、第2実
施例を第1実施例と異なる点について説明する。
【0019】図4に示すように、Oリング15がガラス
台座6の側面の外周に設置されている。つまり、ガラス
台座6の外周面に面する押さえ部材20には環状凹部1
9が形成され、その凹部19内にOリング15を配置し
てガラス台座20の側面と押さえ部材19の内周面との
間を気密保持している。
【0020】又、この実施例の応用として、Oリング1
5をシリコンウェハ1の側面の外周に設置してもよい。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
圧力設定時にシール性を確保するとともにシリコンウェ
ハの傾斜による出力調整誤差を低減することができる優
れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の集積化圧力センサ用圧力調整装置
の断面図である。
【図2】集積化圧力センサを示す斜視図である。
【図3】センサ出力誤差の測定結果を示す図である。
【図4】第2実施例の集積化圧力センサ用圧力調整装置
の断面図である。
【図5】従来技術を説明するための集積化圧力センサ用
圧力調整装置の断面図である。
【図6】従来技術を説明するための集積化圧力センサ用
圧力調整装置の断面図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェハ 2 ダイヤフラム 3 ピエゾ抵抗層 4 調整用抵抗体 5 信号処理回路 6 ガラス台座 7 台座用圧力調整通路 8 圧力設定ステージ 9a,9b,9c ステージ用圧力調整通路 12 押さえ部材 15 第2の弾性気密部材としてのOリング 17 第1の弾性気密部材としてのOリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台座用圧力調整通路を有する台座上にシ
    リコンウェハが接合され、同シリコンウェハにはチップ
    毎の調整用抵抗体を有する信号処理回路とチップ毎の薄
    肉のダイヤフラムとチップ毎のピエゾ抵抗層とが形成さ
    れた集積化圧力センサの出力調整を行うためのものであ
    って、 前記台座が載置され、前記台座用圧力調整通路を通して
    前記ダイヤフラムに加える圧力を調整するためのステー
    ジ用圧力調整通路を有する圧力設定ステージと、 前記圧力設定ステージ上において少なくとも前記台座の
    外周部を囲うように配置される押さえ部材と、 前記圧力設定ステージ上で前記台座の外周部を囲うよう
    に配置され、圧力設定ステージと前記押さえ部材とで圧
    縮された状態で保持される第1の弾性気密部材と、 前記シリコンウェハの上面の外周部、又は、台座とシリ
    コンウェハの少なくともいずれかの外周面を囲うように
    配置され、台座又はシリコンウェハと前記押さえ部材と
    で圧縮された状態で保持される第2の弾性気密部材とを
    備えたことを特徴とする集積化圧力センサ用圧力調整装
    置。
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US08/364,993 US5528214A (en) 1991-11-20 1994-12-28 Pressure-adjusting device for adjusting output of integrated pressure sensor

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