JP3163295B2 - イソオキサゾリジンジオン化合物の製造方法 - Google Patents

イソオキサゾリジンジオン化合物の製造方法

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JP3163295B2
JP3163295B2 JP08479299A JP8479299A JP3163295B2 JP 3163295 B2 JP3163295 B2 JP 3163295B2 JP 08479299 A JP08479299 A JP 08479299A JP 8479299 A JP8479299 A JP 8479299A JP 3163295 B2 JP3163295 B2 JP 3163295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病治療薬とし
て有用な下記式〔11〕
【0002】
【化31】
【0003】(式中、Rは置換されてもよい芳香族炭化
水素基、置換されてもよい環式脂肪族炭化水素基、置換
されてもよい複素環基又は置換されてもよい縮合複素環
基である)で示される化合物の新規製造方法及び当該化
合物〔11〕を製造するための中間体の製造方法に関す
る。
【0004】
【従来技術】上記糖尿病治療薬として有用な化合物〔1
1〕及び中間体並びにそれらの製造方法については国際
公開番号WO95/18125号明細書で既に開示され
ており、また中間体化合物〔6’〕
【0005】
【化32】
【0006】及びその製造方法についても具体的に開示
されている(ジャーナル オブ メディシナル ケミス
トリー、1992年、35巻、No.14、2625頁
(Journal of Medicinal Chemistry,1992,Vol.35,No.1
4,2625))。
【0007】しかしながら、これらの従来の製造方法に
おいては、多くの工程を経ることにより、最終生成物及
びそれらの中間体の収率という面では、未だ十分に満足
できるものではなかった。また、各々の工程で使用する
溶媒、塩基、触媒等においては、実験室レベルでは使用
可能であるが、工業生産を考えた場合は、使用困難な物
質が多く、実用性に欠けているという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
を解決すべく、各工程を詳細に検討し改善した。具体的
には、最も類似する製造方法であるJournal of Medicin
al Chemistry, 1992, Vol.35,No.14,2625 に記載の方法
(以下、「A法」という)の第1工程〜第4工程につい
て検討した。例えば、A法は以下の第1〜4工程を経て
本願発明の中間体の一つである化合物〔6’〕(Rがフ
ェニル基の場合)を製造している。
【0009】
【化33】
【0010】第1工程 A法では化合物〔1〕をジクロロメタン中、トリエチル
アミンの存在下に化合物〔2’〕と反応させ、化合物
〔3’〕を得ている。ここで、溶媒として使用している
ジクロロメタンは大量に使用する場合、その排水等で大
きな規制を受け、工業生産においては実用的でないとい
う問題があった。本発明者らは、安全かつ安価な水性溶
媒(特に水)を用いることによってもこの反応が十分可
能であることを見出し、この問題を解決した。しかも、
さらに驚くべきことに、この時使用する塩基として炭酸
カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基を用いることに
より収率が92〜97%となることを併せて見出し、そ
の結果、従来法に比べて収率を10%以上あげることが
できた。
【0011】第2工程及び第3工程 A法では化合物〔3’〕を10当量の無水酢酸中、6〜
7当量のトリエチルアミンの存在下、ジメチルアミノピ
リジンを用いて、化合物〔4’〕を得ている。しかし、
化合物〔4’〕を得るためには、更に後処理工程が必要
であり、即ち、溶媒である無水酢酸に水を加えながら酢
酸とし、その後に単離精製するという、後処理が必要で
あった。この処理工程には長時間を必要とし、それによ
り、得られた化合物〔4’〕の一部が分解するという問
題があった。本発明者らは、収率の改善と、この後処理
工程の問題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、
予め次工程で必要な量の無水酢酸(約4当量)を加え、
トルエン溶媒中、0.25当量のN−メチルモルホリン
の存在下、ジメチルアミノピリジンを用いることによっ
て化合物〔4'〕が得られることが判明した。しかも、
得られた化合物〔4'〕は単離精製することなく次工程
でそのまま使用することが可能であり、p−トルエンス
ルホン酸一水和物を用いて化合物〔4’〕を環化するこ
とにより、化合物〔5’〕を高収率(95〜97%)で
得ることができた。その結果、A法に比較して化合物
〔5’〕の収率を約40%上げることができた。またA
法の第3工程で用いているオキシ塩化リン(POC
)は腐食性の高い毒物であり、その使用にはかなり
の制限を受け、工業的使用という面では大きな問題であ
った。本発明者らはp−トルエンスルホン酸一水和物を
用いることにより、安全性と、使い易さを実現し、工業
的に利用可能な製造法を見出した。
【0012】第4工程 A法では化合物〔5’〕をジエチルエーテル中、リチウ
ムアルミニウムハイドライド(LiAlH)と反応さ
せることにより化合物〔6’〕を得ている。ここで使用
しているLiAlH及びジエチルエーテルは共に発火
性が強く、工業的に使用する場合、安全性の面で問題が
あった。本発明者らは、ナトリウムボロハイドライド
(NaBH)及びテトラヒドロフラン並びに還元の促
進剤(活性化剤)としてメタノールを用いることにより
この問題を解決し、これにより工業的に問題なく化合物
〔6’〕を得る方法を確立した。また驚くべきことに、
安全性のみならず、収率においても同方法を用いること
によって85〜95%となり、A法に比べその収率も改
善されることを見出した。
【0013】次に化合物〔6’〕から最終化合物〔1
1’〕を得る方法については本方法と最も類似する方法
として、国際公開番号WO95/18125号記載の製
造方法(以下、「B法」という)を挙げることができ
る。本発明者らはB法について具体的に検討した。
【0014】
【化34】
【0015】(式中、Rは低級アルキル基である)
【0016】第5工程 B法では化合物〔6’〕をジクロロメタン中、ピリジン
の存在下、p−トルエンスルホニルクロライド(TsC
l)と反応させることにより、化合物〔7’〕を得てい
る。ここで、溶媒として使用しているジクロロメタン
は、前述A法の第1工程でも述べたように、大量に使用
する場合、その排水等で大きな規制を受け、工業生産に
おいては実用的でないという問題があった。本発明者ら
はこれを安全なトルエン中で反応させても十分可能であ
ることを見出し、この問題を解決した。さらに収率的に
は、B法で行うと目的化合物〔7’〕の他に化合物〔1
5〕
【0017】
【化35】
【0018】が同時に副成され目的化合物〔7’〕の収
率が落ちることも判明した。この問題を解決するため
に、国際公開番号WO95/18125号明細書中に一
般的例示はあるが、具体的実施例としては開示されてい
ない方法をとることとした。具体的には脱離基としてト
シル基の代わりにメシル基を用いた。すなわち、TsC
lの代わりにメタンスルホニルクロライド(MsCl)
を化合物〔6’〕と反応させることにより、驚くべきこ
とに収率99〜100%で目的化合物〔7”〕
【0019】
【化36】
【0020】を得ることができた。
【0021】第6工程及び第7工程 B法においては、化合物〔7’〕に4−ヒドロキシベン
ズアルデヒド〔12〕を反応させ化合物〔13〕とし、
更に化合物〔13〕をマロン酸誘導体〔14〕と反応さ
せて化合物〔9’〕を得ている。この工程においては、
化合物〔13〕がやや不安定のため化合物〔7’〕から
の〔9’〕の収率は、65%と決して満足できるもので
はなかった。本発明者らはこの収率を上げるため、事前
に化合物〔12〕と化合物〔14〕から化合物〔8〕
【0022】
【化37】
【0023】(式中、Rは前記と同じである)を合成
し、これと化合物〔7”〕を反応させることにより、高
収率(80〜85%)で化合物〔9’〕が得られること
を見出した。
【0024】第8工程及び第9工程 B法においては、化合物〔9’〕を触媒を用い、水素雰
囲気下で還元することにより化合物〔10’〕とし、更
に化合物〔10’〕を無水アルコール中でヒドロキシル
アミンと反応させることにより、最終目的化合物〔1
1’〕を得ている。やはりこの工程においても、最終化
合物の収率(約40%)という面では、未だ満足できる
ものではなかった。本発明者らはこの収率を上げるた
め、化合物〔10’〕を単離せず、テトラヒドロフラ
ン、水及びアルコールの混合溶媒中で、塩基(炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム又はナトリウムメトキシド)の存
在下、ヒドロキシルアミンと反応させることにより、目
的化合物〔11’〕を収率よく(80%)得ることを見
出した。なお、以上は化合物〔6’〕から化合物〔1
1’〕を製造する方法について述べたが、化合物
〔6’〕は例えば下記のごとき化合物〔16〕を製造す
る場合にも有用であることは言うまでもない。
【0025】
【化38】
【0026】(式中、Xは酸素原子又は硫黄原子であ
る)
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の如く、
目的化合物の収率の改善と工業的に製造可能な方法の確
立を目的として、各工程に於ける問題点を詳細に検討し
た結果、各工程で使用する溶媒、塩基、触媒等を上記の
通り選択することにより、目的化合物を収率よく得るこ
とができ、しかも工業的に実用可能な製造方法を見出
し、本発明を完成するに到った。即ち、本発明は下記
(1)〜(7)に示す通りである。
【0028】(1)化合物〔1〕
【化39】
【0029】又はその塩を無機塩基の存在下に水性溶媒
中で、一般式〔2〕
【0030】
【化40】
【0031】(式中、Rは置換されてもよい芳香族炭化
水素基、置換されてもよい環式脂肪族炭化水素基、置換
されてもよい複素環基又は置換されてもよい縮合複素環
基である)で示される化合物と反応させることによっ
て、一般式〔3〕
【0032】
【化41】
【0033】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るアスパラギン酸エステル誘導体となし、これをジメチ
ルアミノピリジンを触媒として、塩基の存在下に無水酢
酸と反応させたのち、加熱することによって脱炭酸し
て、一般式〔4〕
【0034】
【化42】
【0035】(式中、Rは前記と同じである)で示され
る化合物を得、引き続きこの化合物を単離することなく
p−トルエンスルホン酸を加えることにより、一般式
〔5〕
【0036】
【化43】
【0037】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るオキサゾリルアセタート誘導体となし、これをテトラ
ヒドロフラン中で、還元剤としてのNaBHと活性化
剤としてのメタノールの存在下に還元し、一般式〔6〕
【0038】
【化44】
【0039】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るオキサゾリルエタノール誘導体となし、これをトルエ
ン中で、塩基触媒としてのトリエチルアミンの存在下
に、メシルクロライドと反応させることにより、一般式
〔7〕
【0040】
【化45】
【0041】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るメタンスルホナート誘導体となし、これを炭酸カリウ
ム及び触媒としての四級アンモニウム塩若しくはトリス
〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミンの存在
下、一般式〔8〕
【0042】
【化46】
【0043】(式中、Rは低級アルキル基である)で
示される化合物と反応させることにより、一般式
〔9〕
【0044】
【化47】
【0045】(式中、R及びRは前記と同じである)
で示されるベンジリデン誘導体となし、これを水素雰囲
気下で還元することにより、一般式〔10〕
【0046】
【化48】
【0047】(式中、R及びRは前記と同じである)
で示されるマロン酸誘導体となし、更にこれを塩基の存
在下にヒドロキシルアミンと反応させることを特徴とす
る、一般式〔11〕
【0048】
【化49】
【0049】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るイソオキサゾリジンジオン化合物又はその塩の製造方
法。
【0050】(2)化合物〔1〕
【0051】
【化50】
【0052】又はその塩を無機塩基の存在下に水性溶媒
中で、一般式〔2〕
【0053】
【化51】
【0054】(式中、Rは(1)と同じである)で示さ
れる化合物と反応させることによって、一般式〔3〕
【0055】
【化52】
【0056】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るアスパラギン酸エステル誘導体となし、これをジメチ
ルアミノピリジンを触媒として、塩基の存在下に無水酢
酸と反応させたのち、加熱することによって脱炭酸し
て、一般式〔4〕
【0057】
【化53】
【0058】(式中、Rは前記と同じである)で示され
る化合物を得、引き続きこの化合物を単離することなく
p−トルエンスルホン酸を加えることにより、一般式
〔5〕
【0059】
【化54】
【0060】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るオキサゾリルアセタート誘導体となし、更にこれをテ
トラヒドロフラン中で、還元剤としてのNaBHと活
性化剤としてのメタノールの存在下に還元することを特
徴とする、一般式〔6〕
【0061】
【化55】
【0062】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るオキサゾリルエタノール誘導体又はその塩の製造方
法。
【0063】(3)化合物〔1〕
【0064】
【化56】
【0065】又はその塩を無機塩基の存在下に水性溶媒
中で、一般式〔2〕
【0066】
【化57】
【0067】(式中、Rは(1)と同じである)で示さ
れる化合物と反応させることによって、一般式〔3〕
【0068】
【化58】
【0069】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るアスパラギン酸エステル誘導体又はその塩を製造する
方法。
【0070】(4)一般式〔3〕
【0071】
【化59】
【0072】(式中、Rは(1)と同じである)で示さ
れるアスパラギン酸エステル誘導体をジメチルアミノピ
リジンを触媒として、塩基の存在下に無水酢酸と反応さ
せたのち、加熱することにより脱炭酸して、一般式
〔4〕
【0073】
【化60】
【0074】(式中、Rは前記と同じである)で示され
る化合物を得、引き続きこの化合物を単離することなく
p−トルエンスルホン酸を加えることにより、一般式
〔5〕
【0075】
【化61】
【0076】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るオキサゾリルアセタート誘導体又はその塩を製造する
方法。
【0077】(5)一般式〔5〕
【0078】
【化62】
【0079】(式中、Rは(1)と同じである)で示さ
れるオキサゾリルアセタート誘導体を、テトラヒドロフ
ラン中で、還元剤としてのNaBHと活性化剤として
のメタノールの存在下に還元することにより、一般式
〔6〕
【0080】
【化63】
【0081】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るオキサゾリルエタノール誘導体又はその塩を製造する
方法。
【0082】(6)一般式〔6〕
【0083】
【化64】
【0084】(式中、Rは(1)と同じである)で示さ
れるオキサゾリルエタノール誘導体をトルエン中で、塩
基触媒としてのトリエチルアミンの存在下にメシルクロ
ライドと反応させることにより、一般式〔7〕
【0085】
【化65】
【0086】(式中、Rは前記と同じである)で示され
るメタンスルホナート誘導体又はその塩を製造する方
法。
【0087】(7)一般式〔7〕
【0088】
【化66】
【0089】(式中、Rは(1)と同じである)で示さ
れるメタンスルホナート誘導体を、炭酸カリウム及び触
媒としての四級アンモニウム塩若しくはトリス〔2−
(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミンの存在下に、
一般式〔8〕
【0090】
【化67】
【0091】(式中、Rは(1)と同じである)で示
される化合物と反応させることにより、一般式
〔9〕
【0092】
【化68】
【0093】(式中、R及びRは前記と同じである)
で示されるベンジリデン誘導体又はその塩を製造する方
法。次に本明細書で使用する語句について説明する。
【0094】「芳香族炭化水素基」とは、フェニル基、
ビフェニリル基、ナフチル基等を意味するが、ベンジル
基等のアラルキル基であってもよい。好ましくはフェニ
ル基である。
【0095】「環式脂肪族炭化水素基」とは、炭素原子
数3〜7個の環式脂肪族炭化水素基を意味し、具体的に
はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロ
ペニル基、シクロブテニル基、シクロブタジエニル基、
シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロ
ヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプテ
ニル基、シクロヘプタジエニル基等であり、好ましくは
炭素原子数5〜7個の環式脂肪族炭化水素基であり、具
体的にはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニ
ル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、
シクロヘプテニル基、シクロヘプタジエニル基であり、
特に好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基で
ある。
【0096】「複素環基」とは、環を構成する原子とし
て炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選
ばれる1〜3個、好ましくは1又は2個のヘテロ原子を
含む5又は6員の複素環、好ましくは芳香族複素環を意
味し、具体的にはチエニル基、フリル基、ピロリル基、
イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチ
アゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オ
キサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル
基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリ
ダジニル基、トリアジニル基、ジチアゾリル基、ジオキ
ソラニル基、ジチオリル基、ピロリジニル基、ジチアジ
アジニル基、チアジアジニル基、モルホリニル基、オキ
サジニル基、チアジニル基、ピペラジニル基、ピペリジ
ニル基、ピラニル基、チオピラニル基であり、好ましく
はチエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル
基、ピリジル基、ピリミジニル基であり、特に好ましく
はピリジル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基であ
る。
【0097】「縮合複素環基」とは、環を構成する原子
として炭素原子以外に窒素原子、酸素原子、硫黄原子か
ら選ばれる1〜3個、好ましくは1又は2個のヘテロ原
子を含む5又は6員の複素環、好ましくは芳香族複素環
同士が縮合した環、又はこれら複素環、好ましくは芳香
族複素環と、4〜6員の芳香族炭化水素環、好ましくは
ベンゼン環とが縮合した環であり、具体的にはフロイソ
オキサゾリル基、イミダゾチアゾリル基、チエノイソチ
アゾリル基、チエノチアゾリル基、イミダゾピラゾリル
基、シクロペンタピラゾリル基、ピロロピロリル基、シ
クロペンタチエニル基、チエノチエニル基、オキサジア
ゾロピラジニル基、ベンゾフラザニル基、チアジアゾロ
ピリジニル基、トリアゾロチアジニル基、トリアゾロピ
リミジニル基、トリアゾロピリジニル基、ベンゾトリア
ゾリル基、オキサゾロピリミジニル基、オキサゾロピリ
ジニル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾロピリダジニ
ル基、チアゾロピリミジニル基、ベンゾイソチアゾリル
基、ベンゾチアゾリル基、ピラゾロトリアジニル基、ピ
ラゾロチアジニル基、イミダゾピラジニル基、プリニル
基、ピラゾロピリダジニル基、ピラゾロピリミジニル
基、イミダゾピリジニル基、ピラノピラゾリル基、ベン
ゾイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンゾオキサチオ
リル基、ベンゾジオキソリル基、ジチオロピリミジニル
基、ベンゾジチオリル基、インドリジニル基、インドリ
ル基、イソインドリル基、フロピリミジニル基、フロピ
リジニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル
基、チエノピラジニル基、チエノピリミジニル基、チエ
ノジオキシニル基、チエノピリジニル基、ベンゾチエニ
ル基、イソベンゾチエニル基、シクロペンタオキサジニ
ル基、シクロペンタフラニル基、ベンゾチアジアジニル
基、ベンゾトリアジニル基、ピリドオキサジニル基、ベ
ンゾオキサジニル基、ピリミドチアジニル基、ベンゾチ
アジニル基、ピリミドピリダジニル基、ピリミドピリミ
ジニル基、ピリドピリダジニル基、ピリドピリミジニル
基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル
基、ベンゾオキサチイニル基、ベンゾジオキシニル基、
ベンゾジチイニル基、ナフチリジニル基、イソキノリル
基、キノリル基、ベンゾピラニル基、べンゾチオピラニ
ル基、クロマニル基、イソクロマニル基、インドリニル
基等であり、好ましくはベンゾオキサゾリル基、ベンゾ
イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダ
ゾリル基、インダゾリル基、ベンゾオキサチオリル基、
ベンゾジオキソリル基、ベンゾジチオリル基、インドリ
ル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベン
ゾフラニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル
基、ベンゾチアジアジニル基、ベンゾトリアジニル基、
ベンゾオキサジニル基、ベンゾチアジニル基、シンノリ
ニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンゾオ
キサチイニル基、ベンゾジオキシニル基、ベンゾジチイ
ニル基、イソキノリル基、キノリル基、ベンゾピラニル
基、ベンゾチオピラニル基、クロマニル基、イソクロマ
ニル基、インドリニル基であり、特に好ましくはインド
リル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベ
ンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニ
ル基、イソキノリル基、キノリル基である。
【0098】「低級アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖
の炭素原子数1〜6個のアルキル基を意味し、具体的に
はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチ
ル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシ
ル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブ
チル基等であり、好ましくは炭素原子数1〜4個のアル
キル基で、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基であり、特に好ましく
はメチル基である。
【0099】「置換されてもよい」とは、1〜3個の置
換基により置換されてもよいことを意味し、該置換基は
同一又は異なってもよい。具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基等の低
級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の低級アルコ
キシ基;ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水酸基;
アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、イソブチリル基等の低級アルカノ
イル基、又はベンゾイル基、ナフトイル基等のアロイル
基等);ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピ
オニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキ
シ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基(アシル
部は前記と同じ);ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基、フェニルプロピルオキシ基等のアラルキルオキシ
基;メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロ
ピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ter
t−ブチルチオ基等の低級アルキルチオ基;アミノ基;
メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、
イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基等の低級アルキ
ルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチル
アミノ基等のジ低級アルキルアミノ基;カルボキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポ
キシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブト
キシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等
の低級アルコキシカルボニル基;アシルアミノ基(アシ
ル部は前記と同じ);トリフルオロメチル基;ホスホリ
ル基;スルホニル基;スルホニルオキシ基;カルバモイ
ル基;スルファモイル基;メチルホスホンアミド基、エ
チルホスホンアミド基、プロピルホスホンアミド基、イ
ソプロピルホスホンアミド基等の低級アルキルホスホン
アミド基;メチレンジオキシ基;メトキシホスホリル
基、エトキシホスホリル基、プロポキシホスホリル基、
イソプロポキシホスホリル基等の低級アルコキシホスホ
リル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プ
ロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、tert−
ブチルスルホニル基等の低級アルキルスルホニル基;メ
チルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、
プロピルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ
基、tert−ブチルスルホニルアミノ基等の低級アル
キルスルホニルアミノ基等であり、好ましくは水酸基、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ
基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、ニトロ基、ハ
ロゲン原子、トリフルオロメチル基、アミノ基、ジ低級
アルキルアミノ基、低級アルキルアミノ基、アシル基、
シアノ基、カルバモイル基、アシルオキシ基、スルホニ
ル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基であ
り、特に好ましくは水酸基、低級アルキル基、低級アル
コキシ基である。ここで低級とは好ましくは炭素原子数
1〜6個、より好ましくは1〜4個である。
【0100】一般式〔3〕、〔5〕〜〔7〕、
〔9〕又
は〔11〕で示される化合物の塩とは、上記一般式
〔3〕、〔5〕〜〔7〕、
〔9〕又は〔11〕で示され
る化合物と無毒性の塩を形成するものであればいかなる
ものであってもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩
等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等
のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルア
ミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン
塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジル
エチレンジアミン塩等の有機塩基塩;リジン塩、アルギ
ニン塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。
【0101】化合物〔1〕の塩とはいかなるものであっ
てもよく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水
素酸塩等の無機酸付加塩;シュウ酸、マロン酸、クエン
酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢
酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、ベンジルスル
ホン酸等の有機酸付加塩;ナトリウム塩、カリウム塩等
のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等の
アルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルアミ
ン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、
ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチ
レンジアミン塩等の有機塩基塩等が挙げられる。
【0102】次に、化合物〔11〕及び中間体化合物の
製造方法について詳しく述べる。
【0103】
【化69】
【0104】(式中、R及びRは前記と同じである)
【0105】
【一般製法】第1工程 化合物〔1〕又はその塩を水性溶媒中、無機塩基の存在
下、化合物〔2〕と反応させることにより、化合物
〔3〕を得ることができる。反応に用いる水性溶媒とし
ては具体的には水であるが、これにメタノール、エタノ
ール、酢酸等の極性溶媒が反応を妨げない量で混合され
てもよい。無機塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウム等であり、好ましくは
炭酸ナトリウムである。反応温度は−20℃〜50℃、
好ましくは0℃〜30℃である。反応時間は2〜24時
間であり、好ましくは2〜5時間である。
【0106】第2工程 化合物〔3〕を有機溶媒中、塩基の存在下、触媒を用い
て無水酢酸と反応させ、更に加熱することにより化合物
〔4〕を得ることができる。得られた化合物を単離する
ことなく、引き続きこれにp−トルエンスルホン酸等の
酸を加え環化することにより、化合物〔5〕を得ること
ができる。反応に用いる有機溶媒として好ましくは、ト
ルエンを用いることができる。ここで化合物〔4〕を単
離せず、次の反応を行うため、予め次反応に必要な量
の、好ましくは約4当量の無水酢酸を使用する。塩基と
しては、三級アミンを挙げることができるが、好ましく
はN−メチルモルホリン又はピリジンであり、より好ま
しくはN−メチルモルホリンである。塩基は、好適には
0.25〜1.0当量の量で用いることができる。触媒
としては、ジメチルアミノピリジンが好ましい。また、
化合物〔4〕から〔5〕を得る時に必要な酸としてはp
−トルエンスルホン酸一水和物が好ましい。脱炭酸時の
加熱温度は40℃〜70℃、好ましくは55℃〜60℃
である。脱炭酸の反応時間は4〜48時間であり、好ま
しくは4〜24時間である。環化反応の反応温度は70
℃〜100℃、好ましくは85℃〜90℃である。環化
反応の反応時間は2〜24時間であり、好ましくは4〜
6時間である。
【0107】第3工程 化合物〔5〕を溶媒中、還元剤を用いて還元することに
より化合物〔6〕を得ることができる。この時、還元剤
の活性化剤を用いることにより反応をスムーズに進める
ことができる。反応に用いる溶媒としてはテトラヒドロ
フランが好ましい。還元剤としてはナトリウムボロハイ
ドライド(NaBH)が好ましい。また、還元剤の活
性化剤としてはメチルアルコールが好ましい。反応温度
は30℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃であ
る。反応時間は1〜10時間であり、好ましくは1〜2
時間である。
【0108】第4工程 化合物〔6〕を溶媒中、塩基の存在下、メタンスルホニ
ルクロライド(メシルクロライド)と反応させることに
より化合物〔7〕を得ることができる。反応に用いる溶
媒としてはトルエン又はジクロロメタン等の有機溶媒を
挙げることができるが、好ましくはトルエンである。塩
基としては三級アミンを挙げることができ、好ましくは
トリエチルアミン又はN−メチルモルホリンであり、特
に好ましくはトリエチルアミンである。反応温度は0℃
〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。反応時間
は0.5〜24時間であり、好ましくは1〜10時間で
ある。
【0109】第5工程 化合物〔7〕を溶媒中、塩基の存在下、触媒を用いて化
合物〔8〕と反応させることにより化合物
〔9〕を得る
ことができる。反応に用いる溶媒としてはトルエンが好
ましい。塩基として好ましいものは炭酸カリウムであ
る。触媒としてはテトラブチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベン
ジルトリエチルアンモニウムブロマイド等の四級アンモ
ニウム塩、又はトリス〔2−(2−メトキシエトキシ)
エチル〕アミンである。好ましくはテトラブチルアンモ
ニウムブロマイド又はトリス〔2−(2−メトキシエト
キシ)エチル〕アミンである。反応温度は0℃〜150
℃、好ましくは10℃〜120℃である。反応時間は5
〜24時間であり、好ましくは6〜10時間である。
【0110】第6工程 化合物
〔9〕を溶媒中、還元触媒を用い、水素雰囲気下
で還元することにより化合物〔10〕を得ることができ
る。引き続きこれを単離することなく、溶媒中、塩基の
存在下、冷却下から加温下でヒドロキシルアミンと反応
させることにより化合物〔11〕を得ることができる。
反応に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジクロロメタン、酢酸等の有機溶媒または
これらの混合溶媒である。好ましくはテトラヒドロフラ
ンである。還元触媒としては、パラジウム炭素、パラジ
ウム黒等であり、好ましくはパラジウム炭素である。還
元反応の反応時間は4〜24時間であり、好ましくは6
〜10時間である。化合物〔10〕から化合物〔11〕
の反応における溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジクロロメタン、酢酸又は水等また
はこれらの混合溶媒である。好ましくはメタノール、テ
トラヒドロフラン及び水との混合溶媒である。塩基とし
ては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメト
キシド又はナトリウムエトキシドである。好ましくは炭
酸カリウムである。反応温度は0℃〜50℃、好ましく
は20℃〜30℃である。反応時間は4〜24時間であ
り、好ましくは6〜10時間である。
【0111】
【実施例】実施例1 N−ベンゾイル−L−アスパラギン酸−β−メチルエス
テル(化合物〔3〕(R=フェニル基)の製造) L−アスパラギン酸−β−メチルエステル 塩酸塩(化
合物〔1〕;183.6g)を水(800mL)に溶解
した。この溶液を撹拌しつつ、5℃に冷却し、炭酸ナト
リウム(265g)を水(1L)に溶解した溶液を加え
た。この反応液に塩化ベンゾイル(121.9mL)を
5℃にて、1時間20分かけて加えた。10℃〜18℃
で2時間撹拌後、水(1.2L)を反応液に加え反応液
を均一な溶液にした。ここにジクロロメタン(0.5
L)を加え分液し、有機層を除去した。水層に濃塩酸を
加えpH=2とし、酢酸エチル(1.5L)を加え、抽
出した。水層をさらに酢酸エチル(0.5L)で抽出
し、有機層を合わせた。この有機層を水(1L)、飽和
食塩水(1L)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させた。濾過後、ろ液を減圧下約半量まで濃縮し、
析出した結晶をろ取した。ろ液をさらに減圧下、約半量
まで濃縮し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を
乾燥し、表題化合物(化合物〔3〕;229.9g,収
率91.5%)を得た。 m.p. 124〜125℃ 1H-NMR (300MHz, DMSO-d6, TMS) δ 2.80 (1H, dd, J=16.2, 8.1Hz), 2.94 (1H, dd, J=
16.2, 6.3Hz), 3.61 (3H, s), 4.79 (1H, m), 7.45〜7.
58 (3H, m), 7.83〜7.86 (2H, m), 8.77 (1H,d, J=7.8H
z), 12.82 (1H, br-s) FAB-MS : 252.1 (M+H)+
【0112】実施例2 メチル 2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサ
ゾリル)アセタート(化合物〔5〕(R=フェニル基)
の製造) 実施例1で得られたN−ベンゾイル−L−アスパラギン
酸−β−メチルエステル(化合物〔3〕;229.9
g)にトルエン(1.2L)、無水酢酸(346m
L)、N−メチルモルホリン(4.7mL)及び4−ジ
メチルアミノピリジン(1.04g)を順次添加し、内
温55〜60℃で4時間撹拌し、メチル 3−ベンゾイ
ルアミノ−4−オキソペンタノアート(化合物〔4〕)
のトルエン溶液を得た。引き続き、化合物〔4〕を単離
することなく、このメチル 3−ベンゾイルアミノ−4
−オキソペンタノアートのトルエン溶液にp−トルエン
スルホン酸一水和物(31.8g)を添加し、85〜9
0℃で5時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応液に
撹拌下、炭酸ナトリウム(75.6g)を水(303m
L)に溶解した水溶液を添加し、pH7〜7.5に調整
した。静置後に水層を除去し、有機層を濃縮し、表題化
合物(化合物〔5〕;206.7g,収率97.7%)
を得た。
【0113】実施例3 2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)
エタノール(化合物〔6〕(R=フェニル基)の製造) 実施例2で得られたメチル 2−(5−メチル−2−フ
ェニル−4−オキサゾリル)アセタート(化合物
〔5〕;170g)をテトラヒドロフラン(935m
L)に溶解し、ここに室温で水素化ホウ素ナトリウム
(27.81g)を添加した。この懸濁液を60℃に加
熱撹拌し、ここにメチルアルコール(57.9mL)を
1時間かけて滴下した。滴下後室温まで冷却し、水(3
5mL)を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液を濾
過し、固体成分を除去した。この固体成分をテトラヒド
ロフランで洗浄し、洗液を先のろ液と合わせ、減圧下濃
縮した。残渣に酢酸エチル(1L)を添加し、溶解後、
水(1L)を添加し分液した。水層を、再度酢酸エチル
(0.5L)で抽出し、有機層を合わせ、飽和重曹水
(1L)、飽和食塩水(1L)で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。濾過後、ろ液を減圧下濃縮
し、粗結晶(化合物〔6〕;149g)を得た。これを
nーヘキサン(1L)と酢酸エチル(0.2L)の混合
溶媒から再結晶し、表題化合物(化合物〔6〕;134
g、収率89.7%)を得た。 m.p. 73.0〜73.8℃ 1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ 2.34 (3H, s), 2.72 (2H, t, J=5.4Hz), 3.27 (1H,
br-s), 3.92 (2H, t,J=5.4Hz), 7.38〜7.47 (3H, m),
7.95〜7.99 (2H, m) IR (KBr) : 3294, 1647, 1556, 1447, 1338, 1056, 77
8, 715, 691 cm-1 FAB-MS : 204.1 (M+H)+
【0114】実施例4 2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)
エチル メタンスルホナート(化合物〔7〕(R=フェ
ニル基)の製造) 実施例3で得られた2−(5−メチル−2−フェニル−
4−オキサゾリル)エタノール(化合物〔6〕;10
8.6g)をトルエン(600mL)に溶解し、メタン
スルホニルクロライド(45.4mL)を添加し、氷冷
下撹拌した。この溶液に氷冷下、トリエチルアミン(8
1.7mL)を滴下した。1時間撹拌後、トルエン(1
L)を添加し、1N塩酸(1L)を加え、分液した。水
層は、再度トルエン(0.5L)で抽出した。合せた有
機層を、水(1L)、飽和重曹水(1L)、飽和食塩水
(1L)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。乾燥剤を濾別後、ろ液を減圧下濃縮し、表題化合物
(化合物〔7〕;150g、収率100%)を結晶とし
て得た。 m.p. 88.2〜89.0℃ 1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ 2.36 (3H, s), 2.96 (3H, s), 2.96 (2H, t, J=6.6
Hz), 4.53 (2H, t, J=6.6Hz), 7.39〜7.47 (3H, m), 7.
94〜7.99 (2H, m) IR (KBr) : 1637, 1340, 1160, 981, 961, 869, 692 cm
-1 FAB-MS : 282.1 (M+H)+
【0115】製造例1 2−(4−ヒドロキシベンジリデン)マロン酸 ジメチ
ルエステル(化合物〔8〕の製造) 4−ヒドロキシベンズアルデヒド(280.9g)、マ
ロン酸ジメチル(289.2mL)及びトルエン(1.
12mL)の混合物に酢酸(13.2mL)及びピペリ
ジン(11.4mL)を順次添加した。次いで内温70
℃〜75℃で約4時間脱水還流を行なった後、内温10
℃以下に冷却し、更に1時間撹拌を続けた。析出した結
晶を濾取し、トルエン(350mL)で洗浄し、表題化
合物(化合物〔8〕;523.7g,収率96.4%)
を得た。 m.p. 157.4〜158.0℃ 1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ 3.84 (3H, s), 3.87 (3H, s), 5.71 (1H, m) , 6.
81〜6.84 (2H, m), 7.26〜7.34 (2H, m), 7.70 (1H, s) IR (KBr) : 3340, 1740, 1670, 1320, 1070, 840 cm-1
【0116】実施例5 ジメチル 〔4−[2−(5−メチル−2−フェニル−
4−オキサゾリル)エトキシ]ベンジリデン〕マロネー
ト(化合物
〔9〕(R=フェニル基、R1 =メチル基)
の製造) 実施例4で得られた2−(5−メチル−2−フェニル−
4−オキサゾリル)エチル メタンスルホナート(化合
物〔7〕;24.4g)と製造例1で得られた2−(4
−ヒドロキシベンジリデン)マロン酸 ジメチルエステ
ル(化合物〔8〕;20.5g)をテトラブチルアンモ
ニウムブロマイド(1.4g)及びトルエン(210m
L)と混合し、90℃に昇温して加温溶解した。次いで
炭酸カリウム(13.2g)を添加し、110℃で6時
間撹拌した。この反応溶液を氷冷し、水(210mL)
を加えて撹拌した。静置後に水層を除去し、有機層に撹
拌下10%塩化ナトリウム水溶液(210mL)を加え
た後、静置して水層を除去した。有機層を濃縮し、濃縮
残渣をメタノール(150mL)に加温溶解し、次いで
10℃以下に冷却して1時間撹拌した。得られた結晶を
濾取し、メタノール(65mL)で洗浄し、表題化合物
(化合物
〔9〕;31.1g,収率85.0%)を得
た。 m.p. 104.0〜105.0℃ 1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ 2.37 (3H, s), 2.99 (2H, t, J=6.7Hz), 3.82 (3H,
s), 3.85 (3H, s), 4.28 (2H, t, J=6.7Hz), 6.89 (2
H, d, J=6.8Hz), 7.35〜7.43 (5H, m), 7.70 (1H, s),
7.97 (2H, m) IR (KBr) : 1729, 1706, 1606, 1252, 1066 cm-1 FAB-MS : 422.1 (M+H)+
【0117】実施例6 4−〔4−〔2−(5−メチル−2−フェニル−4−オ
キサゾリル)エトキシ〕 ベンジル〕−3,5−イソオキサゾリジンジオン(化合
物〔11〕(R=フェニル基)の製造) 実施例5で得られたジメチル 〔4−[2−(5−メチ
ル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]ベン
ジリデン〕マロネート(化合物
〔9〕;2.5g)を、
テトラヒドロフラン(20ml)に溶かし、5%Pd−
C、150mgを加え、水素雰囲気下、常温、常圧で激
しく撹拌した。8時間後、触媒を濾去し、ろ液にヒドロ
キシルアミン(360mg)、メタノール(4ml)及
び炭酸カリウム(574mg)を加え、更に水(4m
l)を滴下し、室温で6時間撹拌した。溶媒を留去し、
残渣に1NHCl水溶液(50ml)を加え酸性とし
た。エーテルで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、溶媒を留去した後、得られた固体をメタノールから
2回再結晶を繰返し、表題化合物(化合物〔11〕;6
50mg、収率80%)を得た。
【0118】
【産業上の利用可能性】上記から明らかなとおり、本発
明の方法によれば、従来の方法に比べて極めて効率よ
く、高収率で目的とする糖尿病治療薬として有用な一般
式〔11〕の化合物及びその中間体化合物を製造するこ
とが可能である。また、本発明の製造方法は実用性の高
い、工業的にも非常に有用な製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−219169(JP,A) 特表 平5−508654(JP,A) 国際公開95/18125(WO,A1) J.Med.Chem.,(1992), 35(14),p.2617−26 Chem.Pharm.Bull., (1986),34(7),p.2840−51 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 413/12 C07D 263/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物〔1〕 【化1】 又はその塩を無機塩基の存在下に水性溶媒中で、一般式
    〔2〕 【化2】 (式中、Rは置換されてもよい芳香族炭化水素基、置換
    されてもよい環式脂肪族炭化水素基、置換されてもよい
    複素環基又は置換されてもよい縮合複素環基である)で
    示される化合物と反応させることによって、一般式
    〔3〕 【化3】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるアスパラギ
    ン酸エステル誘導体となし、これをジメチルアミノピリ
    ジンを触媒として、塩基の存在下に無水酢酸と反応させ
    たのち、加熱することによって脱炭酸して、一般式
    〔4〕 【化4】 (式中、Rは前記と同じである)で示される化合物を
    得、引き続きこの化合物を単離することなくp−トルエ
    ンスルホン酸を加えることにより、一般式〔5〕 【化5】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるオキサゾリ
    ルアセタート誘導体となし、これをテトラヒドロフラン
    中で、還元剤としてのNaBHと活性化剤としてのメ
    タノールの存在下に還元し、一般式〔6〕 【化6】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるオキサゾリ
    ルエタノール誘導体となし、これをトルエン中で、塩基
    触媒としてのトリエチルアミンの存在下に、メシルクロ
    ライドと反応させることにより、一般式〔7〕 【化7】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるメタンスル
    ホナート誘導体となし、これを炭酸カリウム及び触媒と
    しての四級アンモニウム塩若しくはトリス〔2−(2−
    メトキシエトキシ)エチル〕アミンの存在下、一般式
    〔8〕 【化8】 (式中、Rは低級アルキル基である)で示される化合
    物と反応させることにより、一般式〔9〕 【化9】 (式中、R及びRは前記と同じである)で示されるベ
    ンジリデン誘導体となし、これを水素雰囲気下で還元す
    ることにより、一般式〔10〕 【化10】 (式中、R及びRは前記と同じである)で示されるマ
    ロン酸誘導体となし、更にこれを塩基の存在下にヒドロ
    キシルアミンと反応させることを特徴とする、一般式
    〔11〕 【化11】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるイソオキサ
    ゾリジンジオン化合物又はその塩の製造方法。
  2. 【請求項2】化合物〔1〕 【化12】 又はその塩を無機塩基の存在下に水性溶媒中で、一般式
    〔2〕 【化13】 (式中、Rは請求項1と同じである)で示される化合物
    と反応させることによって、一般式〔3〕 【化14】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるアスパラギ
    ン酸エステル誘導体となし、これをジメチルアミノピリ
    ジンを触媒として、塩基の存在下に無水酢酸と反応させ
    たのち、加熱することによって脱炭酸して、一般式
    〔4〕 【化15】 (式中、Rは前記と同じである)で示される化合物を
    得、引き続きこの化合物を単離することなくp−トルエ
    ンスルホン酸を加えることにより、一般式〔5〕 【化16】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるオキサゾリ
    ルアセタート誘導体となし、更にこれをテトラヒドロフ
    ラン中で、還元剤としてのNaBHと活性化剤として
    のメタノールの存在下に還元することを特徴とする、一
    般式〔6〕 【化17】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるオキサゾリ
    ルエタノール誘導体又はその塩の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式〔3〕 【化18】 (式中、Rは請求項1と同じである)で示されるアスパ
    ラギン酸エステル誘導体をジメチルアミノピリジンを触
    媒として、0.25乃至1.0当量のN−メチルモルホ
    リンの存在下に、4当量の無水酢酸と反応させたのち、
    加熱することによって脱炭酸して、一般式〔4〕 【化19】 (式中、Rは前記と同じである)で示される化合物を
    得、引続きこの化合物を単離することなくp−トルエン
    スルホン酸を加えることにより、一般式〔5〕 【化20】 (式中、Rは前記と同じである)で示されるオキサゾリ
    ルアセタート誘導体又はその塩を製造する方法。
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