JP3162256B2 - 竪型連続鋳造機 - Google Patents

竪型連続鋳造機

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JP3162256B2
JP3162256B2 JP03341695A JP3341695A JP3162256B2 JP 3162256 B2 JP3162256 B2 JP 3162256B2 JP 03341695 A JP03341695 A JP 03341695A JP 3341695 A JP3341695 A JP 3341695A JP 3162256 B2 JP3162256 B2 JP 3162256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は竪型連続鋳造機に関し、
詳しくは鋳造毎に下型の上面に残存する水滴を自動的に
除去する下型の水滴除去装置を備えた竪型連続鋳造機に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば建材に使われるアルミ
合金は多種類にわたるが、玄関や雨戸等のサッシに適す
るものとしては、JIS規格に記号A6063で規定さ
れた合金がある。このA6063のアルミ合金はアルミ
ニウム(Al)に少量のマグネシウム(Mg)と珪素
(Si)を添加した押出性、表面処理性に優れた合金で
あり、この合金を使った押出製品は、強度、塑性加工
性、切削加工性ともに優れ、耐食性には特に優れた性能
をもつ。
【0003】このアルミ合金であるA6063の製造方
法として,通常、1個当たりの重量が20KgのAl地
金(インゴット)と、所要の重量からなるAl−Si合
金塊と、押出製品たるアルミ形材の不良品や端材等の屑
材とを所定の重量比をもって溶解炉内に投入する。投入
された上記合金材料は溶解炉内でバーナーにより加熱溶
融されて溶湯の状態となり、溶解炉より移送樋を介して
次工程である保持炉へと移送される。この移送の途中で
溶湯中に所望量のMgが添加される。Mgは非常に酸化
しやすい物質であるため、通常は溶湯が前記移送樋を移
送される途中で投入される。
【0004】保持炉に移送された溶湯は、バーナーによ
って加熱され、約660℃〜710℃にて保温される。
保持炉内の溶湯は成分分析機によってその成分が分析さ
れ、同分析結果に基づき不足成分が投入されて成分調整
がなされる。アルミ合金のAlに対するSi、Mgの成
分割合は規格で定められており、溶解炉に投入される前
に予め前記規格に適合したAl、Si、Mgの量を算出
して、算出された量に相当するAl、Siを溶解炉に投
入すると共に、同じく算出された量のMgが移送樋を流
れる溶湯中に添加されるが、保持炉に移送された溶湯に
は若干の成分割合にズレが生じるため、保持炉にて上述
のような成分比の確認がなされて調整する。また保持炉
では、溶湯面に浮いた各種のスラグを取り除く。溶湯は
保持炉にて所定の温度下に保持される。このとき、保持
炉内の溶湯が全域にわたって均一な温度となるように攪
拌される。
【0005】こうして保持炉内で保温されると共に成分
調整がなされた溶湯は、続いて移送樋を介して溶湯処理
装置へと移送される。この移送樋を流れる溶湯中に、更
にAl−Ti−B合金の連続添加がなされる。このAl
−Ti−B合金は微細化剤の役割を果し、溶湯が鋳造工
程で凝固するとき、Al合金の結晶粒を微細化させる。
溶湯処理装置は内部に湯溜まり部を有し、湯溜まり部の
溶湯を攪拌する回転軸の先端から不活性ガス(アルゴン
ガス)を溶湯内に泡状に噴出させ、溶湯内に存在する水
素分子を取り込んで不活性ガスと共に溶湯外へと排出さ
せる。溶湯内に水素分子が存在すると、溶湯の鋳造工程
において凝固後のビレット内に気泡として残存すること
になり、ビレットの内部に空胴を形成してしまう。その
結果、こうしたビレットから押出加工されるアルミ形材
には肌あれやスジが生じることになる。
【0006】上述のごとくガス抜きされた溶湯は次の鋳
造工程へと送られ、所定の長さを有する丸棒状のAl合
金ビレットに鋳造される。例えば竪型連続鋳造において
は、前記溶湯が円筒状の上部モールド内へ連続的に流し
込むと同時に所定の速度で下降する下部モールドにて引
き下げる。このとき、上部モールドを通り抜けるビレッ
トの表面に水の吹付け冷却により凝固せしめ、その凝固
部分が順次下方の水槽内に浸漬されつつ連続する長尺の
円形断面を有する鋳造棒を得ている。前記下部モールド
は、例えば実開平6−39245号公報に開示されてい
るように、その上面を凹陥部として構成している。
【0007】続いて、鋳造後のAl合金ビレットは均熱
炉に導入され、成分の均一化処理がなされる。均熱炉の
内部は加熱領域と均熱領域とにわかれており、加熱領域
において約600〜610℃の雰囲気温度でAl合金ビ
レットを昇温させ、晶出している結晶粒を固着したの
ち、均熱領域へと移送されて約520℃〜580℃の温
度に一定時間保持され、Al合金ビレットの鋳造過程で
生じた溶質原子のミクロ偏析、マクロ偏析を原子拡散に
より分散化し、Al合金ビレットの内部に万遍なく行き
渡らせる。
【0008】所定の均熱時間を経たAl合金ビレットは
均熱炉から取り出され、空気を吹き付けることによって
冷却される。ここで、均熱処理により溶体化した溶質原
子はMg2 Siとして析出を始め、この析出量の大きさ
がビレットの押出性、押出後の形材の機械的強度におお
きな影響を与える。水冷等による急激な冷却は形材の機
械的強度は強いが押出変形抵抗が増し、反対に徐冷では
Mg2 Siの粗大折出が生じ、押出変形抵抗は減少する
が、形材の機械的強度が得にくくなり、適切な冷却速度
を確保すると共に、Mg2 Siの析出をコントロールす
ることが肝要である。
【0009】本発明は上述の鋳造工程における課題を解
決すべくなされたものであり、詳しくは周辺装置に格別
の設計変更を必要とせず、鋳造後に残存する下型モール
ド上の水滴を人手によることなく自動的に除去する水滴
除去装置を備えた竪型連続鋳造機を提供することを目的
としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述の鋳造工
程において、鋳造棒が所定の長さに達すると上部モール
ド内への溶湯の流し込みが停止され、続いて下部モール
ドが上昇して鋳造を終了した鋳造棒が鋳造機から排出さ
れる。このとき、前記下部モールド上面の凹陥部には多
量の水滴が残存することになる。この状態で次回の溶湯
が前記凹陥部に注入されると、溶湯の熱により水蒸気爆
発を起こして溶湯と共に周辺に飛散し、作業者の安全性
を確保することが難しくなる。この安全性を確保するた
め、従来は一回の鋳造毎に作業者により残存する上記水
滴を除去している。
【0011】極めて高温下にある周辺環境の中での作業
者による水滴除去は、安全性の点からも好ましいもので
はなく、更には鋳造工程の連続化並びに自動化を著しく
阻害する原因ともなっている。
【0012】本発明は上述の鋳造工程における課題を解
決すべくなされたものであり、詳しくは周辺装置に格別
の設計変更を必要とせず、鋳造後に残存する下部モール
ド上の水滴を人手によることなく自動的に除去する水滴
除去装置を備えた竪型連続鋳造機を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の主
要な構成をなす上型と下型とからなる鋳造型内に溶湯を
流し込むと共に前記下型を鋳造速度をもって所定の行程
を下降させて連続鋳造を行う竪型連続鋳造機であって、
一部に下型嵌入領域を有すると共に、同下型嵌入領域に
連続鋳造棒の横倒れ防止枠体を有する基部と、複数の上
型を有すると共に、前記基部の下型嵌入領域と待機領域
との間を往復動可能である上型部と、前記下型嵌入領域
の下方の水槽内に設置され、同水槽内の所定位置と前記
下型嵌入領域を越えた前記上型部の上型との間を昇降す
る複数の下型を有する下型部と、鋳造終了時に各下型の
型内に残存する水分を自動的に除去するエア噴出手段と
を備えてなることを特徴とする竪型連続鋳造機により達
成される。
【0014】そして好ましい態様によれば、前記エア噴
出手段が前記上型部の一部に設けられたエア噴出管から
なり、前記上型部の往動時に同エア噴出管から前記下型
の型面に向けてエアが噴出され、或いは前記横倒れ防止
枠体が外部のエア供給源に接続された管部材から構成さ
れ、前記下型の型面に対向する前記管部材の部位にエア
噴出口が形成され、同横倒れ防止枠体に前記エア噴出手
段を兼用させてなる。また、前記上型部の冷却水受入口
の設置位置は、前記下型の直上通過位置を外して設定さ
れることが、水滴が前記冷却水受入口から下型の型面に
滴下しないため望ましい。更に、前記下型の型面は中央
に突出部を有し、断面が逆台形状をなすリング状の凹陥
部を有してなる形状とすることが、鋳造棒端部にひびや
割れを発生指せないため望ましい。
【0015】
【作用】エア噴出手段が前記上型部の一部に設けられた
エア噴出管からなる場合について、その作動手順を説明
すると、次回の鋳造が行われるまで上型部は基部の下型
嵌入領域から外れた位置で待機すると共に、多数の下型
が前記下型部嵌入領域に設けられた鋳造棒横倒れ防止枠
体の格子間に嵌入した状態にある。鋳造を開始するため
の準備作業が完了すると、上型部は下型部嵌入領域の直
上まで前進し、所定位置にて停止する。この前進時に、
エアポンプが作動を開始して、上型部の走行と共に各エ
ア噴出口が下型の直上を通過するとき噴出エアが噴出さ
れ、これにより下型の型面に残存する水滴を飛散させ、
同型面から水滴を完全に除去する。
【0016】上型部が所定位置にて停止すると、下型部
が僅かに上昇して下型を対応する各上型に嵌合させる。
この嵌合がなされると、各上型の下端部内壁面からリン
グ状の冷却水噴出口を通して冷却水が斜め下方に向けて
噴出され、下型周面の冷却を始める。同時に溶湯が注入
樋を流れて各上型と下型により形成される型空間内に流
し込まれる。
【0017】溶湯が各型空間の全数に注湯された後、下
型を水槽の底部近くまで所定の鋳造速度に同期して下降
させる。この間、各下型の上方には前記冷却水噴出口か
ら噴出される冷却水により順次冷却硬化した円形断面を
有する鋳造棒が連続して鋳造される。
【0018】各下型が下降して鋳造棒の所望の鋳造長さ
が得られる水槽内の予め設定された高さに達すると停止
する。このあとで、上型部が基部の上面を上記待機位置
まで後退する。続いて、クレーン等を使って鋳造棒を引
き上げると共に、鋳造機から次工程の図示せぬ均熱炉ま
で搬送する。
【0019】また、本発明の他の代表的な態様である横
倒れ防止枠体が外部のエア供給源に接続された管部材か
ら構成される場合について、その水滴除去の作動手順を
説明すると、鋳造を終わり鋳造棒を抜き取った後で下型
を上昇させ、各下型が前記格子本体の格子空間に到達す
る直前にその作動を停止させる。前記下型の停止と同時
にエアポンプが作動して、前記噴気ノズルからエアを噴
出させ、下型の型面に残存する水滴を自動的に除去す
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づき具体的に
説明する。図示実施例は、本発明をアルミ建材押出成形
用の原材であるAl合金ビレットの竪型連続鋳造機を示
している。図1は本発明に係る第1実施例である縦型連
続鋳造機の主要部の概略構成例を示す斜視図、図2は同
機の鋳造開始前の状態を説明する説明図、図3は同鋳造
終了時の状態を説明する説明図、図4は同鋳造機におけ
る下型に残存する水滴除去機構に関する説明図である。
【0021】竪型連続鋳造機1には、既述したように図
示せぬ溶湯処理装置にてガス抜きされた溶湯が注入樋2
から注入される。本実施例における竪型連続鋳造機1
は、図1に示すごとく上面の前後に平行して2本のレー
ル3が敷設された基部4と、多数の上型5を有し前記レ
ール3に沿って走行する上型部6と、同上型部6の前進
限位置の下方に設置され多数の下型7を有する下型部8
と、同下型部8の昇降空間9を有すると共に内部に水を
貯留する水槽10と、前記下型部8の各下型7に冷却水
を供給する給水部11とを備えている。
【0022】前記基部4は2本のレール3により挟まれ
た部分の略半分の領域が上下に開口する前記下型部8の
嵌入領域とされ、その嵌入領域には格子状の鋳造棒横倒
れ防止枠体12が取り付けられている。
【0023】前記上型部6は、前記レール3に沿って走
行する車輪13aを有する本体13と、同本体13に左
右一対で1組をなす複数組の上型5が設けられており、
各組の上型5の間に適宜分岐された上記注入樋2が臨設
されている。上型5はセラミック等の耐熱材から構成さ
れ、中空円筒状をなしている。そして、その下端部には
内部に水冷ジャケット5aを有すると共に、同ジャケッ
ト5aに連通して円筒内壁面に斜め下方に向けて開口す
るリング状の冷却水噴出口5bが形成されている。図1
は前記上型部6が基部4の後部側に後退しているときの
態様を示しているが、同上型部6の前部側面には前記水
冷ジャケット5aに連通する一対の冷却水受入口5cが
並設されている。一方、上記基部4の前端部に前記冷却
水受入口5cと相対する位置に給水口11aを有する上
記給水部11が図示せぬポンプと給水管14を介して接
続されている。なお、同図において符号14aは止水栓
を示す。
【0024】図1〜図3には上記下型部8の概略構成が
示されている。図示例によれば、下型部8は上記上型5
と同数で且つ各上型5に相対する位置に配設された多数
の下型7を有している。各下型7は一枚のテーブル15
の上面に前述の態様に配列して支持され、同テーブル1
5の下面中央部を上記水槽10の底面に設置された流体
シリンダ16のロッド端16aにより固定支持してい
る。
【0025】図示例によれば、上記上型部6に本発明の
最も重要な構成部材をなす水滴除去装置である給気管1
7を備えている。同給気管17は上記上型部本体13に
形成された冷却水受入口5cの下方にあって各下型7の
直上を通過する位置にそれぞれ噴気口17aを有してい
る。そして、前記給気管17の一端は閉塞され、他端の
開放端は可撓性あるエアホース18に接続されている。
このエアホース18は耐熱性材料により表面がコーティ
ングされた、例えば炭素繊維と耐熱樹脂との複合樹脂材
料等から構成され、所定の剛性をも兼ね備えている。エ
アホース18の他端は途中にホースリール18aを介し
て図示せぬエアポンプに接続され、前記リール18aが
回転することにより、上型部6の前進時にエアホース1
8は同リール18aから繰り出され、同後進時には同リ
ール18aに巻き取られる。そのため、同リール18a
には図示せぬ正逆回転可能な電動モータが装備され、上
型部6の前後進と同期して正逆回転する。このエアホー
ス18の繰り出し、巻取りのときに、何らかの都合で上
型5から金属溶融材料が跳ね飛び、前記エアホース18
の表面に接触して同エアホース18を損傷させないた
め、例えば同エアホース18が延在する部位の上方に位
置する上型部6の側壁部に金属性の庇等を設けることが
望ましい。
【0026】前記上型部6には図示せぬ車輪駆動モータ
が内蔵され、同じく図示せぬ伝動機構を介して車輪13
aを正逆方向に駆動回転させ、上型部6が所定の行程内
を往復動する。なお、前記止水栓14a、流体シリンダ
16、エアポンプ、車輪駆動モータ等の作動部材の駆動
制御は、通常の駆動制御と同様に図示せぬ中央制御部か
らの指令に基づいてプログラム制御される。このとき当
然にリミットスイッチ等を併用することもできる。
【0027】図5及び図6は本実施例に適用される上記
下型7の構造例を示しており、同下型7は逆カップ状の
下型本体7aの底部表面が中心部7bを残して側壁を上
方に拡大するリング状の凹陥部7cが形成され、同凹陥
部7cの底部には同一円周上に複数の貫通孔7dが形成
されている。従って、前記中心部7bは裁頭円錐台形状
を有しており、その高さは前記凹陥部7cの外周端面高
さに等しい。勿論、前記貫通孔7dの配設態様や前記凹
陥部7cの形態等は様々に変更可能であり、例えば前記
凹陥部7cの形態を既述した実開平6−39245号公
報に開示されているものと同様に単純化することも可能
である。
【0028】ここで、前述のごとく単純な形状の凹陥部
7cを採用する場合には、下型5の型内に注入される当
初の溶湯は予め冷却状態にある下型7の表面に接触する
ため、その接触面と内部とでは冷却速度に差が生じ、鋳
造棒端部の周面に無視できぬ寸法の割れやひびが発生し
て端材の切断量が増加し、生産性に大きく影響する。し
かして、前記凹陥部7cの形態を上述のごとく形成する
と、凹陥部7cの中央に突出する上記中心部7bの存在
により、鋳造棒端部の中心部と周面部との間において冷
却速度に大きな差がなくなり、両部間においてほぼ同一
の冷却速度が得られ、前記割れやひびの発生をなくすこ
とができるため、好ましい形態である。一方、凹陥部7
cの底部に形成された上記貫通孔7dの上端開口は、図
7に明示するごとく半球状に形成されている。この貫通
孔7dは、鋳造終了後の鋳造棒が外される際に凹陥部7
cの底部に残存する水滴を下方に排出する機能を有する
ものであり、前記半球状に形成された部分は鋳造時に鋳
造棒が回動すること防止する。
【0029】さて、以上のごとく構成された本実施例の
竪型連続鋳造機によると、次回の鋳造が行われるまで上
型部6は図1に示すごとく基部4の下型部嵌入領域から
外れた位置で待機すると共に、多数の下型7が前記下型
部嵌入領域に設けられた鋳造棒横倒れ防止枠体12の格
子間に嵌入した状態にある。鋳造を開始するための準備
作業が完了すると、上型部6は図示せぬ駆動モータが始
動して図2に示すように下型部嵌入領域の直上まで前進
し、所定位置にて停止する。この前進時に、基部4に設
置されたホースリール18aが上型部6の前進と同期し
て回転し、エアホース18を同リール18aから繰り出
すと同時に、図示せぬエアポンプが作動を開始して、給
気管17の噴気孔17aからエアを噴出させる。従っ
て、上型部6の走行と共に各噴気孔17aが下型7の直
上を通過するとき、噴出エアにより下型7の上面凹陥部
7cに残存する水滴を飛散させ、同凹陥部7cから水滴
を完全に除去する。
【0030】上型部6が所定位置にて停止するとき、上
記上型部本体13に形成された冷却水受入口5cと上記
給水部11の給水口11aとが図示せぬカップリングを
介して連結する。次いで、下型部8の流体シリンダ16
が伸長して下型7を対応する各上型5に嵌合させる。こ
の嵌合がなされると、図示せぬ溶湯処理装置によりガス
抜きされた溶湯20が、注入樋2を流れて図7に示すご
とく各上型5と下型7とにより形成される型内に流し込
まれる。この注湯が開始されると、各上型5の下端部内
壁面からリング状の冷却水噴出口5bを通して冷却水が
斜め下方に向けて噴出され、下型7の周面を冷却すると
同時に、前記流体シリンダ16が鋳造速度に合わせて縮
長方向に作動を開始し、図3に示すように下型7を水槽
10の底部近くまで下降させる。この間、各下型7の上
方には前記冷却水噴出口5bから噴出される冷却水及び
水槽10内の冷却水により順次冷却硬化した円形断面を
有する鋳造棒が連続して鋳造される。
【0031】各下型7が下降して水槽10内の予め設定
された高さに達すると、上記給水部11からの給水及び
前記流体シリンダ16の作動が停止し、次いで上型部6
が基部4のレール3に沿って上記待機位置まで後退す
る。続いて、図示せぬクレーンを使って鋳造棒を引き上
げると共に、鋳造機1から次工程の図示せぬ均熱炉まで
搬送される。
【0032】図8は本発明の竪型連続鋳造機における代
表的な第2実施例の要部を示し、同実施例によれば基部
4の略半部に開口する上記下型嵌入領域に設けられた格
子状の鋳造棒横倒れ防止枠体12を利用して、鋳造後に
下型7の凹陥部7cに残存する水滴を除去するものであ
る。そのため、同鋳造棒横倒れ防止枠体12をエアパイ
プにより構成する。即ち、同図に示すように前記鋳造棒
横倒れ防止枠体12は多数の噴気ノズル12bを有する
管材により格子本体12aが形成され、同格子本体12
aの一部に外部の図示せぬエアポンプに接続されたエア
ホース19を接続する給気口12cを有している。そし
て、前記噴気ノズル12bは各格子空間の中央斜め下方
に向けられて前記格子本体12aから突出している。
【0033】この実施例の作動手順を説明すると、鋳造
を終了して上記流体シリンダ16が下型部8を上昇させ
る方向に作動させ、各下型7が前記格子本体12aの格
子空間に到達する直前にその作動を停止させる。前記下
型7の停止と同時に図示せぬエアポンプが作動して、前
記噴気ノズル12bからエアを噴出させ、下型7の凹陥
部7cに残存する水滴を自動的に除去する。この水滴除
去操作を除く操作手順は、上記第1の実施例と同様であ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
の竪型連続鋳造装置によれば、特に第1実施例では上型
を下型にセットするときの移動を利用して下型の凹陥部
に残存する水滴を自動的に除去するようにし、また第2
実施例では従来の鋳造棒横倒れ防止枠体にエア噴出機能
をもたせて下型の凹陥部に残存する水滴を自動的に除去
するようにしているため、従来の竪型連続鋳造機に大幅
な改良を加えることなく連続鋳造の自動化が容易に実現
され、省力化及び安全性が確保されるばかりでなく、生
産性も著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な第1実施例を示す竪型連続鋳
造機の主要部の概略斜視図である。
【図2】同鋳造機による連続鋳造開始時の状態を示す縦
断面図である。
【図3】同連続鋳造終了時の状態を示す縦断面図であ
る。
【図4】同鋳造機の上型部による下型に残存する水滴の
除去時の説明図である。
【図5】同下型の好ましい形態を示す斜視図である。
【図6】同下型の断面図である。
【図7】注湯時の状態を示す鋳造部の断面図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す竪型連続鋳造機にお
ける水滴除去部の部分斜視図である。
【符号の説明】
1 竪型連続鋳造機 2 注入樋 3 レール 4 基部 5 上型 5a 水冷ジャケット 5b 冷却水噴出口 5c 冷却水受入口 6 上型部 7 下型 7a 下型本体 7b 中心部 7c 凹陥部 7d 貫通孔 8 下型部 9 昇降空間 10 水槽 11 給水部 11a 給水口 12 鋳造棒横倒れ防止枠体 12a 格子本体 12b 噴気ノズル 12c 給気口 13 上型部本体 13a 車輪 14 給水管 14a 止水栓 15 テーブル 16 流体シリンダ 16a ロッド端 17 給気管 17a 噴気口 18,19 エアホース 18a ホースリール 20 溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−97336(JP,A) 特開 昭58−205663(JP,A) 特開 昭59−113961(JP,A) 特開 平5−146849(JP,A) 特開 昭54−26234(JP,A) 特開 昭61−111751(JP,A) 実開 昭55−49868(JP,U) 特公 昭46−18852(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/049 B22D 11/00 B22D 11/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型と下型とからなる鋳造型内に溶湯を
    流し込むと共に前記下型を鋳造速度をもって所定の行程
    を下降させて連続鋳造を行う竪型連続鋳造機であって、 一部に下型嵌入領域を有すると共に、同下型嵌入領域に
    連続鋳造棒の横倒れ防止枠体(12)を有する基部(4) と、 複数の上型(5) を有すると共に、前記基部(4) の下型嵌
    入領域と待機領域との間を往復動可能である上型部(6)
    と、 前記下型嵌入領域の下方の水槽(10)内に設置され、同水
    槽(10)内の所定位置と前記下型嵌入領域を越えた前記上
    型部(6) の上型(5) との間を昇降する複数の下型(7) を
    有する下型部(8) と、 鋳造終了時に各下型(7) の型内に残存する水分を自動的
    に除去するエア噴出手段と、を備えてなることを特徴と
    する竪型連続鋳造機。
  2. 【請求項2】 前記エア噴出手段が前記上型部(6) の一
    部に設けられた給気管(17)からなり、前記上型部(6) の
    往動時に同給気管(17)から前記下型(7) の型面に向けて
    エアが噴出される請求項1記載の竪型連続鋳造機。
  3. 【請求項3】 前記横倒れ防止枠体(12)が外部のエア供
    給源に接続された管部材から構成され、前記下型(7) の
    型面に対向する前記管部材の部位にエア噴出口(12b) が
    形成され、同横倒れ防止枠体(12)に前記エア噴出手段を
    兼用させてなる請求項1記載の竪型連続鋳造機。
  4. 【請求項4】 前記上型部(6) の冷却水受入口(5c)の設
    置位置が、前記下型(7) の直上通過位置を外して設定さ
    れてなる請求項1記載の竪型連続鋳造機。
  5. 【請求項5】 前記下型(7) の型面は中央に突出部(7b)
    を有し、断面が逆台形状をなすリング状の凹陥部(7c)を
    有してなる請求項1記載の竪型連続鋳造機。
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