JP3161922U - ノート型コンピュータ用ディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】VDT作業を継続して行う際に、作業者の体格に関わらず適正なVDT作業姿勢を維持することができるノート型コンピュータ用ディスプレイ装置を提供する。【解決手段】ノート型PC1であって、回動ヒンジ機構M1は、本体2後方とディスプレイ装置4後方における横方向に離間した夫々の端縁に一対のアーム6a,6b両端が回動保持手段を備えた連結部H1,H2により水平な横軸を中心として回動可能に連結保持され、ディスプレイ装置4は、本体2のキーボード面Kを覆うように重合する第一の状態から本体2後方の端縁と連結するアーム6a,6bの一端を中心として上方に開放する第二の状態Yに展開可能とされ、第二の状態Yではディスプレイ装置4後方の端縁と連結するアーム6a,6bの他端がキーボード面K上方の所望の高さに位置決め保持される。【選択図】図2

Description

本考案は、ノート型コンピュータのキーボードに対しディスプレイ装置を上下方向に回動自在に保持するノート型コンピュータ用ディスプレイ装置に関する。
近年では、マイクロエレクトロニクスや情報管理を中心とした技術革新により、IT(情報技術)化が急速に進められており、VDT(Visual Display Terminals)が広く職場に導入されたことにより、誰もが職場においてVDT作業を行うようになり、VDT機器を使用する者が急増している。
また、最近のVDT機器は、ノート型コンピュータやディスクトップ型コンピュータ、携帯端末の普及に見られるように多様化する状況の中で、現状のVDT作業における問題点も指摘されている。
厚生労働省が平成10年に実施した「技術革新と労働に関する実態調査」によれば、VDT作業を行っている作業者のうち、精神的疲労を感じているものが36.3%、身体的疲労を感じているものが77.6%にも上がっている。
そこで、厚生労働省では、VDT作業に関する専門家により構成された「VDT作業に係る労働衛生管理に関する検討会」(座長;独立行政法人産業医学総合研究所理事長 荒記俊一)を設置し、VDT作業における安全衛生管理のあり方について検討が行われた結果、「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が策定されている。
上記のガイドラインによれば、次のVDT機器、関連什器等についての基準を定め、これらの基準に適合したVDT機器として、ノート型コンピュータ(以下ノート型パソコンと称する)、ディスクトップ型コンピュータ(デスクトップ型パソコンと称する)、携帯情報端末、ソフトウェア、机又は作業台等が選定されている。
更に、VDT作業者には、ディスプレイ装置の位置、キーボード、マウス、椅子の着座面の高さ等を総合的に調整させることとしている。
図13には、VDT作業者がノート型パソコン105を使用して従来のVDT作業を行う状態が示されている。VDT作業者101は、椅子102に着座した状態で机104上面に載置されたノート型パソコン105のキーボード106を操作し、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、及びプログラミング、監視等を行うVDT作業が行われている。
上記ガイドラインによれば、VDT作業時における机104の高さHは、60〜75cm、床面から椅子102の着座面102aまでの高さhは、35〜45cm、椅子102の水平な座面102aに対する背凭れ102bの角度は、115度に規定されている。
VDT作業者101が椅子102に着座した状態では、ディスプレイ装置105に向く目線ILの角度は、水平目線HLに対し傾斜角度αで下方に傾斜した状態で、前記目線IL上におけるVDT作業者101の眼からディスプレイ装置105までの距離は40cm以上とされている。この時のキーボード106操作時における肘の下面は、机104上面に位置し、肘を曲げた時の角度は90度以上とされている。
ところが、VDT作業者101は、体格(特に座高など)によっても異なるが椅子102に着座した状態における水平目線HLは、ディスプレイ装置105の上端縁に位置するように規定されているが、ノート型パソコン105のディスプレイ装置105上端は、ディスクトップ型パソコンのディスプレイ装置105よりも下方に位置している。
従って、VDT作業者101がノート型パソコン105のキーボード106を操作する際は、垂直線ZLに対する頭部の前傾角度βが20度をこえた角度となる。これにより、VDT作業者101は、頸椎で支持された6kg〜8kgの頭部を背筋が前傾した姿勢(所謂、猫背姿勢)で長時継続するとVDT症候群を誘発する問題を有している。
すなわち、VDT症候群として視覚系症状、骨格筋系症状、精神神経系症状などがあらわれ、骨格筋系の症状では、肩こり、首・肩・腕の痛みやだるさ、背中の痛みが出てくるとされている。
一方、ノート型パソコンでは、キーボード面を備えた本体に対しディスプレイ装置を回動自在に保持して、ある程度自由度を有する回動機能を備えたものも提案されている(特許文献1参照)。
この種のノート型パソコンは、ディスプレイ装置が本体と回転ヒンジ機構で互いに連結されており、回転ヒンジ機構のピボット軸が、キーボード面及びディスプレイ装置の表示面に対して垂直となるピボット軸を有し、その先端を表示面よりも本体側に納めることができる構造となっている。
前記回転ヒンジ機構は、更にピボット軸に直交するチルト軸を有し、本体とディスプレイ体とは互いにピボット軸とチルト軸を中心に回転可能な構成となっている。
特開2003−337635号公報
ところで、ノート型パソコンのディスプレイ装置は、前記パソコン本体と回転ヒンジ機構を介して回動可能に連結された一体構造を成している。
前記回転ヒンジ機構は、本体側に固定される基体と、これにチルト軸によって連結されたアーム体と、アーム体の先端側中央に固定したピボット軸によって連結されたアーム体と、アーム体の先端側中央に固定したピボット軸、及びピボット軸に回動可能に取付けた受け体から構成されている。
このように前記ディスプレイ装置は、回転ヒンジ機構のピボット軸により水平回転し、チルト軸により前方に立ち上げ傾斜させることができるが、更に180度まで後方に回動して水平になるまで傾倒させるこができる。
また、上記ディスプレイ装置は、垂直なピボット軸を中心として水平面上で回動する構成を採用していることから、ディスプレイ装置を上面に向けたままの状態でキーボード面上面に重合せることでタッチペンによる入力作業を容易にしている。
しかしながら、上記のように構成されたディスプレイ装置は、ピボット軸、チルト軸により回動の自由度を備えて操作性の向上が図られているものの、その表示面を上面に向けた状態でピボット軸を中心として180度水平に回動すると、画像が操作側に対して反転してしまう。
従って、前記ディスプレイ装置は、反転すると表示される画像も同時に反転してしまうため、表示される画像のみが反転しない状態を維持する機能(ソフト)が必要となり、その分コスト高になり、前記機能が無い場合はその操作が煩雑になる問題を有している。
加えて、前記ディスプレイ装置は、上下方向に移動する機能を有していないことから、VDT作業を継続して行った場合は、人体への負担が掛かりVDT症候群になる問題は依然未解決のままであり、VDT作業を軽減することができるノート型パソコンのディスプレイ装置が要望されていた。
本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもので、VDT作業を継続して行う際に、作業者の体格に関わらず適正な作業姿勢を維持することができるノート型コンピュータ用ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本考案に係るノート型コンピュータ用ディスプレイ装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本考案に係るノート型コンピュータのディスプレイ装置は、キーボードを備えた本体と、表示部を備えたディスプレイ装置とが回動ヒンジ機構により互いに回動可能に連結されたノート型コンピュータ用ディスプレイ装置であって、前記回動ヒンジ機構は、前記本体後方と前記ディスプレイ装置後方における横方向に離間した夫々の端縁に一対のアーム両端が回動方向に対して制動力を付与する高摩擦部材で構成される回動保持手段により水平な横軸を中心として回動可能に連結保持され、前記ディスプレイ装置は、前記本体のキーボード面を覆うように重合する第一の状態から前記本体後方の端縁と連結する前記アームの一端を中心に回動して前記キーボード面の上方に開放する第二の状態に展開可能とされ、第二の状態では前記ディスプレイ装置後方の端縁と連結する前記アームの他端がキーボード面上方の任意高さに位置決め保持されることを特徴とする。
本考案によれば、ディスプレイ装置は、前記キーボード面を覆うように表示面を伏せた第一の状態から、前記連結部の横軸を中心とする一対のアームの回動によりキーボード面上方の第二の状態に展開され、この状態が回動保持手段により任意高さに保持されるので、VDT作業時には、VDT作業者の体格に関わらず適正な姿勢で作業を行うことができる。従ってVDT作業が長時間継続してもVDT作業者への負担を軽減することができる。
また、ディスプレイ装置は、第二の状態では作業者側へ接近移動させることが可能となるので、ディスプレイ装置を見易い位置に保持することができる。更に、第二の状態から第一の状態に移動する際に、ディスプレイ装置の表示面を上に向けて本体上面に重合して保持することもできるので、タッチペン等を使用して表示面から入力するゲーム機として使用することもできる。
前記一対のアームは、前記本体後方の両側端縁に一端が回動可能に連結保持されると共に、前記両アームの他端が前記ディスプレイ装置後方の両側端縁に回動可能に連結保持され、第一の状態では、前記ディスプレイ装置が前記キーボード面に重合するように前記アーム両端の連結位置を前記両アーム長さに対応する本体後方の両側端縁ないし前記ディスプレイ装置後方の両側端縁に対し選択的に設定可能とされることを特徴とする。
これにより、一対のアーム両端が本体ないしディスプレイ装置の両側端縁に配置されるので、第一の状態を採る際に一対のアームの長さや連結位置に対する影響を低減することができ、ディスプレイ装置を本体に重合した際同一外形とすることができる。
前記ディスプレイ装置は、縦寸法が前記本体前端縁からの縦寸法に対し短寸に形成され、前記一対のアームの一端を前記本体後端縁に回動可能に連結保持すると共に、前記アームの他端を前記ディスプレイ装置後端縁に回動可能に連結保持し、前記一対のアームの長さを前記ディスプレイ装置と前記本体の縦寸法差に相当する長さで構成し、前記第一の状態では前記一対のアームが、前記本体後方上面の寸法差によって露呈するキーボード面上に重合する状態となることを特徴とする。
これにより、前記一対のアーム両端が、横長に形成される本体後端縁とディスプレイ装置後端縁に夫々連結保持されるので、前記アームの横幅寸法を拡大することが可能となり、ディスプレイ装置の自重を支持するに耐え得る十分な剛性を得ることができる。
また、前記本体の縦方向寸法に対し、前記ディスプレイ装置の縦方向寸法が短寸となる寸法差を有しているので、前記両アームを前記寸法差に対応する長さで構成することで第一の状態では、前記一対のアームがディスプレイ装置と共に本体上面に重合した平坦な状態とすることができる。
また、前記一対のアームは、長手方向の中間部を二つに分割して夫々の一端が中間連結部を介して回動可能に連結されて成る第一アームと第二アームを構成し、前記第一アームの他端は、前記本体後方の側端縁に回動可能に連結保持されると共に前記第二アームの他端は、前記ディスプレイ装置後方の側端縁に回動可能に連結保持され、前記中間連結部は、前記回動保持手段により水平な横軸を中心として回動可能に連結保持されていることを特徴とする。
これにより、前記第一アームと第二アームの中間連結部が、前記回動保持手段により回動可能に連結保持されているので、第一、第二アームの長さが制限されても、ディスプレイ装置の高さを高い位置に位置決め保持することができ、上下方向の移動範囲を更に拡大することができる。
また、前記一対の第一アームと第二アームを回動可能に連結する一対の中間連結部の間は、連結軸で連結され、前記ディスプレイ装置が第一の状態にある時は、前記連結軸が本体の後端縁ないしディスプレイ装置の後端縁から離間した外側に配置されることを特徴とする。
これにより、ノート型コンピュータを移動する際には、連結軸を把持部として使用することができ、片手で容易に持ち運ぶことができる。
本考案によれば、ディスプレイ装置が一対のアーム(第一アーム、第二アーム)の回動により第一の状態から第二の状態に展開可能とされ、この状態が回動保持手段によりキーボード面上方の任意高さに保持される。
これにより、ディスプレイ装置を所望の高さに保持することが出来るので、VDT作業者は、その体格に関わらず常に適正なVDT作業姿勢を維持することができる。
従って、VDT作業が長時間継続して行われた場合でも、人体への負担を軽減することができるのでVDT症候群の誘発を防ぐことができ、健康への悪影響を回避することができる。
本考案の第一実施形態に係り、ディスプレイ装置が閉じた第一の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 ディスプレイ装置が開いた第二の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 (a)はディスプレイ装置を開いた第一の状態を示し、(b)はディスプレイ装置の表示面を上にして本体上面に水平に保持した状態を示す操作説明図である。 本考案の第二実施形態に係り、ディスプレイ装置が閉じた第一の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 ディスプレイ装置を開いた第二の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 (a)はディスプレイ装置を開いた第一の状態を示し、(b)はディスプレイ装置の表示部を上にして本体上面に水平に保持した状態を示す操作説明図である。 本考案の第三実施形態に係り、ディスプレイ装置が閉じた第一の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 ディスプレイ装置が開いた第二の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 ディスプレイ装置の表示面を上にして本体上面に水平に保持した状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。 ディスプレイ装置の表示面を上にして本体上面に水平に保持する操作説明図である。 ノート型コンピュータを持ち運ぶ際の状態を示す動作説明図である。 本考案のノート型コンピュータを使用してVDT作業を行う状態を示す説明図である。 従来のノート型コンピュータを使用してVDT作業を行う状態を示す説明図である。
以下、本考案の第一実施形態に係るノート型コンピュータ用ディスプレイ装置ついて図1、図2を参照して説明する。図1はディスプレイ装置が閉じた第一の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図、図2はディスプレイ装置が開いた第二の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。
(第一実施形態)
図1、図2に示すように、ノート型コンピュータ(以下ノート型PC1と称する)は、上面にキーボードKを備えた本体2と、該本体2に回動可能に連結され液晶表示部5を備えたディスプレイ装置4とから構成されている。
本体2は、内部に情報処理を行う中央演算処理装置、メインボード、RAM,ROM、入出力回路などが内装されており、側面には情報記録媒体となる記録ディスクの装着部6や図示しない電源端子挿入口、記録カード挿入口、USB端子挿入口などを備えている。
本体2の上面は、キーボードKを備えたキーボード面が構成されており、このキーボード面の後方上面には、起動ボタンBが設けられている。
前記ディスプレイ装置4は、液晶表示部5で構成されており、本体2後方の両側端には、回動ヒンジ機構M1が設けられている。この回動ヒンジ機構M1は一対のアーム6a,6bの一端が回動可能に連結されると共に、前記ディスプレイ装置4の後方両側端には、前記アーム6a,6bの他端が回動可能に連結されている。
前記両アーム6a,6bは、所定厚みの板状部材で構成されており両端は、連結部H1,H2により前記本体2後方の両側端並びにディスプレイ装置4の後方両側端に回動可能に連結保持されている。
更に詳しく説明すると、前記連結部H1,H2は、図示しない水平な横軸とこの横軸を回動可能に保持する軸受けとから構成されており、前記横軸ないし軸受けは、回動方向に対して制動力を付与する高摩擦部材(例えばゴム又は合成樹脂など)から成る回動保持手段で構成されており、特に軸受けは、前記本体2及びディスプレイ装置4の内部に装着されている。
これにより、前記連結部H1,H2は、前記一対のアーム6a,6bの回動時には摩擦力により負荷が作用するが、ディスプレイ装置4をキーボード面Kの上方に移動した両アーム6a,6bの回動角度を摩擦力により任意の位置に制止することができる。
前記本体2とディスプレイ装置4は、何れか一方のアーム6a又は6bの内部に収容保持された図示しないケーブルを介して電気的に導通可能となっており、本体2側から液晶表示部5にデジタル信号ないしパワー信号が伝達されるようになっている。
また、ディスプレイ装置4の液晶表示部5側の前方には、バネにより一方側横方向に付勢された一対の掛止爪8a,8aが突設しており、本体2側のキーボード面前方の上面には、上記一対の掛止爪8a,8aに対応するように一対の掛止穴8b,8bが凹設されている。
すなわち、ディスプレイ装置4が、本体2のキーボード面Kを覆うように重合する第一の状態Xにある時は、少なくとも前方端部が本体2の前端部と一致した状態にあり、一対の掛止爪8a,8aが掛止穴8b,8bに挿通することで掛止(ロック)状態となる。
ディスプレイ装置4の前端縁には、一対の掛止爪8a,8aと連動する解除レバーSが横方向にスライド可能に設けられており、解除レバーSを付勢力に抗して横方向にスライドすることで掛止を解除することができる。
(ディスプレイ装置の移動操作)
次に、ディスプレイ装置4の移動操作に付き図3(a)、(b)を参照して説明する。
図3(a)はディスプレイ装置を開いた第一の状態を示し、(b)はディスプレイ装置の表示面を上にして本体上面に水平に保持した状態を示す操作説明図である。
図3(a)に示すように、先ず、ノート型PC1の操作を開始する際には、第二の状態Yにあるディスプレイ装置4を本体2側の連結部H1を中心として回動し、前記ディスプレイ装置4の手前側(前方側)から開放されて略垂直状態まで起立する。
ここで、立ち上げたディスプレイ装置4の上方端部が、VDT作業者(以下作業者と称する)の水平目線位置(載置面からの高さH)より低い位置に有る時は、作業者自身により前記目線位置の上方まで移動させる。
これによりディスプレイ装置4は、両アーム6a,6bの他端側が連結保持されたディスプレイ装置4後方の連結部H2を中心として時計回りに回動すると起立状態になる。この状態で、ディスプレイ装置4を上方に移動させると、両アーム6a,6bは、一端側の連結部H1を中心として反時計回りに回動しつつ起立状態が保たれる。
一方、ノート型PC1の操作を終了する際は、ディスプレイ装置4を下降移動させることになるが、この下降動作で両アーム6a,6bは、一端側の連結部H1を中心として時計回りに回動しつつディスプレイ装置4を後方の連結部H2を中心として反時計回り(閉じる方向)に回動する。これによりディスプレイ装置4は、図3(a)に仮想線で示すように水平状態に折り畳まれてキーボードK面上に重合した第一の状態Xとなる。
このように、第一実施形態に係るノート型PC1によれば、VDT作業時には、VDT作業者の体格に関わらず適正な姿勢で作業を行うことができるので、VDT作業が長時間継続してもVDT作業者への負担を軽減することができる。
また、ディスプレイ装置4が第二の状態Yでは、両アーム6a,6bの回動により作業者側へ接近できるので、ディスプレイ装置4を見易い位置に保持することができる。
ここでディスプレイ装置4は、図3(b)に示すように表示面5を上に向けた状態で本体2のキーボード面K上の後方に水平に重合保持し、例えばゲーム機として使用する際のディスプレイ装置4の操作に付き説明する。
すなわち、第二の状態Y(起立した状態)にあるディスプレイ装置4は、両アーム6a,6b他端の連結部H2を中心として略水平状態になるまで時計回りに回動しつつ、両アーム6a,6bを、連結部H1を中心として反時計回りに回動させて下降移動し、水平状態でキーボード面K上に水平に保持される。
上記のように構成されたノート型PC1は、ディスプレイ装置4の液晶表示部5にタッチパネル機能を備えることで、上面に向けて水平状態に保持したディスプレイ装置4の液晶表示部5からタッチペン等を使用して入力するゲーム機として使用することもできる。
この場合、ノート型PC1は、前述した机上でのVDT作業に限らず、必要に応じて屋外に持ち出すことも可能であり、移動時に利用する車内や機内または店内でも楽に着席した状態で膝の上にノート型PC1を載せたり、楽な姿勢で液晶表示部5により入出力作業やゲームなどを行うこともできる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に付き図4〜図6を参照して説明する。図4はディスプレイ装置が閉じた第一の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図、図5はディスプレイ装置を開いた第二の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図である。なお、前述した構成部材と同一部材は同一符号を付して後述する説明を省略する。
図4、図5に示すように、第二実施形態のノート型PC10は、第一実施形態と同様に回動可能なアーム(後述する)により昇降可能に支持されたディスプレイ装置14を有している。
このディスプレイ装置14は、キーボード面Kを覆うように重合する第一の状態Xでは、前方端部と本体2の前方端部が互いに一致した状態になり、ディスプレイ装置14の後方端部は、本体2の後方端部より寸法差分内側に位置している。
これにより、本体2の後方端部上面は、寸法差によってディスプレイ装置14が重合しない部分が露呈しており、この露呈部にはディスプレイ装置14の後方端部に設けた一対のアーム16a,16bからなる回動ヒンジ機構M2が配置される。
前記回動ヒンジ機構M2は、ディスプレイ装置14の後方端部に所定厚みの板状部材で構成された一対のアーム16a,16bの一端が互いに離間して回動可能に支持されると共に、本体2の後方端部に前記一対のアーム16a,16b他端が回動可能に支持されている。
前記両アーム16a,16bの一端は、本体2の後方端部に設けた連結部C1により回動可能に連結保持されると共に、両アーム16a,16bの他端は、ディスプレイ装置14の後方端部に設けた連結部C2に回動可能に連結保持されている。
より詳しくは、前記各連結部C1,C2は、第一実施形態と略同一構造で図示しない水平な横軸と、この横軸を回動可能に保持する軸受けとから構成されており、前記横軸ないし軸受けは、前述と同様に回動方向に対して制動力を付与する高摩擦部材から成る回動保持手段で構成されており、特に軸受けは、前記本体2及びディスプレイ装置14の内部に装着されている。
ディスプレイ装置14の縦長さは、本体2の縦長さより短く構成されており、仮想線で示すようにディスプレイ装置14が閉じた第一の状態Xでは、両アーム16a,16bは、ディスプレイ装置14が重合しない本体2の後方端部上面の露呈部上に水平状態で保持される。
(ディスプレイ装置の移動操作)
次に、ディスプレイ装置14の移動操作に付き図6(a)、(b)を参照して説明する。図6(a)はディスプレイ装置を開いた第一の状態を示し、(b)はディスプレイ装置の表示部を上にして本体上面に水平に保持した状態を示す操作説明図である。
図6(a)に示す操作説明は、第一実施形態と同一でありその説明を省略するが、図6(b)に示すように、ディスプレイ装置14の表示面15を上面に向けた状態で例えばゲーム機として使用する場合は、先ずアーム16a,16bを反時計回りに回動して本体2の後方上面に折り畳み、次いで前記ディスプレイ装置14を後方時計回りに傾倒させて先に折り畳まれたアーム16a,16bの上面に重ねて折り畳まれる状態となる。
このようにディスプレイ装置4は、一対のアーム16a,16b両端が、本体後端縁とディスプレイ装置15の後端縁夫々に連結保持されるので、両アーム16a,16bの横幅を幅広な構成とすることができるため、ディスプレイ装置15を保持する十分な剛性を得ることができる。
また、ディスプレイ装置15は、縦方向長さが前記本体2の縦方向長さに比して短寸に形成されているので、両アーム16a,16bの長さを前記寸法差に対応した寸法で構成することで、ディスプレイ装置15が第一の状態Xをとった場合は、両アーム16a,16bは、ディスプレイ装置15と共に本体2の上面に重合し、面一な状態を得ることができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に付き図7〜図10を参照して説明する。図7はディスプレイ装置が閉じた第一の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図、図8はディスプレイ装置が開いた第二の状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図、図9はディスプレイ装置の表示面を上にして本体上面に水平に保持した状態を示すノート型コンピュータの全体斜視図、図10はディスプレイ装置の表示面を上にして本体上面に水平に保持する操作説明図、図11はノート型コンピュータを持ち運ぶ際の状態を示す動作説明図である。
図7〜図8に示すように、第三実施形態に係るノート型PC20は、第一、第二実施形態と同様に回動可能なアーム(後述する)により昇降可能に支持されている。
本体2後方の両側端には、一対の第一アーム22a,22bの一端が連結部D1(一方のみ図示)により回動可能に支持されると共にディスプレイ装置14の後方両側端には、一対の第二アーム24a,24bの一端が連結部D2により回動可能に支持されている。
前記第一アーム22a,22b及び第二アーム24a,24bは、所定厚みの板状部材で構成されており、前記第一アーム22a,22b及び第二アーム24a,24b夫々の他端は、共有する中間連結部D3により回動可能に連結されている。
前記各連結部D1,D2および中間連結部D3は、前述したように水平な横軸とこの横軸を回動可能に保持する軸受けとから構成されており、前記横軸ないし軸受けは、回動方向に対して制動力を付与する高摩擦部材(例えばゴム又は合成樹脂など)から成る回動保持手段で構成されている。而して、前記両中間連結部D3の間には丸棒状の連結軸26の両端が結合されている。
更に、中間連結部D3は、第一アーム22a,22b及び第二アーム24a,24bが開放する角度を少なくとも90度以内に規制する開放規制部材(不図示)を備えており、ディスプレイ装置14を本体2後方への移動操作を規制することで本体2の後方への転倒を防止している。
なお、ディスプレイ装置14の移動操作は、前述した操作と同一であり説明を省略するが、図8〜図10に示すように、ディスプレイ装置14は、第一アーム22a,22b及び第二アーム24a,24bにより本体2後方の両側端に回動保持されているので、本体2のキーボード面Kに対し更に上方に移動することができるだけでなく、前後方向の移動範囲を拡大することができる。
また、図11に示すように、第一アーム22a,22b及び第二アーム24a,24b夫々の他端が連結される両中間連結部D3間には、丸棒状の連結軸26の両端が結合されているので、ノート型PC20を移動する際は前記連結軸26を把持することで容易に持ち運ぶことができる。
図12は、本考案のノート型PC20を使用してVDT作業を行う説明図であり、VDT作業者34は、VDT作業を行う際に椅子30の背凭れ30bに背を凭れ掛けた状態で座面30aに着座する。
そこで、VDT作業者34は、机32の上面に載置したノート型PC20のディスプレイ装置14を開放すると共に、このディスプレイ装置14をキーボード面Kの上方に移動する。
VDT作業者34が、ディスプレイ装置14を手動により上方に移動操作すると、第一アーム22a,22b、第二アーム24a,24bは、連結部D1,D2および中間連結部D3を中心として回動して所望の高さまで移動すると前記ディスプレイ装置14は、回動保持手段の摩擦力によりその位置に保持することができる。
すなわち、ディスプレイ装置14は、後方端部(図12に示す上方端部)をVDT作業者34の水平目線HLに合せた時、液晶表示部15に向けた目線ILは、水平目線HLに対し下方に向く角度αが略20度に保持される。
このようにVDT作業者34は、それぞれ体格に合わせた所望の高さにディスプレイ装置14を設定することで適正な作業姿勢をとることができるので、VDT作業を長時間継続しても作業負荷を軽減することができる。これにより、VDT症候群などが誘発される要因を低減することができる。
前述した実施の形態で示したディスプレイ装置は、一例であって、本考案の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。ディスプレイ装置4は、本体2に対し左右一対のアームにより回動可能に連結保持されて、第一の状態から第二の状態に展開されるよう構成されているが、これに限定されない。例えば、左右一対のアームに代えて剛性を有する単一のアームによりディスプレイ装置4を回動可能に連結保持することもできる。
1,10,20,…ノート型PC(ノート型コンピュータ)、2…本体、4…ディスプレイ装置、5…液晶表示部(表示部)、6a,6b,16a,16b…アーム、22a,22b…第一アーム、24a,24b…第二アーム、26…連結軸、H1,H2,C1,C2,D1,D2…連結部、D3…中間連結部、K…キーボード、M1,M2,M3…回動ヒンジ機構

Claims (5)

  1. キーボードを備えた本体と、表示部を備えたディスプレイ装置とが回動ヒンジ機構により互いに回動可能に連結されたノート型コンピュータ用ディスプレイ装置であって、
    前記回動ヒンジ機構は、前記本体後方と前記ディスプレイ装置後方における横方向に離間した夫々の端縁に一対のアーム両端が回動方向に対して制動力を付与する高摩擦部材で構成される回動保持手段により水平な横軸を中心として回動可能に連結保持され、
    前記ディスプレイ装置は、前記本体のキーボード面を覆うように重合する第一の状態から前記本体後方の端縁と連結する前記アームの一端を中心に回動して前記キーボード面の上方に開放する第二の状態に展開可能とされ、第二の状態では前記ディスプレイ装置後方の端縁と連結する前記アームの他端がキーボード面上方の任意高さに位置決め保持されることを特徴とするノート型コンピュータ用ディスプレイ装置。
  2. 前記一対のアームは、前記本体後方の両側端縁に一端が回動可能に連結保持されると共に、前記両アームの他端が前記ディスプレイ装置後方の両側端縁に回動可能に連結保持され、
    第一の状態では、前記ディスプレイ装置が前記キーボード面に重合するように前記アーム両端の連結位置を前記両アーム長さに対応する本体後方の両側端縁ないし前記ディスプレイ装置後方の両側端縁に対し選択的に設定可能とされることを特徴とする請求項1に記載のノート型コンピュータ用ディスプレイ装置。
  3. 前記ディスプレイ装置は、縦寸法が前記本体前端縁からの縦寸法に対し短寸に形成され、前記一対のアームの一端を前記本体後端縁に回動可能に連結保持すると共に、前記アームの他端を前記ディスプレイ装置後端縁に回動可能に連結保持し、前記一対のアームの長さを前記ディスプレイ装置と前記本体の縦寸法差に相当する長さで構成し、
    前記第一の状態では前記一対のアームが、前記本体後方上面の寸法差によって露呈するキーボード面上に重合する状態となることを特徴とする請求項1に記載のノート型コンピュータ用ディスプレイ装置。
  4. 前記一対のアームは、長手方向の中間部を二つに分割して夫々の一端が中間連結部を介して回動可能に連結されて成る第一アームと第二アームを構成し、前記第一アームの他端は、前記本体後方の側端縁に回動可能に連結保持されると共に前記第二アームの他端は、前記ディスプレイ装置後方の側端縁に回動可能に連結保持され、前記中間連結部は、前記回動保持手段により水平な横軸を中心として回動可能に連結保持されていることを特徴とする請求項1に記載のノート型コンピュータ用ディスプレイ装置。
  5. 前記一対の第一アームと第二アームを回動可能に連結する一対の中間連結部の間は、連結軸で連結され、前記ディスプレイ装置が第一の状態にある時は、前記連結軸が本体の後端縁ないしディスプレイ装置の後端縁から離間した外側に配置されることを特徴とする請求項4に記載のノート型コンピュータ用ディスプレイ装置。
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