JP3161705U - ペースメイカー用保護帯 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザーの利便性を向上し得るペースメイカー用保護帯を提供する。【解決手段】保護帯10は、身体hの胸部周辺を覆うように配置される胸当て部20と、胸当て部に連結される背面部30と、胸当て部に設けられたポケット内に収容され、電磁波をシールする電磁波防止シートを内包するクッション部材80と、を有している。【選択図】図1

Description

本考案は、ペースメイカー用保護帯に関する。
心臓用ペースメイカーが植え込まれた患者は、日常生活において手術後の胸部周辺を外部から加えられる衝撃から保護する必要がある。例えば、折り畳んだ布を胸部周辺に貼り付けて衝撃を緩和させる等の対策が講じられる。また、患者は生活環境内に存在する電磁波から心臓用ペースメイカーを保護し、誤作動が生じることを防止するための対策を講じることが必要となる。
心臓用ペースメイカーの誤作動の防止にあたり、電磁波を遮断する機能を備える衣服等の保護具の提供が試みられている(特許文献1を参照)。特許文献1では、メッシュ状に編み込まれた電磁波遮断ネットを利用したインナーウエアを開示している。
特開2004−181251号公報
患者であるユーザーが上記インナーウエアを着用することにより、心臓用ペースメイカーを電磁波から保護することは可能になる。しかしながら、ユーザーの胸部に対して外部から加えられる衝撃を十分に低減させることができない。衝撃を緩和させるための布等を身体の胸部周辺にユーザーが別途に装着することが必要になるため、ユーザーの利便性の低下を招いてしまう。
本考案は上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザーの利便性を向上し得るペースメイカー用保護帯を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本考案は、心臓用ペースメイカーを電磁波から保護する保護帯であって、身体の胸部周辺を覆うように配置される胸当て部と、胸当て部と対にして設けられ、身体の背中の側に配置される背面部とを有する。さらに、胸当て部と背面部とを身体の脇下周辺において連結可能な第1連結部と、胸当て部と背面部とを身体の肩部周辺において連結可能な第2連結部とを有する。また、胸当て部に取り付けられた第1紐部材と、背面部に取り付けられ、第1連結部が連結される箇所と胴体周りの反対方向の側において第1紐部材と接続可能な第2紐部材とを有する。そして、胸当て部に設けられたポケット内に収容され、電磁波をシールするシート部材を内包するクッション部材を有する。
心臓用ペースメイカーを電磁波から保護する機能、および身体の胸部を外部衝撃から保護する機能の両機能を備えるペースメイカー用保護帯を提供することによって、保護帯を利用するユーザーの利便性の向上を図ることができる。
実施形態に係るペースメイカー用保護帯の使用状態を示す図であり、図1(A)は、身体を胸部の側から見た図、図1(B)は、身体を背中の側から見た図である。 実施形態に係るペースメイカー用保護帯の外観図であり、図2(A)は、装着時に外観をなす表面を示す図、図2(B)は、装着時に身体の側に配置される裏面を示す図である。 実施形態に係るクッション部材を示す図であり、図3(A)は、クッション部材の外観図、図3(B)は、図3(A)に示す矢印3B方向から見た矢視図、図3(C)は、図3(A)に示す3C−3C線に沿う断面を拡大して示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本考案の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
実施形態では、本考案に係るペースメイカー用保護帯10を心臓用ペースメイカーが植え込まれた患者であるユーザーに適用している(図1を参照)。
図1〜3を参照して、実施形態に係るペースメイカー用保護帯(以下、単に「保護帯」と記す)10は、概説すれば、身体hの胸部周辺を覆うように配置される胸当て部20と、胸当て部20と対にして設けられ、身体hの背中の側に配置される背面部30と、胸当て部20と背面部30とを身体hの脇下周辺において連結可能な第1連結部41と、胸当て部20と背面部30とを身体hの肩部周辺において連結可能な第2連結部52と、胸当て部20に取り付けられた第1紐部材61と、背面部30に取り付けられ、第1連結部41が連結される箇所と胴体周りの反対方向の側において第1紐部材61と接続可能な第2紐部材62と、胸当て部20に設けられたポケット21内に収容され、電磁波をシールする電磁波防止シート(シート部材に相当する)70を内包するクッション部材80(図3(C)を参照)と、を有している。保護帯10のクッション部材80は、身体hの胸部の形状に合わせて形成された湾曲した面形状を有している(図3(B)を参照)。保護帯10の第2連結部52には、面ファスナー55を設けている(図2を参照)。
図1(A)、(B)を参照して、保護帯10を装着させる身体hとして、不整脈等の心臓疾患の治療に伴って心臓用ペースメイカーが植え込まれた成人男性の上半身を示す。心臓用ペースメイカーは、植え込み型除細動器とも称されるものであり、心臓に対して人工的な刺激を付与する電気刺激発生装置のことである。保護帯10の胸当て部20を配置させる身体hの胸部周辺とは、外部から加えられ得る衝撃を緩和させる対象となる部位であり、心臓用ペースメイカーが植え込まれた左胸周辺部位を意味するものである。
実施形態に係る保護帯について説明する。
図2(A)、(B)を参照して、保護帯10の胸当て部20は、心臓用ペースメイカーが植え込まれた左胸の周辺を覆うことが可能な所定の外形形状を備える布材によって構成している。布材にはフェルトを利用している。胸当て部20と対にして設けられる背面部30は、胸当て部20と略同一形状に形成している。背面部30を構成する布材にもフェルトを利用している。
胸当て部20と背面部30との連結は、第1連結部41および第2連結部52を利用して行っている。
第1連結部41は、胸当て部20および背面部30のそれぞれに連なるように一体的に形成している。第1連結部41は、身体hに装着した状態において脇下に配置させている(図1をも参照)。脇下に配置した第1連結部41と身体hの肩上に配置した第2連結部52との間に腕をくぐらせるための袖口57を形成させている。
第2連結部52は、胸当て部20の上部側(図2中の上方)の端部と、背面部30の上部側の端部とによって構成している。第2連結部52に設けた面ファスナー55によって胸当て部20と背面部30との連結位置を調整することができる。これによって、袖口57のサイズ調整を行うことができる。図示例にあっては、胸当て部20に面ファスナー55のループ面を設け、背面部30に面ファスナー55のフック面を設けている。
第1紐部材61は、胸当て部20の裏面に取り付けた紐によって構成している。紐には、一定の幅を有するように加工した布材を利用している。紐を構成する布材には、フェルトを利用している。
第2紐部材62は、背面部30の裏面に取り付けた紐によって構成している。第2紐部材62は、第1紐部材61と同様に、一定の幅を有するように加工したフェルトによって構成している。
クッション部材80を収納するためのポケット21は、胸当て部20の裏面に設けている。ポケット21の上端に設けた開口部22からクッション部材80を挿入する簡易な作業によってクッション部材80の装着を行うことが可能になっている。クッション部材80が不用意にポケット21内から離脱することを防止するために、ポケット21全体の形状を上端から下端に裾広がりとなるように形成している。ポケット21は、身体hに直接触れる際の肌触りを考慮し、メッシュ状に加工された軟質のポリエステルによって構成している。
図3(A)〜(C)を参照して、クッション部材80は、電磁波防止シート70に重ねて配置した緩衝材としてのキルティング綿81と、電磁波防止シート70およびキルティング綿81を覆う布材82とによって構成している。
電磁波防止シート70およびキルティング綿81を覆う布材82は、クッション部材80の外表面を構成する。この外表面をなす布材82にはフェルトを利用している。布材82の外周縁部を縫い付けることによってクッション部材80の内部に電磁波防止シート70、およびキルティング綿81を内包させている。
クッション部材80において身体hの胸部に向かい合うように配置される内面85の面形状は、胸部全体の湾曲した凸形状に合わせて湾曲した凹形状に形成している。身体hの胸部に対するフィット感を向上させることが可能になっている。クッション部材80の外面87は、全体の面形状が外部に向けて湾曲した凸形状に形成している。外部から加えられた衝撃を湾曲した外面87に沿わせて逃がすことができ、衝撃を緩和させる機能をより効果的に発揮させることが可能になっている。
電磁波防止シート70には、所定の周波数の電磁波をシールするシール機能を備えたシート部材を利用している。シート部材は、磁性材料やアルミなどの金属材料を構成材料にするものであり、携帯電話機やPHS端末、PC等の電子機器から発せられる電磁波を遮蔽する機能を備える公知のものである。シート部材には薄い箔状に形成された柔軟性を備えるものを利用している。はさみやカッター等によって切断等の加工を行うことが可能になっている。シート部材を所定の形状に切断したものを電磁波防止シート70として利用している。
実施形態に係る保護帯の使用方法について説明する。
図1(A)、(B)を参照して、胸当て部20のポケット21内にクッション部材80を挿入した保護帯10を準備する。
第2連結部52に設けた面ファスナー55を利用して胸当て部20と背面部30とを連結させる。第1連結部41と第2連結部52との間に袖口57を形成する。面ファスナー55を利用することによって、胸当て部20と背面部30の連結、および袖口57のサイズの調整を簡易に行うことができる。
袖口57にユーザーの腕を通し、肩上に第2連結部52を引っ掛けるようにして保護帯10を装着する。ポケット21内に挿入したクッション部材80は、心臓用ペースメイカーが植え込まれた部位の周辺を覆うように配置させる。
胸当て部20のポケット21内に挿入したクッション部材80の内面85の面形状を、胸部全体の湾曲した凸形状に合わせて湾曲した凹形状に形成しているため、装着時における胸部へのフィット感を向上させることができる。ユーザーの快適性を向上させることができる。
胸当て部20に取り付けた第1紐部材61と、背面部30に取り付けた第2紐部材62とを結ぶ。第2連結部52と胴体周りの反対方向の側において紐部材61、62同士を結び付ける。紐部材61、62を結び付けることによって装着後に保護帯10が位置ずれすることを好適に防止することができる。
保護帯10を装着したユーザーは、クッション部材80に内包された電磁波防止シート70によって心臓用ペースメイカーを電磁波から保護することが可能になる。さらに、胸部に対して外部から不用意に衝撃が加えられるような場合にもクッション部材80によって衝撃を緩和させることができるため、胸部に大きな衝撃力が作用することを防止することが可能になる。
身体hから保護帯10を脱着する際は、結び付けた第1紐部材61と第2紐部材62の結び目を解く。そして、面ファスナー55によって連結された胸当て部20と背面部30とを切り離す。衣類を着用したユーザーが衣類の上から保護帯10を装着する場合にも、面ファスナー55および紐部材61、62を利用することによって、簡易に着脱を行うことができる。
以上のように、心臓用ペースメイカーを電磁波から保護する機能、および身体hの胸部を外部衝撃から保護する機能の両機能を備える保護帯10を提供することによって、保護帯10を利用するユーザーの利便性の向上を図ることができる。
胸当て部20のポケット21内に挿入したクッション部材80の内面85の面形状を、胸部全体の湾曲した凸形状に合わせて湾曲した凹形状に形成しているため、装着時における胸部へのフィット感を向上させることができ、ユーザーの快適性を向上させることができる。
第2連結部52に設けた面ファスナー55によって、胸当て部20と背面部30の連結および切り離し、袖口57のサイズの調整を簡易に行うことができる。
上述した実施形態は適宜変更することが可能である。
第1連結部41が胸当て部20および背面部30のそれぞれに連なるように一体的に形成された形態で説明を行ったが、第1連結部にボタンや面ファスナーを設けることによって第1連結部において胸当て部と背面部とを切り離し可能な構成とすることも可能である。
第1紐部材61および第2紐部材62には両者を結び付けることによって接続を行う簡素な紐を利用する形態で説明をおこなったが、例えば、紐部材に面ファスナーを設けたり、紐部材にベルト穴や所定の金具を取り付けてサイズ調整機能を付加したりする構成とすることも可能である。
第2連結部52に取り付けた連結手段としての面ファスナー55を、例えば、ボタンやサイズ調整機能を備えるベルトなどに置き換えた構成とすることも可能である。また、これらの連結手段を設けることなく、胸当て部および背面部のそれぞれに連なるように一体的に形成させた構成とすることも可能である。
保護帯の各部位を構成する布材は、実施形態において示したフェルトのみに限定されるものではなく、服飾製品等に用いられる公知の繊維材料等を適宜選択することが可能である。また、電磁波防止シートを内包するクッション部材の材質も、キルティング綿やフェルトのみに限定されるものではなく、胸部に加えられる外部衝撃を緩和し得る材質の物を適宜選択することが可能である。例えば、弾性的に変形することによって衝撃を吸収する樹脂材料からなるパッド等を利用することが可能である。
10 保護帯(ペースメイカー用保護帯)、
20 胸当て部、
21 ポケット、
30 背面部、
41 第1連結部、
52 第2連結部、
55 面ファスナー、
57 袖口、
61 第1紐部材、
62 第2紐部材、
70 電磁波防止シート(シート部材)、
80 クッション部材、
81 キルティング綿、
82 布材、
85 内面、
87 外面、
h 身体。

Claims (3)

  1. 心臓用ペースメイカーを電磁波から保護する保護帯であって、
    身体の胸部周辺を覆うように配置される胸当て部と、
    前記胸当て部と対にして設けられ、身体の背中の側に配置される背面部と、
    前記胸当て部と前記背面部とを身体の脇下周辺において連結可能な第1連結部と、
    前記胸当て部と前記背面部とを身体の肩部周辺において連結可能な第2連結部と、
    前記胸当て部に取り付けられた第1紐部材と、
    前記背面部に取り付けられ、前記第1連結部が連結される箇所と胴体周りの反対方向の側において前記第1紐部材と接続可能な第2紐部材と、
    前記胸当て部に設けられたポケット内に収容され、電磁波をシールするシート部材を内包するクッション部材と、を有することを特徴とするペースメイカー用保護帯。
  2. 前記クッション部材は、身体の胸部の形状に合わせて形成された湾曲した面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のペースメイカー用保護帯。
  3. 前記第2連結部は、面ファスナーを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペースメイカー用保護帯。
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