JP3161205U - 脊柱用フライス - Google Patents

Abstract

【課題】脊柱外科手術のため、特に傷つきやすい頸椎柱の領域内で使用するための、円筒形のフライスシャフトとこのフライスシャフトの遠位側端部に形成されたフライス歯部とを備えるフライスを提供する。【解決手段】フライス１は、フライスシャフト２の遠位側端部ａにあるフライス歯部３が、フライスシャフトの壁内の溝５によって形成され、この溝が、フライスシャフトの外径から遠位側端部ａに達するまで深く且つ幅が広くなっていき、したがって溝の間に、遠位側端部ａに達するまで高さが増しながら幅が狭まっていく歯が形成されることを特徴とする。これは、周囲の傷つきやすい組織を付加的に危険にさらすことなく、頸椎柱の領域内での非常に優しい切削を保証する。【選択図】図１

Description

本考案は、脊柱外科手術のため、特に頸椎柱の領域内で使用するための、円筒形のフライスシャフトとこのフライスシャフトの遠位側端部に形成されたフライス歯部とを備えるフライス、並びに前述のフライスから成るフライスセットに関する。

属概念のフライスは、ＤＥ２０２００５０１６７６３Ｕ１から知られており、脊柱の領域内の椎骨構成部分を削り取るために使用されるファセット関節用フライスを示している。このフライスは、円筒形のシャフトとシャフトの前端側で遠位側の端部に鋸歯状に形成された歯部とを備えている。この歯部は遠位側端部から前方に向いており、その歯は少し外側に拡張している。これらの歯は軸に平行に向いており、歯の間には同様に軸に平行に延びる溝があり、この溝は、径方向においてフライス壁の内径から外径まで達している。

既知のフライスでは、特に傷つきやすい頸椎から、骨材料を十分に穏やかに削り取れないことが分かっている。

したがって本考案の課題は、前述の欠点を回避するように改良された、内視鏡による脊柱外科手術用のフライスを提供することである。

前述の課題は、冒頭に挙げた種類のフライスにおいて、フライスシャフトの遠位側端部にあるフライス歯部が、フライスシャフトの壁内の溝によって形成され、この溝が、フライスシャフトの外径から遠位側端部に向かって次第に深くっていき且つ幅が広くなっていき、したがって溝の間に、遠位側端部に達するまで高さが増しながら幅が狭まっていく歯が形成されることによって解決される。

フライスシャフトの遠位側の前端に、歯の前端がシャフトの内壁側から径方向外側に向くように星形に形成され、特に平らな前端側終端部を備え、前端の縁部に切削縁が形成されている、現況技術に比べて変更された歯部により、精密さ及び切削作用が変わらないより穏やかな切削が達成される。歯間の溝の底部、すなわち溝底は閉じており、したがって歯間には、シャフト壁を径方向に完全に貫通して延びるスリットは形成されていない。円筒形シャフトの壁内に延びている歯面は、前端側では星形に外側に向いている。それにも拘わらず個々のフライスの歯の高度の鋭さが保証されている。

歯は溝によって分離されており、その際、切削すべき椎骨に面した遠位側端部に向かって切り込まれた溝は、軸方向に放物線状に拡張しており、歯は、溝と歯壁の間に、溝の形状に対応する移行縁を備えている。溝の溝底は、フライスの長手軸に対して少なくとも１３°〜１５°の角度を有している。さらに本考案では、歯壁によって画定された歯が軸に平行に延びており、及び／又は歯壁の縁部が、軸に平行で、遠位側端部に向かって尖っており、その際、歯壁は、溝の長さの半分から、遠位側端部に向かって尖っていてもよい。歯壁の外縁がフライスシャフトの外径上にあることが非常に好ましく、その際、やはり切削縁は前端側に形成することができる。これにより、周囲の傷つきやすい組織を危険にさらすことなく、非常に優しい切削が可能である。このようなフライスは、頸椎柱用フライスとして、特に頸椎柱で使用可能である。このようなフライスの好ましい発展形態では、歯の外縁がフライスシャフトの外径上にあり、及び／又は歯壁の縁部が、軸に平行で、遠位側端部に向かって尖っている。

さらなる好ましい一実施形態では、歯部が、折れ曲がった外側の歯壁を備えており、この歯壁は、溝の長さの半分までは軸に平行で、そこから遠位側端部に向かって、フライスの長手軸に対して少なくとも３０°の角度で延びている。この場合、歯部は、傾斜して延びる移行縁部に、鋭い切削縁を備えることができる。したがってこのフライスの全ての形態において、歯の鋭い切削縁は、前端側端部又は傾斜して延びる領域内だけに形成されている。

好ましい一実施形態では、異なるサイズのフライスをより判別し易くするために、シャフトが近位側端部に向かって少なくとも１つ又は複数のカラーのセラミックリングを備えている。その際、耐熱性のセラミックリングが、プラスチック製のカラーリングより丈夫で耐性がある。

さらなる一実施形態では、本考案によるフライスのシャフトに、このフライスを対応する操作装置又は回転装置内に嵌め込めるようにするためのリング状の凹部と、近位側端部における少なくとも２つの長方形のスリットとが形成されており、その際、操作装置又は回転装置との形状結合によってトルクをフライスに伝達することができる。

このフライスは、フライス壁の内径が２ｍｍ未満の場合は４〜８枚、内径が２〜２．５ｍｍの場合は５〜１０枚、内径が３〜４ｍｍの場合は１０〜１６枚、内径が５ｍｍ超の場合は１２〜２４枚の歯を備えることが好ましい。

フライスのセットは少なくとも３つのフライスから成ることが好ましく、その際、第１のフライスは、場合によっては公差を考慮した上で、最大でも次に大きなフライスの内径に対応する外径を備えている。したがって、フライスが相互に嵌め込み可能なように、フライスの外径及び内径を調整することが最も好ましい。この場合、フライスセットの少なくとも１つのフライスは５ｍｍ超の外径を備えている。

さらなる利点及び特徴は、請求の範囲、並びに本考案の例示的実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する以下の記述から明らかである。

（ａ）は２ｍｍの外径を備えた本考案による第１のフライスの概略拡大図であり、（ｂ）は本考案による図１の（ａ）のフライスの前端の概略図である。 （ａ）は３．６ｍｍの外径を備えた本考案による別のフライスの概略拡大図であり、（ｂ）は本考案による図２の（ａ）のフライスの前端の概略図である。 （ａ）は４．７ｍｍの外径を備えた本考案によるさらなるフライスの概略拡大図であり、（ｂ）は本考案による図３の（ａ）のフライスの前端の概略図である。 本考案による図２の（ｂ）のフライスの切断線Ａ−Ａに沿った概略断面図である。 歯部のさらなる形態を備えた本考案によるさらなるフライスの概略拡大図である。 本考案による図５のフライスの長手方向切断線Ｃ−Ｃに沿った概略断面図である。

図１、図２、及び図３は、それぞれ本考案によるフライス１の概略図を示しており、その全体で、異なるサイズの３つのフライス１から成るフライスセットを構成している。図中のギザギザ線は、全容を見易くするための図の長さの短縮を意味している。

図１の（ａ）又は（ｂ）の例示的実施形態に図示されているようなフライス１は、長い鋼製の小管から構成される円筒形のシャフト２を備えている。フライス１の前端側で遠位側の端部ａは、歯４及びその間にある溝５から成るフライス歯部３として形成されている。溝５は、軸方向に放物線状に、シャフト２の壁内へと切削されており、その際、溝５は遠位側端部ａに向かって、径方向及び軸方向に拡張している。したがってこの溝は、シャフト２の壁内への部分円錐形の切れ込みを示している。歯４は、溝５を削り取って残された歯壁４ａから形成されており、この歯壁４ａは、軸に平行に、遠位側端部ａに向かって尖っている。歯壁４ａと溝５の間には、溝５が放物線状に延びるのに対応する移行縁４ｂが形成されている。移行縁４ｂは鋭部を備えることができる。したがって溝５及びこれと境を接する歯壁４ａは軸方向で軸に平行な主要延び方向を有し、したがって形成された歯４はシャフト２の外径上にある。前端側では、フライス１は平らな終端部を備えている。この平らな終端部は、前端側で遠位側の端部ａにおいて、歯４の鋭い切削縁を形成させる。代替策として、角度を付けた終端部を設けることもできるが、これについては後で図５及び図６において詳しく説明する。

さらにフライス１のシャフト２は、埋め込まれた約２ｍｍ幅のカラーセラミックリング８を備えている。なお図２及び図３のフライス１は、ただ１つのカラーセラミックリング８ではなく、相応に２つ又は３つのカラーセラミックリング８を備えている。したがってセラミックリング８の数及び色により、様々なフライスの判別が可能である。さらにシャフト２はリング状の凹部９を備えており、この凹部の中央部は、図１〜図３の例示的実施形態では遠位側端部ａの反対側にある近位側端部ｂからそれぞれ１３ｍｍ離れており、フライス１を対応する操作装置又は回転装置内で軸方向に固定するのに役立つ。

さらに、図１の（ｂ）、図２の（ｂ）、及び図３の（ｂ）における各サイズのフライス１の概略正面図にフライス歯部３が示されており、歯４が、相応に切り込まれた溝５と遠位側端部ａの平らな終端部とによって、フライスヘッド面内で径方向外側に向かって、つまり星形に形成されていることを示している。前端の径方向平面の中心に関して点対称に弓形に切り込まれた溝５は、正面図では、薄い壁によって内径６と境を接する特定の深さを有している。歯４はそれぞれ、フライスヘッドの周面と垂直に配置されており、歯の外縁はシャフト２の外径７上にある。この外縁は、尖って形成された移行縁４ｂによって画定されており、したがって歯４の鋭い外側の切削縁が、前端側で遠位側の端部ａに生じる。

図４には、図２の（ｂ）の切断線Ａ−Ａに沿ったフライス１の長手方向断面図が図示されている。さらに図４では、やはり図を短縮させて、歯４及び溝５を有する歯部３を備えた遠位側端部ａが、長手方向断面図に示されており、溝５は溝底５ａを備えている。ここでは溝底５ａは、溝５の全長にわたって径方向に、長手軸Ｂに対して特定の角度αで、軸方向高さと共に変化し、前端側で遠位側端部ａで終端している。図１及び図２のフライス１においては、この角度αは約１５°であり、図３のフライス１においては角度αは約１３°である。図４では、歯４がシャフト２の外径７上にあることが明確に認められる。

さらにシャフト２の近位側端部ｂには少なくとも２つの向かい合う長方形スリット１０が形成されており、このスリットにより対応する操作装置又は回転装置と形状結合することによって、トルクをフライス１に伝達することができる。

図５及び図６は、遠位側端部ａに角度を付けた終端部を備えた、本考案によるフライス１の歯部の代替形態を示している。歯部はこの場合も、軸方向に放物線状にフライス１の壁内に削り込まれた溝５によって形成されており、それによって成形された歯壁４ａは、遠位側端部ａに向かって最初は軸に平行に形成されている。この歯壁４ａは、溝５の長さの半分から先は径方向内側に折れ曲がっている。溝底５ａは、遠位側端部ａに向かって尖って形成されており、歯壁４ａはほぼ一定の幅を有している。平らな前端側終端部によって、鋭い切削縁が前端に直接接して生じている。さらなる切削縁を歯壁４ａの傾斜して延びる領域内に形成することもできる。

図６は、図５のフライス１の切断線Ｃ−Ｃに沿った長手方向断面図を、全容を見易くするために図の長さを短縮して示している。ここに示した歯部３の変形形態においては、溝５の溝底５ａは、やはり径方向に、長手軸Ｂに対して角度αで、軸方向高さと共に変化し、前端側で遠位側端部ａで終端している。歯壁４ａは既に図５で描写したように、歯壁の全長にわたって軸に平行に延びているのではなく、溝５の長さの半分から先はフライス１の長手軸Ｂに対して角度βで折れ曲がっており、やはり前端側で遠位側端部ａで終端している。歯部３のこの変形形態は、α＝１３°〜１５°及びβ＝３０°の値を有している。

さらにこの例示的実施形態では、フライスセットとしての図１〜図３のフライス１は、内径６、外径７、歯４の数、及びフライス１の全長として下記の寸法を有している。

この場合、図１及び図３のフライス１は約０．５ｍｍ厚の壁を備えている。一方図２のフライスは約０．７５ｍｍの壁厚を備えている。ここに挙げた寸法だけでなく、５ｍｍ超の外径７を有し、最大２４枚の歯４を備え、これに相応に適合するその他の寸法を有するフライス１も提供される。

フライスセットとしてのフライス１は、細いフライス１の外径７が次に太いフライス１の内径６に対して公差０．１ｍｍとなるように相互に調整された直径によって、最適に、相互に嵌め込み可能であり、したがって椎骨内のくり抜き部を拡張するために、これらのフライスを重ね合わせ及び／又は分割することができる。フライスはその異なるサイズを、異なる外径７でしか判別できないのではなく、耐熱性セラミックから成るカラーセラミックリング８の数の違いによっても判別することができる。リング状の凹部９及びシャフト２の近位側の端部ｂの長方形スリット１０は全てに共通しており、この凹部とスリットは、フライス１を対応する操作装置又は回転装置内に固定的に嵌め込むこと、操作装置又は回転装置との形状結合によってトルクを伝達することを可能にし、それにより内視鏡による脊柱外科手術における精密な作業を可能にする。

１ 正面フライス
２ シャフト
３ フライス歯部
４ 歯
４ａ 歯壁
４ｂ 移行縁
５ 溝
５ａ 溝底
６ 内径
７ 外径
８ セラミックリング
９ リング状の凹部
１０ 長方形のスリット
α 角度
ａ 遠位側の端部
ｂ 近位側の端部
Ｂ 長手軸

Claims (16)

1. 脊柱外科手術のため、特に頸椎柱の領域内で使用するための、円筒形のフライスシャフト（２）と前記フライスシャフトの遠位側端部（ａ）に形成されたフライス歯部（３）とを備える脊柱用のフライスにおいて、前記フライスシャフト（２）の遠位側端部（ａ）の前記フライス歯部（３）が、前記フライスシャフト（２）の壁内の溝によって形成されており、前記溝が、前記フライスシャフト（２）の外径から、遠位側の端部（ａ）に向かって深く且つ幅広になっていき、したがって前記溝の間に、遠位側端部に達するまで高さが増しながら幅が狭まっていく歯（４）が形成されていることを特徴とするフライス。
2. 少なくとも、前記フライスシャフト（２）の円筒形の壁の内周が、前記遠位側端部（ａ）で径方向平面内に存在することを特徴とする請求項１に記載のフライス。
3. 前記歯（４）の間を軸方向に延びる前記溝（５）が、遠位側端部（ａ）に向かって放物線状に拡張していることを特徴とする請求項１又は２に記載のフライス。
4. 前記歯（４）が、溝（５）と歯壁（４ａ）の間に、前記溝（５）の形状に対応する移行縁（４ｂ）を備えることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のフライス。
5. 前記溝（５）の溝底（５ａ）が、前記フライス（１）の長手軸（Ｂ）に対して少なくとも１３°〜１５°の角度（α）を有することを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のフライス。
6. 前記歯（４）の前端側で遠位側の切削縁が、径方向平面内に存在することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のフライス。
7. 前記外側の歯壁（４ａ）が、前記溝（５）の長さの半分までは軸に平行に延びており、前記フライス歯部（３）の切削縁が、遠位側端部（ａ）に向かって、前記フライス（１）の長手軸（Ｂ）に対して少なくとも３０°の角度（β）で延びていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のフライス。
8. 前記歯部（３）が、傾斜して延びる前記移行縁（４ｂ）において鋭い切削縁を備えることを特徴とする請求項７に記載のフライス。
9. 前記歯の側面（４ａ）が、前記溝（５）の長さの半分から先は、遠位側端部（ａ）に向かって尖っていることを特徴とする請求項７又は８に記載のフライス。
10. 異なるサイズのフライス（１）をより判別し易くするために、前記シャフト（２）が近位側端部（ｂ）寄りに少なくとも１つ又は複数のカラーのセラミックリング（８）を備えることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のフライス。
11. 前記シャフト（２）に、前記フライス（１）を操作装置又は回転装置内に固定するためのリング状の凹部（９）と、前記シャフト（２）の近位側端部（ｂ）における少なくとも２つの向かい合う長方形スリット（１０）とが形成されており、操作装置又は回転装置に対する形状結合によってトルクを前記フライス（１）に伝達できることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか一項に記載のフライス。
12. 前記歯（４）が軸に平行に延びることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のフライス。
13. 前記歯（４）の外縁が、前記フライスシャフト（２）の外径（７）上に存在することを特徴とする請求項１〜１２のいずれか一項に記載のフライス。
14. 前記歯壁（４ａ）の縁部が、軸に平行で、遠位側端部（ａ）に向かって尖っていることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか一項に記載のフライス。
15. 特に請求項１〜９のいずれか一項に記載の少なくとも３つのフライス（１）から成るフライスセットにおいて、
    第１のフライス（１）が、場合によっては公差を考慮した上で、最大でも次に大きなフライスの内径（６）に対応する外径（７）を有しており、したがって前記フライス（１）が、相互に嵌め込み可能であることを特徴とするフライスセット。
16. 最も細いフライス（１）が１ｍｍの内径（６）及び２ｍｍの外径（７）を有し、
    中間のフライス（１）が２．１ｍｍの内径（６）及び３．６ｍｍの外径（７）を有し、
    最も太いフライス（１）が３．７ｍｍの内径（６）及び４．７ｍｍの外径（７）を有することを特徴とする請求項１５に記載のフライスセット。

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