JP3160439B2 - アセチルグアニンの製造方法 - Google Patents

アセチルグアニンの製造方法

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JP3160439B2
JP3160439B2 JP24390293A JP24390293A JP3160439B2 JP 3160439 B2 JP3160439 B2 JP 3160439B2 JP 24390293 A JP24390293 A JP 24390293A JP 24390293 A JP24390293 A JP 24390293A JP 3160439 B2 JP3160439 B2 JP 3160439B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗ウイルス剤合成の中
間体として有用なN2 ,9−ジアセチルグアニン及びそ
の中間原料となるN2 −モノアセチルグアニンの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】アシクロ
ビル、ガンシクロビル等はよく知られたウイルス感染症
の治療薬である。これらの化合物を製造するための中間
体であるN2 ,9−ジアセチルグアニンは、従来満足す
べき合成法がなかった。例えば、グアニンを無水酢酸ま
たは酢酸−無水酢酸と長時間加熱還流する方法(特開昭
57−203086号公報、特開昭63−107981
号公報)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドまたはN−メチルピロリドン等の極性溶媒中で無水酢
酸と長時間加熱する方法(例えば、特開昭61−155
386号公報)が報告されている。
【0003】しかしながら、グアニンからN2 ,9−ジ
アセチルグアニンを製造するに際し、無水酢酸や酢酸−
無水酢酸混合物を使用すると、種々の困難が生ずる。ま
ず、原料であるグアニンが無水酢酸に難溶であるため、
酢酸を溶解補助剤として用いられるが、この酢酸の使用
量が多いと、中間体であるN2 −モノアセチルグアニン
が残り、N2 ,9−ジアセチルグアニンの収率が低下す
る。逆に、酢酸の量を減らすと原料であるグアニンが未
反応物として残り、収率が低下する。また、これらの方
法では、反応に長時間を要するうえ、生成したN2 ,9
−ジアセチルグアニンの収率が低く、つぎの工程の反応
で着色や収率低下の原因となるグアニンやモノアセチル
グアニンを多く含む。また、これらの方法で製造したN
2 ,9−ジアセチルグアニンは黄色から褐色に着色して
おり、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒で再結晶した
り、洗浄したりする必要がある。また、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン
等の極性溶媒を使用する方法では、これらの極性溶媒と
無水酢酸、酢酸の混合溶媒から効率的に分離回収するこ
とが容易でなく、工業的とは言い難い。
【0004】従って、本発明の目的は、高純度のN2
9−ジアセチルグアニンを簡易かつ高収率で工業的に有
利に製造することができる新規な方法を提供することに
ある。本発明の他の目的は、その中間原料となるN2
モノアセチルグアニンを簡易かつ高収率で工業的に有利
に製造することができる新規な方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N2 ,9
−ジアセチルグアニンの製造方法を種々検討したとこ
ろ、意外にも、グアニンを無水酢酸含有酢酸と共にオー
トクレーブ中で加熱することにより、短時間の反応で、
着色がほとんどなく、またグアニンをほとんど含まない
2 −モノアセチルグアニンを製造し得ることを見出し
た。さらに、こうして得られたN2 −モノアセチルグア
ニンを単離した後、または単離せずに反応液中の酢酸の
大部分を留去した後、無水酢酸とオートクレーブ中でま
たは常圧下に短時間加熱することにより、着色がほとん
どなく、グアニンもモノアセチルグアニンもほとんど含
まない高純度のN2 ,9−ジアセチルグアニンを製造し
得ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき
さらに研究を進めた結果完成するに至ったものである。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(1) グアニン
を無水酢酸を含む酢酸と共にオートクレーブ中で加熱溶
解撹拌することによりN2 −モノアセチルグアニンとし
(反応工程1)、次いで該N2−モノアセチルグアニン
および/またはその酢酸付加物を単離した後、または単
離せず反応液を濃縮した後、これらに無水酢酸を添加し
てオートクレーブ中でまたは常圧下に加熱すること(反
応工程2)を特徴とするN2 ,9−ジアセチルグアニン
の製造方法、(2) グアニンに対し、1〜10倍モル
の無水酢酸を2〜30%の無水酢酸含有酢酸溶液として
添加し、オートクレーブ中で140〜250℃に加熱す
ることを特徴とするN2 −モノアセチルグアニンの製造
方法、並びに(3) N2 −モノアセチルグアニンおよ
び/またはその溶媒和物に対し、無水酢酸が5〜50倍
モルとなるように0〜20%の酢酸を含む無水酢酸を添
加し、オートクレーブ中でまたは常圧下に、100〜2
00℃に加熱することを特徴とするN2 ,9−ジアセチ
ルグアニンの製造方法、に関する。
【0007】本発明は、グアニンとN2 −モノアセチル
グアニンの溶解性の相違に着目し、従来行われたことの
ない二段階アセチル化を行うことにより、原料であるグ
アニンも中間体であるN2 −モノアセチルグアニンもほ
とんど含まない高純度のN2,9−ジアセチルグアニン
を製造可能とするものである。そこで、グアニンからN
2 −モノアセチルグアニンに誘導する反応工程1とN2
−モノアセチルグアニンからN2 ,9−ジアセチルグア
ニンに誘導する反応工程2とに分けて説明する。
【0008】反応工程1:原料であるグアニンは、通常
の結晶性粉末をそのまま使用することができるが、微粉
砕処理を施したグアニンはさらに有利に用いることがで
きる。アセチル化剤としては、2〜30%の無水酢酸を
含む酢酸溶液が用いられる。グアニンは、無水酢酸には
難溶であるが、酢酸には多少溶解するためこの無水酢酸
含有酢酸溶液には反応条件下でよく溶解する。従って、
未反応のグアニンは生じ難い。アセチル化剤の使用量
は、無水酢酸の量として、グアニンに対し1〜10倍モ
ル、好ましくは2〜8倍モルである。無水酢酸の使用量
が1倍モルより少ないときは、未反応の原料が残るおそ
れがあるからである。また、10倍モルを越える多量の
無水酢酸の使用は不経済である。
【0009】この工程における特徴は、アセチル化反応
をオートクレーブ中において加圧下に高温で加熱しなが
ら行うことにある。オートクレーブ内の温度は、通常、
140〜250℃、好ましくは150〜200℃、より
好ましくは155〜165℃に制御する。高温になれ
ば、反応完了までの時間が短縮される。従って、反応時
間は反応温度に応じて最適時間が適宜選択される。必要
以上に反応時間を延長することは、分解物を生成し好ま
しくないからである。そこで、例えば、150〜200
℃の温度で反応させる場合は、通常30分〜6時間の範
囲で選択され、特に155〜165℃の温度で反応させ
る場合は、2〜4時間の反応時間が選ばれる。反応終了
液には、原料であるグアニンがほとんど存在しないう
え、長時間反応では避けられない分解産物による着色が
見られない。
【0010】反応工程1により生成したN2 −モノアセ
チルグアニンは、例えば以下のような処理によりフリー
体または酢酸付加物として単離することができる。すな
わち、反応工程1から得られる反応終了液を減圧下に加
熱濃縮し、酢酸の大部分を留去するとN2 −モノアセチ
ルグアニンの結晶が得られる。この結晶を濾取し乾燥す
るとN2 −モノアセチルグアニンの酢酸付加物が得られ
る。得られたN2 −モノアセチルグアニン酢酸付加物を
蒸留水と加熱した後、結晶を濾取乾燥するとN2 −モノ
アセチルグアニンが得られる。
【0011】本発明において使用されるオートクレーブ
装置は、常温常圧下ではもちろん、高温高圧下において
も化学反応等を行わせることができる密閉の耐圧装置で
あれば、特に限定されるものではない。通常、耐熱耐圧
性および耐薬品性のある材質、例えばクロム・ニッケル
・モリブデンの低合金鋼、これらの高合金鋼等で製造さ
れた槽あるいはグラスライニング加工されたステンレス
槽に、温度計、圧力計、安全弁等が装備されたものが用
いられ、静止式、内部撹拌式、振盪式、回転式等の種類
がある。加熱方式には、槽の外部を電熱、ガスバーナ
ー、過熱水蒸気等を用いる方法がある。本発明には、グ
ラスライニング加工されたステンレス槽で内部撹拌方式
のものが便宜に用いられるが、これに限定されるもので
はない。
【0012】本発明においては、オートクレーブ内を窒
素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで置換して反応を
行わせることが好ましい。これにより、生成物の分解等
による反応終了液の着色が抑制でき、反応生成物の単離
が容易となる効果が得られるからである。例えば、窒素
ガスを用いる場合、反応開始前にオートクレーブ内を窒
素ガスで0.1〜10気圧(ゲージ圧)に置換し、つい
で0〜2気圧(ゲージ圧)に減圧して反応を行わせる。
反応開始時に減圧にするのは、反応終了時に酢酸を含む
ガスの圧力を減少できるからである。
【0013】反応工程2:反応工程2の原料であるN2
−モノアセチルグアニンとしては、反応工程1で得られ
たN2 −モノアセチルグアニンを反応終了液からフリー
体および/または酢酸付加物として単離して用いてもよ
く、また単離せずに反応終了液から酢酸を通常、70〜
95%留去した濃縮液をそのまま用いることもできる。
反応工程2においては、反応溶液中の酢酸含量が20%
以下であれば反応が進行するので、原料として使用する
2 −モノアセチルグアニンは酢酸を含む状態でも使用
可能である。従って、反応工程2におけるアセチル化剤
としては、N2 −モノアセチルグアニンを単離せず濃縮
液をそのまま用いる場合には、無水酢酸をN2 −モノア
セチルグアニンに対して5〜50倍モル量、好ましくは
20〜40倍モル量を用いる。この際、反応液の酢酸濃
度は、20%以下になるように調整する。また、N2
モノアセチルグアニンを単離して反応工程2に使用する
場合は、0〜20%の酢酸を含む無水酢酸を単離したN
2 −モノアセチルグアニンに添加する。この場合の無水
酢酸の添加量は、上記の単離しない場合と同様である。
【0014】尚、反応工程2で用いる原料として、反応
工程1により得られた生成物を用いる態様を挙げて説明
したが、本発明においては、この態様に限定されるもの
ではない。即ち、本発明においては、反応工程1とは異
なる別の方法(例えば、Nucleic Acid Chem., , 13-1
5(1978))によって得られたN2 −モノアセチルグアニン
および/またはその溶媒和物を反応工程2の原料として
使用し上記と同様の条件で反応して目的のN2 ,9−ジ
アセチルグアニンを得ることができる。
【0015】反応は、100〜200℃、好ましくは1
30〜165℃で行う。無水酢酸の沸点以下で行うとき
は、常圧で還流装置を付加しまたは付加せずに行うこと
も可能である。オートクレーブ中で行うときは、適宜の
温度を選ぶことができる。オートクレーブの条件は、前
記のとおりである。反応時間は、短い程よく、反応温度
にもよるが、通常30分〜4時間、好ましくは60〜9
0分である。
【0016】反応工程1および反応工程2においては、
反応を促進するために、触媒を微量添加することが可能
である。かかる触媒としては、これらの反応を促進し得
るものであれば特に限定されるものではないが、例え
ば、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリ
ジン、ピリジン、またはトリエチルアミン等の塩基性触
媒、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、またはギ酸等の
酸性触媒、塩化アルミニウム、または三フッ化ホウ素エ
ーテラート等のルイス酸触媒等が挙げられる。中でも、
4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、リン
酸等が本発明において特に有利に用いられる。かかる触
媒の添加量は、触媒量で足り、通常、反応工程1では原
料グアニンに対し、0.1〜5%である。同様に反応工
程2ではN2 −モノアセチルグアニンに対し、0.1〜
5%である。
【0017】本発明方法により得られる、N2 ,9−ジ
アセチルグアニンを反応終了液から分離精製するには、
次のような簡単な操作を行なえば足りる。即ち、反応終
了液を約5℃に冷却し、析出する結晶を濾取し、無水酢
酸で洗浄した後、乾燥することにより、N2 ,9−ジア
セチルグアニンを白色の結晶として得る。なお、結晶分
離後の反応濾液は、酢酸を含む無水酢酸として、そのま
ま次回の反応に使用することができる。また、場合によ
っては、単蒸留を行い、無水酢酸濃度を調整した後、使
用してもよい。
【0018】
【実施例】
実施例1 グアニン30.2g(0.2モル)、無水酢酸82g
(0.8モル)および酢酸453g(15倍量)をオー
トクレーブに仕込み、窒素を3kg/cm2 (ゲージ
圧、以下同様)で2回置換したのち0.3kg/cm2
まで減圧し、160℃で3時間攪拌した。減圧下、酢酸
の70%を留去し酢酸を含むスラリー状のN2 −モノア
セチルグアニン154gを得た。このN2 −モノアセチ
ルグアニンにはグアニンが0.13%しか残存していな
かった。無水酢酸511g(5モル)を加え、132℃
で1時間攪拌した。反応終了液を5℃まで冷却し析出す
る結晶を濾取した後、無水酢酸30gで洗浄し、乾燥し
て、白色のN2 ,9−ジアセチルグアニン44.6gを
得た。 収率94.8%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0.06%、モノアセチルグアニン含有量は0.35%
であった。
【0019】実施例2 グアニン35g(0.232モル)、無水酢酸94.6
g(0.927モル)および酢酸525g(15倍量)
をオートクレーブに仕込み、窒素を3kg/cm2 で2
回置換した後0.3kg/cm2 まで減圧し、160℃
で3時間攪拌した。減圧下、酢酸の70%を留去して、
酢酸を含むスラリー状のN2 −モノアセチルグアニン1
93gを得た。このN2 −モノアセチルグアニンにはグ
アニンが0.7%しか残存していなかった。無水酢酸5
91g(5.79モル)を加え、132℃で1時間攪拌
した。反応終了液を5℃まで冷却し析出する結晶を濾取
した後、無水酢酸35gで洗浄し、乾燥すると、白色の
2 ,9−ジアセチルグアニン50.4gが得られた。 収率92.5%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0.5%、モノアセチルグアニン含有量は0.2%であ
った。
【0020】実施例3 グアニン35g(0.232モル)、無水酢酸94.6
g(0.927モル)および酢酸525g(15倍量)
をオートクレーブに仕込み、窒素を2kg/cm2 で2
回置換したのち0.3kg/cm2 まで減圧し、156
〜157℃で3時間攪拌した。減圧下、酢酸の85%を
留去し酢酸を含むスラリー状のN2 −モノアセチルグア
ニン115gを得た。このN2 −モノアセチルグアニン
にはグアニンが0.4%しか残存していなかった。無水
酢酸591g(5.79モル)を加え、132〜133
℃で1時間攪拌した。反応中、還流する酢酸190gを
留出させた。反応終了液を5℃まで冷却し析出する結晶
を濾取した後、無水酢酸35gで洗浄し、乾燥して、白
色のN2 ,9−ジアセチルグアニン53.2gを得た。 収率97.6%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0.31%、モノアセチルグアニン含有量は0.2%で
あった。
【0021】実施例4 グアニン30.2g(0.2モル)、無水酢酸82g
(0.8モル)、酢酸453g(15倍量)をオートク
レーブに仕込み、窒素を3kg/cm2 で2回置換した
後0.3kg/cm2 まで減圧し、158℃で2時間攪
拌した。減圧下、酢酸の70%を留去し酢酸を含むスラ
リー状のN2 −モノアセチルグアニン151gを得た。
このN2 −モノアセチルグアニンにはグアニンが1.2
%しか残存していなかった。無水酢酸511g(5モ
ル)、ジメチルアミノピリジン300mgを加えてオー
トクレーブに仕込み、窒素を3kg/cm2 で2回置換
し、0.5kg/cm2 まで減圧し、160℃で2時間
攪拌した。反応終了液を5℃に冷却し析出する結晶を濾
取した後、無水酢酸30gで洗浄し、乾燥すると白色の
2 ,9−ジアセチルグアニン45gが得られた。 収率96.0%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0.7%、モノアセチルグアニン含有量は0.72%で
あった。
【0022】実施例5 微粉砕グアニン40g(0.265モル)、無水酢酸1
08g(1.059モル)と酢酸400g(10倍量)
をオートクレーブに仕込み、窒素を3kg/cm2 で2
回置換した後0.5kg/cm2 まで減圧し、160℃
で2時間攪拌した。酢酸を減圧下に留去し、酢酸を含む
スラリー状のN2 −モノアセチルグアニン214gを得
た。このN2 −モノアセチルグアニンにはグアニンが残
存していなかった。無水酢酸500g(4.9モル)を
加え、132℃で1時間攪拌した。反応終了液を5℃に
冷却し析出する結晶を濾取した後、無水酢酸40gで結
晶を洗浄し、乾燥することにより、白色のN2 ,9−ジ
アセチルグアニン59.8gを得た。 収率96%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0.1%以下、モノアセチルグアニン含有量は0.1%
であった。
【0023】実施例6 微粉砕グアニン40g(0.265モル)、無水酢酸1
08g(1.059モル)、酢酸400g(10倍量)
とリン酸200mgをオートクレーブに仕込み、窒素を
3kg/cm2 で2回置換した後0.5kg/cm2
で減圧し、160℃で2時間攪拌した。酢酸を減圧下に
留去し、酢酸を含むスラリー状のN2 −モノアセチルグ
アニン209.6gを得た。このN2 −モノアセチルグ
アニンにはグアニンが残存していなかった。無水酢酸5
00g(4.9モル)を加え、132℃で1時間攪拌し
た。反応終了液を5℃に冷却し析出する結晶を濾取した
後、無水酢酸40gで結晶を洗浄し、乾燥することによ
り、白色のN2 ,9−ジアセチルグアニン60gを得
た。 収率96.4%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0.1%以下、モノアセチルグアニン含有量は0.18
%であった。
【0024】実施例7 グアニン10g(66ミリモル)、無水酢酸13.5g
(0.132モル)と酢酸400g(40倍量)をオー
トクレーブに仕込み、窒素を3kg/cm2 で2回置換
した後0.5kg/cm2 まで減圧し、160℃で2時
間攪拌した。酢酸を減圧下に留去し、酢酸を含むスラリ
ーを濾過、乾燥することによりN2 −モノアセチルグア
ニンの酢酸付加物16gを得た。このN2 −モノアセチ
ルグアニンにはグアニンは残存していなかった。N2
モノアセチルグアニン酢酸付加物を水−エタノールより
再結晶すると、分解点260℃を示すN2 −モノアセチ
ルグアニンを得た。 収率95.6% HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0%であった。
【0025】実施例8 実施例7で得られたN2 −モノアセチルグアニン酢酸付
加物9.8g(38.7ミリモル)と無水酢酸124g
(1.2モル)を132℃で1時間攪拌した。反応終了
液を5℃に冷却し析出する結晶を濾取した後、無水酢酸
10gで結晶を洗浄し、乾燥することにより、白色のN
2 ,9−ジアセチルグアニン9.65gを得た。 収率94.4%、融点271℃(分解) HPLC法で測定したところ、本品のグアニン含有量は
0%、モノアセチルグアニン含有量は0.18%であっ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、原料のグア
ニンを容易に溶解させることができ、しかも二段階でア
セチル化を行うため、N2 ,9−ジアセチルグアニンを
高純度かつ高収率で製造することができ、また、その精
製も極めて簡易である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアニンを無水酢酸含有酢酸と共にオー
    トクレーブ中で加熱溶解撹拌することによりN2 −モノ
    アセチルグアニンとし(反応工程1)、次いで該N2
    モノアセチルグアニンおよび/またはその酢酸付加物を
    単離した後、または単離せず反応液を濃縮した後、これ
    らに無水酢酸を添加してオートクレーブ中でまたは常圧
    下に加熱すること(反応工程2)を特徴とするN2 ,9
    −ジアセチルグアニンの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応工程1において、グアニンに対し無
    水酢酸の量が1〜10倍モルとなるように2〜30%の
    無水酢酸を含む酢酸を添加し、オートクレーブ中で14
    0〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応工程2において、反応工程1で得ら
    れたN2 −モノアセチルグアニンを含む酢酸溶液から7
    0〜95%の酢酸を留去して濃縮した後、酢酸の含有量
    が20%以下となるようにN2 −モノアセチルグアニン
    に対し10〜50倍モルの無水酢酸を添加し、オートク
    レーブ中でまたは常圧下に100〜200℃において加
    熱することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応工程2において、反応液からN2
    モノアセチルグアニンおよび/またはその酢酸付加物を
    いったん単離し、次いでN2 −モノアセチルグアニンに
    対し無水酢酸が5〜50倍モルとなるように0〜20%
    の酢酸を含む無水酢酸を添加し、オートクレーブ中でま
    たは常圧下に100〜200℃に加熱することを特徴と
    する請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応工程1および/または反応工程2に
    おいて、反応系に4−ジメチルアミノピリジン、4−ピ
    ロリジノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン等の塩
    基性触媒、硫酸、燐酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸等の酸
    性触媒、または塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素エー
    テラート等のルイス酸触媒を触媒量添加することを特徴
    とする請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応前にオートクレーブ内を不活性ガス
    で0.1〜10気圧(ゲージ圧)に置換した後、0〜2
    気圧に減圧し、ついでオートクレーブ内を所定の温度ま
    で加熱して反応を行わせることを特徴とする請求項1〜
    5いずれか記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 グアニンに対し、1〜10倍モルの無水
    酢酸を2〜30%の無水酢酸含有酢酸溶液として添加
    し、オートクレーブ中で140〜250℃に加熱するこ
    とを特徴とするN2 −モノアセチルグアニンの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 N2 −モノアセチルグアニンおよび/ま
    たはその溶媒和物に対し、無水酢酸が5〜50倍モルと
    なるように0〜20%の酢酸を含む無水酢酸を添加し、
    オートクレーブ中でまたは常圧下に、100〜200℃
    に加熱することを特徴とするN2 ,9−ジアセチルグア
    ニンの製造方法。
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