JP3159227B2 - 採液検査装置 - Google Patents

採液検査装置

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JP3159227B2 JP35919792A JP35919792A JP3159227B2 JP 3159227 B2 JP3159227 B2 JP 3159227B2 JP 35919792 A JP35919792 A JP 35919792A JP 35919792 A JP35919792 A JP 35919792A JP 3159227 B2 JP3159227 B2 JP 3159227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は尿等の被検査液を採取す
採液装置を使用した採液検査装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療分野や化学分野等におい
ては、例えば、尿等の被検査液を採取して種々の検査が
行われている。例えば、尿の場合には、採取した尿を種
々の抗体等と反応させることにより、糖検査,タンパク
質検査,排卵検査及び妊娠診断検査等が行われている。
特に、この尿検査の場合、その採尿行為は、採尿器や紙
コップ等を採尿者が持ち、その内部へ放尿することによ
り成されるのが、一般的であった。このため、検査の種
類によっては、定量を紙コップから移しかえる手間がか
かったり、採尿時に手を汚す場合もあり、簡単で清潔に
採尿を行うことが難しかった。
【0003】このような不具合を解消すべく、特開昭6
3−293439号公報に図4に示されているような採
液装置が提案されている。図示されているように、この
採液装置は、押圧面1aをその先端に有する握り棒1
と、この押圧面1aに装着された液吸収部材2とを備え
てなるものであり、この採液装置を使用した採液作業は
以下のように成されていた。
【0004】即ち、採尿作業の場合には、採尿者が上記
握り棒1を握り、上記液吸収部材2へ向けて放尿するこ
とにより、この液吸収部材2に尿を含浸させて採尿して
いた。また、この採液装置により採取した尿は、上記押
圧面1aにより液吸収部材2を容器壁面等に押付け、こ
の液吸収部材2を絞ることによって容器等に回収されて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の採液
装置にあっては、尿等の被検査液を上記液吸収部材2に
含浸させることにより採取していたので、採液者等はそ
の含浸量が適量であるか否かを視認することができず、
被検査液の定量的な採取は困難であるという問題があっ
た。従って、採液量が少ないと再検査しなければならな
かった。
【0006】また、採取した被検査液は上記液吸収部材
2に含浸させているだけであるので、この液吸収部材2
から被検査液が滴下する慮れがあり、非衛生であるとい
う問題があった。
【0007】さらに、上記握り棒1の長さを長くする
程、尿等の被検査液に触れる危険性は少ないが、その長
さを長くすると、持ち運びや収納に不便であるという問
題があった。
【0008】そして、上記握り棒1の先端に位置された
押圧面1aで液吸収部材2を絞ることによって採取した
被検査液を回収するので、この液吸収部材2の吸収力が
次第に低下し、消毒しても繰り返し使用に耐えないとい
う問題があった。
【0009】また、上記特開昭63−293439号公
報によれば、従来の採液装置により採取した被検査液を
回収する装置については提案されているが、この採液装
置を使用するのに適した採液検査装置については何等創
案されていなかった。
【0010】本発明の目的は、上記課題に鑑み、被検査
液の定量的な採取を衛生的に行うことができ、且つ、持
ち運びや収納に便利で、必要に応じて繰り返し使用する
ことができる採液装置を好適に使用でき検査作業性に優
れた採液検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、採取した被検査液を収容するための有底
筒体状のシリンダと、このシリンダ内にその軸方向に沿
って往復移動自在に設けられたピストンとを有し、上記
シリンダの側壁には被検査液をその内部へ導入するため
の採液開口部がシリンダ底部から所定の距離を隔てて形
成されており、この底部近傍にはシリンダ内に収容され
た採液を上記ピストンにより排出するための採液排出口
が形成されている採液装置と、被処理液を採取する上記
採液装置を挿入して支持するための筒体状の収納部と、
上記採液装置から排出される被検査液を収容する自立可
能な容器部とを有し、この容器部内に被検査液の検査を
うための判定部材が設けられている、採液検査装置
より、達成される。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、上記シリンダの底部に採取した被検査液を含浸する
ための採液吸収体が装入されていることを特徴とする
【0013】請求項3の発明は、請求項1の構成におい
て、上記採液排出口には開閉手段が設けられていること
を特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、上記採液開口部は、上記シリン
ダの円筒状側壁の軸方向中間部に半割状の長孔を開口し
て形成されていることを特徴とする
【0015】請求項5の発明は、請求項3の構成におい
て、上記容器部の底部に被検査液を含浸するための液吸
収体が装入されていることを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1の構成によれば、採液検査装置の採液
装置は、採取した被検査液を収容するための有底筒体状
のシリンダと、このシリンダ内にその軸方向に沿って往
復移動自在に設けられたピストンとから成っている。従
って、有底筒体状のシリンダ内でピストンがその内容積
を変化させるように往復移動するものである。
【0017】また、上記シリンダの側壁には、被検査液
をその内部へ導入するための採液開口部が形成されてい
る。この採液開口部は、上記シリンダの底部から所定の
距離を隔てて形成されている。即ち、上記ピストンによ
って、上記採液開口部は開閉されることになる。
【0018】従って、例えば、この採液装置により採尿
を行う場合には、上記ピストンを後退させて上記採液開
口部を開放し、このピストンの延出部を採尿者が持って
上記シリンダの底部を斜め下方へ向け、このシリンダの
採液開口部へ向けて放尿すれ ば、この採液開口部からシ
リンダ内へ尿が導入されることになる。シリンダ内へ導
入された尿は、上記採液開口部が上記シリンダの底部か
ら所定の距離を隔てて形成されているので、当該シリン
ダの底部から所定の距離までの側壁に区画された部分に
所定量残溜することになる。
【0019】さらに、上記シリンダの底部の近傍には、
シリンダ内に収容された被検査液を上記ピストンにより
排出するための採液排出口が形成されている。従って、
上記ピストンをシリンダの底部へ向けて進出させれば、
上記採液排出口から被検査液が押し出されるものであ
る。
【0020】そして、請求項1の採液検査装置はさら
に、被処理液を採取する採液装置を挿入して支持するた
めの筒体状の収納部と、上記採液装置から排出される被
検査液を収容する自立可能な容器部とを有している。
って、上記採液装置を収納部に挿入して、自立させて、
上記ピストンをシリンダの底部へ向けて進出させれば、
上記採液排出口から容器部内へ被検査液が押し出され収
容されるものである。
【0021】また、上記容器部内には、被検査液の検査
を行うための判定部材が設けられているので、容器部内
に収容された採液はこの判定部材と接触して所定の検査
がなされることになる。
【0022】請求項2の構成によれば、上記シリンダの
底部に採取した被検査液を含浸するための採液吸収体を
装入すれば、この採液吸収体が上記シリンダ内に所定量
残溜した被検査液を含浸して保持するので、上記採液排
出口の口径を小さくしたり、この採液排出口に蓋体等を
装着する必要がない。
【0023】請求項3の構成によれば、上記採液排出口
に開閉手段を設ければ、この開閉手段は、実施例によれ
ば、例えば採液排出口に設けられる薄膜や、蓋体,栓も
しくは弁体であり、これらが採液排出口からの被検査液
の流出を防止するので、上記 採液吸収体も不要である。
また、上記シリンダ内の採液を排出する場合には、上記
ピストンの押圧力により例えば開閉手段である上記薄膜
を貫けば、上記採液排出口は開放されるので、被検査液
の排出が可能になる。
【0024】請求項4の構成によれば、採液の際に、使
用者がシリンダを斜めに保持するだけで、例えば尿等の
採液を外部にこぼすことなく、シリンダの円筒状側壁の
軸方向中間部に半割状の長孔内に簡単に放出することが
できる。 請求項5の構成によれば、上記容器部の底部に
被検査液を含浸するための液吸収体を装入すれば、この
液吸収体が被検査液を含浸して保持するので、安定した
検査が行われ、長時間を要する検査に適するものであ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明に係る採液装置及び採液検査装
置の好適な実施例を詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0026】図1は、本発明に係る採液装置及び採液検
査装置の一実施例の外観を示すものである。本実施例
は、これら採液装置10及び採液検査装置20を組み合
わせて使用するという観点から説明するが、これらはそ
れぞれ独自に使用するができるものである。
【0027】図2は、本実施例の採液装置の側断面図で
ある。図示されているように、本実施例の採液装置10
は、採取した尿等の被検査液を収容するためのシリンダ
11と、このシリンダ11内に設けられたピストン12
とから主に構成されている。上記シリンダ11は、例え
ば、プラスチックス等により有底円筒体状に成形されて
いる。このシリンダ11の円筒状の側壁11aには、被
検査液をその内部へ導入するための採液開口部13が形
成されている。この採液開口部13は、本実施例では、
上記シリンダ11の円筒状側壁11aの軸方向中間部に
半割状の長孔を開口するように形成されている。そし
て、この採液開口部13の上記シリンダ11の底部11
b側の縁部(以下、「下縁部」という。)13aは、曲
率を有するように加工されている。この採液開口部13
の下縁部13aは、上記シリンダ11の底部11bから
所定の距離Sを隔てて位置されている。
【0028】また、上記シリンダ11の底部11bに
は、このシリンダ11内に収容された被検査液を排出す
るための採液排出口14が形成されている。具体的に
は、上記シリンダ11内に採取された被検査液は、上記
ピストン12がその底部11b側へ進出されることによ
り、上記採液排出口14から排出される。この採液排出
口14は、上記シリンダ11の底部11aから突出した
ノズルとして形成されており、このノズル14には、例
えば、必要に応じてキャップ等の蓋体(図示せず)が装
着されるように成っている。尚、この採液排出口14
は、シリンダ11の底部11bに限らず、その近傍に設
けられればよい。例えば、シリンダ11の下部におい
て、横方向へ開口するように構成することも可能であ
る。
【0029】一方、上記ピストン12は、上記シリンダ
11内にその軸方向に沿って往復移動自在に設けられて
いる。このピストン12は、例えば、プラスチックス等
により中空円柱状に成形されている。具体的には、この
ピストン12の上記シリンダ11内に挿入される部分は
ピストンロッド12aとして形成され、そのシリンダ1
1から延出される部分は握り部12bとして形成されて
いる。
【0030】従って、上記ピストンロッド12aの外径
dは、上記シリンダ11の内径Dと同径又はこれよりわ
ずかに小径に形成されている。このピストンロッド12
aの外径dをシリンダ11の内径Dよりも小径に形成す
る場合には、このピストンロッド12aの外周部にOリ
ング等を取り付ける。また、上記ピストンロッド12a
と握り部12bとの境界部には、円板状の鍔部12cが
形成されている。さらに、上記ピストンロッド12aの
先端部近傍の外周部には、このピストンロッド12aが
シリンダ11内から抜け出るのを防止するための突起部
12dが形成されている。従って、上記シリンダ11の
上端内縁部には、この突起部12dに係合する掛け部
(図示せず)が形成されている。
【0031】また、上記シリンダ11の底部11bに
は、上記採液開口部13より採取した被検査液を含浸す
るための円柱状の採液吸収体15が装入されている。こ
の採液吸収体15には、例えば、スポンジや海綿等の多
孔質柔軟材料、又は、綿や布等の保湿性を有する材料等
を採用する。尚、上記シリンダ11を透明のプラスチッ
クス等により成形すれば、その内部に収容された被検査
液を視認することができる。
【0032】次に、図3は、本実施例の採液検査装置の
側断面図である。図示されているように、本実施例の採
液検査装置20は、上記採液装置10を挿入して支持す
るための収納部21と、この収納部21を保持すると共
に上記採液装置10から排出される被検査液を収容する
容器部22とから成っている。
【0033】上記収納部21は、例えば、プラスチック
ス等により円筒体状に成形されている。この収納部21
の内径rは、上記採液装置10のシリンダ11の外径R
と同径又はこれよりわずかに大径に形成されている。こ
の収納部21の上記容器部22側の端部内には、上記シ
リンダ11の底部11bを載置するためのリング状の受
け部21aが形成されている。この受け部21aに形成
された挿通孔21b内には、上記シリンダ11の底部1
1aから突出した採液排出口14が挿通されるように成
っている。従って、この挿通孔21bの内径wは、上記
採液排出口14の外径Wよりも大径に形成されている。
【0034】また、上記容器部22は、例えば、プラス
チックス等によりドーム状に成形されており、上側容器
部22aと下側容器部22bとから成っている。これら
上側容器部22aと下側容器部22bとは分割自在に形
成されており、上側容器部22aは上記収納部21と一
体成形されている。一方、下側容器部22bの底部22
cはその径方向に張り出しており、当該採液検査装置2
0を自立させるように成っている。
【0035】さらに、上記収納部21の下端部には、こ
の収納部21の内径と同径の貫通孔23aを有するキャ
ップ23が装着されている。このキャップ23は、上記
貫通孔23aを閉塞するように金コロイド24を介して
上記収納部21の下端部に装着される。尚、この金コロ
イド24は例えば多孔質等に形成され、採液が通過でき
るようになっている。
【0036】そして、上記容器部22の底部22cに
は、被検査液を含浸するための円柱状の液吸収体25が
装入されている。この液吸収体25には、上記シリンダ
11内に装入された上記採液吸収体15と同様に、例え
ば、スポンジや海綿等の多孔質柔軟材料、又は、綿や布
等の保湿性を有する材料等を採用する。
【0037】また、この液吸収体25上には、被検査液
の検査を行うための判定部材として判定プレート26が
設けられている。即ち、この判定プレート26は、上記
キャップ23と液吸収体25との間に挟持されている。
そして、この判定プレート26には、所望の検査に対応
した抗体等が設けられている。尚、判定プレート26の
抗体等が被処理液と反応を起こし、色変化等の視認でき
る変化を生じる場合には、少なくとも上記容器部22を
無色透明のプラスチックス等により成形することが望ま
しい。
【0038】次に、上記実施例における作用を、その採
液作業及び検査作業を説明しながら述べる。本実施例の
採液装置10は、採取した尿等の被検査液を収容するた
めの有底筒体状のシリンダ11内でピストン12のピス
トンロッド12aがその内容積を変化させるように往復
移動する。即ち、この採液装置10により被検査液を採
取する場合には上記シリンダ11内からピストンロッド
12aを後退させ、不使用時或いは上記シリンダ11内
に収容した被検査液を排出する場合にはこのシリンダ1
1内へピストンロッド12aを進出させるものである。
従って、ピストンロッド12aをシリンダ11内に収納
すれば、この採液装置10の全長が縮小されるので、そ
の持ち運びや収納に便利である。
【0039】また、上記シリンダ11の側壁11aには
被検査液をその内部へ導入するための採液開口部13が
形成されており、この採液開口部13の下縁部13aは
上記シリンダ11の底部11bから所定の距離Sを隔て
て形成されている。そして、この採液開口部13は、上
記シリンダ11内を往復移動するピストン12によって
開閉されることになる。
【0040】従って、本実施例の採液装置10により、
例えば、採尿作業を行う場合には、先ず、採尿者が上記
ピストン12の握り部12bを引っ張って、上記シリン
ダ11内からピストンロッド12aを後退させ、上記採
液開口部13を開放すると共に当該採液装置10の全長
を拡大する。次に、採尿者がピストン12の握り部12
bを持って上記シリンダ11の底部11bを斜め下方へ
向け、このシリンダ11の採液開口部13を手前へ向け
て、この採液開口部13へ目掛けて放尿する。すると、
この採液開口部13からシリンダ11内へ尿が導入され
ることになる。その際、この採液開口部13の下縁部1
3aが曲率を有するように形成されているので、上記シ
リンダ11が傾斜していても、この採液開口部13へ目
がけて放尿し易い。また、本実施例の採液装置10の全
長は拡大されており、採尿者はこの採液開口部13から
離れたピストン12の握り部12bを持つので、手が尿
で汚れることなく、極めて衛生的に採尿作業を行うこと
ができる。特に、採尿者が女性である場合には、採尿作
業を極めて容易に行うことができる。
【0041】このようにシリンダ11内へ導入された尿
は、上記採液開口部13の下縁部13aが上記シリンダ
11の底部11bから所定の距離Sを隔てて形成されて
いるので、この底部11bから所定の距離Sまでの側壁
11aに区画された部分に所定量残溜することになる。
即ち、上記採液開口部13から尿が溢れ出すまでシリン
ダ11内に放尿を続ければ、このシリンダ11内には尿
が所定量残溜するので、尿を定量的に簡単に採取するこ
とができるものである。
【0042】また、上記シリンダ11の底部11bに採
取した被検査液を含浸するための採液吸収体15を装入
しておけば、この採液吸収体15が上記シリンダ11内
に所定量残溜した尿を含浸して保持するので、上記シリ
ンダ11の底部11bに形成する採液排出口14の口径
を必要以上に小さくしたり、この採液排出口14に蓋体
等を装着する必要がない。そして、この採液吸収体15
を交換するだけで、他のシリンダ11やピストン12は
プラスチックス等により成形されているので、これらは
消毒することにより、繰り返し使用することができる。
従って、特に消毒使用が可能な医療機関等での採液作業
に適するものである。
【0043】このように採尿作業が完了すると、上記ピ
ストン12のピストンロッド12aを上記採液開口部1
3の下縁部13aまで進出させれば、この採液開口部1
3を閉成することができ、検査場所が離れている場合、
採尿後の持ち運びに便利である。尚、この採液開口部1
3を閉成した状態で、トイレットペーパ等で上記シリン
ダ11の周囲を拭き取れば、持ち運びに際して尿が滴下
する慮れもなく衛生的である。
【0044】この採液作業の終了後、本実施例の採液検
査装置20による検査作業に移行する。本実施例の採液
検査装置20は、上記採液装置10を挿入して支持する
ための筒体状の収納部21と、この収納部21を保持さ
せると共に上記採液装置10から排出される被検査液を
収容する容器部22とから成っている。従って、この検
査作業に際して、先ず、上記採液装置10を上記採液検
査装置20の収納部21内へ挿入する。即ち、この実施
例では、採液装置10は、被検査液を排出するための採
液排出口14を容器部22内へ向けて起立されるように
構成されている。この場合、上記収納部21の受け部2
1aに形成された挿通孔21b内に、この採液排出口1
4を挿通させる。そして、上記ピストン12のピストン
ロッド12bを上記シリンダ11の底部11bへ向けて
進出させれば、上記採液排出口14から尿が押し出され
るものである。この採液排出口14から排出された尿
は、上記採液検査装置20の容器部22内に収容される
ことになる。
【0045】上記容器部22内には、被検査液の検査を
行うための判定プレート26が設けられているので、こ
の容器部22内に収容された尿はこの判定プレート26
と接触して所定の検査がなされることになる。即ち、こ
の判定プレート26に設けられた抗体等に対応した所望
の検査がなされるものである。また、上記容器部22は
上部容器部22aと下部容器部22bとに分割自在に形
成されているので、判定プレート26に設ける抗体等を
換えることにより、糖検査,タンパク質検査,排卵検査
及び妊娠診断検査等の各種検査を行うことができる。特
に、上記採液装置10が女性の採尿作業を極めて容易に
するため、本実施例の採液検査装置20も排卵検査及び
妊娠診断検査に適するものである。
【0046】また、本実施例にあっては、上記容器部2
2の底部22aに被検査液を含浸するための採液吸収体
25が装入されているので、この採液吸収体25が尿を
含浸して保持するので、安定した検査を行うことがで
き、又、長時間を要する検査に適するものである。
【0047】このように本実施例の採液検査装置20
は、上記採液装置10を使用するのに適し、且つ、この
採液装置10を起立させて検査を行うことができる自立
型の装置であるので、検査作業性に極めて優れている。
従って、上記採液装置10及び採液検査装置20を組み
合わせれば、素人でも容易に検査作業を行うことができ
るので、特に家庭内検査に適するものである。また、各
装置10,20を別個に使用しても、その採液作業及び
検査作業を簡単かつ衛生的に行うことができる。
【0048】次に、本発明に係る採液装置の変形実施例
について説明する。この変形実施例は、上記シリンダ1
1の底部11aに採液吸収体15を装入しない場合や、
上記採液排出口14に蓋体を装着しない場合に採用する
ものである。このような場合には、上記シリンダ11の
採液排出口14にこの排出口14を必要により開く手段
としての開閉手段の一例として薄膜(図示せず)が張設
される。この薄膜は、例えば、プラスチックス膜等から
成り、上記シリンダ11と共に一体成形される。即ち、
この薄膜を設ける場合には、この薄膜が上記シリンダ1
1の底部11bと成り、これが上記ピストン12の押圧
力により貫通されると、上記採液排出口14と成るもの
である。
【0049】即ち、上記採液排出口14に薄膜を張設す
れば、この薄膜が採液排出口14からの被検査液の流出
を防止するので、上記採液吸収体15が不要である。一
方、上記シリンダ内11内に収容した被検査液を排出す
る場合には、上記ピストン12のピストンロッド12a
の押圧力により上記薄膜を貫けば、上記採液排出口14
は開放されるので、被検査液の排出を行うことができる
ものである。
【0050】この変形実施例においても、上記実施例と
同様の作用効果を奏するが、本変形実施例の場合には上
記薄膜が破損するので、繰り返し使用には適さない。し
かし、消毒設備を備えた医療機関等を除き、衛生上の観
点から検査器具は使い捨てされる場合が多いので、何等
問題ないものである。
【0051】尚、採液排出口14の開閉手段としては、
上記薄膜に限らず、手動により開閉できる栓や、弁体等
を採用してもよい。また、容器部22は実施例のよう
に、収納部21を直立状態で起立させるものの他、これ
を斜めに起立させるようにしてもよく、また、横方向か
ら収納部21を差し込んだ状態で、この収容部21自体
が水平に自立するような構造を採用することができるも
のである。このように、容器部22は、収納部21との
関係で、この収納部21内の採液を受容できる構成であ
ればよい。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る採液検
査装置によれば、採液装置を使用するのに適し、これを
組み合わせて、総合的に検査作業性を向上させることが
でき、定量的な採液を衛生的に行うことができ、且つ、
伸縮自在であるので持ち運びや収納に便利で検査時に自
立させることができるので、検査がし易く、消毒設備を
備えた医療機関等の必要に応じて繰り返し使用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る採液検査装置の一実施例の外観を
示す斜視図。
【図2】本実施例の採液装置を示す側断面図。
【図3】本実施例の採液検査装置を示し、採液装置を挿
入・支持した状態の側断面図。
【図4】従来の採液装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
10 採液装置 11 シリンダ 11a シリンダの底部 12 ピストン 13 採液開口部 14 採液排出口 S 所定の距離 20 採液検査装置 21 収納部 22 容器部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢作 一郎 東京都千代田区神田富山町5番地1 ピ ジョン株式会社内 (72)発明者 荒谷 義光 東京都千代田区神田富山町5番地1 ピ ジョン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−122263(JP,A) 特開 昭63−293440(JP,A) 特開 平3−128461(JP,A) 特開 昭62−273456(JP,A) 実開 平4−134068(JP,U) 実開 昭60−19400(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/98

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採取した被検査液を収容するための有底
    筒体状のシリンダと、このシリンダ内にその軸方向に沿
    って往復移動自在に設けられたピストンとを有し、上記
    シリンダの側壁には被検査液をその内部へ導入するため
    の採液開口部がシリンダ底部から所定の距離を隔てて形
    成されており、この底部近傍にはシリンダ内に収容され
    た採液を上記ピストンにより排出するための採液排出口
    が形成されている採液装置と、 被処理液を採取する上記採液装置を挿入して支持するた
    めの筒体状の収納部と、上記採液装置から排出される被
    検査液を収容する自立可能な容器部とを有し、この容器
    部内に被検査液の検査を行うための判定部材が設けられ
    ている ことを特徴とする、採液検査装置。
  2. 【請求項2】 上記シリンダの底部に採取した被検査液
    を含浸するための採液吸収体が装入されていることを特
    徴とする、請求項1に記載の採液検査装置。
  3. 【請求項3】 上記採液排出口には開閉手段が設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1に記載の採液検査装
    置。
  4. 【請求項4】 上記採液開口部は、上記シリンダの円筒
    状側壁の軸方向中間部に半割状の長孔を開口して形成さ
    れていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の採液検査装置。
  5. 【請求項5】 上記容器部の底部に被検査液を含浸する
    ための液吸収体が装入されていることを特徴とする、請
    求項3に記載の採液検査装置。
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