JP3159176U - 分級ロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体を粒径により微粉と粗粉とに分級する遠心式気流分級機の耐摩耗性及び保守性に優れた遠心式気流分級機の分級ロータを提供する。【解決手段】微粉排出口を有する上部円板と、上部円板と所定の間隔をもって上下平行に設けられた下部円板との間に複数のブレードを外周面に沿って放射状に挟持させる。上部円板及び下部円板の外周部近傍にブレードの端部形状に合わせた凹状の保持溝を形成させてブレードを保持する。上部円板及び下部円板を所定の間隔を保持して回転軸に軸方向に分割された二つの軸ボスにそれぞれ取り付けると共に、これら軸ボスの一方を間隔が拡大する側に移動可能とし、ブレードを上部円板及び下部円板から着脱可能に構成する。【選択図】図1

Description

本考案は、粉体を微粉と粗粉に分別する遠心式気流分級機に用いる分級ロータに関するものである。更に詳しくは、耐摩耗性及び保守性に優れた分級ロータに関するものである。
従来から、粉体を微粉と粗粉に分別する分級手段として、中心軸周りに回転する円筒状の分級ロータによって粉体に遠心力を付与し、分級ロータの半径方向外側から内側に向けて気体を流し、微粉のみを気体と共に分級ロータ内部に搬送し、粗粉を分級ロータ外部へと排出して分別するようにした遠心式気流分級機が、回転速度を調節することによって所望の粒子径で分級選別できることから、様々な製造分野で使用されている。
このような遠心式気流分級機に用いられる分級ロータは、所定の間隔をもって平行に設けられた2枚の円板の間に、分級羽根として多数のブレードを放射状かつ等間隔に挟持させた構造にしたものが一般的である。
高速回転する分級ロータは、粉体との激しい接触や衝突が頻繁に起こるため、取り扱う粉体によっては分級ロータの外周部、殊にブレードに激しい磨耗が生じる。
このため、分級ロータには通常、ステンレス鋼などの鋼材が用いられるが、更なる耐磨耗仕様の分級ロータとして、セラミックス製のブレードを上部円板と下部円板にねじ止めしたものが知られている(特許文献1)。また、セラミックスや超硬合金等の焼結金属材料を一体成形して作られた分級ロータも知られている(特許文献2)。しかし、この種の分級ロータでは、製造面および強度面からブレード部分が厚くなることが避けられず、分級ロータとして開口面積、すなわち通気面積が減少することで分級効率が低下する。また、特許文献2の場合、比較的小さなものは別として、大きな分級ロータを作ることはできなかった。
一方、この課題を解決するものとして、超硬合金製のブレードを除く分級ロータの本体部分に硬質材を適宜溶射した分級ロータが知られている(特許文献3)。また、超硬合金又はセラミックスで形成されたブレードを樹脂製のスリット板に挟み込んで保持固定させた分級ロータも知られている(特許文献4)。
しかし、特許文献3の第1実施形態に係る分級ロータは、ブレードを蝋付けで固定しているため、ブレードの一部が磨耗しただけで、分級ロータを取り外してから新しいブレードを蝋付けして補修をするか、分級ロータ全体を交換せざるを得ない。この点、特許文献3の第二実施形態及び特許文献4の分級ロータであれば、ブレードのみの交換が可能である。しかし、これらの分級ロータでは分級ロータ内部に支柱を必要とする構造のため、この支柱によって分級ロータ内部で気流に乱れが生じて分級精度が低下する。
更に、特許文献4の分級ロータは、ブレード及び上部円板と下部円板のスリット板の耐磨耗性こそ考慮されているものの、分級ロータの外周面などの耐摩耗性は考慮されていない。また、特許文献3の分級ロータは、ブレード以外の本体部分に硬質剤を適宜溶射することで耐磨耗性にも対応可能となっているものの、溶射部分が磨耗した場合には、上述のようにブレードを含めた分級ロータ全体を取り外してから補修するか、摩耗箇所または摩耗の程度によっては分級ロータ全体を交換せざるを得ない。
特開昭61−212370号公報 特開平6−55140号公報 特開2002−126650号公報 実用新案登録第3103835号公報
本考案は、上記課題を鑑み、内部に支柱を設けることなく、耐摩耗性に優れ、かつブレードが摩耗又は破損した際にも容易に交換ができ、ブレード以外の部分が破損した場合であっても低コストで補修ができる保守性に優れた分級ロータを供することにある。
本考案の第1の特徴は、微粉流出口を有する上部円板と、該上部円板と所定の間隔をもって上下平行に設けられた下部円板との間に複数のブレードを外周面に沿って放射状に挟持させた分級ロータにおいて、前記上部円板及び下部円板の外周部近傍に、前記ブレードの端部形状に合わせた凹状の保持溝を形成させて前記ブレードを保持し、前記上部円板及び下部円板を所定の間隔を保持して軸方向に分割された二つの軸ボスにそれぞれ取り付けると共に、これら軸ボスの一方を前記間隔が拡大する側に移動可能とし、前記ブレードを前記上部円板及び下部円板から着脱可能に構成した点にある。
すなわち、上部円板と下部円板の間に複数のブレードを放射状に挟持させた分級ロータであって、分級ロータの軸ボスをスペーサとして上部円板と下部円板を所定の間隔に保持させてブレードを上部円板及び下部円板によって取り付け保持させると共に、上部円板及び下部円板の少なくとも一方を、前記間隔が広がる方向に移動可能にすることで、分級ロータを回転軸から取り外さなくてもブレードを着脱することができ、ブレードの取付け・取外し、及び上部円板と下部円板を含む分級ロータの分解・組立が容易に行える。したがって、ブレードが摩耗又は破損した際に容易に交換ができるなど、保守性に優れた分級ロータを供することができる。
また、前記軸ボスは軸長方向に二分割し、前記上部円板と下部円板との間に所定の間隔を保持させたうえで、それぞれの軸ボスに前記上部円板及び下部円板を一体的に接合形成させてある。
このため、上部円板と下部円板との間隔を定めるスペーサとしての調整が容易に行え、かつ分級ロータからのブレードの取り付け・取り外し、及び上部円板と下部円板を含む分級ロータの分解・組立が容易に行える。
また、軸ボスを上部円板と下部円板との間隔を定めるスペーサ兼両円板の保持部材とすることで、分級ロータ内の搬送気流の流通路において障害物となる従来の支持部材の設置を不要とし、よって分級ロータ内における気流の乱れも生じなくなる。
本考案の第2の特徴は、前記上部円板と下部円板との間に所定の間隔を保持する部材として、二つの軸ボスに嵌合するボス用スリーブを設けた点にある。
前記上部円板と下部円板との間隔を所定量に調整保持するのに、二つの軸ボスをカバーするスリーブ状の部材を用いることで、前記間隔の調整が容易となるほか、軸ボス自体の軸長方向における加工精度を上げる必要が無くなり、製作面でも有利となる。更に、同部材をスリーブ状とすることで、材料を問わず製作が可能となり、耐摩耗性に優れた樹脂のほか、セラミックスや超硬合金、その他の材料の利用可能性も広がる。
本考案の第3の特徴は、前記上部円板及び前記下部円板の相対する側の面に、前記ブレードを保持する凹状の保持溝を形成すると共に、前記ブレードの端部形状に合わせてスリット状の切欠き溝を放射状に配したスリット板をそれぞれ重ね合わせ、これらスリット板により前記ブレードを挟持させる点にある。
すなわち、上部円板の下面側と下部円板の上面側に設けられた二つのスリット板によって上部円板及び下部円板の外周部にブレードの端部に合わせた凹状の窪みを形成させ、該凹状の窪みによってブレードを挟持させるもので、これによりブレードの着脱が極めて容易となる。よって、ブレードが摩耗又は破損した際には容易に交換でき、低コストで補修ができる保守性に優れた分級ロータを供することができる。
そして、スリット板を樹脂で形成することで、ブレードの保持に際して保持部分におけるブレードの損傷を少なくできるほか、樹脂の持つ弾力性によって両部材間の隙間に伴うガタツキを抑えることも可能となる。また、当該スリット板を耐摩耗性に優れた樹脂材料で構成することで、その耐摩耗性を生かして分級ロータ内面のほか、後述の上部円板及び下部円板のカバーとしての役割を担わせる効果も期待できる。
本考案の第4の特徴は、前記上部円板及び前記下部円板に、前記上部円板及び前記下部円板の外周端面、並びに上部円板の上面及び下部円板の下面を覆う耐摩耗性樹脂のカバーを取り付けた点にある。
すなわち、上部円板及び下部円板におけるスリット板が取り付けられていない部位を耐摩耗性樹脂のカバーで覆うことで、粉体と接触する分級ロータ表面の磨耗を防ぐことができ、かつ当該箇所に磨耗が生じた場合には、該カバーのみを交換することで容易に対処することができる。
よって、耐摩耗性に優れ、ブレード以外の部分が破損又は磨耗した場合であっても低コストで補修ができる保守性に優れた分級ロータを供することができる。
本考案の一実施形態を示す分級ロータの断面図 図1の分級ロータのA−A断面視図 他の実施形態を示す分級ロータの断面図 他の実施形態を示す分級ロータの断面図 他の実施形態を示す分級ロータの断面図 他の実施形態を示す分級ロータの断面図 本考案の分級ロータを取り付けた分級機の概要図
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2において、分級ロータ1は、上部円板2と該上部円板2に対して下方に所定の間隔をおいて配置された下部円板3、及び上部円板2と下部円板3とを保持するため、軸長方向に上下二つに分割された軸ボス16a、16bと、上部円板2と下部円板3との間で挟持され、分級ロータ1の外周側に放射状に配置された複数のブレード4とにより構成されている。軸ボス16a、16bは回転軸12に取り付けられ、分級ロータ1を所定の回転速度で回転させる。
すなわち、軸ボスは軸長方向に上下二つに分割され、上部円板2が取り付けられた上方側の軸ボス16aと、下部円板3が取り付けられた下方側の軸ボス16bとが設けられ、これらを軸ボス16bの下方側から連結用ボルト28により固定保持させている。したがって、前記連結用ボルトを緩めることで、これら二つの軸ボス16a、16b同士の接合を解除して上部円板2と下部円板3との間隔を広げることが可能となり、該間隔を広げた上でブレード4の着脱を行うことができる。また、二つの軸ボス16a、16bの接合部に別途リング状のスペーサを嵌めることで、ブレード4の長さに合わせて上部円板2と下部円板3との間隔を調整することも可能である。
上部円板2の下面側(分級ロータ1の内側)には上部スリット板5が取り付けられており、下部円板3の上面側(分級ロータ1の内側)には下部スリット板7が取り付けられている。上部スリット板5及び下部スリット板7は耐摩耗性の樹脂材料で形成され、外周部には前記ブレード4を挟持するため、同ブレード4の幅と厚みに合わせたスリット状の切欠き溝11が放射状に等間隔に配置されて設けられている。切欠き溝11にはブレード4が嵌めこまれることになるため、図2においては、これらは重ねて描かれている。
上部スリット板5及び下部スリット板7は、二つの軸ボス16a、16bの外周部に嵌め込まれた軸ボス用スリーブ17により、その端部で上部円板2及び下部円板3に押し付けられることで、上部円板2及び下部円板3に密着させて一体で回転可能に保持されている。なお、この軸ボス用スリーブ17の長さは、上部円板2と下部円板3との間隔寸法に合わせて設定されている。
また、上部スリット板5及び下部スリット板7のスリット状の切欠き溝11を含む上部円板2の下面側及び下部円板3の上面側の外周部には、全周にわたって凹状の窪みが設けられ、該窪みには樹脂又はゴム等の緩衝用材料からなる上部アイソレートリング9及び下部アイソレートリング10をそれぞれ取り付け、ブレード4が上部円板2及び下部円板3の金属部分に直に接するのを防止しており、これによってブレード4端部の破損を防止している。
なお、ブレード4は、その両端部をアイソレートリング9、10に押し当てた状態でスリット板5、7に挟まれて保持されているだけなので、上部円板2及び下部円板3の間隔を広げることで、ブレード4を分級ロータ1から取り外すことができる。アイソレートリング9、10は、ブレード4を上部円板2と下部円板3との間に挟み込んだ際、また運転時の振動やガタツキに伴う摺動等によってブレード4が破損するのを防ぐ目的で設けられた環状部材であり、それらの機能を有する材料で構成するのが好ましい。
上部円板2及び下部円板3と軸ボス16a、16bとの接合は、上部円板2及び下部円板3を軸ボス16a、16bの端面にネジ止めして取り付けることもできるほか、上部円板2及び下部円板3を軸ボス16a、16bに溶接等により接合、あるいは鋳造等によって上部円板2及び下部円板3と軸ボス16a、16bとをそれぞれ一体成形して製造することも可能である。
このように、本実施形態では、軸ボスを軸長方向で二つに分割し、これら軸ボス16a、16bに対して上部円板2及び下部円板3をそれぞれ一体化させたものを回転軸12に対向させて取り付けている。軸ボス16aと軸ボス16bとは位置決め用ピン及び連結用ボルト28等により相互に固定保持され、上部円板2及び下部円板3の外周側におけるブレード4の取り付け位置にズレが生じないようにされている。なお、上部円板2及び下部円板3と軸ボス16a、16bとの接合方法において、軸ボス16a、16bを回転軸12に嵌め込んで接合させた際には、上部円板2と下部円板3との間隔が、前記所定の間隔寸法になるように設定される。そのため、上部円板2の下面と軸ボス16aの下端面の距離と、下部円板3の上面と軸ボス16bの上端面の距離とを適切な寸法に設定させている。
なお、上部円板2の中央部分には分級された微粉を分級ロータ1から流出させるため、軸ボス16aの周囲に複数個の微粉流出口13が設けられている。図2では、8個の円形状の微粉流出口13が設けられているが、微粉流出口13は分級ロータ1からの微粉及び気流の円滑な流出を考慮し、その数、大きさ、形状等は適宜変更可能である。なお、微粉流出口13の外周部には該微粉流出口13を取り囲むように、上部円板2の上面に突起したラビリンスリング19が取り付けられる。
分級ロータ1が取り付けられる回転軸12は、その一端が図示省略の駆動モータと連結しており、他端には分級ロータ1を回転軸12側のキー22と軸ボス16a、16b側のキー溝とを合一させて嵌め込んだ後、分級ロータ1を回転軸12に保持固定させるためのリテーナ15を介して六角穴付ボルト14によって取り付けている。回転軸12には軸スリーブ18が設けられており、分級ロータ1は軸スリーブ18と上記リテーナ15とで挟み込まれて保持固定されている。また、前記リテーナ15を覆う形でリテーナカバー15aが下部円板3の下面側に取り付けられている。リテーナカバー15aはリテーナ15を粉体との接触による摩耗から防ぐためのもので、耐摩耗性に優れた樹脂材料で構成されている。
本実施形態においてブレード4は、耐摩耗性の観点からセラミックス又は超硬合金で形成することを前提としている。セラミックスとしては、例えばアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素など、超硬合金としては窒化タングステン/コバルト合金、窒化チタン、炭窒化チタン、窒化チタンアルミ、窒化アルミクロムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。なお、磨耗性の少ない粉体であれば、ステンレス等の金属材料を用いることも可能である。
スリット板5、7はブレード4を挟み込んで保持するとともに、上部円板2及び下部円板3の磨耗を防ぐ役割も果たす。このためスリット板5及び7は、耐摩耗性がある素材、又は磨耗して粉体中に混入しても当該粉体の後処理工程で除去可能な素材が好ましい。このような素材として、樹脂材料が好ましく、例えばポリウレタン(PU)、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
上部円板2の上面側及び外周側には上部カバー6が取付けられ、下部円板3の下面側及び外周側には下部カバー8が取り付けられている。これらカバー6、8は上部円板2又は下部円板3の磨耗を防ぐために設けた部材であり、スリット板5、6と同種の材料で構成するのが好ましい。上部カバー6及び下部カバー8は、上部円板2及び下部円板3を粉体との接触による摩耗から防ぐもので、スリット板5、6と同種の材料のほか、耐摩耗性に優れた樹脂材料で構成される。これらカバー6、8によって、上部円板2及び下部円板3はステンレス鋼や通常使用される鉄鋼材等の金属材料が利用可能であり、強度上の要求を満たせば、上部円板2及び下部円板3をアルミニウムやマグネシウム等の軽金属及びそれらの合金、更には合成樹脂やその他の複合材料等の使用も可能となる。これらカバー6、8は容易に取り外して交換することができ、上部円板2又は下部円板3が損傷し、その修理や交換の手間や費用等を比べると、格段に安価である。
また、これらカバー6、8に代えて上部円板2及び下部円板3の表面に耐摩耗性付与を目的としたメッキ処理のほか、樹脂又はセラミックスの被覆層を施すことも可能ではある。但し、これら表面被覆層が損耗した場合には、上部円板2及び下部円板3を取り外して表面の被覆層を完全に除去した後に、新たに被覆層を形成させることとなり、加工処理に費用と手間が掛かる。そのため、当該被覆層を上部円板2及び下部円板3に形成させて用いる場合には、分級処理する粉体の材料物性を考慮し、長期にわたり耐摩耗性が確保されることを十分に確認した上で選択すべきである。
そこで、耐摩耗性において問題とならない材料で上部円板2及び下部円板3を構成することも可能である。例えば、上部円板2及び下部円板3をブレード4と同様のセラミックス又は超硬合金で形成することで、非常に優れた耐摩耗性を持たせることが可能である。この場合には、カバー6、8を設ける必要はなくなる。
分級ロータ1は、前述のように、上部円板2を回転軸12の一端側に具備させた軸スリーブ18に当て、下部円板3部を回転軸12の他端側に設けたリテーナ15と六角穴付ボルト14によって押し上げられることで、分級ロータ1は軸スリーブ18とリテーナ15とで挟み込まれて保持固定されているので、リテーナカバー15aを外し、六角穴付ボルト14を抜き取り、リテーナ15を取り外すだけで、分級ロータ1を回転軸12から取り外すことができる。
また、リテーナカバー15aを外し、六角穴付ボルト14を緩め、リテーナ15を下げて上部円板2と下部円板3を固定保持している連結用ボルト28を緩めることで、上部円板2と下部円板3の間隔を広げた後にブレード4を着脱することができ、分級ロータ1を取り外さずにブレード4の取り付け取り外しを容易に行うことができる。なお、リテーナカバー15aはリテーナ15を粉体との接触による摩耗から防ぐためのもので、耐摩耗性に優れた樹脂材料で構成されている。
本考案の他の実施形態として、二つの軸ボス16a、16bの外周部に設けられるボス用スリーブ17を十分な強度を有した材料で構成し、その長さを、上部スリット板5及び下部スリット板7の厚さを含めた上部円板2と下部円板3との間隔に合わせ、上部円板2と下部円板3でボス用スリーブ17を挟んで固定させることで、分級ロータ1の構成要件を備えたものとなり、必ずしも軸ボス16a、16b同士の端面を直接接合させる必要はなくなる。
図3はその一例で、ボス用スリーブ17の長さを上部円板2と下部円板3との間隔に合わせて取り付けたもので、この場合、二つの軸ボス16a、16bの長さは両者の端部間に隙間ができる程度に短くされている。このようにした上で、ボス用スリーブ17を軸ボス16a、16bの連結部材として用いることで、前記上部円板2と下部円板3との間隔の調整が容易となるほか、軸ボス自体の軸長方向における加工精度を上げる必要が無くなり、製作上面でも有利となる。更に、同部材をスリーブ状とすることで、材料を問わず製作が可能で、耐摩耗性に優れた樹脂のほか、セラミックスや超硬合金、その他の材料の利用可能性も広がる。
このように、軸ボス16a、16bで上部円板2と下部円板3との間隔を所定の間隔に保持させることで、従来のセラミックス製のブレードを有する分級ロータでは、強度面で上部円板2と下部円板3とを保持させることができず、分級ロータ1内に付設されていた上部円板2と下部円板3との支持部材を無くことが可能となり、分級ロータ1内における障害物を無くことで気流の乱れを円滑にすることができる。また、ボス用スリーブ17の長さを変えることで、上部円板2と下部円板3との間隔を調整でき、該ボス用スリーブ17の長さに合わせてブレード4の長さを自由に変えることができる。言い換えれば、分級の処理量に合わせて分級ロータ1の高さを容易に変更することも可能となる。
以上、本考案に係る分級ロータ1は、分級ロータ1を回転駆動する回転軸12の軸ボス16a、16bに上部円板2及び下部円板3を支持させ、かつ軸スリーブ18により上部円板2と下部円板3との間隔を所定量に保持可能とするとともに、同間隔を拡大側に調整させてブレード4を着脱することができる。そのため、分級ロータ1を回転軸12に取り付けた状態のままブレード4のみを交換することもできる。つまり、ブレード4は、両端部を上部円板2及び下部円板3に取り付けられたアイソレートリング9、10に押し当てた状態でスリット板5、7に挟まれて保持されているだけなので、上部円板2及び下部円板3のいずれかを内部スリーブ17から引き抜けば、ブレード4を容易に取り外すことができる。
上部円板2と上部スリット板5との固定は、皿ビスを用いているが、ブレード4やボス用スリーブ17が押し付けられるので、ピンで位置決めする程度でも十分である。上部カバー6は、上部スリット板5に比べ遠心力がかかるため、上部円板2にビス等で固定することが好ましいが、これに限定されるわけではない。また、下部円板3と下部スリット板7、下部カバー8についても、上部円板2と上部スリット板5、上部カバー6と同様である。
このように、本考案に係る分級ロータ1は、各部材が耐磨耗性に優れた材料で構成されているうえ、分解組立が容易であって、分級ロータ1を構成する各部材毎に交換することができる。
すなわち、ブレード4が磨耗した場合は、磨耗したブレード4だけを交換すればよく、分級ロータ1の外周部が磨耗した場合は、カバー6、8又はリテーナカバー15aだけを交換すればよく、分級ロータ1の内部が磨耗した場合はスリット板5又は7、或いは内部スリーブ17だけを交換すればよい。従って、ブレード4を耐摩耗性に優れたセラミックス等で構成すると共に、容易にブレード4を交換でき、かつブレード4以外の部分が磨耗した場合であっても低コストで補修ができる保守性に優れた分級ロータ1を供することができる。
また、別の実施形態として、図4に示す如く、回転軸12に軸ボス16a、16bを取り付ける際に、回転軸12と軸ボス16a、16bとの間に下端に鍔の付いたブッシュ29を嵌めるよう構成してもよい。この場合、回転軸12と、ブッシュ29の内面および外面、及び軸ボス16a、16b内面にスプライン溝を形成させてブッシュ29を嵌合することで、ブッシュ29を介して軸ボス16a、16bを回転軸12に保持固定することができる。これによって、軸ボス16a、16bを保持固定するためのキー22とキー溝、及び連結用ボルト28等を省略することができる。
さらに、別の実施形態として、図5に示す如く、下部スリット板7が傾斜する構成としても良い。図5においては、分級ロータ1の軽量化のため、下部円板3を平板状に形成し、下部スリット板7のみを外周側から中心側に向けて上向き方向でテーパー状に傾斜させているが、下部円板3自体を同様に傾斜状に形成させ、その傾斜面を下部スリット板7で覆うように構成しても構わない。
また、別の実施形態として、図6に示す如く、微粉排出口13の手前に配置され、分級ロータ1内に突出する筒状のディップパイプ30を取り付けてもよい。このディップパイプ30を取り付けることで、より粒径の小さい微粉の分級が可能になるほか、分級される微粉の粒度分布もシャープになるなど、分級精度が向上する。ここでは、ディップパイプ30は先端が先細状になるようテーパ状に構成されているが、これらに限るものではなく、真っ直ぐな筒状であってもよい。
このディップパイプ30はその先端の開口面積が小さいほど分級点が小さくなるため、より小さい粒径の微粉を分級することができるが、反面、前記開口面積が小さくなると圧力損失が増えるので、分級ロータ1内に流入する気流量とのバランスを考慮して設定される。また、分級ロータ1内に突出するディップパイプ30の長さについても同様である。
ここで、図6の分級ロータ1は、図1の分級ロータ1にディップパイプ30を取り付けたものであるが、ディップパイプ30は、図3、図4、図5の分級ロータ1にも同様に取り付けることができる。
図7は、本考案に係る分級ロータを分級機に組み込んだ形態を例示する。
分級ロータ1は分級機のケーシング21内の上部に位置する分級室20内に設けられている。粉体は分級ロータ1の下方位置に設けられた粉体供給管27から分級ロータ1に向けて気体とともに輸送され供給される。また、ケーシング21の高さ方向の略中間部には二次気体供給口23が設けられている。
分級室20内に流入した粉体は、二次気体供給口23からの気体流により、また高速回転する分級ロータ1のブレード4との衝突によって凝集状態の粒子は単一粒子へと分散され、所望値よりも小さな粒子径の粉体(微粉)は流出気体と共に分級ロータ1の内部へ流入し、所望値よりも大きな粒子径の粉体(粗粉)はケーシング21内を下降して粗粉排出口24へ向かう。
分級ロータ1内に流入した微粉は、微粉流出口13を通過し、微粉排出口24から分級機外へと排出される。微粉排出口24は、図示省略のサイクロン、バグフィルタなどの捕集機と接続されている。他方、分級室20内から下降した粗粉は、下方に向けて内径が縮小するコーン部25から分級機外へ排出される。コーン部25には図示省略のロータリバルブなどの排出機が接続される。
分級ロータ1の回転軸12はケーシング1の最上部に設けられた駆動モータと連接している。
分級ロータ1の上面に設けられたラビリンスリング19が微粉排出口24の最下部位置に嵌入され、分級ロータ1の上部円板2とケーシング21の上部内面との間隙にエアーシール部を構成している。この間隙には、圧力気体の供給路26を介して圧力気体が供給されることによって間隙内の圧力は高められ、かつ供給された圧力気体が間隙を通って分級室20内側に流出し、分級室20内から該間隙を通って微粉排出口24側に流出する気体の流出を阻止することで、該気体と共に分級すべき微粉よりも大きい粒子(粗粉)が微粉排出口24に漏れ出すのを防止している。
本考案に係る分級ロータは、耐摩耗性に優れ、容易に部品が交換でき、磨耗した場合であっても低コストで補修ができる保守性に優れたものである。このため、特にセラミックスやミネラルなど磨耗性の高い粉体を取り扱う製造工程や異物混入を嫌う製造工程において好適なものである。
1 分級ロータ
2 上部円板
3 下部円板
4 ブレード
5 上部スリット板
6 上部カバー
7 下部スリット板
8 下部カバー
9 上部アイソレートリング
10 下部アイソレートリング
11 切欠き溝
12 回転軸
13 微粉流出口
14 六角穴付ボルト
15 リテーナ
15a リテーナカバー
16a 軸ボス
16b 軸ボス
17 軸ボス用スリーブ
18 軸スリーブ
19 ラビリンスリング
20 分級室
21 ケーシング
22 キー
23 二次気体供給口
24 微粉排出口
25 コーン部
26 圧縮気体供給路
27 粉体供給管
28 連結用ボルト
29 ブッシュ
30 ディップパイプ

Claims (4)

  1. 微粉排出口を有する上部円板と、該上部円板と所定の間隔をもって上下平行に設けられた下部円板との間に複数のブレードを外周面に沿って放射状に挟持させた分級ロータにおいて、前記上部円板及び下部円板の外周部近傍に前記ブレードの端部形状に合わせた凹状の保持溝を形成させて前記ブレードを保持し、前記上部円板及び下部円板を所定の間隔を保持して回転軸に軸方向に分割された二つの軸ボスにそれぞれ取り付けると共に、これら軸ボスの一方を前記間隔が拡大する側に移動可能とし、前記ブレードを前記上部円板及び下部円板から着脱可能に構成したことを特徴とする分級ロータ。
  2. 前記上部円板と下部円板との間に所定の間隔を保持する部材として、二つの軸ボスに嵌合するボス用スリーブを設けたことを特徴とする請求項1記載の分級ロータ。
  3. 前記上部円板及び前記下部円板の相対する側の面に、前記ブレードを保持する凹状の保持溝を形成させると共に、前記ブレードの端部形状に合わせてスリット状の切欠き溝を放射状に配したスリット板をそれぞれ重ね合わせ、これらのスリット板により前記ブレードを挟持させたことを特徴とする請求項1又は2記載の分級ロータ。
  4. 前記上部円板及び前記下部円板に、前記上部円板及び前記下部円板の外周端面、並びに上部円板の上面及び下部円板の下面を覆う耐摩耗性樹脂のカバーを取り付けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の分級ロータ。
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